JPH08252533A - 防汚塗料、この防汚塗料から形成される塗膜、および該塗料を用いた防汚方法ならびに防汚塗膜被覆成形体 - Google Patents

防汚塗料、この防汚塗料から形成される塗膜、および該塗料を用いた防汚方法ならびに防汚塗膜被覆成形体

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JPH08252533A
JPH08252533A JP5629995A JP5629995A JPH08252533A JP H08252533 A JPH08252533 A JP H08252533A JP 5629995 A JP5629995 A JP 5629995A JP 5629995 A JP5629995 A JP 5629995A JP H08252533 A JPH08252533 A JP H08252533A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式で示すジチオカルバミン酸類の不溶性
塩(R1、R2、R3、R4はそれぞれ水素、低級アルキル
基、置換または無置換のフェニル基を、Mは亜鉛、マン
ガン、銅を示す。)と、銅または銅化合物と、が含有さ
れている防汚塗料。この防汚塗料から形成されている塗
膜、および該塗料を用いた成形体の防汚方法並びに防汚
塗膜被覆成形体。 【効果】 本発明に係る防汚塗料によれば、広範な水棲
生物に対して、特にイガイ等の貝類、フジツボ、ヒドロ
ゾアなどの水棲生物に対して優れた防汚効果を発揮し得
る防汚塗膜を成形体の表面に形成できる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、防汚塗料に関し、さらに
詳しくは、船底、水中構造物、漁網などへの水棲生物の
付着を効果的に防止できるような防汚塗料に関する。
【0002】また本発明は、この防汚塗料から形成され
ている防汚塗膜、および該塗料を用いた成形体の防汚方
法並びに上記のような防汚塗膜にて被覆された防汚塗膜
被覆成形体に関する。
【0003】
【従来の技術】船底、水中構造物、漁網などは、水中に
長期間さらされることにより、その表面にイガイ等の貝
類、フジツボ、ヒドロゾア、海苔あるいはバクテリア類
などの各種水棲生物が付着・繁殖すると、外観が損ねら
れ、その機能が害されることがある。
【0004】例えば、船底にこのような水棲生物が付着
・繁殖すると、船全体の表面粗度が増加し、船速の低
下、燃費の拡大などを招く虞が高い。また、このような
水棲生物を船底から取り除くには、ドックに長期間係留
せねばならず、船の運航効率が著しく低下してしまう。
【0005】また、貝類、ヒドロゾア、フジツボなどの
各種水棲生物が漁網、水中構造物などに付着・繁殖する
と、その物性、性能が劣化し寿命が著しく低下する等の
被害が生ずる虞がある。
【0006】特に漁網に付着する各種水棲生物の中で
も、イガイ等の貝類、ヒドロゾアあるいはフジツボは、
網目を塞ぐ恐れが最も強く、このような水棲生物は、養
殖用漁網への海水の流通を阻害し、養殖用魚網内の養殖
魚類などに酸素不足を起こし、寄生虫の発生の恐れを生
じさせ、また、定置網等ではこのような水棲生物の付着
により海水流通が妨げられ、漁獲に悪影響が生ずる虞が
高い。
【0007】このような問題点を解決すべく、漁網、船
底、水中構造物等の成形体の表面に各種防汚塗料を塗布
してこのような水棲生物の付着防止効果を鋭意研究した
ところ、防汚塗料中の防汚剤の種類により、また用いら
れる防汚塗料中の防汚剤の配合比などにより、水棲生物
に対する付着防止効果が異なり、しかも、付着防止効果
を発揮しうる水棲生物の種類(対象)が異なること等を
見出した。
【0008】例えば、水棲生物の1種であるヒドロゾア
の付着防止には、テトラアアルキルチウラムジスルフィ
ド、マレイミド化合物、チアゾリン化合物あるいは、エ
チエンビスジチオカーバメート化合物が配合された防汚
塗料が有効であり、これらの中ではエチレンビスジチオ
カーバメート化合物のビスジメチルジチオカルバモイル
ジンクエチレンビスジチオカーバメートなどが配合され
た防汚塗料が最も有効である。
【0009】しかしながら、ヒドロゾアの付着防止に最
も有効な防汚剤のビスジメチルジチオカルバモイルジン
クエチレンビスジチオカーバメートなどが配合された防
汚塗料は、イガイ等の貝類、フジツボなどに対する防汚
効果が乏しいという問題点があった。
【0010】本発明者らは、上記のような問題点を解決
すべく鋭意研究したところ、特定のジチオカルバミン酸
類の不溶性塩と、銅または銅化合物とを組み合わせるこ
とにより、ヒドロゾアだけでなく、イガイ等の貝類、フ
ジツボなど広範な水棲生物に対しても優れた防汚効果を
有する防汚塗料が得られることなどを見出して本願発明
を完成するに至った。
【0011】なお、特公昭39-9681号公報には、
ジチオカーバミン酸類の不溶性塩を含有することを特徴
とする水中防汚塗料が記載され、このジチオカーバミン
酸類の不溶性塩の具体的実例として、単官能ジチオカー
バメイトと多官能ジチオカーバメイトとの混成塩:
【0012】
【化3】
【0013】が挙げられている。また、特公昭64-1
1603号公報には、一般式:
【0014】
【化4】
【0015】(式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ低
級アルキル基を、Mは亜鉛、マンガン、銅を示す)で表
されるジチオカルバミン酸類の不溶性塩とテトラクロロ
イソフタロニトリルとの混合物を配合することを特徴と
する水中防汚剤が開示されており、その実施例には、ジ
チオカルバミン酸類の不溶性塩がビスジメチルジチオカ
ルバモイル−エチレンビスジチオカルバミン酸亜鉛であ
る態様が示され、防汚生物付着防止効果が得られた旨記
載されている。
【0016】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、広範な水棲生
物に対して、特に、ヒドロゾア、イガイ等の貝類、フジ
ツボどの水棲生物に対して優れた防汚効果を発揮し得る
防汚塗膜を形成できるような防汚塗料を提供することを
目的としている。
【0017】また本発明は、このような水棲生物対して
優れた防汚性を発揮しうる防汚塗膜、上記のような防汚
塗料を用いた成形体の防汚方法、並びに上記のようなこ
のような防汚塗膜にて被覆された防汚塗膜被覆成形体を
提供することを目的としている。
【0018】
【発明の概要】本発明に係る防汚塗料は、下記式[I]
で示されるジチオカルバミン酸類の不溶性塩(カーバメ
ート[I]ともいう)と、銅または銅化合物[II](ジ
チオカルバミン酸類の不溶性塩を除く)と、が含有され
ていることを特徴としている。
【0019】
【化5】
【0020】(式[I]中、R1、R2、R3、R4は水
素、低級アルキル基、置換または無置換のフェニル基の
いずれかを、Mは亜鉛、マンガン、銅のいずれかを示
す。) 本発明の好ましい態様においては、上記式[I]で示さ
れるジチオカルバミン酸類の不溶性塩は、下記式[I-
a]で示されるビスジメチルジチオカルバモイルジンク
エチレンビスジチオカーバメート[I-a](カーバメー
ト[I-a]ともいう)であることが好ましい。
【0021】
【化6】
【0022】本発明の好ましい態様においては、上記防
汚塗料には、上記カーバメート[I]は0.5〜20重
量%の量で、銅または銅化合物[II]は銅換算量で1〜
30重量%の量で含有されていることが好ましい。しか
も上記防汚塗料には、上記カーバメート[I]と、銅ま
たは銅化合物[II]とは、重量比([I]:[II])で
1:0.1〜10の量(銅化合物では銅換算量として示
す)で含有されていることが好ましい。
【0023】本発明に係る防汚塗膜は、上記防汚塗料か
ら形成されている。本発明に係る成形体の防汚方法は、
上記防汚塗料を成形体に塗布して成形体上に防汚塗膜を
形成することを特徴としている。
【0024】本発明に係る防汚塗膜被覆成形体は、成形
体の表面が上記防汚塗料から形成された防汚塗膜にて被
覆されていることを特徴としている。本発明に係る防汚
塗料によれば、広範な水棲生物に対して、特にイガイ等
の貝類、フジツボ、ヒドロゾアなどの水棲生物に対して
優れた防汚効果を発揮し得る防汚塗膜を形成できる。
【0025】
【発明の具体的説明】以下、まず初めに本発明に係る防
汚塗料について具体的に説明する。本発明に係る防汚塗
料には、下記式[I]で示されるジチオカルバミン酸類
の不溶性塩[I](カーバメート[I]ともいう)と、銅
または銅化合物[II](ジチオカルバミン酸類の不溶性
塩を除く)と、が含有されている。
【0026】
【化7】
【0027】式[I]中、R1、R2、R3、R4はそれぞ
れ低級アルキル基、置換または無置換のフェニル基のい
ずれかを示す。このような低級アルキル基として、具体
的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の
直鎖状あるいは分岐鎖状アルキル基、シクロヘキシル基
等の脂環状アルキル基などが挙げられる。置換または無
置換のフェニル基としては、フェニル基、ニトロフェニ
ル基などが挙げられる。本発明においては、R 1、R2
3、R4は、全て同一であってもよく、異なっていても
よいが、全て同一であることが望ましく、さらには全て
低級アルキル基であることが好ましく、特に全て直鎖状
の炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4の上記した
アルキル基であることが望ましい。
【0028】Mは亜鉛、マンガン、銅のいずれかを示
し、亜鉛が好ましい。このような式[I]で示されるジ
チオカルバミン酸類の不溶性塩としては、具体的には、
例えば、上記式[I]において、R1〜R4が全てメチル
基であり、MがZnであるビスジメチルジチオカルバモ
イルジンクエチレンビスジチオカーバメート[I-a]
(カーバメート[I-a])、R1〜R4が全てブチル基で
あり、MがZnであるビスジブチルジチオカルバモイル
ジンクエチレンビスジチオカーバメート[I-b](カー
バメート[I-b])、R1〜R4が全てメチル基であり、
MがMnであるビスジメチルジチオカルバモイルマンガ
ンエチレンビスジチオカーバメート[I-c](カーバメ
ート[I-c])、R1〜R4が全てメチル基であり、Mが
Cuであるビスジメチルジチオカルバモイル銅エチレン
ビスジチオカーバメート[I-d](カーバメート[I-
d])、R1、R4がニトロフェニル基であり、R2、R3
が水素であり、MがZnであるビスニトロフェニルジチ
オカルバモイル亜鉛エチレンビスジチオカーバメート
[I-e](カーバメート[I-e])等が挙げられる。これ
らのジチオカルバミン酸類の不溶性塩は、1種または2
種以上組み合わせて用いることができる。
【0029】本発明においては、上記ジチオカルバミン
酸類の不溶性塩[I]の内では、下記式[I-a]で示され
る上記ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレン
ビスジチオカーバメート[I-a]が好ましい。
【0030】
【化8】
【0031】上記防汚塗料には、上記カーバメート
[I]は通常、0.5〜20重量%、好ましくは5〜1
0重量%の量で、銅または銅化合物[II]は銅換算量で
通常1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の量で
含有されていることが好ましい。防汚塗料中におけるこ
のカーバメート[I]の量が0.5重量%未満では、ヒ
ドロゾアなどの水棲生物の付着を充分に防止できないこ
とがあり、20重量%を超えると、例えば漁網の場合、
網への塗着量が多くなり、網重量の増大により実用性に
乏しくなることがある。銅または銅化合物[II]の量が
1重量%未満では、イガイ等の貝類、フジツボ等の水棲
生物の付着を効果的に防止できないことがあり、30重
量%を超えると、上記と同様の現象が発生することがあ
る。
【0032】しかも上記防汚塗料には、上記カーバメー
ト[I]と、銅または銅化合物[II]との配合比は、付
着生物の種類などにより任意に決定できるが、重量比
([I]:[II])で通常、1:0.1〜10の量で、
好ましくは1:0.5〜5の量で含有されていることが
望ましい。但し、銅化合物の場合は、銅換算量で示す。
【0033】銅化合物としては、具体的には、例えば、
亜酸化銅(Cu2O)、銅-ニッケル合金、溶解性銅ガラ
ス[ガラス成分と銅化合物とを熔融して成るガラスで、
例えば銅化合物を銅分換算で40〜50重量%程度含有
している]、チオシアン化第一銅、銅粉、ナフテン酸銅
等が挙げられ、その形状、性状などは特に限定されず、
例えば、ガラス状、粉末状等が挙げられる。
【0034】本発明に係る防汚塗料には、上記カーバメ
ート[I]と銅または銅化合物[II]とに加えて、通
常、防汚塗料に配合されるような「他の成分」が含有さ
れていてもよい。
【0035】このような他の成分としては、例えば、顔
料、塗膜形成剤、溶剤、増量剤、防食顔料、前記以外の
防汚剤の他、難燃剤あるいは絶縁剤、粘度調整剤などが
挙げられる。
【0036】顔料としては、特に限定されず、具体的に
は、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)、二酸化チタン、チタ
ン白、鉛白、リトポン等の白色顔料、カーボンブラッ
ク、黒鉛(グラファイト)等の黒色顔料、黄鉛、亜鉛
黄、黄土(オーカー)、アンバー、シーンナ等の黄色顔
料、ベンガラ、朱、カドミウム赤、亜酸化銅(赤色酸化
銅)等の赤色顔料、紺青、群青、コバルト青等の青色顔
料、緑土、緑青、クロム緑、酸化クロム緑等の緑顔料等
の無機顔料、フタロシアニン系、キナクリドン系、アゾ
系などの有機顔料等の有機顔料が挙げられる。
【0037】塗膜形成剤としては、特に限定されず、従
来より公知の天然樹脂あるいは合成樹脂、乾性あるいは
半乾性の天然油脂および合成油脂などが挙げられる。天
然樹脂としては、具体的には、例えば、琥珀、コパー
ル、ダンマルゴム、ロジン(ウッドロジン、ガムロジ
ン)、セラック、アスファルト、コールタール、ピッチ
等が挙げられ、これらの内では、ロジン、セラックが好
ましく用いられる。
【0038】合成樹脂としては、熱可塑性樹脂であって
もよく、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂と
しては、具体的には、例えば、熱可塑性アクリル樹脂等
のアクリル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹
脂、フッ化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル系樹
脂、塩素化ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、
塩素化ゴム等のゴム系樹脂、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセタール・ブチラール等のポリビニルアルコ
ール系樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテート
ブチレート等の繊維素系樹脂、酢酸ビニル系、アクリル
系、スチレン-ブタジエン系等のエマルジョン系樹脂、
高分子ポリエステル、クマロン樹脂、クマロン-インデ
ン樹脂等が挙げられる。
【0039】熱硬化性樹脂としては、アルキド、エポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル等の縮合系ベース用樹脂、
熱硬化性アクリル樹脂等の重合系ベース用樹脂、メラミ
ン樹脂、尿素樹脂、ウレタンプレポリマー等の縮合系架
橋用樹脂、エポキシ樹脂、シリコン中間体、フェノール
樹脂、キシレン樹脂、マレイン酸樹脂等の縮合系変性用
樹脂、ポリブタジエン、石油樹脂等の重合系樹脂等が挙
げられる。
【0040】これらの合成樹脂のうちでは、熱可塑性樹
脂が好ましく、特に、スチレン・ブタジエン共重合体、
熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合
樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル系樹脂が好ましく用いら
れる。
【0041】これらの樹脂(合成樹脂および天然樹脂)
は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用
いてもよい。また、これらの樹脂は、他の樹脂成分など
にて変性して用いてもよい。
【0042】本発明においては、このような塗膜形成剤
の内では、天然樹脂のロジン、セラックと、合成樹脂の
スチレン・ブタジエン共重合体[例:スチレン60〜9
0モル%、ブタジエン含量残部、重合度:50〜250
好ましくは110〜210]、熱可塑性アクリル樹脂
[例:アクリル酸ブチル50〜70モル%、メタクリル
酸メチル30〜50モル%、重合度:50〜1000好
ましくは450〜550]、塩化ビニル-酢酸ビニル共
重合樹脂[塩化ビニル含量88〜92モル%、酢酸ビニ
ル残部、重合度:50〜1000好ましくは400〜5
00]、ゴム系樹脂、塩化ビニル系樹脂などと、を組み
合わせて用いることが好ましく、特に、天然樹脂のロジ
ンと合成樹脂の上記スチレン・ブタジエン共重合体とを
組み合わせて用いることが好ましい。
【0043】また、このような天然樹脂と合成樹脂と
は、天然樹脂100重量部に対して、通常、合成樹脂2
0〜200重量部、好ましくは合成樹脂50〜100重
量部の量で用いることが好ましい。このような量で上記
天然樹脂と上記合成樹脂とを組み合わせて用いると、樹
脂と防汚剤が海水中に徐々に溶出していく傾向がある。
これらの樹脂は、防汚塗料中に、合計で通常3〜20重
量%、好ましくは5〜10重量%の量で含有されること
が望ましい。
【0044】増量剤あるいは体質顔料としては、一般的
に、光の屈折率が小さくビヒクルと混和すると無色透明
になり、隠ぺい力の小さいものが挙げられ、このような
増量剤あるいは体質顔料として、具体的には、例えば、
炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、ごふん、バラ
イト粉、沈降性硫酸バリウム、クレイ(カオリン)、タ
ルク、アルミナ、ケイソウ土、石膏等が挙げられる。
【0045】防食顔料としては、前記顔料としての働き
と共に、塗膜の中にあってビヒクルの基材に対する抑錆
性を助ける働きを有するものが挙げられ、具体的には、
例えば、鉛丹、シアナミド鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性ク
ロム酸鉛、亜酸化鉛などの鉛化合物、亜鉛末、亜鉛黄、
酸化亜鉛などの亜鉛化合物、黄色酸化水銀等の水銀化合
物等が挙げられ、これらの内では、海水汚染公害の恐れ
の少ない亜鉛化合物が好ましく用いられる。
【0046】前記以外の防汚剤としては、酸化水銀、パ
リスグリン等の無機系防汚剤、有機スズ化合物(例:ト
リアルキル-錫化合物、トリフェニル-錫化合物)、有機
水銀化合物、有機砒素化合物等の他、チアゾリン系化合
物(例:4,5-ジクロロ-2-nオクチル--4-イソチア
ゾリン-3-オン)、チウラム系化合物、マレイミド系化
合物等の各種有機系防汚剤等が挙げられる。
【0047】チウラム系化合物としては、下記一般式:
【0048】
【化9】
【0049】(式中、Rは、炭素数2〜4のアルキル基
を示す)で表される、テトラエチルチウラムジスルフィ
ド、テトライソプロピルチウラムジスルフィド、テトラ
-n-プロピルチウラムジスルフィド、テトラ-n-ブチル
チウラムジスルフィドなど(特公昭64-12243号
公報参照)などが挙げられる。
【0050】本発明においては、前記ジチオカルバミン
酸類の不溶性塩[I]および銅または銅化合物[II]と
ともに、これらの防汚剤を1種または2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0051】溶剤としては、アルコール、ケトン、エス
テル、芳香族炭化水素[例:キシロール、ジエチルベン
ゼン、トリエチルベンゼン、ソルベントナフサ、1,
2,3-トリメチルベンゼン(プソイドクメン)、1,
3,5-トリメチルベンゼン(メシチレン)など]、脂
肪族炭化水素、テレビン(テレビン油)等が挙げられ
る。これらの溶剤は1種または2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0052】難燃剤あるいは絶縁剤としては、具体的に
は、例えば、TCP[トリクレシルフォスフェート:
(CH3・C64・O)3PO]が挙げられる。粘度調整剤
としては、具体的には、例えば、有機ベントナイトが挙
げられる。
【0053】このような防汚塗料を調製するには、従来
より公知の方法を利用することができ、例えば、上記一
般式[I]で示されるジチオカルバミン酸類の不溶性塩
[I](カーバメート[I])好ましくはビスジメチルジ
チオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメー
ト[I-a]と、該カーバメート[I]100重量部に対し
て銅粉あるいは亜酸化銅、溶解性銅ガラス等の銅化合物
[II]50〜200重量部(銅換算量表示)と、ロジ
ン、スチレン・ブタジエン共重合体等の樹脂40〜10
0重量部と、キシロール等の溶剤50〜200重量部
と、さらに必要により適宜量で有機ベントナイト等の粘
度調節剤、TCP等の難燃剤あるいは絶縁剤などとを、
ボールミル、アトライター、ニーダーなど通常の混合・
分散・磨砕機を用いて混合・分散させればよい。
【0054】このようにして調製された防汚塗料は、常
法に従って各種被塗物(成形体)の表面に、1〜複数回
塗布し硬化させることにより、広範な水棲生物、特にイ
ガイ等の貝類、ヒドロゾア、フジツボなどの水棲生物に
対して優れた防汚効果を有する防汚塗膜被覆成形体が得
られる。このような防汚塗料が塗布硬化された成形体
(防汚塗膜被覆成形体)としては、水中構造物(例:原
子力発電所の給排水口)、船舶、漁具(例:ロープ、漁
網)などの各種成形体が挙げられる。
【0055】なお、この本発明に係る防汚塗料は、上記
被塗物(成形体)表面に直接塗布してもよく、また予め
防錆剤、プライマーなどの下地剤が塗布された成形体表
面に塗布してもよい。このようにして成形体表面に形成
された防汚塗膜の厚さ(乾燥膜厚)は特に限定されない
が、例えば、5〜100μm程度である。
【0056】
【発明の効果】本発明に係る防汚塗料によれば、広範な
水棲生物に対して、特に、イガイ等の貝類、フジツボ、
ヒドロゾアなどの水棲生物に対して優れた防汚効果を発
揮し得る防汚塗膜を形成できる。
【0057】また本発明によれば、このような水棲生物
に対して優れた防汚性を発揮しうる防汚塗膜にて被覆さ
れた原子力発電所の給排水口などの水中構造物、船舶、
漁具などの防汚塗膜被覆成形体が提供される。
【0058】
【実施例】以下、本発明をその実施例に基づいてさらに
具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例により何
等制限されるものではない。
【0059】
【実施例1〜2、比較例1〜6】下記第1表に示す処方
例に従って防汚塗料を調製し、得られた各防汚塗料にポ
リエチレン製無結節網(7節、400デニール/50
本)を浸漬することにより、該無結節網の表面に第1表
に示す各防汚塗料を塗布し、次いで風乾した。
【0060】次いで、平成5年5月10日から同年8月
10日までの3カ月間、これらの防汚塗膜被覆ポリエチ
レン製無結節網(防汚塗膜被覆成形体)を広島湾に浸漬
し、水棲生物の付着状況を調査した。
【0061】結果を、第2表に示す。なお、第1表中、
注1〜3は下記のとおり。 (注1):ガラス成分と銅化合物を熔融したガラスであ
り、銅粉として50重量%含有する。 (注2):スチレン・ブタジエン共重合樹脂[スチレン
含量:70モル%、ブタジエン含量:30モル%、重合
度:160]、米国グッドイヤー社製。 (注3):「ヘ゛ッコソ゛ール 56-375」[アクリル酸ブチル含
量:60モル%、メタクリル酸メチル含量:40モル
%、重合度:500]大日本インキ化学工業(株)製。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】第2表からも分かるように、カーバメート
[I]とくにビスジメチルジチオカルバモイルジンクエ
チレンビスジチオカーバメート[I-a]と、銅粉または
銅化合物[II]と、を含有する防汚塗料は、ヒドロゾア
等の腔腸動物およびフジツボ等のフジツボ科甲殻類、イ
ガイなどの貝類など各種水棲生物の付着繁殖防止に有効
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/16 PQL C09D 5/16 PQL

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I]で示されるジチオカルバミン
    酸類の不溶性塩と、銅または銅化合物(ジチオカルバミ
    ン酸類の不溶性塩を除く)と、が含有されていることを
    特徴とする防汚塗料。 【化1】 (式[I]中、R1、R2、R3、R4は水素、低級アルキ
    ル基、置換または無置換のフェニル基のいずれかを、M
    は亜鉛、マンガン、銅のいずれかを示す。)
  2. 【請求項2】上記式[I]で示されるジチオカルバミン
    酸類の不溶性塩[I]が0.5〜20重量%の量で、銅
    または銅化合物[II]が1〜30重量%の量(銅換算
    量)で含有されていることを特徴とする請求項1に記載
    の防汚塗料。
  3. 【請求項3】上記式[I]で示されるジチオカルバミン
    酸類の不溶性塩[I]と、銅または銅化合物[II]と
    が、重量比([I]:[II])で1:0.1〜10の量
    (銅換算量)で含有されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載の防汚塗料。
  4. 【請求項4】上記式[I]で示されるジチオカルバミン
    酸類の不溶性塩が、下記式[I-a]で示されるビスジメ
    チルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカー
    バメートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の防汚塗料。 【化2】
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の防汚塗料
    から形成されてなる防汚塗膜。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の防汚塗料
    を成形体に塗布して成形体上に防汚塗膜を形成すること
    を特徴とする成形体の防汚方法。
  7. 【請求項7】成形体の表面が請求項1〜4のいずれかに
    記載の防汚塗料から形成された防汚塗膜で被覆されてい
    ることを特徴とする防汚塗膜被覆成形体。
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