JPH08253131A - 駐車ブレーキ安全装置 - Google Patents

駐車ブレーキ安全装置

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JPH08253131A
JPH08253131A JP5938695A JP5938695A JPH08253131A JP H08253131 A JPH08253131 A JP H08253131A JP 5938695 A JP5938695 A JP 5938695A JP 5938695 A JP5938695 A JP 5938695A JP H08253131 A JPH08253131 A JP H08253131A
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孝 戸塚
Takeshi Nobori
猛 野堀
Shigeru Nagumo
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、駐車ブレーキ安全装置に関し、定
期的に、且つ自動的に自己診断を実行して、異常を検出
できるようにすることを目的とする。 【構成】 サービスブレーキ補助駆動手段125と、駐
車ブレーキ作動状態検出手段と、車速検出手段と、サー
ビスブレーキ補助駆動手段125の作動を制御する制御
手段9とをそなえるとともに、補助圧力検出手段100
と、シュミレート信号出力手段110と、異常検出手段
115と、警報発生手段120とをそなえるように構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駐車中の車両の安全を
確保すべく設けられた駐車ブレーキ安全装置に関し、特
に、エアブレーキをそなえた車両に用いて好適の、駐車
ブレーキ安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両において、ド
ライバのブレーキ操作の煩わしさを低減できるようにし
たブレーキ補助装置が開発されている。このような従来
のブレーキ補助装置は、ブレーキ操作により車両が停止
するとコンピュータがこれを検出して、ドライバがブレ
ーキペダルから足を離してもブレーキペダル踏み込み時
のブレーキ液圧を保持するような装置であり、これによ
りドライバはブレーキペダルを踏み続けることなく車両
の停止状態を保つことができるようなものである。ま
た、ドライバがクラッチを接続状態にすると、上述のブ
レーキ補助装置の作動が解除されて、通常の走行ができ
るようになっている。
【0003】このような装置について具体的に説明する
と、例えば、車両のブレーキの作動油供給経路上にブレ
ーキ液圧を保つようなアクチュエータが設けられてお
り、例えばブレーキペダルを踏んだままで車両停止状態
が所定時間継続し、その後ドライバがブレーキペダルか
ら足を離したことが検出された場合に、上記のアクチュ
エータにエア圧等を供給してブレーキ力を保持するので
ある。
【0004】これにより、渋滞や信号待ちでブレーキペ
ダルを踏み続ける必要がなくなり、肉体的,精神的な疲
労を低減することができるようになる。また、坂道発進
等も容易に行なうことができ、さらには、追突された時
にも被害を最小限に抑制するとともに事故の拡大を防ぐ
ことができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のブレーキ補助装置は、作動時にブレーキ液圧
を一定に保つように構成されたものであり、例えば坂道
等で駐車中の車両が動き出した場合に、積極的に制動力
を高めて車両の動きを止めるようなものではなかった。
【0006】ところで、特開昭64−67452号公報
には、エンジン停止時にもかかわらず、車両が動き出し
た場合に、車両を停止させるようにした技術が開示され
ているが、この技術では、車両を停止させるために駐車
ブレーキレバーを強制的に引き増しするように構成され
ており、駐車ブレーキ系統のフェイルにより車両が動き
出している場合は、駐車ブレーキを引き増ししても車両
を停止させることはできないという問題がある。また、
エンジンを作動させたまま駐車した場合は、この装置は
作動しないというという問題もある。
【0007】また、特開昭63−258247号公報に
は、制動力保持装置の解除を円滑、且つ安全に行なえる
ようにした技術が開示されているが、この技術は、駐車
中の車両が動き出した場合にこれを積極的に停止させる
ようなものではない。また、実開平2−126966号
公報には、ブレーキ圧力を保持しうる圧力保持手段を設
けて車両の制動力を保持するようにした技術が開示され
ているが、この技術についても、やはり、駐車中の車両
が動き出した場合にこれを積極的に停止させるようなも
のではなかった。
【0008】さらに、特開平6−8808号公報には、
坂道発進する際に、坂道の勾配情報と車両後方の物体
(主に車両)までの距離情報とからアクセル開度を設定
して車両の発進を補助するような装置が開示されている
が、この技術では、駐車した車両が動き出した場合にこ
れを積極的に停止させることができない。そこで、エン
ジンの回転の有無にかかわらず、駐車中の車両が動き出
したときに積極的に制動力を高めて車両を停止させるよ
うな装置(以下、駐車ブレーキ安全装置という)を設け
て、駐車中の車両の安全を保つようにしたい。
【0009】一方、このような駐車ブレーキ安全装置
は、駐車中の車両が動き出すという非常事態になると作
動するいわば非常用の装置であって、通常の車両使用時
に頻繁に作動するようなことは少ないと考えられる。そ
して、このように作動する機会が少ないと、この装置に
何かしらの異常があっても、この異常を発見するのが困
難になるという問題がある。
【0010】また、何らかの理由によりこの装置がフェ
イルしている場合に、これを検出して乗員に報知しない
と、この装置が作動すべきとき(即ち、駐車ブレーキの
効きが十分でないために駐車中の車両が動き出したと
き)に、車両を停止させることができずに、かえってこ
の装置の信頼性を損ないかねないという課題がある。本
発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、定期
的に、且つ自動的に自己診断を実行して、異常を検出で
きるようにした、駐車ブレーキ安全装置を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の駐車ブレーキ安全装置は、駐車ブレーキを装
備した車両において、サービスブレーキ操作部材の操作
に対して独立してサービスブレーキ側へ作用する流体圧
を制御可能に設けられたサービスブレーキ補助駆動手段
と、該駐車ブレーキの作動状態を検出する駐車ブレーキ
作動状態検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、
上記の駐車ブレーキ作動状態検出手段及び車速検出手段
での検出結果に基づき、該駐車ブレーキが作動中である
にもかかわらず所定の車速を検出すると、上記サービス
ブレーキを作動させるよう該サービスブレーキ補助駆動
手段の作動を制御する制御手段とをそなえるとともに、
該サービスブレーキ補助駆動手段よりも下流側に設けら
れ、上記サービスブレーキ側へ作用する流体圧を検出す
る補助圧力検出手段と、該制御手段による制御下にない
と推測され、且つ、駐車ブレーキが作動中である場合
に、該サービスブレーキ補助駆動手段を試験的に動作さ
せるためのシュミレート信号を所要の期間毎に該サービ
スブレーキ補助駆動手段に出力するシュミレート信号出
力手段と、該シュミレート信号出力手段によって該サー
ビスブレーキ補助駆動手段に該シュミレート信号を出力
することにより、該補助圧力検出手段により検出された
圧力情報に基づいて異常を検出する異常検出手段と、該
異常検出手段によって異常が検出されると、所定のタイ
ミングで警報を発生する警報発生手段とをそなえて構成
されたことを特徴としている。
【0012】また、請求項2記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置は、駐車ブレーキを装備した車両において、
サービスブレーキ操作部材の操作に応動して、所要圧の
ブレーキ作動用エアを供給するブレーキ作動用エア供給
系と、該ブレーキ作動用エア供給系に接続され、該ブレ
ーキ作動用エア供給系のエア源を使用した補助エア供給
路と、ブレーキ作動用エア供給系と、該補助エア供給路
との接続部に設けられ、作用圧力の高い方の供給路を選
択して開通状態にするダブルチェックバルブと、補助エ
ア供給路に設けられ、該補助エア供給路の開閉及び大気
開放のいずれをも行ないうるバルブ機構と、該駐車ブレ
ーキの作動状態を検出する駐車ブレーキ作動状態検出手
段と、車速を検出する車速検出手段と、上記の駐車ブレ
ーキ作動状態検出手段及び車速検出手段での検出結果に
基づき、該駐車ブレーキが作動中であるにもかかわらず
所定の車速を検出すると、該補助エア供給路をオンにす
ることにより、該補助エア供給路を通じて高圧エアを該
ブレーキ作動用エア供給系へ供給するように、該バルブ
機構を制御する制御手段とをそなえるとともに、該補助
エア供給路における該バルブ機構の配設位置よりも下流
側に設けられ、該補助エア供給路の圧力を検出する補助
エア供給路圧力検出手段と、該エア源の圧力を検出する
エア源圧力検出手段と、該制御手段による制御下にない
と推測され、且つ、該エア源圧力検出手段で検出された
該エア源の圧力が所定値以上である場合に、該バルブ機
構を試験的に動作させるためのシュミレート信号を所要
の期間毎に該バルブ機構に出力するシュミレート信号出
力手段と、該シュミレート信号出力手段によって該バル
ブ機構に該シュミレート信号を出力することにより、該
補助エア供給路圧力検出手段により検出された該補助エ
ア供給路の圧力に基づいて、該補助エア供給路の圧力異
常を検出する補助エア供給路圧力異常検出手段と、該補
助エア供給路圧力異常検出手段によって該補助エア供給
路の圧力異常が検出されると、所定のタイミングで警報
を発生する警報発生手段とをそなえて構成されることを
特徴としている。
【0013】また、請求項3記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置は、上記請求項2記載の構成に加えて、該補
助エア供給路圧力検出手段が、該所要の期間毎の異常検
出以外に、通常時の該補助エア供給路の圧力異常を検出
するための圧力検出手段を兼用していることを特徴とし
ている。また、請求項4記載の本発明の駐車ブレーキ安
全装置は、上記請求項2記載の構成に加えて、該補助エ
ア供給路圧力検出手段の設定圧が、該補助エア供給路の
大気開放時に該補助エア供給路内に残留するエア圧より
も小さい値に設定されていることを特徴としている。
【0014】
【作用】上述の請求項1記載の本発明の駐車ブレーキ安
全装置では、駐車ブレーキ作動状態検出手段及び車速検
出手段からの検出結果に基づいて、駐車ブレーキが作動
中であるにもかかわらず所定の車速が検出されると、制
御手段によりサービスブレーキ補助駆動手段が制御され
る。そして、これによりサービスブレーキ側へ流体圧が
作用して、車両に大きな制動力が発生する。
【0015】一方、補助圧力検出手段によりサービスブ
レーキ補助駆動手段の流体圧が検出される。そして、制
御手段による制御下にないと推測され、且つ、駐車ブレ
ーキが作動中であると、所要の期間毎にシュミレート信
号出力手段からシュミレート信号が出力される。これに
より、サービスブレーキ補助駆動手段の試験的な動作が
行なわれる。このとき、補助圧力検出手段により検出さ
れた圧力に基づいて、サービスブレーキ補助駆動手段の
異常が検出される。
【0016】上述の請求項2記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置では、駐車ブレーキ作動状態検出手段及び車
速検出手段からの検出結果に基づいて、駐車ブレーキが
作動中であるにもかかわらず所定の車速が検出される
と、制御手段によりバルブ機構が制御され、これにより
ブレーキ作動用エア供給系に接続された補助エア供給路
およびダブルチェックバルブを通じて高圧エアがマスタ
シリンダへ供給され、駐車ブレーキ安全装置が作動す
る。
【0017】一方、補助エア供給路圧力検出手段により
補助エア供給路の圧力が検出されるとともに、エア源圧
力検出手段によりエア源の圧力が検出される。そして、
制御手段による制御下にないと推測され、且つ、エア源
圧力検出手段で検出されたエア源の圧力が所定値以上で
あると、所要の期間毎にシュミレート信号出力手段から
シュミレート信号が出力される。これにより、バルブ機
構の試験的な動作が行なわれる。このとき、補助エア供
給路圧力検出手段により検出された補助エア供給路の圧
力に基づいて、補助エア供給路の圧力異常が検出され
る。
【0018】さらに、補助エア供給路圧力異常検出手段
によって、補助エア供給路の圧力異常が検出されると、
警報発生手段が所定のタイミングで警報を発生する。ま
た、上述の請求項3記載の本発明の駐車ブレーキ安全装
置では、補助エア供給路圧力検出手段により、所要の期
間毎に実行される異常検出以外に、通常時の補助エア供
給路の圧力異常が検出される。
【0019】また、上述の請求項4記載の本発明の駐車
ブレーキ安全装置では、補助エア供給路が大気開放され
た時に、補助エア供給路内にエア圧が残留すると、補助
エア供給路圧力検出手段がオフとなり、また、この残留
エア圧を排出するとオン信号を出力する。
【0020】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の駐車ブレーキ安全装置について説明すると、図1はそ
の異常検出機能に着目した模式的な構成図、図2はその
全体構成を示す模式的な構成図、図3はその要部として
のソレノイドバルブの模式的断面図であって、(a)は
そのソレノイドバルブの構造を簡単に説明するための模
式図、(b)はその作動時の動作を説明するための模式
図、(c)はその作動解除時の動作を説明するための模
式図、図4はその異常検出機能に着目した模式的な制御
ブロック図、図5はその制御系の全体構成を示す模式的
な制御ブロック図、図6はその作動を簡単に説明するた
めのフローチャート、図7はその動作を説明するための
タイムチャート、図8はその異常検出開始条件を示す模
式的な論理回路図、図9はその異常検出機能の動作を簡
単に説明するためのフローチャートである。
【0021】図2に示すブレーキ装置は、エア圧を制御
圧として用いたサービスブレーキ(このようなサービス
ブレーキをエアオーバハイドロリック型ブレーキとい
い、以下、単にエアブレーキと略す)であって、上述の
ブレーキ装置は、主にこのエアブレーキと図示しない駐
車ブレーキ(パーキングブレーキ)とから構成されてい
る。
【0022】そして、このエアブレーキには、ブレーキ
ペダル(サービスブレーキ操作部材)4の操作に応動し
て、所要圧のブレーキ作動用エアを供給するブレーキ作
動用エア供給系(以下、単にエア供給系という)6が設
けられており、このエア供給系6からのブレーキ作動用
エアを受けて、前輪側のブレーキ液圧供給系及び後輪側
のブレーキ液圧供給系(ともに図示省略)に接続された
マスタシリンダ5A,5Bが作動して車両に制動力が発
生するようになっている。
【0023】すなわち、このサービスブレーキのエア供
給系6には、図2に示すように、ブレーキバルブ80
や、エア源としてのエアタンク81が接続されており、
運転者がブレーキペダル4を踏むと、ブレーキバルブ8
0が開いてエアタンク81内の高圧エアが開放されるよ
うになっている。これにより、高圧エアがエア供給路8
2,83や後述するマグネットバルブ7を介してマスタ
シリンダ5A,5Bに供給されるようになっているので
ある。
【0024】そして、マスタシリンダ5A,5Bがこの
高圧エアの作用を受けて作動することにより、前輪側及
び後輪側のブレーキ液圧供給系におけるブレーキオイル
の液圧が高められて、サービスブレーキ作動部材(ブレ
ーキシューやブレーキパッド)が作動し、車両に制動力
が発生するようになっている。ところで、図2に示すブ
レーキ装置には、坂道発進補助装置50と駐車ブレーキ
安全装置60とが設けられていて、これらの各装置5
0,60が互いに作用し合うことで車両の坂道発進を容
易にしたり、駐車中の車両の安全を確保したりすること
ができるようになっている。
【0025】このうち、まず坂道発進補助装置50につ
いて説明すると、この坂道発進補助装置50は、図2に
示すブレーキペダル4を踏んで車両を停止させた場合に
作動するものであって、運転者がブレーキペダル4を踏
んで車両が停止したことが所定時間以上検出されると、
エア供給系6のエア供給路82,83に設けられたマグ
ネットバルブ7を切り換えて、このマグネットバルブ7
よりも下流側のエア供給系6内の高圧エアを封じ込め
て、運転者がブレーキペダル4から足を離しても制動力
を保持するようなものである。
【0026】ところで、上述した坂道発進補助装置50
のマグネットバルブ7は、制御手段としてのコントロー
ラ9により制御されるようになっている。このコントロ
ーラ9には、図2に示すように作動スイッチ10,調整
スイッチ11,クラッチぺダルストロークセンサ(クラ
ッチセンサ)12,車速センサ(車速検出手段)13,
ニュートラルスイッチ(変速位置検出手段)14,スト
ップランプスイッチ(又はサービスブレーキ操作部材作
動状態検出手段)15,パーキングスイッチ(駐車ブレ
ーキ作動状態検出手段)16,ドアスイッチ17及びエ
ンジン作動状態検出手段としてのキースイッチ18が接
続されており、これらの各センサ類からの検出情報に基
づいてマグネットバルブ7の作動が制御されるようにな
っているのである。
【0027】ここで、作動スイッチ10は、運転者の周
囲に配設されたオンオフスイッチであって、この作動ス
イッチ10をオンにすることにより坂道発進補助装置5
0が作動しうる状態となり、作動スイッチ10をオフに
すると坂道発進補助装置50が作動しないようになって
いる。また、調整スイッチ11は坂道発進補助装置50
の作動を調整するものであり、マグネットバルブ7の作
動を解除するタイミングの調整を行なうようなスイッチ
である。
【0028】クラッチぺダルストロークセンサ(クラッ
チセンサ)12は、運転者がクラッチペダル(図示省
略)を踏み込むとこれを検出してオン信号を出力するよ
うなセンサであり、又車速センサ(車速検出手段)13
は、遮断手段としての車速センサ用電源遮断スイッチ6
4(図5参照)を介して、バッテリ68からの電力供給
を受けて車速を検出するようなアクティブ型の車速検出
手段である。
【0029】ニュートラルスイッチ14は、変速機の変
速位置を検出する変速位置検出手段として設けられてお
り、このニュートラルスイッチ14は変速機の変速段位
置がニュートラルにある場合のみオン信号を出力するよ
うになっている。ストップランプスイッチ15は、サー
ビスブレーキ操作部材作動状態検出手段として設けられ
ている。すなわち、このストップランプスイッチ15
は、ブレーキペダル(つまりサービスブレーキ操作部
材)4の作動状態を検出するものであって、運転者がブ
レーキペダル4を踏み込むとこれを検出して、やはりオ
ン信号を出力するようになっている。
【0030】また、パーキングスイッチ(駐車ブレーキ
作動状態検出手段)16は、駐車ブレーキ操作部材(即
ちパーキングブレーキレバー、図示省略)の作動状態を
検出するためのスイッチであって、このパーキングブレ
ーキレバーの操作位置に基づいてパーキングブレーキの
作動状態を検出するようになっている。ドアスイッチ1
7は、車両の運転席側のドアの開閉状態を検出しうるセ
ンサであり、又キースイッチ(エンジン作動状態検出手
段)18は、エンジン(図示省略)が作動中(エンジン
オン時)か又はエンジンが非作動時(エンジンオフ時)
かを検出するようなセンサである。
【0031】また、図2に示すように、コントローラ9
には、警報ランプ20及び警報ブザー21が接続されて
おり、坂道発進補助装置50の作動状態と車両の状態と
が所定の条件になった場合、運転者へ警報を発するよう
になっている。なお、これについては後述する。そし
て、コントローラ9では、上述の各センサ類10〜18
の検出情報に基づいて、マグネットバルブ7のオンオフ
制御信号を設定してマグネットバルブ7に出力するよう
になっているのである。
【0032】さて、次に本発明としての駐車ブレーキ安
全装置60について説明すると、この駐車ブレーキ安全
装置60は、所定の条件の下で車両を停止させた後に、
運転者が何ら操作をしていないにもかかわらず車両が動
き出すと、この車両を停止させるべく作動するものであ
る。すなわち、この駐車ブレーキ安全装置60は、例え
ばパーキングブレーキレバーを十分に引かずに坂道に駐
車した場合等に、重力等の作用により車両が自然に動き
始めると、これを検知してブレーキ液圧を増圧させて機
械的にリアホイールブレーキを作動させるようになって
いる。
【0033】このため、図2に示すように、後輪側のエ
ア供給路83におけるマグネットバルブ7の下流側とリ
ア側のマスタシリンダ5Bとの間には、エアタンク81
からの高圧エアを供給しうる補助エア供給路84が介設
されている。また、補助エア供給路84には、上流側か
らチェックバルブ87と、ソレノイドバルブ(バルブ機
構)90とが設けられており、このソレノイドバルブ9
0の作動状態を制御することにより、自動的に車両の制
動力を高めるようになっているのである。
【0034】そして、このソレノイドバルブ90と補助
エア供給路84とによりサービスブレーキ補助駆動手段
125が構成されている。なお、上述のチェックバルブ
87は、図示するように、エアタンク81からの高圧エ
アの下流側への流通のみを許容するような逆止弁であ
る。ここで、このソレノイドバルブ90の構造につい
て、図3(a)を用いて説明すると、このソレノイドバ
ルブ90は、主に第1弁体91,第2弁体92,磁性体
製のプランジャ93,ソレノイド99,第1磁石96及
び第2磁石97とから構成されている。
【0035】また、このソレノイドバルブ90には、エ
アタンク81からの加圧エアを取り入りるエア取入口9
8Aと、この加圧エアをマスタシリンダ5Bに送給する
ためのエア送給口98Bと、マスタシリンダ5Bに送給
されたエアを大気開放するためのエア排出口98Cとが
設けられている。上記エア取入口98Aとエア送給口9
8Bとの間は、第1弁体91により開閉されるようにな
っており、エア送給口98Bとエア排出口98Cとの間
の通路は、第2弁体92により開閉されるようになって
いる。
【0036】また、第1弁体91及び第2弁体92はプ
ランジャ93に連接されて構成されており、プランジャ
93の動きに応じて、これら第1弁体91及び第2弁体
92が作動するようになっている。ところで、このプラ
ンジャ93の周囲にはソレノイド99が設けられてい
る。このソレノイド99は第1ソレノイド(第1ソレノ
イド部)94と第2ソレノイド(第2ソレノイド部)9
5とからなっており、これら第1ソレノイド94,第2
ソレノイド95は、プランジャ93に対して同軸上に設
けられている。
【0037】また、プランジャ93の下方及び上方に
は、それぞれ第1磁石96,第2磁石97が設けられて
いる。なお、これらの第1磁石96及び第2磁石97は
永久磁石である。そして、第1ソレノイド94を通電す
ると磁性体製プランジャ93は図中下方に駆動されるよ
うになっている。このとき、磁性体製プランジャ93は
第1磁石96の磁力によりその状態を保持するようにな
っており、第1ソレノイド94への通電がなくなって
も、プランジャ93は、図3(b)に示すような下向き
の状態に保持されるようになっている。
【0038】このようにプランジャ93が下方に駆動さ
れて、その状態を保持するような場合は、第1弁体91
によりエア取入口98Aとエア送給口98Bとの間が連
通し、第2弁体92によりエア排出口98Bとエア排出
口98Cとの間は遮断されるようになっており、これに
よりエアタンク81からの加圧エアは、エア取入口98
A,エア送給口98Bを介して、マスタシリンダ5Bに
送給されるようになっている。
【0039】したがって、この場合は、駐車ブレーキ安
全装置60により車両に大きな制動力が作用している状
態となる。また、第2ソレノイド95を通電すると、上
述とは逆に、プランジャ93は図中上方に駆動されるよ
うになっている。このとき、磁性体製プランジャ93は
第2磁石97の磁力によりその状態を保持するようにな
っており、やはり第2ソレノイド95への通電がなくな
っても、プランジャ93は、図3(c)に示すような上
向きの状態に保持されるようになっている。
【0040】そして、プランジャ93が上方に駆動され
て、その状態を保持するような場合は、第1弁体91に
よりエア取入口98Aとエア送給口98Bとの間が遮断
されるとともに、第2弁体92によりエア送給口98B
とエア排出口98Cとの間の通路が開通するようになっ
ており、マスタシリンダ5B側からのエアがエア送給口
98B及びエア排出口98Cを通って大気に開放される
ようになっている。もちろん、このときは、エアタンク
81からの加圧エアはマスタシリンダ5Bには供給され
ない。
【0041】したがって、この場合は、駐車ブレーキ安
全装置60が作用していない状態(又は駐車ブレーキ安
全装置60の作動解除状態)となる。
【0042】そして、コントローラ9では、上述の各セ
ンサ類10〜18からの検出情報に基づいてソレノイド
バルブ90の作動を制御することにより、駐車ブレーキ
安全装置60の作動を制御するようになっているのであ
る。なお、図2に示すように、ソレノイドバルブ90と
マスタシリンダ5Bとの間にはダブルチェックバルブ8
9が設けられている。このダブルチェックバルブ89
は、2つのエア圧供給経路のうち、エア圧の大きい方の
経路を開いて、他方のエア圧の小さい方の経路を閉じる
ようなセレクトハイのバルブである。そして、補助エア
供給路84から供給される高圧エアは、このダブルチェ
ックバルブ89を介してマスタシリンダ5Bに供給され
るようになっている。
【0043】さて、上述したように、ブレーキ装置にお
ける坂道発進補助装置50と駐車ブレーキ安全装置60
とは、何れもコントローラ9によりその作動が制御され
るようになっているが、以下、図5を用いて、このブレ
ーキ装置の制御系の全体構成について説明する。
【0044】図5に示すように、制御手段としてのコン
トローラ9には、坂道発進補助装置50の作動を制御す
るための坂道発進補助装置制御手段51と、駐車ブレー
キ安全装置60の作動を制御するための駐車ブレーキ安
全装置制御手段61とが設けられている。そして、坂道
発進補助装置制御手段51は、作動開始コントローラ5
2,作動解除コントローラ53,作動警報コントローラ
54及びドライバ55,56をそなえており、駐車ブレ
ーキ安全装置制御手段61は、作動開始コントローラ
(第1制御手段)62,作動解除コントローラ(第2制
御手段)63,タイマ(タイマ手段)65,ドライバ6
6,67をそなえている。
【0045】まず、坂道発進補助装置制御手段51につ
いて説明すると、作動開始コントローラ52は坂道発進
補助装置50の作動の開始を制御するための制御部,作
動解除コントローラ53はその作動の解除を制御するた
めの制御部,作動警報コントローラ54はその作動の警
報を発する制御するための制御部である。そして、この
坂道発進補助装置制御手段51には、上述したマグネッ
トバルブ7や警報ランプ20や警報ブザー21が接続さ
れており、ドライバ55,56から出力された制御信号
に基づいて、これらのマグネットバルブ7や警報ランプ
20や警報ブザー21の作動を制御するようになってい
る。
【0046】すなわち、図5に示すように、坂道発進補
助装置制御手段51の作動開始コントローラ52には、
上述したセンサ類10〜18のうち、クラッチセンサ1
2,車速センサ13,ニュートラルスイッチ14,スト
ップランプスイッチ15が接続されており、作動開始コ
ントローラ52では、これら各センサ類12〜15によ
り以下の3つ車両状態が検出されたときに、坂道発進補
助装置50を作動させる制御信号を設定するようになっ
ている。
【0047】1.ストップランプスイッチ15によりブレ
ーキペダル4が所定時間(例えば1sec)以上踏まれ
ていることが検出されたとき。 2.車速センサ13により車速=0(即ち停車している)
が検出されたとき。 3.クラッチセンサ12によりクラッチペダルが踏まれて
いることが検出される、又は、ニュートラルスイッチ1
4により変速段がニュートラル位置であることが検出さ
れたとき。
【0048】そして、上記の1.〜3.の3つの条件を全て
満たしている場合は、作動開始コントローラ52では運
転者が車両を停止状態を維持していると見做して、坂道
発進補助装置50を作動させる制御信号を設定し、ドラ
イバ55からマグネットバルブ7にこの制御信号が出力
されるようになっているのである。これにより、エア供
給系6上に設けられたマグネットバルブ7がオンに切り
換えられ、エアタンク81からの高圧エアが、マスタシ
リンダ5A,5Bとマグネットバルブ7との間で封じ込
められるようになっている。
【0049】したがって、ブレーキバルブ80のオンオ
フに関係なく、マスタシリンダ5A,5Bが作動状態を
保つようになり、前輪側及び後輪側のブレーキ液圧供給
系40A,40Bではブレーキ液圧が高められた状態と
なって、制動力が保持されるのである。そして、これに
より車両が停止状態を保つのである。このように、坂道
発進補助装置50を作動させると、坂道での停車時や渋
滞時の停車時に、ブレーキペダル4を踏み続けなくても
車両が停止状態となるので、運転者の疲労が低減される
のである。
【0050】なお、作動開始コントローラ52には、作
動スイッチ10も接続されており、この作動スイッチを
オフにすることにより、作動開始コントローラ52で設
定された制御信号をキャンセルすることができるように
なっている。一方、作動解除コントローラ53には、ク
ラッチセンサ12,ニュートラルスイッチ14,パーキ
ングスイッチ16が接続されており、作動解除コントロ
ーラ53では、上記各センサ類12,14,16からの
検出情報に基づいて、以下の2つの状態のうちいずれか
が検出されたときに、坂道発進補助装置50の作動を解
除する制御信号を設定するようになっている。
【0051】4.ニュートラルスイッチ14により変速装
置のギアがニュートラル以外に操作されたことが検出さ
れ、これに加えてクラッチセンサ12によりクラッチペ
ダルを戻したことが検出されたとき。 5.パーキングスイッチ16によりパーキングブレーキレ
バーの作動が検出されたとき。
【0052】上述の4.の場合は、作動解除コントローラ
53では、運転者が車両を発進させようとしていると判
断して、坂道発進補助装置50の作動を解除する制御信
号を設定するものであり、この場合は、ドライバ55か
らマグネットバルブ7にこの解除信号が出力されるよう
になっている。また、5.の場合は、車両がパーキングブ
レーキにより停車状態に保たれるようになるので、作動
解除コントローラ53では、高圧エアを封じ込めて車両
を停止させる必要がなくなると判断して、坂道発進補助
装置50の作動を解除する制御信号を設定するようにな
っているのである。なお、この場合は、他の所定の条件
を満たすと、上述した駐車ブレーキ安全装置60が作動
して車両を確実に停止状態に保つようになるが、この場
合については後述する。
【0053】このように、上記の4.及び5.の条件のうち
何れかの条件を満たしている場合は、作動解除コントロ
ーラ53により設定された作動解除信号がドライバ55
からマグネットバルブ7に出力されて、これによりマグ
ネットバルブ7がオフに切り換えられるようになってい
る。したがって、車両を発進させる場合に、運転者はブ
レーキペダル4の操作を行なうことなく、アクセルペダ
ルの操作とクラッチペダルの操作を行なうことで車両を
発進させることができるので、特に坂道発進時に容易に
車両を発進させることができるようになる。
【0054】また、パーキングブレーキを作動させる場
合(上記5.の場合)は、比較的長時間に亘って車両を停
車させる場合が多いので、坂道発進補助装置50の作動
を解除して、サービスブレーキへの不必要な負荷をなく
しているのである。なお、この作動解除コントローラ5
3には、調整スイッチ11も接続されており、この調整
スイッチ11を操作することにより、坂道発進補助装置
50の作動解除タイミングを調整できるようになってい
る。
【0055】次に、坂道発進補助装置50の作動警報に
ついて説明すると、作動解除コントローラ53には、パ
ーキングスイッチ16,ドアスイッチ17及びキースイ
ッチ18が接続されており、坂道発進補助装置50の作
動中に運転者が以下の操作のいずれかを行なったことが
検出されると、コントローラ9は警報ランプ20及び警
報ブザー21を作動させて、運転者に警報を行なうよう
になっている。
【0056】6.パーキングスイッチ16及びドアスイッ
チ17により、パーキングブレーキレバーを引かずにド
アを開けたことが検出されたとき。 7.パーキングスイッチ16及びキースイッチ18によ
り、パーキングブレーキレバーが引かれずにエンジンの
停止が検出されたとき。上述の6.の場合は、作動解除コ
ントローラ53では、パーキングブレーキを作動させず
に、運転者が車両から離れようとしていると判断して警
報信号を設定し、ドライバ56から警報ランプ20及び
警報ブザー21にこの警報信号出力するようになってい
るのである。そして、これにより警報ランプ20及び警
報ブザー21を作動させて、運転者に注意を促すように
なっているのである。
【0057】また、上述の6.,7.の場合以外にも、坂道
発進補助装置50に異常が発生したことが検出される
と、上記と同様に警報ランプ20及び警報ブザー21を
作動させて、運転者に注意を促すようになっている。こ
のように、車両に坂道発進補助装置50をそなえること
により、発進と停車とを頻繁に繰り返すような場合に、
運転者の疲労を大きく低減することができ、また、安全
且つ確実に坂道発進を行なうことができるようになる。
【0058】さて、次に駐車ブレーキ安全装置制御手段
61について説明すると、上述したように、この駐車ブ
レーキ安全装置制御手段61は、第1制御手段としての
作動開始コントローラ62,第2制御手段としての作動
解除コントローラ63,タイマ(タイマ手段)65,ド
ライバ66,67をそなえている。上述の作動開始コン
トローラ62は駐車ブレーキ安全装置60の作動の開始
を制御するための制御部であり、又作動解除コントロー
ラ63はその作動を解除するための制御部である。
【0059】また、この駐車ブレーキ安全装置制御手段
61には、図5,図2に示すように、パーキングブレー
キが作動すると点灯するパーキングブレーキランプ33
が接続されている。そして、この駐車ブレーキ安全装置
制御手段61に設けられたドライバ66,67から出力
された制御信号に基づいて、ソレノイドバルブ90やパ
ーキングブレーキランプ33の作動が制御されるように
なっている。
【0060】ここで、駐車ブレーキ安全装置制御手段6
1の作動開始コントローラ62について説明すると、こ
の作動開始コントローラ62では、パーキングブレーキ
が作動中であるにもかかわらず、所定の車速が検出され
ると駐車ブレーキ安全装置60を作動させるための制御
信号を設定するようになっている。詳しくは、図5に示
すように、この作動開始コントローラ62には車速セン
サ13,ニュートラルスイッチ14,パーキングスイッ
チ16,キースイッチ18が接続されており、作動開始
コントローラ62では、これらのセンサ類13,14,
16,18から、以下の8.,9.の何れかの車両状態を検
出すると、ソレノイドバルブ90を制御してマスタシリ
ンダ5Bにエア圧を供給するようになっている。
【0061】8.パーキングスイッチ16によりパーキン
グブレーキが作動中であることが検出されたにもかかわ
らず、車速センサ13により所定の車速が検出され、且
つキースイッチ18によりエンジンが作動中であること
が検出され、且つニュートラルスイッチ14により変速
位置が中立位置であることが検出されたとき。 9.パーキングスイッチ16によりパーキングブレーキが
作動中であることが検出されたにもかかわらず、車速セ
ンサ13により所定の車速が検出され、且つキースイッ
チ18によりエンジンが非作動中であることが検出され
たとき。
【0062】このような8.,9.の場合は、作動開始コン
トローラ62では、車両がパーキングブレーキにより停
止状態であるにもかかわらず、坂道等の勾配により自然
に車両が動き出したと判断して、ドライバ66からソレ
ノイドバルブ90に駐車ブレーキ安全装置60を作動さ
せるための制御信号を出力するようになっているのであ
る。
【0063】これにより、ソレノイドバルブ90の第1
ソレノイド94が励磁されて、第1弁体91がエア取入
口98Aとエア送給口98Bとを連通させることによ
り、エアタンク81からの高圧エアが補助エア供給路8
4を介してマスタシリンダ5Bに供給される。そして、
この高圧エアを受けてマスタシリンダ5Bが作動し、ブ
レーキ液圧を増加させることで車両の制動力を高め、自
動的に車両が停止するようになっているのである。
【0064】したがって、駐車ブレーキ安全装置60で
は、坂道等での駐車時に自然に車両が動き出した時の車
両の安全を確保することができるのである。また、この
ときドライバ67からパーキングブレーキランプ33を
点滅させる信号を出力して、駐車ブレーキ安全装置60
が作動中であることを運転者に報知するようになってい
る。
【0065】なお、上述の9.の場合は、キースイッチ1
8によりエンジンが非作動状態であることが検出される
と、タイマ65がトリガされて、このタイマ65により
カウントが開始されるようになっている。そして、タイ
マ65により、車両が停止した状態で所定時間(例えば
1時間)経過したことが検出されると、タイマ65から
のタイムアップ信号を受けて車速センサ用電源スイッチ
64がオフとなり、これにより、車速センサ13への電
力供給遮断されるようになっている。また、このとき、
タイマ65からのタイムアップ信号により、システム用
電源スイッチ64Aがオフ状態にされるようになってい
る。
【0066】これにより、作動開始コントローラ62に
よる車両の監視態勢が解除される。また、この場合は、
ドライバ67からのパーキングブレーキランプ33の点
滅信号もオフにして、駐車ブレーキ安全装置60の作動
がオフになったことを運転者に知らせるようになってい
る。なお、このようにタイマ65でエンジンが非作動状
態になってから車両の停止状態が所定時間継続したこと
が検出されると、車速センサ13への電力供給を遮断
し、更には駐車ブレーキ安全装置制御手段61をオフに
するのは、以下の理由による。
【0067】すなわち、車速センサ13は常に電力を必
要とするアクティブ型車速センサであるため、長時間の
駐車時に作動開始コントローラ62をオンの状態のまま
にしておくとバッテリが上がることが考えられるからで
ある。また、あらかじめ設定された所定時間内に車両が
動き出したことが検出されなければ、即ち、この例で言
えば車両の停止状態が1時間も継続していれば、パーキ
ングブレーキが十分に作動していて駐車の安全が確保さ
れていると考えられるからである。
【0068】また、このタイマ65では、キースイッチ
18によりエンジンが作動状態である間は、図示しない
タイマリセット手段によりタイマ65がリセットされる
ようになっている。さらに、作動開始コントローラ62
には、坂道発進補助装置制御手段51の作動開始コント
ローラ52と同様に作動スイッチ10も接続されてお
り、この作動スイッチをオフにすることにより、やはり
作動開始コントローラ62で設定された制御信号をキャ
ンセルすることができるようになっている。
【0069】一方、駐車ブレーキ安全装置制御手段61
の作動解除コントローラ63には、ストップランプスイ
ッチ15及びパーキングスイッチ16が接続されてお
り、作動解除コントローラ63では、上記各センサ類1
5,16からの検出情報に基づいて、以下の10. ,11.
の何れかの車両状態が検出されると、駐車ブレーキ安全
装置60の作動を解除する制御信号を設定するようにな
っている。
【0070】10. パーキングスイッチ16により、パー
キングブレーキレバーの解除操作が続けて所定の複数回
(例えば2回)検出されたとき。 11. パーキングスイッチ16によりパーキングブレーキ
レバーの解除操作が検出されるとともに、ストップラン
プスイッチ15によりブレーキペダルの踏み込み(即ち
サービスブレーキの作動操作)が検出されたとき。
【0071】つまり、駐車ブレーキ安全装置60が作動
状態となるには、上記8.,9.で詳述したようにパーキン
グブレーキの作動が必要であり、したがって、この装置
60の作動解除には、10. ,11. のようにパーキングブ
レーキを解除することが前提条件となっているのであ
る。ここで、上記の10. について説明すると、駐車ブレ
ーキ安全装置60を解除する場合は、運転者がこれを意
識的に行なうように、続けて複数回パーキングブレーキ
の解除操作を行なったときに、この駐車ブレーキ安全装
置60を解除するようになっているのである。
【0072】つまり、坂道等で車両が動き出すと、駐車
ブレーキ安全装置60が作動して駐車ブレーキに代わっ
て車両を停止させることができるが、このような場合、
もう一度駐車ブレーキを強く作動させるのが好ましい。
そして、再度駐車ブレーキを作動させることで、確実に
駐車ブレーキを作動させることができれば、駐車ブレー
キ安全装置60の作動を解除したい。
【0073】しかし、このような場合、再度駐車ブレー
キを作動させるために、まずブレーキレバーを一旦戻し
てから再びブレーキレバーを強く引くことが考えられ
る。そして、このように一旦ブレーキレバーを戻した状
態で駐車ブレーキ安全装置60の作動が解除されてしま
うと、再び車両が動き出してしまう。そこで、この駐車
ブレーキ安全装置60では、これを防止すべく、駐車ブ
レーキの作動が解除されただけでは、駐車ブレーキ安全
装置60の作動を解除せず、その後、再度駐車ブレーキ
が作動したときに駐車ブレーキ安全装置60の作動を解
除するようになっている。
【0074】これにより、運転者が無意識にパーキング
ブレーキの解除操作を行なっても、駐車ブレーキ安全装
置60が解除されることがなく、駐車時の車両の安全を
確保しているのである。なお、パーキングブレーキが作
動中であってエンジンが作動中且つ変速位置が中立位置
であるときや、パーキングブレーキが作動中であってエ
ンジンが非作動中のときは、車速が検出されると駐車ブ
レーキ安全装置60が作動するような駐車ブレーキ安全
装置60のスタンバイ状態となるが(上記8.,9.)、こ
のスタンバイ状態において車速が検出されていない間
は、パーキングブレーキの1回の解除操作により、駐車
ブレーキ安全装置60の監視態勢(スタンバイ状態)を
解除して通常の走行が行なえるようになっている。
【0075】また、上記11. の場合は、作動解除コント
ローラ63では、運転者が車両を発進させようとしてい
ると判断して、駐車ブレーキ安全装置60の作動を解除
するようになっているのである。そして、これら10. ,
11. の場合は、作動解除コントローラ63により作動解
除信号が設定され、ドライバ66からソレノイドバルブ
90へこの作動解除信号が出力されるようになってい
る。この場合、作動解除信号により第2ソレノイド95
が励磁されることにより、エア取入口98Aとエア送給
口98Bとが遮断されるとともにエア送給口98Bとエ
ア排出口98Cとが連通することになる。
【0076】そして、これによりエアタンク81からマ
スタシリンダ5Bへの高圧エアの供給が中止され、マス
タシリンダ5Bへ作用していた高圧エアがエア排出口9
8Cを介して大気開放されて車両の制動力を解除するの
である。ところで、上述してきた駐車ブレーキ安全装置
60は、駐車中の車両が動き出したときにこれを停止さ
せるために設けられたいわば非常用の装置であって、駐
車ブレーキ安全装置60が通常の車両使用時に頻繁に作
動するようなことは少ない。
【0077】このように、駐車ブレーキ安全装置60の
作動する機会が少ないと、この駐車ブレーキ安全装置6
0に何かしらの異常があっても、定期的な機能チェック
を実施しない限りはこの異常を発見しづらい。また、何
らかの理由で駐車ブレーキ安全装置60がフェイルして
いる場合に、これを検出して乗員に報知しないと、駐車
ブレーキ安全装置60が作動すべきとき(即ち、パーキ
ングブレーキの効きが十分でないために駐車中の車両が
動き出したとき)に、車両を停止させることができず
に、この駐車ブレーキ安全装置60の信頼性を損なって
しまうことも考えられる。
【0078】そこで、本装置では、駐車ブレーキ安全装
置60を定期的に、且つ自動的に診断して、この駐車ブ
レーキ安全装置60の異常を検出するような機能もそな
えて構成されている。図1は本装置のうちの異常検出機
能に着目した模式的な構成図であるが、この図1に示す
ように、ソレノイドバルブ90の下流側の補助エア供給
路84上、具体的には、ソレノイドバルブ90とダブル
チェックバルブ89との間には、この補助エア供給路8
4内の圧力を検出しうる補助エア供給路圧力検出手段
(又は補圧力検出手段)としての圧力スイッチ100が
設けられている。
【0079】この圧力スイッチ100は、補助エア供給
路84内が所定圧力以上になるとオン信号を出力するよ
うなオンオフスイッチであって、ここでは、例えば0.
5kgf/cm2 程度の低圧状態でON信号を出力する
ように設定されている。これは、補助エア供給路84内
が大気開放された場合に、多少の残圧が残っていること
が考えられるためであり、完全にエア圧が抜けた場合に
圧力スイッチ100がオフの状態となるように、エア圧
に敏感な設定になっているのである。
【0080】なお、この圧力スイッチ100は、補助エ
ア供給路84及びダブルチェックバルブ89を通ってマ
スタシリンダ5Bに作用するエア圧の有無を検出するた
めのものであるので、実際は図1に示すように、ダブル
チェックバルブ89の近傍に設けられている。また、エ
アタンク81の近傍には、エアタンク81内の圧力を検
出しうるエア源圧力検出手段(以下、これを低圧警報ス
イッチという)105が設けられている。この低圧警報
スイッチ105は、エアブレーキを備えた車両において
は、エアタンク81の圧力を検出するために一般的に用
いられるセンサである。
【0081】そして、これらの圧力スイッチ100及び
低圧警報スイッチ105は、ともに制御手段としてのコ
ントローラ9に接続されている。また、図4は本装置の
うちの異常検出機能に着目した模式的な制御ブロック図
であるが、図4に示すように、このコントローラ9内に
は、上述してきた坂道発進補助装置制御手段51や駐車
ブレーキ安全装置制御手段61以外に、この異常検出の
ためのシュミレート信号出力手段110や補助エア供給
路圧力異常検出手段(以下、単に異常検出手段という)
115が設けられている。
【0082】ここで、シュミレート信号出力手段110
は、定期的(例えば1ヵ月に1回程度の割合)にソレノ
イドバルブ90に対して試験動作を行なうための信号
(シュミレート信号)を出力するものである。また、異
常検出手段115は、シュミレート信号出力手段110
によってソレノイドバルブ90にシュミレート信号が出
力されたときに、圧力スイッチ100で検出された補助
エア供給路84の圧力に基づいて、補助エア供給路84
の圧力異常を検出するものである。
【0083】また、コントローラ9には、異常検出手段
115によって、補助エア供給路84の圧力異常、即ち
駐車ブレーキ安全装置60の異常が検出されると、所定
のタイミングで警報を発生する警報発生手段120が接
続されている。以下に、この異常検出の手順について簡
単に説明すると、まず、シュミレート信号出力手段11
0では、定期的な異常検出を行なう時期になると、コン
トローラ9内の駐車ブレーキ安全装置制御手段61から
の情報に基づいて、駐車ブレーキ安全装置60が駐車ブ
レーキ安全装置制御手段61による制御下にあるかどう
かを判断するようになっている。
【0084】ここで、駐車ブレーキ安全装置制御手段6
1による制御下にない場合、即ち、駐車ブレーキ安全装
置60が作動していなくて、且つ作動待機状態でもない
場合は、低圧警報スイッチ105からの圧力情報に基づ
いてエアタンク81内の圧力が所定値(例えば、5kg
f/cm2 )以上あるかどうかを判断する。そして、エ
アタンク81内の圧力が所定値以上あれば、シュミレー
ト信号出力手段110により、ソレノイドバルブ90に
対してシュミレート信号が出力されるようになってい
る。
【0085】このシュミレート信号は、第1のシュミレ
ート信号と第2のシュミレート信号とからなり、まず最
初に第1のシュミレート信号が出力された後に、第2の
シュミレート信号が出力されるようになっている。ソレ
ノイドバルブ90では、このシュミレート信号が入力さ
れると、異常検出動作を行なうようになっており、第1
のシュミレート信号が入力されるとソレノイドバルブ9
0は第1の試験動作を行ない、第2のシュミレート信号
が入力されると第2の試験動作を行なうようになってい
る。
【0086】そして、異常検出手段115では、これら
第1の試験動作時の圧力スイッチ100からの出力情報
及び第2の試験動作時の圧力スイッチ100からの出力
情報に基づいて、駐車ブレーキ安全装置60に異常があ
るかどうかを診断するようになっており、異常検出手段
115では、第1の試験動作時に圧力スイッチ100か
らオン信号が出力され、且つ第2の試験動作時に圧力ス
イッチ100からオン信号が出力されない(即ち、圧力
スイッチ100がオフ状態)場合にのみ、駐車ブレーキ
安全装置60に異常はないと判断するようになってい
る。
【0087】ここで、ソレノイドバルブ90の第1の試
験動作について説明すると、シュミレート信号出力手段
110から出力される第1のシュミレート信号は、ソレ
ノイドバルブ90のプランジャ93を下方に駆動させる
信号であって、ソレノイドバルブ90が正常であれば、
この第1のシュミレート信号が入力されるとプランジャ
93が下方に駆動されて(第1の試験動作)、エア取入
口98Aとエア送給口98Bとが所定時間連通するはず
である。
【0088】そして、これによりエアタンク81からの
加圧エアが補助エア供給路84及びダブルチェックバル
ブ89を介してマスタシリンダ5Bに送給されるように
なり、補助エア供給路84内でエア漏れ等の異常がなけ
れば圧力スイッチ100からオン信号が出力されること
になる。したがって、異常検出手段115では、第1の
試験動作時に圧力スイッチ100からオン信号が出力さ
れると、第1の試験動作時においては異常なしと判断す
るようになっているのである。
【0089】これに対して、プランジャ93が固着して
いたり、補助エア供給路84の破損等によりエア漏れが
生じていたりすると、第1のシュミレート信号に対して
圧力スイッチ100からオン信号が出力されないので、
この場合は、駐車ブレーキ安全装置60に異常があると
判断して、所定のタイミングで警報発生手段120を作
動させるようになっている。
【0090】次に、第2のシュミレート信号の入力によ
るソレノイドバルブ90の第2の試験動作について説明
すると、この第2のシュミレート信号は、プランジャ9
3を上方に駆動させる信号であって、ソレノイドバルブ
90が正常であれば、プランジャ93が上方に駆動され
る(第2の試験動作)ことにより、エア取入口98Aと
エア送給口98Bとが遮断され、エア送給口98Bとエ
ア排出口98Cとが連通するはずである。
【0091】そして、これによりダブルチェックバルブ
89とソレノイドバルブ90との間にある加圧エアはエ
ア排出口98Cを介して大気開放されて、補助エア供給
路84の圧力が低下して、圧力スイッチ100からオン
信号が出力されなくなる(即ち圧力スイッチ100がオ
フとなる)。したがって、異常検出手段115では、上
述の第2の試験動作時に圧力スイッチ100からオン信
号が出力されない場合に、第2の試験動作時においては
異常なしと判断するようになっているのである。
【0092】一方、プランジャ93が固着していたりす
ると、第2のシュミレート信号が入力されてもエア送給
口98Bとエア排出口98Cとが連通されないので、補
助エア供給路84内にエア圧が残留し、圧力スイッチ1
00はオン信号を出力することになる。したがって、こ
の場合は異常があると判断して、所定のタイミングで、
警報発生手段120を作動させるようになっている。
【0093】このように、異常検出手段115では、第
1の試験動作時及び第2の試験動作時において、ともに
異常が認められなかった場合にのみ、駐車ブレーキ安全
装置60が正常であると判断し、第1の試験動作時又は
第2の試験動作時の少なくとも一方で異常が検出される
と、やはり、所定のタイミングで警報発生手段120を
作動させて、駐車ブレーキ安全装置60の異常を知らせ
るようになっているのである。なお、この警報発生手段
120は上述した警報ブザー21と兼用させて構成して
も良い。
【0094】さらには、上述した圧力スイッチ100
は、通常時の駐車ブレーキ安全装置60のフェイル判定
を行なうための、補助エア供給路84の圧力異常を検出
する圧力検出手段を兼用して構成されている。これによ
り、例えば通常時には以下の場合に駐車ブレーキ安全装
置60がフェイルしていると判定するようになってい
る。
【0095】駐車ブレーキ安全装置60の作動が解除さ
れている状態で、キースイッチ18からイグニションO
N信号が入力され、且つストップランプスイッチ15か
らブレーキペダル4が踏まれていないことが検出された
ときに、圧力スイッチ100からON信号が所定時間
(例えば2秒)以上出力されたとき。これは、ブレーキ
が作動していないはずであるにもかかわらず、補助エア
供給路84に加圧エアが存在してマスタシリンダ5Bに
作用しているからであり、コントローラ9てはこれをフ
ェイルと判定するようになっている。
【0096】また、これ以外にも、駐車ブレーキ安全装
置60が作動している状態で、且つエアタンク内の圧力
が正常であるにもかかわらず、圧力スイッチ100がオ
フであることが検出されると、やはりコントローラ9で
は装置60に異常があると判断してフェイルと判定する
のである。
【0097】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安
全装置は上述のように構成されているので、例えば、図
6に示すようなフローチャートにしたがって駐車ブレー
キ安全装置60が作動する。ここで、図6に示すフロー
チャートについて簡単に説明する。まずステップS1で
車速センサ13により車両1の停止が検出されると、ス
テップS2に進んで、パーキングスイッチ16によりパ
ーキングブレーキの作動を検出する。
【0098】そして、ステップS3で車速センサ13に
より車両1が動き出したことが検出されると、ステップ
S4においてキースイッチ18によりエンジンが作動中
で、且つニュートラルスイッチ14により変速位置が中
立位置であることが検出されるか、又はステップS5に
おいてキースイッチ18によりエンジンが非作動中(ト
ランスミッションの変速位置は任意)であることが検出
されるという作動条件を満足している場合に、ステップ
S6でソレノイドバルブ90を切り換えて後輪側のブレ
ーキ液圧を増加させる。
【0099】そして、ステップS7では、ステップS6
におけるブレーキ液圧増加を受けて、リアホイールブレ
ーキ3が作動するとともに、ステップS8でパーキング
ブレーキランプ33を作動させ、運転者に駐車ブレーキ
安全装置60の作動を報知するのである。ここで、ソレ
ノイドバルブ90の作動(図6のステップS6)につい
て説明すると、この場合は、まず作動開始コントローラ
(第1制御手段)62によりソレノイドバルブ90にオ
ン信号(作動信号)が設定され、ドライバ66を介して
この作動信号が所定時間だけ出力される。
【0100】そして、この作動信号により、ソレノイド
バルブ90の第1ソレノイド94が励磁されてプランジ
ャ93が下方に駆動される。これにより、図3(b)に
示すように、第1弁体91もプランジャ93と同様に下
方に移動して、エア取入口98Aとエア送給口98Bと
の間が連通状態となり、エアタンク81からの加圧エア
がマスタシリンダ5Bに送給されるようになる。
【0101】そして、この加圧エアにより、駐車ブレー
キ安全装置60によるサービスブレーキが作動して車両
を停止させるのである。また、上記所定時間経過後、第
1ソレノイド94への通電が停止されても、プランジャ
93は永久磁石である第1磁石96からの磁力を受ける
ことにより、図3(b)に示すような状態が保持され
て、サービスブレーキの作動が継続するようになる。
【0102】なお、補助エア供給路84にはチェックバ
ルブ87が介装され、また、補助エア供給路84と後輪
側のエア供給路83との接続部にはダブルチェックバル
ブ89が介装されているので、マスタシリンダ5Bに対
して確実に高圧エアが作用する。すなわち、チェックバ
ルブ87により、エアタンク81側からマスタシリンダ
5B側へのエアの流通のみが許容されるので、高圧エア
の逆流が防止されるとともに、ダブルチェックバルブ8
9により、補助エア供給路84と後輪側のエア供給路8
3とのうち、高圧エアの作用圧力の高い方の供給路が開
通状態になるので、やはりマスタシリンダ5Bに高圧エ
アが確実に作用するのである。
【0103】これにより、後輪側のサービスブレーキが
作動して、駐車中の車両が動き出しても大きな制動力が
作用するようになり、車両を安全に停止させることがで
きるのである。
【0104】なお、すでに述べたように、このときドラ
イバ67からはパーキングブレーキランプ33を点滅さ
せる信号が出力されて、駐車ブレーキ安全装置60が作
動中であることが運転者に報知される。一方、駐車ブレ
ーキ安全装置60の作動解除について説明すると、この
場合はコントローラ(第2制御手段)62によりソレノ
イドバルブ90にオフ信号(作動解除信号)が設定さ
れ、ドライバ67を介してこの作動解除信号が所定時間
出力される。
【0105】そして、この作動解除信号により、ソレノ
イドバルブ90の第2ソレノイド95が励磁されてプラ
ンジャ93が上方に駆動される。これにより、図3
(c)に示すように、第1弁体91が上方に移動して、
エア取入口98Aとエア送給口98Bとの間が遮断され
るとともに、第2弁体92によりエア送給口98Bとエ
ア排出口98Cとが連通状態となり、補助エア供給路8
4からマスタシリンダ5Bへの加圧エアの供給が絶た
れ、マスタシリンダ5Bに作用していたエアがエア排出
口98Cを介して大気開放される。
【0106】これにより、駐車ブレーキ安全装置60に
よるサービスブレーキの作動が解除されるのである。ま
た、上記所定時間経過後、第2ソレノイド95への通電
が停止されても、上述の作動信号出力時と同様に、プラ
ンジャ93は、永久磁石である第2磁石97の磁力によ
り図3(c)に示すような状態に保持されるので、駐車
ブレーキ安全装置60によるサービスブレーキの作動解
除状態が保持される。
【0107】また、第1磁石96,第2磁石97をとも
に永久磁石で構成することにより、このプランジャ93
の作動は図7のタイムチャートに示すようになる。例え
ば、プランジャ93が下側にあるときに、第2ソレノイ
ド95を作動させる(t1 )と、プランジャ93は上側
に駆動されるが、第2ソレノイド95の通電が停止して
も、プランジャ93は上側に駆動された状態が保持され
る。
【0108】また、プランジャ93が上側にあるとき
に、第1ソレノイド94を作動させる(t2 )と、プラ
ンジャ93は下側に駆動されるが、第1ソレノイド94
の通電が停止しても、第1永久磁石96によりプランジ
ャ93は下側に駆動された状態が保持されるのである。
さて、このように車両のブレーキ装置に上述したような
ソレノイドバルブ90を用いた駐車ブレーキ安全装置6
0や坂道発進補助装置50をともに設けることにより以
下の効果を得ることができる。
【0109】すなわち、信号待ちや渋滞等の一時停車時
には、坂道発進補助装置50を作動させ、ブレーキペダ
ル4から足を離しても制動力を維持するようにすること
で、運転者の疲労の低減を図ることができ、また、容易
に坂道発進を行なうことができるようになる。一方、パ
ーキングブレーキを作動させて車両を駐停車させた場合
には、エンジンが作動中で且つ変速位置が中立位置であ
るか、又はエンジンが非作動中で変速位置が任意である
と駐車ブレーキ安全装置60が作動する。
【0110】これにより、坂道等で何ら操作していない
にもかかわらず車両が動き出そうとすると、高圧エアが
エアタンク81からマスタシリンダ5Bに供給されて、
車両のサービスブレーキが作動し、駐停車中の車両の安
全が確保されるのである。また、ブレーキペダル4の踏
み込みが検出されると、運転者が発進操作を行なおうと
していると判断して駐車ブレーキ安全装置60を解除す
るが、この解除動作は、補助エア供給路84上のソレノ
イドバルブ90に作動解除信号を出力して上記の高圧エ
アを大気開放することにより実行される。これにより、
運転者は通常通り車両を運転することができるのであ
る。
【0111】また、上述したように、エアブレーキをそ
なえた車両において、ブレーキ作動用エア供給系6に補
助エア供給路84を設けて、この補助エア供給路84上
に補助エア供給路84の開閉及び大気開放のいずれをも
行ないうるソレノイドバルブ90を設けるという簡素な
構成により、駐車ブレーキ安全装置60を小型な機構で
車両に搭載することができるという利点がある。また、
これによりコストや重量の増加をほとんど招くことな
く、駐車ブレーキ安全装置60を車両に搭載することが
できるという利点もある。
【0112】また、第1ソレノイド94と第2ソレノイ
ド部95とを同軸的に配置しているのでソレノイドバル
ブ90を小型化することができるという利点がある。
【0113】ところで、駐車ブレーキ安全装置60がエ
ンジンがオフのときに作動すると、タイマ65がトリガ
されてこのカウントが開始される。そして、このタイマ
65により車両が停止した状態で所定時間(例えば1時
間)経過したことが検出されると、駐車ブレーキ安全装
置60が十分に作動していて駐車の安全が確保されてい
ると判断して、車速センサ用電源スイッチ64やシステ
ム用電源スイッチ64Aがオフにされて、車速センサ1
3や駐車ブレーキ安全装置制御手段61がオフ状態とな
る。また、この場合は、ドライバ67からのパーキング
ブレーキランプ33の点滅信号もオフにして、コントロ
ーラ9による監視態勢が解除されたことを運転者に知ら
せる。
【0114】これにより、車速センサ13による必要以
上の電力消費を抑制することができ、バッテリ上がりを
防止することができる。また、タイマ65では、キース
イッチ18によりエンジンが作動状態である間は、図示
しないタイマリセット手段によりタイマ65がリセット
されるので、エンジンが非作動状態になったときのみ確
実に所定時間をカウントすることができる。
【0115】さらに、駐車ブレーキ安全装置60の作動
時には、ドライバ67からの出力信号に基づいてパーキ
ングブレーキランプ33が点滅するので、この駐車ブレ
ーキ安全装置60が作動を確実に運転者に報知すること
ができる。また、駐車ブレーキ安全装置60が作動中で
あっても、パーキングブレーキレバーの解除操作が所定
の複数回(例えば2回)検出されたときもこの駐車ブレ
ーキ安全装置60の作動が解除されるが、これは、運転
者が意識的にパーキングブレーキを確実に作動させて安
全に車両を駐車させたと判断するからであり、これによ
り、駐車ブレーキ安全装置60の不必要な作動が解除さ
れて、バッテリの負担を軽減することができるのであ
る。
【0116】また、パーキングスイッチ(駐車ブレーキ
作動状態検出手段)16が、パーキングブレーキレバー
(駐車ブレーキ操作部材)の操作位置から駐車ブレーキ
の作動状態を検出することにより、簡単且つ確実にパー
キングブレーキの作動状態を検出することができる。ま
た、低コストでパーキングブレーキの作動状態を検出す
ることができるという利点がある。
【0117】ところで、本装置では、駐車ブレーキ安全
装置60の異常検出機能により、定期的に、且つ自動的
に駐車ブレーキ安全装置60が診断されるが、この診断
の開始条件を図示すると、図8に示すようになる。すな
わち、パーキングブレーキが引かれたことが検出されて
いる,他の装置がフェイルしてない,車輪が停止状態,
車輪がロックされていない状態,イグニッションスイッ
チがオフ,前回の定期診断から所定時間(ここでは、3
0日)以上経過,作動開始コントローラ62による車両
の監視態勢の解除後、所定時間(例えば90分)経過,
低圧警報スイッチがオフ(すなわち、エアタンク内圧力
が所定値以上になっている)という条件を全て満足した
場合に、異常検出(定期チェック)が開始されるのであ
る。
【0118】この異常検出動作を、図9に示すフローチ
ャートを用いて簡単に説明すると、まず、最初にステッ
プSA1で加圧チェックを行なう。この加圧チェック
は、上述の第1の試験動作のことであり、エアタンク8
1から補助エア供給路84へ加圧エアが供給されたかど
うかがチェックされる。そして、この加圧チェックで異
常が認められない場合は、次にステップSA2に進む。
【0119】ステップSA2では、ソレノイドバルブ9
0を所定時間(例えば30秒間)加圧チェックの状態
(即ち、第1の試験動作状態)に保持して保持チェック
を行なう。そして、この保持チェックでは、上述の所定
時間内で補助エア供給路84内の圧力が低下しないかど
うかのチェックを行なう。すなわち、この所定時間内に
圧力スイッチ100がオン信号を出力し続ければ、異常
なしと判断するのである。なお、実際は、ソレノイドバ
ルブ90を第1の試験動作状態とすることで、この保持
チェックと加圧チェックとを合わせて1つのチェックと
して実行する。
【0120】ステップSA2で異常なしの場合、ステッ
プSA3に進んで解除チェックが行なわれる。このステ
ップSA3では、ソレノイドバルブ90を第2の試験動
作状態にして、補助エア供給路84から加圧エアが確実
に大気開放されたかをチェックするのである。そして、
このステップSA3で異常が認められなかった場合は、
駐車ブレーキ安全装置60が正常であるとして異常検出
動作を完了する。
【0121】また、ステップSA1〜ステップSA3の
何れかで異常が検出されると、ステップSA4に進み、
ソレノイドバルブ90を駆動させて所定時間(例えば
1.5秒)補助エア供給路84を大気開放状態とする。
そして、ステップSA5に進みフェイル判定を行なった
後、リターンするのである。そして、駐車ブレーキ安全
装置60の異常検出は、具体的には以下のようにして行
なわれる。すなわち、シュミレート信号出力手段110
では、定期的な異常検出を行なう時期になると、まず、
コントローラ9内の駐車ブレーキ安全装置制御手段61
からの情報に基づいて、駐車ブレーキ安全装置60が駐
車ブレーキ安全装置制御手段61による制御下にあるか
どうかを判断する。
【0122】そして、駐車ブレーキ安全装置制御手段6
1による制御下にない場合は、次に低圧警報スイッチ1
05からの圧力情報に基づいてエアタンク81内の圧力
が所定値(例えば、5kgf/cm2 )以上あるかどう
かを判断する。そして、エアタンク81内の圧力が所定
値以上あれば、シュミレート信号出力手段110によ
り、ソレノイドバルブ90に対して第1,第2のシュミ
レート信号を出力し、ソレノイドバルブ90では、これ
らのシュミレート信号が入力されると、異常検出動作と
して第1,第2の試験動作を行なう。
【0123】そして、異常検出手段115では、これら
第1の試験動作時の圧力スイッチ100からの出力情報
及び第2の試験動作時の圧力スイッチ100からの出力
情報に基づいて、駐車ブレーキ安全装置60に異常があ
るかどうかを診断する。すなわち、異常検出手段115
では、第1の試験動作時に圧力スイッチ100からオン
信号が出力され、且つ第2の試験動作時に圧力スイッチ
100からオン信号が出力されない(即ち、圧力スイッ
チ100がオフ状態)場合にのみ、駐車ブレーキ安全装
置60に異常はないと判断するのである。
【0124】ここで、駐車ブレーキ安全装置60の異常
の検出すべくソレノイドバルブ90に第1のシュミレー
ト信号が入力された場合、ソレノイドバルブ90に異常
がなければ、プランジャ93が下方に駆動されて、エア
取入口98Aとエア送給口98Bとが所定時間連通する
(第1の試験動作)。そして、エアタンク81からの加
圧エアが補助エア供給路84及びダブルチェックバルブ
89を介してマスタシリンダ5Bに送給されるようにな
り、圧力スイッチ100からオン信号が出力されること
になる。
【0125】したがって、第1の試験動作時に圧力スイ
ッチ100からオン信号が出力されると、異常検出手段
115では、第1の試験動作時においては異常なしと判
断する。また、第2のシュミレート信号がソレノイドバ
ルブ90に入力されると、ソレノイドバルブ90に異常
がなければ、プランジャ93が上方に駆動される。そし
て、これによりエア取入口98Aとエア送給口98Bと
が遮断され、ダブルチェックバルブ89とソレノイドバ
ルブ90との間にある加圧エアはエア排出口98Cを介
して大気開放される(第2の試験動作)。
【0126】したがって、補助エア供給路84の圧力が
低下して、圧力スイッチ100からオン信号が出力され
なくなる(即ち圧力スイッチ100がオフとなる)。こ
のような場合、異常検出手段115では、第2の試験動
作時においては、駐車ブレーキ安全装置60に異常はな
いと判断する。そして、異常検出手段115では、第1
の試験動作時及び第2の試験動作時において、ともに異
常が認められなかった場合にのみ、駐車ブレーキ安全装
置60が正常であると判断するのである。
【0127】換言すれば、第1の試験動作時,第2の試
験動作時のどちらか一方が正常であっても、他方が異常
の場合は駐車ブレーキ安全装置60に異常があると判断
するのである。なお、第1の試験動作時,第2の試験動
作時の両方とも異常が検出すれば、当然、駐車ブレーキ
安全装置60に異常があると判断する。すなわち、第1
の試験動作時にプランジャ93が固着していたり、補助
エア供給路84の破損等によりエア漏れが生じていたり
すると、第1のシュミレート信号に対して圧力スイッチ
100からオン信号が出力されないので、この場合は、
駐車ブレーキ安全装置60に異常があると判断して、警
報発生手段120を作動させる。
【0128】また、第2の試験動作時についても、プラ
ンジャ93が固着していたりすると、第2のシュミレー
ト信号が入力されてもエア送給口98Bとエア排出口9
8Cとが連通されないので、補助エア供給路84内にエ
ア圧が残留し、圧力スイッチ100はオン信号を出力す
ることになる。したがって、この場合は異常があると判
断して、警報発生手段120を作動させる。
【0129】このように、第1の試験動作時又は第2の
試験動作時の少なくとも一方で異常が検出されると、所
定のタイミングで警報発生手段120を作動させること
により、乗員は駐車ブレーキ安全装置60の異常を知る
ことができるのである。そして、本装置では、補助エア
供給路84に圧力スイッチ100を設けて、制御ソフト
を追加するという簡素な構成によりコストの上昇をほと
んど招くことなく、このような定期的な異常検出を行な
うことができるという利点がある。
【0130】また、補助エア供給路84に圧力スイッチ
100を設けることで、上述した定期的な診断以外に
も、通常動作時に異常判定を行なうことができる。例え
ば、駐車ブレーキ安全装置60の作動が解除されている
状態で、キースイッチ18からイグニションON信号が
入力され、且つストップランプスイッチ15からブレー
キペダル4が踏まれていないことが検出されたときに、
圧力スイッチ100からON信号が所定時間(例えば2
秒)以上出力されると、コントローラ9ではフェイルと
判定する。
【0131】これは、上述の場合はブレーキが作動して
いないはずであるにもかかわらず、補助エア供給路84
に加圧エアが存在してマスタシリンダ5Bに作用してい
るからである。また、これ以外にも、駐車ブレーキ安全
装置60が作動している状態で、エアタンク内の圧力が
正常であることが検出された時に、圧力スイッチ100
がオフであると、やはり、コントローラ9ではフェイル
と判定する。
【0132】このように、補助エア供給路84に圧力ス
イッチ100を設けるだけ、通常時のフェイルの判定も
簡単に行なうことができるのである。
【0133】なお、補助エア供給路84及びソレノイド
バルブ90を必ずしも後輪側のエア供給系6に設ける必
要はなく、例えばこれを前輪側のエア供給系6、具体的
には前輪側エア供給路82におけるマグネットバルブ7
の下流側と前輪側マスタシリンダ5Aとの間に設けるよ
うに構成してもよい。また、上述のエアオーバハイドロ
リック型ブレーキのほか、ブレーキペダル4とマスタシ
リンダ5A,5Bとの間の作動流体としてブレーキオイ
ルを用いた油圧系のサービスブレーキをそなえた車両
や、さらには、高圧エアによりブレーキ作動部材を直接
作動させる純粋なエアブレーキをそなえた車両に本装置
を適用してもよい。
【0134】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の駐車ブレーキ安全装置によれば、駐車ブレーキを
装備した車両において、サービスブレーキ操作部材の操
作に対して独立してサービスブレーキ側へ作用する流体
圧を制御可能に設けられたサービスブレーキ補助駆動手
段と、該駐車ブレーキの作動状態を検出する駐車ブレー
キ作動状態検出手段と、車速を検出する車速検出手段
と、上記の駐車ブレーキ作動状態検出手段及び車速検出
手段での検出結果に基づき、該駐車ブレーキが作動中で
あるにもかかわらず所定の車速を検出すると、上記サー
ビスブレーキを作動させるよう該サービスブレーキ補助
駆動手段の作動を制御する制御手段とをそなえるととも
に、該サービスブレーキ補助駆動手段よりも下流側に設
けられ、上記サービスブレーキ側へ作用する流体圧を検
出する補助圧力検出手段と、該制御手段による制御下に
ないと推測され、且つ、駐車ブレーキが作動中である場
合に、該サービスブレーキ補助駆動手段を試験的に動作
させるためのシュミレート信号を所要の期間毎に該サー
ビスブレーキ補助駆動手段に出力するシュミレート信号
出力手段と、該シュミレート信号出力手段によって該サ
ービスブレーキ補助駆動手段に該シュミレート信号を出
力することにより、該補助圧力検出手段により検出され
た圧力情報に基づいて異常を検出する異常検出手段と、
該異常検出手段によって異常が検出されると、所定のタ
イミングで警報を発生する警報発生手段とをそなえて構
成されることにより、駐車ブレーキ安全装置の異常検出
を定期的に、且つ自動的に行なうことができ、異常があ
った場合はこれを簡単に発見できるるという利点があ
る。
【0135】また、通常のブレーキに対してサービスブ
レーキ補助駆動手段及び制御ソフトを追加するだけでこ
のような異常検出を行なうことができるので、コストや
重量の増加をほとんど招くことがないという利点もあ
る。
【0136】また、請求項2記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置によれば、駐車ブレーキを装備した車両にお
いて、サービスブレーキ操作部材の操作に応動して、所
要圧のブレーキ作動用エアを供給するブレーキ作動用エ
ア供給系と、該ブレーキ作動用エア供給系に接続され、
該ブレーキ作動用エア供給系のエア源を使用した補助エ
ア供給路と、ブレーキ作動用エア供給系と、該補助エア
供給路との接続部に設けられ、作用圧力の高い方の供給
路を選択して開通状態にするダブルチェックバルブと、
補助エア供給路に設けられ、該補助エア供給路の開閉及
び大気開放のいずれをも行ないうるバルブ機構と、該駐
車ブレーキの作動状態を検出する駐車ブレーキ作動状態
検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、上記の駐
車ブレーキ作動状態検出手段及び車速検出手段での検出
結果に基づき、該駐車ブレーキが作動中であるにもかか
わらず所定の車速を検出すると、該補助エア供給路をオ
ンにすることにより、該補助エア供給路を通じて高圧エ
アを該ブレーキ作動用エア供給系へ供給するように、該
バルブ機構を制御する制御手段とをそなえるとともに、
該補助エア供給路における該バルブ機構の配設位置より
も下流側に設けられ、該補助エア供給路の圧力を検出す
る補助エア供給路圧力検出手段と、該エア源の圧力を検
出するエア源圧力検出手段と、該制御手段による制御下
にないと推測され、且つ、該エア源圧力検出手段で検出
された該エア源の圧力が所定値以上である場合に、該バ
ルブ機構を試験的に動作させるためのシュミレート信号
を所要の期間毎に該バルブ機構に出力するシュミレート
信号出力手段と、該シュミレート信号出力手段によって
該バルブ機構に該シュミレート信号を出力することによ
り、該補助エア供給路圧力検出手段により検出された該
補助エア供給路の圧力に基づいて、該補助エア供給路の
圧力異常を検出する補助エア供給路圧力異常検出手段
と、該補助エア供給路圧力異常検出手段によって該補助
エア供給路の圧力異常が検出されると、所定のタイミン
グで警報を発生する警報発生手段とをそなえて構成され
ることにより、駐車ブレーキ安全装置の異常検出を定期
的に、且つ自動的に行なうことができ、異常があった場
合はこれを簡単に発見できるるという利点がある。ま
た、通常のブレーキに対して補助エア供給路圧力検出手
段及び制御ソフトを追加するだけでこのような異常検出
を行なうことができるので、コストや重量の増加をほと
んど招くことがないという利点もある。
【0137】また、請求項3記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置によれば、上記請求項2記載の構成に加え
て、該補助エア供給路圧力検出手段が、該所要の期間毎
の異常検出以外に、通常時の該補助エア供給路の圧力異
常を検出するための圧力検出手段を兼用するという構成
により、コストや部品点数を節約しながら、異なる異常
検出機能を持たせることができるという利点がある。
【0138】また、請求項4記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置は、上記請求項2記載の構成に加えて、該補
助エア供給路圧力検出手段の設定圧が、該補助エア供給
路の大気開放時に該補助エア供給路内に残留するエア圧
よりも小さい値に設定されるという構成により、補助エ
ア供給路内の圧力検出が厳密なものとすることができる
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安全装
置の異常検出機能に着目した模式的な構成図である。
【図2】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安全装
置の全体構成を示す模式的な構成図である。
【図3】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安全装
置の要部としてのソレノイドバルブの模式的断面図であ
って、(a)はそのソレノイドバルブの構造を簡単に説
明するための模式図、(b)はその作動時の動作を説明
するための模式図、(c)はその作動解除時の動作を説
明するための模式図である。
【図4】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安全装
置の異常検出機能に着目した模式的な制御ブロック図で
ある。
【図5】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安全装
置の制御系の全体構成を示す模式的な制御ブロック図で
ある。
【図6】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安全装
置の全体の動作を簡単に説明するためのフローチャート
である。
【図7】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安全装
置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図8】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安全装
置の異常検出機能の異常検出開始条件を示す模式的な論
理回路図である。
【図9】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安全装
置の異常検出機能の動作を簡単に説明するためのフロー
チャートである。
【符号の説明】
4 ブレーキペダル(サービスブレーキ操作部材) 5A,5B マスタシリンダ 6 エア供給系(ブレーキ作動用エア供給系) 7 切り換え弁(マグネットバルブ) 9 制御手段としてのコントローラ 10 作動スイッチ 11 調整スイッチ 12 クラッチぺダルストロークセンサ(又はクラッチ
センサ) 13 車速センサ(アクティブ型車速検出手段) 14 ニュートラルスイッチ(変速位置検出手段) 15 ストップランプスイッチ(サービスブレーキ操作
部材作動状態検出手段) 16 パーキングスイッチ(駐車ブレーキ作動状態検出
手段) 17 ドアスイッチ 18 キースイッチ(エンジン作動状態検出手段) 20 警報ランプ 21 警報ブザー 33 パーキングブレーキランプ 40A 前輪側ブレーキ液圧供給系 40B 後輪側ブレーキ液圧供給系 50 坂道発進補助装置 51 坂道発進補助装置制御手段 52 作動開始コントローラ 53 作動解除コントローラ 54 作動警報コントローラ 55,56 ドライバ 60 駐車ブレーキ安全装置 61 駐車ブレーキ安全装置制御手段 62 作動開始コントローラ(第1制御手段) 63 作動解除コントローラ(第2制御手段) 64 車速センサ用電源遮断スイッチ(遮断手段) 64A システム用電源スイッチ 65 タイマ手段 66,67 ドライバ 68 バッテリ 80 ブレーキバルブ 81 エアタンク(エア源) 82,83 エア供給路 84 補助エア供給路 87 チェックバルブ 89 ダブルチェックバルブ 90 ソレノイドバルブ(バルブ機構) 91 第1弁体 92 第2弁体 93 磁性体製プランジャ 94 第1ソレノイド(第1ソレノイド部) 95 第2ソレノイド(第2ソレノイド部) 96 第1磁石 97 第2磁石 98A エア取入口 98B エア送給口 98C エア排出口 99 ソレノイド 100 補助エア供給路圧力検出手段又は補助圧力検出
手段としての圧力スイッチ 105 エア源圧力検出手段としての低圧警報スイッチ 110 シュミレート信号出力手段 115 補助エア供給路圧力異常検出手段又は異常検出
手段 120 警報発生手段 125 サービスブレーキ補助駆動手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駐車ブレーキを装備した車両において、 サービスブレーキ操作部材の操作に対して独立してサー
    ビスブレーキ側へ作用する流体圧を制御可能に設けられ
    たサービスブレーキ補助駆動手段と、 該駐車ブレーキの作動状態を検出する駐車ブレーキ作動
    状態検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 上記の駐車ブレーキ作動状態検出手段及び車速検出手段
    での検出結果に基づき、該駐車ブレーキが作動中である
    にもかかわらず所定の車速を検出すると、上記サービス
    ブレーキを作動させるよう該サービスブレーキ補助駆動
    手段の作動を制御する制御手段とをそなえるとともに、 該サービスブレーキ補助駆動手段よりも下流側に設けら
    れ、上記サービスブレーキ側へ作用する流体圧を検出す
    る補助圧力検出手段と、 該制御手段による制御下にないと推測され、且つ、駐車
    ブレーキが作動中である場合に、該サービスブレーキ補
    助駆動手段を試験的に動作させるためのシュミレート信
    号を所要の期間毎に該サービスブレーキ補助駆動手段に
    出力するシュミレート信号出力手段と、 該シュミレート信号出力手段によって該サービスブレー
    キ補助駆動手段に該シュミレート信号を出力することに
    より、該補助圧力検出手段により検出された圧力情報に
    基づいて異常を検出する異常検出手段と、 該異常検出手段によって異常が検出されると、所定のタ
    イミングで警報を発生する警報発生手段とをそなえて構
    成されたことを特徴とする、駐車ブレーキ安全装置。
  2. 【請求項2】 駐車ブレーキを装備した車両において、 サービスブレーキ操作部材の操作に応動して、所要圧の
    ブレーキ作動用エアを供給するブレーキ作動用エア供給
    系と、 該ブレーキ作動用エア供給系に接続され、該ブレーキ作
    動用エア供給系のエア源を使用した補助エア供給路と、 ブレーキ作動用エア供給系と、該補助エア供給路との接
    続部に設けられ、作用圧力の高い方の供給路を選択して
    開通状態にするダブルチェックバルブと、 補助エア供給路に設けられ、該補助エア供給路の開閉及
    び大気開放のいずれをも行ないうるバルブ機構と、 該駐車ブレーキの作動状態を検出する駐車ブレーキ作動
    状態検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 上記の駐車ブレーキ作動状態検出手段及び車速検出手段
    での検出結果に基づき、該駐車ブレーキが作動中である
    にもかかわらず所定の車速を検出すると、該補助エア供
    給路をオンにすることにより、該補助エア供給路を通じ
    て高圧エアを該ブレーキ作動用エア供給系へ供給するよ
    うに、該バルブ機構を制御する制御手段とをそなえると
    ともに、 該補助エア供給路における該バルブ機構の配設位置より
    も下流側に設けられ、該補助エア供給路の圧力を検出す
    る補助エア供給路圧力検出手段と、 該エア源の圧力を検出するエア源圧力検出手段と、 該制御手段による制御下にないと推測され、且つ、該エ
    ア源圧力検出手段で検出された該エア源の圧力が所定値
    以上である場合に、該バルブ機構を試験的に動作させる
    ためのシュミレート信号を所要の期間毎に該バルブ機構
    に出力するシュミレート信号出力手段と、 該シュミレート信号出力手段によって該バルブ機構に該
    シュミレート信号を出力することにより、該補助エア供
    給路圧力検出手段により検出された該補助エア供給路の
    圧力に基づいて、該補助エア供給路の圧力異常を検出す
    る補助エア供給路圧力異常検出手段と、 該補助エア供給路圧力異常検出手段によって該補助エア
    供給路の圧力異常が検出されると、所定のタイミングで
    警報を発生する警報発生手段とをそなえて構成されたこ
    とを特徴とする、駐車ブレーキ安全装置。
  3. 【請求項3】 該補助エア供給路圧力検出手段が、該所
    要の期間毎の異常検出以外に、通常時の該補助エア供給
    路の圧力異常を検出するための圧力検出手段を兼用して
    いることを特徴とする、請求項2記載の駐車ブレーキ安
    全装置。
  4. 【請求項4】 該補助エア供給路圧力検出手段の設定圧
    が、該補助エア供給路の大気開放時に該補助エア供給路
    内に残留するエア圧よりも小さい値に設定されているこ
    とを特徴とする、請求項2記載の駐車ブレーキ安全装
    置。
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