JP3811391B2 - 多芯マイクロキャピラリ、光回路部品、および接続構造体 - Google Patents

多芯マイクロキャピラリ、光回路部品、および接続構造体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信等に使用される多芯マイクロキャピラリ、該多芯マイクロキャピラリを有する光回路部品、および該光回路部品と多芯ファイバとを接続してなる接続構造体に関し、無調芯で光導波回路と光ファイバとを、精度よく簡単に接続できるように工夫したものである
【0002】
【従来の技術】
近年、平面基板上にコアとクラッドよりなる光導波回路を形成して各種の光回路(PLC)部品を構成しようとする研究開発が盛んに進められており、光通信や光ネットワークに応用されようとしている。
【0003】
光回路部品を実際のシステムで使用する場合、光信号の入出力部に光ファイバを接続しなければならない。この工程で最も重要なのは、如何にして低損失で光ファイバを接続するかである。すなわち、光導波回路のコアと光ファイバのコアとの光軸を精密に位置合わせする技術が必要となる。光軸に対する位置ズレが0.75μmで0.1dBの接続損失となるため、低接続損失の実現には位置ズレを0.75μm以下、大きくとも1μmにしなければならない。
【0004】
この実現のために、光回路部品と光ファイバに光を通して透過光が最大になるように両者を位置合わせする調芯接続法が行われている。この方法は、低損失でしかも確実に接続が実現でき、この手段で接続された光回路部品が光ネットワークに実用化され始めている。
【0005】
光回路部品の更なる発展のためには、低価格化や量産化技術の確立を図ることが必須の条件であり、そのための課題の一つが無調芯接続技術の確立である。
【0006】
無調芯接続技術の一つの方法として、図6及び図7に示すような、既存のMTコネクタ6と光回路部品を接続する方法が提案されている。MTコネクタ6は多芯ファイバの簡易接続用として開発されたコネクタであり、主なる使用方法は、図6及び図7のようなMTコネクタ6同士をガイドピン4によって接続して多芯光ファイバを一括で接続する方法であり、この接続方法を光回路部品の接続に応用したものである。即ち図6はMTコネクタ6と光回路部品を接続する模式図、図7は図6におけるA−A′の断面図である。この方法は、ガイドピン4によってMTコネクタ6と光回路部品を位置決めし、相対的に両者のコア同士をも位置決めする方法である。従って、この方法の接続損失はガイドピン4の位置と導波路コアの位置関係に依存する。
【0007】
図6及び図7に示す無調芯接続技術を更に詳述すると、基板1上に光導波回路2を形成してなる光回路部品には、ガイド用V溝3が形成されている。MTコネクタ6には、接着剤挿入口7から挿入された接着剤により多芯テープファイバ8が固定されている。そしてMTコネクタ6には、その端面にコア9が位置すると共に、ガイドピン4が備えられている。ガイドピン4は、ガイド用V溝3に挿入されると共に押さえ板5により押さえられて位置決めされる。これにより光導波回路2のコア2aと、多芯テープファイバ8のコア9とが位置合わせされる。
【0008】
また、従来の無調芯技術の第二の方法として、図8に示した方法が提案されている。この方法は、光導波回路2の端面に、図9に示す断面形状のガラス製の単芯のマイクロキャピラリ12を押さえ板10等を用いて任意の手段で調芯して固定し、その後、接続したい光ファイバ11をマイクロキャピラリ12に挿入する方法である。この方法は、マイクロキャピラリ12を固定する際にあらかじめ最適位置に調芯しなければならないが、それが故に再現性が良く、マイクロキャピラリ12を固定すれば、あとは、工程上最適な箇所で光ファイバ11を挿入すれば低接続損失が実現できる。
【0009】
更に、従来の無調芯技術の第三の方法として、図10及び図11に示す様にV溝基板14上に複数のV溝14aを形成すると共に、V溝14aの両端にダミーファイバ用V溝16、17を形成する。V溝14aに比べV溝16、17は浅くなっている。ダミーファイバ18、19をV溝16、17に入れ、押さえ板15を備え、接着剤21、22により固定する。押さえ板15とV溝14aとの空間が接続ファイバ挿入口20となり、接続する光ファイバを接続ファイバ挿入口20に挿入して接続が行なわれる。
【0010】
以上のようにして作製した多芯マイクロキャピラリ13を光導波回路端面のコアと位置合わせした後、接着固定する。
【0011】
このようにして光導波回路2とマイクロキャピラリ13を一体化すれば、その後の任意の工程でキャピラリ13に光ファイバを挿入することで低損失な接続が簡単にできる。つまり、多芯テープファイバ8を固定したファイバブロック24の接続用多芯ファイバ23を、多芯マイクロキャピラリ13の接続ファイバ挿入口20に挿入することにより、多芯光ファイバを無調芯で光導波回路に接続することができる(特開平9−90171号公報参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6及び図7に示す従来の第一の方法では、ガイドピン4をガイドするガイド用V溝3の位置精度に問題がある。即ち光導波回路2のコア2aは、シリコン基板1上に250±0.1μmのピッチで精度良く作製されている。このコア2aに対してガイド用V溝3の位置の寸法誤差は、例えば接続損失が0.1dB前後の低損失化を実現するためには、所定の寸法に対し1μm以下の精度で作製しなければならない。このガイド用V溝3は機械加工で作製されるが、機械加工による深さ方向の絶対精度は±5μm程度であり、そのバラツキも大きい。
【0013】
また、平面型の光導波回路2は基板1上にガラス回路を形成するため、基板1とガラス回路の膨張係数の差に依存して光導波回路2に反りが生じている。この反りは光導波回路2毎に異なるものであり、ガイド用V溝3の深さはこの反りも加味しなければならない。このような諸要因により、ガイド用V溝3の深さ精度を1μm以下に加工するのは非常に難しく、このために加工精度の再現性(歩留まり)は悪いという問題がある。
【0014】
また、MTコネクタ6は成形品であり、その金型は数百万と高価なものである。従って、任意のピッチのMTコネクタ6を安価に入手することはできない欠点がある。
【0015】
一方、図8及び図9に示す従来の第二の技術では、単芯の光ファイバを接続することは実用上問題はないが、図8に示した2芯以上の多芯光ファイバの接続には問題がある。すなわち、光導波回路2のコアは通常250μmピッチで設計されているので、マイクロキャピラリ12の外径は250μm以下でなければならないが、現実に内径126μmで外径が250μm以下のマイクロキャピラリ12を作製することは難しいことに加え、多芯の場合にはその数だけ調芯作業が必要になることなどの欠点がある。
【0016】
更に、図10及び図11に示す第三の技術では、V溝14aの寸法精度を良く加工できても、ダミーファイバ用V溝16、17にダミーファイバ18、19をおいて押さえ板15を共に接着固定する際に、V溝14aとダミーファイバ18、19と押さえ板15とを隙間なく固定することが難しく、加えて押さえ板15が湾曲して多芯のV溝14aの中央部では隙間が大きくなりすぎて接続用多芯ファイバ23が精度良く整列できないという問題を有している。
【0017】
また、部品点数が多いことと、V溝加工で精度を出すことが難しく、および組み立て加工が煩雑なことから、非常に製造原価が高価になり、低価格化を要求されている光部品市場では適用されてはいない。
【0018】
【課題を解決するための手段】
発明の第1の側面に係る多芯マイクロキャピラリは、光ファイバを挿入するための複数の貫通孔を有上記貫通孔のからの第1領域における平均結晶粒径は、該第1領域以外の第2領域における平均結晶粒径よりも大きいことを特徴とする。
【0019】
好ましくは、ジルコニアセラミックスを含んでなり、上記第1領域における平均結晶粒径は0.5μm以上であり、上記第2領域における平均結晶粒径は0.3〜0.4μmである
【0020】
好ましくは、上記第1領域は上記貫通孔の表面から50μm以内の範囲である
【0021】
本発明の第2の側面に係る光回路部品は、本発明の第1の側面に係る多芯マイクロキャピラリおよび光導波回路を含んでなることを特徴とする
【0022】
本発明の第3の側面に係る接続構造体は、本発明の第2の側面に係る光回路部品における上記複数の貫通孔に、複数の光ファイバを有する多芯ファイバの該複数の光ファイバを挿入してなることを特徴とする。
【0023】
好ましくは、上記多芯ファイバにおける複数の光ファイバの先端部は、先球状、テーパ状または楔状である
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する
【0025】
図1(a)は本発明の多芯マイクロキャピラリ13を示す斜視図、(b)は同図(a)のX−X線における断面図である
【0026】
図1に示すように、本発明の多芯マイクロキャピラリ13は、光ファイバを挿入するための少なくとも2以上の平行な貫通孔13aを有し、貫通孔13aと光ファイバを挿入する側の先端面13bの境界部13cが曲面形状であり、かつ貫通孔13aの内周面および境界部13cが熱によって溶融した表面からなることを特徴としている
【0027】
本発明の境界部13cおよび貫通孔13aの加工方法は、詳細については後述するがレーザ光を照射して加工することを特徴とする
【0028】
本発明の多芯マイクロキャピラリ13を形成する材料は、ジルコニアセラミックスの他、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウム、コージュライト、ムライト等を主成分とする結晶粒子を有するセラミックス、あるいは結晶化ガラスほう珪酸ガラス等の広い意味でのセラミックスであればどれでも用いることが出来る。
【0029】
なお、セラミックスは焼成が必要であるが、レーザ加工は焼成後に行うことが望ましい。
【0030】
また、レーザ加工にて形成された境界部13cおよび貫通孔13aの表面は、レーザ光の熱による滑らかな溶融した表面から形成され光ファイバを挿入しやすくするための滑らかな内壁表面を得ることが出来る
【0031】
に、境界部13c、貫通孔13aをより滑らかにする目的で、ウェットエッチングなどの処理を仕上げ加工として行うことが望ましい。レーザ加工部は、加工条件と材料の組み合わせにより、粒成長しすぎて、巨大粒子が形成されることがあり、光ファイバの挿入時もしくはその後の処理により脱粒が発生する可能性があり、例えばフッ酸を含有したエッチング液を用いてエッチング処理することにより、巨大粒子を除去することが望ましい。
【0032】
このようにして、境界部13cおよび貫通孔13aの表面粗さはRa0.2μm以下とすることが望ましい。
【0033】
上記境界部13cおよび貫通孔13aはレーザ加工の熱により粒子が成長し、他の部分に比べて平均粒子径が大きくなることで、レーザ加工面であることを判別することが出来る。
【0034】
又、多芯マイクロキャピラリ13がジルコニアセラミックスからなる場合には、境界部13cおよび貫通孔13aの平均結晶粒径が0.5μm以上であることが好ましい。また他の部分の平均結晶粒径は強度、熱劣化、ボイド等の観点から平均結晶粒径0.3μm〜0.4μmに設定することが特に望ましい。
【0035】
ここで、境界部13cおよび貫通孔13aの平均結晶粒径を0.5μm以上としているのは、レーザの熱によりジルコニアセラミックスの一部が溶融除去され、その結果として境界部13cおよび貫通孔13aの表面が溶融面となり、しかも滑らかな曲面形状をなすためには、その溶融時の熱によりジルコニアセラミックスの結晶が粒成長して0.5μm以上の平均結晶粒径となることが好ましいからである。
【0036】
なお、境界部13cおよび貫通孔13aの平均結晶粒径とは、それぞれの表面から50μm以内の領域における平均結晶粒径のことをいう。
【0037】
本発明の多芯マイクロキャピラリ13はシングルモ−ド、マルチモード共に適用できる。
【0038】
また、貫通孔13aの先端面13b側につながる部分の境界部13cに極めて滑らかな曲面形状が形成されていることが本発明の特徴である。
【0039】
次に図2に本発明の多芯マイクロキャピラリ13を用いて光導波回路2と接続用多芯ファイバ23を接続する状態を示す。
【0040】
図に示す様に、本発明の多芯マイクロキャピラリ13を光導波回路2の端面のコアと位置合わせした後、接着固定する。
【0041】
位置合わせの一つの方法は、多芯マイクロキャピラリ13の任意の2芯に光ファイバを挿入し押さえ板10で押さえ、この光ファイバに光を入射して光導波回路2と調芯する。調芯後、接続単面にUV接着剤を滴下して紫外線を照射し固定する。この工程に先立って、挿入した調芯用光ファイバは抜いておく。
【0042】
位置合わせの他の方法は、接続する光導波回路2の反対から白色光をあてて接続端面上のコア部が鮮明に分かるようにする。約8μm角のコアの中心点とマイクロキャピラリ13の中心点を合わせてUV接着剤を滴下し固定する。この作業は顕微鏡下で行い、例えば十字のマーカを基準にして、コアとマイクロキャピラリ13の各中心点を合わせる。
【0043】
このようにして光導波回路2とマイクロキャピラリ13を一体化すれば、その後の任意の工程でマイクロキャピラリ13の貫通孔13aに光ファイバを挿入することで低損失な接続が簡単にできる。
【0044】
次に、図3(a)は本発明の多芯マイクロキャピラリを用いて光導波回路と光ファイバを接続している状態を示す斜視図であり、多芯テープファイバ8を固定したファイバブロック24の接続用多芯ファイバ23を、多芯マイクロキャピラリ13の貫通孔13aに先端面13b側より挿入することにより、光導波回路2と光ファイバを直接に接続ができる。
【0045】
このとき境界部13cは曲面形状であり、滑らかな溶融面であるためスムーズに光ファイバを挿入できる。
【0046】
また、上記光ファイバの先端を先球状、テーパ状、楔状のように細くすることで反射を防止できる。例えば、図3(b)のように、多芯マイクロキャピラリ13に挿入する光ファイバに先球ファイバ23aを使用すれば、光導波回路2の接続面が直角研磨であっても接続部の反射損失を小さくすることができる。
【0047】
次に図4(a)〜(d)に本発明の多芯マイクロキャピラリ13の様々な形態を示す。
【0048】
図4(a)は長方形断面形状に大口径のガイドピン穴13dと光ファイバを挿入するための貫通孔13aが形成されている。図4(b)は外形形状が楕円断面であり、外形はいかなる形状であっても本発明の効果を奏することが出来る。図4(c)は貫通孔13aの周囲に精度の良い長方形断面形状の凹部13eを有し、ファイバブロックの先端面にこの凹部にはまり込むように凸部を形成しておき、両者を印籠で勘合することにより、より高精度な接続を実現できうる方法である。図4(d)は上記凹部13eを円形断面形状としたものであり、両者を勘合させる形状はいかなる形状であっても同等の効果を奏することが出来る。
【0049】
次に、境界部13cおよび貫通孔13aの加工方法を図5を用いて説明する。
【0050】
上述したように、多芯マイクロキャピラリ13は様々なセラミックスを用いることが出来るが、一例として、最も一般的に使用されているジルコニアセラミックスを用いて詳細に説明する。
【0051】
まず、予め射出成形、プレス成形、押出成形等で貫通孔13aの形成されていない形状に成形しておき、これを焼成する。
【0052】
次に、先端面13b側からレーザ光を照射して加工をおこなうレーザ加工は、多芯マイクロキャピラリ部材を保持治具25に固定し、レーザ26の照射軸が多芯マイクロキャピラリ部材の中心軸と合致するように位置合わせをおこなう。この時、多芯マイクロキャピラリ部材の寸法のバラツキにより数μm程度は機械的に位置ズレを生じる可能性があるために、マイクロメータ制御機構等を用いて多芯マイクロキャピラリ部材の保持治具25の位置を調整し、精密な位置合わせを行う。レーザ26のスポット径は貫通孔13aの最終仕上げ寸法になるように調整する必要がある。レーザ26のスポット径は予め真円にしておく必要があり、保持治具25は固定させている。
【0053】
また、レーザ26の照射軸を多芯マイクロキャピラリ部材の中心軸からいくらかずらしておき、保持治具25は回転させながらレーザ加工をおこなう方法でも同様の効果を奏することが出来る。
【0054】
加工は、レーザ26を先端面13b側から照射することにより、貫通孔13aを形成することが出来、それと同時にレーザ26の加工時に生じる被加工物の入射側のダレを利用し境界部13cに極めて滑らかな曲面形状を形成することができる。
【0055】
このとき、レーザ26の熱によりジルコニアセラミックスの一部が溶融除去され、その結果として境界部13cおよび貫通孔13aの表面が溶融面となり、しかも滑らかな曲面形状をなし、その溶融時の熱によりジルコニアセラミックスの結晶が粒成長し0.5μm以上の平均結晶粒径となる。
【0056】
加工に用いるレーザの種類としては、特に限定するものではなく、CO2レーザ、YAGレーザ、ガラスレーザ、エキシマレーザ等の公知のレーザを用いることができ、使用する材料によって適宜レーザの種類を選定することが出来る。例えばジルコニアセラミックスの場合、加工パワーの大きさから、設備価格、扱いさの点からYAGレーザを用いることが望ましい。
【0057】
又、レーザ加工の条件は多芯マイクロキャピラリ13の材質によって異なり、例えば、ジルコニア等のセラミックスやガラス等の無機物は、大出力のレーザ光を直接照射するとヒートショックによりクラックが発生する可能性があるため、レーザは間欠的に照射して円筒物本体が急激に温度上昇することを防いだり、レーザ照射前もしくは照射後、更には前後に出力を弱めたり、照射スポットを広げたりして出力を弱めたレーザ26を照射して予め多芯マイクロキャピラリ部材を加熱し、又ヒートショックを和らげるためヒータ等の加熱手段により予め多芯マイクロキャピラリ部材を加熱した状態でレーザ照射を行っても良い。
【0058】
以上、多芯マイクロキャピラリ部材は予め貫通孔13aがあいていないことで説明してきたが、あらかじめ成形にて下穴をあけておいて、本発明の加工方法にて境界部13cおよび貫通孔13aを仕上げる方法でもかまわない。
【0059】
【実施例】
実施例1ここで、以下に示す方法で実験を行った。
【0060】
図1に示すジルコニアセラミックス製の多芯マイクロキャピラリ13を外径2mm×4mm×6mm、貫通孔d=φ0.126mmで、本発明の方法でレーザ加工したサンプルを20個作成した。
【0061】
次に多芯マイクロキャピラリを長手方向に中心部で切断し、1000倍の走査型電子顕微鏡を用いた微構造写真から貫通孔13aおよび境界部13cの表面から50μm以内の領域とそれ以外の部分とをインターセプト法にて各40点測定し平均結晶粒径の平均値を算出した。
【0062】
その結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0003811391
【0064】
この結果より、それ以外の部分の平均結晶粒径は0.36μmであるのに対し、貫通孔13aおよび境界部13cの表面から50μm以内の領域の平均結晶粒径は0.83μmと粒成長しており、明らかに違いを判別することが出来る。
実施例2本発明の図1に示す多芯マクロキャピラリと比較例として従来の図11に示す多芯マクロキャピラリのサンプルを作成した。共にジルコニアセラミックス製として、外径2mm×4mm×6mm、貫通孔d=φ0.126mm、芯間距離250μm、芯数8芯とした。
【0065】
本発明の多芯マクロキャピラリのサンプルはジルコニアセラミックス基板にYAGレーザを用いて貫通孔13aと境界部13cを形成させ八芯マイクロキャピラリを作製した。
【0066】
また、従来の多芯マクロキャピラリのサンプルは、NC制御の機械によりジルコニアセラミックス基板基板に250μm間隔で角度が60度の第1のV溝を8本加工した。加工プログラムでは第1のV溝の深さを150μmとした。第1のV溝の両端から250μm間隔の位置に一対の第2のV溝を加工した。第2のV溝の深さは、第1のV溝より1.5μm浅い148.5μmとした。
【0067】
次に、第2のV溝に直径125μmのダミーファイバを整列させ、その上をガラス製の押さえ板で覆った。押さえ板15は接続面と反対側の端部を面取り加工し、また長さはV溝より短くすることで後のファイバ挿入がしやすいようにした。
【0068】
次に、V溝基板14と押さえ板15とダミーファイバで形成される空間で、ダミーファイバの外側の空間に毛細管現象でUV接着剤を浸透させ、紫外線を3分間照射した。次いで、接続端部を直角に研磨して八芯マイクロキャピラリを作製した。
【0069】
このようにして作製した本発明と従来のそれぞれの八芯マイクロキャピラリと、コア間隔が250μmピッチの1×8光導波回路を接続した。接続損失を明確にするため、1芯の入力側は従来の調芯法でファイバを完全に固定した。
【0070】
まず、調芯装置に光導波回路と八芯マイクロキャピラリをセットした。次いで、八芯マイクロキャピラリの1ポートと8ポートにファイバを挿入し、各ファイバを受光器にセットした。このような状態で入力ファイバに光を入射し、2ポートの光量が最大となるように自動調芯した。調芯後、調芯のために挿入したファイバを抜き取って光導波回路とマイクロキャピラリの接続面にUV接着剤を塗布し、次いで紫外線を2分間照射して両部品の接続を完了した。
【0071】
このような工程によって端面にマイクロキャピラリが接続された本発明と従来のそれぞれの1×8光導波回路を合計20個作製した。各光導波回路のマイクロキャピラリに8本のファイバを挿入し、接続損失を測定した。尚、8本のファイバには通常使用されている八芯テープファイバを用いた。また、光導波回路とファイバの接続面にはマッチングオイルを塗布した。
【0072】
その結果を表2に示す。
【0073】
【表2】
Figure 0003811391
【0074】
この結果より、反射減衰量は本発明、従来共に40〜50dBの範囲であり、あまり差は出なかったが、接続損失は従来のサンプルでは接続部合計160箇所の接続損失の平均が0.23dBであったのに対し、本発明のサンプルでは0.12dBであり非常に低損失という結果となった。これより、本発明の多芯マイクロキャピラリが高精度で作製されていることを示すものである。また、反射減衰量は40〜50dBの範囲であった。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、光ファイバを挿入するための複数の平行な貫通孔を有するセラミックス製の多芯マイクロキャピラリにおいて、貫通孔と一方先端面の境界部を曲面形状とし、かつ貫通孔の内周面および境界部が熱によって溶融した表面からなることを特徴とする多芯マイクロキャピラリと、このマイクロキャピラリを任意の手段で調芯して光導波回路の接続面に固定することを特徴とした本発明によれば、非常に寸法精度が良い2芯以上のマイクロキャピラリが作製できることや、キャピラリの間隔は光導波回路に合わせて自由に設定できる等の利点がある。また、このような高精度なマイクロキャピラリを光導波回路に接続すれば、その後は無調芯で接続部の光軸の軸ズレを最少に抑えることができ、従って再現性良く接続損失の低減化が図られる。さらに、接続ファイバに先球ファイバを用いることにより、接続面が直角であっても反射減衰量を大きくできる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の多芯マイクロキャピラリを示す斜視図、(b)は同図(a)のX−X線における断面図である。
【図2】(a)は本発明の多芯マイクロキャピラリを用いて光導波回路と光ファイバを接続する状態を示す斜視図、(b)はその断面図である。
【図3】(a)及び(b)は本発明の多芯マイクロキャピラリを用いて光導波回路と光ファイバを接続している状態を示す断面図である。
【図4】(a)〜(d)は本発明の多芯マイクロキャピラリの様々な形態を示す斜視図である。
【図5】本発明の多芯マイクロキャピラリの加工方法を示す概念図である。
【図6】従来の多芯マイクロキャピラリを用いて光導波回路と光ファイバを接続している状態を示す斜視図である。
【図7】図6のA−A′断面を示す断面図である。
【図8】従来の多芯マイクロキャピラリを用いて光導波回路と光ファイバを接続している状態を示す斜視図である。
【図9】従来の単芯のマイクロキャピラリを示す断面図である。
【図10】従来の多芯マイクロキャピラリを示す斜視図である。
【図11】従来の多芯マイクロキャピラリを用いて光導波回路と光ファイバを接続している状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 光導波回路
2a コア
3 ガイド用V溝
4 ガイドピン
5 押さえ板
6 MTコネクタ
7 接着剤挿入口
8 多芯テープファイバ
9 コア
10 押さえ板
11 光ファイバ
12 マイクロキャピラリ
13 多芯マイクロキャピラリ
13a 貫通孔
13b 先端面
13c 境界部
13d ガイドピン穴
13e 凹部
14 V溝基板
14a V溝
15 押さえ板
16 ダミーファイバ用V溝
17ダミーファイバ用V溝
18 ダミーファイバ
19 ダミーファイバ
20 接続ファイバ挿入口
21 接着剤層
22 接着剤層
23 接続用多芯ファイバ
23a 先球ファイバ
24 ファイバブロック
25 保持部材
26 レーザ

Claims (6)

  1. 光ファイバを挿入するための複数の貫通孔を有
    上記貫通孔のからの第1領域における平均結晶粒径は、該第1領域以外の第2領域における平均結晶粒径よりも大きいことを特徴とする多芯マイクロキャピラリ。
  2. ジルコニアセラミックスを含んでなり、上記第1領域における平均結晶粒径は0.5μm以上であり、上記第2領域における平均結晶粒径は0.3〜0.4μmである、請求項1記載の多芯マイクロキャピラリ。
  3. 上記第1領域は上記貫通孔の表面から50μm以内の範囲である請求項1または記載の多芯マイクロキャピラリ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の多芯マイクロキャピラリおよび光導波回路を含んでなることを特徴とする、光回路部品
  5. 請求項4に記載の光回路部品における上記複数の貫通孔に、複数の光ファイバを有する多芯ファイバの該複数の光ファイバを挿入してなることを特徴とする、接続構造体
  6. 上記多芯ファイバにおける複数の光ファイバの先端部は、先球状、テーパ状または楔状である、請求項5に記載の接続構造体
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