JPH08198074A - 駐車ブレーキ安全装置 - Google Patents

駐車ブレーキ安全装置

Info

Publication number
JPH08198074A
JPH08198074A JP1144795A JP1144795A JPH08198074A JP H08198074 A JPH08198074 A JP H08198074A JP 1144795 A JP1144795 A JP 1144795A JP 1144795 A JP1144795 A JP 1144795A JP H08198074 A JPH08198074 A JP H08198074A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parking brake
air supply
brake
valve
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1144795A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Kamogawa
延明 鴨川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP1144795A priority Critical patent/JPH08198074A/ja
Publication of JPH08198074A publication Critical patent/JPH08198074A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、駐車ブレーキ安全装置に関し、駐
車中の車両が動き出したときに積極的に制動力を高める
ようにすることを目的とする。 【構成】 サービスブレーキ操作部材の操作に応動して
所要圧のブレーキ作動用エアを供給するブレーキ作動用
エア供給系と、このエア供給系のエア源を使用し、ブレ
ーキ作動用エア供給系に接続された補助エア供給路と、
補助エア供給路上に設けられたバルブ機構85と、駐車
ブレーキ作動状態検出手段16と、車速検出手段13
と、第1制御手段62とを設け、駐車ブレーキ作動状態
検出手段16及び車速検出手段13からの検出結果に基
づいて、駐車ブレーキが作動中であるにもかかわらず所
定の車速が検出されると、第1制御手段62が、補助エ
ア供給路を通じて増圧エアをブレーキ作動用エア供給系
へ供給するようにバルブ機構85を制御するように構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駐車中の車両の安全を
確保すべく設けられた駐車ブレーキ安全装置に関し、特
に、エアブレーキをそなえた車両に用いて好適の、駐車
ブレーキ安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両において、ド
ライバのブレーキ操作の煩わしさを低減できるようにし
たブレーキ補助装置が開発されている。このような従来
のブレーキ補助装置は、ブレーキ操作により車両が停止
するとコンピュータがこれを検出して、ドライバがブレ
ーキペダルから足を離してもブレーキペダル踏み込み時
のブレーキ液圧を保持するような装置であり、これによ
りドライバはブレーキペダルを踏み続けることなく車両
の停止状態を保つことができるようなものである。ま
た、ドライバがクラッチを接続状態にすると、上述のブ
レーキ補助装置の作動が解除されて、通常の走行ができ
るようになっている。
【0003】このような装置について具体的に説明する
と、例えば、車両のブレーキの作動油供給経路上にブレ
ーキ液圧を保つようなアクチュエータが設けられてお
り、ブレーキペダルを踏んだままで車両停止状態が所定
時間継続し、その後ブレーキペダルから足を離すと、コ
ンピュータがこれを検出して上記のアクチュエータにエ
ア圧等を供給してブレーキ力を保持するのである。
【0004】これにより、渋滞や信号待ちでブレーキペ
ダルを踏み続ける必要がなくなり、肉体的,精神的な疲
労を低減することができるようになる。また、坂道発進
等も容易に行なうことができ、さらには、追突された時
にも被害を最小限に抑制するとともに事故の拡大を防ぐ
ことができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のブレーキ補助装置は、作動時にブレーキ液圧
を一定に保つように構成されたものであり、例えば坂道
等で駐車中の車両が動き出した場合に、積極的に制動力
を高めて車両の動きを止めるようなものではなかった。
【0006】また、実開平5−22224号公報には、
バイワイヤ方式のブレーキ装置において、電気的制御不
能時にも制動力を得られるようなブレーキアクチュエー
タが開示されているが、これも駐車時の車両の動きを積
極的に停止させるようなものではなかった。本発明は、
このような課題に鑑み創案されたもので、エアブレーキ
をそなえた車両において、駐車中の車両が動き出したと
きに積極的に制動力を高めて車両を停止させることがで
きるようにした、駐車ブレーキ安全装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の駐車ブレーキ安全装置は、駐車ブレーキを装
備した車両において、サービスブレーキ操作部材の操作
に応動して、所要圧のブレーキ作動用エアを供給するブ
レーキ作動用エア供給系をそなえるとともに、該ブレー
キ作動用エア供給系のエア源を使用した補助エア供給路
が該ブレーキ作動用エア供給系に接続され、該補助エア
供給路に、該補助エア供給路の開閉及び大気開放のいず
れをも行ないうるバルブ機構が設けられて、該駐車ブレ
ーキの作動状態を検出する駐車ブレーキ作動状態検出手
段と、車速を検出する車速検出手段と、上記の駐車ブレ
ーキ作動状態検出手段及び車速検出手段での検出結果に
基づき、該駐車ブレーキが作動中であるにもかかわら
ず、所定の車速を検出すると、該補助エア供給路をオン
することにより該補助エア供給路を通じて高圧エアを該
ブレーキ作動用エア供給系へ供給するように、該バルブ
機構を制御すると第1制御手段が設けられたこと特徴と
している。
【0008】また、請求項2記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置は、上記請求項1記載の構成に加えて、該第
1制御手段により該補助エア供給路を通じて高圧エアを
該ブレーキ作動用エア供給系へ供給している状態下で、
該駐車ブレーキが非作動中になるという条件を少なくと
も含む所定の条件を検出すると、該補助エア供給路を大
気開放させるように、該バルブ機構を制御する第2制御
手段が設けられたことを特徴としている。
【0009】また、請求項3記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置は、上記請求項1記載の構成に加えて、該バ
ルブ機構が、該補助エア供給路をオンオフする第1バル
ブと、該第1バルブよりも下流側に設けられて該下流側
へのエアの流通のみを許容するチェックバルブと、該チ
ェックバルブよりも下流側に設けられて該補助エア供給
路を大気開放しうる第2バルブとをそなえて構成された
ことを特徴としている。
【0010】また、請求項4記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置は、上記請求項1記載の構成に加えて、該補
助エア供給路と該ブレーキ作動用エア供給系との接続部
に、作用圧力の高い方の供給路を選択して開通状態にす
るダブルチェックバルブが設けられていることを特徴と
している。また、請求項5記載の本発明の駐車ブレーキ
安全装置は、上記請求項1記載の構成に加えて、該駐車
ブレーキ作動状態検出手段が、駐車ブレーキの作動状態
を駐車ブレーキ操作部材の操作位置から検出するように
構成されていることを特徴としている。
【0011】
【作用】上述の請求項1記載の本発明の駐車ブレーキ安
全装置では、サービスブレーキ操作部材が操作される
と、この操作に応動して所要圧のブレーキ作動用エアが
ブレーキ作動用エア供給系を介して供給される。また、
駐車ブレーキ作動状態検出手段及び車速検出手段からの
検出情報に基づいて、駐車ブレーキが作動中であるにも
かかわらず、所定の車速が検出されると、第1制御手段
によりバルブ機構がオンに制御されて、ブレーキ作動用
エア供給系に接続された補助エア供給路が連通状態にな
る。そして、これにより補助エア供給路を通じて高圧エ
アがブレーキ作動用エア供給系へ供給される。
【0012】また、上述の請求項2記載の本発明の駐車
ブレーキ安全装置では、第1制御手段により補助エア供
給路を介して高圧エアをブレーキ作動用エア供給系へ供
給している状態下で、駐車ブレーキが非作動中になると
いう条件を少なくとも含む所定の条件が検出されると、
第2制御手段によりバルブ機構が制御されて、補助エア
供給路が大気開放となる。
【0013】また、上述の請求項3記載の本発明の駐車
ブレーキ安全装置では、バルブ機構が第1バルブとチェ
ックバルブと第2バルブとをそなえており、第1バルブ
がオンになるとこの補助エア供給路が連通状態となり、
第1バルブよりも下流側に設けられたチェックバルブに
高圧エアが供給される。そして、このチェックバルブで
は下流側へのエアの流通のみが許容されて、チェックバ
ルブよりもさらに下流側に設けられて補助エア供給路を
大気開放しうる高圧エアが第2バルブに供給される。
【0014】また、上述の請求項4記載の本発明の駐車
ブレーキ安全装置では、補助エア供給路とブレーキ作動
用エア供給系との接続部にそなえられたダブルチェック
バルブにより、補助エア供給路とブレーキ作動用エア供
給系とから供給されるエアるの作用圧力の高い方の供給
路が選択されて開通状態となる。また、上述の請求項5
記載の本発明の駐車ブレーキ安全装置では、駐車ブレー
キ作動状態検出手段において、駐車ブレーキの作動状態
が駐車ブレーキ操作部材の操作位置により検出される。
【0015】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の駐車ブレーキ安全装置について説明すると、図1はそ
の制御系の全体構成を示す模式的な制御ブロック図、図
2はその全体構成を示す模式的な構成図、図3はその作
動を簡単に説明するためのフローチャートである。
【0016】図2に示すブレーキ装置は、エア圧を制御
圧として用いたサービスブレーキ(このようなサービス
ブレーキをエアオーバハイドロリック型ブレーキとい
い、以下、単にエアブレーキと略す)であって、上述の
ブレーキ装置は、主にこのエアブレーキと図示しない駐
車ブレーキ(パーキングブレーキ)とから構成されてい
る。
【0017】そして、このエアブレーキには、ブレーキ
ペダル(サービスブレーキ操作部材)4の操作に応動し
て、所要圧のブレーキ作動用エアを供給するブレーキ作
動用エア供給系(以下、単にエア供給系という)6が設
けられており、このエア供給系6からのブレーキ作動用
エアを受けて、前輪側のブレーキ液圧供給系及び後輪側
のブレーキ液圧供給系(ともに図示省略)に接続された
マスタシリンダ5A,5Bが作動して車両に制動力が発
生するようになっている。
【0018】すなわち、このサービスブレーキのエア供
給系6には、図2に示すように、ブレーキバルブ80
や、エア源としてのエアタンク81が接続されており、
運転者がブレーキペダル4を踏むと、ブレーキバルブ8
0が開いてエアタンク81内の高圧エアが開放されるよ
うになっている。これにより、高圧エアがエア供給路8
2,83や後述するマグネットバルブ7を介してマスタ
シリンダ5A,5Bに供給されるようになっているので
ある。
【0019】そして、マスタシリンダ5A,5Bがこの
高圧エアの作用を受けて作動することにより、前輪側及
び後輪側のブレーキ液圧供給系におけるブレーキオイル
の液圧が高められて、サービスブレーキ作動部材(ブレ
ーキシューやブレーキパッド)が作動し、車両に制動力
が発生するようになっている。ところで、図2に示すブ
レーキ装置には、坂道発進補助装置50と駐車ブレーキ
安全装置60とが設けられていて、これらの各装置5
0,60が互いに作用し合うことで車両の坂道発進を容
易にしたり、駐車中の車両の安全を確保したりすること
ができるようになっている。
【0020】このうち、まず坂道発進補助装置50につ
いて説明すると、この坂道発進補助装置50は、図2に
示すブレーキペダル4を踏んで車両を停止させた場合に
作動するものであって、運転者がブレーキペダル4を踏
んで車両が停止したことが所定時間以上検出されると、
エア供給系6のエア供給路82,83に設けられたマグ
ネットバルブ7を切り換えて、このマグネットバルブ7
よりも下流側のエア供給系6内の高圧エアを封じ込め
て、運転者がブレーキペダル4から足を離しても制動力
を保持するようなものである。
【0021】ところで、上述した坂道発進補助装置50
のマグネットバルブ7は、制御手段としてのコントロー
ラ9により制御されるようになっている。このコントロ
ーラ9には、図2に示すように作動スイッチ10,調整
スイッチ11,クラッチぺダルストロークセンサ(クラ
ッチセンサ)12,車速センサ(車速検出手段)13,
ニュートラルスイッチ(変速位置検出手段)14,スト
ップランプスイッチ(又はサービスブレーキ操作部材作
動状態検出手段)15,パーキングスイッチ(駐車ブレ
ーキ作動状態検出手段)16,ドアスイッチ17及びエ
ンジン作動状態検出手段としてのキースイッチ18が接
続されており、これらの各センサ類からの検出情報に基
づいてマグネットバルブ7の作動が制御されるようにな
っているのである。
【0022】ここで、作動スイッチ10は、運転者の周
囲に配設されたオンオフスイッチであって、この作動ス
イッチ10をオンにすることにより坂道発進補助装置5
0が作動しうる状態となり、作動スイッチ10をオフに
すると坂道発進補助装置50が作動しないようになって
いる。また、調整スイッチ11は坂道発進補助装置50
の作動を調整するものであり、マグネットバルブ7の作
動を解除するタイミングの調整を行なうようなスイッチ
である。
【0023】クラッチぺダルストロークセンサ(クラッ
チセンサ)12は、運転者がクラッチペダル(図示省
略)を踏み込むとこれを検出してオン信号を出力するよ
うなセンサであり、又車速センサ(車速検出手段)13
は、遮断手段としての車速センサ用電源遮断スイッチ6
4を介して、バッテリ68からの電力供給を受けて車速
を検出するようなアクティブ型の車速検出手段である。
【0024】ニュートラルスイッチ14は、変速機の変
速位置を検出する変速位置検出手段として設けられてお
り、このニュートラルスイッチ14は変速機の変速段位
置がニュートラルにある場合のみオン信号を出力するよ
うになっている。ストップランプスイッチ15は、サー
ビスブレーキ操作部材作動状態検出手段として設けられ
ている。すなわち、このストップランプスイッチ15
は、ブレーキペダル(つまりサービスブレーキ操作部
材)4の作動状態を検出するものであって、運転者がブ
レーキペダル4を踏み込むとこれを検出して、やはりオ
ン信号を出力するようになっている。
【0025】また、パーキングスイッチ(駐車ブレーキ
作動状態検出手段)16は、駐車ブレーキ操作部材(即
ちパーキングブレーキレバー、図示省略)の作動状態を
検出するためのスイッチであって、このパーキングブレ
ーキレバーの操作位置に基づいてパーキングブレーキの
作動状態を検出するようになっている。ドアスイッチ1
7は、車両の運転席側のドアの開閉状態を検出しうるセ
ンサであり、又キースイッチ(エンジン作動状態検出手
段)18は、エンジン(図示省略)が作動中(エンジン
オン時)か又はエンジンが非作動時(エンジンオフ時)
かを検出するようなセンサである。
【0026】また、図2に示すように、コントローラ9
には、警報ランプ20及び警報ブザー21が接続されて
おり、坂道発進補助装置50の作動状態と車両の状態と
が所定の条件になった場合、運転者へ警報を発するよう
になっている。なお、これについては後述する。そし
て、コントローラ9では、上述の各センサ類10〜18
の検出情報に基づいて、マグネットバルブ7のオンオフ
制御信号を設定してマグネットバルブ7に出力するよう
になっているのである。
【0027】さて、次に本発明としての駐車ブレーキ安
全装置60について説明すると、この駐車ブレーキ安全
装置60は、所定の条件の下で車両を停止させた後に、
運転者が何ら操作をしていないにもかかわらず車両が動
き出すと、この車両を停止させるべく作動するものであ
る。すなわち、この駐車ブレーキ安全装置60は、例え
ばパーキングブレーキレバーを十分に引かずに坂道に駐
車した場合等に、重力等の作用により車両が自然に動き
始めると、これを検知してブレーキ液圧を増圧させて機
械的にリアホイールブレーキを作動させるようになって
いる。
【0028】このため、図2に示すように、後輪側のエ
ア供給路83におけるマグネットバルブ7の下流側とリ
ア側のマスタシリンダ5Bとの間には、エアタンク81
からの高圧エアを供給しうる補助エア供給路84が介設
されている。また、補助エア供給路84には、第1バル
ブ86とチェックバルブ87と第2バルブ88とからな
るバルブ機構85が設けられており、このバルブ機構8
5の作動状態を制御することにより、自動的に車両の制
動力を高めるようになっているのである。
【0029】上述の第1バルブ86は、コントローラ9
によりオンオフ制御されるバルブ(例えば電磁弁)であ
って、補助エア供給路84に高圧エアを供給したり補助
エア供給路84を遮断したりするようなバルブである。
また、チェックバルブ87は、図示するように、第1バ
ルブ86よりも下流側に設けられており、エアタンク8
1からの高圧エアの下流側への流通のみを許容するよう
な逆止弁である。
【0030】また、第2バルブ88は、チェックバルブ
87よりもさらに下流側に設けられており、やはりコン
トローラ9により制御される弁である。この第2バルブ
88は、例えば、コントローラ9から制御信号が出力さ
れない間は機械的な付勢力により補助エア供給路84を
連通状態にするように構成されており、コントローラ9
から制御信号が出力されている間のみ、第2バルブ88
を作動させて、エア供給路84内の圧力を大気開放する
ようになっている。
【0031】そして、コントローラ9では、上述の各セ
ンサ類10〜18からの検出情報に基づいてバルブ機構
85の第1バルブ86及び第2バルブ88を制御するこ
とにより、駐車ブレーキ安全装置60の作動が制御され
るようになっているのである。また、補助エア供給路8
4と後輪側のエア供給路83との接続部にはダブルチェ
ックバルブ89が設けられており、補助エア供給路84
からの供給される高圧エアは、このダブルチェックバル
ブ89を介してマスタシリンダ5Bに供給されるように
なっている。
【0032】なお、このダブルチェックバルブ89は、
補助エア供給路84と後輪側のエア供給路83とのう
ち、作用圧力の高い方の供給路を選択して開通状態にす
るようなバルブである。さて、上述したように、ブレー
キ装置における坂道発進補助装置50と駐車ブレーキ安
全装置60とは、何れもコントローラ9によりその作動
が制御されるようになっているが、以下、図1を用い
て、このブレーキ装置の制御系の全体構成について説明
する。
【0033】図1に示すように、制御手段としてのコン
トローラ9には、坂道発進補助装置50の作動を制御す
るための坂道発進補助装置制御手段51と、駐車ブレー
キ安全装置60の作動を制御するための駐車ブレーキ安
全装置制御手段61とが設けられている。そして、坂道
発進補助装置制御手段51は、作動開始コントローラ5
2,作動解除コントローラ53,作動警報コントローラ
54及びドライバ55,56をそなえており、駐車ブレ
ーキ安全装置制御手段61は、作動開始コントローラ
(第1制御手段)62,作動解除コントローラ(第2制
御手段)63,タイマ(タイマ手段)65,ドライバ6
6,67をそなえている。
【0034】まず、坂道発進補助装置制御手段51につ
いて説明すると、作動開始コントローラ52は坂道発進
補助装置50の作動の開始を制御するための制御部,作
動解除コントローラ53はその作動の解除を制御するた
めの制御部,作動警報コントローラ54はその作動の警
報を発する制御するための制御部である。そして、この
坂道発進補助装置制御手段51には、上述したマグネッ
トバルブ7や警報ランプ20や警報ブザー21が接続さ
れており、ドライバ55,56から出力された制御信号
に基づいて、これらのマグネットバルブ7や警報ランプ
20や警報ブザー21の作動を制御するようになってい
る。
【0035】すなわち、図1に示すように、坂道発進補
助装置制御手段51の作動開始コントローラ52には、
上述したセンサ類10〜18のうち、クラッチセンサ1
2,車速センサ13,ニュートラルスイッチ14,スト
ップランプスイッチ15が接続されており、作動開始コ
ントローラ52では、これら各センサ類12〜15によ
り以下の3つ車両状態が検出されたときに、坂道発進補
助装置50を作動させる制御信号を設定するようになっ
ている。
【0036】1.ストップランプスイッチ15によりブレ
ーキペダル4が所定時間(例えば1sec)以上踏まれ
ていることが検出されたとき。 2.車速センサ13により車速=0(即ち停車している)
が検出されたとき。 3.クラッチセンサ12によりクラッチペダルが踏まれて
いることが検出される、又は、ニュートラルスイッチ1
4により変速段がニュートラル位置であることが検出さ
れたとき。
【0037】そして、上記の1.〜3.の3つの条件を全て
満たしている場合は、作動開始コントローラ52では運
転者が車両を停止状態を維持していると見做して、坂道
発進補助装置50を作動させる制御信号を設定し、ドラ
イバ55からマグネットバルブ7にこの制御信号が出力
されるようになっているのである。これにより、エア供
給系6上に設けられたマグネットバルブ7がオンに切り
換えられ、エアタンク81からマスタシリンダ5A,5
Bへの高圧エアが、マスタシリンダ5A,5Bとマグネ
ットバルブ7との間で封じ込められるようになってい
る。
【0038】したがって、ブレーキバルブ80のオンオ
フに関係なく、マスタシリンダ5A,5Bが作動状態を
保つようになり、図示しない前輪側及び後輪側のブレー
キ液圧供給系ではブレーキ液圧が高められた状態となっ
て、制動力が保持されるのである。そして、これにより
車両が停止状態を保つのである。このように、坂道発進
補助装置50を作動させると、坂道での停車時や渋滞時
の停車時に、ブレーキペダル4を踏み続けなくても車両
が停止状態となるので、運転者の疲労が低減されるので
ある。
【0039】なお、作動開始コントローラ52には、作
動スイッチ10も接続されており、この作動スイッチを
オフにすることにより、作動開始コントローラ52で設
定された制御信号をキャンセルすることができるように
なっている。一方、作動解除コントローラ53には、ク
ラッチセンサ12,ニュートラルスイッチ14,パーキ
ングスイッチ16が接続されており、作動解除コントロ
ーラ53では、上記各センサ類12,14,16からの
検出情報に基づいて、以下の2つの状態のうちいずれか
が検出されたときに、坂道発進補助装置50の作動を解
除する制御信号を設定するようになっている。
【0040】4.ニュートラルスイッチ14により変速装
置のギアがニュートラル以外に操作されたことが検出さ
れ、これに加えてクラッチセンサ12によりクラッチペ
ダルを戻したことが検出されたとき。 5.パーキングスイッチ16によりパーキングブレーキレ
バーの作動が検出されたとき。
【0041】上述の4.の場合は、作動解除コントローラ
53では、運転者が車両を発進させようとしていると判
断して、坂道発進補助装置50の作動を解除する制御信
号を設定するものであり、この場合は、ドライバ55か
らマグネットバルブ7にこの解除信号が出力されるよう
になっている。また、5.の場合は、車両がパーキングブ
レーキにより停車状態に保たれるようになるので、作動
解除コントローラ53では、高圧エアを封じ込めて車両
を停止させる必要がなくなると判断して、坂道発進補助
装置50の作動を解除する制御信号を設定するようにな
っているのである。なお、この場合は、他の所定の条件
を満たすと、上述した駐車ブレーキ安全装置60が作動
して車両を確実に停止状態に保つようになるが、この場
合については後述する。
【0042】このように、上記の4.及び5.の条件のうち
何れかの条件を満たしている場合は、作動解除コントロ
ーラ53により設定された作動解除信号がドライバ55
からマグネットバルブ7に出力されて、これによりマグ
ネットバルブ7がオフに切り換えられるようになってい
る。したがって、車両を発進させる場合に、運転者はブ
レーキペダル4の操作を行なうことなく、アクセルペダ
ルの操作とクラッチペダルの操作を行なうことで車両を
発進させることができるので、特に坂道発進時に容易に
車両を発進させることができるようになる。
【0043】また、パーキングブレーキを作動させる場
合(上記5.の場合)は、比較的長時間に亘って車両を停
車させる場合が多いので、坂道発進補助装置50の作動
を解除して、サービスブレーキへの不必要な負荷をなく
しているのである。なお、この作動解除コントローラ5
3には、調整スイッチ11も接続されており、この調整
スイッチ11を操作することにより、坂道発進補助装置
50の作動解除タイミングを調整できるようになってい
る。
【0044】次に、坂道発進補助装置50の作動警報に
ついて説明すると、作動解除コントローラ53には、パ
ーキングスイッチ16,ドアスイッチ17及びキースイ
ッチ18が接続されており、坂道発進補助装置50の作
動中に運転者が以下の操作のいずれかを行なったことが
検出されると、コントローラ9は警報ランプ20及び警
報ブザー21を作動させて、運転者に警報を行なうよう
になっている。
【0045】6.パーキングスイッチ16及びドアスイッ
チ17により、パーキングブレーキレバーを引かずにド
アを開けたことが検出されたとき。 7.パーキングスイッチ16及びキースイッチ18によ
り、パーキングブレーキレバーが引かれずにエンジンの
停止が検出されたとき。 上述の6.の場合は、作動解除コントローラ53では、パ
ーキングブレーキを作動させずに、運転者が車両から離
れようとしていると判断して警報信号を設定し、ドライ
バ56から警報ランプ20及び警報ブザー21にこの警
報信号出力するようになっているのである。そして、こ
れにより警報ランプ20及び警報ブザー21を作動させ
て、運転者に注意を促すようになっているのである。
【0046】また、上述の6.,7.の場合以外にも、坂道
発進補助装置50に異常が発生したことが検出される
と、上記と同様に警報ランプ20及び警報ブザー21を
作動させて、運転者に注意を促すようになっている。こ
のように、車両に坂道発進補助装置50をそなえること
により、発進と停車とを頻繁に繰り返すような場合に、
運転者の疲労を大きく低減することができ、また、安全
且つ確実に坂道発進を行なうことができるようになる。
【0047】さて、次に駐車ブレーキ安全装置制御手段
61について説明すると、上述したように、この駐車ブ
レーキ安全装置制御手段61は、第1制御手段としての
作動開始コントローラ62,第2制御手段としての作動
解除コントローラ63,タイマ(タイマ手段)65,ド
ライバ66,67をそなえている。上述の作動開始コン
トローラ62は駐車ブレーキ安全装置60の作動の開始
を制御するための制御部であり、又作動解除コントロー
ラ63はその作動を解除するための制御部である。
【0048】また、この駐車ブレーキ安全装置制御手段
61には、図1,図2に示すように、パーキングブレー
キが作動すると点灯するパーキングブレーキランプ33
が接続されている。そして、この駐車ブレーキ安全装置
制御手段61に設けられたドライバ66,67から出力
された制御信号に基づいて、バルブ機構85やパーキン
グブレーキランプ33の作動が制御されるようになって
いる。
【0049】ここで、駐車ブレーキ安全装置制御手段6
1の作動開始コントローラ62について説明すると、こ
の作動開始コントローラ62では、パーキングブレーキ
が作動中であるにもかかわらず、所定の車速が検出され
ると駐車ブレーキ安全装置60を作動させるための制御
信号を設定するようになっている。詳しくは、図1に示
すように、この作動開始コントローラ62には車速セン
サ13,ニュートラルスイッチ14,パーキングスイッ
チ16,キースイッチ18が接続されており、作動開始
コントローラ62では、これらのセンサ類13,14,
16,18から、以下の8.,9.の何れかの車両状態を検
出すると、バルブ機構85を制御してマスタシリンダ5
Bにエア圧を供給するようになっている。
【0050】8.パーキングスイッチ16によりパーキン
グブレーキが作動中であることが検出されたにもかかわ
らず、車速センサ13により所定の車速が検出されたと
きに、キースイッチ18によりエンジンが作動中である
ことが検出され、且つニュートラルスイッチ14により
変速位置が中立位置であることが検出されたとき。 9.パーキングスイッチ16によりパーキングブレーキが
作動中であることが検出されたにもかかわらず、車速セ
ンサ13により所定の車速が検出されたときに、キース
イッチ18によりエンジンが非作動中であることが検出
されたとき。
【0051】このような8.,9.の場合は、作動開始コン
トローラ62では、車両がパーキングブレーキにより停
止状態であるにもかかわらず、坂道等の勾配により自然
に車両が動き出したと判断して、ドライバ66からバル
ブ機構85に駐車ブレーキ安全装置60を作動させる制
御信号を出力するようになっているのである。これによ
り、バルブ機構85のうち第1バルブ86に所定時間オ
ン信号が出力され、エアタンク81からの高圧エアが補
助エア供給路84を介してマスタシリンダ5Bに供給さ
れる。そして、この高圧エアを受けてマスタシリンダ5
Bが作動し、ブレーキ液圧を増加させることで車両の制
動力を高め、自動的に車両が停止するようになっている
のである。
【0052】したがって、駐車ブレーキ安全装置60で
は、坂道等での駐車時に自然に車両が動き出した時の車
両の安全を確保することができるのである。また、この
ときドライバ67からパーキングブレーキランプ33を
点滅させる信号を出力して、駐車ブレーキ安全装置60
が作動中であることを運転者に報知するようになってい
る。
【0053】なお、上述の9.の場合は、キースイッチ1
8によりエンジンが非作動状態であることが検出される
と、タイマ65がトリガされてこのタイマ65によりカ
ウントが開始されるようになっている。そして、タイマ
65により、車両が停止した状態で所定時間(例えば1
時間)経過したことが検出されると、タイマ65からの
タイムアップ信号を受けて車速センサ用電源スイッチ6
4がオフとなり、これにより、車速センサ13への電力
供給遮断されるようになっている。また、このとき、タ
イマ65からのタイムアップ信号により、システム用電
源スイッチ64Aがオフ状態にされるようになってい
る。
【0054】これにより、作動開始コントローラ62に
よる車両の監視態勢が解除される。また、この場合は、
ドライバ67からのパーキングブレーキランプ33の点
滅信号もオフにして、駐車ブレーキ安全装置60の作動
がオフになったことを運転者に知らせるようになってい
る。なお、このようにタイマ65でエンジンが非作動状
態になってから車両の停止状態が所定時間継続したこと
が検出されると、車速センサ13への電力供給を遮断
し、更には駐車ブレーキ安全装置制御手段61をオフに
するのは、以下の理由による。
【0055】すなわち、車速センサ13は常に電力を必
要とするアクティブ型車速センサであるため、長時間の
駐車時に作動開始コントローラ62をオンの状態のまま
にしておくとバッテリが上がることが考えられるからで
ある。また、あらかじめ設定された所定時間内に車両が
動き出したことが検出されなければ、即ち、この例で言
えば車両の停止状態が1時間も継続していれば、パーキ
ングブレーキが十分に作動していて駐車の安全が確保さ
れていると考えられるからである。
【0056】また、このタイマ65では、キースイッチ
18によりエンジンが作動状態である間は、図示しない
タイマリセット手段によりタイマ65がリセットされる
ようになっている。さらに、作動開始コントローラ62
には、坂道発進補助装置制御手段51の作動開始コント
ローラ52と同様に作動スイッチ10も接続されてお
り、この作動スイッチをオフにすることにより、やはり
作動開始コントローラ62で設定された制御信号をキャ
ンセルすることができるようになっている。
【0057】一方、駐車ブレーキ安全装置制御手段61
の作動解除コントローラ63には、ストップランプスイ
ッチ15及びパーキングスイッチ16が接続されてお
り、作動解除コントローラ63では、上記各センサ類1
5,16からの検出情報に基づいて、以下の10. ,11.
の何れかの車両状態が検出されると、駐車ブレーキ安全
装置60の作動を解除する制御信号を設定するようにな
っている。
【0058】10. パーキングスイッチ16により、パー
キングブレーキレバーの解除操作が続けて所定の複数回
(例えば2回)検出されたとき。 11. パーキングスイッチ16によりパーキングブレーキ
レバーの解除操作が検出されるとともに、ストップラン
プスイッチ15によりブレーキペダルの踏み込み(即ち
サービスブレーキの作動操作)が検出されたとき。
【0059】つまり、駐車ブレーキ安全装置60が作動
状態となるには、上記8.,9.で詳述したようにパーキン
グブレーキの作動が必要であり、したがって、この装置
60の作動解除には、10. ,11. のようにパーキングブ
レーキを解除することが前提条件となっているのであ
る。ここで、上記の10. について説明すると、駐車ブレ
ーキ安全装置60を解除する場合は、運転者がこれを意
識的に行なうように、続けて複数回パーキングブレーキ
の解除操作を行なったときに、この駐車ブレーキ安全装
置60を解除するようになっているのである。
【0060】これにより、運転者が無意識にパーキング
ブレーキの解除操作を行なっても、駐車ブレーキ安全装
置60が解除されることがなく、駐車時の車両の安全を
確保しているのである。なお、パーキングブレーキが作
動中であってエンジンが作動中且つ変速位置が中立位置
であるときや、パーキングブレーキが作動中であってエ
ンジンが非作動中のときは、車速が検出されると駐車ブ
レーキ安全装置60が作動するような駐車ブレーキ安全
装置60のスタンバイ状態となるが(上記8.,9.)、こ
のスタンバイ状態において車速が検出されていない間
は、パーキングブレーキの1回の解除操作により、駐車
ブレーキ安全装置60の監視態勢(スタンバイ状態)を
解除して通常の走行が行なえるようになっている。
【0061】また、上記11. の場合は、作動解除コント
ローラ63では、運転者が車両を発進させようとしてい
ると判断して、駐車ブレーキ安全装置60の作動を解除
するようになっているのである。そして、これら10. ,
11. の場合は、作動解除コントローラ63により作動解
除信号が設定され、ドライバ66から第1バルブ86,
第2バルブ88へこの作動解除信号が出力されるように
なっているのである。
【0062】具体的には、第1バルブ86には、補助エ
ア供給路84を遮断するためのオフ信号が設定され、第
2バルブ88には、マスタシリンダ5Bに作用している
高圧エアを大気開放すべくオン信号が設定されるように
なっている。そして、第1バルブ86をオフにすること
により、エアタンク81からマスタシリンダ5Bへの高
圧エアの供給が中止され、第2バルブ88をオンにする
ことにより、マスタシリンダ5Bへ作用していた高圧エ
アを大気開放して車両の制動力を解除するのである。
【0063】なお、第1バルブ86は、この駐車ブレー
キ安全装置60の作動時に作動開始コントローラ62に
より所定時間だけオン信号が設定された後は、補助エア
供給路84を遮断するような状態となる、この所定時間
内に、駐車ブレーキ安全装置60の作動解除制御が行な
われた場合も、速やかに解除動作を行なうようにオフ信
号が出力されるのである。
【0064】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安
全装置は上述のように構成されているので、例えば、図
3に示すようなフローチャートにしたがって駐車ブレー
キ安全装置60が作動する。ここで、図3に示すフロー
チャートについて簡単に説明する。まずステップS1で
車速センサ13により車両1の停止が検出されると、ス
テップS2に進んで、パーキングスイッチ16によりパ
ーキングブレーキの作動を検出する。
【0065】そして、ステップS3で車速センサ13に
より車両1が動き出したことが検出されると、ステップ
S4においてキースイッチ18によりエンジンが作動中
であることが検出され、且つニュートラルスイッチ14
により変速位置が中立位置であることが検出されるか、
又はステップS5においてキースイッチ18によりエン
ジンが非作動中(トランスミッションの変速位置は任
意)であることが検出されるという作動条件を更に満足
している場合に、ステップS6で第1バルブ86をオン
にして後輪側のブレーキ液圧を増加させる。
【0066】そして、ステップS7では、ステップS6
におけるブレーキ液圧増加を受けて、リアホイールブレ
ーキ3が作動するとともに、ステップS8でパーキング
ブレーキランプ33を作動させ、運転者に駐車ブレーキ
安全装置60の作動を報知するのである。ここで、バル
ブ機構85の作動(図3のステップS6)について説明
すると、作動開始コントローラ62により第1バルブ8
6にオン信号が設定されると、この信号がドライバ66
から出力されて、第1バルブ86が開く。また、第2バ
ルブ88には、特に制御信号が設定されず通常の連通状
態となっている。
【0067】これにより、補助エア供給路84が連通状
態となり、ブレーキバルブ80のオンオフに関係なく、
エアタンク81からの高圧エアが、第1バルブ86,チ
ェックバルブ87及び第2バルブ88を介して後輪側の
エア供給路83に供給される。そして、この高圧エアに
よりマスタシリンダ5Bに加圧力が作用してマスタシリ
ンダ5Bが作動するのである。
【0068】なお、補助エア供給路84にはチェックバ
ルブ87が介装され、また、補助エア供給路84と後輪
側のエア供給路83との接続部にはダブルチェックバル
ブ89が介装されているので、マスタシリンダ5Bに対
して確実に高圧エアが作用する。すなわち、チェックバ
ルブ87により、エアタンク80側からマスタシリンダ
5B側へのエアの流通のみが許容されるので、高圧エア
の逆流が防止されるとともに、ダブルチェックバルブ8
9により、補助エア供給路84と後輪側のエア供給路8
3とのうち、高圧エアの作用圧力の高い方の供給路が開
通状態になるので、やはり、マスタシリンダ5Bに高圧
エアが確実に作用するのである。
【0069】これにより、後輪側のサービスブレーキが
作動して、駐車中の車両が動き出しても大きな制動力が
作用するようになり、車両を安全に停止させることがで
きるのである。そして、車速センサ13により車速が0
であることが検出されると、作動開始コントローラ62
から第1バルブ86へのオン信号が出力されなくなり、
チェックバルブ87によりマスタシリンダ5Bに作用す
るエアの圧力が保持され、車両の停止状態が保持される
のである。
【0070】なお、すでに述べたように、このときドラ
イバ67からはパーキングブレーキランプ33を点滅さ
せる信号が出力されて、駐車ブレーキ安全装置60が作
動中であることが運転者に報知される。また、駐車ブレ
ーキ安全装置60の作動解除動作時は、作動解除コント
ローラ62により第1バルブ86にオフ信号が設定され
るとともに第2バルブ88にオン信号が設定される。
【0071】これにより、チェックバルブ87とマスタ
シリンダ5Bとの間に封じ込められていた高圧エアが大
気開放されて、リア側のサービスブレーキの作動が解除
されるのである。このように、車両のブレーキ装置にバ
ルブ機構85を用いた駐車ブレーキ安全装置60や坂道
発進補助装置50をともに設けることにより以下の効果
を得ることができる。
【0072】すなわち、信号待ちや渋滞等の一時停車時
には、坂道発進補助装置50を作動させ、ブレーキペダ
ル4から足を離しても制動力を維持するようにすること
で、運転者の疲労の低減を図ることができ、また、容易
に坂道発進を行なうことができるようになる。一方、パ
ーキングブレーキを作動させて車両を駐停車させた場合
には、エンジンが作動中で且つ変速位置が中立位置であ
るか、又はエンジンが非作動中で変速位置が任意である
と駐車ブレーキ安全装置60が作動する。
【0073】これにより、坂道等で何ら操作していない
にもかかわらず車両が動き出そうとすると、高圧エアが
エアタンク81からマスタシリンダ5Bに供給されて、
車両のサービスブレーキが作動し、駐停車中の車両の安
全が確保されるのである。また、ブレーキペダル4の踏
み込みが検出されると、運転者が発進操作を行なおうと
していると判断して駐車ブレーキ安全装置60を解除す
るが、この解除動作は、補助エア供給路84上の第2バ
ルブ88を開いて上記の高圧エアを大気開放することに
より実行される。これにより、運転者は通常通り車両を
運転することができるのである。
【0074】また、上述したように、エアブレーキをそ
なえた車両において、ブレーキ作動用エア供給系6に補
助エア供給路84を設けて、この補助エア供給路84上
に補助エア供給路84の開閉及び大気開放のいずれをも
行ないうるバルブ機構85を設けるという簡素な構成に
より、駐車ブレーキ安全装置60を小型な機構で車両に
搭載することができるという利点がある。また、これに
よりコストや重量の増加をほとんど招くことなく、駐車
ブレーキ安全装置60を車両に搭載することができると
いう利点もある。
【0075】ところで、駐車ブレーキ安全装置60がエ
ンジンがオフのときに作動すると、タイマ65がトリガ
されてこのカウントが開始される。そして、このタイマ
65により車両が停止した状態で所定時間(例えば1時
間)経過したことが検出されると、パーキングブレーキ
が十分に作動していて駐車の安全が確保されていると判
断して、車速センサ用電源スイッチ64やシステム用電
源スイッチ64Aがオフにされて、車速センサ13や駐
車ブレーキ安全装置制御手段61がオフ状態となる。ま
た、この場合は、ドライバ67からのパーキングブレー
キランプ33の点滅信号もオフにして、駐車ブレーキ安
全装置60の作動がオフになったことを運転者に知らせ
る。
【0076】これにより、車速センサ13による必要以
上の電力消費を抑制することができ、バッテリ上がりを
防止することができる。また、タイマ65では、キース
イッチ18によりエンジンが作動状態である間は、図示
しないタイマリセット手段によりタイマ65がリセット
されるので、エンジンが非作動状態になったときのみ確
実に所定時間をカウントすることができる。
【0077】さらに、駐車ブレーキ安全装置60の作動
時には、ドライバ67からの出力信号に基づいてパーキ
ングブレーキランプ33が点滅するので、この駐車ブレ
ーキ安全装置60が作動を確実に運転者に報知すること
ができる。また、駐車ブレーキ安全装置60が作動中で
あっても、パーキングブレーキレバーの解除操作が所定
の複数回(例えば2回)検出されたときもこの駐車ブレ
ーキ安全装置60の作動が解除されるが、これは、運転
者が意識的にパーキングブレーキを確実に作動させて安
全に車両を駐車させたと判断するからであり、これによ
り、駐車ブレーキ安全装置60の不必要な作動が解除さ
れて、バッテリの負担を軽減することができるのであ
る。
【0078】また、パーキングスイッチ(駐車ブレーキ
作動状態検出手段)16が、パーキングブレーキレバー
(駐車ブレーキ操作部材)の操作位置から駐車ブレーキ
の作動状態を検出することにより、簡単且つ確実にパー
キングブレーキの作動状態を検出することができる。ま
た、低コストでパーキングブレーキの作動状態を検出す
ることができるという利点がある。
【0079】なお、補助エア供給路84及びバルブ機構
85を必ずしも後輪側のエア供給系6に設ける必要はな
く、例えばこれを前輪側のエア供給系6、具体的には前
輪側エア供給路82におけるマグネットバルブ7の下流
側と前輪側マスタシリンダ5Aとの間に設けて構成して
もよい。また、上述のエアオーバハイドロリック型ブレ
ーキのほか、高圧エアによりブレーキ作動部材を直接作
動させる純粋なエアブレーキをそなえた車両にも本発明
の適用が可能であることはいうまでもない。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の駐車ブレーキ安全装置によれば、駐車ブレーキを
装備した車両において、サービスブレーキ操作部材の操
作に応動して、所要圧のブレーキ作動用エアを供給する
ブレーキ作動用エア供給系をそなえるとともに、該ブレ
ーキ作動用エア供給系のエア源を使用した補助エア供給
路が該ブレーキ作動用エア供給系に接続され、該補助エ
ア供給路に、該補助エア供給路の開閉及び大気開放のい
ずれをも行ないうるバルブ機構が設けられて、該駐車ブ
レーキの作動状態を検出する駐車ブレーキ作動状態検出
手段と、車速を検出する車速検出手段と、上記の駐車ブ
レーキ作動状態検出手段及び車速検出手段での検出結果
に基づき、該駐車ブレーキが作動中であるにもかかわら
ず、所定の車速を検出すると、該補助エア供給路をオン
することにより該補助エア供給路を通じて高圧エアを該
ブレーキ作動用エア供給系へ供給するように、該バルブ
機構を制御する第1制御手段とが設けられるという構成
により、駐車時に車両が動き出すと本装置が作動して自
動的にサービスブレーキによる制動力が増加するので確
実に車両が停止し、車両の安全が確保されるという効果
がある。
【0081】また、請求項2記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置によれば、上記請求項1記載の構成に加え
て、該第1制御手段により該補助エア供給路を通じて高
圧エアを該ブレーキ作動用エア供給系へ供給している状
態下で、該駐車ブレーキが非作動中になるという条件を
少なくとも含む所定の条件を検出すると、該補助エア供
給路を大気開放させるように、該バルブ機構を制御する
第2制御手段が設けられるという構成により、運転者が
車両を動かそうとすると確実に本装置の動作が解除され
て通常の走行を行なうことかできるようになる。
【0082】また、請求項3記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置によれば、上記請求項1記載の構成に加え
て、該バルブ機構が、該補助エア供給路をオンオフする
第1バルブと、該第1バルブよりも下流側に設けられて
該下流側へのエアの流通のみを許容するチェックバルブ
と、該チェックバルブよりも下流側に設けられて該補助
エア供給路を大気開放しうる第2バルブとをそなえて構
成されることにより、エア源からの高圧エアを確実にブ
レーキ作動用エア供給系に供給することができ、また、
本装置を解除するときは高圧エアを大気開放するだけで
よいので本装置の耐久性及び信頼性を向上させることが
できる。また、駐車ブレーキ安全装置を小型に構成する
ことができ、これによりコストや重量の増加をほとんど
招くことなく、本装置を車両に搭載することができると
いう利点もある。
【0083】また、請求項4記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置によれば、上記請求項1記載の構成に加え
て、該補助エア供給路と該ブレーキ作動用エア供給系と
の接続部に、作用圧力の高い方の供給路を選択して開通
状態にするダブルチェックバルブが設けられるという構
成により、圧力の高い方のエアを確実にブレーキ作動用
エア供給系に供給することができるという利点がある。
【0084】また、請求項5記載の本発明の駐車ブレー
キ安全装置によれば、上記請求項1記載の構成に加え
て、該駐車ブレーキ作動状態検出手段が、駐車ブレーキ
の作動状態を駐車ブレーキ操作部材の操作位置から検出
するように構成されることにより、簡単且つ確実に駐車
ブレーキの作動状態を検出することができる。また、低
コストでパーキングブレーキの作動状態を検出すること
ができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安全装
置における制御系の全体構成を示す模式的な制御ブロッ
ク図である。
【図2】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安全装
置における全体構成を示す模式的な構成図である。
【図3】本発明の一実施例としての駐車ブレーキ安全装
置における作動を簡単に説明するためのフローチャート
である。
【符号の説明】
4 ブレーキペダル(サービスブレーキ操作部材) 5A,5B マスタシリンダ 6 エア供給系(ブレーキ作動用エア供給系) 7 切り換え弁(マグネットバルブ) 9 制御手段としてのコントローラ 10 作動スイッチ 11 調整スイッチ 12 クラッチぺダルストロークセンサ(又はクラッチ
センサ) 13 車速センサ(アクティブ型車速検出手段) 14 ニュートラルスイッチ(変速位置検出手段) 15 ストップランプスイッチ(サービスブレーキ操作
部材作動状態検出手段) 16 パーキングスイッチ(駐車ブレーキ作動状態検出
手段) 17 ドアスイッチ 18 キースイッチ(エンジン作動状態検出手段) 20 警報ランプ 21 警報ブザー 33 パーキングブレーキランプ 50 坂道発進補助装置 51 坂道発進補助装置制御手段 52 作動開始コントローラ 53 作動解除コントローラ 54 作動警報コントローラ 55,56 ドライバ 60 駐車ブレーキ安全装置 61 駐車ブレーキ安全装置制御手段 62 作動開始コントローラ(第1制御手段) 63 作動解除コントローラ(第2制御手段) 64 車速センサ用電源遮断スイッチ(遮断手段) 64A システム用電源スイッチ 65 タイマ手段 66,67 ドライバ 68 バッテリ 80 ブレーキバルブ 81 エアタンク(エア源) 82,83 エア供給路 84 補助エア供給路 85 バルブ機構 86 第1バルブ 87 チェックバルブ 88 第2バルブ 89 ダブルチェックバルブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駐車ブレーキを装備した車両において、 サービスブレーキ操作部材の操作に応動して、所要圧の
    ブレーキ作動用エアを供給するブレーキ作動用エア供給
    系をそなえるとともに、 該ブレーキ作動用エア供給系のエア源を使用した補助エ
    ア供給路が該ブレーキ作動用エア供給系に接続され、 該補助エア供給路に、該補助エア供給路の開閉及び大気
    開放のいずれをも行ないうるバルブ機構が設けられて、 該駐車ブレーキの作動状態を検出する駐車ブレーキ作動
    状態検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 上記の駐車ブレーキ作動状態検出手段及び車速検出手段
    での検出結果に基づき、該駐車ブレーキが作動中である
    にもかかわらず、所定の車速を検出すると、該補助エア
    供給路をオンすることにより該補助エア供給路を通じて
    高圧エアを該ブレーキ作動用エア供給系へ供給するよう
    に、該バルブ機構を制御する第1制御手段とが設けられ
    たことを特徴とする、駐車ブレーキ安全装置。
  2. 【請求項2】 該第1制御手段により該補助エア供給路
    を通じて高圧エアを該ブレーキ作動用エア供給系へ供給
    している状態下で、該駐車ブレーキが非作動中になると
    いう条件を少なくとも含む所定の条件を検出すると、該
    補助エア供給路を大気開放させるように、該バルブ機構
    を制御する第2制御手段が設けられたことを特徴とす
    る、請求項1記載の駐車ブレーキ安全装置。
  3. 【請求項3】 該バルブ機構が、該補助エア供給路をオ
    ンオフする第1バルブと、該第1バルブよりも下流側に
    設けられて該下流側へのエアの流通のみを許容するチェ
    ックバルブと、該チェックバルブよりも下流側に設けら
    れて該補助エア供給路を大気開放しうる第2バルブとを
    そなえて構成されたことを特徴とする、請求項1記載の
    駐車ブレーキ安全装置。
  4. 【請求項4】 該補助エア供給路と該ブレーキ作動用エ
    ア供給系との接続部に、作用圧力の高い方の供給路を選
    択して開通状態にするダブルチェックバルブが設けられ
    ていることを特徴とする、請求項1記載の駐車ブレーキ
    安全装置。
  5. 【請求項5】 該駐車ブレーキ作動状態検出手段が、駐
    車ブレーキの作動状態を駐車ブレーキ操作部材の操作位
    置から検出するように構成されていることを特徴とす
    る、請求項1記載の駐車ブレーキ安全装置。
JP1144795A 1995-01-27 1995-01-27 駐車ブレーキ安全装置 Pending JPH08198074A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1144795A JPH08198074A (ja) 1995-01-27 1995-01-27 駐車ブレーキ安全装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1144795A JPH08198074A (ja) 1995-01-27 1995-01-27 駐車ブレーキ安全装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08198074A true JPH08198074A (ja) 1996-08-06

Family

ID=11778356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1144795A Pending JPH08198074A (ja) 1995-01-27 1995-01-27 駐車ブレーキ安全装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08198074A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005081963A (ja) * 2003-09-08 2005-03-31 Mazda Motor Corp 電動パーキングブレーキシステム
US12030460B2 (en) 2019-07-05 2024-07-09 Jaguar Land Rover Limited Ladder assembly for a vehicle

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005081963A (ja) * 2003-09-08 2005-03-31 Mazda Motor Corp 電動パーキングブレーキシステム
US12030460B2 (en) 2019-07-05 2024-07-09 Jaguar Land Rover Limited Ladder assembly for a vehicle

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6332654B1 (en) Grade-holding brake system
JP5881251B2 (ja) 車両制御装置
CN110877606A (zh) 一种基于线控制动技术的溜车保护系统及方法
JPH0776235A (ja) 車両用灯火制御装置
JP2000314104A (ja) 建設車両の非常走行停止装置
JP3264130B2 (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JP2006160204A (ja) 電動駐車ブレーキ装置
JPH08198074A (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JP2005096544A (ja) 電動パーキングブレーキシステム
JP2005081963A (ja) 電動パーキングブレーキシステム
JPH08310383A (ja) 駐車ブレーキ警報装置及び駐車ブレーキ警報装置付き車両用ブレーキ補助装置
JPH0958429A (ja) 坂道発進補助装置
JP2005081964A (ja) 電動パーキングブレーキシステム
JPH08198071A (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JPH08150910A (ja) 自動ブレーキ装置の制御装置
JPH08198100A (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JP3264128B2 (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JPH08198080A (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JPH09175352A (ja) 坂道発進補助装置
JPH09295562A (ja) 坂道発進補助装置
JP3204016B2 (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JPH08198070A (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JPH08295212A (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JP2003220937A (ja) 自動車の制御方法およびその装置
JP2005096543A (ja) 電動パーキングブレーキシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010403