JPH08250559A - 半導体装置の検査方法及びプローブカード - Google Patents

半導体装置の検査方法及びプローブカード

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JPH08250559A
JPH08250559A JP5399695A JP5399695A JPH08250559A JP H08250559 A JPH08250559 A JP H08250559A JP 5399695 A JP5399695 A JP 5399695A JP 5399695 A JP5399695 A JP 5399695A JP H08250559 A JPH08250559 A JP H08250559A
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績 宮永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体チップのパッドとプローブカードのバ
ンプとの電気的接続を確認できるようにする。 【構成】 電源が接続される第1の配線層11とグラン
ドに接続される第2の配線層12とを有するプローブカ
ード10により半導体ウェハ2上に形成された全ての半
導体チップ2aの全動作電流を電流計13により測定す
る。一方、半導体チップ2aの各動作電流を測定してお
くと共に各動作電流の総和を求めておく。そして、各動
作電流の総和と全動作電流との差が各動作電流の最小値
よりも小さければ、半導体チップ2aの全てのパッドと
プローブカード10の全てのバンプとが電気的に確実に
接続しているとみなす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体ウェハ上の複数の
半導体チップを半導体ウェハ状態で同時に検査・バーン
インすることを目的とする半導体装置の検査方法に関
し、特に半導体装置の電極とプローブカードのプローブ
端子との接続を確認する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路装置を搭載した電
子機器の小型化、低価格化の進歩は目ざましく、半導体
集積回路装置に対しても小型化、低価格化の要求が強く
なってきている。通常、半導体集積回路装置は、ワイヤ
ボンディング等によりリードフレームに電気的に接続さ
れ、樹脂又はセラミックに封止された形で供給され、電
子機器のプリント基板に実装される。
【0003】しかし、電子機器の小型化の要求から半導
体集積回路装置を半導体ウェハから切り出したままの状
態(以下ベアチップ状態と呼ぶ)で直接電子機器の回路
基板に実装する方法が開発されるに伴ない、品質保証さ
れたベアチップの低価格での供給が望まれている。
【0004】ベアチップ状態の半導体集積回路装置に対
して品質保証を行なうためには、半導体ウェハ状態又は
ベアチップ状態でバーンインを実施する必要がある。し
かしながら、ベアチップ状態でのバーンインは、取扱い
が非常に複雑になり低価格化の要求に答えられない。ま
た、半導体ウェハ上に同時に形成された多数の半導体装
置(以下半導体チップと呼ぶ)を1つずつ又は数個ずつ
何度にも分けてバーンインを行なうのは非常に時間を要
し、時間的にもコスト的にも現実的でない。そこで、半
導体ウェハ状態で一括して全ての半導体チップを同時に
バーンインすることが重要になってきている。
【0005】半導体ウェハ状態で一括バーンインを行な
うには、半導体ウェハ上に形成された複数の半導体チッ
プに同時に電源電圧や入力信号を印加し、動作させる必
要がある。このためには非常に多くのプローブ端子(通
常数千個以上)を持つプローブカードを用意する必要が
ある。しかし、従来のニードル型プローブカードではピ
ン数的にも、価格的にも対応できない。そこで、フレキ
シブル基板上にバンプが設けられた薄膜型プローブカー
ドが考えられている(日東技法 Vol.28,No.
2 Oct.1990 pp.57−62参照)。
【0006】以下、図面を参照しながら、薄膜型プロー
プカードによる半導体チップに対するバーンインについ
て説明する。図5はプローブカードのバンプと半導体チ
ップのパッドとが接触している様子を示す断面図であ
る。
【0007】図5において、28はプローブカード、3
1はNiよりなるバンプ、32はバンプ31と電気的に
接続されている配線層、33はポリイミド膜よりなるフ
レキシブル基板、34はバンプ31と配線層32とを電
気的に接続するためのコンタクトである。また、30は
半導体チップ29上に形成されているパッドである。
【0008】検査を行なう際には、図5に示すようにプ
ローブカード28のバンプ31と半導体チップ29のパ
ッド30とが接続するようにプローブカード28を半導
体チップ29に押し付ける。そして、この状態で配線層
32に電源電圧や入力信号を供給することによりバンプ
31を介して半導体チップ29のパッド30に電源電圧
や入力信号を印加して検査を行なう。
【0009】次に、プローブカードと半導体ウェハとの
アライメント方法について説明する。図6はプローブカ
ードと半導体ウェハとのアライメントを行なうアライメ
ント装置の側面図である。
【0010】図6において、2は半導体ウェハ、1は半
導体ウェハ2を固定する真空チャック、10はプローブ
カード、36は半導体ウェハステージ、35は半導体ウ
ェハステージ36上のプローブカード位置検出用カメ
ラ、37はプローブカード10のバンプ、39はプロー
ブカード10が取り付けられているプローブカードステ
ージ、38はプローブカードステージ39に取り付けら
れている半導体ウェハアライメント用カメラ、40はX
軸方向の位置を制御するX軸制御用モータ、41はY軸
方向の位置を制御するY軸制御用モータ、42はθ方向
の位置を制御するθ制御用モータ、43はZ軸方向の位
置を制御するZ軸制御機構、44は真空チャック1に設
けられたヒータである。
【0011】まず、半導体ウェハ2を真空チャック1上
に乗せ、真空チャック1の上面に設けられた複数の穴よ
り真空引きを行なって、半導体ウェハ2を真空チャック
1に固定する。真空チャック1は、内部にヒータ44と
温度感知装置(図示せず)とが装着されており、チャッ
ク1上に固定された半導体ウェハ2の温度をコントロー
ルできるようになっている。
【0012】次にプローブカード位置検出用カメラ35
によりプローブカード10の位置を検出すると共にプロ
ーブカード10のバンプ37を捕らえる。また、半導体
ウェハアライメント用カメラ38により半導体ウェハ2
の位置を検出すると共に半導体ウェハ2のパッド(図示
せず)を捕らえる。この際、プローブカード10が真空
チャック1に対して平行でない場合には平行になるよう
自動調整する。
【0013】次に、半導体ウェハ2を、X軸方向、Y軸
方向及びθ方向にX軸制御用モータ40、Y軸制御用モ
ータ41及びθ制御用モータ42によりアライメントし
つつ、プローブカード10の真下に移動し、半導体ウェ
ハ2がプローブカード10の真下に移動したときに、Z
軸制御機構43により真空チャック1を上昇させて半導
体ウェハ2のパッドとプローブカード10のバンプ37
とを接続させる。
【0014】通常はこの状態で電気測定を行なうが、半
導体ウェハ2のバーンイン時に高温下での測定を行なう
際は、真空チャック1のヒータ44に通電して真空チャ
ック1とその上に固定された半導体ウェハ2とを加熱す
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例では半導体ウェハ上の半導体チップのパッドとプロ
ーブカードのバンプとの電気的接続が確認できない。こ
のため、パッドとバンプとの電気的接続が不良な半導体
チップが生じ、このような半導体チップに対してはバー
ンインが実施されないという、いわゆるバーンインエス
ケープが発生するおそれがある。この結果、半導体ウェ
ハ状態でのバーンインを完全には実現できず、市場での
製品の信頼性が低下するという問題がある。
【0016】電気的接続の不良には次の2つの原因があ
る。第1の原因としては、半導体ウェハ上の半導体チッ
プのパッドとプローブカードのバンプとの位置ずれによ
る電気的接続の不良である。
【0017】これは、半導体ウェハとプローブカードと
をアライメントさせた状態では半導体ウェハ自体及びプ
ローブカード自体が視野をさえぎり、半導体ウェハ及び
プローブカードの接触面をカメラで観察できないので、
半導体ウェハのパッドやプローブカードのバンプの位置
検出が不可能となるためである。
【0018】このため、従来の方法に示すように半導体
ウェハとプローブカードとをアライメントさせる前に半
導体ウェハやプローブカードの位置及びパッドやバンプ
の位置の検出を正確に行なったとしても、その後、パッ
ドとバンプとを接続させるために行なう半導体ウェハの
水平方向又は垂直方向の移動の際に、半導体ウェハのパ
ッドとプローブカードのバンプとの相対位置に誤差が生
じる。このため、半導体ウェハとプローブカードとのア
ライメント時にパッドとバンプとの位置ずれによる電気
的接続に不良が生じる場合がある。
【0019】また、半導体ウェハとプローブカードとを
アライメントさせた後、高温で測定を行なうために半導
体ウェハとプローブカードとを昇温する際や昇温後に半
導体ウェハとプローブカードとを再び冷却して測定する
際に、半導体ウェハの熱膨脹率とプローブカードの熱膨
脹率との違い、あるいはプローブカードを構成する各部
分の熱膨張率の違い、さらには半導体ウェハステージ、
真空チャック及びプローブカードステージなどの周辺部
の熱膨張率の違いにより、半導体ウェハ上に形成された
半導体チップのパッドとプローブカードのバンプとの相
対位置が変動し、パッドとバンプとの位置ずれによる電
気的接続の不良が生じる場合もある。
【0020】これらの場合において、位置ずれによる電
気的接続の不良を確認し、位置ずれを修正してパッドと
バンプとの電気的接続を確保することは従来の方法では
不可能であった。
【0021】第2の不良原因として、半導体ウェハ上の
各半導体チップのパッドとプローブカードのバンプとの
間に絶縁性の異物が介在することによる電気的接続の不
良がある。
【0022】半導体チップの各パッドは通常アルミニウ
ムによって形成されており、このパッドの表面は空気中
で酸化されることにより電気的に絶縁性であるアルミナ
の膜で覆われている。バンプがパッドと機械的に接触さ
れる際に、両者が電気的に接続されるためにはバンプが
パッド表面のアルミナの膜を破る必要がある。
【0023】ところが、バンプの形状は通常半球状であ
るため、バンプをパッドに機械的に接触する際の条件、
例えばバンプをパッドに押しつける圧力が不適切である
と、パッド表面のアルミナの膜が破れずに残り、パッド
とバンプとの電気的接続に不良が生じることがある。
【0024】また、プローブカードを複数の半導体ウェ
ハに対して繰り返し使用すると、プローブカードのバン
プ表面に次第にアルミナが付着し、バンプ表面のアルミ
ナがパッドとバンプとの間に介在するので、パッドとバ
ンプとの電気的接続に不良が生じることがある。
【0025】これらの場合の他にもなんらかの理由で絶
縁性の異物が検査装置に紛れ込み、パッドとバンプとの
間に介在することにより電気的接続不良を生じることが
考えられる。これらの絶縁性の異物によって発生する電
気的接続の不良の発生を発見し、パッドとバンプとの接
触条件を変更したり、異物を取り除く等の対応を行なう
ことは従来の方法では不可能であった。
【0026】本発明は前記の点に鑑み、パッドとバンプ
との電気的接続に不良が発生した際に直ちに不良箇所を
発見して対応することができ、パッドとバンプとの確実
な電気的接続を実現するために、パッドとバンプとの電
気的接続を確認する方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、複数の半導体チップの各動作電
流の総和と複数の半導体チップの全動作電流との差が各
動作電流の最小値よりも小さい場合に半導体チップの全
ての電極とプローブカードの全てのプローブ端子とが接
続しているとみなすものである。
【0028】具体的に請求項1の発明が講じた解決手段
は、半導体装置の検査方法を、半導体ウェハ上に形成さ
れた複数の半導体チップの各動作電流値を実測する工程
と、前記各動作電流値の総和を計算により求める工程
と、前記複数の半導体チップの電極とプローブカードの
プローブ端子とを接続する工程と、前記複数の半導体チ
ップの全動作電流値を実測する工程と、前記各動作電流
値の総和と前記全動作電流値との差を計算により求める
工程と、前記各動作電流値の総和と前記全動作電流値と
の差が前記各動作電流値の最小値よりも小さい場合に、
前記複数の半導体チップの全ての電極と前記プローブカ
ードの全てのプローブ端子とが接続されているとみなす
工程とを備えた構成とするものである。
【0029】請求項2の発明は、半導体チップの入力保
護回路内の半導体素子のしきい値電圧が所定の範囲内に
ある場合に、半導体チップの全てのパッドとプローブカ
ードの全てのプローブ端子とが接続しているとみなすも
のである。
【0030】具体的に請求項2の発明が講じた解決手段
は、半導体装置の検査方法を、半導体ウェハ上に形成さ
れた半導体チップの少なくとも1つの電極とプローブカ
ードのプローブ端子とを接続する工程と、前記半導体チ
ップの入力保護回路内の半導体素子のしきい値電圧を求
める工程と、前記しきい値電圧が所定の範囲内にある場
合に、前記半導体チップの少なくとも1つの電極と前記
プローブカードのプローブ端子とが接続されたとみなす
工程とを備えている構成とするものである。
【0031】請求項3の発明は、請求項2の構成に、半
導体チップが配列された行又は列の一方から電源電圧を
順に供給すると共に、前記行又は列の他方から入力信号
を順に供給し、電源電圧及び入力信号が共に供給される
半導体チップの出力信号を検査し、前記出力信号が所定
の規準を満たしている場合に前記半導体チップが正常に
動作しているものと判断し、このとき前記半導体チップ
の全ての電極とプローブカードのプローブ端子とが接続
しているとみなす工程を備えている構成を付加するもの
である。
【0032】請求項4の発明は、請求項3の検査方法に
用いるプローブカードを提供するものであって、請求項
4の発明が講じた解決手段は、プローブカードを、半導
体チップが配列された行又は列の一方向に延び且つ前記
行又は列の他方向に所定の間隔で並列に配置され電源が
接続される複数の配線よりなる第1の配線群と、前記行
又は列の他方向に延び且つ前記行又は列の一方向に所定
の間隔で並列に配置され信号源が接続される複数の配線
よりなる第2の配線群とを備えている構成とするもので
ある。
【0033】
【作用】請求項1の構成により、複数の半導体チップの
各動作電流の総和と複数の半導体チップの全動作電流と
の差が各動作電流の最小値よりも小さければ、複数の半
導体チップの全ての電極とプローブカードの全てのプロ
ーブ端子とが電気的に確実に接続していることが確認で
きる。
【0034】請求項2の構成により、半導体チップの入
力保護回路の半導体素子のしきい値電圧が所定の範囲内
にあれば、半導体チップの入力信号用電極とプローブカ
ードの入力信号用プローブ端子とが電気的に確実に接続
していることが確認できる。
【0035】請求項3の構成により、半導体チップが配
列された行又は列の一方から電源電圧が順に供給される
と共に行又は列の他方から入力信号が順に供給されるの
で、電源電圧及び入力信号が共に供給される半導体チッ
プの出力信号が順次求められ、出力信号が正常の場合
に、半導体チップが正常に動作しており、半導体チップ
の全ての電極とプローブカードのプローブ端子とが電気
的に確実に接続していることが確認できる。
【0036】請求項4の構成により、プローブカード上
の行又は列のそれぞれに形成された第1の配線群及び第
2の配線群により、行又は列の一方から電源電圧を順に
供給することができると共に、行又は列の他方から入力
信号を順に供給することができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明に係る半導体装置の検査方法及
びプローブカードについて図面を参照しながら説明す
る。
【0038】図1は第1実施例に係る半導体装置の検査
方法における動作電流を測定する様子を示す説明図であ
る。図1において、1は真空チャック、2は半導体ウェ
ハ、2aは半導体チップ、3はプローブ針、4はニード
ル型プローブカード、5はニードル型プローブカード4
の各配線層、6は電源、7はグランド、8は入力信号
源、9は電流計である。
【0039】半導体ウェハ2のバーンイン前に、半導体
ウェハ2上の各半導体チップ2aは良品か不良品かを判
定するためにプローブ検査が行なわれる。プローブ検査
に際しては半導体ウェハ2上に形成された複数の半導体
チップ2aを半導体ウェハ状態で検査するには通常フル
オートプローバを使用する。半導体ウェハ2を、フルオ
ートプローバ内部の真空チャック1の上面に設けられた
複数個の穴より真空引きすることにより真空チャック1
に固定する。
【0040】次に、例えばタングステンなどで作られた
プローブ針3を有するプローブカード4を半導体ウェハ
2上に設置し、半導体ウェハ2上の半導体チップ2aの
各パッド(図示せず)上にプローブ針3を接続させ、プ
ローブカード4上の配線層5を介して、半導体チップ2
aの電源用のパッドを電流計9及び電源6に接続し、半
導体チップ2aのグランド用のパッドをグランド7に接
続し、半導体チップ2aの入力信号用のパッドをテスタ
(図示せず)の入力信号源8に接続し、出力信号を検出
することにより半導体チップ2aの検査を1チップずつ
行なう。
【0041】この際、電流計9により検査中の半導体チ
ップ2aの動作電流を実測する。その後、フルオートプ
ローバのアライメント機能により、次に検査すべき半導
体チップ2aの各パッドに各プローブ針3を接続し、前
記と同様に検査及び検査中の半導体チップ2aの動作電
流の実測を行なう。この手順を繰り返し、半導体ウェハ
2上の全ての半導体チップ2aに対して動作電流を実測
する。
【0042】このようにして得られた各半導体チップ2
aの動作電流の実測値の中から最小値を求めると共に、
半導体ウェハ2上の全ての半導体チップ2aの動作電流
の総和を計算により求める。
【0043】図2は第1実施例に係る半導体装置の検査
方法における全動作電流を測定する様子を示す説明図で
ある。図2において、1は真空チャック、2は半導体ウ
ェハ、2aは半導体チップ、10は薄膜型プローブカー
ド、11はテスタ(図示せず)の電源に接続されたプロ
ーブカード10上の第1の配線層、12はテスタのグラ
ンドに接続されたプローブカード10上の第2の配線
層、13は電流計、14はテスタの電源、15はテスタ
のグランドである。
【0044】全ての半導体チップ2aの動作電流の総和
の計算値を求めた半導体ウェハ2に対し、ウェハバーン
インを行なう際に、半導体ウェハ2上の半導体チップ2
aのパッドをプローブカード10のバンプに接続する。
半導体ウェハ2はプローブカード10とのアライメント
装置の真空チャック1上に、真空チャック1の上面に設
けられた複数個の穴より真空引きすることにより真空チ
ャック1に固定する。この真空チャック1をプローブカ
ード10の真下に移動し、半導体ウェハ2がプローブカ
ード10の真下にきたときに、半導体ウェハ2を上昇さ
せて半導体ウェハ2上の半導体チップ2aのパッドにプ
ローブカード10のバンプを接続する。そして、半導体
ウェハ2上の各半導体チップ2aの電源用のパッドを第
1の配線層11及び電流計13を介して、テスタの電源
14に接続する。同様にグランド用のパッドを第2の配
線層12を介して、テスタのグランド15に接続する。
そして、入力信号用のパッドをテスタの入力信号源(図
示せず)に接続する。
【0045】この後、先に行なったプローブ検査と同じ
電圧、入力信号及び温度条件で全ての半導体チップ2a
を同時に動作させる。このとき、テスタの電源14と全
ての半導体チップ2aの電源用のパッドに接続された第
1の配線層11との間の電流計13により、全ての半導
体チップの全動作電流を実測する。そして、先に求めた
各半導体チップ2aの動作電流の総和から全動作電流の
実測値を減算し、その差が先に求めた各半導体チップの
動作電流の最小値よりも小さい、例えば最小値の10%
よりも小さいことを確認する。
【0046】例えば、半導体チップ2a1個の動作電流
の実測値が10mAとすると、図1においては半導体ウ
ェハ2上の半導体チップ2aは20個であるから、プロ
ーブ検査時の動作電流の総和は200mAとなる。その
後、図2において、ウェハ状態で一括して測定した全動
作電流の実測値が200mAとなれば、動作電流の総和
から全動作電流を差し引けば、0mAとなり、全ての半
導体チップ2aのパッドとプローブカード10のバンプ
とが電気的に接続していることが確認できる。しかし、
もし1個でもバンプに接続していない半導体チップ2a
があると、ウェハ状態で一括して測定した全動作電流の
実測値は190mA以下となり、動作電流の総和から全
動作電流を差し引いた値は10mA以上となり、明らか
に接続不良があることが分かる。本実施例において、各
半導体チップ2aの動作電流の最小値の10%という許
容範囲を設定したのは各半導体チップ2aの動作電流及
び全動作電流の測定誤差等を考慮したものである。この
場合、半導体チップ2a1個の動作電流の実測値は10
mAなので、許容範囲は1mAとなる。
【0047】第1実施例のパッドとバンプとの接続確認
方法では、動作電流の総和と全動作電流との差が各半導
体チップ2aの動作電流の最小値よりも小さいことが確
認された場合には、半導体ウェハ2とプローブカード1
0とのアライメントにより半導体ウェハ2の全てのパッ
ドとプローブカードの全てのバンプとが、電気的に正常
に接続されたと判断し、ウェハバーンインを行なう。
【0048】もし、動作電流の総和と全動作電流との差
が各半導体チップ2aの動作電流の最小値よりも小さい
ことが確認できない場合には、半導体ウェハ2上の半導
体チップ2aの電源用のパッド、グランド用のパッド、
あるいは入力信号用のハッドの中にパッドとバンプとの
電気的接続が不良である半導体チップ2aがあると判断
する。この場合には、適切な処置を施した後に、プロー
ブカード10と半導体ウェハ2とのアライメントをやり
直す。
【0049】尚、第1実施例ではパッド及びバンプの接
続時の温度がプローブ検査時と同一である必要がある。
ところが、半導体ウェハ2とプローブカード10とのア
ライメント後ウェハバーンインを行なう際には、半導体
ウェハ2を昇温する必要がある。このとき、半導体ウェ
ハ2が熱膨張してパッドとバンプとの相対位置がずれる
可能性がある。このときのパッドとバンプとの接続を確
認するためには、各半導体チップ2aをウェハバーンイ
ン時の温度に昇温して、各半導体チップ2aの動作電流
をフルオートプローバを用いて1つずつ測定し、その測
定値を用いて前記の方法でパッドとバンプとの接続を確
認すればよい。
【0050】図3は第2実施例に係る半導体装置の検査
方法における半導体チップに形成された入力保護回路の
半導体素子のしきい値電圧を測定する様子を示す説明図
である。図3において、10は薄膜型プローブカード、
16はプローブカード10のバンプ、17はプローブカ
ード10上の配線層、18は半導体チップのパッド、1
9は半導体チップ内の入力保護回路、20は入力保護回
路19内のNチャネル型MOSトランジスタ、21は入
力保護回路19内の抵抗、22は半導体チップの内部回
路、23は電流計、24は電圧源である。
【0051】まず、従来の技術で説明した方法によりプ
ローブカード10のバンプ16を半導体ウェハ(図示せ
ず)上の半導体チップのパッド18に接続する。そし
て、入力信号用のパッド18に、バンプ16と配線層1
7を介してテスタの電流計23及び電圧源24を接続す
る。この入力信号用のパッド18と接続されたバンプ1
6に電圧源24により0Vから時間とともに絶対値が大
きくなる負電圧を印加する。そのとき、バンプ16を通
じて流れる電流を電流計23により測定する。
【0052】半導体チップ2aの入力段には内部回路2
2を静電破壊等の高電圧入力による破壊から保護するた
め入力保護回路19が備わっている。その入力保護回路
19内で使用されているNチャネル型MOSトランジス
タ20のドレイン部のN型拡散層とP型基板あるいはP
ウェル間のPN接合には、負電圧の印加により順方向の
電圧が印加される。この測定中、PN接合の特性により
電圧が0V近傍ではほとんど電流が流れないが、順方向
電圧がある電圧以上になると急激に電流が流れ始める。
その電流が入力保護回路19の抵抗21、パッド18、
バンプ16、配線層17を介して流れ、電流計23によ
り測定される。ここで、抵抗21は電流によって電圧降
下を起こし、PN接合の順方向に過大な電圧が印加され
るのを防止する。
【0053】電流値がある一定値、この例では−10μ
Aとなる電圧をPN接合部のしきい値電圧とする。この
しきい値電圧があらかじめ用意された規格、例えば−
0.5Vから−0.7Vの範囲内にあることを確認す
る。この際、しきい値電圧は、あらかじめ抵抗21の抵
抗値が分かっているので、−10μAとなる印加電圧を
測定して計算により求めることができる。
【0054】第2実施例のパッド18とバンプ16との
接続確認方法では、半導体ウェハ2上の全ての良品の半
導体チップ2aに対し、入力信号用のパッド18の全部
又は一部の入力保護回路19内のNチャネル型MOSト
ランジスタ20のしきい値電圧を求め、このしきい値電
圧が、あらかじめ用意された規格の範囲内にあることが
確認された場合には半導体ウェハ2とプローブカード1
0とのアライメントにより半導体ウェハ2上の全ての半
導体チップ2aの全てのパッド18がプローブカード1
0の全てのバンプ16と電気的に正常に接続されたと判
断し、ウェハバーンインを行なう。
【0055】もし、入力保護回路19内のNチャネル型
MOSトランジスタ20のしきい値電圧が、あらかじめ
用意された規格内に入らない半導体チップ2aがある場
合には、その入力信号用のパッド18を始め、他にもパ
ッド18とバンプ16との電気的接続不良があると判断
する。この場合には適切な処置を施した後に、半導体ウ
ェハ2とプローブカード10とのアライメントをやり直
す。
【0056】この方法はパッド18とバンプ16との接
続を確認するときの温度が常温の場合だけでなくバーン
イン時の温度の場合にも適用することができる。このと
きはしきい値電圧の規格を、接続確認時の温度下での適
切な値に設定すればよい。
【0057】図4は第3実施例に係る半導体装置の検査
方法における行及び列のそれぞれに第1の配線群及び第
2の配線群を有するプローブカードを用いて各半導体チ
ップをスキャンする様子を示す説明図である。図4にお
いて、2は半導体ウェハ、2aは半導体チップ、16は
プローブカードのバンプ、25はテスタの電源に接続さ
れたプローブカード上の第1の配線群、26は信号源に
接続されたプローブカード上の第2の配線群、27はテ
スタの出力信号検出器に接続されたプローブカード上の
第3の配線群である。
【0058】プローブカード上の第1の配線群25は横
一列ずつ独立させて配置し、プローブカード上の第2の
配線群26及び第3の配線群27は縦一列ずつ独立させ
て配置する。また、テスタのグランドに接続された配線
層(図示せず)は全ての半導体チップ2aに対して共通
とする。
【0059】まず、従来の技術で説明したアライメント
装置により、半導体ウェハ2上の半導体チップ2aのパ
ッド(図示せず)にプローブカード10のバンプ16を
接続する。これにより半導体チップ2aの電源用のパッ
ド(図示せず)には第1の配線群25を、グランド用の
パッド(図示せず)にはテスタのグランドに接続された
配線層(図示せず)を、入力信号用のパッド(図示せ
ず)には第2の配線群26を、出力用のパッド(図示せ
ず)には第3の配線群27をバンプ16を介して接続す
る。
【0060】次に、第1の配線群25の中から1本を選
択し、選択された1本の配線層にのみ電源電圧を供給
し、それ以外の配線層は0Vとする。同時に第2の配線
群26の中から1本を選択し、この1本の配線層にのみ
入力信号を供給する。半導体チップ2aは電源電圧が0
Vの場合に出力がフローティング状態となるようにあら
かじめ設計しておく。
【0061】この結果、選択された第1の配線群のうち
の1本の配線層と第2の配線群のうちの1本の配線層と
が交差する所にある半導体チップ2aが選択され、この
1個の半導体チップ2aにのみ正常な電源電圧及び入力
信号が供給され、この半導体チップ2aが良品の場合に
正常に動作し、正常な出力信号が出力され、テスタの出
力信号検出器によって検出される。そして、選択する半
導体チップ2aに対して電源電圧及び入力信号をスキャ
ンさせることにより全ての半導体チップ2aの出力信号
を検出することができる。
【0062】第3実施例のパッド18とバンプ16との
接続確認方法では、半導体ウェハ2上の全ての良品チッ
プに対し、順次電源電圧及び入力信号を供給して、出力
信号を検出し、この出力信号が、あらかじめ用意された
規準を満たしていることが確認された場合には半導体ウ
ェハ2とプローブカード10とのアライメントにより半
導体ウェハ2上の全ての半導体チップ2aの全てのパッ
ド18がプローブカード10の全てのバンプ16と電気
的に正常に接続されたと判断し、ウェハバーンインを行
なう。
【0063】もし、電源電圧及び入力信号を供給した場
合の出力信号があらかじめ用意された規準を満たしてい
ない半導体チップ2aがある場合には、その半導体チッ
プ2aを始め、他の半導体チップにもパッド18とバン
プ16との電気的接続不良があると判断する。この場合
には適切な処置を施した後に、半導体ウェハ2とプロー
ブカード10とのアライメントをやり直す。
【0064】この方法はパッド18とバンプ16との接
続を確認するときの温度が常温の場合だけでなく、バー
ンイン時の温度の場合にも適用することができる。この
ときは出力信号の規準を接続確認時の温度下での適切な
規準に設定すれば良い。
【0065】
【発明の効果】請求項1に係る半導体装置の検査方法に
よれば、複数の半導体チップの全ての電極とプローブカ
ードの全てのプローブ端子とが電気的に確実に接続して
いることが確認できるので、半導体ウェハ上の複数の半
導体チップに対してウェハ状態で同時にバーンインする
ことができる。
【0066】請求項2に係る半導体装置の検査方法によ
れば、半導体チップの入力信号用の電極とプローブカー
ドの入力信号用のプローブ端子とが電気的に確実に接続
していることが確認できるので、半導体ウェハ上の複数
の半導体チップに対してウェハ状態で同時にバーンイン
することができる。
【0067】請求項3に係る半導体装置の検査方法によ
れば、複数の半導体チップの全ての入力信号用の電極と
プローブカードの全ての入力信号用のプローブ端子とが
電気的に確実に接続していることが確認できるので、複
数の半導体チップの全ての電極とプローブカードの全て
のプローブ端子とが電気的に確実に接続しているとみな
すことができるので、複数の半導体チップに対してウェ
ハ状態で同時にバーンインすることができる。
【0068】請求項4に係るプローブカードによれば、
行又は列のそれぞれに第1の配線群及び第2の配線群が
形成されているので、半導体チップの出力信号を順次求
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る半導体装置の検査方
法における動作電流を測定する様子を示す説明図であ
る。
【図2】本発明の第1実施例に係る半導体装置の検査方
法における全動作電流を測定する様子を示す説明図であ
る。
【図3】本発明の第2実施例に係る半導体装置の検査方
法における半導体チップに形成された入力保護回路の半
導体素子のしきい値電圧を測定する様子を示す説明図で
ある。
【図4】本発明の第3実施例に係る半導体装置の検査方
法における行及び列のそれぞれに第1の配線群及び第2
の配線群を有するプローブカードを用いて各半導体チッ
プをスキャンする様子を示す説明図である。
【図5】プローブカードのバンプと半導体チップのパッ
ドとが接続している様子を示す断面図である。
【図6】アライメント装置の側面図である。
【符号の説明】
1 真空チャック 2 半導体ウェハ 2a 半導体チップ 3 プローブ針 4 ニードル型プローブカード 5 ニードル型プローブカード上の各配線層 6,14 電源 7,15 グランド 8 入力信号源 9,13,23 電流計 10,37 薄膜型プローブカード 11 第1の配線層 12 第2の配線層 16,31 バンプ 17 入力信号用の配線層 18,30 パッド 19 入力保護回路 20 Nチャネル型MOSトランジスタ 21 抵抗 22 内部回路 24 電圧源 25 第1の配線群 26 第2の配線群 27 第3の配線群 28 プローブカード 29 半導体チップ 32 配線層 33 フレキシブル基板 34 コンタクト 35 プローブカード位置検出用カメラ 36 半導体ウェハステージ 38 半導体ウェハアライメント用カメラ 39 プローブカードステージ 40 X軸制御用モータ 41 Y軸制御用モータ 42 θ制御用モータ 43 Z軸制御機構 44 ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮永 績 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェハ上に形成された複数の半導
    体チップの各動作電流値を実測する工程と、 前記各動作電流値の総和を計算により求める工程と、 前記複数の半導体チップの電極とプローブカードのプロ
    ーブ端子とを接続する工程と、 前記複数の半導体チップの全動作電流値を実測する工程
    と、 前記各動作電流値の総和と前記全動作電流値との差を計
    算により求める工程と、 前記各動作電流値の総和と前記全動作電流値との差が前
    記各動作電流値の最小値よりも小さい場合に、前記複数
    の半導体チップの全ての電極と前記プローブカードの全
    てのプローブ端子とが接続されたとみなす工程とを備え
    ていることを特徴とする半導体装置の検査方法。
  2. 【請求項2】 半導体ウェハ上に形成された半導体チッ
    プの少なくとも1つの電極とプローブカードのプローブ
    端子とを接続する工程と、 前記半導体チップの入力保護回路内の半導体素子のしき
    い値電圧を求める工程と、 前記しきい値電圧が所定の範囲内にある場合に、前記半
    導体チップの少なくとも1つの電極と前記プローブカー
    ドのプローブ端子とが接続されたとみなす工程とを備え
    ていることを特徴とする半導体装置の検査方法。
  3. 【請求項3】 半導体チップが配列された行又は列の一
    方から電源電圧を順に供給すると共に、前記行又は列の
    他方から入力信号を順に供給し、電源電圧及び入力信号
    が共に供給される半導体チップの出力信号を検査し、前
    記出力信号が所定の規準を満たしている場合に、前記半
    導体チップの全ての電極と前記プローブカードのプロー
    ブ端子とが接続されたとみなす工程を備えていることを
    特徴とする請求項2に記載の半導体装置の検査方法。
  4. 【請求項4】 半導体チップが配列された行又は列の一
    方向に延び且つ前記行又は列の他方向に所定の間隔で並
    列に配置され電源が接続される複数の配線よりなる第1
    の配線群と、 前記行又は列の他方向に延び且つ前記行又は列の一方向
    に所定の間隔で並列に配置され信号源が接続される複数
    の配線よりなる第2の配線群とを備えていることを特徴
    とするプローブカード。
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