JP4096936B2 - 光ファイバ、光ファイバの端面封止方法、光ファイバの接続構造及び光コネクタ - Google Patents

光ファイバ、光ファイバの端面封止方法、光ファイバの接続構造及び光コネクタ Download PDF

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本発明は、光ファイバ長手方向に延びる空孔部を有する光ファイバ、光ファイバの端面封止方法、光ファイバの接続構造及び光コネクタに係り、特に、光ファイバ端面の空孔部を硬化性樹脂で封止した光ファイバ、光ファイバの端面封止方法、光ファイバの接続構造及び光コネクタに関するものである。
光通信ネットワーク及び光信号処理の高速化に伴って、更なる大容量な光ファイバが必要となっており、その技術として、光ファイバ長手方向に延びる空孔部を形成したフォトニッククリスタルファイバ(Photonic Crystal Fiber:PCF)が注目されている。
図13に示すように、PCF40は、コア41の周囲のクラッド42に多数の空孔部43を形成したものである。空孔部43のデザイン(数、形状、サイズ、配置等)により、超広帯域単一モード伝送領域、大実効コア断面積、High−Δ、大きな構造分散等の特性を実現できる。
図14に示すように、全反射型PCFの一例であるホーリーファイバ(Holey Fiber :HF)50は、Geが添加されたコア11の周囲のクラッド12に複数(図では6個)の空孔部13を形成することによりクラッド12の実効屈折率を下げている。HF50は、クラッド12に屈折率が略1の空孔部13を形成したことにより、コア11のクラッド12に対する実効的な比屈折率差が約32%と汎用のシングルモードファイバ(Single Mode Fiber :SMF)に比べて大きくすることができる。
ここで、図15に示すように、汎用のSMF60とは、シングルモード条件を満たす程度に径の小さいコア61と、そのコア61を覆うクラッド62で形成された光ファイバである。これにより、HF50は、汎用のSMF60と比較して、コア11への光の閉じ込め効果を大きくし、光ファイバを曲げた時に発生する曲げ損失を極めて小さくすることができるといった特徴を有する。この特徴を利用して、曲げ配線が必須である宅内配線用光ファイバとして実用化が期待されている。
一方、従来の光ファイバの接続方法として、メカニカルスプライスによる突き合わせ接続やコネクタ接続がある。
図16に示すように、メカニカルスプライス70は、対向するHF50の端面とSMF60の端面を突き合わせて支持し、位置決め調芯するためのV溝が形成されたV溝基板72と、V溝基板72に重ね合わされ、V溝に挿入した光ファイバ50,60を押さえるための蓋部材73と、V溝基板72と蓋部材73とを挟持するための挟持部材74とを備えている。V溝基板72と蓋部材73の重ね合わせ部には、その側面にくさび挿入部75が形成され、その両端に光ファイバ50,60を通すガイド穴76が形成されている。
メカニカルスプライス70によるHF50とSMF60の接続方法は、くさび挿入部75にくさびを挿入してV溝基板72と蓋部材73間に隙間を形成し、ガイド穴76からファイバ50,60を挿入してV溝内で光ファイバ50,60の端面同士を突き合わせ、くさびを抜き取り、光ファイバ50,60を基板72と蓋部材73とで把持して固定する方法である。このような突き合わせ接続の場合、突き合わせた光ファイバ50,60の端面間に空気層が介在すると、光ファイバ端面でのフレネル反射が大きくなってしまうので、V溝には光ファイバ50,60間の比屈折率差の違いを緩和するための屈折率整合剤を予め充填している。屈折率整合剤は、突き合わせる光ファイバ50,60のコアの屈折率と同程度の屈折率のものが用いられる。
コネクタ接続は、光ファイバの先端にフェルールを装着してなる光ファイバコネクタ同士を突き合わせて光ファイバ同士を接続する方法である。
図17に示すように、フェルール21は、光ファイバコネクタを構成する部材であり、被覆を除去した光ファイバ裸線を固定する固定部22と、被覆されたままのファイバ心線を装着するファイバ保持部23からなる。単心光コネクタで利用する場合、フェルール21は円筒形をしている。光ファイバは熱硬化性樹脂等の接着剤でフェルール21内に固定され、光ファイバ端面及びフェルール端面24は研磨処理が施される。一般的な光コネクタでは、ファイバ端面でのフレネル反射を押さえるために球面状に研磨されている。
空孔部13を有するHF50等の光ファイバをこれらのような接続方法で接続した場合、以下の問題がある。
メカニカルスプライス70による突き合わせ接続の場合、光ファイバ50,60間に充填した屈折率整合剤が毛細管現象により空孔部内に浸入してしまうといった問題がある。コアと同程度の屈折率を有する屈折率整合剤が空孔部内に浸入すると、空孔部にコアが形成されたことになり、光が空孔部のコアとカップリングし、接続損失が増加してしまう。
コネクタ接続の場合、光ファイバ端面及びフェルール端面24に研磨処理を施す際に、空孔部内に研磨屑が混入してしまい、コネクタの着脱を繰り返したとき、空孔部内に入り込んだ研磨屑が光ファイバ端面に露出してコネクタ装着時に光ファイバ端面に割れや欠けを発生させ、長期信頼性が低下するといった問題があった。
これらの問題に対し、空孔部にマッチングオイル、紫外線硬化性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を注入して光ファイバの端面を封止することが行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2002−236234号公報 特開2002−323625号公報
光ファイバ端面空孔部の封止は、硬化性樹脂を空孔部に充填し、紫外線照射や熱により空孔部内の硬化性樹脂を硬化させることにより行われる。
しかしながら、空孔部内の硬化性樹脂の硬化時に、硬化性樹脂の体積収縮が起こり、気泡が発生するといった問題がある。メカニカルスプライスによる光ファイバの突き合わせ接続では、気泡内に屈折率整合剤が浸入し、接続損失が大きくなる原因となった。コネクタ接続では、気泡内に研磨剤や研磨屑が侵入し、信頼性低下の原因となった。
また、毛細管現象により空孔部に硬化性樹脂が浸入し、その浸入距離や浸入体積が大きい程気泡が発生しやすく、接続特性の低下の影響が大きくなってしまう。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、硬化性樹脂の硬化時の気泡の発生による接続特性の劣化を抑制し、信頼性の高い光ファイバ、光ファイバの端面封止方法、光ファイバの接続構造及び光コネクタを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、クラッドに空孔部が形成され、その空孔部の端部近傍が硬化性樹脂によって封止される光ファイバにおいて、
上記硬化性樹脂として、硬化による体積収縮率が5%以下で、かつ硬化前の粘度が80Pa・s以上であるシリコーン接着剤を用いて、上記空孔部の端部近傍を封止した光ファイバである。
請求項2の発明は、シリコーン接着剤の屈折率が上記クラッドの屈折率より低い請求項1記載の光ファイバである。
請求項3の発明は、シリコーン接着剤が、ポリ・アルキル・シロキサンを主成分とするシリコーン混合物からなる付加反応型のシリコーン接着剤である請求項1または2記載の光ファイバである。
請求項4の発明は、クラッドに空孔部を形成し、その空孔部の端部近傍を硬化性樹脂によって封止する光ファイバの端面封止方法において、硬化による体積収縮率が5%以下で、かつ硬化前の粘度が80Pa・s以上であるシリコーン接着剤を光ファイバ端面近傍の空孔部に充填する工程と、充填されたシリコーン接着剤を硬化させる工程とを含む光ファイバの端面封止方法である。
請求項5の発明は、シリコーン接着剤の屈折率がクラッドの屈折率より低い請求項4記載の光ファイバの端面封止方法である。
請求項6の発明は、シリコーン接着剤が、ポリ・アルキル・シロキサンを主成分とするシリコーン混合物からなる付加反応型のシリコーン接着剤である請求項4又は5記載の光ファイバの端面封止方法である。
請求項7の発明は、請求項1〜3いずれかに記載の光ファイバの端面に、屈折率整合剤を介して上記光ファイバとは別の光ファイバを突き合わせ接続した光ファイバの接続構造である。
請求項8の発明は、請求項1〜3いずれかに記載の光ファイバをフェルールに装着した光コネクタである。
本発明によれば、光ファイバの接続損失を低減できると共に、長期信頼性の低下を抑制できるといった優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る光ファイバの好適な実施の形態を示した側断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る光ファイバ10は、図14のホーリーファイバ50の端面14近傍の空孔部13には硬化性樹脂15が充填され、この硬化性樹脂15を硬化することにより空孔部13が封止されてなるものである。
本発明に係る本実施の形態の光ファイバ10では、硬化による体積収縮率が10%以下で、かつ硬化前の粘度が10Pa・s以上である硬化性樹脂15を用いたことに特徴がある。
硬化性樹脂15の体積収縮率が10%を超えてしまうと、樹脂の体積が大幅に減少することにより、充填された硬化性樹脂15内に気泡が発生しやすくなるためである。よって、硬化性樹脂15の体積収縮率は10%以下とし、好ましくは5%以下がよい。
硬化による体積収縮率が10%以下と小さくても、硬化前の粘度が10Pa・s未満の硬化性樹脂を使用した場合には、空孔部13内に硬化性樹脂が充填した充填距離が毛細管現象により短時間で長くなる。充填距離が300μm以上に長くなると硬化による体積収縮、オキシムガス等のガスの発生により気泡が発生する。
メカニカルスプライスによってHFの接続を行う場合に、HF端面近傍に充填した硬化性樹脂に気泡が発生していると、気泡に屈折率整合剤が浸入し、接続損失が大きくなる。また、光コネクタを形成してHFの接続を行う場合に、HF端面近傍に充填した硬化性樹脂に気泡が発生していると、気泡で空洞となった部分から空孔部内に入り込んだ研磨剤が外部に露出する恐れがある。
そこで、粘度が10Pa・s以上の硬化性樹脂15を用いることで空孔部13内の充填距離を300μm以下に抑えることができ、気泡を発生させずに硬化性樹脂15を硬化させることができる。硬化性樹脂15の粘度は、空孔部13に硬化性樹脂15を充填する際に毛細管現象により硬化性樹脂15が空孔部13内を短時間で300μm以上進行しない10Pa・s以上であれば良く、好ましくは60Pa・s、より好ましくは80Pa・s以上がよい。
硬化性樹脂15としては、体積収縮率が10%以下で硬化前の粘度が10Pa・s以上であれば特に限定されないが、例えば、紫外線硬化樹脂、常温中に放置しておくと自然に硬化する常温硬化性樹脂、加熱することにより硬化する熱硬化性樹脂などを用いることができる。
また、本発明に係る実施の形態の光ファイバ10では、硬化性樹脂15として、屈折率がクラッド12の屈折率より低いシリコーン接着剤を用いたことに特徴がある。
シリコーン接着剤は、一般的に建築物とガラス周りの接着、浴室とタイルの接着シール、バスタブ、洗面台または台所周りの接着シール等、建築物における接着シール剤、及びコンデンサ、コイル等の回路基板への固定や、電源、トランス等の絶縁シール等として用いられているものである。このシリコーン接着剤には、常温で硬化する脱アルコール型のものや熱硬化性の付加反応型のものがある。
ここで、ポリ・アルキル・シロキサンを主成分とするシリコーン混合物からなる付加反応型のシリコーン接着剤の屈折率を測定した。屈折率の測定は、SMF60端面にシリコーン接着剤を塗布し、その端面での、波長1550nm、温度−20〜70℃における反射減衰量から求められる。
図2に示すように、温度が25℃の時のSMF60端面での反射減衰量は34.5dBであった。温度が低くなるに連れて反射減衰量は増加し、温度が−20℃のとき38dBとなった。これは、温度が低下するとシリコーン接着剤の屈折率が高くなり、SMF60のコア61の屈折率との差が小さくなったためである。−20℃時においても反射減衰量は小さく、シリコーン接着剤の屈折率がSMF60のクラッド62の屈折率より小さいことがわかる。
SMF60のコア61の屈折率を1.46とすると、図3に示すように、SMF60の端面に付着したシリコーン接着剤の屈折率と反射減衰量との関係から、25℃におけるシリコーン接着剤の屈折率が1.41となる。従って、シリコーン接着剤をHF50の空孔部13に充填した際の空孔部13の屈折率は、クラッド12の屈折率より低く保たれ、空孔部13の封止材として有効である。
さらに、シリコーン接着剤は揮発成分が数%以下で、硬化による体積収縮率が5%以下と小さく、空孔部13の封止材として適している。
シリコーン接着剤は、常温硬化性のものや熱硬化性のものが使用できるが、硬化時に揮発する成分を含まない付加反応型の熱硬化性シリコーン接着剤を用いることが好ましい。付加反応型のシリコーン接着剤として、例えば、ポリ・アルキル・シロキサンを主成分とするシリコーン混合物を用いることができる。
次に、本実施の形態の光ファイバ10を用いた光ファイバの接続構造について説明する。
図4に示すように、本実施の形態の光ファイバの接続構造30は、光ファイバ端面14近傍の空孔部13に硬化性樹脂15を充填した光ファイバ10と、汎用のシングルモードファイバ(SMF)60とを、屈折率整合剤18を介して突き合わせ接続したものである。光ファイバの突き合わせ接続には、例えば、図16に示したメカニカルスプライス70が用いられる。
詳細には、硬化性樹脂15として、ポリ・アルキル・シロキサンを主成分とし、常温で大気中の水分と反応して硬化する1液性のシリコーン混合物からなるシリコーン接着剤を使用した。このシリコーン接着剤は、押し出し性が5秒、硬化前の粘度が80Pa・s、体積収縮率が5%以下である。
光ファイバの接続方法は、まず、HF50のUV被覆層をストリッパーで除去し、光ファイバ裸線が10mmとなる位置でHFをファイバカッターでカットする。カットした後、シリコーン接着剤にHF50を端面から押し込み、HF50の空孔部13内にシリコーン接着剤を充填する。充填した後、HF50の側面及び端面14に付着したシリコーン接着剤をそれぞれガーゼ、コネクタクリーナで拭き取る。
光学顕微鏡によりHF50の側面を観察した結果、シリコーン接着剤は空孔部13内に30μm充填されていることを確認した。さらに、シリコーン接着剤を硬化させるため、常温で10分放置した後、メカニカルスプライス70のガイド穴76から挿入し、V溝に固定する。メカニカルスプライス70のもう一方のガイド穴76からは汎用SMF60を挿入し、空孔部13にシリコーン接着剤が充填された光ファイバ10と汎用SMF60の接続を行う。
以上、メカニカルスプライス70を用いた光ファイバの接続方法について説明したが、本実施の形態に係る光ファイバの端面封止方法は、硬化による体積収縮率が10%以下で、かつ硬化前の粘度が10Pa・s以上である硬化性樹脂を光ファイバ端面近傍の空孔部に充填する工程と、充填された硬化性樹脂を硬化させる工程とが含まれるものであってもよい。
波長1550nmにおける接続損失は0.113dBで、低損失でメカニカルスプライスによる接続を実施することができた。接続後、30分経過しても接続損失の変化はなかった。
また、図5は、図4の光ファイバの接続構造30に波長1550nmの光信号を伝搬させると共に、その周囲の温度を−20〜70℃内で変化させて光ファイバ10,60間の接続損失の変化を測定したグラフである。図中Δ接続損失とは、測定開始直後の常温(約25℃)における接続損失を基準とした損失比を表している。図5に示すように、温度−20〜70℃におけるΔ接続損失は、0.006dB以内と殆ど変化がなかった。接続後の光ファイバ10の側面を光学顕微鏡で観察すると、空孔部13に充填されたシリコーン接着剤により空孔部13への屈折率整合剤18の浸入はなかった。
これらの結果より、光ファイバ10(HF50)とSMF60のメカニカルスプライス70による接続において、本実施の形態の接続構造を形成することで、HF50の空孔部13への屈折率整合剤18の浸入を防ぎ、接続損失が低損失で、かつ温度変化に対して接続損失の変動を微小とすることができる。
また、シリコーン接着剤は常温放置によって硬化させる他に、加熱することにより硬化させることができる。具体的には、空孔部13の端部近傍に硬化性樹脂15を充填した後、光ファイバを150℃1分加熱して、空孔部13内の硬化性樹脂15を硬化させて、空孔部13を封止した。
この方法により形成された光ファイバの接続構造では、波長1550nmにおける接続損失は、0.138dBであり、低損失なメカニカルスプライスによる接続を実施することができる。また、接続後、4時間経過しても接続損失の変動は殆どない。また、図6に示すように、温度−20〜70℃における接続損失の変動は、0.005dB以内であり、温度変化に対しても接続損失の変動を微小に抑えることができる。
また、硬化性樹脂15として、1液性のシリコーン混合物の他に2液性のシリコーン混合物からなるシリコーン接着剤を使用してもよい。この2液性のシリコーン混合物からなるシリコーン接着剤は、主剤であるポリ・アルキル・シロキサンを主成分とするシリコーン混合物に硬化促進剤を混合した硬化性樹脂である。
2液性のシリコーン混合物からなるシリコーン接着剤を用いて形成された光ファイバの接続構造では、波長1550nmにおける接続損失が、0.138dBであり、低損失なメカニカルスプライスによる接続を実施することができる。接続後、4時間経過しても接続損失の変動は殆どない。また、図7に示すように、温度−20〜70℃における接続損失の変動は、0.004dB以内と微小なものであった。
次に、本実施の形態の光ファイバを用いた光コネクタについて説明する。
図8に示すように、本実施の形態の光コネクタは、フェルール21に光ファイバ10を装着してなる光コネクタ本体部20と、光コネクタ本体部20を取り付けるコネクタハウジング(図示せず)とで構成される。
本実施の形態の光コネクタ(光コネクタ本体部20)は、ファイバ端面14及びフェルール端面24を研磨して生じる研磨屑が、空孔部13内に入り込むことを防止し、光コネクタ着脱時の研磨屑に起因するファイバ端面14に割れや欠けが発生しない光コネクタ構造を実現している。
光コネクタの製造方法について説明する。
まず、図9に示すように、固定部22とファイバ保持部23に接着剤としての熱硬化性樹脂25を充填し、図10に示すように、フェルール21にUV樹脂被覆17を除去したHFを固定部22からファイバ保持部23に挿入する。このフェルール21を85℃に保たれた恒温槽内に40分載置することで熱硬化性樹脂25を硬化させ、HF50をフェルール21に固定する。
図11に示すように、フェルール端面24の位置でHF50をカットした後、シリコーン接着剤にフェルール端面24を押し付けることで空孔部13にシリコーン接着剤を充填する。シリコーン接着剤を充填した後、フェルール21を150℃で1分加熱することでシリコーン接着剤を硬化させた。
フェルール端面24及び光ファイバ端面14に研磨処理を施し、フェルール21をSCコネクタ用ハウジングに取り付けることでHFのSC型の光コネクタの完成となる。
本実施の形態の光コネクタと汎用のSCコネクタの着脱を500回繰り返したところ、HF端面14に欠けや傷等の損傷は見られなかった。すなわち、光ファイバ端面14近傍の空孔部13を硬化性樹脂15で封止することで、樹脂内での気泡の発生を抑えることができ、したがって、気泡内に侵入する研磨屑等の異物に起因する光ファイバ端面の損傷を防ぐことができる。
また、上述の製造方法においてフェルール端面24を研磨する工程の順序を変えた製造方法を図12に基づいて説明する。
先に説明した光コネクタの製造方法と同様に、HF50をカットした後、先にフェルール端面24に研磨処理を施し、端面24が研磨されたフェルール21をシリコーン接着剤中に押し込み、HF50の空孔部13の端面14近傍にシリコーン接着剤を充填した。充填後、先の製造方法と同様にしてSC型の光コネクタの完成とする。この光コネクタと汎用のSCコネクタとの着脱を500回繰り返しても光ファイバの端面に欠けや損傷はみられない。
すなわち、この製造方法によって製造された光コネクタは、気泡の発生が抑制されると共に、研磨屑28が硬化性樹脂15によって空孔部13内に閉じ込められており、光ファイバ端面14に露出することがない。したがって、研磨屑28等の異物による光ファイバ端面14の損傷を防ぎ、長期間の使用に耐えることができ、長期信頼性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本実施の形態では6つの空孔を有するHFを使用したが、空孔部13の数はこれに限定されず、数百個の空孔部を有するPCFを用いて光ファイバ、光コネクタを形成してもよい。また、空孔部13の形状や配置等も限定されない。
空孔部13に充填する硬化性樹脂15は、シリコーン接着剤に限定されない。例えば、純粋石英にGeが添加されてコアを形成するHF、PCFに関しては、純粋石英ガラスの屈折率と同等或いはそれ以下の屈折率を有し、硬化による体積収縮率が10%以下で、かつ硬化前の粘度が10Pa・s以上である硬化性樹脂15を用いることによって同様の効果が得られる。
本実施の形態では光コネクタとしてSCコネクタを形成したが、SCコネクタに限定せず、フェルール21にFC用ハウジングを取り付けてFCコネクタを形成してもよい。また、FC、MUコネクタ用のフェルールを用いてFC、MUコネクタ等を形成してもよい。
また、本実施の形態では、メカニカルスプライス70により光ファイバ10と汎用SMF60との接続を行ったが、PCF40或いはHF50等の空孔付光ファイバと接続される光ファイバは汎用SMF60に限らず、GIファイバやSIファイバ等、汎用のマルチモードファイバ(MMF)でもよい。
本実施の形態の光ファイバを示す側断面図である。 SMF端面にシリコーン接着剤を付着させたときのSMFとシリコーン接着 剤間における反射減衰量と温度の関係を示すグラフである。 SMF端面にある付着物とSMFのコアの端面間における反射減衰量の理論 式を表すグラフである。 本実施の形態の光ファイバの接続構造を示す断面図である。 図4の光ファイバの接続構造における接続損失変動−温度特性を示すグラフ である。 加熱してシリコーン接着剤を硬化させた光ファイバの接続構造における接続 損失変動−温度特性を示すグラフである。 2液性のシリコーン混合物からなるシリコーン接着剤を用いた光ファイバの 接続構造における接続損失変動−温度特性を示すグラフである。 本実施の形態の光コネクタを示す断面図である。 光コネクタの製造工程において、フェルール内に熱硬化樹脂を充填した工程 を示す断面図である。 光コネクタの製造工程において、フェルールにホーリーファイバを固定し た工程を示す断面図である。 光コネクタの製造工程において、ホーリーファイバにシリコーン接着剤を 充填した工程を示す断面図である。 第二の実施の形態の光コネクタを示す断面図である。 フォトニッククリスタルファイバを示す断面図である。 ホーリーファイバを示す断面図である。 汎用のシングルモードファイバを示す断面図である。 メカニカルスプライスを示す斜視図である。 従来の光コネクタを示す断面図である。
符号の説明
10 光ファイバ
11 コア
12 クラッド
13 空孔部
15 硬化性樹脂
18 屈折率整合剤
21 フェルール
50 ホーリーファイバ
60 シングルモードファイバ

Claims (8)

  1. クラッドに空孔部が形成され、その空孔部の端部近傍が硬化性樹脂によって封止される光ファイバにおいて、
    上記硬化性樹脂として、硬化による体積収縮率が5%以下で、かつ硬化前の粘度が80Pa・s以上であるシリコーン接着剤を用いて、上記空孔部の端部近傍を封止したことを特徴とする光ファイバ。
  2. 上記シリコーン接着剤は、屈折率が上記クラッドの屈折率より低い請求項1記載の光ファイバ。
  3. 上記シリコーン接着剤は、ポリ・アルキル・シロキサンを主成分とするシリコーン混合物からなる付加反応型のシリコーン接着剤である請求項1又は2記載の光ファイバ。
  4. クラッドに空孔部を形成し、その空孔部の端部近傍を硬化性樹脂によって封止する光ファイバの端面封止方法において、
    硬化による体積収縮率が5%以下で、かつ硬化前の粘度が80Pa・s以上であるシリコーン接着剤を光ファイバ端面近傍の空孔部に充填する工程と、充填されたシリコーン接着剤を硬化させる工程とを含むことを特徴とする光ファイバの端面封止方法。
  5. 上記シリコーン接着剤は、屈折率が上記クラッドの屈折率より低い請求項4記載の光ファイバの端面封止方法。
  6. 上記シリコーン接着剤は、ポリ・アルキル・シロキサンを主成分とするシリコーン混合物からなる付加反応型のシリコーン接着剤である請求項4又は5記載の光ファイバの端面封止方法。
  7. 請求項1〜3いずれかに記載の光ファイバの端面に、屈折率整合剤を介して上記光ファイバとは別の光ファイバを突き合わせ接続したことを特徴とする光ファイバの接続構造。
  8. 請求項1〜3いずれかに記載の光ファイバをフェルールに装着したことを特徴とする光コネクタ。
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