JPH11199260A - 定偏波光ファイバ用母材の製造方法 - Google Patents

定偏波光ファイバ用母材の製造方法

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JPH11199260A
JPH11199260A JP10004343A JP434398A JPH11199260A JP H11199260 A JPH11199260 A JP H11199260A JP 10004343 A JP10004343 A JP 10004343A JP 434398 A JP434398 A JP 434398A JP H11199260 A JPH11199260 A JP H11199260A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コアに損傷を与えることなく、応力付与型の
定偏波光ファイバの加工母材を歩留りよく製造すること
ができる定偏波光ファイバ用母材の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 両端部を除いてクラッド3中にコア2が
存在するガラス母材7を作製する工程と、前記ガラス母
材7の両端部を平行面とし、また、前記ガラス母材7の
コア2の両側に応力付与材を挿入する貫通孔を開けて、
該貫通孔に応力付与材を挿入する工程とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信・光センサ
などに使用される応力付与型の定偏波光ファイバを製造
するための定偏波光ファイバ用母材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバの非線形性を積極的に
利用しようとする技術の開発が注目されている。例え
ば、高速大容量伝送の本命とされている波長分割多重用
の光源として、2波長以上のCW光を光ファイバに入射
し、光ファイバの非線形性によって4光波混合光を発生
させる光ファイバ型の光源が検討されている。この4光
波混合光を効率よく発生させるためには、入射光の位相
を揃える必要があり、そのためには、4光波混合光を発
生させる光ファイバを定偏波型にすることが有効であ
る。
【0003】定偏波光ファイバにはいくつかの種類があ
るが、その中で比較的作製が容易なものは、応力による
複屈折現象を利用した応力付与型のもので、パンダ(PA
NDA:Polarization maitaining AND Absorption reduci
ng )ファイバと称されるものである。この応力付与型
の定偏波光ファイバは、例えば以下のようにして作製さ
れる。即ち、 1)図4(a)に示すように、まず元になるシングルモ
ード光ファイバ用等のガラス母材12から、所定の長さ
のガラス母材14を切り出す。ガラス母材14の両端面
は、直線状に線引きするために、研磨して平行になるよ
うにする。 2)次いで、図4(b)に示すように、ガラス母材14
のコア13aの両側のクラッド13b中に応力付与材を
挿入する貫通孔16を開けて、加工母材15とする。 3)その後、図4(c)に示すように、加工母材15と
ガラスパイプ17、おもり18、応力付与材19、ガラ
ス蓋20、ガラスロッド21を一体化して線引母材22
とし、この線引母材22を既知の方法で線引きすること
で応力付与型の定偏波光ファイバを作製する。ここで、
ガラスパイプ17は、線引母材22を線引炉に導入する
ための支持棒である。また、おもり18は、線引き時に
口出しを行うためのものである。また、ガラス蓋20
は、線引き前に加工母材15を加熱して、応力付与材1
9を溶かす際に、熱膨張率の大きい応力付与材19が貫
通孔16から溢れるのを防止するためのものである。さ
らに、ガラスロッド21はガラス蓋20を押さえるため
のおもりとなるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
応力付与型の定偏波光ファイバの製造方法には、次のよ
うな問題があった。即ち、光ファイバの非線形性を大き
くするために、ガラス母材のコアとクラッドの比屈折率
差△を大きくすると、コアとクラッドの線膨張係数、粘
度の違いも大きくなり、ガラス母材中のコアに大きな歪
みを生じる。このように△が大きなガラス母材を加工し
て、両端面が平行な加工母材を形成する際に、ダイヤモ
ンドカッター等の機械的手段でガラス母材を切断する
と、その後の研磨、組立作業を経る間に、コアの切断部
に発生したクラックがコアの長手方向に進展し、定偏波
ファイバ製造の歩留まりが著しく低下するという問題が
あった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決すべくなされたもので、両端部を除いてクラッド中に
コアが存在するガラス母材を作製する工程と、前記ガラ
ス母材の両端部を平行面とし、また、前記ガラス母材の
コアの両側に応力付与材を挿入する貫通孔を開けて、該
貫通孔に応力付与材を挿入する工程とを具備することを
特徴とする応力付与型の定偏波光ファイバ用母材の製造
方法である。
【0006】上述のように本発明によれば、ガラス母材
の両端部にはコアが存在せず、材質が均一であるため、
両端部を加工して平行面を形成する際に、コアにクラッ
クが発生する恐れが少なくなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。 (実施形態1)図1(a)〜(e)は、本発明にかかる
定偏波光ファイバ用母材の製造方法の一実施形態の説明
図である。本実施形態の製造工程は以下のとおりであ
る。即ち、 1)気相合成法で、高△のコア2を含むコアロッド1を
作製する。3はクラッドである(図1(a))。 2)次いで、コアロッド1を適当な直径に延伸して、適
当な長さに溶断する。そして、その両端に同じ径のダミ
ーガラスロッド4を接続する(図1(b))。 3)次いで、任意の本数のコアロッド1をダミーガラス
ロッド4を介して接続し、さらにその両端にサポートガ
ラスロッド5を接続して、外付け用のコアロッドとする
(図1(c))。 4)次いで、上記外付け用のコアロッドの周辺に外付け
でスート6を形成する(図1(d))。 5)外付けスート6をガラス化して、不連続なコア2を
含むガラス母材7を作製する(図1(e))。 6)このガラス母材7をコア2の不連続部で切断し、両
端部を除いてコア2が存在するガラス母材を作製する。
【0008】このようにして作製したガラス母材を加工
して、両端を平行面とし、コアの両側に応力付与材を挿
入する貫通孔を開けると、加工する部分はクラッド材の
みで構成され、均質であるため、加工によりコアにクラ
ッドが生じる恐れは少なくなる。
【0009】(実施形態2)図2(a)〜(d)は、本
発明の他の実施形態の説明図である。本実施形態の製造
工程は以下にとおりである。即ち、 1)気相合成法でクラッド/コア比が3以上のコアロッ
ド1を作製し、コアロッド1を所定の長さに酸水素火炎
で溶断する(図2(a))。 2)溶断したコアロッド1をゴム型9に設置し、その周
囲にオーバークラッド用のシリカ粉末10を充填する。こ
の時、シリカ粉末10の充填長さをコアロッド1長より
も大きくし、かつシリカ粉末充填体の両端にはコアロッ
ド1を含まないようにする(図2(b))。 3)ゴム型9を静水圧加圧装置の加圧容器(図示せず)
に納め、加圧してシリカ粉末を多孔質成形体とする。こ
の成形体をゴム型9から取り出し、所定の熱処理を施
し、ガラス母材7とする(図2(c))。 4) このガラス母材7を加工して、両端を平行面とし、
コア2の両側に応力付与材を挿入する貫通孔を開け、加
工母材8とする。この際、ガラス母材7の両端にはコア
を含まない部分が存在するので、その部分でガラス母材
7を切断、端面研磨を施してもコア2にクラックが生じ
る恐れは少なくなる。
【0010】なお、図2では、溶断したコアロッド1を
そのまま成型用ゴム型9に設置したが、図3(a)〜
(c)に示すように、溶断したコアロッド1の両端にダ
ミーガラスロッド11を溶接すると、コアロッド1の成
型用ゴム型9内への設置(図3(a))、成形体のゴム
型9から取り出し(図3(b))、成形後の取り扱いが
容易になる。
【0011】また、シリカ粉末の成形法として加圧成形
法(例えば特開平4−124043号公報参照)を用い
たが、通常に光ファイバ用母材の製造方法に用いる他の
粉末成形法(押出成形法、鋳込成形法、MSP法、遠心
分離法およびダブルプロセス法など)を用いてもよい。
【0012】実施例に基づいて具体的に説明する。 (実施例1)比屈折率差2.8%のコアロッドをVAD
法で作製した。これを約120mm長に切断し、40m
mのダミーガラスロッドで順次接続し、さらに両端にサ
ポートガラスロッドを接続して全長が約1000mmの
外付け用のコアロッドを作製した。これに、SiO2
ートを外付けし、常法により脱水(1000℃He、C
2 雰囲気)、ならびに、透明ガラス化(1430℃、
He雰囲気)して、ガラス母材を得た。このガラス母材
をダミーガラスロッドの位置で切断し、長さ約150m
mの加工前のガラス母材とした。その後、図4に示した
周知の方法に従い、加工母材、線引母材を作製し、周知
の加熱延伸法により線引きして、外径125μmのパン
ダファイバを得た。
【0013】(実施例2)気相合成法で製造されたシリ
カ粉末(平均粒径8μm)を原料として使用した。この
シリカ粉末100部(重量)に対して、67部の純水、
1.6部のPVA(ポリビニルアルコール)および1.
2部のグリセリンを混合して撹拌し、このスラリーをス
プレードライヤー装置を使用して造粒した。得られた造
粒粉は粒子径が約100μmであった。また、VAD法
で作製したクラッド/コア比が約3倍、比屈折差が2.
8%、直径約8.5mmφ、長さ約120mmのガラス
ロッドの片端に、直径約23mmφ、長さ100mmの
石英ガラスのダミーガラスロッドを、他端に直径25m
mφ、長さ120mmの支持用ガラスロツドをそれぞれ
溶接してコアロッドを作製した。上記造粒粉とコアロッ
ドを内径が約70mmφのゴム型に充填し、1000k
gf/cm2 の圧力で静水圧プレス成形して、外径約5
6mmφ、長さ約200mmの成形体とした。この成形
体を、空気中で500℃、5時間脱脂し、常法により脱
水(1200℃のHe、Cl2 雰囲気)、ならびに、透
明ガラス化(1600℃のHe雰囲気)して、加工用の
ガラス母材7を得た。このガラス母材7を両端のダミー
ガラスロッドの位置で切断し、穴開け加工をして加工母
材とした。その後、図4に示した周知の方法に従い、加
工母材、線引母材を作製し、周知の加熱延伸法により線
引きして、外径125μmのパンダファイバを得た。
【0014】(比較例1)比屈折率差2.8%、長さが
900mmのシングルモードのガラス母材を作製し、従
来の技術の説明に用いた図4の工程に従い、加工母材を
作製した。その結果、母材の切断時に8割、加工母材の
加工時に残りの2割にクラックが生じ、線引き工程まで
進むことが出来なかった。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、コアに損傷を与えるこ
となく、応力付与型の定偏波光ファイバの加工母材を歩
留りよく製造することができるという優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、本発明にかかる定偏波光フ
ァイバ用母材の製造方法の一実施形態の説明図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の他の実施形態の説
明図である。
【図3】(a)〜(c)は、図2に示した実施形態にお
いて、溶断したコアロッドの両端にダミーの石英ガラス
ロッドを溶接した場合の説明図である。
【図4】(a)〜(c)は、従来の定偏波光ファイバ用
母材の製造方法の説明図である。
【符号の説明】
1 コアロッド 2 コア 3 クラッド 4、11 ダミーガラスロッド 5 サポートガラスロッド 6 スート 7 ガラス母材 8 加工母材 9 ゴム型 10 シリカ粉末

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端部を除いてクラッド中にコアが存在
    するガラス母材を作製する工程と、前記ガラス母材の両
    端部を平行面とし、また、前記ガラス母材のコアの両側
    に応力付与材を挿入する貫通孔を開けて、該貫通孔に応
    力付与材を挿入する工程とを具備することを特徴とする
    応力付与型の定偏波光ファイバ用母材の製造方法。
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