JPH0825053B2 - Ni基結晶質ろう薄帯 - Google Patents
Ni基結晶質ろう薄帯Info
- Publication number
- JPH0825053B2 JPH0825053B2 JP30594986A JP30594986A JPH0825053B2 JP H0825053 B2 JPH0825053 B2 JP H0825053B2 JP 30594986 A JP30594986 A JP 30594986A JP 30594986 A JP30594986 A JP 30594986A JP H0825053 B2 JPH0825053 B2 JP H0825053B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- ribbon
- brazing
- alloy
- based crystalline
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K35/00—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
- B23K35/22—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
- B23K35/24—Selection of soldering or welding materials proper
- B23K35/30—Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 1550 degrees C
- B23K35/3033—Ni as the principal constituent
- B23K35/304—Ni as the principal constituent with Cr as the next major constituent
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、Ni基結晶質急冷凝固薄帯、特に接合部耐食
性に優れたNi基結晶質急冷凝固ろう薄帯およびその製造
方法に関する。
性に優れたNi基結晶質急冷凝固ろう薄帯およびその製造
方法に関する。
本発明にかかるろう薄帯は、各種ステンレス鋼、およ
び高合金鋼のろう接に特に有効である。
び高合金鋼のろう接に特に有効である。
(従来の技術) 従来、ステンレス鋼等のろう付材料としてNi基合金の
ろう材が使用されてきているが、その融点を低下させる
ためにB、Si等を20at%程度添加した共晶近傍の組成の
ものが用いられている。このようなB、Si等の脆化元素
を多量に添加したものでは圧延等によって薄板とするこ
とはほとんど不可能であって、また、鋳塊の切断等の方
法でろう付インサート材に適した100μm以下の厚さの
薄板としても非常に脆く、切断作業時に破壊してしま
う。そこで、通常は、各成分を粉末状にしバインダーで
固めて使用している。そのため、ろう付け接合時にバイ
ンダーの昇華、および粉末表面の酸化等により接合部に
ボイドが発生し接合強度、耐食性等の劣化を引き起こし
ていた。
ろう材が使用されてきているが、その融点を低下させる
ためにB、Si等を20at%程度添加した共晶近傍の組成の
ものが用いられている。このようなB、Si等の脆化元素
を多量に添加したものでは圧延等によって薄板とするこ
とはほとんど不可能であって、また、鋳塊の切断等の方
法でろう付インサート材に適した100μm以下の厚さの
薄板としても非常に脆く、切断作業時に破壊してしま
う。そこで、通常は、各成分を粉末状にしバインダーで
固めて使用している。そのため、ろう付け接合時にバイ
ンダーの昇華、および粉末表面の酸化等により接合部に
ボイドが発生し接合強度、耐食性等の劣化を引き起こし
ていた。
また、近年、特公昭58−15234号で開示された溶湯超
急冷法によるNi基非晶質薄帯も用いられてきている。こ
の方法によれば、バインダーを用いずに薄板状に形成さ
れているため、ろう付け接合時にバインダーの昇華等に
よるボイドは発生せず接合部の強度は改善されるも、ス
テンレス鋼を接合した場合、接合部の耐食性が母材と同
等以上にはならず腐食環境下で使用した場合、接合部近
傍が溶出分断するという欠点があった。
急冷法によるNi基非晶質薄帯も用いられてきている。こ
の方法によれば、バインダーを用いずに薄板状に形成さ
れているため、ろう付け接合時にバインダーの昇華等に
よるボイドは発生せず接合部の強度は改善されるも、ス
テンレス鋼を接合した場合、接合部の耐食性が母材と同
等以上にはならず腐食環境下で使用した場合、接合部近
傍が溶出分断するという欠点があった。
一方、そのような非晶質薄帯は、作製時の冷却速度に
強く依存し、比較的厚い(50μm以上)薄帯を作製しよ
うとすると、薄いものを作る場合に比べ冷却速度が低下
し、非晶質とするのが困難である。非晶質となるような
B、Siの高い組成では非晶質化できなかった場合非常に
脆くなるため、このような組成では厚さ50〜200μm程
度の延性に富んだ薄帯を安定して製造することは困難で
ある。比較的母材間隙の広い接合部のろう付の場合に適
合する50〜200μm厚のろう薄帯が製造できないという
欠点もあった。
強く依存し、比較的厚い(50μm以上)薄帯を作製しよ
うとすると、薄いものを作る場合に比べ冷却速度が低下
し、非晶質とするのが困難である。非晶質となるような
B、Siの高い組成では非晶質化できなかった場合非常に
脆くなるため、このような組成では厚さ50〜200μm程
度の延性に富んだ薄帯を安定して製造することは困難で
ある。比較的母材間隙の広い接合部のろう付の場合に適
合する50〜200μm厚のろう薄帯が製造できないという
欠点もあった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、ステンレス鋼、Ni基合金等の高合金
の接合強度、接合部耐食性に優れたろう付用の均質で延
性に富んだろう薄帯およびその製造方法を提供すること
である。
の接合強度、接合部耐食性に優れたろう付用の均質で延
性に富んだろう薄帯およびその製造方法を提供すること
である。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記目的を達成するため溶湯超急冷法
によるろう薄帯の製造研究を積み重ねた結果、次のよう
な知見を得た。
によるろう薄帯の製造研究を積み重ねた結果、次のよう
な知見を得た。
(1)Cr、Si、Bを適量添加したNi基合金を10μm以
下、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下
の微細結晶粒からなる均質な薄帯とすることで延性に富
んだ薄帯となる。
下、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下
の微細結晶粒からなる均質な薄帯とすることで延性に富
んだ薄帯となる。
(2)B、Cr量が接合時の接合部耐食性に大きく影響
し、B:1wt%以下、Cr:10wt%以上とすることにより、ス
テンレス鋼等の耐食性と同等以上の接合部耐食性、およ
び高い接合強度が得られる。
し、B:1wt%以下、Cr:10wt%以上とすることにより、ス
テンレス鋼等の耐食性と同等以上の接合部耐食性、およ
び高い接合強度が得られる。
(3)この合金組成では、従来の鋳造、圧延方法では非
常に脆く薄帯とできないにもかかわらず、溶湯超急冷法
を用いることで20〜200μm厚の薄帯に容易に成形し得
る。また、この方法により製造した薄帯は微細結晶質と
なっているため従来の鋳造、圧延方法では考えられない
ほどの延性を示し、ろう薄帯として十分な延性を有して
いる。
常に脆く薄帯とできないにもかかわらず、溶湯超急冷法
を用いることで20〜200μm厚の薄帯に容易に成形し得
る。また、この方法により製造した薄帯は微細結晶質と
なっているため従来の鋳造、圧延方法では考えられない
ほどの延性を示し、ろう薄帯として十分な延性を有して
いる。
(4)この合金組成は、特公昭58−15234号および特公
昭57−36075号に開示されている非晶質入射Ni基ろう薄
帯の組成に近いが、Bを含有していても1wt%以下と少
量であるため、溶湯超急冷後でも完全に結晶質となって
おり、これらの特許とは本質的に異なる。また、非晶質
となる組成でも板厚が50μm以上では冷却速度が低下す
るため非晶質となりにくく、非晶質とならない場合、非
常に脆くなるが本発明合金では、もともと結晶質である
ため板厚による影響を受けにくく容易に50〜200μm厚
の延性に富んだ薄帯が製造可能である。
昭57−36075号に開示されている非晶質入射Ni基ろう薄
帯の組成に近いが、Bを含有していても1wt%以下と少
量であるため、溶湯超急冷後でも完全に結晶質となって
おり、これらの特許とは本質的に異なる。また、非晶質
となる組成でも板厚が50μm以上では冷却速度が低下す
るため非晶質となりにくく、非晶質とならない場合、非
常に脆くなるが本発明合金では、もともと結晶質である
ため板厚による影響を受けにくく容易に50〜200μm厚
の延性に富んだ薄帯が製造可能である。
ここに、本発明の要旨とするところは、 重量%で、 Cr:10%以上、30%以下、Si:5%以上、10%以下、B:
0.001%以上、1%以下、ならびに、所望により、Fe:30
%以下,Co:10%以下およびMo:10%以下のうち少なくと
も1種をさらに含有し、残部が実質的にNiである、10μ
m以下の微細結晶からなるNi基結晶質急冷凝固ろう薄帯
である。
0.001%以上、1%以下、ならびに、所望により、Fe:30
%以下,Co:10%以下およびMo:10%以下のうち少なくと
も1種をさらに含有し、残部が実質的にNiである、10μ
m以下の微細結晶からなるNi基結晶質急冷凝固ろう薄帯
である。
また、別の面からは、本発明の要旨とするところは 重量%で、 Cr:10%以上、30%以下、Si:5%以上、10%以下、B:0.0
01%以上、1%以下、ならびに、所望によりFe:30%以
下,Co:10%以下およびMo:10%以下のうち少なくとも1
種をさらに含有し、残部が実質的にNiである溶融合金を
移動更新する冷却体上に噴出し、103℃/sec以上の冷却
速度で凝固冷却することを特徴とする10μm以下の結晶
粒からなるNi基結晶質急冷凝固ろう薄帯の製造方法であ
る。
01%以上、1%以下、ならびに、所望によりFe:30%以
下,Co:10%以下およびMo:10%以下のうち少なくとも1
種をさらに含有し、残部が実質的にNiである溶融合金を
移動更新する冷却体上に噴出し、103℃/sec以上の冷却
速度で凝固冷却することを特徴とする10μm以下の結晶
粒からなるNi基結晶質急冷凝固ろう薄帯の製造方法であ
る。
(作用) ここに、本発明において、合金組成を上述のように限
定した理由について詳述する。
定した理由について詳述する。
Cr:接合部の耐食性を向上させるため10wt%以上添加
し、一方、過剰に添加すると合金の融点が上昇し、また
接合部にσ相が析出し脆化するため30wt%以下とする。
好ましくは15〜25wt%である。
し、一方、過剰に添加すると合金の融点が上昇し、また
接合部にσ相が析出し脆化するため30wt%以下とする。
好ましくは15〜25wt%である。
Si:合金の融点が低下し、溶融時の流動性が向上し、さ
らにろう付時の溶融ろうが接合部間隙の全体にゆきわた
り易くするため、5wt%以上添加し、一方、過剰に添加
すると薄帯が脆化するため10wt%以下とする。好ましく
は6〜9wt%である。
らにろう付時の溶融ろうが接合部間隙の全体にゆきわた
り易くするため、5wt%以上添加し、一方、過剰に添加
すると薄帯が脆化するため10wt%以下とする。好ましく
は6〜9wt%である。
B:合金の溶融時の流動性を向上させ、ろう付時の溶融
ろうが接合部間隙の全体にゆきわたり易くするため添加
するのが好ましい。しかし、余り多量に加えると薄帯が
脆化し、また、ろう付接合部の耐食性が劣化するため、
1wt%以下とする。好ましくは0.7wt%以下である。
ろうが接合部間隙の全体にゆきわたり易くするため添加
するのが好ましい。しかし、余り多量に加えると薄帯が
脆化し、また、ろう付接合部の耐食性が劣化するため、
1wt%以下とする。好ましくは0.7wt%以下である。
Fe,Co,Moについては所望により接合部の強度改善に少
なくとも1種添加するが、例えば、構造材のろう付け等
を行う場合には好ましい。
なくとも1種添加するが、例えば、構造材のろう付け等
を行う場合には好ましい。
Fe:接合部の強度を向上させるため、もしくは高価なN
iの代替として添加することが好ましいが、あまり多量
に加えると、接合部の耐食性が劣化し、また合金の融点
が上昇するため30wt%以下とする。好ましくは10wt%以
下である。
iの代替として添加することが好ましいが、あまり多量
に加えると、接合部の耐食性が劣化し、また合金の融点
が上昇するため30wt%以下とする。好ましくは10wt%以
下である。
Co:接合部の耐食性、高温強度を高めるため添加す
る。しかし高価なため10wt%以下とする。
る。しかし高価なため10wt%以下とする。
Mo:Coの場合と同様に、接合部の耐食性、高温強度を
高めるため添加するが、高価なため10wt%以下とする。
高めるため添加するが、高価なため10wt%以下とする。
次に、本発明にあっては、急冷凝固により結晶粒径を
10μm以下の微細結晶とするが、ろう薄帯の延性を確保
するため10μm以下、好ましくは2μm以下、より好ま
しくは1μm以下の結晶粒径とし、ろう付時の接合強度
を高くするためバインダー、気泡等が混入せず均質なも
のとする。かかる結晶粒径は急冷凝固速度を変えること
によって変更でき、103℃/sec以上の冷却速度を確保す
ることによって結晶粒径を10μm以下とすることができ
る。
10μm以下の微細結晶とするが、ろう薄帯の延性を確保
するため10μm以下、好ましくは2μm以下、より好ま
しくは1μm以下の結晶粒径とし、ろう付時の接合強度
を高くするためバインダー、気泡等が混入せず均質なも
のとする。かかる結晶粒径は急冷凝固速度を変えること
によって変更でき、103℃/sec以上の冷却速度を確保す
ることによって結晶粒径を10μm以下とすることができ
る。
第1図(a)および(b)は、本発明にかかる結晶質
急冷凝固薄帯を製造する装置の概略図である。図中、溶
湯収容器10からの溶湯11はノズル口12を経て高速で移動
更新する回転冷却ドラム13上に注がれ、急速凝固して、
薄帯14が作製される。第1図(a)の場合を単ロール方
式、第1図(b)の場合を双ロール方式と称する。溶湯
超急冷装置の形式は特にとわない。要するに移動更新す
る冷却体上に溶湯を噴出し凝固、冷却し、薄帯を形成で
きればよい。
急冷凝固薄帯を製造する装置の概略図である。図中、溶
湯収容器10からの溶湯11はノズル口12を経て高速で移動
更新する回転冷却ドラム13上に注がれ、急速凝固して、
薄帯14が作製される。第1図(a)の場合を単ロール方
式、第1図(b)の場合を双ロール方式と称する。溶湯
超急冷装置の形式は特にとわない。要するに移動更新す
る冷却体上に溶湯を噴出し凝固、冷却し、薄帯を形成で
きればよい。
上記の合金組成の溶湯を第1図に示すような溶湯超急
冷装置を用いて103℃/秒以上の冷却速度で冷却凝固せ
しめ、好ましくは20〜200μm厚の薄帯とする。それよ
り薄いと薄帯の製造が困難なため20μm以上とし、一般
に上限は特に問わない。しかし、ろう材の効率的利用お
よび冷却速度の低下をきたすことから200μm以下の厚
さが好ましい。
冷装置を用いて103℃/秒以上の冷却速度で冷却凝固せ
しめ、好ましくは20〜200μm厚の薄帯とする。それよ
り薄いと薄帯の製造が困難なため20μm以上とし、一般
に上限は特に問わない。しかし、ろう材の効率的利用お
よび冷却速度の低下をきたすことから200μm以下の厚
さが好ましい。
これらの薄帯はほとんど表面酸化もなく、そのままで
ろう付に有用であるが、十分な靱性を持っているため、
複雑な形状に切断およびプレス加工した後、ろう付に使
用できる。
ろう付に有用であるが、十分な靱性を持っているため、
複雑な形状に切断およびプレス加工した後、ろう付に使
用できる。
本発明のろう薄帯は、オーステナイト系、二相系、フ
ェライト系の各種ステンレス鋼ならびにNi、Moあるいは
Co、W等を多量に含有する高合金鋼のいずれのろう接に
対しても適用可能である。
ェライト系の各種ステンレス鋼ならびにNi、Moあるいは
Co、W等を多量に含有する高合金鋼のいずれのろう接に
対しても適用可能である。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。
る。
実施例1 第1表の10種の合金溶湯を第1図(a)に示すような
3000r.p.m.で回転する直径300mmの鋼製ロール表面上に
開口部0.5mm×14mmの矩形ノズルを用い噴射し(冷却速
度:6×105℃/sec)、幅14mm、厚さ35μmの薄帯を作製
した。第1表には結晶質であるか否か、結晶粒の大きさ
も示してある。
3000r.p.m.で回転する直径300mmの鋼製ロール表面上に
開口部0.5mm×14mmの矩形ノズルを用い噴射し(冷却速
度:6×105℃/sec)、幅14mm、厚さ35μmの薄帯を作製
した。第1表には結晶質であるか否か、結晶粒の大きさ
も示してある。
また合金Cについては50mm×50mm×20mmの鋳型に鋳込
んだ鋳塊(冷却速度:1.5×102℃/sec)より100μm厚の
薄板を切り出し、本発明にかかるろう薄帯も含めて直径
20mmの円形に打ち抜き可能であるかを調べた。
んだ鋳塊(冷却速度:1.5×102℃/sec)より100μm厚の
薄板を切り出し、本発明にかかるろう薄帯も含めて直径
20mmの円形に打ち抜き可能であるかを調べた。
これらの薄帯を14mm×14mmの大きさに切断した後、2
つの14mm×14mm×60mmのSUS304角材の14mm×14mm端面に
はさみ、1kg/mm2の圧縮応力を加えながらAr雰囲気中に
て1250℃、5分間の加熱により、薄帯を溶融し接合し
た。また、比較例として、JIS規格BNi−1AのNi系粉末シ
ートろうを用い同様に接合した。
つの14mm×14mm×60mmのSUS304角材の14mm×14mm端面に
はさみ、1kg/mm2の圧縮応力を加えながらAr雰囲気中に
て1250℃、5分間の加熱により、薄帯を溶融し接合し
た。また、比較例として、JIS規格BNi−1AのNi系粉末シ
ートろうを用い同様に接合した。
その後、接合強度の測定のため、接合した角材を切削
加工によりJIS Z2201の形状の試験片を作成し、引張試
験を行った。また、接合部耐食試験は、接合した角材よ
りろう接部を中心として厚さ3mm×幅10mm×長さ40mmな
らびに厚さ2mm×直径11mmの試験片を加工し、ステンレ
ス鋼の硫酸−硫酸鋼腐食試験(JIS G0575。以下、“ス
トラウス試験”という)ならびに孔食電位測定を行っ
た。
加工によりJIS Z2201の形状の試験片を作成し、引張試
験を行った。また、接合部耐食試験は、接合した角材よ
りろう接部を中心として厚さ3mm×幅10mm×長さ40mmな
らびに厚さ2mm×直径11mmの試験片を加工し、ステンレ
ス鋼の硫酸−硫酸鋼腐食試験(JIS G0575。以下、“ス
トラウス試験”という)ならびに孔食電位測定を行っ
た。
ストラウス試験の試験片は湿式600番エメリー紙研磨
仕上げとし、試験後にUベンド曲げを実施して割れの有
無を顕微鏡を用いて判定した。
仕上げとし、試験後にUベンド曲げを実施して割れの有
無を顕微鏡を用いて判定した。
孔食電位測定は0.01M NaCl水溶液、60℃、Ar脱気下で
掃引速度20mV/minの動電位法にて測定した。n数は3で
ある。
掃引速度20mV/minの動電位法にて測定した。n数は3で
ある。
以上の結果を第2表にまとめて示す。
また合金Cから作製した薄帯の組織は第2図の透過電
子顕微鏡金属組織写真に示すように非常に微細(0.3μ
m程度の結晶粒)であり、本発明にかかるろう薄帯の全
ては柔軟であり、打抜き加工等も容易に行えた。
子顕微鏡金属組織写真に示すように非常に微細(0.3μ
m程度の結晶粒)であり、本発明にかかるろう薄帯の全
ては柔軟であり、打抜き加工等も容易に行えた。
しかし、従来法で作製した合金Cの薄板(結晶粒径:1
20μm)では打抜き時にいずれも破壊した。
20μm)では打抜き時にいずれも破壊した。
第3図(a)は、前記合金Cの薄帯のX線回折図であ
り、結晶質特有の鋭いピークがみられるのが分かる。
り、結晶質特有の鋭いピークがみられるのが分かる。
なお、本例ではその組成のため薄帯の厚さを薄くして
急冷速度を高めても非晶質のものは得られなかったが、
参考までに製造したSi=4.2%、B=2.0%、Cr=19%を
含む厚さ10μmの非結晶質薄帯についてのX線回折図を
第3図(b)に示す。非結晶質特有のブロードなピーク
がみられる。この非結晶質薄帯を使ってろう付け接合を
行ったところ、前記ストラウス試験において貫通割れが
生じ、耐食性は母材レベル以下であった。また第2表に
示したように、本発明のろう薄帯を用いてろう付けを行
った場合、ストラウス試験での割れも発生せず、孔食電
位も比較材よりも高く、耐食性に優れた接合が行えるこ
とが明らかである。
急冷速度を高めても非晶質のものは得られなかったが、
参考までに製造したSi=4.2%、B=2.0%、Cr=19%を
含む厚さ10μmの非結晶質薄帯についてのX線回折図を
第3図(b)に示す。非結晶質特有のブロードなピーク
がみられる。この非結晶質薄帯を使ってろう付け接合を
行ったところ、前記ストラウス試験において貫通割れが
生じ、耐食性は母材レベル以下であった。また第2表に
示したように、本発明のろう薄帯を用いてろう付けを行
った場合、ストラウス試験での割れも発生せず、孔食電
位も比較材よりも高く、耐食性に優れた接合が行えるこ
とが明らかである。
実施例2 実施例1のC合金組成の溶湯を同じく第1図(a)の
装置により、2500r.p.m.で回転する直径300mmの鋼製ロ
ール表面上に、開口部0.6mm×20mmの矩形ノズルより噴
射し、幅20mm、厚さ30μmのろう薄帯を作製した。
装置により、2500r.p.m.で回転する直径300mmの鋼製ロ
ール表面上に、開口部0.6mm×20mmの矩形ノズルより噴
射し、幅20mm、厚さ30μmのろう薄帯を作製した。
SUS304鋼製の直径25.4mm×厚さ1.0mm×長さ100mmのパ
イプを実施例1のC合金組成のろう薄帯をインサートー
材として接合面に挿入し、アルゴン雰囲気中で、接合温
度1250℃、接合時間200秒、圧縮応力1kg/mm2で接合し
た。この接合部より4箇所の板状引張試験片、および腐
食試験片を採取した。
イプを実施例1のC合金組成のろう薄帯をインサートー
材として接合面に挿入し、アルゴン雰囲気中で、接合温
度1250℃、接合時間200秒、圧縮応力1kg/mm2で接合し
た。この接合部より4箇所の板状引張試験片、および腐
食試験片を採取した。
本発明のろう薄帯をパイプ接合に適用しても何ら問題
はなく、母材レベルの接合強度が得られた。
はなく、母材レベルの接合強度が得られた。
また、耐食性についても実施例1と同様の条件で評価
を行ったが、第3表に示すごとく良好な耐食性が確認さ
れた。
を行ったが、第3表に示すごとく良好な耐食性が確認さ
れた。
(発明の効果) 以上のように、本発明によれば、産業上非常に有用な
ステンレス鋼および高合金接合用のろう薄帯およびその
ためのろう薄帯の製造方法が得られる。また本発明によ
れば、非晶質のものと比較して厚さが大きいものが得ら
れ、B、Siの含有量を低くできるため十分な延性を確保
でき、加熱時の溶融流動性にすぐれ、接合部の耐食性も
改善される。
ステンレス鋼および高合金接合用のろう薄帯およびその
ためのろう薄帯の製造方法が得られる。また本発明によ
れば、非晶質のものと比較して厚さが大きいものが得ら
れ、B、Siの含有量を低くできるため十分な延性を確保
でき、加熱時の溶融流動性にすぐれ、接合部の耐食性も
改善される。
第1図(a)および(b)は、本発明にかかる急冷凝固
ろう薄帯の製造装置の略式説明図; 第2図は、本発明にかかる凝固ろう薄帯の透過電子顕微
鏡金属組織写真;および 第3図は、本発明によるろう薄帯のX線回折図(a)を
非晶質のそれ(b)に比較して示すグラフである。 10:溶湯収容器、11:溶湯 12:ノズル口、13:回転冷却ドラム 14:薄帯
ろう薄帯の製造装置の略式説明図; 第2図は、本発明にかかる凝固ろう薄帯の透過電子顕微
鏡金属組織写真;および 第3図は、本発明によるろう薄帯のX線回折図(a)を
非晶質のそれ(b)に比較して示すグラフである。 10:溶湯収容器、11:溶湯 12:ノズル口、13:回転冷却ドラム 14:薄帯
Claims (4)
- 【請求項1】重量%で、 Cr:10%以上、30%以下、Si:5%以上、10%以下、B:0.0
01%以上、1%以下を含有し、残部が実質的にNiであ
る、10μm以下の微細結晶からなるNi基結晶質急冷凝固
ろう薄帯。 - 【請求項2】重量%で、 Cr:10%以上、30%以下、Si:5%以上、10%以下、B:0.0
01%以上、1%以下を含有し、ならびにFe:30%以下、C
o:10%以下およびMo:10%以下のうち少なくとも1種を
さらに含有し、残部が実質的にNiである、10μm以下の
微細結晶からなるNi基結晶質急冷凝固ろう薄帯。 - 【請求項3】重量%で、 Cr:10%以上、30%以下、Si:5%以上、10%以下、B:0.0
01%以上、1%以下を含有し、残部が実質的にNiである
溶融合金を移動更新する冷却体上に噴出し、103℃/sec
以上の冷却速度で凝固冷却することを特徴とする、10μ
m以下の結晶粒からなるNi基結晶質急冷凝固ろう薄帯の
製造方法。 - 【請求項4】重量%で、 Cr:10%以上、30%以下、Si:5%以上、10%以下、B:0.0
01%以上、1%以下を含有し、ならびにFe:30%以下、C
o:10%以下およびMo:10%以下のうち少なくとも1種を
さらに含有し、残部が実質的にNiである溶融合金を移動
更新する冷却体上に噴出し、103℃/sec以上の冷却速度
で凝固冷却することを特徴とする、10μm以下の結晶粒
からなるNi基結晶質急冷凝固ろう薄帯の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30594986A JPH0825053B2 (ja) | 1986-12-22 | 1986-12-22 | Ni基結晶質ろう薄帯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30594986A JPH0825053B2 (ja) | 1986-12-22 | 1986-12-22 | Ni基結晶質ろう薄帯 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63157793A JPS63157793A (ja) | 1988-06-30 |
JPH0825053B2 true JPH0825053B2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=17951232
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30594986A Expired - Lifetime JPH0825053B2 (ja) | 1986-12-22 | 1986-12-22 | Ni基結晶質ろう薄帯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0825053B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2516603Y2 (ja) * | 1990-04-03 | 1996-11-06 | 油谷重工株式会社 | ゲージクラスタ |
JPH09243860A (ja) * | 1996-03-11 | 1997-09-19 | Fujikura Ltd | 石英系ガラス製フェルールおよびその製造装置 |
DE10011286B4 (de) * | 2000-03-08 | 2007-08-02 | Emitec Gesellschaft Für Emissionstechnologie Mbh | Verwendung eines Lötmaterials zum Verlöten von Metallblechen |
JP5846646B2 (ja) * | 2010-12-16 | 2016-01-20 | 福田金属箔粉工業株式会社 | 耐熱性に優れたニッケルろう材 |
KR20240051074A (ko) | 2021-08-17 | 2024-04-19 | 히루톳푸 가부시키가이샤 | Fe-Si-B계 후판 급랭응고 합금박대의 제조방법 |
-
1986
- 1986-12-22 JP JP30594986A patent/JPH0825053B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63157793A (ja) | 1988-06-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4250229A (en) | Interlayers with amorphous structure for brazing and diffusion bonding | |
EP0110268B1 (en) | Method for imparting strength and ductility to intermetallic phases | |
JPS5929661B2 (ja) | 銅ベ−ス非晶質均質合金 | |
JPH07122120B2 (ja) | 加工性に優れた非晶質合金 | |
EP0051461A1 (en) | Homogeneous ductile brazing foils | |
JPH07116546B2 (ja) | 高力マグネシウム基合金 | |
JPH0355534B2 (ja) | ||
US4528247A (en) | Strip of nickel-iron brazing alloys containing carbon and process | |
JPH0825053B2 (ja) | Ni基結晶質ろう薄帯 | |
JPH0638997B2 (ja) | ろう付け接合用ろう薄帯 | |
CA1229507A (en) | Nickel based brazing filler metals | |
US6413649B2 (en) | Silver-copper-nickel infiltration brazing filler metal and composites made therefrom | |
JP5008113B2 (ja) | 耐はんだ侵食用部材 | |
JPH081373A (ja) | Sn基低融点ろう材 | |
JPS6263633A (ja) | 可撓性を有する銅基合金 | |
JPS6245020B2 (ja) | ||
JP3916577B2 (ja) | 双ベルト鋳造用フィン用アルミニウム合金およびフィン材 | |
JPH03503745A (ja) | ニッケル‐パラジウム系ろう付け合金 | |
JPH069747B2 (ja) | 酸化雰囲気中で接合可能なCr含有材料の液相拡散接合用合金箔 | |
JPS5815234B2 (ja) | ロウ付け用ホイル | |
JPS6340857B2 (ja) | ||
JPS63309389A (ja) | ろう付け用Ni基金属薄帯 | |
JPH02151378A (ja) | 酸化雰囲気中で接合可能なCr含有材料の液相拡散接合用合金箔 | |
JPS6134917B2 (ja) | ||
KR100320545B1 (ko) | Sn계저융점땜납재 |