JPH08171030A - 光コネクタ用フェルールとその製造方法 - Google Patents

光コネクタ用フェルールとその製造方法

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JPH08171030A
JPH08171030A JP31478794A JP31478794A JPH08171030A JP H08171030 A JPH08171030 A JP H08171030A JP 31478794 A JP31478794 A JP 31478794A JP 31478794 A JP31478794 A JP 31478794A JP H08171030 A JPH08171030 A JP H08171030A
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glass
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善明 竹内
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/36Mechanical coupling means
    • G02B6/38Mechanical coupling means having fibre to fibre mating means
    • G02B6/3807Dismountable connectors, i.e. comprising plugs
    • G02B6/3833Details of mounting fibres in ferrules; Assembly methods; Manufacture
    • G02B6/3854Ferrules characterised by materials

Abstract

(57)【要約】 【目的】高強度結晶化ガラスまたは部分結晶化ガラスを
光コネクタ用フェルールの嵌合部に使用するため、従来
のジルコニアフェルールよりも成形性に優れ、安定で、
強度特性が充分で、接続特性に優れ、温度変化に強く、
研磨特性に優れる光コネクタ用フェルールが提供するこ
とを目的とする。 【構成】光ファイバの外径より僅かに大きい内径を有す
る貫通孔3をその中心部に有し、割りスリーブ等に嵌合
して整列するための円筒棒状の嵌合部1と、光ファイバ
芯線の被覆部分を内部に保持し、かつ、光コネクタハウ
ジング4内に保持されるためのフランジ部2とから構成
され、前記嵌合部1と前記フランジ部2とを固定した構
造を有する光コネクタ用フェルールにおいて、前記嵌合
部1が珪酸塩系、アルミノ珪酸塩系、燐珪酸塩系の結晶
化ガラスまたは部分結晶化ガラスによって構成されたこ
とを特徴とする光コネクタ用フェルール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光通信、光測定、C
ATVシステム等の分野において、光ファイバの接続に
用いる光コネクタ用フェルールとその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より単一モード光ファイバの接続に
使用される光コネクタ用フェルールの嵌合部は、ジルコ
ニア、アルミナ等のセラミック材料、ステンレスのよう
な金属材料、ガラスのようなアモルファス材料等により
構成されていた。その中でもジルコニアは最も広範囲に
使用されている。これは単一モード光ファイバの低損失
接続にはサブμmオーダーの形状精度が要求され、強
度、耐磨耗性等に優れるためである。
【0003】従来のジルコニアフェルールとして、JIS
C 5973に規定されているF04 形単芯光ファイバコネクタ
等に一般的に使用されている光コネクタ用フェルールの
構造例を図3に示す。これはジルコニアの円筒棒状嵌合
部6を金属製のフランジ7に圧入して構成されている。
しかし、このジルコニア等のセラミック材料の精密加工
には多くの難しいプロセスを経る必要があり、加工コス
トが嵩むことは避けられず、光コネクタのより一層の普
及には、より経済的な光コネクタ用フェルールの出現が
嘱望されていた。
【0004】また、ステンレスのような金属で光コネク
タ用フェルールの嵌合部を構成すると、内径が125μ
m程度と細く、かつ、少なくとも内径の30倍以上の長
さの高精度な孔開け加工が必要となるため、高度な技術
を要し、低価格化の障害となる。また、図4にJIS C 59
70に規定されているF01 形単芯光ファイバコネクタにお
いて初期に広く使用されたアルミナキャピラリ形フェル
ールの例を示す。微細な貫通孔を有するアルミナキャピ
ラリ8を、フランジ一体形のステンレスフェルール本体
9の貫通孔に圧入し、微細な貫通孔を中心としてフラン
ジ一体形のステンレスフェルール本体9の外周を研削し
て仕上げるものである。この場合には1個毎に研削加工
する必要があるため、前述のジルコニアフェルールより
も製造コストは高かった。さらに、これらの金属製のフ
ェルールの場合には、実使用中の挿抜による金属粉の発
生が接続障害の原因となることや高パワー接続の場合に
はその金属粉が発熱し光ファイバの損傷の原因となる等
の欠点を有していた。
【0005】このような状況で開発されたのが表面強化
ホウ珪酸ガラスを用いたフェルール(特開平5−724
41号公報)であるが、ガラス材料は本質的に傷に弱
く、表面強化処理を施しても、実用強度がジルコニアの
1/10程度に低くなる欠点を有していた。ガラス材料
としては石英ガラスを用いたフェルールも提案(特開昭
55−22707号公報、特開昭63−500684号
公報)されており、光ファイバの接着と端面研磨の簡便
性からも経済性に富み、温度特性等の耐環境性に優れる
ことが報告されているが、前記の強度の問題は克服され
ていなかった。
【0006】一方、フェルールの嵌合部の線膨張係数を
光ファイバと一致させるために、結晶化ガラスを用いる
提案(特開昭63−500684号公報)がなされてい
るが、線膨張係数を一致させるためには強度が充分でな
く脆い結晶化ガラスを用いることになり、ガラス材料と
同様に強度の点で信頼性に劣っていた。また、その欠点
を補うためには外周を金属等の延性材料で保護せざるを
得なかった。従って、このような設計では、結晶化ガラ
スのみで長期信頼性に富むフェルールの嵌合部を構成す
ることができなかった。
【0007】また、フェルールの嵌合部に燐酸カルシウ
ム系結晶化ガラスを用いることも考えられるが(特開平
1−288803号公報)、この材料系の場合も強度が
充分でなく、ステンレス製のケーシングに冷間圧入し、
嵌合させて使用していた。また、金型で円柱状に鋳造成
形した後に外面を研磨成形し、レーザで孔開け加工し、
内径を研磨で成形する等の複数の加工工程が個々に必要
で、その簡素化が困難であり、低価格化が充分でない欠
点を有していた。さらに、材料的にもアルカリが主成分
であり、耐薬品性、耐水性等に劣り、信頼性上の欠点を
有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、光コネク
タ用フェルールの嵌合部として、強度と信頼性に優れた
結晶化ガラスを用いることを最も主要な課題とするもの
である。すなわち、この発明は、光コネクタ用フェルー
ルの嵌合部を構成する材料として、前記従来のような種
類の材料を用いた際の欠点を克服するために、これまで
にない結晶化ガラスによって構成し、ガラスの曳糸性を
利用した大量生産に適する点、および高い加工精度が実
現できる点と、ガラスフェルールの欠点であった強度を
従来のものに比べて2.3〜16倍に改善できる点を組
合せ、経済的で高加工精度、高耐候性、高機械強度を有
する光コネクタ用フェルールとその製造方法を提供しよ
うとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、光ファイバ
の外径より僅かに大きい内径を有する貫通孔をその中心
部に有し、割りスリーブ等に嵌合して整列するための円
筒棒状の嵌合部と、光ファイバ芯線の被覆部分を内部に
保持し、かつ、光コネクタハウジング内に保持されるた
めのフランジ部とから構成され、前記嵌合部と前記フラ
ンジ部とを固定した構造を有する光コネクタ用フェルー
ルにおいて、前記嵌合部が珪酸塩系、アルミノ珪酸塩
系、燐珪酸塩系の結晶化ガラスまたは部分結晶化ガラス
によって構成されたことを特徴とする光コネクタ用フェ
ルールとしたものである。
【0010】また、前記結晶化ガラスまたは部分結晶化
ガラスのSiO2成分が40wt% 以上であることを特徴とす
る光コネクタ用フェルールとしたものである。
【0011】また、前記結晶化ガラスまたは部分結晶化
ガラスの成分が、SiO2≧40wt% 、Al2O3 ≦35wt% 、
TiO2≦15wt% 、MgO ≦15wt% 、CaF2≦30wt% 、Li
2O≦20wt% 、P2O5≦15wt% 、ZrO2≦9wt% 、K2O ≦
5wt% 、PbO ≦1wt% 、Na2O≦5wt% 、As2O3 ≦5wt%
、SnO ≦1wt% 、NaF ≦1wt% 、LiF ≦1wt% の範囲
の組成からなることを特徴とする光コネクタ用フェルー
ルとしたものである。
【0012】また、前記円筒棒状の嵌合部の、内部層が
珪酸系ガラス、外部層が結晶化ガラスまたは部分結晶化
ガラスによって形成されることを特徴とする光コネクタ
用フェルールとしたものである。
【0013】また、前記結晶化ガラスまたは部分結晶化
ガラスによって構成される嵌合部の表面に圧縮歪層が形
成されていることを特徴とする光コネクタ用フェルール
としたものである。
【0014】また、前記光コネクタ用フェルールの円筒
棒状の嵌合部の成型方法として、貫通孔を有するガラス
母材を精密加工した後に、線引き加工により細径化した
後に切断することにより、より高精度な円筒棒を連続的
に形成し、その後に結晶化処理を行うことを特徴とする
光コネクタ用フェルールの製造方法としたものである。
【0015】
【作用】この発明は、前記のように、高強度結晶化ガラ
スまたは部分結晶化ガラスを光コネクタ用フェルールの
嵌合部に使用するため、従来のジルコニアフェルールよ
りも成形性に優れ、安定で、強度特性が充分で、接続特
性に優れ、温度変化に強く、研磨特性に優れる光コネク
タ用フェルールが提供できる。また、光コネクタ用フェ
ルールの製造方法としてガラスの線引き技術を応用すれ
ば、光コネクタ用フェルールの嵌合部の連続成形が可能
となり、さらに、経済性に優れる。
【0016】
【実施例】この発明の発明者等は、熱サイクル時の光コ
ネクタ用フェルールの嵌合部と光ファイバとの相対ずれ
の影響を検討した結果、お互いの線膨張係数は必ずしも
一致する必要はないことを見いだした。すなわち、特開
昭63−500684号公報に記載されているように、
「その差が20% 以内であることが必須」とはならな
い。この検討の結果、重要なのは線膨張係数差の絶対値
であり、割合ではないことが明らかとなった。
【0017】必要となる線膨張係数差の値はフェルール
の嵌合部に使用する材料の特性、端面研磨条件等に依存
するが、例えば、前記嵌合部の弾性率が光ファイバと同
等であり、端面の研磨の半径が20mm以内、光ファイ
バの引込み量が0.05μm以下、光コネクタ結合時の
フェルール同士の押圧力がジルコニアフェルールと同等
と仮定すると、前記嵌合部の光ファイバとの線膨張係数
差が約1×10-5/℃以内であれば、−40〜85℃以
内の温度範囲内で光コネクタ同士の高信頼接続は維持さ
れることになる。
【0018】この値は光ファイバと嵌合部の接着に使用
する接着剤の特性にも依存することになるが、通常、光
ファイバの接着に用いられているエポキシ系接着剤やU
V硬化型接着剤であれば問題は生じなかった。従って、
光コネクタ用フェルールの嵌合部に結晶化ガラスを用い
た場合、線膨張係数に対する要求範囲が従来の考えより
も大幅に緩和され、同じ材料系の結晶化ガラスでも、従
来以上に高強度な材料を用いることが可能となった。
【0019】結晶化ガラスでは組成により線膨張係数
や、強度、透明性等を制御することが可能であるが、一
般的に低線膨張係数や高強度性を出すための組成は異な
っており、この2つは必ずしも両立する特性ではない。
従って、線膨張係数に対する要求条件を明確化したこと
は結晶化ガラスを嵌合部に用いる場合の組成の選択に非
常に重要な意味を持つ、発明者等はこの知見により、従
来、光コネクタ用フェルールの嵌合部に結晶化ガラスを
用いた場合に必要であった表面の延性材料による強度が
必要でなくなることを見いだし、この発明を創案するき
っかけとなった。
【0020】また、結晶化ガラスとして透明な材料を用
いれば、光ファイバの嵌合部への固定等に熱硬化型接着
剤を用いる必要がなくなり、UV硬化型接着剤の使用に
より接着工程の大幅な短縮が可能となり、ひいては光コ
ネクタの低価格化に貢献できる。
【0021】また、耐薬品性、耐水性等の信頼性を考慮
すれば、アルカリを主成分とする結晶化ガラスを用いる
ことができず、信頼性の観点より珪酸を主材料とする結
晶化ガラスが、光コネクタ用フェルールの嵌合部の材料
として最適であることを確認した。
【0022】ここで、SiO2の組成を限定する。SiO2が4
0wt% 以下のガラス組成では、耐環境性を保持するため
のネットワーク・フォーマー(network former)である
SiO2の割合が低下すると共に、アルカリ成分の相対割
合が増加するため耐薬品性が低下する。例えば図5に示
すように、耐薬品性の目安となる5%HCl溶液中92℃の
3時間処理では溶出減量はSiO2が40wt% 以下のガラス
では、1.0mg/cm2以上となるが、SiO2が40wt% 以上
のガラスではSiO2の割合の増加と共に同処理条件での溶
出減量は大幅に低下し、SiO2が45wt% では約0.3mg/c
m2、55wt% では約0.1mg/cm2、65wt% では約0.
01mg/cm2の検出限界以下となり、大幅に耐酸性が改善
される。従って、嵌合部に使用する結晶化ガラスの組成
ではSiO240wt% 以上であることが基本となる。
【0023】さらに、結晶化ガラスの組成を限定する。
Al2O3 は加工性の観点より、粘性が上がり作業性が劣化
するのを防ぐため35wt% 以下に限定する。これはAl2O
3 の割合が高ければ高いほど、SiO2と同様に耐酸性は向
上するが、35wt% 以上になると軟化温度が600℃を
越え、作業温度も800℃前後に高くなることから、キ
ャスティングによる成形性と線引きによる加工性が低下
するためと、粘性増大により脱泡処理が困難となり光学
的に均一なガラスが得難くなるためである。
【0024】TiO2、MgO 、Li2O、P2O5、ZrO2は各々結晶
核形成剤として用いられているため、各々の組成割合
が、TiO2が15wt% 以上、MgO が15wt% 以上、Li2Oが
20wt% 以上、P2O5が15wt% 以上、ZrO2が9wt% 以上
になると結晶核形成が急激に進み、一定のサイズの結晶
粒の形成が制御し難くなるため、結晶化ガラスの特性の
中で最も重要な強度特性が低下し、この発明のコネクタ
フェルール用嵌合部の材料としては実用性に欠ける10
0MPa 以下の結晶化ガラスとなる。 従って、TiO2、Mg
O 、Li2O 、P2O5、ZrO2は均一な結晶生成を妨げないた
めに、各々15wt% 、15wt% 、20wt% 、15wt% 、
9wt% 以下に限定する。
【0025】また、CaF2、K2O 、PbO 、Na2O 、As
2O3 、SnO 、NaF 、LiF は必須材料ではないが、各々の
成分割合を各々30wt% 、5wt% 、1wt% 、5wt% 、5
wt% 、1wt% 、1wt% 、1wt% 以上にすると、各々SiO2
の割合が相対的に低下し、ネットワーク・フォーマー
(network former)の割合が低下するので、耐薬品性が
低下する。特に、CaF2、K2O 、Na2O 、NaF 、LiF はア
ルカリ系であるため、各々30wt% 、5wt% 、5wt% 、
1wt% 、1wt% 以上にすると、耐薬品性、耐水性の低下
を増長する。同時にCaF2、NaF 、LiF は結晶核形成剤の
役割も持つので、各々30wt% 、1wt% 、1wt% 以上の
割合になると、結晶核形成が早く進み過ぎ、前記のよう
に結晶化ガラスの低強度化につながる。従ってCaF2、K2
O 、PbO 、Na2O、As2O3 、SnO 、NaF 、LiF は耐候性の
劣化等がないように、各々30wt% 、5wt% 、1wt% 、
5wt% 、5wt% 、1wt% 、1wt% 、1wt% 以下に限定す
る。
【0026】また、内部層に珪酸系のガラスを使用し、
外部層に結晶化ガラスを使用することにより、内部ガラ
スの透明性を利用して端面よりUV光を照射できるの
で、光ファイバの嵌合部への固定等にUV硬化型接着剤
の使用が可能となる。従って、この場合は結晶化ガラス
には透明性の要求が考慮外の特性となるため、使用する
組成の選択の幅はさらに広がり、強度の面でさらに有利
になる。また、内部の珪酸系ガラスとして珪酸の割合の
高い材料を用いれば、端面の研磨特性が光ファイバと同
等になるため研磨工程の簡素化と低価格化が可能とな
る。さらに、結晶化ガラスまたは部分結晶化ガラスより
なる嵌合部の表面を、イオン交換等の手段を用いて圧縮
層を形成すれば、嵌合部の強度をさらに向上させること
が可能となる。
【0027】製造手段に関しては、結晶化ガラスの特性
を生かし、貫通孔を有するガラス母材を精密に作製した
後に、線引き工程によりほぼ嵌合部と同径の円筒棒に加
工した後に、結晶化処理することにより精密な嵌合部の
成形が可能となる。この際、材料自身の高強度化により
延性材料等への圧入の必要がないので、従来のジルコニ
ア等のセラミック材料と比較し研削工程が必要なく、光
コネクタの低価格化に貢献するところは大きい。
【0028】以下に図面を参照してこの発明をより具体
的に詳述するが、以下に開示する実施例はこの発明の単
なる例示に過ぎず、この発明の範囲を何ら限定するもの
ではない。 (実施例1)図1はこの発明の第1の実施例による単一
モード光ファイバ用の光コネクタ用フェルールを示す図
であって、1は嵌合部、2はフランジ部、3は光ファイ
バを挿入嵌合する微細な貫通孔である。表−1は結晶化
ガラスを用いた光コネクタ用フェルールの嵌合部1の組
成(wt%)を示し、この嵌合部1は表1からなる組成によ
るアルミノ珪酸系結晶化ガラス製とした。
【0029】熱処理により各々の結晶化ガラスの析出結
晶層はそれぞれに異なっていたが、前記嵌合部1の線膨
張係数は14.5×10-7〜107×10-7/℃であ
り、石英系光ファイバの線膨張係数と大きな差異を持た
ないものであり、前記嵌合部1と光ファイバとの熱的挙
動がマッチする点で温度変化に対する長期信頼性が確保
できた。また、これらの嵌合部の材料の曲げ強度は表1
に示すように165〜1107MPa で、石英ガラスから
なる嵌合部の約2.4から16倍であり、高い強度特性
を示している。最も強度の高いものは、ジルコニアに匹
敵する値が得られた。
【0030】
【表1】
【0031】また、結晶の粒径を熱処理で1μm以下に
制御すると、外観はほぼ透明なものが得られる。これら
の材料は化学的に安定で、フッ酸以外の酸およびアルカ
リにも優れた耐性をもつ。透明な結晶化ガラス製の嵌合
部を用いる場合は光コネクタの組立において、前記材料
の透明性を生かしてUV硬化型接着剤を用いて、光ファ
イバを固定したが、硬化時間は3分で充分であった。不
透明な場合は、従来と同様に熱硬化型接着剤を用いて光
ファイバを嵌合部に固定した。硬化時間は10分とし
た。接続損失は何れも0.1dB以下であった。また、
信頼性試験の一環として、−10〜25〜65℃、93
% R.H、24h/サイクルの温湿度サイクル試験を2
0サイクル行った後、−40〜85℃の範囲で測定した
が、反射減衰量の変化は無く、光ファイバ端面間に空隙
ができるほど光ファイバの引っ込みが生じていないこと
が確認できた。
【0032】さらに、前記嵌合部1の表面にイオン交換
により圧縮層を形成したところ、多くのサンプルにおい
て曲げ強度はさらに2倍程増加した。この処理により表
面の硬度も増加し、耐磨耗性がさらに向上した。図2は
前記光コネクタ用フェルールを光コネクタハウジングに
組み込んだ状態を示し、4はプラグハウジング、5は光
コードである。
【0033】(実施例2)実施例1と同様に、嵌合部
1、フランジ部2、光ファイバを挿入嵌合する微細な貫
通孔3からなる単一モード光ファイバ用の光コネクタ用
フェルールを作製した。前記嵌合部1は内部層が高珪酸
ガラス、外部層が結晶化ガラスよりなる構造とした。結
晶化ガラスの組成は、SiO262% 、Al2O3 25% 、Li2O
5% 、ZrO21% 、TiO24% 、P2O52% 他とした。
【0034】光コネクタ用フェルールの嵌合部の製造方
法としては、先ず、高珪酸ガラスと前記組成のガラスと
を一体化させ貫通孔を有するガラス母材を精密加工した
後に、そのガラス母材を線引き加工することにより、光
コネクタ用フェルールの嵌合部と同等の内、外径の円筒
棒を作製した。この円筒棒の両端面を研削および成形
後、1200℃付近までの結晶化処理により外部層をβ
−スポジュメン固溶体を主結晶相とする結晶化ガラスと
した。さらに、これをNaNO3 75% 、NaSO4 15% 溶液
中で450℃で15分浸漬し、表面強度処理を行った。
前記嵌合部1の形状精度はCSコネクタの規格を満たし
ていた。曲げ強度は約400MPa であり、アルミナの強
度と同等であった。
【0035】前記材料は化学的にも安定で、フッ酸以外
の酸およびアルカリにも優れた耐性をもつ。この光コネ
クタ用フェルールでは高珪酸ガラスの透明性を生かしU
V硬化型接着剤を用いて端面照射により、光ファイバを
固定したが、固定時間は5分で充分であった。また、内
部層が高珪酸ガラスのため研磨特性が光ファイバと同等
であり、端面研磨ではダイヤモンド砥粒を用いる必要が
なく、研磨時間も従来の半分で充分であった。また、高
珪酸ガラスの線膨張係数が光ファイバの線膨張係数に近
いため、耐環境特性も非常に安定で、実施例1と同じく
−10〜+25〜65℃、93% R.H、24h/サイ
クルの温湿度サイクル試験を20サイクル行った後、−
40〜85℃の範囲で測定したが反射減衰量の変化は無
かった。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の光コネ
クタ用フェルールは、高強度結晶化ガラスまたは部分結
晶化ガラスを光コネクタ用フェルールの嵌合部に使用す
るため、従来のジルコニアフェルールよりも成形性に優
れ、安定で強度特性が充分で、接続特性に優れ、温度変
化に強く、研磨特性に優れるフェルールが提供できる。
また、この発明の光コネクタ用フェルールの嵌合部の製
造方法は、貫通孔を有するガラス母材を精密加工した後
に、線引き加工により細径化して、嵌合部の連続成形が
可能となり、さらに、経済性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による単一モード光フ
ァイバ用の光コネクタ用フェルールの構造を示す側断面
図である。
【図2】この発明による光コネクタ用フェルールをプラ
グハウジングに組み込んだ光コネクタを構成した状態を
説明する一部側断面図である。
【図3】従来のジルコニアフェルールの構造を示す側面
図である。
【図4】従来のアルミナキャピラリ形フェルールの構造
を示す側断面図である。
【図5】SiO2含有率と5 % HCl 溶液中で92℃、3時間
処理でのガラスの溶出減量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 嵌合部 2 フランジ部 3 微細な貫通孔 4 プラグハウジング 5 光コード 6 円筒棒状嵌合部 7 フランジ部 8 アルミナキャピラリ 9 フランジ部一体形のステンレスフェルール本体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバの外径より僅かに大きい内径を
    有する貫通孔をその中心部に有し、割りスリーブ等に嵌
    合して整列するための円筒棒状の嵌合部と、光ファイバ
    芯線の被覆部分を内部に保持し、かつ、光コネクタハウ
    ジング内に保持されるためのフランジ部とから構成さ
    れ、前記嵌合部と前記フランジ部とを固定した構造を有
    する光コネクタ用フェルールにおいて、前記嵌合部が珪
    酸塩系、アルミノ珪酸塩系、燐珪酸塩系の結晶化ガラス
    または部分結晶化ガラスによって構成されたことを特徴
    とする光コネクタ用フェルール。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の結晶化ガラスまたは部分
    結晶化ガラスのSiO2成分が40wt% 以上であることを
    特徴とする光コネクタ用フェルール。
  3. 【請求項3】請求項1、請求項2に記載の結晶化ガラス
    または部分結晶化ガラスの成分が、SiO2≧40wt% 、Al
    2O3 ≦35wt% 、TiO2≦15wt% 、MgO ≦15wt% 、Ca
    F2≦30wt% 、Li2O≦20wt% 、P2O5≦15wt% 、ZrO2
    ≦9wt% 、K2O≦5wt% 、PbO ≦1wt% 、Na2O≦5wt%
    、As2O3 ≦5wt% 、SnO ≦1wt% 、NaF≦1wt% 、LiF
    ≦1wt% の範囲の組成からなることを特徴とする光コネ
    クタ用フェルール。
  4. 【請求項4】円筒棒状の嵌合部の、内部層が珪酸系ガラ
    ス、外部層が結晶化ガラスまたは部分結晶化ガラスによ
    って形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    に記載の光コネクタ用フェルール。
  5. 【請求項5】結晶化ガラスまたは部分結晶化ガラスによ
    って構成される嵌合部の表面に圧縮歪層が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の光コ
    ネクタ用フェルール。
  6. 【請求項6】円筒棒状の嵌合部の成型方法として、貫通
    孔を有するガラス母材を精密加工した後に、線引き加工
    により細径化した後に切断することにより、より高精度
    な円筒棒を連続的に形成し、その後に結晶化処理を行う
    ことを特徴とする光コネクタ用フェルールの製造方法。
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