JP2003149502A - 光ファイバ用毛細管、光コネクタ用フェルール、及び光ファイバ付毛細管 - Google Patents

光ファイバ用毛細管、光コネクタ用フェルール、及び光ファイバ付毛細管

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JP2003149502A JP2001352986A JP2001352986A JP2003149502A JP 2003149502 A JP2003149502 A JP 2003149502A JP 2001352986 A JP2001352986 A JP 2001352986A JP 2001352986 A JP2001352986 A JP 2001352986A JP 2003149502 A JP2003149502 A JP 2003149502A
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宏和 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩わしい調芯作業を行うことな
く、従来よりも容易に低い接続損失が得られ、且つ安価
に作製が可能な光ファイバ用毛細管と、それを用いた光
コネクタ用フェルール、及び光ファイバ付毛細管を提供
する。 【解決手段】 本発明の光ファイバ用毛細管2
0は、光ファイバが挿入保持可能な内孔20aの表面粗
さのRa値が0.1μm〜0.5μmであることを特徴
とし、光コネクタ用フェルール21は、光ファイバ用毛
細管20の一端にスリーブへの挿入を案内する面取り部
21dと、他端に開口して光ファイバを内孔21aに案
内するフレア部21eとが形成されている。また、光フ
ァイバ付毛細管22は、内孔22aに挿着された光ファ
イバ23を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光デバイスの製造に用
いられる光ファイバ用毛細管、光コネクタ用フェルー
ル、及び内孔に光ファイバを挿着した光ファイバ付毛細
管に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信網の急速な発展により、高
性能かつ安価な光デバイスが大量に必要となっている。
特に光ファイバを内蔵したプラグ型の光デバイスやレセ
プタクル型の光デバイスには、精密な毛細管に光ファイ
バを挿入して接着剤で固着した円柱状の光ファイバスタ
ブと呼ばれる光ファイバ付毛細管や光コネクタプラグが
使用される。
【0003】例えば、図12に示すように、光ファイバ
付毛細管の一方の端面を凸球面に、他方の端面に斜め研
磨面に加工すると光ファイバスタブ6として機能する。
この光ファイバスタブ6は、レーザーダイオード1から
出射され、レンズ2によって集光された光信号を取り入
れ、光コネクタプラグ3の光コネクタ用フェルール4中
の光ファイバ5に伝達するために、または光コネクタ用
フェルール4の内孔4a内の光ファイバ5から出射した
光信号を図示しないフォトダイオード等に集光するため
に使用されている。
【0004】この光ファイバスタブ6は、レーザーダイ
オード1(またはフォトダイオード)側の光ファイバ用
毛細管7の端面7bにおいて反射光がレーザーダイオー
ド1に入ってノイズにならないように、光信号の入射軸
に対して反射軸が数度の角度を成すように端面7bが研
磨加工されている。さらに反対側の端面7cは、光コネ
クタプラグ3と光ファイバ8を突き合わせてPC(物理
的接触の略)接続が可能なように光ファイバ8の端面8
aを中心とした凸球面に研磨がされている。
【0005】光コネクタプラグ3と光ファイバスタブ6
との接続は、図12に示すように、光コネクタプラグ3
の凸球面に加工された光ファイバ5の端面5aと光ファ
イバスタブ6の光ファイバ8の端面8aとを割りスリー
ブ9内で突き合わせるPC接続によって行なわれる。
【0006】このような光信号の接続としては、一般
に、大容量の光ファイバ通信に用いられる光コネクタ同
士の接続が代表的である。光コネクタの接続では、図1
3に示すように、光コネクタプラグ10は、光ファイバ
12が挿入可能な内径を有する内孔11aを備えた精密
な毛細管を所定の形状に加工した光コネクタ用フェルー
ル11が使用され、その内孔11aに、接着剤で光ファ
イバ12が挿着され、端面が凸球面に加工されている。
これらの光コネクタプラグ10同士の接続は、光ファイ
バ12の端面12a同士を割りスリーブ13内で突き合
わせるPC接続によって行なわれる。このときの接続損
失は、主にPC接続部の光ファイバ12同士の軸ずれに
起因して生ずる。光ファイバ12同士の軸ずれは、使用
される光コネクタ用フェルール11同士の外径差と、端
面の内孔11aの真円度と外周面11bの円筒度、光コ
ネクタ用フェルール11の内孔11aと外周面11bの
同心度と、端面の内孔11a内での光ファイバ12の偏
心量とが累積されたものとして生じる。これらのうち、
光コネクタ用フェルール11端面の内孔11aと外周面
11bとの同心度と、端面の内孔11a内での光ファイ
バ12の偏心量が、突き合わせられる光ファイバ同士の
軸ずれに最も寄与している。そのため光コネクタ用フェ
ルール11の同心度はシングルモード光ファイバを用い
る通信では、1.4μm以下と規定されている。また、
内径11aは挿入される光ファイバ12の外径に対して
0〜1μm大きいフェルールが使用されている。このよ
うな光ファイバ12の軸ずれ量dと接続損失Loss
(単位dB)との関係は、光ファイバのコア径をwとし
た場合、一般に、次の式で表される。
【0007】
【数1】
【0008】ここで、接続損失の要因を内孔11aと外
周面11bとの同心度と、内孔11a内での光ファイバ
12の偏心量に限定して考察する。まず、光コネクタ用
フェルール11の同心度が1.4μm以下で、かつ、内
孔11aの内径が光ファイバ12より1μm大きい光コ
ネクタ用フェルール11を用いて光ファイバが内孔11
a内で0.5μm偏心した場合、突き合わせるもう一方
のフェルールでの偏心量も同様に考えて、最悪のケース
で軸ずれ量は2.4μmとなり、上記の数1では最大
1.0dBの接続損失となる。そこで、石英系シングル
モード光ファイバを用いた通信用光コネクタの規格(J
IS−C−5962)に規定された0.5dB以下の接
続損失を達成するためには光ファイバ用フェルール11
を回転させる調芯作業が必要となる。実際の調芯作業
は、まず、光コネクタ用フェルール11端面の内孔11
aと外周面11bとの同心度を測定し、偏心方向をフラ
ンジ部材14の側面に90°ピッチ(1/4回転ピッ
チ)でマーキングし、突き合わせる光コネクタ用フェル
ール11同士の偏心方向を合わせるようにして組み立て
るか、あるいは実際に光を通して光の強度をパワーメー
タ等でモニターしながら、1/4回転ずつ光コネクタ用
フェルール11を回転させ接続損失が最も良くなる位置
で組み立てるという、非常に手間がかかり煩わしい作業
である。
【0009】一方、先記の図12に示すような光デバイ
スにも同様な現象が起こるが、光コネクタプラグ3と光
ファイバスタブ6とを接続する場合や、レンズ2で集光
された光信号(または出射される光信号)の光軸と光フ
ァイバスタブ6に使用される光ファイバ用毛細管7の内
孔7a内にある光ファイバ8の中心との位置決めの際
に、光ファイバスタブ6の光ファイバ用毛細管7の端面
7bが内孔7a内にある光ファイバ8の偏心方向を考慮
せずに数度の角度を成すように研磨加工されて位置が固
定されるので、その構造上、調芯作業を行うことができ
ない。そのため、両者間の軸ずれのうち、内孔7a内の
光ファイバ8の偏心に起因した軸ずれを軽減することが
できず、光信号の接続損失が増大する問題がある。
【0010】また、図13に示すように、同心度の公差
が1.4μm以下で、かつ内径の公差が光ファイバ12
の直径に対し−0μm/+1.0μmという非常に厳し
い寸法精度の光コネクタ用フェルール11を量産するた
めには、例えば、光コネクタ用フェルール11が最も一
般的なジルコニアセラミクス製の場合、材料の焼結体を
加工して仕上げるため、少なくとも内外面ともに表面粗
さのRa値が0.1μm未満になるように研磨加工する
必要がある。
【0011】このようなジルコニアセラミクス製光コネ
クタ用フェルール11が具備する表面粗さのRa値が
0.1μm未満である内孔11aに光ファイバ12を挿
入して接着剤で固着した場合、光ファイバ12は内孔1
1a側壁に偏って偏心する傾向にあり、内孔11a内の
中心に調芯され難いことが知られており、発明者らもこ
の事実を確認している。従って、従来のジルコニアセラ
ミクス製等の小さい表面粗さを有する光コネクタ用フェ
ルール11では、石英系のシングルモード光ファイバ通
信用光コネクタの規格(JIS−C−5962)に記載さ
れた接続損失の規定値である0.5dB以内を達成する
ために上記のような煩わしい調芯作業が必須であった。
図12に示す光ファイバスタブ6と光コネクタプラグ3
との接続の際にも同様な現象が起こるが、光ファイバス
タブ6の構造上、調芯作業ができないため従来のジルコ
ニアセラミクス製の光ファイバ用毛細管7を用いた場
合、内孔7a内の光ファイバ8の偏心に起因した軸ずれ
を軽減することはできず、光信号の損失が増大する問題
がある。
【0012】また、光通信の用途のうち、大容量及び/
又は高信頼性が要求されるものには、光コネクタの接続
損失の規定値である0.5dBよりもさらに低い接続損
失が求められる場合がある。このような要求に対応する
ためには、図13に示す光コネクタ用フェルール11の
内径11aの公差あるいは同心度の公差を標準の公差よ
りも厳しく設定する以外に手段がなく、数多く作製した
光コネクタ用フェルール11の中から寸法精度の良いも
のを選別するなどして製造するため、非常にコストが高
くなる。また、光ファイバ付毛細管を加工した図12に
示す光ファイバスタブ6についても、PC接続部が光コ
ネクタ用フェルールと同様の構造であり、同様に低い接
続損失が求められる場合には調芯作業ができないため、
さらに寸法精度が厳しくなるので、非常に高価なものに
なるという問題がある。
【0013】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、従来よりも容易に低い接続損失が得られ、
且つ安価に作製が可能な光ファイバ用毛細管と、それを
用いた光コネクタ用フェルール、及び光ファイバ付毛細
管を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に発明者らは以下のような発明に到った。即ち、本発明
に係る光ファイバ用毛細管は、光ファイバが挿入保持可
能な内径を有する内孔を備え、内孔の表面粗さのRa値
が0.1μm〜0.5μmであることを特徴とする。
【0015】光ファイバ用毛細管の内孔の表面粗さRa
値が0.1μm未満であると、挿入された光ファイバが
内孔側壁に近づいて偏心する傾向にあるので調芯効果は
期待できない。一方、内孔の表面粗さのRa値が0.5
μmを超える場合、最大粗さとして定義されているRy
値も相当量大きくなることが予想されるので、上記と同
様に内孔の表面粗さの平均線によってできる円の中心に
対し、内孔の最大内接円筒の中心位置がずれてしまう場
合が多くなって内孔の本来の同心度自体が実質上悪くな
ることや、挿入された光ファイバ表面に傷がついて強度
低下を招く虞がある。本発明の光ファイバ用毛細管で
は、内孔の表面粗さのRa値が0.1μm〜0.5μm
であることが重要である。
【0016】例えば、ジルコニアセラミクス製の光ファ
イバ用毛細管を用いて光コネクタプラグや光ファイバス
タブを構成する場合、光コネクタで規定された接続損失
を満たすために、内孔の表面粗さのRa値を0.1μm
未満に精度よく研磨加工することで厳しい寸法精度(内
径の公差−0μm/+1.0μm、同心度の公差1.4
μm以下)を達成しているが、表面粗さのRa値が0.
5μm以上となると、この寸法精度を満足することが困
難になり、安定して量産することは殆ど不可能になる。
【0017】また、延伸成形によって作製される結晶化
ガラス製の光ファイバ用毛細管を用いて光コネクタプラ
グや光ファイバスタブを構成する場合も同様に、表面粗
さのRa値が0.5μm以上では、光ファイバスタブに
用いる毛細管としての厳しい寸法精度を満足することが
困難であり、安価な光ファイバスタブを大量に製造する
ことが難しくなる。
【0018】また、本発明の光ファイバ用毛細管は、内
孔表面粗さのRy値が4.0μm以下であることを特徴
とする。
【0019】光ファイバ用毛細管の内孔の表面粗さRy
値が4.0μmを超える場合、内孔の表面粗さの平均線
によってできる円の中心に対し、内孔の最大内接円筒の
中心位置がずれてしまう虞があり、内孔の本来の同心度
自体が実質上悪くなってしまう他、鋭く突き出した凸部
先端で挿入された光ファイバ表面に傷をつけてしまう場
合もある。本発明の光ファイバ用毛細管では、内孔の高
い寸法精度を確保する上で、内孔の表面粗さのRy値と
しては4.0μm以下であることが重要である。
【0020】また、本発明の光ファイバ用毛細管は、そ
れに用いられる毛細管内孔の表面粗さの平均線と山頂線
との差が2.0μm以下であることを特徴とする。
【0021】光ファイバ用毛細管の内孔のJIS−B−
0601で定義されている表面粗さの平均線と山頂線と
の差が2.0μmを超える場合、内孔の表面粗さの平均
線によってできる円の中心に対し、内孔の最大内接円筒
の中心位置がずれてしまう虞があり、内孔の本来の同心
度自体が実質上悪くなってしまう他、鋭く突き出した凸
部先端で、挿入された光ファイバ表面に傷をつけてしま
う場合もある。本発明の光ファイバ用毛細管では、光コ
ネクタプラグや光ファイバスタブ等の光ファイバ付毛細
管を構成する光ファイバ用毛細管の場合に内孔内での光
ファイバの調芯効果を得る上で、表面粗さの平均線に対
し凸部と凹部が非対称な場合でも、表面粗さの平均線と
山頂線との差が2.0μm以下であることが重要であ
る。
【0022】また、本発明の光ファイバ用毛細管は、非
晶質ガラス中に結晶を析出させた結晶化ガラスからな
り、内孔の表面に結晶粒子が析出していることを特徴と
する。
【0023】本発明で非晶質ガラス中に析出させる結晶
として、光ファイバ用毛細管内孔の表面粗さのRa値が
0.1μm〜0.5μmとなるためには、結晶粒径が
0.1μm〜1.0μm程度であれば使用可能であり、
例えば、β−スポジュメンの結晶等が適している。
【0024】また、本発明の光ファイバ用毛細管は、内
孔の表面に、機械的な加工手段によって所定の表面粗さ
を設けてなることを特徴とする。
【0025】本発明の光ファイバ用毛細管で内孔の表面
に上記所定の表面粗さを設ける機械的な加工手段とは、
例えば、ジルコニアセラミクス製等の光ファイバ用毛細
管を作製する際に、良好な寸法精度を出すため、一般的
には、ワイヤーや砥粒等を使用する内面研削及び研磨を
行うが、仕上げ研磨前の段階で使用される内面研削加工
装置等を用いることにより意図的に所定範囲内に制御さ
れた表面粗さを設けることなどが考えられる。このよう
な加工手段により、表面粗さのRa値が0.1μm〜
0.5μmである内孔、表面粗さのRa値が0.1μm
〜0.5μmであり、かつ表面粗さのRy値が4.0μ
m以下の内孔、表面粗さのRa値が0.1μm〜0.5
μmであり、かつ平均線と山頂線との差が2.0μm以
下の内孔、および、これら表面粗さのRa値及びRy値
を備え、かつ平均線と山頂線との差δが2.0μm以下
の内孔を形成することが可能となる。
【0026】また、本発明の光ファイバ用毛細管の内孔
が、光ファイバが挿入可能な内径を有しているとは、光
ファイバと同じ直径をもつピンゲージが通ることをい
い、内径が光ファイバに対して1μm大きいとは、光フ
ァイバよりも直径が1μm大きなピンゲージが通り、そ
れよりも僅かに大きなピンゲージが通らないことをい
う。内孔と光ファイバとの間隔が0μmであると光ファ
イバが挿入できず、一方、内孔と光ファイバとの間隔が
2.0μmを超えると、光ファイバの周りに注入されて
いる接着剤が円周方向に移動して偏るので内孔内での光
ファイバの偏心量が大きくなる。
【0027】また、本発明の光コネクタ用フェルール
は、上記本発明の光ファイバ用毛細管に、一方の端部に
スリーブへの挿入を案内する面取り部と、他方の端部に
開口して光ファイバを内孔に案内するフレア部とが形成
されていることを特徴とする。
【0028】本発明の光コネクタ用フェルールとして
は、他の光コネクタプラグと所定の接続損失で接続が可
能な外径、内径、同心度、及び円筒度を備えていれば使
用可能である。また、スリーブへの挿入を案内する面取
り部としては、既存の光コネクタ用フェルールと同様な
寸法形状であると使用に支障がなく、フレア部として
は、光ファイバを内孔に容易に挿入が可能な形状であ
り、光ファイバの固着後に環境の温度変動等に起因する
接続損失の変動が大きくない寸法であることが好まし
い。さらに、他の光コネクタプラグとPC接続が可能な
ように、光ファイバが挿着される内孔端面を中心とした
PC接続用の予備的な凸球面研磨がされていてもよい。
【0029】また、本発明の光ファイバ付毛細管は、上
記本発明の光ファイバ用毛細管と、該光ファイバ用毛細
管の内孔に挿着された光ファイバとを備えていることを
特徴とする。
【0030】本発明の光ファイバ付毛細管としては、光
コネクタプラグ、光ファイバスタブ、及びこれらの作製
に使用する長尺の光ファイバ付予備材等があり、光ファ
イバ用毛細管の中心に光ファイバを正確に位置させるも
のであれば適用可能である。光コネクタプラグや光ファ
イバスタブ等を精密スリーブ内で突き合わせ接続する場
合、少なくとも光ファイバ用毛細管の一端に面取り部を
形成しておくことが好ましく、他の光コネクタプラグと
PC接続が可能なように光ファイバの端面を中心とした
凸球面研磨がされていてもよい。また、光ファイバ用毛
細管の端面に反射光がレーザーダイオードに入ってノイ
ズにならないように光信号の入射軸に対して端面が数度
の角度を成すように研磨加工されていてもよい。光ファ
イバ用毛細管の内孔に光ファイバを挿着する接着剤とし
ては、目的に応じて、実績のあるエポキシ型、作業性に
優れた紫外線硬化型等が適している。
【0031】
【作用】本発明の光ファイバ用毛細管は、内孔の表面粗
さのRa値が0.1〜0.5μmであるので、内孔表面
に点在する平均線よりも高い凸部が影響し、適度の粘性
を有するエポキシ系等の接着剤が円周方向に亘って内孔
表面に安定して保持されることで、光ファイバを内孔の
中央位置に維持するように作用していると考えられる。
【0032】また、本発明の光ファイバ用毛細管は、内
孔の表面粗さのRy値が4.0μm以下であるので、内
孔の表面粗さの平均線によってできる円の中心に対して
内孔の最大内接円筒の中心位置がずれず、内孔の高い真
円度や外周面との同心度を確保することができるので、
所望の調芯効果が得られ、挿入された光ファイバの表面
を傷つけることもない。
【0033】さらに、本発明の光ファイバ用毛細管は、
内孔の表面粗さの平均線と山頂線との差が2.0μm以
下であるので、表面粗さの平均値に対し凸部と凹部が非
対称な場合でも、内孔の表面粗さの平均線によってでき
る円の中心に対して内孔の最大内接円筒の中心位置がず
れず、内孔の高い真円度や外周面との同心度を確保する
ことができ、挿入された光ファイバの表面を傷つけるこ
ともないので、所望の調芯効果をもたらす。
【0034】また、本発明の光ファイバ用毛細管は、非
晶質ガラス中に結晶を析出させた結晶化ガラスからな
り、結晶性ガラスを適切な条件で熱的に処理することに
より、内孔の表面に析出した結晶粒子が内孔の表面に凸
部を形成することで、表面粗さのRa値が0.1μm〜
0.5μmの内孔、表面粗さのRa値が0.1μm〜
0.5μmであり、かつ表面粗さのRy値が4.0μm
以下の内孔を有する毛細管、及び表面粗さのRa値が
0.1μm〜0.5μmであり、かつ平均線と山頂線と
の差が2.0μm以下の内孔を有する毛細管、および、
これら表面粗さのRa値及びRy値を備え、かつ平均線
と山頂線との差が2.0μm以下の内孔を有する毛細管
を容易かつ効率的に作製することができる。
【0035】さらに、本発明の光ファイバ用毛細管は、
内孔の表面に、機械的な加工手段によって所定の表面粗
さを設けてなるので、内面研削加工装置等を用いること
により表面粗さのRa値が0.1μm〜0.5μmの内
孔、表面粗さのRa値が0.1μm〜0.5μmであ
り、かつ表面粗さのRy値が4.0μm以下の内孔を有
する毛細管、及び表面粗さのRa値が0.1μm〜0.
5μmであり、かつ平均線と山頂線との差δが2.0μ
m以下の内孔を有する毛細管、および、これら表面粗さ
のRa値及びRy値を備え、かつ平均線と山頂線との差
が2.0μm以下の内孔を有する光ファイバ用毛細管を
室温条件下で作製することができる。
【0036】また、本発明の光コネクタ用フェルール
は、上記本発明の光ファイバ用毛細管に、一方の端部に
スリーブへの挿入を案内する面取り部と、他方の端部に
開口し光ファイバを内孔に案内するフレア部とが形成さ
れているので、上記本発明の光ファイバ用毛細管内孔の
表面粗さによる調芯効果により光コネクタ用フェルール
の内孔中心に光ファイバが正確に保持されるようにな
る。
【0037】また、本発明の光ファイバ付毛細管は、上
記本発明の光ファイバ用毛細管と、該光ファイバ用毛細
管の内孔に挿着された光ファイバとを備えているので、
上記本発明の光ファイバ用毛細管内孔の表面粗さによる
調芯効果により光ファイバが内孔の中心に保持された光
ファイバ付毛細管が得られる。
【0038】
【発明の実施の形態】発明者らは、本発明に係る光ファ
イバ用毛細管の一例として、例えば、表1に示す組成を
持つ結晶化ガラス製の光ファイバ用毛細管を使用した。
【0039】
【表1】
【0040】図1(A)に示すように、内孔20aの表
面粗さのRa値が、例えば、約0.3μm、Ryが約
2.0μm、平均線と山頂線の差が約1.0μmで内孔
20aの内径が光ファイバよりも約1.0μm(0.9
5〜1.05μm)大きい結晶化ガラス製の光ファイバ
用毛細管20を作製した。
【0041】光ファイバ用毛細管20を使用して、図1
(B)に示すような光コネクタ用フェルール21を作製
した。即ち、作製した光コネクタ用フェルール21は、
他の光コネクタプラグと所定の接続損失で接続が可能
な、例えば、外径が1.249mm±0.5μm、上記
所定の表面粗さを有して光ファイバが挿着される内孔2
1aの内径が0.125mm+1/−0μm、同心度が
0.7μm以下であり、一方の端部21cに開口し光フ
ァイバを内孔21aに案内するフレア部21eが設けら
れ、必要な場合にはフランジ部材21fが固着される。
また、他方の端部21bには、外周縁部にC面取り部2
1dが設けてある。また、結晶化ガラス製の光ファイバ
用毛細管20を使用した光コネクタ用フェルール21
は、研磨製が優れているので、このまま研磨機等を使用
して他の光コネクタプラグとのPC接続が可能なように
凸球面に研磨することは容易である。さらに研磨時間を
短縮したい場合には、図1(B)に示すように、内孔2
1aの端面を中心とした予備的な凸球面を形成しておい
てもよい。
【0042】また、結晶化ガラス製の光ファイバ用毛細
管20を使用して、図1(C)に示すような光ファイバ
スタブ22を作製した。即ち、本発明の光ファイバスタ
ブ22は、上記所定の表面粗さを有する内孔22aに光
ファイバ23を接着剤24により固着しており、端面2
2cは反射光がレーザーダイオード等に入ってノイズに
ならないために光信号の入射軸に垂直な平面に対して8
°の角度を成すように研磨加工されており、反対側の端
面22bは、周縁部にC面取22dが設けられて光ファ
イバ23の端面23aを中心としたPC接続用の凸球面
に研磨されている。
【0043】実際に、表面粗さ測定器を使用してこの光
ファイバ用毛細管20の内孔20aの表面粗さを測定し
た。光ファイバ用毛細管20の内孔20aの表面粗さを
測定した測定チャートの一例を図2に示す。この光ファ
イバ用毛細管20の場合、表面粗さのRa値は0.27
μm、Ry値は2.09μm、平均線と山頂線との差δ
は1.0μmである。
【0044】また、光ファイバ用毛細管20を使用して
作製した光コネクタ用フェルール21に光ファイバを接
着剤により固着し、研磨仕上げした端面を電子顕微鏡で
観察を行った。光ファイバの固定に使用する接着剤は、
一般的に使用されているエポキシ系接着剤を使用し、接
着剤の硬化条件は100℃で60分間保持とした。図3
に示すように、内孔のほぼ中央位置にほぼ均等な厚さの
接着剤の層を介して光ファイバが0.1μmの軸ずれ量
で収まって位置しており、理論的な最大軸ずれ量に比べ
て0.4μm程度調芯されていることが確認された。
【0045】また、発明者らは、上記と同様に光ファイ
バ用毛細管20を使用して、同心度が1.0μm以下で
あり、内孔21aの内径は光ファイバより約1μm大き
い光コネクタ用フェルール21作製し、この光コネクタ
用フェルール21に光ファイバを接着剤により固着し、
凸球面研磨仕上げして光コネクタプラグとし、先記の図
13に示すような状態で、調芯作業をせずに8個のサン
プルをランダムに接続したときの接続損失を測定した。
実際の接続損失の測定結果を図4に示す。光コネクタ用
フェルール21の内孔21a内で光ファイバが調芯され
ない場合には、理論的な最大軸ずれ量は2.0μmとな
り、先記の数1によれば最大0.69dBの接続損失と
なるが、実測定では無調芯接続で平均接続損失が0.0
8dB、最大接続損失が0.24dB、標準偏差が0.
06dBという結果が得られた。最大値を推測するため
に平均値に標準偏差σの3倍を加え、99.7%の確率
の最大接続損失を求めると0.26dBとなる。接続損
失0.26dBのときの数1から計算される軸ずれ量
は、1.2μmとなる。従って、内孔21aのRa値が
0.27μm、Ry値が2.09μm、平均線と山頂線
との差δが1.0μmである表面粗さによって得られた
光コネクタ用フェルール21内孔21a内での光ファイ
バの調芯効果は0.4μm程度であり、内孔21a内で
の光ファイバ偏心は0.1μmと僅かであったことにな
る。これは図3の端面電子顕微鏡写真の観察結果と一致
する。
【0046】さらに、上記と同様に内孔20aの表面粗
さのRa値が約0.3μm、Ry値が約2.0μm、平
均線と山頂線の差が約1.0μmである結晶化ガラス製
の光ファイバ用毛細管20を使用して、同心度が0.7
μm以下であり、内孔21aの内径は光ファイバより約
1μm大きい光コネクタ用フェルール21を作製し、こ
の光コネクタ用フェルール21に光ファイバを接着剤に
より固着し、凸球面研磨仕上げして光コネクタプラグと
し、先記の図13に示すような状態で、調芯作業をせず
に14個のサンプルをランダムに接続したときの接続損
失を測定した。実際の測定結果を図5に示す。
【0047】光ファイバが調芯されない場合には、理論
的な最大軸ずれ量は1.7μmとなり、数1によれば最
大0.5dBの接続損失となるが、実際の測定では無調
芯接続で平均接続損失が0.06dB、最大接続損失が
0.14dB、標準偏差が0.03dBという結果が得
られた。最大値を推測するために平均値に標準偏差σの
3倍を加え、99.7%の確率の最大接続損失を求める
と0.15dBとなる。このときの数1から計算される
最大軸ずれ量は0.9μmとなる。従って、この結果か
らも表面粗さによって得られたフェルール内孔内での光
ファイバの調芯効果は0.4μm程度あることがわかっ
た。ここでも図3の電子顕微鏡の観察結果と一致した。
【0048】以上のように、本発明に係る光ファイバ用
毛細管により、調芯作業をすることなく低損失な光信号
の光コネクタ接続を達成することが可能となることが確
認された。
【0049】これに対して、比較例として、同心度が
1.0μm以下で内径が光ファイバよりも約1.0μm
大きく、Ra値が0.1μm未満であるジルコニアセラ
ミクス製毛細管を準備して、内孔内に接着剤を注入した
あと、光ファイバを挿入して100℃で60分間保持す
る硬化条件で固着して光コネクタプラグを作製した。そ
の後、端面を研磨した上で、電子顕微鏡により端面の様
子を観察した。その結果、図6で観察されるように、内
孔の一方の接着剤層が明らかに厚くなっており、内孔の
他方の側壁に光ファイバが偏っていることが確認され
た。フェルールの内孔と光ファイバ外周との間の間隙は
最も狭いところで0.1μmであり、約0.9μm偏っ
ていた。
【0050】実際に、ジルコニアセラミクス製毛細管を
用いて光コネクタ用フェルールを作製し、8個のサンプ
ルを調芯せずにランダムに接続した。
【0051】調芯効果がない場合の寸法上の理論的な最
大軸ずれ量は2.0μmとなり、数1によれば最大0.
69dBの接続損失となるが、実測定の結果は無調芯接
続で平均接続損失が0.21dB、最大接続損失が0.
50dB、標準偏差が0.11dBであり、光ファイバ
がほとんど調芯されていなかった。このときの接続損失
分布を図7に示す。最大値を推測するために平均値に標
準偏差σの3倍を加え、99.7%の確率の最大接続損
失を求めると0.54dBとなる。数1により計算する
と1.76μmの軸ずれに相当し、この値は上記の調芯
効果がない場合の予測値とほぼ一致する。また、この結
果は、図6に示す端面の電子顕微鏡写真を観察した結果
とも一致する。この結果からも、表面粗さの小さいジル
コニアセラミクス製の光ファイバ用毛細管では内孔内で
光ファイバの調芯がほとんど起こらないことが確認され
た。
【0052】また、延伸成形法によって作製されたホウ
ケイ酸ガラス製の光ファイバ用毛細管の場合も表面粗さ
はジルコニアセラミクス製の毛細管と同等かあるいはそ
れ以下のRa値である。上記のジルコニアセラミクス製
毛細管の場合と同様にRa値が0.1μm以下、同心度
が1.0μm以下で、内径が光ファイバよりも約1.0
μm大きいホウケイ酸ガラス製の毛細管を準備し、接着
剤を注入したあと、光ファイバを挿入し100℃で60
分間保持する硬化条件で固着して光コネクタプラグを作
製した。その後、端面を研磨した光コネクタ用フェルー
ル端面の電子顕微鏡観察を行った。その結果、図8に見
られるように、ジルコニアセラミクス製の毛細管と同
様、内孔の一方の接着剤層が明らかに厚くなっており、
内孔の他方の側壁に光ファイバが偏っていることが確認
された。フェルール内孔と光ファイバ外周との間の間隙
は最も狭いところで0.05μmであった。
【0053】実際に、上記のホウケイ酸ガラス製の光フ
ァイバ用毛細管を用いて光コネクタ用フェルールを作製
し、12個のサンプルを調芯せずにランダムに接続し
た。
【0054】調芯効果がない場合の寸法上の理論的な最
大軸ずれ量は2.0μmとなり、数1によれば最大0.
69dBの接続損失となるが、実測定の結果は無調芯接
続で平均接続損失が0.24dB、最大接続損失が0.
58dB、標準偏差が0.14dBであった。このとき
の接続損失分布を図9に示す。最大値を推測するために
平均値に標準偏差σの3倍を加え、99.7%の確率の
最大接続損失を求めると0.66dBとなる。数1によ
り計算すると1.95μmの軸ずれに相当する。これは
上記の調芯効果がない場合の予測値とほぼ一致する。こ
の結果からも、表面粗さが極めて小さいホウケイ酸ガラ
ス製の毛細管を用いた光ファイバスタブでは内孔内で光
ファイバの調芯がほとんど起こらないといえる。また、
この結果は、図8の電子顕微鏡写真を観察した結果とも
ほぼ一致している。
【0055】以上のように、表面粗さのRa値が0.1
μm未満では、光コネクタ用フェルール内孔内で光ファ
イバが偏心してしまうので、光コネクタ用フェルールの
内外面同心度に加えて、内孔の内径と光ファイバ直径と
の差が光コネクタ接続時の軸ずれ量に加算されることに
なる。
【0056】次に、本発明の光ファイバ用毛細管と、そ
れを用いた光コネクタ用フェルール、及び光ファイバ付
毛細管を作製する方法について説明する。
【0057】本発明の光ファイバ用毛細管を作製する場
合、例えば、ガラス相と結晶相が約50対50の割合で
含まれた結晶化ガラスからなる母材を準備し、結晶化ガ
ラスを約1200℃付近の成形温度で光ファイバと同様
の製造法である線引き加工によって毛細管を作製する。
この母材の結晶析出条件に応じた熱処理を延伸成形の最
終段階までの間に行うことで、析出する結晶粒径が0.
1μm〜1.0μm程度となるように、例えば、β−ス
ポジュメン等の結晶粒径を制御しながら析出させること
で、表面粗さのRa値が0.1μm〜0.5μmである
内孔を有する毛細管を作製する。あるいは、表面粗さの
Ra値が0.1μm〜0.5μmであり表面粗さのRy
値が4.0μm以下の内孔や、表面粗さのRa値が0.
1μm〜0.5μmであり平均線と山頂線との差δが
2.0μm以下の内孔、およびこれら表面粗さのRa値
及びRy値を備え、かつ平均線と山頂線との差δが2.
0μm以下の内孔を有する毛細管を作製することが可能
となる。
【0058】また、成形後や加工後の結晶化ガラスから
なる毛細管を熱処理することで、表面粗さのRa値が
0.1μm〜0.5μmである内孔を有する毛細管、あ
るいは、表面粗さのRa値が0.1μm〜0.5μmで
あり表面粗さのRy値が4.0μm以下の内孔を有する
毛細管や、表面粗さのRa値が0.1μm〜0.5μm
であり平均線と山頂線との差δが2.0μm以下の内孔
を有する毛細管、およびこれら表面粗さのRa値及びR
y値を備え、かつ平均線と山頂線との差δが2.0μm
以下の内孔を有する毛細管を作製してもよい。
【0059】一方、機械的な手段によって毛細管を作製
する場合には、材料が結晶化ガラス、ガラス、セラミク
スの何れでも使用可能であり、ジルコニアセラミクス製
等の毛細管を作製する際に、仕上げ研磨前の段階で使用
される内面研削加工装置等を用いて、寸法形状を有する
材料の硬度や耐摩耗性に応じて、研削ワイヤーの寸法形
状や砥粒の種類及び粒径等を適宜選定使用することによ
り、表面粗さのRa値が0.1μm〜0.5μm内孔に
加工して毛細管を作製するか、または、表面粗さのRa
値が0.1μm〜0.5μmであり表面粗さのRy値が
4.0μm以下の内孔を有する毛細管や、表面粗さのR
a値が0.1μm〜0.5μmであり平均線と山頂線と
の差δが2.0μm以下の内孔を有する毛細管、および
これら表面粗さのRa値及びRy値を備え、かつ平均線
と山頂線との差δが2.0μm以下の内孔を有する毛細
管を作製してもよい。
【0060】このようにして作製された毛細管を使用し
て、図1(A)に示すような、内孔20aの表面粗さの
Ra値が、例えば、約0.3μm、Ryが約2.0μ
m、平均線と山頂線の差が約1.0μmで内孔20aの
内径が光ファイバよりも約1.0μm(0.95〜1.
05μm)大きい光ファイバ用毛細管20を作製する。
【0061】次に、本発明の光コネクタ用フェルールを
作製する場合の一例を示すと、上記の方法で作製された
図1(A)に示すような光ファイバ用毛細管20の中心
軸に対して略垂直な端面20bの外周縁部にC面取り加
工を施し、必要な場合には内孔20aの端面を中心とし
た予備的な凸球面研磨加工を施して、光ファイバを内孔
20aに案内するフレア部21eが形成された端面21
cにはフランジ部材21fを固着することにより、図1
(B)に示すような光コネクタ用フェルール21を作製
する。
【0062】次いで、図1(C)に示すような、本発明
の光ファイバ付毛細管を作製する場合の一例を示すと、
先に記述した方法で作製された結晶化ガラスからなる毛
細管、あるいは機械的な手段によって作製された毛細管
を準備する。図10に示すように、この毛細管25は、
外径が1.249mm±0.5μmの寸法で高い真円度
を有しており、内孔25aは、石英系光ファイバの直径
125μmに対して126μm+1/−0μmになって
おり、かつ同心度が1.0μm以内であり、呼び直径D
が1.25mmの略円柱状の光コネクタ用フェルールに
対して光ファイバを正確に位置決めして保持できるよう
になっている。毛細管25の端面には、光ファイバ22
を案内して挿入を容易にする略円錐形状のフレア部25
eが形成されている。
【0063】光ファイバ付き毛細管を作製する場合、ま
ず、毛細管25の内孔25aに図10(A)のように、
予め接着剤26を毛管現象または真空吸引装置または加
圧注入装置を利用して充填した後、図10(B)のよう
に、フレア部25eから被覆が除去された光ファイバ2
7を挿入する。この際、光ファイバ27を挿入しながら
接着剤26を内孔25aと光ファイバ27の間隙に気泡
等が生じないように均一に充填する。その後、接着剤2
6を硬化させて光ファイバ27を毛細管25に固着す
る。
【0064】また、接着剤26が熱硬化性の場合は、図
10(C)のように、所定の温度スケジュールにプログ
ラムされた加熱オーブン30に入れて毛細管25内の接
着剤26を硬化させる。この際、例えば、100℃で1
時間以上保持することで硬化する接着剤の場合、20〜
70℃にて5時間以上保持すること、および100℃以
上で接着剤を硬化し、降温時に70〜20℃にて1時間
以上保持することにより、接着剤硬化時に生じる収縮応
力、気泡の発生を低減することができる。
【0065】次いで、光ファイバスタブを作製する場
合、図11に示すように、全長Lが約250mmの光フ
ァイバ27付の長尺毛細管25を切断して、全長L1が
12.5mm(所定長さ:6mm×2+切断代:0.4
mm+研磨代:0.1mm)の光ファイバ27付の毛細
管31に分断する。この光ファイバ27付の毛細管31
の両端面31b、31cに45゜のC面取31dを加工
し、C面取31dと側面とが成すコーナー部分をR加工
する。次いで、両端面31b、31cを凸球面にPC研
磨加工することにより、光ファイバ付部材32を作製す
る。
【0066】次に、図11(D)に示すように、光ファ
イバ付部材32の中央部分を、中心軸を法線とする面に
対して8゜の角度をつけて切断する。次いで、切断され
た8゜の斜め部分を鏡面に研磨し、光ファイバスタブ2
2を作製する。
【0067】あるいは、全長L1が6mmである光ファ
イバ27付の毛細管31の端面31bに45゜のC面取
31dを加工し、C面取31dと側面とが成すコーナー
部分をR加工し、端面31aを凸球面にPC研磨加工す
る。端面31cは8゜の角度がつくまで斜め研磨し、最
後に鏡面まで研磨して端面31cを仕上げて光ファイバ
スタブ22を作製する。
【0068】なお、光ファイバ用毛細管内孔の表面粗さ
のRa値は、ダイヤモンド指針をサンプル表面に接触さ
せるセンシング方式の株式会社東京精密製Surfco
mを使用し、垂直倍率10000倍、水平倍率50倍の
倍率、測定速度0.3mm/秒で測定を行った。また、
電子顕微鏡写真は、700倍の倍率で撮影したものであ
る。
【0069】
【発明の効果】発明によれば、内孔に設けた所定の表面
粗さを利用して、光通信技術の発展に伴い要求されてい
る低い接続損失を実現できる光ファイバ用毛細管、光コ
ネクタ用フェルール及び光ファイバ付毛細管を作製する
ことが可能となり、調芯作業を必要とせずに良好な接続
損失が得られ、且つ安価に作製が可能な該光ファイバ用
毛細管を用いた光コネクタ、光ファイバ付毛細管を使用
した光デバイスを提供することができる優れた効果を奏
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の説明図であって、(A)は実施の形態
に係る光ファイバ用毛細管の説明図、(B)は光コネク
タ用フェルールの説明図、(C)は光ファイバスタブの
説明図。
【図2】本発明の実施の形態に係る光ファイバ用毛細管
内孔の表面粗さの測定チャート。
【図3】研磨後の結晶化ガラス製毛細管を用いた光コネ
クタ用フェルール端面の電子顕微鏡写真。
【図4】同心度が1.0μm以下である結晶化ガラス製
毛細管を用いた光コネクタの無調芯接続での接続損失分
布。
【図5】同心度が0.7μm以下である結晶化ガラス製
毛細管を用いた光コネクタの無調芯接続での接続損失分
布。
【図6】研磨後のジルコニアセラミクス製毛細管を用い
た光コネクタ用フェルール端面の電子顕微鏡写真。
【図7】同心度が1.0μm以下であるジルコニアセラ
ミクス製毛細管を用いた光コネクタの無調芯接続での接
続損失分布。
【図8】研磨後のホウケイ酸ガラス製毛細管を用いた光
コネクタ用フェルール端面の電子顕微鏡写真。
【図9】同心度が1.0μm以下であるホウケイ酸ガラ
ス製毛細管を用いた光コネクタの無調芯接続での接続損
失分布。
【図10】光ファイバ付毛細管の作製方法の説明図であ
って、(A)は光ファイバ用毛細管に接着剤を充填する
説明図、(B)は(A)の光ファイバ用毛細管に光ファ
イバを挿入する説明図、(C)は接着剤を固化する説明
図。
【図11】光ファイバスタブの作製方法の説明図であっ
て、(A)は光ファイバ付長尺毛細管から所定長さに切
断された短尺の光ファイバ付毛細管の説明図、(B)は
端面を面取り加工された短尺の光ファイバ付毛細管の説
明図、(C)は光ファイバ付部材の説明図、(D)は光
ファイバ付部材を斜めに分断する説明図(E)は光ファ
イバスタブの説明図。
【図12】光モジュールに使用される光ファイバ付毛細
管を加工した光ファイバスタブの説明図。
【図13】PC接続される光コネクタの要部説明図。
【符号の説明】
1 レーザーダイオード 2 レンズ 3、10 光コネクタプラグ 4、11 光コネクタ用フェルール 4a、7a、11a、20a、25a、31a 内孔 7、20、25 光ファイバ用毛細管 5、8、12、23、27 光ファイバ 5a、8a、12a、 光ファイバの端面 7b、7c、12b、20b、21c、22b、22
c、31b、31c、25b、25c 端面 9、13 割スリーブ 6、22 光ファイバスタブ 14、21f フランジ部材 21e、25e フレア部 21d、22d C面取り部 24、26 接着剤 25 毛細管 30 加熱オーブン 32 光ファイバ付部材 δ 平均線と山頂線との差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H036 QA13 QA17 QA20 4G059 AA11 AA20 AC30 4G062 AA06 AA18 BB06 DA06 DB04 DC01 DC02 DC03 DD01 DD02 DE03 DF01 EA03 EB01 EB02 EC03 ED01 ED02 ED03 EE01 EE02 EF01 EG01 EG02 EG03 FA01 FB03 FC03 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA03 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ04 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM04 MM40 NN40 QQ02 QQ10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバが挿入保持可能な内径を有す
    る内孔を備え、該内孔の表面粗さのRa値が0.1μm
    〜0.5μmであることを特徴とする光ファイバ用毛細
    管。
  2. 【請求項2】 内孔の表面粗さのRy値が4.0μm以
    下であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ
    用毛細管。
  3. 【請求項3】 内孔の表面粗さの平均線と山頂線との差
    が2.0μm以下であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の光ファイバ用毛細管。
  4. 【請求項4】 非晶質ガラス中に結晶を析出させた結晶
    化ガラスからなり、内孔の表面に結晶粒子が析出してい
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光フ
    ァイバ用毛細管。
  5. 【請求項5】 内孔の表面に、機械的な加工手段によっ
    て所定の表面粗さを設けてなることを特徴とする請求項
    1〜4の何れかに記載の光ファイバ用毛細管。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の光ファイ
    バ用毛細管に、一方の端部にスリーブへの挿入を案内す
    る面取り部と、他方の端部に開口して光ファイバを内孔
    に案内するフレア部とが形成されている光コネクタ用フ
    ェルール。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5の何れかに記載の光ファイ
    バ用毛細管と、該光ファイバ用毛細管の内孔に挿着され
    た光ファイバとを備えている光ファイバ付毛細管。
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