JPH09258064A - フェルールおよびその製造方法 - Google Patents

フェルールおよびその製造方法

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JPH09258064A
JPH09258064A JP6774996A JP6774996A JPH09258064A JP H09258064 A JPH09258064 A JP H09258064A JP 6774996 A JP6774996 A JP 6774996A JP 6774996 A JP6774996 A JP 6774996A JP H09258064 A JPH09258064 A JP H09258064A
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JP
Japan
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ferrule
surface layer
optical fiber
linear expansion
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JP6774996A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Takeuchi
善明 竹内
Kuniharu Kato
邦治 加藤
Akira Nagase
亮 長瀬
Nariyuki Mitachi
成幸 三田地
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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  • Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度が高く光ファイバの接続特性が安
定する安価なフェルールの提供。 【解決手段】 少なくとも一対の光ファイバを接続する
光ファイバコネクタのフェルールであって、フェルール
は透明な石英系ガラスからなり、表面に圧縮応力が残留
する表面層(厚さ約50μm)を有する。前記表面層に
は線膨張率を低下させる添加材(TiO2 )が添加(約
12wt%)されている。 【効果】 フェルールの表層に圧縮応力が残留する表面
層が厚く設けられていることから、フェルールの表面に
傷が付いても、表面層の作用によって前記傷に加わる応
力が緩和され、フェルールの機械的強度が向上する。光
ファイバおよびフェルールは石英系ガラスであり、高価
なダイヤモンド砥粒以外の研磨材料による研磨が可能と
なり研磨時間及びコストの低減が達成できる。UV硬化
形接着材の使用によりコネクタ組立時間の短縮とコスト
の低減を図ることができる。接続の安定性信頼性が向上
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信等において
用いられる光ファイバを相互に接続するための光ファイ
バコネクタのフェルールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェルールは、主にジルコニアやアルミ
ナ等のセラミック材料により作製されている。これはフ
ェルールに要求される極めて高い寸法精度と寸法安定
性,強度,信頼性等を満足させるためである。
【0003】一方、安価なフェルールとして、連続加工
が可能なガラスフェルールが提案されている。また、特
開平5−72441号公報には、ガラスフェルールの表
面を多成分系ガラスでイオン交換処理し、外傷による強
度低下を防ぐ技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】セラミックフェルール
は、その製造においてセラミックの焼成や研削等の加工
工程を必要とするため、その低価格化に限界がある欠点
を有する。また、この他にセラミック材料は光ファイバ
の材料である石英ガラスと比較して研磨特性が大幅に異
なるため、光ファイバコネクタの光接続のための端面研
磨にはダイヤモンド等の高価な研磨材料と長い研磨時間
を要し、結果的に研磨コストが嵩むという欠点を有して
いた。
【0005】さらに、これらのセラミック材料の線膨張
率は、例えばジルコニアで8.3×10~6/°Cであ
り、石英ガラスの5.4×10~7/°Cと比較して桁違
いに大きいので、環境温度の変動により光ファイバの引
き込みが生じ易く、研磨の平坦性や光ファイバの接着法
等に高度な要求条件を必要としていた。これも組立コス
トの高騰に繋がっていた。
【0006】一方、安価に製造できるフェルールとし
て、前述のようにガラスフェルールが提案されている
が、ガラス材料は表面の微小な傷に弱く、その実用強度
が弱いという欠点を有している。この欠点を克服する手
段として、特開平5−72441号公報に開示されてい
る技術が知られている。この技術は、多成分系ガラスで
フェルールを製造するとともに、多成分系ガラスの表面
をイオン交換処理し、外傷による強度低下を防ごうとす
るものであるが、このイオン交換処理による表面強化層
の厚さは数μm程度であり、それより深い傷には効果が
ないという欠点があり、実使用時の効果は殆ど期待でき
ないのが現状であった。
【0007】また、ガラス系材料の中では、多成分系ガ
ラスは石英系ガラスよりも使用環境中での信頼性に劣
り、線膨張率等の材料特性も光ファイバの材料である石
英ガラスと異なっており、研磨, 組立の要求条件が厳し
くなり、コネクタとしての信頼性も石英ガラスと比較し
て劣るものとなりやすい欠点を有している。
【0008】本発明の目的は、機械的強度の高いフェル
ールおよびその製造方法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、光ファイバの接続特
性が安定するフェルールおよびその製造方法を提供する
ことにある。
【0010】本発明の他の目的は、製造コストが安価な
フェルールおよびその製造方法を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、光ファイバコネクタ
の組立コストの大幅な削減が可能なフェルールおよびそ
の製造方法を提供することにある。
【0012】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
にする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0014】(1)少なくとも一対の光ファイバを接続
する光ファイバコネクタのフェルールであって、前記フ
ェルールは透明な石英系ガラスからなり、表面に圧縮応
力が残留する表面層を有する構成になっている。フェル
ールは光ファイバを貫通固定する挿入孔を有する管材と
なっている。前記表面層には線膨張率を低下させる添加
材(TiO2 )が添加(約12wt%)されている。前
記表面層は数十乃至百数十μm程度の深さ、例えば約5
0μmの厚さとなっている。
【0015】フェルールは、線膨張率を低下させる添加
材(TiO2 )を透明な石英ガラス管材の表層に添加
(12wt%)した母材を作製した後、加熱状態で前記
石英ガラス母材の線引きを行って圧縮応力(約7.8k
g/mm2 )が残留する表面層(厚さ約50μm)を有
する細管を作製し、その後前記細管を切断することによ
り製造される。
【0016】(2)前記手段(1)の構成において、前
記表面層の内側の内部層には線膨張率を上昇させる添加
材(GeO2 )が添加(約30wt%)されている。
【0017】(3)前記手段(1)の構成において、前
記表面層には線膨張率を低下させる添加材が添加され、
前記表面層の内側の内部層には線膨張率を上昇させる添
加材が添加されている。
【0018】前記(1)の手段によれば、フェルールの
表面には圧縮応力が残留する約50μmの厚さの表面層
が設けられていることから、フェルールの表面に傷が付
いても、前記傷に対する応力集中が緩和されるため、機
械的強度(曲げ強度)が向上する。
【0019】フェルールは石英系ガラスで形成され、光
ファイバと同じ材質となっていることから、光ファイバ
をフェルールに取り付けて使用した場合、両者とも線膨
張率が同等となり、環境温度が変動しても両者間に熱応
力が発生し難くなり、フェルールと光ファイバの接着状
態が変動しなくなり、接続特性が安定する。この結果、
環境温度の変動による光ファイバの引き込み現象が発生
しなくなり、光コネクタ状態では安定した結合状態での
光ファイバ接続が維持されることになる。
【0020】石英系ガラス製のフェルールは、フェルー
ルに取り付けられる光ファイバも石英ガラスからなるこ
とから、光ファイバを取り付けたフェルール先端面の平
坦性が向上する。さらにセラミック製フェルールに比較
して研磨時間の短縮が図れ、光コネクタの組立コストの
大幅な削減が可能になる。
【0021】光ファイバを取り付けた石英ガラス製のフ
ェルールの先端の研磨は、高価なダイヤモンド等の研磨
材料を使用しなくてもよくなり、研磨コストの低減が達
成できる。
【0022】フェルールは透明体であることから、フェ
ルールの光ファイバ挿入孔に光ファイバを挿入固定する
際、作業性の良好な紫外線硬化形接着剤を使用できるた
め、光ファイバの接着コストの低減が達成できる。
【0023】フェルールは石英系ガラスで形成され、線
引きにより連続的な加工が可能なことから、セラミック
製のフェルールに比較して安価になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照し本発明の実施
形態をより具体的に詳述するが、以下に開示する実施形
態は本発明の単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を何等
限定するものではない。
【0025】なお、実施形態を説明するための全図にお
いて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰
り返しの説明は省略する。
【0026】(実施形態1)図1は本発明の一実施形態
(実施形態1)であるフェルールを示す模式的拡大断面
図、図2は本実施形態1のフランジ付きフェルールを示
す断面図、図3は本実施形態1の光ファイバを取り付け
たフランジ付きフェルールを示す断面図、図4は本実施
形態1のフェルールの径方向の残留応力分布をシュミレ
ートした結果を示すグラフである。
【0027】図1に示すように、本実施形態1のフェル
ール1は、石英ガラスで形成された細管となっている。
【0028】図2は、フランジ付きフェルール2を示す
図であり、フェルール1の一端は、フェルール1と同心
円的関係になる筒状の金属製のガイド3に図示しない接
着剤を介して挿入固定されている。前記ガイド3の内径
は前記フェルール1を挿入する太径嵌合孔4と、光ファ
イバケーブルを挿入する小径嵌合孔5とからなってい
る。前記ガイド3の外周にはフランジ6が設けられてい
る。
【0029】フェルール1は、透明体からなる石英ガラ
スによって形成され、例えば内径は125μm強とな
り、外径は250μmとなっている。前記内径は直径1
25μmの光ファイバ7(図3参照)を挿入固定できる
挿入孔(光ファイバ挿入孔)9を構成している。また、
光ファイバ挿入孔9のガイド3側は、光ファイバの挿入
が容易となるようにテーパ8となっている。
【0030】また、図1に示すように、前記フェルール
1の表面には表面層10が設けられている。この表面層
10は、例えば12wt%の二酸化チタン(TiO2
を添加した層となり、約50μmの厚さとなっている。
石英ガラスにTiO2 を添加すると線膨張率が低下す
る。
【0031】本実施形態1では、石英系ガラス管材、例
えば透明な石英ガラス管材の表面に、線膨張率を低下さ
せる添加材として、例えばTiO2 を約12wt%添加
した後、加熱状態で前記石英ガラス管材の線引きを行っ
て約50μmの厚さの表面層10を有する直径250μ
mの細管を作製し、その後前記細管を切断することによ
ってフェルール1を製造する。
【0032】TiO2 を添加した表面層10の線膨張率
は、表面層10の内側の内部層11の線膨張率に比較し
て低い。従って、石英ガラス管材(ガラス母材)を線引
き加工して細管を成形する場合に、内部層11と表面層
10の線膨張率の相違により、表面層10に圧縮応力が
残留する。
【0033】例えば、試作した石英ガラスフェルールの
径方向の残留応力分布をシュミレートした結果を図4に
示す。表面層10に略均一に約7.8kg/mm2 の圧
縮応力が残留している。それに比し内部層11に残留す
る伸長応力は0.7kg/mm2 程度であり、その影響
は少ない。この結果から、表面に効果的に圧縮応力が残
留することが判る。
【0034】従って、前記細管からフェルール1を製造
した場合、フェルール1の表層には約50μmの厚さ
(深さ)に亘って圧縮応力が残留する表面層10が形成
される。この結果、フェルール1の表面に傷が付いて
も、前記残留圧縮応力によって前記傷への応力集中を緩
和することができ、フェルール1の曲げ強度を大幅に向
上させることができる。フェルール1の表面の傷への応
力集中を緩和するためには、表面層10はある程度厚く
なければならず、その厚さは、例えば20μm以上必要
となる。
【0035】試作した20個の石英系ガラス製フェルー
ル1の曲げ強度は、平均で250MPaであった。これ
は表面にTiO2 を添加しない構造のフェルールの平均
強度130MPaに比較して大幅に増加している。
【0036】光ファイバコネクタ(光コネクタ)によっ
て光ファイバ同士を接続する際、図3に示すように、フ
ランジ付きフェルール2に光ファイバが取り付けられ
る。すなわち、光ファイバケーブル15の先端部分を所
定の長さに亘って被覆体を取り除き、石英ガラスからな
る光ファイバ7を露出させる。その後、前記光ファイバ
7をガイド3側から挿入して光ファイバ7の先端部分を
フェルール1の光ファイバ挿入孔9に挿入する。つい
で、光ファイバ7の先端をフェルール1の一端に一致さ
せた後、図示しない接着剤で光ファイバ7をフェルール
1に接続固定する。
【0037】本実施形態1のフェルール1は透明体であ
ることから、フェルール1の光ファイバ挿入孔9に光フ
ァイバ7を挿入固定する際、作業性の良好な紫外線(U
V)硬化形接着剤を使用できる。この結果、光ファイバ
7の接着コストが安価になる。
【0038】また、フェルール1に光ファイバ7を接着
した後、前記フェルール1の先端を研磨して、光ファイ
バ7とフェルール1の先端を研磨する。この研磨では、
前記フェルール1および光ファイバ7が石英系ガラスで
あることから、ダイヤモンド等の高価な研磨材料は不要
となる。
【0039】光ファイバ付きフェルール20は、所望の
光ファイバコネクタ(光コネクタ)に組み込まれ、所定
の光ファイバ同士の光学的に接続がなされる。
【0040】なお、図2および図3において、表面層1
0および内部層11は省略する。
【0041】本実施形態1のフランジ付きフェルール2
をSC形光コネクタに組み込んだ。光ファイバを挿入し
た後、光接続のための端面研磨条件を検討したが、従来
のジルコニア製のフェルールと比較して研磨時間が4分
から2分に半減し、かつダイヤモンド砥粒を必要とせず
消耗品のコストを大幅に低減できた。コネクタとしての
反射減衰量は50dB以上であった。ヒートサイクル試
験を行ったが、接続特性は非常に安定しており、反射減
衰量の変化は殆どなかった。これは温度変化による光フ
ァイバの引き込み等が無いためと考えられる。
【0042】本実施形態1のフェルール1は、その表面
に圧縮応力が残留する約50μmの厚さの表面層10が
設けられていることから、フェルール1の表面に傷が付
いても、前記傷に対する応力集中が緩和されるため、機
械的強度(曲げ強度)が向上する。
【0043】本実施形態1のフェルール1は、光ファイ
バ7と同じ材質である石英系ガラスによって形成されて
いることから、線膨張率が光ファイバ7の線膨張率と略
同一となる。従って光ファイバ7をフェルール1に取り
付けて使用した場合、環境温度が変動しても両者間に熱
応力が発生し難くなり、フェルール1と光ファイバ7の
接着状態が変動しなくなり、接続特性が安定し信頼性が
高くなる。
【0044】また、環境温度の変動によってフェルール
1に対して光ファイバ7が動くこともなくなり、光ファ
イバの引き込み現象が発生しなくなる。従って光コネク
タ状態では、対面する光ファイバ7の先端面間の変動が
なく、安定した結合状態での光ファイバ接続が維持され
ることになる。
【0045】石英系ガラスフェルールは、光ファイバ7
を取り付けたフェルール1の先端研磨において平坦性が
向上する。また、セラミックフェルールに比較して研磨
時間を短縮できる。従って、本実施形態1の石英系ガラ
ス製フェルール1の先端研磨時間の短縮が図れ、光コネ
クタの組立コストの大幅な削減が可能になる。また、セ
ラミックの研磨のように高価なダイヤモンド等の研磨材
料が不要となり、研磨コストの低減が達成できる。
【0046】本実施形態1のフェルール1は石英系ガラ
スで形成され、線引きによる連続加工が可能なことか
ら、セラミック製のフェルールに比較して安価になる。
【0047】本実施形態1のフェルール1は透明な石英
系ガラスで形成されていることから、フェルール1に光
ファイバ7を接続固定する際、作業性の良好な紫外線硬
化形接着剤を使用できるため、光ファイバの接着コスト
の低減が達成できる。
【0048】(実施形態2)図5は本発明の他の実施形
態(実施形態2)によるフェルールを示す模式的拡大断
面図、図6は本実施形態2の穴あけ加工前の石英系ガラ
スフェルール用母材の径方向GeO2 添加濃度分布を示
すグラフである。
【0049】本実施形態2のフェルール1は、前記実施
形態1と同様に透明体からなる石英系ガラスによって形
成されている。本実施形態2では、図5に示すように、
表面層10に添加材を添加せず、前記表面層10の内側
の内部層11に線膨張率を上昇させる添加材を添加し
て、前記表面層10に圧縮応力が残留する層とした構造
となっている。
【0050】線膨張率を上昇させる添加材として、例え
ば二酸化ゲルマニュウム(GeO2)やB23等を使用
している。
【0051】GeO2 の添加濃度分布を図6に示す。こ
れは穴あけ加工前の母材での分布である。添加物のない
石英系ガラスの表面層10の厚さは約100μmとし、
その内側の内部層11にGeO2 を添加した。中心付近
での添加濃度の最大値は約30wt%であった。実施形
態1の場合と同様に穴あけ加工したガラス母材を線引き
加工してフェルールを成形する場合に、内部層11と表
面層10の線膨張率の相違により、表面層10に圧縮応
力が残留する。これにより、ガラス表面の加傷時にその
傷への応力集中を緩和することができ、フェルール1の
曲げ強度が大幅に向上することになる。試作した石英系
ガラス製フェルール20個の曲げ強度は平均で350M
paであった。この値はアルミナフェルールに匹敵する
ものである。
【0052】図7はフランジ6を有するガイド3にフェ
ルール1を取り付けたフランジ付きフェルール2を示す
図である。本実施形態2では、前記ガイド3はプラスチ
ックで形成されている。これによってフランジ付きフェ
ルール2の製造コストの低減が達成できる。
【0053】本実施形態2のフェルール1は、前記実施
形態1のフェルール1が有する効果を有する。
【0054】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば
前記実施形態では、圧縮応力が残留する表面層の厚さを
50μmあるいは100μmとしたが、他の寸法でもよ
い。フェルールの表面の傷への応力集中の緩和を図るた
めには、前記表面層の厚さは、数十乃至百数十μm程度
の厚さであれば充分である。
【0055】また、前記実施形態ではフェルール1を石
英ガラスで形成したが、他の石英系ガラスでもよい。
【0056】また、フェルール1の表面層に圧縮応力を
残留させるため、前記実施形態では表面層10と内部層
11のうちいずれかの層に添加材を添加したが、表面層
10および内部層11の両方に添加材を添加して表面層
10に圧縮応力を残留させるようにしてもよい。すなわ
ち、前記表面層には線膨張率を低下させる添加材を添加
し、前記表面層の内側の内部層には線膨張率を上昇させ
る添加材を添加してもよい。
【0057】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0058】(1)石英系ガラスからなるフェルールの
表層に圧縮応力が残留する表面層を厚く設けていること
から、フェルールの表面に傷が付いても、前記圧縮応力
が残留する表面層の作用によって前記傷に加わる応力が
緩和され、フェルールの機械的強度が向上する。
【0059】(2)フェルールは光ファイバと同様に石
英系ガラスで形成されていることから、従来のセラミッ
クを基本材料とするフェルールを用いた場合に比し、研
磨コストと研磨時間を大幅に縮小することができる。
【0060】(3)フェルールは光ファイバと同様に石
英系ガラスで形成され、両者の線膨張率は同一または近
似するため、温度変化による光ファイバの突き出しや引
き込みが発生せず光接続特性が安定する。
【0061】(4)フェルールは透明であるため、接着
剤としてUV硬化形を使用することができ、コネクタ組
立時間の短縮を図ることができる。
【0062】(5)フェルールは石英系ガラスで形成さ
れることからセラミック製フェルールに比較して安価に
なる。
【0063】(6)光ファイバを接続コストの安価な紫
外線硬化形接着剤を使用してフェルールに接続固定でき
ること、フェルール先端面の研磨コストを低減できるこ
とから光コネクタの組立コストの低減が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施形態1)であるフェ
ルールを示す模式的拡大断面図である。
【図2】本実施形態1のフランジ付きフェルールを示す
断面図である。
【図3】本実施形態1の光ファイバを取り付けたフラン
ジ付きフェルールを示す断面図である。
【図4】本実施形態1のフェルールの径方向の残留応力
分布をシュミレートした結果を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施形態(実施形態2)によるフ
ェルールを示す模式的拡大断面図である。
【図6】本実施形態2の穴あけ加工前の石英系ガラスフ
ェルール用母材の径方向GeO2 添加濃度分布を示すグ
ラフである。
【図7】本実施形態2のフランジ付きフェルールを示す
断面図である。
【符号の説明】
1…フェルール、2…フランジ付きフェルール、3…ガ
イド、4…太径嵌合孔、5…小径嵌合孔、6…フラン
ジ、7…光ファイバ、8…テーパ、9…光ファイバ挿入
孔、10…表面層、11…内部層、15…光ファイバケ
ーブル、20…光ファイバ付きフェルール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三田地 成幸 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対の光ファイバを接続する
    光ファイバコネクタのフェルールであって、前記フェル
    ールは石英系ガラスからなり、表面に圧縮応力が残留す
    る表面層を有することを特徴とするフェルール。
  2. 【請求項2】 前記表面層には線膨張率を低下させる添
    加材が添加されていることを特徴とする請求項1記載の
    フェルール。
  3. 【請求項3】 前記表面層の内側の内部層には線膨張率
    を上昇させる添加材が添加されていることを特徴とする
    請求項1記載のフェルール。
  4. 【請求項4】 前記表面層には線膨張率を低下させる添
    加材が添加され、前記表面層の内側の内部層には線膨張
    率を上昇させる添加材が添加されていることを特徴とす
    る請求項1記載のフェルール。
  5. 【請求項5】 前記フェルールは透明体であることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のフ
    ェルール。
  6. 【請求項6】 前記表面層は数十乃至百数十μm程度の
    厚さとなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    5のいずれか1項記載のフェルール。
  7. 【請求項7】 光ファイバを貫通固定する挿入孔を有す
    る管状のフェルールの製造方法であって、線膨張率を低
    下させる添加材を表層に添加または/および内部層に線
    膨張率を上昇させる添加材を添加した石英系ガラス管材
    を作製した後、加熱状態で前記石英系ガラス管材の線引
    きを行って圧縮応力が残留する表面層を有する細管を作
    製し、その後前記細管を切断してフェルールを製造する
    ことを特徴とするフェルールの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記石英系ガラス管材の表層にTiO2
    を添加することを特徴とする請求項7記載のフェルール
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記内部層にGeO2 又はB23 を添
    加することを特徴とする請求項7記載のフェルールの製
    造方法。
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