JPH08249875A - 固体磁気記録素子 - Google Patents

固体磁気記録素子

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JPH08249875A
JPH08249875A JP7054201A JP5420195A JPH08249875A JP H08249875 A JPH08249875 A JP H08249875A JP 7054201 A JP7054201 A JP 7054201A JP 5420195 A JP5420195 A JP 5420195A JP H08249875 A JPH08249875 A JP H08249875A
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JP
Japan
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solid
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ferromagnetic layer
recording element
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Application number
JP7054201A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Takahashi
義則 高橋
Shiho Okuno
志保 奥野
Koichiro Inomata
浩一郎 猪俣
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バイポーラスピンスイッチ構造を有し、かつメ
モリ機能を有する高性能の固体磁気記録素子を提供する
こと、および検出感度が高く、制御性の優れた固体磁気
記録素子を提供すること。 【構成】第1の金属強磁性層2aと、第2の金属強磁性
層2bと、これらの間に介装された非磁性層3とが積層
されて固体磁気記録素子が構成される。第1の金属強磁
性層2aと非磁性層3との間に通電されることにより第
2の金属強磁性層2bに基準電位からの電位変化が誘導
され、第1の金属強磁性層2aと第2の金属強磁性層2
bの磁化の向きが平行あるいは反平行配置のとき、電位
変化の極性が異なり、第1および第2の金属強磁性層2
a,2bは同一方向に膜面内の一軸磁気異方性が付与さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超高密度固体磁気記録に
適した簡単な構造の固体磁気記録素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録は磁気媒体と磁気ヘッド
の組み合わせで記録再生が行われている。これは磁性塗
膜や磁性薄膜を磁気記録媒体として、誘導型磁気ヘッド
のギャップ漏洩磁界の作用を利用してアナログ信号ある
いはデジタル信号を媒体に記録し、記録された信号パタ
ーンからの漏洩磁界を誘導型ヘッドあるいは磁気抵抗型
ヘッドにより検出して記録の再生を行うものである。
【0003】現在、このような磁気記録の中でハードデ
ィスクドライブは、性能面では記録密度が100Mb
(メガビット)/cm2 程度、データ転送速度は20M
b/s程度、アクセス時間は10ms程度である。また
磁気記録は磁性材料の側面からは桁違いの超高記録密度
の可能性を秘めているが、現実には、ハードディスクド
ライブ等では磁気ヘッドの位置決め精度等の問題から今
後飛躍的な性能向上は望めないものと考えられる。
【0004】従って、ハードディスクドライブは、将来
のディジタル情報ネットワークの超高密度記録、超高速
データ転送、超高速アクセス等の技術的要請に応えるこ
とが困難となる問題があると考えられる。
【0005】一方、最近、記録媒体として磁性薄膜を用
い、その磁気抵抗効果を利用した記録技術が研究開発さ
れており、既にサンドイッチ構造の磁性薄膜のチップを
情報担体として用いた時、1Mb/cm2 相当の記録密
度が得られることが実証されている(IEEE Tra
ns.on Mag.24,3117(1988))。
さらには、100Mb/cm2 相当の記録密度の理論的
研究もなされるようになっている(IEEE Tran
s.on Mag.25,4266(1989))。
【0006】この際の書き込みは、2層の強磁性層の磁
化の向きを平行および反平行に向けることによって2進
情報に対応させる方法が採用される。また、読み出し
は、センス線に一定電流を加え、同時に語線に語電流パ
ルスを加えることにより、2層の強磁性層の磁化が容易
軸方向に沿って平行あるいは反平行状態から困難軸方向
へ回転して抵抗が変化して、記録情報に応じて正または
負の電圧パルスが発生することによりなされる。
【0007】しかしながら、このような磁気抵抗効果を
利用した記録技術の場合も、読み出し電圧の大きさは概
略的にビット担体であるサンドイッチ構造をなす積層膜
の体積に比例することになり、記録密度の向上もハード
ディスクドライブと同じ程度が限界と考えられる。
【0008】とはいうものの、上記磁気抵抗効果記録
は、不揮発性記録、ランダムアクセス可能、非破壊読み
出し、耐放射線等の優れた性能特性を有している。他
方、最近パーマロイ(70nm)/Au(98nm)/
パーマロイ(70nm)あるいはパーマロイ(70n
m)/Au(98nm)/Co(70nm)のサンドイ
ッチ構造を持つ積層膜において、パーマロイ/Au間に
通電することによって他のパーマロイあるいはCoに電
位変化が誘導され、2つの強磁性層のそれぞれの磁化の
向きが平行あるいは反平行配置のとき電位変化の極性が
異なるという、いわゆるバイポーラスピンスイッチの現
象が見い出されている(Science 260,32
0(1993),Phys.Rev.Lett.70,
2142(1993))。
【0009】この現象は次のように説明される。すなわ
ち、第1の金属強磁性層(F1)から非磁性層(P)へ
スピン偏極電子が流れると、非磁性層内に非平衡定常状
態の磁気分極が誘導され上向きスピン電子のフェルミ準
位が上昇し、下向きスピン電子のフェルミ準位が下降す
る。このとき第2の金属強磁性層(F2)の磁化の向き
がF1の磁化の向きと平行ならば、F2の上向きスピン
電子のフェルミ準位がPの上向きスピン電子のフェルミ
準位とレベルを揃えるように上昇して、基準電位から正
の電位変化が誘導される。一方、F2の磁化の向きがF
1の磁化の向きと反平行ならば、F2の下向きスピン電
子のフェルミ準位がPの下向きスピン電子のフェルミ準
位とレベルを揃えるように下降して、基準電位から負の
電位変化が誘導される。
【0010】このバイポーラスピンスイッチの特徴とし
ては、F1/P/F2の接合面積が小さくなるほど、つ
まり素子サイズが小さいほど、電位変化が増大し性能向
上と低消費電力化を図ることが一般的に可能となること
であり、そのためバイポーラスピンスイッチは本質的に
超高密度固体磁気記録に適した記録素子の特性を備えて
いると言える。
【0011】しかし、上記従来のバイポーラスピンスイ
ッチはメモリ機能をもたないという問題がある。また、
パーマロイ/Au/パーマロイあるいはパーマロイ/A
u/Co系では、サイズ面積が10-2mm2 、PからF
1への電流が〜10mA(F1/P接合部の電流密度が
〜100A/cm2 )、Pの膜厚が〜100nm、測定
温度65Kのとき、電位変化が10-8Vと非常に微少で
あるという重大な問題がある。従って、バイポーラスピ
ンスイッチは新規な現象であるが、このままでは実用性
に乏しく、また実用に供する際に適合する物質の論議は
なされていないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点を考
慮しなされたものであり、その目的は、第1に、バイポ
ーラスピンスイッチ構造を有し、かつメモリ機能を有す
る高性能の固体磁気記録素子を提供することにある。第
2に検出感度が高く、制御性の優れた固体磁気記録素子
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するために、本発明は、第1に、第1の金属強磁性層
と、第2の金属強磁性層と、これらの間に介装された非
磁性層とが積層されて構成され、第1の金属強磁性層と
非磁性層との間に通電されることにより第2の金属強磁
性層に基準電位からの電位変化が誘導され、第1の金属
強磁性層と第2の金属強磁性層の磁化の向きが平行ある
いは反平行配置のとき、電位変化の極性が異なる固体磁
気記録素子であって、第1および第2の金属強磁性層は
同一方向に膜面内の一軸磁気異方性が付与されているこ
とを特徴とする固体磁気記録素子を提供する。
【0014】第2に、直接遷移型半導体と、金属強磁性
層と、これらの間に介装された非磁性層とが積層されて
構成され、直接遷移型半導体への円偏光の照射によって
スピン偏極電子が励起され、この直接遷移型半導体と非
磁性層との間に通電されることにより金属強磁性層に基
準電位からの電位変化が誘導され、直接遷移型半導体中
で励起されたスピン偏極電子の向きと、金属強磁性層の
磁化の向きと対応する金属強磁性層のスピンの向きとが
平行あるいは反平行のとき、電位変化の極性が異なるこ
とを特徴とする固体磁気記録素子を提供する。
【0015】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の第1の態様は、第1の金属強磁性層と第2の金属
強磁性層と、その間に介装された非磁性層とが積層され
て構成され、第1の金属強磁性層と非磁性層との間の通
電により第2の金属強磁性層に基準電位からの電位変化
が誘導され、第1の金属強磁性層と第2の金属強磁性層
の磁化の向きが平行あるいは反平行配置のとき、電位変
化の極性が異なるというバイポーラスピンスイッチの構
造および機能を基本としている。
【0016】この場合に、第1の金属強磁性層からスピ
ン偏極電子が非磁性層に流れ、非磁性層内には非平衡定
常状態で磁気モーメントが蓄積される。この蓄積された
磁気モーメントは、非磁性層内の上向きスピン電子のフ
ェルミ準位を上昇させ下向きスピン電子のフェルミ準位
を下降させる。このメカニズムを現象論的に解明する
と、上向き下向き両スピン電子のフェルミ準位間のシフ
ト幅は(蓄積磁気モーメント/スピン帯磁率)に比例
し、第1および第2の金属強磁性層物質のスピン偏極度
の積に比例する関係がわかる。
【0017】従って、スピン帯磁率の小さい物質を非磁
性層に選択すればバイポーラスピンスイッチの性能向上
を図ることができる。つまり、非磁性層としてはフェル
ミ準位がspバンドに位置するAl,Ga,In,Zn
等の単純金属、もしくはsバンドに位置するCu,A
g,Au等の貴金属が適しており、またフェルミ準位で
の状態密度が非常に小さいグラファイト,As,α−S
n,Bi,BiSb合金等の半金属(セミメタル)、あ
るいはアモルファス半導体、不純物半導体も適してい
る。また、貴金属のうちでもCu,Agは隣接する強磁
性層を面内磁化し易く、本発明の固体磁気記録素子に対
して好ましい特性を備えている。
【0018】次に金属強磁性層物質としては、一方方向
スピン電子が金属的で他方方向スピン電子が絶縁体的な
半金属(ハーフメタリック)強磁性体、もしくは一般式
2YZ(Xは遷移金属、YはMn、Zは非磁性元素)
のホイスラー合金がスピン偏極度が大きく適している。
【0019】ここで、半金属強磁性体としては、Xx
´1-x MnSb(ただし、XおよびX´はPt,Ni,
Co,Fe,Ir,RhおよびOsから選択された元
素、xは0〜1の範囲)、PtMnSn,Mn2 Sb,
VPd3 等が挙げられる。
【0020】また、ホイスラー合金はホイスラー型構造
と呼ばれる規則格子を有する体心立方晶の合金である。
ここでMnの一部は、ホイスラー型構造の規則格子が保
たれる限りは、X,Zと置換されも良い。なおX:Y:
Zの比率は強磁性が保たれる範囲で多少ずれても良い。
ホイスラー合金におけるX元素はホイスラー合金を形成
した時にホイスラー合金が強磁性を示す遷移金属であれ
ば何でも良いが、Cu,Co,Niを用いたものが特に
良好な積層膜を作製しやすい。またZ元素としてはA
l,Sn,In,Sb,Ga,Si,Geなどを用いる
ことができる。
【0021】さらに、スピン偏極度が適度な大きさを持
つならば上記強磁性物質の他でも良く、Fe,Co,も
しくはNiの金属、またはFe,CoおよびNiのうち
少なくとも1種を成分に含む合金またはアモルファス合
金等の強磁性体が好ましい。
【0022】一方、固体磁気記録素子にとって、強磁性
層の磁化方向を外部の局所磁界によって容易軸方向に反
転し安定させることは欠かせない機能であり、この機能
は第1および第2の金属強磁性層に対し同一方向に膜面
内の一軸磁気異方性を付与することにより達成される。
また、このような一軸磁気異方性を付与することにより
素子全体としてのスピン偏極度の低下も防止することが
できる。
【0023】このとき、磁化の反転磁界と磁化安定およ
びスピン偏極度を高めることを考慮すると、一方の強磁
性層の一軸磁気異方性エネルギーは105 〜107 er
g/cm3 の範囲が適当である。また素子の使いやすさ
を考慮すると105 〜106erg/cm3 の範囲が特
に好ましい。
【0024】一軸磁気異方性を付与する方法としては、
磁場中成膜、成膜後磁場中熱処理などを採用することが
できるし、膜形成用の基板に特定結晶方位のものを用い
て形成膜を基板にエピタキシャル成長させることで成膜
中に歪を導入し特定方位の異方性を導入する方法を採用
することもできる。
【0025】また、非磁性層膜厚について、非磁性層内
電子のスピン拡散長、すなわち、電子がスピンフリップ
を起こすまでに移動する平均距離より十分小のとき、バ
イポーラスピンスイッチの性能は膜厚に逆比例し、十分
大のとき膜厚に関し指数関数的に急速に性能低下が起こ
ることが現象論的に解明できる。具体的には、膜厚が1
00nm以下では性能低下は無く、それ以上で性能低下
が顕著になることが測定から明らかになった。しかし、
膜厚が1nm以下になると第1と第2の強磁性層間に磁
気層間相互作用が働き始め、磁化方向の反転および安定
に関し複雑な様相を示し、固体磁気記録素子にとって好
ましくない影響が現れる。従って、非磁性層の膜厚は1
〜100nmであることが好ましい。
【0026】一方、非磁性層に誘導される磁気分極を高
めバイポーラスピンスイッチの性能向上を図る観点から
素子の平面サイズが100μm2 以下であることが好ま
しい。また、素子の平面サイズが第1および第2の金属
強磁性体の単磁区サイズ以下であることがより好まし
い。
【0027】図1にこの態様に係る固体磁気記録素子の
概略構成の断面図を示し、図2にその斜視図を示す。こ
の固体磁気記録素子1は、第1の金属強磁性層2aと、
非磁性層3と、第2の金属強磁性層2bとを順に積層し
て構成されている。第1の金属強磁性層2aと非磁性層
3との間には電源6が接続されており、非磁性層3と第
2の金属強磁性層2bとの間には電位計5が接続されて
いる。これら第1および第2の金属強磁性層2a,2b
は一軸磁気異方性が付与されており、これらの磁化は図
中矢印で示すように互いに平行または反平行である。
【0028】図3、図4はそれぞれ上記のように構成さ
れる固体磁気記録素子1の電流供給前および電流供給中
の各層の電子状態密度を示す図であり、図中矢印は電子
スピンの向きである。なお、これらの図では、第2の金
属強磁性層2bの磁化の向きが第1の金属強磁性層2a
の磁化の向きと平行の場合と、反平行の場合と両方示し
ている。
【0029】これらの図に示すように、第1の金属強磁
性層2aから非磁性層3へスピン偏極電子が流れると非
磁性層3内に非平衡定常状態の磁気分極が誘導され上向
きスピン電子のフェルミ準位が上昇し、下向きスピン電
子のフェルミ準位が下降する。このとき、第2の金属強
磁性層2bの磁化の向きが第1の金属強磁性層2aの磁
化の向きと平行ならば、第2の金属強磁性層2bの上向
きスピン電子のフェルミ準位が非磁性層の上向きスピン
電子のフェルミ準位とレベルを揃えるように上昇して、
基準電位から正の電位変化が誘導される。一方、第2の
金属強磁性層2bの磁化の向きが第1の金属強磁性層2
aの磁化の向きと反平行ならば、第2の金属強磁性層の
下向きスピン電子のフェルミ準位が非磁性層の下向きス
ピン電子のフェルミ準位とレベルを揃えるように下降し
て、基準電位から負の電位変化が誘導される。
【0030】なお、非磁性層と第2の金属強磁性層との
電位変化を測定するに際して、これらの接合部より離れ
た位置に非磁性層側へのリード線の接続点を設定する。
上記図1、図2に示したような固体磁気記録素子の各層
は、MBE(分子線エピタキシー)法や超高真空スパッ
タリング法などの超高真空を用いる薄膜形成法で作製す
ることができるが、RFマグネトロンスパッタリング
法、イオンビームスパッタリング法、真空蒸着法など初
期真空度が10-7Torr以下の通常の薄膜形成技術で
も作製することができる。また、層形状はリソグラフィ
と化学エッチング等によって適宜加工することができ
る。
【0031】次に、本発明の第2の態様について説明す
る。第2の態様の固体磁気記録素子は、直接遷移型半導
体および金属強磁性層と、その間に介装された非磁性層
とが積層されて構成され、直接遷移型半導体への円偏光
の照射によってスピン偏極電子が励起され、この直接遷
移型半導体と非磁性層との間に通電されることにより金
属強磁性層に基準電位からの電位変化が誘導され、直接
遷移型半導体中で励起されたスピン偏極電子の向きと、
金属強磁性層の磁化の向きと対応する金属強磁性層のス
ピンの向きとが平行あるいは反平行のとき、電位変化の
極性が異なるものである。
【0032】すなわち、この態様では、直接遷移型半導
体への円偏光の照射によってスピン偏極電子が励起さ
れ、このスピン偏極電流が非磁性層に流れ、非磁性層内
には非平衡定常状態で磁気モーメントが蓄積される。こ
の蓄積された磁気モーメントは、非磁性層内の上向きス
ピン電子のフェルミ準位を上昇させ、下向きスピンの電
子のフェルミ準位を下降させる。従って、従来のバイポ
ーラスピンスイッチとは構成および動作原理が異なる。
【0033】これらの間の大きな違いは、従来のものが
スピン偏極電子発生源として金属強磁性層を用いるのに
対して、本態様では円偏光を直接遷移型半導体へ照射す
ることによってスピン偏極電子電流を得る点にある。
【0034】現象論的解明から、強磁性層内での上向き
下向き両スピン電子のフェルミ準位の間のシフト幅は、
スピン偏極電子源のスピン偏極度に比例することがわか
っている。そして、従来スピン偏極電子源として用いら
れている通常の強磁性体、例えばFe,Ni,Coなど
のスピン偏極度は最高で数10%であるが、本態様のよ
うにスピン偏極電子源として直接遷移型半導体を用いた
場合のスピン偏極度は、例えば代表的な例であるGaA
sの場合、通常で40%のスピン偏極度が得られ、さら
に歪みを導入したり人工格子膜化することによって10
0%近くのスピン偏極電子を発生することができる。従
って、この態様の固体磁気記録素子によれば、従来のバ
イポーラスピンスイッチの数倍の検出感度が得られる。
【0035】また、スピン偏極電子発生源として強磁性
層を用いた固体磁気記録素子の場合には、この層の磁化
が検出部に用いられる強磁性層の磁化の向きを制御する
ための外部磁場の影響を受けやすい等の欠点があるが、
この態様のようにスピン偏極電子発生源として直接遷移
型半導体を用いた場合には、スピンの向きは円偏光の向
きおよび円偏光の照射方向にのみによって決まり、従っ
て制御性が向上する。
【0036】この場合、円偏光の照射方向を膜面垂直と
すると、励起されるスピン軸は膜面垂直方向となり、面
内方向に近い方向から照射するとスピン軸はほぼ面内に
近くなる。さらに円偏光の照射方向は検出層となってい
る強磁性層の磁化容易軸方向と平行にするのが好まし
く、従って、円偏光の照射方向が膜面垂直の場合には強
磁性層が垂直磁化膜であることが好ましく、面内方向に
近い方向から照射する場合には面内磁化膜であることが
好ましい。すなわち、強磁性層が膜面に平行または垂直
方向に一軸磁気異方性を有していることが好ましい。な
お、直接遷移型半導体で励起されるスピン偏極電子の向
きは、円偏光の向きで決定される。
【0037】スピン偏極電子が励起される領域は円偏光
が照射される領域である。記録密度を超高密度化するた
めには、特にエバネセンス光を利用することが好まし
い。これを利用することにより、スピン偏極電子源部の
実質的面積を微細加工せずに数十nm以下に絞ることが
可能である。これは、ほぼスピン偏極電子が照射された
部分のみが非磁性層との間に電流を流すことが可能とな
るためであり、その部分の面積を小さくするほど感度を
高くすることができる。
【0038】ただし、このスピン偏極電子が流れる面積
は、直接遷移型半導体を従来のバイポーラスピントラン
ジスタのように微細加工することによっても小さくする
ことができる。
【0039】直接遷移型半導体としては、GaAsなど
の化合物半導体、CdSiAs2 などのカルコパライト
型半導体などの他、サイズ効果によって本来バルクでは
間接遷移型半導体であるものが直接遷移型に変化したS
iなども用いることができる。
【0040】非磁性層および金属強磁性層としては、従
来のバイポーラスピンスイッチに用いられる物質と同様
なものを使用することができる。非磁性層としては、A
l,Ga,In,Zn等の単純金属、あるいはCu,A
g,Au等の貴金属、グラファイト,As,α−Sn,
Bi,BiSb合金等の半金属(セミメタル)、あるい
はアモルファス半導体、不純物半導体が好ましい。
【0041】また、金属強磁性層としては、Fe,C
o,Ni等の遷移金属またはこれらをを含む合金、Xx
X´1-x MnSb(ただし、XおよびX´はPt,N
i,Co,Fe,Ir,RhおよびOsから選択された
元素、xは0〜1の範囲)、PtMnSn,Mn2
b,VPd3 等の半金属(ハーフメタリック)強磁性
体、および一般式X2 YZ(Xは遷移金属、YはMn、
Zは非磁性元素)のホイスラー合金が好ましい。
【0042】図5にこの態様に係る固体磁気記録素子の
概略構成の斜視図を示し、図6にその断面図を示す。固
体磁気記録素子11は、直接遷移型半導体14と、金属
強磁性層12と、これらの間に介装された非磁性層13
とが積層されて構成されている。この固体磁気記録素子
11の上方には円偏光源17が設けられており、この円
偏光源17から直接遷移型半導体14へ円偏光18を照
射することによってスピン偏極電子が励起される。一
方、直接遷移型半導体14と非磁性層13との間には電
源16が接続されており、金属強磁性層12と非磁性層
13との間には電位計15が接続されている。そして、
この電源16により直接遷移型半導体14と非磁性層1
3との間に通電することにより、金属強磁性層12に基
準電位からの電位変化が誘導され、それが電位計15に
より把握される。この場合に、直接遷移型半導体14中
で励起されたスピン偏極電子の向きと、金属強磁性層1
2の多数のスピンの向き、すなわち金属強磁性層の磁化
の向きと対応する金属強磁性層のスピンの向きとが平行
あるいは反平行のとき、電位変化の極性が異なる。な
お、図5、図6に示したこの態様の固体磁気記録素子の
各層も、第1の態様と同様の薄膜形成技術により製膜す
ることができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明す
る。 (実施例1)この実施例では、図7に示す層構成を有す
る固体磁気記録素子を作製した。この素子は、基板21
上に配線層22が形成され、その上に第1の金属強磁性
層23、非磁性層24、第2の金属強磁性層25が順に
形成され、第2の金属強磁性層25の上に配線層26が
形成されている。また、第1および第2の金属強磁性層
23、25の周囲には、それぞれ絶縁層27、28が形
成されている。
【0044】ここでは、基板21としてシリコンウェー
ハを用い、第1および第2の金属強磁性層23、25に
PtMnSb(ハーフメタリック強磁性体)、非磁性層
24にはSb(セミメタル)を用いた。また、配線層2
2、26にはAuを、絶縁層27、28にはAl23
を用いた。
【0045】これら各層はイオンビームスパッタリング
法により製膜し、リソグラフィおよびエッチングのシリ
コンテクノロジーにより各層の形状に加工した。これら
の層を形成するに際しては、チェンバ内に基板としての
シリコンウェーハを設置した状態で、先ず、チェンバ内
を5×10-7Torrまで排気した後、Arを1×10
-4Torrまで導入し、スパッタリングArイオンの加
速電圧600V、ビーム電流30mAの条件でスパッタ
リングを行う。磁性膜積層時には基板面と平行に30O
eの直流磁界を印加しておく。ターゲットとしてはA
u,PtMnSb,Al23 、およびSbを用意す
る。
【0046】最初にシリコンウェーハ上にAu層100
nm、第1の強磁性層としてのPtMnSb層70nm
を順番に積層する。リソグラフィとエッチングで約1μ
m角のPtMnSb/レジスト層を形成した後、絶縁層
としてAl23 層70nmを全面積層し、PtMnS
b/レジスト層のレジスト部分をリフトオフする。
【0047】次に、非磁性層としてSb層10nm、第
2の強磁性層としてPtMnSb層70nmを順次全面
積層して、再度リソグラフィとエッチングで約1μm角
のPtMnSb/レジスト層を形成する。
【0048】更に、第2のPtMnSb層に対し絶縁層
としてAl23 を積層被覆後レジスト層を取り除きリ
フトオフする。そして最後にAu電極を積層する。この
ようにしてシリコンウェーハ/(PtMnSb(70n
m)/Sb(10nm)/PtMnSb(70nm))
の固体磁気記録素子を作製した。ここで、第1および第
2の強磁性層には同一方向に一軸磁気異方性を磁場中成
膜により付与してある。
【0049】なお、本実施例ではシリコンウェーハを基
板としたが、ガラスやMgO基板等でもよく、また絶縁
層としてはSiO2 や他の絶縁体を用いてもよい。上記
構成の本実施例の素子を用いて測定した磁気特性を図8
(a)に示し、第1の金属強磁性層(PtMnSb層)
と非磁性層(Sb層)の間に流れる電流が10mAの下
でのSb層と第2の金属強磁性層の間の電位変化ΔVと
外部印加磁場との関係を図8(b)に示す。このとき第
1の金属強磁性層としてのPtMnSb層と非磁性層と
してのSb層の接合部の電流密度は106 A/cm2
ある。この測定結果は室温での結果であり、図8の結果
から第1および第2の金属強磁性層としてのPtMnS
b膜の保磁力の僅かな差により、磁化の向きが平行およ
び反平行の磁化状態が出現し、磁化状態に対応して約3
mVという大きな電位変化ΔVが極性を変えることが確
認された。
【0050】(実施例2)第1および第2の強磁性層と
してNiMnSb70nmを用い、非磁性層としてSb
10nmを用いて、実施例1と同様な方法でシリコンウ
ェーハ/(NiMnSb(70nm)/Sb(10n
m)/NiMnSb(70nm))の固体磁気記録素子
を作製した。この素子のΔV−Hの特性図を図9に示す
が、結果は実施例1とほとんど同じであった。
【0051】(実施例3)第1および第2の強磁性層と
してPtMnSb70nmを用い、非磁性層としてAl
10nmを用いて、実施例1と同様な方法でシリコンウ
ェーハ/(PtMnSb(70nm)/Al(10n
m)/PtMnSb(70nm))の固体磁気記録素子
を作製した。この素子のΔV−Hの特性図を図10に示
す。この図から約2mVという電位変化ΔVが磁化状態
に応じて極性を変えることが確認された。
【0052】(実施例4)第1および第2の強磁性層と
してNiMnSb70nmを用い、非磁性層としてアモ
ルファスSi10nmを用いて、実施例1と同様な方法
でシリコンウェーハ/(NiMnSb(70nm)/ア
モルファスSi(10nm)/NiMnSb(70n
m))の固体磁気記録素子を作製した。この素子のΔV
−Hの特性図を図11に示す。この場合も、約2.5m
Vという電位変化ΔVが磁化状態に応じて極性を変え、
スピンバイポーラスイッチの顕著な現象が確認された。
【0053】(実施例5)第1および第2の強磁性層と
してPtMnSb70nmを用い、非磁性層としてCu
10nmを用いて、実施例1と同様な方法でシリコンウ
ェーハ/(PtMnSb(70nm)/Cu(10n
m)/PtMnSb(70nm))の固体磁気記録素子
を作製した。この素子のΔV−Hの特性図を図12に示
す。この図から約1.5mVという電位変化ΔVが磁化
状態に応じて極性を変えることが確認された。
【0054】(実施例6)第1および第2の金属強磁性
層にCu2 MnAl(ホイッスラー合金)を用い、非磁
性層にはSb(セミメタル)を用いて実施例1と同様な
方法でシリコンウェーハ/(Cu2 MnAl(70n
m)/Cu(10nm)/Cu2 MnAl(70n
m))の固体磁気記録素子を作製した。この素子のΔV
−Hの特性図を図13に示す。この図に示すように、実
施例5の結果とほぼ同じく約1.5mVという電位変化
ΔVが磁化状態に応じて極性を変えることが確認され
た。
【0055】(実施例7)次に、本発明の第1の態様に
係る固体磁気記録素子の性能の非磁性層膜厚依存性につ
いて説明する。
【0056】実施例1と同様な方法で、シリコンウェー
ハ/(PtMnSb(70nm)/Sb(tnm)/P
tMnSb(70nm))、シリコンウェーハ/(Ni
MnSb(70nm)/Sb(tnm)/NiMnSb
(70nm))、シリコンウェーハ/(PtMnSb
(70nm)/Al(tnm)/PtMnSb(70n
m))の固体磁気記録素子についてt=10,50,1
00,500,1000,1500に設定した素子サン
プルを作製し、これらの|ΔV/ΔV(t=10nm)
|を測定した。その結果を図14に示す。図中○印はシ
リコンウェーハ/(PtMnSb(70nm)/Sb
(tnm)/PtMnSb(70nm))およびシリコ
ンウェーハ/(NiMnSb(70nm)/Sb(tn
m)/NiMnSb(70nm))について示し、△印
はシリコンウェーハ/(PtMnSb(70nm)/A
l(tnm)/PtMnSb(70nm))について示
す。この図に示すように、いずれのサンプルにおいても
t=100nm以下ではΔVの顕著な低下は認められな
かった。
【0057】(実施例8)この実施例では、図15に示
す層構成を有する固体磁気記録素子を作製した。この素
子は、直接遷移型半導体31上に非磁性層32が形成さ
れ、その上に金属強磁性層33が形成されている。直接
遷移型半導体31の下および金属強磁性層33の上には
それぞれ配線層34、35が形成されている。また、金
属強磁性層33の周囲には絶縁層36が形成されてい
る。
【0058】ここでは直接遷移型半導体31としてGa
As、非磁性層32としてAu、金属強磁性層33とし
てCoを用い、絶縁層36としてAl23 を用いた。
膜形成は、GaAsを基板として用い、AuおよびCo
についてはMBE法により、また絶縁層であるAl2
3 は高周波スパッタリング法により成膜を行い、リソグ
ラフィによって加工を行った。
【0059】まず、GaAs基板をMBE成長室内で表
面清浄化した後、Auを成長させ、続いてCoを成長さ
せた。このCo膜をリソグラフィとエッチングにより約
1μm×1μmに加工した後、さらに絶縁層としてAl
23 層を全面に形成し、レジスト部分をリフトオフし
た。そして、Co層の上にAu配線層を形成した。ま
た、GaAs基板は裏面からのエッチングにより厚さ約
100nm程度とし、この面にも配線層を形成した。
【0060】外部磁場が印加された状態で、この固体磁
気記録素子のGaAs基板に対し、波長830nmで直
径がおよそCo層を覆う程度の大きさを持つ円偏光を照
射した。図16(a)にその際の磁気特性を示し、
(b)に非磁性層としてのAu層と金属強磁性層として
のCo層との間に生じる電位変化ΔVと外部印加磁場H
との関係を示す。この図から、Co層の磁化の向きに対
応して、約5mVの電位変化が極性を変えることが確認
された。
【0061】(実施例9)実施例8と同様の方法で、図
17に示す構造を有する固体磁気記録素子を作製した。
実施例1の素子との違いは、GaAs部分もCo層と同
様のサイズに微細加工した点にある。このような構造の
固体磁気記録素子は、レーザー光の照射面積を絞れない
場合、例えば面内方向に近い方向から照射する場合に
は、特に好ましい。この固体磁気記録素子を用いて実施
例8と同様にΔV−H特性を測定したところ磁化状態に
応じて電位変化ΔVが極性を変えることが確認された。
【0062】(実施例10)実施例8と同じ構造の固体
磁気記録素子を膜の材料を変えてスパッタリング法およ
びリソグラフィにより作製した。
【0063】金属強磁性層を半金属(ハーフメタル)の
PtMnSb、ホイスラー合金のCu2 MnAlに代
え、また非磁性層をアモルファスSi、半金属(セミメ
タル)のBi、単純金属のAlに代えて固体磁気記録素
子を作製し、実施例8と同様にΔV−H特性を測定した
ところ、いずれも磁化状態に応じて電位変化ΔVが極性
を変えることが確認された。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明の第1の態様
によれば、バイポーラスピンスイッチ構造を有し、メモ
リ機能を有する高性能の固体磁気記録素子が提供され
る。また、本発明の第2の態様によれば、従来のバイポ
ーラスイッチよりも検出感度が高くかつ制御性に優れ、
簡略なプロセスで作製することができる固体磁気記録素
子が提供される。従って、超高密度固体磁気記録に適し
た固体磁気記録素子を実用に供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様に係る固体磁気記録素子の
概略構成を示す断面図。
【図2】本発明の第1の態様に係る固体磁気記録素子の
概略構成を示す斜視図。
【図3】本発明の第1の態様に係る固体磁気記録素子の
各層の電流供給前の電子状態密度を示す図。
【図4】本発明の第1の態様に係る固体磁気記録素子の
各層の電流供給中の電子状態密度を示す図。
【図5】本発明の第2の態様に係る固体磁気記録素子の
概略構成を示す斜視図。
【図6】本発明の第2の態様に係る固体磁気記録素子の
概略構成を示す断面図。
【図7】実施例1に係る固体磁気記録素子の構成を示す
断面図。
【図8】実施例1に係る固体磁気記録素子を用いて測定
した磁気特性および非磁性層と第2の金属強磁性層との
間の電位変化ΔVと外部印加磁場との関係を示す図。
【図9】実施例2に係る固体磁気記録素子を用いて測定
した非磁性層と第2の金属強磁性層との間の電位変化Δ
Vと外部印加磁場との関係を示す図。
【図10】実施例3に係る固体磁気記録素子を用いて測
定した非磁性層と第2の金属強磁性層との間の電位変化
ΔVと外部印加磁場との関係を示す図。
【図11】実施例4に係る固体磁気記録素子を用いて測
定した非磁性層と第2の金属強磁性層との間の電位変化
ΔVと外部印加磁場との関係を示す図。
【図12】実施例5に係る固体磁気記録素子を用いて測
定した非磁性層と第2の金属強磁性層との間の電位変化
ΔVと外部印加磁場との関係を示す図。
【図13】実施例6に係る固体磁気記録素子を用いて測
定した非磁性層と第2の金属強磁性層との間の電位変化
ΔVと外部印加磁場との関係を示す図。
【図14】本発明の第1の態様に係る固体磁気記録素子
の性能の非磁性層膜厚依存性を示す図。
【図15】実施例8に係る固体磁気記録素子の構成を示
す断面図。
【図16】実施例8に係る固体磁気記録素子を用いて測
定した磁気特性および非磁性層と金属強磁性層との間の
電位変化ΔVと外部印加磁場との関係を示す図。
【図17】実施例9に係る固体磁気記録素子の構成を示
す断面図。
【符号の説明】
1,11……固体磁気記録素子 2a,2b,12,23,25,33……金属強磁性層 3,13,24,32……非磁性層 5,15……電位計 6,16……電源 14,31……直接遷移型半導体 17……円偏光源 18……円偏光

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の金属強磁性層と、第2の金属強磁
    性層と、これらの間に介装された非磁性層とが積層され
    て構成され、第1の金属強磁性層と非磁性層との間に通
    電されることにより第2の金属強磁性層に基準電位から
    の電位変化が誘導され、第1の金属強磁性層と第2の金
    属強磁性層の磁化の向きが平行あるいは反平行配置のと
    き、電位変化の極性が異なる固体磁気記録素子であっ
    て、第1および第2の金属強磁性層は同一方向に膜面内
    の一軸磁気異方性が付与されていることを特徴とする固
    体磁気記録素子。
  2. 【請求項2】 非磁性層厚が1nm以上100nm以下
    であることを特徴とする請求項1に記載された固体磁気
    記録素子。
  3. 【請求項3】 素子の平面サイズが100μm2 以下で
    あることを特徴とする請求項1に記載された固体磁気記
    録素子。
  4. 【請求項4】直接遷移型半導体と、金属強磁性層と、こ
    れらの間に介装された非磁性層とが積層されて構成さ
    れ、直接遷移型半導体への円偏光の照射によってスピン
    偏極電子が励起され、この直接遷移型半導体と非磁性層
    との間に通電されることにより金属強磁性層に基準電位
    からの電位変化が誘導され、直接遷移型半導体中で励起
    されたスピン偏極電子の向きと、金属強磁性層の磁化の
    向きと対応する金属強磁性層のスピンの向きとが平行あ
    るいは反平行のとき、電位変化の極性が異なることを特
    徴とする固体磁気記録素子。
  5. 【請求項5】 前記金属強磁性層が、膜面に平行または
    垂直方向に一軸磁気異方性が付与されていることを特徴
    とする請求項4に記載の固体磁気記録素子。
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