JP4356103B2 - 光ファイバ付予備材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光デバイスの製造に用いられる光ファイバ付予備材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信網の急速な発達により、高性能かつ安価な光デバイスが大量に必要となっている。特に、光ファイバを内蔵したプラグ型の光デバイスやレセプタクル型の光デバイスには、精密な毛細管に光ファイバを挿入して接着剤で固着した円柱状の光デバイス部材が使用される。
【0003】
従来、光ファイバを内蔵した光デバイス、例えば、光固定減衰器を作製する場合、図3に示すように、所定の光信号減衰率を有する光ファイバ1がセラミック製毛細管2の内孔2aに挿入されて接着剤4で固着され、両端面2b、2cが凸球面に加工された光固定減衰器用の光デバイス部材5が知られている。また、光信号を発光または受光する光デバイスには、図4に示すような、光ファイバ1が毛細管3の内孔3aに接着剤4で固着され、一端3bが凸球面に加工されており、斜めに研磨された他端3c側に半導体レーザ等の発光素子が接続される光デバイス部材6などが知られている。
【0004】
図3に示すような、光ファイバ1を固定した円柱状の光デバイス部材5は、光コネクタのプラグと同等の寸法精度を有しており、レセプタクル7や割スリーブ等の精密位置合わせ機能を有する部材を備えた光固定減衰器のハウジング8内に組み込まれる。そのハウジング8内の凸球面加工された光デバイス部材5の端面に、破線で示すような、同じく凸球面加工された光コネクタ9のプラグ端面が突き合わされ、接続端面の反射光を抑えたPC(物理接触の略称)接続が行われ、光信号の高速伝送を可能とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3、4に示すような光デバイス部材5、6の組立は、光ファイバ1よりも僅かに大きい内径の内孔2aに接着剤4を注入した後、光ファイバ1を挿入しながら接着剤4を内孔2aと光ファイバ1の間隙に気泡等が生じないように均一に充填するという困難な作業が要求される。そのため、熟練した労力が必要となり、さらに組み立て能力は人数に比例するのでコスト高になるという問題がある。
【0006】
また、光デバイス部材5、6にセラミック製の毛細管を用いてその内孔に石英系の光ファイバ1を固着した場合、光ファイバ1の線膨張係数は5×10-7/Kであるのに対して、セラミック製の毛細管の線膨張係数は1.1×10-5/Kと約二桁大きく、温度変化により端面2b、2c、3b、3cに位置する光ファイバ1の端面に突き出し引込み現象が起こる。この現象に伴って光ファイバ1と接続される他の光学部品とを伝搬する光信号の強度や位相が変化し、光信号の接続品位が低下するという問題点がある。
【0007】
また、光デバイス部材5、6にセラミックス製の毛細管を用いた場合、光コネクタとPC接続して使用するために端面を研磨する際、セラミック製の毛細管の研磨速度が石英ガラスからなる光ファイバ1の研磨速度に比べ遅いので、高価なダイヤモンドフィルムの使用や特殊な砥粒等を含む取り扱いが高度な技術蓄積を要するスラリーの使用が必要である。
【0008】
また、セラミックス製の毛細管は、1000nm以上の光を殆ど透過しないので、1000nm以上の赤外線領域にあるレーザー光線等を利用して光ファイバを挿入固着した光デバイス部材5、6の欠陥検査をすることが不可能である。
【0009】
さらに、セラミック製の毛細管は、光硬化型の接着剤が一般に硬化する波長が350nm〜500nmの光を殆ど透過させない。そのため、紫外線から青色の可視光線に感度を有する光硬化型の接着剤を使用することができないという問題点もある。
【0010】
また、光デバイス5では、光コネクタと接続される側は光コネクタ用のアダプタに挿入されることになるが、このアダプタの中にジルコニア製の割りスリーブが組み込まれている場合、通常のガラス製の光デバイス5を挿入したときに、光デバイス5のガラス表面が傷つき、強度を著しく低下させてしまう恐れがある。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて考案されたもので、十分な機械的強度及び耐摩耗性、光ファイバに近い熱膨張係数、光ファイバに近い研磨特性、赤外線の透過性を持ち、延伸成形方法を利用して安価に製造することができる長尺の毛細管を用いて、光ファイバを安定して正確に保持することが可能であり、信頼性の高い光デバイスを効率よく作製可能な光ファイバ付予備材を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバ付予備材は、ガラスまたは結晶化ガラスからなり、光コネクタ用フェルールと同等の寸法精度を有する内孔および外周面を備えた長尺の毛細管と、該毛細管の内孔のほぼ全長に亘って挿通された状態で接着剤により接着固定された光ファイバとを備えており、後に分断され、光コネクタと接続される光デバイスを構成する短尺の光ファイバ付毛細管が複数本得られる光ファイバ付予備材であって、全長が20mm以上であることを特徴とするので、光コネクタと容易に突き合わせ接続が可能な光デバイスを効率よく作製することができる。
【0013】
本発明で、光コネクタと接続される光デバイスを構成する短尺の光ファイバ付毛細管が複数本得られるとは、具体的には、光ファイバ付予備材の長尺の毛細管は、ガラスまたは結晶化ガラスからなり、例えば、光コネクタ用の円柱状フェルールと同等の寸法精度を有する内孔および外周面を備えており、この毛細管の内孔のほぼ全長に亘って接着固定された光ファイバとを備えている。この光ファイバ付の長尺の毛細管は、短尺の光ファイバ付毛細管から作製される略円柱状の光デバイス部材の複数倍以上の全長を有するものである。短尺の光ファイバ付毛細管としては、単一の長さのものを複数本でもよく、数種の長さのものを複数本でもよい。
【0014】
ここで、光コネクタ用の円柱状フェルールと同等の寸法精度の内孔および外周面を備えるとは、同じ断面寸法を有するもの同士を真直度の優れた筒の内部で突き合わせ接続が可能であることを意味すると共に、円錐状の表面で勘合させて位置あわせするバイコニカル型等の特殊形状を有する光コネクタを除くことを意味している。また、毛細管の内孔のほぼ全長に亘って光ファイバが接着固定されいるのは、後に加工されて除去される毛細管の先端部にまで光ファイバが固定されている必要がなく、あるいは後に加工されて除去されるので光ファイバが端面から多少突き出していても支障がないからである。
【0015】
また、光ファイバ付予備材は、全長が20mm以上であれば、全長10mm未満の光ファイバ付毛細管から作製される光デバイス部材が複数本得られる。また、毛細管の全長が500mm以下であれば接着剤を内孔に容易かつ均一に充填可能で既存の加熱炉で均一に熱処理ができるので好ましい。
【0016】
また、光ファイバ付予備材の長尺の毛細管が、7×10-6/K未満の線膨張係数を有するガラスまたは結晶化ガラスからなるものであると、気温等の温度変化にともなって保持した石英系の光ファイバと他の光学部品とを伝搬する光信号の強度や位相、さらには偏波状態の変化が生じることがなく、光信号の高い接続品位を保つことが可能となる。
【0017】
また、光ファイバ付予備材の長尺の毛細管が、厚さ1mmで波長350nm〜500nmの光を50%以上透過するガラスまたは結晶化ガラスからなり、接着剤が紫外線硬化型接着剤であると、短時間で光ファイバの固着が可能となり、アッセンブリコストを低減することができる。しかし、毛細管の波長350nm〜500nmの光透過率が50%未満であると、接着剤の硬化に長時間を要するので、熱硬化型接着剤に対してメリットとが殆どなくなる。
【0018】
また、本発明の光ファイバ付予備材に用いる長尺の毛細管が、質量百分率でSiO 55〜72%、Al 16〜30%、Li O 1.5〜2.8%、MgO 0〜2.5%、TiO 1.3〜5.0%、ZrO 0〜4%、TiO +ZrO 2.0〜9%、K O 2.1〜10%、ZnO 0〜10%、BaO 0〜6%CaO 0〜4%、B 0〜7%、Na O 0〜4%、P 0〜0.9%、As 0〜3%、Sb 0〜3%の組成を有する結晶化ガラスからなり、主結晶としてβ―スポジュメン固溶体又はβ―石英固溶体を30〜70体積%析出してなることを特徴とする。
【0019】
長尺の毛細管に用いる上記結晶化ガラスのSiO2はガラスの主たる構成成分であると共に結晶成分でもあり、その含有量は55〜72%、好ましくは62〜68.5%である。SiO2が55%よりも少ないと均一な構造の結晶化ガラスが得られず、72%よりも多いと結晶化ガラスの軟化点が高くなるとともにガラス溶融時の溶融性が悪くなって不均一状態となるため、部分的に失透し易くなって延伸成形性が著しく低下する。
【0020】
Al23も結晶構成成分であり、その含有量は16〜30%、好ましくは17〜24%である。Al23が16%より少ないと結晶が粗大化する。このため延伸成形時の伸びが低下し、また結晶が表面に突き出して失透物の発生要因となる。一方、30%より多くなると延伸成形時に失透が発生しやすくなる。
【0021】
Li2Oは結晶の構成成分として必須の成分であり、その含有量は1.5〜2.8%、好ましくは1.8〜2.5%である。Li2Oが1.5%よりも少ないと均一な結晶化ガラスが得難く、2.8%より多くなると結晶性が強くなり過ぎる。このため析出結晶量が多過ぎてガラス相の割合が不充分になり軟化し難くなったり、延伸成形の過程で結晶化が進行し易く失透性も強くなる。
【0022】
2Oは結晶性を制御するための必須成分で、ガラス相の割合と軟化点に重要な影響を及ぼすものであり、その含有量は2.1〜10%、好ましくは2.5〜7%である。K2Oが2.1%未満であると結晶性が強くなりすぎてガラス相の割合が不充分になったり、延伸成形時に結晶化が進行し易くなる。また結晶化ガラスの軟化点が高くなる。一方、10%を越えると結晶化ガラスとなり難くなる。
【0023】
TiO2は結晶化の際に核形成剤として作用する成分であり、その含有量は1.3〜5%、好ましくは1.5〜4.5%である。TiO2が1.3%より少ないと結晶が粗大化して延伸成形が困難になり、5%より多いと異種結晶が多量に析出して所望の特性が得られなくなる。
【0024】
ZrO2はTiO2と同様に核形成剤として作用する成分であり、その含有量は0〜4%、好ましくは0.5〜3%である。ZrO2が4%より多いとガラスの溶融が困難になるとともに、ガラスの失透性が強くなる。
【0025】
また、TiO2とZrO2の合量は2〜9%、好ましくは3〜6%である。両者の合量が2%よりも少ないと緻密な結晶が得難くなり、9%を越えるとガラスが不均一になり易い。
【0026】
ZnOは結晶化ガラスの軟化点を低下させる成分であり、その含有量は1〜10%、好ましくは2〜6%である。ZnOが1%より少ないと結晶化ガラスの軟化点が高くなり易く、10%より多いと結晶相の安定性が低下する。
【0027】
MgOは結晶化ガラスの軟化点を低下させるとともに結晶を構成する成分であり、その含有量は0〜2.5%、好ましくは0〜2%である。MgOが2.5%より多いと結晶性が強くなり過ぎると共に、熱膨張係数が大きくなり過ぎる。
【0028】
CaOは結晶化ガラスの軟化点を低下させる成分であり、その含有量は0〜4%、好ましくは0〜2%である。CaOが4%より多いと異種結晶が多量に析出する。
【0029】
BaOも結晶化ガラスの軟化点を低下させる成分であり、その含有量は0〜6%、好ましくは0〜3%である。BaOが6%より多いと異種結晶が多量に析出する。
【0030】
23も結晶化ガラスの軟化点を低下させる成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜4%である。B23が7%より多いと異種結晶が多量に析出する。
【0031】
Na2Oはガラスの溶融を促進させる成分であり、その含有量は0〜4%、好ましくは0〜2%である。Na2Oが4%より多いと異種結晶が多量に析出する。
【0032】
25は結晶を細かくする作用を有し、その含有量は0〜0.9%、好ましくは0〜0.7%である。P23が0.9%より多くなると失透性が強くなる。
【0033】
As23及びSb23は清澄剤としてそれぞれ3%まで、好ましくはそれぞれ1.5%まで含有させることができる。
【0034】
なおこれ以外にも、合量で5%をこえない範囲でSnO2、PbO、Bi23等を加えることもできる。
【0035】
上記組成を有する結晶化ガラスは、主結晶としてβ−石英固溶体又はβ−スポジュメン固溶体を析出してなる低膨張結晶化ガラスである。なお析出結晶はこれら2種に限られるものではなく、所望の特性を損なわなければガーナイト等の異種結晶が析出していても差し支えない。
【0036】
このような組成からなる結晶化ガラスを長尺の毛細管に用いると、延伸成形技術を用いて連続的に毛細管を製造することが可能となるので、光ファイバ付予備材を構成する長尺の毛細管を延伸成形により高精度かつ大量に得ることができる。
【0037】
また、このような結晶化ガラスからなる長尺の毛細管は、表面に析出した結晶の効果で、光コネクタとして使用した場合でも十分な耐磨耗性を持ち、ジルコニア割りスリーブ付きアダプタに繰り返し挿抜しても、材料特性、光学特性はなんら変化しない。光デバイス5のような形態で使用した場合でも同様である。
【0038】
また、この結晶化ガラスからなる長尺の毛細管は、ジルコニア等のセラミックスと比べ、研磨速度が光ファイバと近く、高価なダイヤモンド研磨フィルムや特殊なスラリーを用いた研磨方法を採用しなくて済むので研磨コストが削減できる。
【0039】
また、この結晶化ガラスは、厚さ1mmで700nm〜2500nmの光を30%以上透過するので、赤外線カメラや赤外線レーザ光等を利用して光ファイバを挿入した光ファイバ付予備材の欠陥を検査をすることができる。特に1300nm以上の光は、60%以上透過する。通常光通信用で使用されるレーザの波長は主に1310nmと1550nmである。
【0040】
また、光ファイバ付予備材は、毛細管の内孔の端部に光ファイバを案内するフレア部が形成されていれば、長尺の毛細管の内孔のほぼ全長に亘って長尺の光ファイバを接着剤と共に容易に挿入し、かつ安定した光ファイバの接着固定が可能となる。
【0041】
また、光ファイバ付予備材に用いるガラスまたは結晶化ガラスからなる長尺の毛細管が、その表面に圧縮応力層を生じさせて機械強度を強化してなるものであると、機械加工により多少のキズ等を有するものであっても、激しい熱ショックがかかった際や取り扱い時に外力がかかった際にも破損が起こらず、欠けることもなく、容易に取り扱うことが可能となる。また、光ファイバ付予備材を用いて作製した光デバイスのジルコニア割りスリーブ付きアダプタへの繰り返し挿抜性を向上させることができる。イオン交換処理により毛細管の表面に圧縮応力層を生じさる場合、使用する毛細管としては、Li、Na等のアルカリ元素のイオンを含有するガラスまたは結晶化ガラスであれば使用可能であり、ガラスとしては比較的靱性の高いホウ珪酸ガラスやリチウム−アルミナ−シリケイト系の結晶化ガラス等が適している。また、アルカリイオンを適度に含有するガラスまたは結晶化ガラスからなる毛細管は、ガラスのドロー技術を用いて延伸成形により製造することができるので、製造コストを低減することができる。
【0042】
また、毛細管形状が多角柱であれば、その1辺を基準に斜め研磨することで、アセンブリ時に斜めに研磨した方向を容易に確認することができるので、アセンブリが容易になる。多角柱形状の成形は延伸成形のプリフォームをあらかじめ多角形状に加工し、その形を保ったまま成形することもできるし、円柱状の毛細管を延伸成形後に加工しても良い。
【0043】
毛細管外郭の円周の一部を長手方向に渡ってフラットにすり取るか、あるいは円周の一部に溝加工が長手方向に渡り施した場合でも上記の多角形状の時と同様効果がある。また、延伸成形、後加工のいずれによっても作製できる。
【0044】
さらに、光ファイバ付予備材は、光デバイスが光固定減衰器であり、光ファイバが所定の光減衰率を有するものであれば、光固定減衰器を従来よりも効率よく作製可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る光ファイバ付予備材の一例を示す説明図であって、各図において、1はコア部に金属元素がドープされて単位長さ当たり所定の光減衰率を有する光ファイバを、4は接着剤を、11はガラスまたは結晶化ガラスからなる毛細管をそれぞれ示しており、前出の図3、4と同一部分には同一符号を付してそれぞれ示している。
【0046】
本発明の光ファイバ付予備材は、図1に示すように、呼び直径Dが1.25mmの略円柱状のMU型またはLC型光コネクタ用フェルールと同等の寸法精度の内孔11aおよび外周面11bを備え、全長L1、L2、L3、L4等の光デバイス部材の複数倍以上である、例えば、250mmの全長Lを有する毛細管11と、その毛細管11の内孔11aに所定の光減衰率を有する光ファイバ1が挿通された状態でエポキシ系の接着剤4により接着固定されているものである。
【0047】
まず、本発明の光ファイバ付予備材に、例えば、表1に示す組成を持つ結晶化ガラス製のプリフォームを準備する。続いて、プリフォームを軟化点以上の温度に加熱しながら延伸成形し、長尺の毛細管を連続的に成形し、必要に応じて切断し毛細管11を得る。
【0048】
【表1】
Figure 0004356103
【0049】
本発明の光ファイバ付予備材に使用される毛細管11としては、前記の組成を持つ結晶化ガラスからなり、イオン交換処理が施されて表面に圧縮応力層が形成されている。毛細管11の外径は1.249mm±0.5μmの寸法で高い真円度を有しており、図1に示すように、内孔11aは、石英系光ファイバの直径125μmに対して126μm+1/−0μmになっており、かつ同心度が1μm以内であり、端面11cでは光ファイバ1の露出面を正確に位置決めして保持できるようになっている。毛細管11の端面11dには、光ファイバ1を案内して挿入を容易にする略円錐形状のフレア部11eが形成されている。
【0050】
本発明の他の光ファイバ付予備材に使用される毛細管11としては、Na2Oを約5質量%含有し、膨張係数が5×10-6/K、ビッカース硬度が680kg/mm2、厚さ1mmで波長350nm〜500nmの光を80%以上透過するホウ珪酸ガラスからなり、イオン交換処理が施されて表面に圧縮応力層が形成されている。
【0051】
上記の光ファイバ付予備材を使用して、例えば、光固定減衰器を作製する場合、図2に示すように、全長250mmの光ファイバ付予備材を切断して、例えば、光ファイバ1を透過する波長1.31μmの光信号が10dB減衰する全長L1が約20mmの12本の光ファイバ付毛細管12に分断する。その後、両端面12a、12bに所定形状の面取り12cを施した後、凸球面に研磨加工することにより、光デバイス部材13を作製する。作製された光デバイス部材13は、割スリーブやレセプタクル等の精密位置合わせ機能を有する部材備えたハウジング内に組み込まれて光固定減衰器となる。
【0052】
次に、光ファイバ付予備材を作製する場合の一例を説明する。
【0053】
毛細管11を作製する場合、まず、前記表1中のいずれかの組成を有する結晶化ガラスからなり、中心に孔を有するプリフォームを作製する。次に、プリフォームを延伸成形装置に取り付けて、成形炉によって加熱し所定の断面寸法・形状に制御しながら内孔を有する長尺毛細管に延伸形成する。成形した毛細管の組成の例を表1に示した。延伸形成の後、長さ約250mmに切断する。
【0054】
次に、イオン交換により強化する場合、約250mmの毛細管をイオン交換浴槽内の約400°Cに保持されたKNO3の溶融塩中に約10時間浸漬する。その後、洗浄によりKNO3を除去し、機械強度として3点曲げによる抗折強度が未処理のものに比べて2倍以上に増加した毛細管を得る。
【0055】
次に、ダイヤモンド砥粒を焼結した先端の角度が約90°のツールを高速回転させ、毛細管の端面から内孔11aを中心に切削加工することにより、略円錐形状のフレア部11eを形成して図1に示すような毛細管11を作製する。
【0056】
または、あらかじめフレア加工を施した短尺の同じ外内径を持つ毛細管を、長尺毛細管の端部に割りスリーブなどを用い正確に同軸に接合させて、フレア部11eを形成させても良い。
【0057】
まず、250mmの毛細管11の内孔11aに予め接着剤4を毛管現象または真空吸引装置または加圧注入装置を利用して充填した後、フレア部11eから被覆が除去された光ファイバ1を挿入する。この際、光ファイバ1を挿入しながら接着剤4を内孔11aと光ファイバ1の間隙に気泡等が生じないように均一に充填する。その後、接着剤4を硬化させて光ファイバ1を毛細管11に固着する。
【0058】
また、接着剤4が熱硬化性の場合は、所定の温度スケジュールにプログラムされた加熱オーブンに入れて毛細管11内の接着剤4を硬化させる。
【0059】
次に、ファイバを固着した毛細管11に波長1000nmの光を照射し、光の透過率を調べて光ファイバ挿入後の欠陥検査を行う。この検査では光ファイバ1と毛細管11の内孔11aの間隙における気泡の有無等を容易に調べることができる。
【0060】
このような結晶化ガラス製の毛細管11はセラミックス製のものと比較して、研磨性が光ファイバ1に近く、アルミナ、酸化クロム、酸化鉄など安価な研磨フィルムを使用して端面を研磨することができる。高価なダイヤモンド研磨フィルムや、取り扱いにくいスラリーを必要としない。光ファイバ1を固着した毛細管11を切断した後、両端面を粗研磨にアルミナ研磨フィルム、球面形成研磨に酸化クロム研磨フィルム、仕上げ研磨に酸化鉄研磨フィルムを使用して研磨し、低反射な研磨端面を得ることができる。
【0061】
また、この結晶化ガラス製の毛細管11は、表面に析出した結晶の効果で、光コネクタとして使用した場合でも十分な耐磨耗性を持ち、ジルコニア割りスリーブ付きアダプタに繰り返し500回挿抜しても、材料特性、光学特性はなんら変化しない。光デバイス5のような形態で使用した場合でも同様である。ちなみにガラス製の場合では10回程度の挿抜で傷がつき材料強度、光学特性ともに劣化する。
【0062】
なお、上記実施の形態では、光ファイバ付予備材の毛細管は直管であるが、予め光デバイス部材が作製可能な所定の長さピッチで外周に環状V溝を設けておいてもよく、その状態で圧縮応力層を形成することにより強化したものを使用してもよい。また、光ファイバ付予備材の直径は、1.25mm以外の2.5mm等でもよい。
【0063】
光ファイバ1を固着する際、厚さ1mmで波長350nm〜500nmの光を80%以上透過するホウ珪酸ガラスからなる毛細管11であると、紫外線から青色の可視光線の光に対して感度を有する光硬化型の接着剤4が使用できるので、350nmの紫外光を当てることにより数十秒という短時間で光ファイバ1の固着が可能である。
【0064】
また、長尺の毛細管11の外側形状が四角形、六角形等の多角柱である光ファイバ付予備材であれば、毛細管形状が多角柱その1辺を基準に斜め研磨することで、アセンブリ時に斜めに研磨した方向を容易に確認することができるので、アセンブリが容易になる。多角柱形状の成形は延伸成形のプリフォームをあらかじめ多角形状に加工し、その形を保ったまま成形することもできるし、延伸成形後の円柱状の毛細管を多角柱に加工してもよい。
【0065】
さらに、長尺の毛細管11の外側形状が円柱状であり、その長手方向に渡るフラット部または溝部が設けられている光ファイバ付予備材であれば、毛細管11外周の一部を長手方向に渡ってフラットにすり取るか、または外周の一部に溝加工を施した場合、上記多角形状の時と同様の効果がある。また、延伸成形、後加工のいずれによっても作製することができる。
【0066】
【発明の効果】
本発明の光ファイバ付予備材は、以上のように機能性を有する光ファイバ等を光コネクタと突き合わせ接続可能な位置に正確かつ安定して位置決めすることが可能であり、容易に取り扱うことができ、光ファイバを用いた信頼性の高い光デバイスの作製を効率よく行うことができる実用上優れた効果を奏するものである。
【0067】
本発明の光ファイバ付予備材は、この上記組成を有する結晶化ガラスからなり、延伸成形技術を用いて連続的に毛細管を製造することが可能なので、十分な機械的強度及び耐摩耗性、光ファイバに近い熱膨張係数、光ファイバに近い研磨特性、赤外線の透過性を有し、光コネクタと接続される光デバイスを構成する短尺の光ファイバ付毛細管を安価に製造することができる。
【0068】
また、本発明の光ファイバ付予備材は、この結晶化ガラスは厚さ1mmで700nm〜2500nmの光を30%以上透過するので赤外線カメラや赤外線レーザ等を利用してファイバ挿入後の欠陥検査をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ付予備材の断面図。
【図2】本発明の光ファイバ付予備材を用いて光固定減衰器を作製する際の説明図であり、(A)は光ファイバ付予備材から所定長さに切断された光ファイバ付毛細管の説明図、(B)は端面を面取り加工された光ファイバ付毛細管の説明図、(C)は光デバイス部材の説明図。
【図3】光固定減衰器に使用される光デバイス部材の説明図であって、(A)は光デバイス部材の説明図、(B)は光デバイス部材を組み込んだ光固定減衰器の端面の図、(C)は(B)のY−Y断面図。
【図4】他の光デバイス部材の説明図。
【符号の説明】
1 光ファイバ
2、3、11 毛細管
2a、3a、11a 内孔
4 接着剤
5、6、13 光デバイス部材
11b 外周面
11c、11d 端面
11e フレア部
12 光ファイバ付毛細管

Claims (12)

  1. ガラスまたは結晶化ガラスからなり、光コネクタ用フェルールと同等の寸法精度を有する内孔および外周面を備えた長尺の毛細管と、該毛細管の内孔のほぼ全長に亘って挿通された状態で接着剤により接着固定された光ファイバとを備えており、後に分断され、光コネクタと接続される光デバイスを構成する短尺の光ファイバ付毛細管が複数本得られる光ファイバ付予備材であって、
    全長が20mm以上であることを特徴とする光ファイバ付予備材。
  2. 長尺の毛細管の全長が500mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ付予備材。
  3. 長尺の毛細管が、7×10−6/K未満の線膨張係数を有するガラスまたは結晶化ガラスからなることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ付予備材。
  4. 長尺の毛細管が、厚さ1mmで波長350nm〜500nmの光を50%以上透過するガラスまたは結晶化ガラスからなり、接着剤が紫外線硬化型接着剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバ付予備材。
  5. 長尺の毛細管が、質量百分率でSiO 55〜72%、Al 16〜30%、LiO 1.5〜2.8%、MgO 0〜2.5%、TiO 1.3〜5.0%、ZrO 0〜4%、TiO+ZrO 2.0〜9%、KO 2.1〜10%、ZnO 0〜10%、BaO 0〜6%、CaO 0〜4%、B 0〜7%、NaO 0〜4%、P 0〜0.9%、As 0〜3%、Sb 0〜3%の組成を有する結晶化ガラスからなり、主結晶としてβ―スポジュメン固溶体又はβ―石英固溶体を30〜70体積%析出してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイバ付予備材。
  6. 長尺の毛細管が、厚さ1mmで波長700nm〜2500nmの光を30%以上透過する結晶化ガラスからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光ファイバ付予備材。
  7. 長尺の毛細管が、延伸成形法により作製されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ファイバ予備材。
  8. 長尺の毛細管は、その内孔の端部に光ファイバを案内するフレア部が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光ファイバ付予備材。
  9. 長尺の毛細管の表面に圧縮応力層を生じさせて機械強度を強化してなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光ファイバ付予備材。
  10. 長尺の毛細管の外側形状が多角柱であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光ファイバ付予備材。
  11. 長尺の毛細管の外側形状が円柱状であり、その長手方向に渡るフラット部または溝部が設けられてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光ファイバ付予備材。
  12. 光デバイスが光固定減衰器であり、光ファイバが所定の光減衰率を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光ファイバ付予備材。
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