JPH09243860A - 石英系ガラス製フェルールおよびその製造装置 - Google Patents

石英系ガラス製フェルールおよびその製造装置

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JPH09243860A
JPH09243860A JP8053545A JP5354596A JPH09243860A JP H09243860 A JPH09243860 A JP H09243860A JP 8053545 A JP8053545 A JP 8053545A JP 5354596 A JP5354596 A JP 5354596A JP H09243860 A JPH09243860 A JP H09243860A
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JP
Japan
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ferrule
cooling
quartz glass
capillary
silica
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JP8053545A
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English (en)
Inventor
Naoki Shamoto
尚樹 社本
Kouji Tsumanuma
孝司 妻沼
Yoshiaki Takeuchi
善明 竹内
Akira Nagase
亮 長瀬
Nariyuki Mitachi
成幸 三田地
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Fujikura Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Fujikura Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石英系ガラスを材料としながら、十分に使用
可能な強度を有するフェルールを得る。 【解決手段】 石英系ガラス母材1を加熱炉11に導入
して溶融線引して細径化した後、冷却水を満たした冷却
ポット12に導入して急冷し、これを所定の長さに切断
して石英系ガラス製フェルール3を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバ心線や光
ファイバコードなどのコネクタ接続に用いられる光コネ
クタのフェルールおよびその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光コネクタのフェルールは、接続される
べき光ファイバ心線や光ファイバコードなどの光ファイ
バ裸線部分を強固にかつ正確に保持、固定するための部
品であり、例えば単心用のフェルールは、通常外径2.
5mm、長さ5〜15mmの円柱状のものであって、そ
の中心に内径125μmの細径の貫通孔が穿設されてお
り、この貫通孔に光ファイバ裸線部分が挿入され、接着
剤で固定されるようになっている。
【0003】この光コネクタのフェルールは、アダプタ
を介して他のフェルールとその先端部において当接し、
両者間で光接続が行われる構造となっており、接続損失
が小さいこと、着脱を繰り返しても接続損失の変動がな
いことなどが要求され、その寸法精度に極めて高いレベ
ルが求められている。例えば、フェルールの外径は、正
確に2499±0.5μmの精度が必要とされ、貫通孔
の中心軸とフェルールの中心軸とが正確に一致し、かつ
貫通孔の内径は正確に125〜126μmであることが
必要となっている。
【0004】このような高度の寸法精度、寸法安定性を
満たすため、現在のフェルールはジルコニア(酸化ジル
コニウム)を原料として製造されている。このジルコニ
ア製フェルールは強靱で、寸法精度、寸法安定性に優
れ、信頼性が高く、特性が優れているが、セラミック製
であるため、焼成、研削などの手間を必要とし、製造が
難しく、高価であるという欠点がある。また、ジルコニ
アフェルールは光ファイバの材料である石英系ガラスと
比較して、研磨特性が大幅に異なるため、光接続のため
にコネクタ端面研磨にはダイヤモンド等の高価な研磨材
と長い研磨時間を必要とし、研磨コストが高価となる欠
点がある。さらに、ジルコニアの線膨張率8.3×10
-6/℃は光ファイバの材料である石英系ガラスの線膨張
率5.4×10-7/℃より大幅に大きいため、コネクタ
の使用環境温度の変化により、光ファイバの突き出しや
引き込みが生じ易いという欠点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため、比較的安価
なフェルールとして、製造性の高いガラスフェルールが
提案されている。特に石英系ガラスを材料としたフェル
ールは、材質が安定しており、表面硬度も高く、挿抜に
よる摩耗の問題や長期信頼性の問題が少ない点で好まし
い。しかしながら石英系ガラス製フェルールは、表面に
微小な外傷が生じた場合、フェルールに曲げ応力が加わ
ると傷が成長してフェルールが破断し易くなるので、実
際の破断強度が低いという問題点がある。よって、本発
明における課題は、石英系ガラスを材料としながら、十
分に使用可能な強度を有するフェルールを得ることにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明の請求項1記載の石英系ガラス製フェルール
は、石英系ガラス母材を溶融線引して作製したフェルー
ルであって、前記石英系ガラス母材を溶融線引後、急冷
することにより応力が付与されていることを特徴とする
ものである。また本発明の請求項2記載の石英系ガラス
製フェルールの製造装置は、石英系ガラス母材を溶融線
引する線引手段と、該石英系ガラス母材を線引した後急
冷する冷却手段とを有することを特徴とするものであ
る。本発明の請求項3記載の石英系ガラス製フェルール
の製造装置は、前記冷却手段として、冷却水を用いるこ
とを特徴とするものである。本発明の請求項4記載の石
英系ガラス製フェルールの製造装置は、前記冷却手段と
して、冷却ドラムを用いることを特徴とするものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の石英系ガラス製フェルール(以下、単にフェル
ールという)は、光ファイバをコネクタ接続するための
フェルールであって、構成材料として石英系ガラスを用
いたものである。フェルールの形状は特に限定されな
い。石英系ガラスを構成材料としたフェルールは、製造
性が良く比較的安価に供給できるうえ、材質が安定して
おり、表面硬度も高く、挿抜による摩耗の問題や長期信
頼性の問題が少ないという利点を有する。また一般に、
石英系ガラスは、表面に微小な外傷が生じた場合に曲げ
応力が加わると、傷が成長して破断し易くなることが知
られており、本発明のフェルールは、石英系ガラスを主
成分材料としながら十分に使用可能な強度を確保するた
めに、後述するように、石英系ガラス母材を溶融線引後
に急冷する工程を経て良好に製造される。
【0008】図1は本発明のフェルールの製造装置の第
1の実施例を示した概略構成図である。ここでは、石英
系ガラス母材として石英系ガラス管を用いて、円筒形の
単心用フェルールを製造する例について説明する。図中
符号1は石英系ガラス管(石英系ガラス母材)、2は石
英系ガラス細管、3はフェルール、11は加熱炉、12
は水冷ポット、13は拭き取り装置、14はキャタピラ
である。
【0009】本発明で用いられる線引手段は、出発母材
である石英系ガラス管1を加熱溶融させて細径化するた
めの加熱炉11と、加熱炉1で細径化して得られた石英
系ガラス細管2を引き取るためのキャタピラ14とから
概略構成されている。加熱炉11は石英系ガラス管1を
溶融点以上に加熱して、溶融した先端を落下させる機構
を有するものであれば適宜の構成とすることができる。
キャタピラ14は、加熱炉11で溶融線引された石英系
ガラス細管2を挾持するベルト14aと、このベルト1
4aを、石英系ガラス細管2を下方に移動させる方向
に、一定速度で駆動させる機構とからなっている。ベル
ト14aは、石英系ガラス細管2の表面に傷をつけない
材質からなるもので、例えばゴム製のベルト等が好適に
用いられる。キャタピラ14は石英系ガラス細管2の少
なくとも表面部分が固化された後の位置に設けられる。
キャタピラ14のベルト14aの駆動速度を変化させる
ことによって、石英系ガラス細管2の引き取り速度、す
なわち線引速度を制御することができる。尚、石英系ガ
ラス細管2を引き取る装置としては、このキャタピラ1
4に限らず適宜の構成のものを用いることができる。
【0010】本実施例において、線引手段の加熱炉11
とキャタピラ14との間には、水冷ポット12および拭
き取り装置13が順次設けられている。水冷ポット12
は、加熱炉11で溶融され細径化された石英系ガラス細
管2を、その表面温度が高いうちに急冷するもので、有
底中空状のポット本体12aの底部に石英系ガラス細管
2が挿通される貫通孔が形成されている。そしてポット
本体12aの内部には冷却水が満たされており、底部の
貫通孔には、石英系ガラス細管2が移動可能に挿通さ
れ、かつ該貫通孔を水密に閉じるコーン状のシリコーン
ゴム製チューブ12bが取り付けられてる。冷却水は一
定の温度に保たれるようになっている。冷却ポット12
が設けられる位置は、加熱炉11の下方であって、加熱
炉11から出てきた石英系ガラス細管2の少なくとも表
面が固化しており、かつ内部が固化していない状態の位
置とされる。この冷却ポットにおける冷却条件は、加熱
炉11と冷却ポット12との距離、冷却ポット12内の
冷却水の深さ、冷却水の温度、および線引速度を変える
ことによって制御することができる。拭き取り装置13
は、水冷ポット12通過後の石英系ガラス細管2の表面
に付着している水分を拭き取るためのもので、例えばフ
ェルト、エアワイパー等が用いられる。
【0011】このような構成の装置を用いて、フェルー
ルを製造する方法について説明する。まず、出発母材で
ある石英系ガラス管1を用意する。石英系ガラス管1と
しては純粋石英からなるもの、あるいは石英に適宜の添
加剤を添加したもの(石英を主成分とする石英系ガラ
ス)などを用いることができる。そして、石英系ガラス
管1を加熱炉11内に垂直に入れ、溶融線引して細径化
する。このようにして得られる石英系ガラス細管2の外
径と内径との比は、出発母材である石英系ガラス管1の
内径と外径との比に対応するので、例えば外径2.5m
m±0.001mm、内径125(〜126)μmのフ
ェルールを製造する場合には、内径3mm、外径60m
m±0.024mmの石英系ガラス管1を好適に用いる
ことができる。
【0012】続いて加熱炉11から出てきた石英系ガラ
ス細管2を、その表面温度が高いうちに加熱炉11の下
方に設けられている水冷ポット12に導入し、冷却水中
を通過させることによって急冷する。この急冷によって
石英系ガラス細管2の表面は収縮し、冷却ポット12通
過後に石英系ガラス細管2の内部が徐々に冷却され収縮
することによって、石英系ガラス細管2の表面に圧縮歪
みが生じる。
【0013】この後、冷却ポット12を通過した石英系
ガラス細管2を拭き取り装置13に導入し、ここを通過
させることによって表面に付着している水分を除去す
る。そして石英系ガラス細管2の内部まで冷却した後
に、これを切断装置(図示略)で所定のフェルール3の
長さに切断し、先端部を面取り加工するなど適宜の加工
を施して、目的とするフェルール3が得られる。ここで
石英系ガラス細管2を切断する際の長さは、通常、得よ
うとするフェルール3の長さに端面研磨のための適宜の
長さを加えた長さとされる。
【0014】このようにして得られたフェルール3は、
その表面に圧縮歪みが加えられているので、表面に外傷
が生じた場合に傷の成長が抑えられることになり、破断
強度が向上する。フェルール3の強度は、冷却条件を変
えることによって制御することができる。本実施例では
冷却手段として冷却水を用いているので、冷却水の深さ
や温度を容易に調節することができ、冷却条件の制御を
容易に行うことができる。このように本実施例の製造方
法によれば、フェルール3を製造する際に水冷を行うだ
けで、石英系ガラス製フェルールの強度を向上させるこ
とができる。この水冷はインラインで行うことができる
ので、工程数が増えず、溶融線引ラインを改造するだけ
で、特別な材料を必要せずに容易に、かつ低コストで実
施することができる。また本実施例の装置では冷却手段
として冷却水を用いているので、冷却水の深さや温度を
容易に調節することができ、冷却条件の制御を容易に行
うことができる。
【0015】図2は本発明のフェルールの製造装置の第
2の実施例を示した概略構成図である。本実施例が上記
第1の実施例の装置と大きく異なるのは、冷却手段とし
て冷却水に代えて冷却ドラムが用いられている点であ
る。なお、図2において図1と同一の構成要素には同一
符号を付してその説明を簡略化する。図中符号22は冷
却ドラムを示す。
【0016】本実施例で用いられる冷却ドラム22は、
石英系ガラス細管2を2方向から挾む一対の回転体22
a,22bで構成されている。回転体22a,22bは
石英系ガラス細管2の線引速度と同じ速度で回転し、か
つ周面が石英系ガラス細管2と接触するように構成され
る。そして回転体22a,22bの周面が石英系ガラス
細管2の表面と接触することによって石英系ガラス細管
2の表面から熱を奪い、石英系ガラス細管2の表面を急
冷させるようになっている。冷却ドラム22が設けられ
る位置は、加熱炉11の下方であって、加熱炉11から
出てきた石英系ガラス細管2の少なくとも表面が固化し
ており、かつ内部が固化していない状態の位置とされ
る。図2の例では2つの回転体22a,22bで石英系
ガラス細管2を2方向から挾むように構成されている
が、回転体の数をこれ以上として多方向から石英系ガラ
ス細管2を挾むように構成することもできる。石英系ガ
ラス細管2と冷却ドラム22との接触面積が大きいほ
ど、石英系ガラス細管2は急激に冷却される。
【0017】冷却ドラム22の回転体22a,22bの
材質は特に限定されないが、熱伝導率が大きい材質が好
ましく、例えば銅などの金属を好適に用いることができ
る。また回転体22a,22bの大きさも特に限定され
ないが、石英系ガラス細管2との接触部分で石英系ガラ
ス細管2から奪った熱を、1回転して再度石英系ガラス
細管2と接触するまでに放熱できるだけの十分な大きさ
が必要である。この冷却ドラム22による冷却条件は、
加熱炉11と冷却ドラム22との距離、冷却ドラム22
と石英系ガラス細管2との接触面積、および線引速度を
変えることによって制御することができる。
【0018】このような構成の装置を用いて、フェルー
ルを製造する方法について説明する。まず、上記第1の
実施例と同様にして石英系ガラス管1を用意し、これを
加熱炉11内に垂直に入れ、溶融線引して細径化する。
続いて加熱炉11から出てきた石英系ガラス細管2を、
その表面温度が高いうちに加熱炉11の下方に設けられ
ている水冷ドラム22で挟み、回転体22a,22bに
接触させることによって急冷する。この急冷によって石
英系ガラス細管2の表面は収縮し、冷却ドラム22通過
後に石英系ガラス細管2の内部が徐々に冷却され収縮す
ることによって、石英系ガラス細管2の表面に圧縮歪み
が生じる。そして石英系ガラス細管2の内部まで冷却し
た後に、これを切断装置(図示略)で所定のフェルール
3の長さに切断し、先端部を面取り加工するなど適宜の
加工を施して、目的とするフェルール3が得られる。
【0019】このようにして得られたフェルール3は、
その表面に圧縮歪みが加えられているので、表面に外傷
が生じた場合に傷の成長が抑えられることになり、その
結果破断強度が向上する。フェルール3の強度は、冷却
条件を変えることによって制御することができる。この
ように本実施例の製造方法によれば、フェルール3を製
造する際に冷却ドラムを用いた急冷を行うだけで、石英
系ガラス製フェルールの強度を向上させることができ
る。この冷却ドラムによる急冷はインラインで行うこと
ができるので、工程数が増えず、溶融線引ラインを改造
するだけで、特別な材料を必要とせずに容易に、かつ低
コストで実施することができる。また本実施例の装置で
は、冷却手段として液体を使用しないので、製造ライン
のメンテナンスが簡単であり、拭き取り装置も必要とし
ない。
【0020】なお、上記第1の実施例および第2の実施
例では単心用のフェルールを例に挙げて説明したが、フ
ェルールの形状はこれに限られるものではない。本発明
の製造装置は石英系ガラス母材を溶融線引により製造で
きるものであれば、任意の形状のフェルールに適用する
ことができる。
【0021】
【実施例】
(実施例1)図1に示す装置を用いてフェルールを作製
した。加熱炉から水冷ポットまでの距離は30cmと
し、冷却ポット内の冷却水の深さは30cmとし、冷却
水の温度は10℃に保つようにした。まず外径60m
m、内径3mmの石英系ガラス管を加熱炉に入れて溶融
線引を行い外径2.5mm、内径125μmの石英系ガ
ラス細管とした。線引速度は5m/分とした。この石英
系ガラス細管が水冷ポット、および拭き取り装置を順次
通過した後、これを長さ40mmに切断して強度試験用
フェルールサンプルを得た。得られたフェルールサンプ
ル50個について破断曲げ強度を測定し、その平均値を
求めたところ、300MPaであった。ここで、フェル
ールの破断曲げ強度はフェルールの2点を支持してその
中央に応力を加え、破断時の応力を測定した。
【0022】(実施例2)図2に示す装置を用いてフェ
ルールを作製した。加熱炉から冷却ドラム(冷却ドラム
と石英系ガラス細管との接触位置)までの距離は30〜
50cmとした。冷却ドラムは半径200mmの銅製の
円筒形回転体を4つ用い、石英系ガラス細管の長さ方向
の異なる2つの位置(第1の冷却位置と第2の冷却位
置)においてそれぞれ2つのドラムで石英系ガラス細管
を挾んだ。第1の冷却位置と第2の冷却位置とでは、回
転体で石英系ガラス細管を挾む方向を変え、石英系ガラ
ス細管の4方向の周面がそれぞれ回転体と接触するよう
にした。上記実施例1と同様にして石英系ガラス管を加
熱炉に入れて溶融線引し、石英系ガラス細管とした。こ
の石英系ガラス細管が冷却ドラムを通過した後、これを
長さ40mmに切断して強度試験用フェルールサンプル
を得た。得られたフェルール50個について、上記実施
例1と同様にして破断曲げ強度を測定し、その平均値を
求めたところ、270MPaであった。
【0023】(比較例1)上記実施例1において、溶融
線引後の急冷を行わない以外は同様にしてフェルールを
作製した。すなわち、水冷ポットおよび拭き取り装置を
用いず、溶融線引後の石英系ガラス細管が内部まで徐冷
された後に、長さ40mmに切断してフェルールを得
た。得られたフェルール50個について、上記実施例1
と同様にして破断曲げ強度を測定し、その平均値を求め
たところ、167MPaであった。
【0024】上記実施例1,2および比較例1の結果よ
り、溶融線引後の石英系ガラス細管の表面を急冷するこ
とによって、フェルールの破断曲げ強度が向上すること
が認められた。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明のフェルール
は、石英系ガラス母材を溶融線引して作製したフェルー
ルであって、前記石英系ガラス母材を溶融線引後、急冷
することにより応力が付与されていることを特徴とする
ものである。本発明のフェルールによれば、石英系ガラ
ス母材を溶融線引後に急冷することによってフェルール
の表面に圧縮応力が加えられているので、フェルール表
面に外傷が生じた場合に傷の成長が抑えられる。したが
って、製造性が良く比較的安価に供給できるうえ、材質
が安定しているので寸法精度、寸法安定性に優れ、表面
硬度も高く、挿抜による摩耗の問題や長期信頼性の問題
が少ないという利点を有する。
【0026】また本発明のフェルールの製造装置は、石
英系ガラス母材を溶融線引する線引手段と、該石英系ガ
ラス母材を線引した後急冷する冷却手段とを有すること
を特徴とするものである。この装置によれば、石英系ガ
ラス母材を溶融線引後に急冷する工程を経てフェルール
を製造することができる。このようにして製造されたフ
ェルールは、急冷の際にフェルールの表面に圧縮歪みが
加えられるので、フェルール表面に外傷が生じた場合に
傷の成長が抑えられるようになる。その結果、フェルー
ルの破断強度が向上する。したがって、石英系ガラスを
主成分材料としながら、十分に使用可能な強度を有する
フェルールを得ることができる。また本発明のフェルー
ルの製造装置は、従来のフェルール製造ラインを改造し
て冷却手段を設けるだけで、石英系ガラス製フェルール
の強度向上を容易に、かつ低コストで図ることができ
る。
【0027】前記冷却手段として冷却水を用いた場合に
は、冷却水の深さや温度を変えることにより、石英系ガ
ラス製フェルールの強度を容易に制御することができ
る。また前記冷却手段として冷却ドラムを用いた場合に
は、冷却手段として液体を使用しないことから、製造ラ
インのメンテナンスが簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の石英系ガラス製フェルール製造装置
の第1の実施例を示した概略構成図である。
【図2】 本発明の石英系ガラス製フェルール製造装置
の第2の実施例を示した概略構成図である。
【符号の説明】
1…石英系ガラス母材、3…石英系ガラス製フェルー
ル、11…加熱炉(線引手段)、12…水冷ポット(冷
却手段)、14…キャタピラ(線引手段)、22…冷却
ドラム(冷却手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 善明 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 長瀬 亮 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 三田地 成幸 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英系ガラス母材を溶融線引して作製し
    たフェルールであって、前記石英系ガラス母材を溶融線
    引後、急冷することにより応力が付与されていることを
    特徴とする石英系ガラス製フェルール。
  2. 【請求項2】 石英系ガラス母材を溶融線引する線引手
    段と、該石英系ガラス母材を線引した後急冷する冷却手
    段とを有することを特徴とする石英系ガラス製フェルー
    ルの製造装置。
  3. 【請求項3】 前記冷却手段として、冷却水を用いるこ
    とを特徴とする請求項2記載の石英系ガラス製フェルー
    ルの製造装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却手段として、冷却ドラムを用い
    ることを特徴とする請求項2記載の石英系ガラス製フェ
    ルールの製造装置。
JP8053545A 1996-03-11 1996-03-11 石英系ガラス製フェルールおよびその製造装置 Pending JPH09243860A (ja)

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