JP2005107423A - 光導波部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加熱延伸性を有さない光導波材料からなるコアを有する光導波部品であっても、端面研磨が可能な光導波部品を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の光導波部品は、加熱延伸性を有さない光導波材料からなるコアと、コアを包囲するように融着固定されてなり、加熱延伸性を有する外部材料からなるクラッディングとから構成された光導波部品において、該コアと該クラッディングとの平均熱膨張係数の差が、30〜300℃において90×10-7/℃以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信システムにおいて使用される光導波部品とその製造方法に関するものである。
光ファイバに代表される光導波部品は、一般に、光が導波する光導波材料からなるコアと、その外側に位置する外部材料からなるクラッディングとから構成されている。クラッディングは、コアよりも低い屈折率を有し、クラッディングとコアの界面における光の全反射によってコア中で光を導波させる役割を有すると共に、コアの位置決め部材としての役割も兼ね備えている。
例えば光ファイバは、光導波材料からなるコアの周囲に外部材料からなるクラッディングを配置することによってコア中で光を導波させるとともに、コアとクラッディングの中心を高精度に一致させることによって、クラッディングの外形を基準としてコアの位置を正確に決定することが可能になっている。光ファイバ以外の平面光導波部品の場合も、上記と同様の機能を有する外部材料からなるクラッディングと光導波材料からなるコアの二種の部材で構成されている。
近年の光通信網の発達に伴い、既存のシリカガラス光ファイバ以外の種々の機能性光導波部品の重要性が高まりつつある。そのような光導波部品は、既存のシリカガラスファイバと融着接続して使用されるものとそうではないものに大別される。後者は、光導波部品の熱的特性や光学的特性がシリカガラス製光ファイバと大きく異なる場合で、融着接続が困難なために光導波部品の端面を既存光ファイバと突き合わせたり、光ファイバとは直接触れない形態で使用されたりする。このような場合、端面での光の損失を抑えるために光導波部品の少なくとも一方の端面を研磨することが必要となり、良好な光の結合性を得るために研磨後の端面形状の完全性が重要な因子となる。
ところで、光導波部品を得る方法は三つに大別される。第一の方法は光ファイバの作製方法に代表される加熱延伸法である。この方法は、先ず、クラッディングとなる外部材料とコアとなる光導波材料とが高精度で一体となった二重構造の予備成形体を作製し、次いで二重構造の予備成形体を加熱して外部材料と光導波材料の両方を軟化延伸する方法である。この方法では二重構造の予備成形体が断面方向に縮小されて光導波材料からなるコアが作製されるため、縮小効果によって二重構造の予備成形体よりも寸法精度の高い光導波部品を得ることが可能となる。
第二の方法は平面光導波部品の作製方法であり、基板上へ先ず外部材料、次いで光導波材料の層を形成した後、光導波材料を所定の形状にエッチングし、次いで外部材料をオーバーコートすることによって、光導波材料からなるコアが外部材料からなるクラッディングの内部に埋めこまれた構造を形成するものである。この場合のクラッディングとコアの位置関係は、両材料層の厚さ、およびエッチングの精度によって決定される。
第三の方法は、レーザー光によって外部材料からなるクラッディングの内部に直接コアを形成する方法であり、平面あるいは三次元光導波部品の作製に用いられる。この方法では、レーザーの照射によって外部材料からなるクラッディングの内部に誘起される屈折率変化によってコアが形成される。コアの位置はレーザーの走査精度や照射スポットの形状によって決定される。
上記の光導波部品の作製方法のうち、第一の方法は、例えば光ファイバの生産に代表されるように高い生産効率を有し、さらに、軟化延伸によって作製されるため光ファイバとの形状整合性の高い物品が得られる利点を有する。しかしながらこの方法は、コア及びクラッディングを構成する材料が、加熱延伸性を有する材料に限定される。尚、加熱延伸性を有する材料とは、軟化点(粘度が107.65dPa・sである温度)が、結晶析出や相分離が生じる温度域の下限(結晶化温度)よりも低温である材料をいう。ここで、結晶化温度とはその温度で1時間保持しても結晶析出や相分離を生じない最高温度のことをいう。すなわち加熱延伸成形のためには、結晶化温度より低い軟化点を有する材料であることが必要となる。
ガラスや結晶化ガラスには優れた光導波特性を有する材料が多く存在するが、上記の加熱延伸性を有さない材料(軟化点が結晶化温度と同じかそれ以上の材料)が数多く存在する。このような材料を光導波材料として含む予備成形体を作製し加熱延伸しようとすると、結晶化や相分離が起こって光導波特性が変化したり、光導波部品の切断が起ったりするため、光導波部品を得ることは出来ない。
そのような材料を用いて光導波部品を作製するための方法として、いわゆる、二重坩堝法がある。この方法は、外側の坩堝に外部材料を、内側の坩堝に光導波材料を入れ、両者を高温で溶融した後に坩堝下部の同心円状ノズルから両者を同時に引き出し急冷固化して成型する方法である。この方法によると、ガラスまたは結晶化ガラスを溶融状態から急冷する、いわゆる溶融紡糸を行なうため結晶析出や相分離を防止することができ、かつ、光ファイバと形状整合性の高い光導波部品を得ることができる。しかし、この方法では外部材料も溶融状態から急冷成型するため、コアを正確にクラッディングの中心に位置させることが難しく、光導波部品に必要な優れた位置決め機能を付与することが困難となる。
このような点を改良した製法として、特許文献1に記載の「カレット・イン・チューブ法」や特許文献2に記載の「スティック(フィラメント)・イン・チューブ法」がある。これらの方法は、外部材料内で光導波材料を溶融させて延伸する方法であり、加熱延伸性を有さない光導波材料を用いつつも優れたコアの位置決め機能を有した光導波部品を作製することが可能になる利点を有している。
特表2002−510273号公報 特表2002−529357号公報
しかし、特許文献1又は2に記載の方法は、光導波部品を既存のシリカガラスファイバと融着接続することを前提にしているため、光導波材料と外部材料の熱膨張係数の違いについては延伸成形後に破壊が起こらない程度で良いとされており、熱膨張係数の差に起因する光導波部品の特性劣化については何ら示唆を与えていない。しかし、端面を研磨する必要のある光導波部品においては、コアとクラッディングの熱膨張差は光導波部品の特性に大きな影響を及ぼす。すなわち両者の熱膨張差が大きすぎると研磨時に端面にクラックが生じたり、応力による複屈折のために研磨面での反射損失が増大したりするという重大な問題が発生する。
これらの方法に対し、上記第二、第三の方法は熱工程を経ないため、材料の熱的変質や熱膨張差に起因する問題は生じない。しかし、これらの方法は、層形成やレーザー照射を有効に行える材料が限定され、さらに光導波部品の形状が光ファイバと大きく異なるため、光ファイバとの形状整合性の高い光導波部品を作製することが極めて困難であり、また生産効率が低いためコスト高になる難点がある。
従って、従来の技術では、加熱延伸性を有さない光導波材料に対して、光ファイバとの形状整合性が高く優れた位置決め性能を有し、かつ、端面研磨が可能な光導波部品を作製するための手段は存在しなかった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、加熱延伸性を有さない光導波材料からなるコアを有する光導波部品であっても、端面研磨が可能な光導波部品を提供することを目的とする。
また、本発明は、光ファイバとの形状整合性が高く、優れた位置決め性能を有し、かつ、光導波部品の成形が容易で、成形設備の劣化を抑制できる光導波部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の光導波部品は、加熱延伸性を有さない光導波材料からなるコアと、コアを包囲するように融着固定されてなり、加熱延伸性を有する外部材料からなるクラッディングとから構成された光導波部品において、該コアと該クラッディングとの平均熱膨張係数の差が、30〜300℃において90×10-7/℃以下であることを特徴とする。
また、本発明の光導波部品の製造方法は、延伸後にクラッディングとなり、一端が貫通していない管状の加熱延伸性を有する外部材料の内孔に、延伸後にコアとなり、加熱延伸性を有さない光導波材料を挿入した予備成形体を加熱して該光導波材料を溶融するとともに該外部材料を軟化延伸したのち、所定長さに切断することによって、加熱延伸性を有さない光導波材料からなるコアと、コアを包囲するように融着固定されてなり、加熱延伸性を有する外部材料からなるクラッディングとから構成された光導波部品を製造する方法において、該外部材料が、該光導波材料の軟化点よりも高い軟化点を有し、該外部材料の軟化点が1500℃以下であることを特徴とする。
本発明の光導波部品は、比較的平均熱膨張係数が高く、加熱延伸性を有さない光導波材料からなるコアであっても、コアとクラッディングとの平均熱膨張係数の差が30〜300℃において90×10-7/℃以下であるため、コアとクラッディングの界面で発生する熱応力が小さくなり、端面を研磨する必要のある光導波部品であっても、研磨時に端面にクラックが生じたり、応力による複屈折のために研磨面での反射損失が増大したりすることが抑制される。また、クラッディングが加熱延伸性を有する外部材料からなるため、加熱延伸性を有さない光導波材料をコアに用いても、光導波部品を延伸成形によって作製できる。
また、本発明の光導波部品の製造方法は、加熱延伸性を有さない光導波材料を用いても、延伸後にクラッディングとなり、一端が貫通していない管状の加熱延伸性を有する外部材料の内孔に、延伸後にコアとなり、加熱延伸性を有さない光導波材料を挿入した予備成形体を加熱して該光導波材料を溶融するとともに外部材料を軟化延伸したのち、所定長さに切断するため、光導波部品は光ファイバとの形状整合性が高く、優れた位置決め性能を有する。すなわち、光導波材料は溶融状態から短時間内に急冷されるため結晶化や相分離などを生じさせずに紡糸することができる。加熱延伸性を有さない光導波材料を用いても、光導波材料が延伸成形時に外部材料中で溶融可能な材料であれば、光ファイバと形状整合性の高い光導波部品を作製することが可能となる。また、光導波材料が外部材料の延伸方向と同一方向に紡糸されているため、光ファイバやファイバ型導波部品との形状整合性が良く結合性に優れている。さらに、クラッディングとコアは融着固定されているため、両者を接着固定する必要がない。また、外部材料の軟化点が1500℃以下、好ましくは1300℃以下であるため、延伸温度を低くでき、光導波部品の成形が容易で、成形設備の劣化を抑制できる。具体的には1500℃以下の温度での延伸成形が可能である。これは、上記した特許文献1、2に開示されている、約2000℃の延伸温度よりもはるかに低温であり、製造の容易さを格段に向上させるものである。
本発明の光導波部品は、クラッディングの平均熱膨張係数が30〜300℃において25×10-7/℃以上であると、コアとクラッディングとの平均熱膨張係数の差が30〜300℃において90×10-7/℃以下となりやすい。これは、コアを構成し、加熱延伸性を有さない光導波材料の30〜300℃における平均熱膨張係数が概して大きい(例えば、50×10-7/℃以上)からである。尚、クラッディングの平均熱膨張係数の好ましい範囲は、30〜300℃において35×10-7/℃以上である。
特に、クラッディングが、SiO2以外の成分を15質量%以上含有する多成分ガラスあるいは結晶化ガラスからなると、クラッディングの平均熱膨張係数が30〜300℃において25×10-7/℃以上になりやすく、また光導波部品としての長期信頼性を確保することが容易になるため好ましい。また、SiO2以外の成分の含有量が30質量%以上であると、クラッディングの熱膨張係数を増大させることがさらに容易になるためより好ましい。
また、本発明の光導波部品は、コアの径が1mm未満であると、熱応力がさらに低減されるため好ましい。
また、上記多成分ガラスとしては、具体的に、SiO2−B23系ガラス、SiO2−Al23系ガラス、SiO2−B23−Al23系ガラス又は、これらの系にアルカリ成分やアルカリ土類成分を加えた系のガラスが使用できる。また結晶化ガラスとしては、具体的に、SiO2−Al23-Li2O系等の結晶化ガラスが使用できる。
また、コアが、具体的に、TeO2−BaO−Er23系、TeO2−WO3−Er23系、TeO2−BaO−B23系Bi23−Gd23−B23系、およびBi23−La23−B23系等のガラス又は結晶化ガラスからなると、光通信分野で用いられるファイバ型の発光素子に好適である。
本発明の光導波部品の製造方法は、延伸後にクラッディングとなり、一端が貫通していない管状の加熱延伸性を有する外部材料の内孔に、延伸後にコアとなり、加熱延伸性を有さない光導波材料を挿入した予備成形体を加熱して光導波材料を溶融するとともに外部材料を軟化延伸したのち、所定長さに切断することによって、コアと、コアを包囲するように融着固定されたクラッディングとからなる光導波部品を製造する方法である。その際、外部材料が、光導波材料の軟化点よりも高い軟化点を有することを特徴とするが、これは、光導波材料を外部材料中で溶融紡糸するために必要な要件である。
本発明の光導波部品は、外部材料が一軸方向に延伸されて、光導波材料が溶融紡糸されて作製されるが、コアの断面の直径またはそれに相当する部分の寸法が1mm未満となると、延伸成形中に破断されにくいため好ましい。
また、予備成形体を加熱して外部材料を軟化延伸できる温度、すなわち延伸温度は、外部材料の粘度が104.0〜107.65dPa・sとなる温度である。また、このような延伸温度において、外部材料は、結晶化や相分離が起こらないことが必要となる。すなわち、外部材料には、加熱延伸性を有することが求められる。
また、延伸温度での外部材料の粘度が104.0〜107.65dPa・sであり、光導波材料の粘度が100.5〜106.0dPa・sであり、かつ、延伸温度での光導波材料の粘度が外部材料の粘度よりも低いと、延伸温度において光導波材料が溶融状態に、外部材料が軟化状態になるため、光導波材料が加熱延伸性を有さない材料であっても外部材料を軟化延伸でき、光ファイバと形状整合性の高い光導波部品を作製することが可能となり、また結晶化や相分離が起こって光導波特性が変化したり、延伸途中で延伸成形体の切断が起ったりすることがない。すなわち、延伸温度での外部材料の粘度が104.0dPa・sよりも低いとクラッディングの寸法精度の制御が困難になりやすく、107.65dPa・sより高いと延伸成形が困難になりやすい。延伸温度での外部材料の粘度のより好ましい範囲は、105.0〜107.0dPa・s、さらに好ましくは、105.5〜106.5dPa・sの範囲である。また、延伸温度での光導波材料の粘度が100.5dPa・sより低いと、光導波材料と外部材料との接触面において外部材料成分が溶け込み光導波材料中に拡散しやすく、光導波特性を悪化させる。また、延伸温度での光導波材料の粘度が106.0dPa・sよりも高いと、結晶化や相分離などの変化が生じ易く溶融紡糸性が劣化する。延伸温度での光導波材料の粘度のより好ましい範囲は、101.0〜105.5dPa・s、さらに好ましくはdPa・s101.5〜105.0Pa・sの範囲である。
尚、本発明において溶融状態とは粘度が106.0dPa・s以下で、かつ、液相温度よりも高温状態にあることと定義され、軟化状態とは粘度が104.0〜107.65dPa・sの間にあり、かつ、液相温度(もしくは結晶化温度)よりも低温状態にあることと定義される。ここで、粘度が106.0dPa・s以下であることとは、自重で形が崩れることを意味し、粘度が104.0〜107.65dPa・sの間にあることとは、作業温度と軟化点の間の温度にあることを意味する。
また、外部材料は、光導波材料よりも軟化点の高い材料であれば特に限定されるものではない。しかし、多成分ガラスや結晶化ガラスを用いることにより、光導波部品としての長期信頼性を確保することが容易になるため、これらの材料を用いることが特に適している。これら以外にも耐久性に優れたポリマー材料を使用することも可能である。特に、外部材料が、SiO2以外の成分を15質量%以上含有する多成分ガラスあるいは結晶化ガラスからなると、外部材料の軟化点が1500℃以下になりやすく、また、外部材料を、キャスティング法、ダンナ−法等の溶融法で作製できるため好ましい。
また、多成分ガラスとしては、具体的に、SiO2−B23系ガラス、SiO2−Al23系ガラス、SiO2−B23−Al23系ガラス又は、これらの系にアルカリ成分やアルカリ土類成分を加えた系のガラスが使用できる。また結晶化ガラスとしては、具体的に、SiO2−Al23-Li2O系等の結晶化ガラスが使用できる。
また、光導波材料は、外部材料よりも軟化点が低く、かつ、屈折率が高い材料であれば特に限定されるものではないが、ガラス、結晶化ガラス、またはポリマーなどが光の透過率が高く溶融紡糸性に優れているため好ましい。特に、光導波材料としては、具体的には、TeO2−BaO−Er23系、TeO2−WO3−Er23系、TeO2−BaO−B23系Bi23−Gd23−B23系、およびBi23−La23−B23系等のガラスであると、光通信分野で用いられるファイバ型の発光素子に好適な光導波部品を作製できるため好ましい。特に、この場合、外部材料の軟化点が900℃以上であると、延伸温度において、光導波材料が溶融状態になりやすいため好ましい。また、上記した系のガラスの場合、予備成形体を延伸成形し、所定の長さに切断した後、熱処理してこれらのガラスを結晶化することによっても、光通信分野で用いられるファイバ型の発光素子に好適な光導波部品を作製できる。
また、外部材料は、円柱体又は角柱体を準備し、貫通しないようにドリル加工によって内孔を形成することによって作製する。次いで、その内孔よりも径が小さくなるように加工した円柱体又は角柱体の光導波材料を、外部材料の内孔に挿入するか、もしくは、粉砕した光導波材料を内孔に充填して予備成形体を作製する。その後、内孔の貫通していない側から予備成形体を延伸成形用の炉内に挿入して延伸加工を行なう。この時、一定速度で予備成形体を炉内に挿入しつつ、一定速度で延伸成形を行なうことによって、連続的に成形を行うことができるため、生産性に優れる。得られた光ファイバー状の成形体は所定の長さに切断され、必要に応じて、結晶化や端面に研磨が施されて光導波部品が完成する。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
表1、2に、本発明の実施例1〜6を、表3に比較例1および2を示す。図1は、実施例の形態における光導波部品の製造方法の概念図を示す。図2は、実施例の光導波部品の縦断面図である。
Figure 2005107423
Figure 2005107423
Figure 2005107423
まず、図1に示すように、表1、2の実施例に示す組成を有するガラスからなる外部材料10は、バッチを電気炉中で1600℃で10時間溶融した後、直径25mm、長さ200mmの円柱状に鋳込み、アニール後、ドリルを用いて中心部に直径1mmの内孔10aを長さ15mmの部分を残して形成することによって作製した。また、実施例2の結晶化ガラスからなる外部材料10は、実施例1と同様にして鋳込み成形を行った後、1000℃に再加熱し3時間保持することによって結晶化を行った後、実施例1と同様にして内孔10aを形成することによって作製した。
また、表1、2に実施例に示す組成を有する光導波材料11は、1200℃の電気炉中で1時間溶融し、板状に成形した。
また、表3に示す比較例1の外部材料10は、バッチを電気炉中で1200℃で1時間溶融した以外は、実施例1と同様にして作製した。また、比較例2の外部材料10は、円柱状の市販のシリカガラスを用いた以外は、実施例1と同様にして作製した。
また、比較例1の光導波材料11は、実施例1と同様にして作製した。また比較例2の光導波材料11は、実施例4と同様にして作製した。
次に、実施例及び比較例の光導波材料11を、平均粒径約0.05mmに破砕して外部材料10の内孔10aに充填して予備成形体12を作製した。
上記のようにして作製した予備成形体12を、成形炉13に一定速度で送り込み、表中に示す延伸温度にて延伸成形を行ない、直径1.25mmの成形体14を作製した。その後、図2に示すように、成形体14を所定の長さに切断して、光導波材料11からなるコア21と外部材料10からなるグラッディング22を有する光導波部品20を作製した。
実施例1〜6は、光導波材料(コア)と外部材料(クラッディング)の平均熱膨張係数の差がいずれも90×10-7/℃以下であったため、いずれの場合も端面の研磨を良好な状態で行うことが可能であった。また、延伸温度が光導波材料の液相温度よりも高く、かつ、延伸温度における光導波材料の粘度が106.0dPa・sより低い状態すなわち溶融状態にあるため、光導波材料が加熱延伸性を有さないにもかかわらず、溶融紡糸することができた。また、外部材料の軟化点が光導波材料の軟化点よりも高く、延伸温度において外部材料は軟化状態にあり形状の精密制御が可能であったため、得られた光導波部品における外部材料と光導波材料との軸ずれを1.0μm以下に抑えることができた。
これに対し、比較例1は、光導波材料と同様に外部材料も、加熱延伸性を有さない材料であったため、延伸成形中に光導波材料、外部材料ともに結晶化が起こり、延伸成形することができなかった。また、比較例2は、光導波材料(コア)と外部材料(クラッディング)の平均熱膨張係数の差が109×10-7/℃であったため、得られた光導波部品の熱応力が大きく端面研磨の際にクラックが発生した。また、延伸温度が2000℃と極めて高いため、光導波部品の生産が著しく困難となり、成形設備が劣化しやすいものと思われる。
尚、各ガラスの平均熱膨張係数はディラトメータで測定した。
研磨性は得られた光導波部品の端面を鏡面研磨した後、光学顕微鏡によってクラックの見られなかったものを良好と判定した。
軟化点は、加熱延伸性を有する材料(実施例1〜6及び比較例2の外部材料)の場合、ファイバエロンゲーション法で測定し、加熱延伸性を有さない材料(比較例1の外部材料及び全ての光導波材料)の場合、平行板粘度計及び白金球引き上げ法による粘度測定値から内挿して求めた。
液相温度および結晶化温度は、温度傾斜炉中にガラスを1時間保持後、顕微鏡で析出結晶を観察し、結晶が析出していない最高温度を結晶化温度とし、結晶が析出している最高温度を液相温度とした。尚、表において、結晶化温度及び液相温度が>1300となっているガラスは、上記の条件では結晶が析出しないガラスであるため、結晶化温度及び液相温度が測定できなかったことを意味する。
延伸温度での粘度は、平行板粘度計もしくは白金球引き上げ法によって測定した。
紡糸性は光導波材料を連続的にファイバ状に成形できたものを可、出来なかったものを不可とした。
軸ずれ量は、断面を光学顕微鏡で観察することで測定した。
本発明の光導波部品は、光通信用の光導波部品として好適であり、ファイバ型発光素子等の光通信用デバイスに好適である。
実施例の形態における光導波部品の製造方法の概念図を示す。 実施例の光導波部品の縦断面図である。
符号の説明
10 外部材料
10a 内孔
11 光導波材料
12 予備成形体
13 延伸成形炉
14 成形体
20 光導波部品
21 コア
22 クラッディング

Claims (7)

  1. 加熱延伸性を有さない光導波材料からなるコアと、コアを包囲するように融着固定されてなり、加熱延伸性を有する外部材料からなるクラッディングとから構成された光導波部品において、該コアと該クラッディングとの平均熱膨張係数の差が、30〜300℃において90×10-7/℃以下であることを特徴とする光導波部品。
  2. 該クラッディングの平均熱膨張係数が、30〜300℃において25×10-7/℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の光導波部品。
  3. 該クラッディングが、SiO2以外の成分を15質量%以上含有する多成分ガラスあるいは結晶化ガラスからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波部品。
  4. 延伸後にクラッディングとなり、一端が貫通していない管状の加熱延伸性を有する外部材料の内孔に、延伸後にコアとなり、加熱延伸性を有さない光導波材料を挿入した予備成形体を加熱して該光導波材料を溶融するとともに該外部材料を軟化延伸したのち、所定長さに切断することによって、加熱延伸性を有さない光導波材料からなるコアと、コアを包囲するように融着固定されてなり、加熱延伸性を有する外部材料からなるクラッディングとから構成された光導波部品を製造する方法において、該外部材料が、該光導波材料の軟化点よりも高い軟化点を有し、該外部材料の軟化点が1500℃以下であることを特徴とする光導波部品の製造方法。
  5. 該予備成形体を1500℃以下の延伸温度で加熱することを特徴とする請求項4に記載の光導波部品の製造方法。
  6. 該外部材料が、SiO2以外の成分を15質量%以上含有する多成分ガラスあるいは結晶化ガラスからなることを特徴とする請求項4又は5に記載の光導波部品の製造方法。
  7. 延伸温度での該外部材料の粘度が104.0〜107.65dPa・sであり、該光導波材料の粘度が100.5〜106.0dPa・sであり、かつ、延伸温度での該光導波材料の粘度が該外部材料の粘度よりも低いことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の光導波部品の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008083622A (ja) * 2006-09-29 2008-04-10 Sumiden Opcom Ltd 光接続部材及び心線対照方法

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