JP2797443B2 - 磁気記憶素子 - Google Patents

磁気記憶素子

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JP2797443B2 JP1144895A JP14489589A JP2797443B2 JP 2797443 B2 JP2797443 B2 JP 2797443B2 JP 1144895 A JP1144895 A JP 1144895A JP 14489589 A JP14489589 A JP 14489589A JP 2797443 B2 JP2797443 B2 JP 2797443B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は不揮発性の高密度固定磁気記憶素子に関す
る。
(従来の技術) 固体磁気メモリは機械駆動部がなく、かつ不揮発性の
メモリであるため、高い信頼性をもっている。固体磁気
メモリを大きく分類すると、ランダムアクセス型メモリ
と、シリアルアクセス型メモリとになる。コアメモリは
前者の代表的なものであり、バブルメモリは後者の代表
的なものである。高密度記憶素子を目指すとき、ランダ
ムアクセス型は各ビット毎に検出器を備えている必要が
あるため、セルサイズを小さくしていくことに限界があ
る。他方、シリアルアクセル型は、高密度化は比較的容
易であるが、高密度化に伴うアクセス時間の増加が大き
な問題になっている。さらに、バブルメモリのように情
報担体であるバブルの移動を必要とする素子では、移動
に伴い情報保持の安定性が悪くなる欠点を持っている。
このような状況を考えると、不揮発性固体磁気メモリと
しては、ランダムアクセス型のメモリで検出器を開発
し、高密度化を実現するのが望ましい。
磁性体を用いたランダムアクセスメモリの基本動作を
磁性薄膜メモリを例に説明する。磁性薄膜としては、例
えば磁歪定数λ=0のソフト磁性材料である19%Fe−81
%Niの合金を用い、これを第9図に示すように、基板上
に円盤状に蒸着する。膜厚は1000Å程度である。蒸着の
際に磁界を与えておくことにより、膜面内に一軸磁気異
方性を付けておく。いまの場合、Y−軸方向を磁化容易
軸とするようにつける。
磁化の反転に際しては、容易軸に平行に磁化の向きと
逆向きの磁界HYをX0−線により与える際に、それと同時
に直角方向に磁界HXをY0−に線によって与え、磁壁移動
による磁化反転を阻止し、磁気モーメントの一斉回転モ
ードを利用して10nsオーダの短い時間で磁化反転させて
いる。これに対して、HYのみが加えられている磁性膜パ
ターン12では、磁壁移動による磁化反転を生じようとす
るが、反転時間が長くかかるため、実際に書き込みに使
っている短い時間幅のHYでは反転は起こらない。つま
り、X−方向の導体線とY−方向の導体線によって同時
に磁界を与えたときのみ、磁性膜パターン12の磁化反転
が12′に示すように生じる。磁界HX、HYは蒸着膜に近接
させて縦横に配置した導体線に電流を与えることによっ
て作り出す。しかし、この素子は磁性体膜パターンの磁
化が隣接するセルとの相互作用のため、次第にもとの向
きに戻ったりして情報の記憶の安定性がよくないこと、
また磁性体パターンを微小化していくと検出出力が小さ
くなり、情報の読み出しが難しくなってしまうなどの難
点を有していた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明はこれらの問題点を解決し、高密度記憶を実現
するため、1960年代にすでに考案されていた二重膜構造
磁性体膜パターンを使った素子に改良を加えて高密度大
容量記憶を可能にする素子を提案している。従来は、二
重膜構造磁性体膜の間にセンス線を挟んだ構造で、磁性
体膜パターンの磁化反転に伴う磁束変化から生じる誘導
起電力を検知していた。この方法はセルサイズの微小化
に適していなかった。また、本発明者の提案になる磁気
抵抗記憶素子(特願昭63−42089、特願昭63−61493)で
は、情報記憶用磁性体膜パターンと対にして配置してい
る読み出し用の磁性体膜パターンを隣同士互いに結合し
て記憶情報の読み出し線に使っている。しかし、この方
法では、パターンを微小化していくと、パターン膜厚も
薄くなり、書き込み線、読み出し(検出)線の電気抵抗
が急激に増加し、消費電力が大きくなるとか、検出出力
が小さくなる欠点があり、高密度記憶素子にはなりにく
い点があった。
本発明では、従来方法で問題になったセルサイズの微
小化に伴う読み出し線の電気抵抗の上昇を抑え、かつ情
報記憶膜パターンの減磁磁界を小さくした高密度、大容
量磁気記憶素子を可能にするセル構造を提示している。
(問題点を解決するための手段) 本発明では、最近注目されてきている酸化物超伝導体
を利用した記憶情報の読み出し方法を採用して、従来の
素子と違って、磁性膜パターンには直接電流を流さない
構造のセル構造を提案している。新しい構造では、1)
書き込んだ情報の安定化と、2)情報の効率よい検出
を、高保磁力強磁性体膜パターンと低保磁力強磁性体膜
パターン、もしくは膜面内に大きな一軸性の磁気異方性
を有する磁性体膜パターンと小さな一軸性の磁気異方性
を有する磁性体膜パターンを反磁性体である超伝導体層
を介して重ねた膜構造と透磁率が負である酸化物超伝導
体パターンとを組合せた構造を取り入れて、素子構造を
単純化し動作の安定性向上および消費電力の低減を図っ
た高密度固体磁気記憶素子を提示する。従来の素子にお
いても、セルサイズの微小化のため、読み出しに電磁誘
導電圧に代って、磁気抵抗効果を使っていた。磁気抵抗
効果が大きい材料は強磁性体膜か、半導体膜かに限られ
ていた。半導体は電気抵抗がもともと大きいので微細化
に際しては、選択の対象にならなかった。必然的に前者
を使うようになった。使い方としては、透磁率が大きい
ので読み出し用パターンとしての役割の他に、情報記憶
膜パターンの減磁磁界を小さくする役割も担うようにし
た構造が採用されていた。しかし、この構造では、セル
を微小化していくとき線幅とともに膜厚もそれに伴って
小さくして、磁化を膜面内に抑え込んだ状態を保ち、検
出効率の維持を図ってきた。このため電気抵抗の上昇が
原因で微小化に限界があった。
これに引き替え、最近注目されている酸化物超伝導体
を電気抵抗が零の状態、つまり超伝導状態で使用すると
透磁率が負である。また、膜厚が500Å程度になっても
超伝導には問題がない。読み出し用超伝導体膜パターン
では、磁界に応答して超伝導体膜が常伝導状態に変化す
るようにマイクロジョセフソン結合をもつ構造にしてお
く。膜面内の一軸性磁気異方性、または保磁力の少なく
ともいずれかが互いに異なる2つの磁性体膜を酸化物超
伝導体層で形成した交換相互作用分離層を介して重ねて
構成した3層構造膜をパターン化し、その外側に上述の
情報読み出し用超伝導体膜パターンをつけ、その上下に
該パターンの位置で互いに交差する第1、第2の超伝導
体線を備え、かつ3層構造パターンの外側の超伝導体膜
パターンには電流印加用のリード線を取り付けてある磁
気記憶素子である。このようにして、情報の安定性、動
作の安定性向上、動作時間の短縮を図った高密度固体磁
気記憶素子を提供する。
(実施例1) 第1図にはこの記憶素子に用いるユニットセルの構造
の例を示す。
まず、基板(通常Siウエハ)上に絶縁層を介して、X
−軸方向に伸びた第1の導体線1を配置する。その上に
絶縁層5を介して、情報読み出し用のマイクロジョセフ
ソン接合をもつ超伝導体パターン6を配置し、その上に
第2の磁性体膜パターン3を配置し、その上にリード線
に使う超伝導体と同程度の臨界磁界を有する超伝導体
(非磁性体)の薄層8をおき、その上に第1の磁性体膜
パターン4を配置する。その上に絶縁層9を介して第2
の導体線2を磁性体膜パターンの位置で1と交わるよう
に配置する。情報の書き込みは導体線1、2にパルス状
電流を与えて行なう。読み出しは情報読み出し用導体パ
ターンとそのリード7と導体線2を使って行なう。こう
することによって、情報読み出し用の磁性体膜パターン
4の磁化反転に伴って3の磁束が4に入らなくなり、代
って6に入り、6の超伝導状態を破って常伝導状態にな
り、電圧が出ることを利用して情報読み出し用導体パタ
ーンで検知することになり、検出効率を高く保てる。
本発明の特徴は情報読み出し用導体パターンにマイク
ロジョセフソン結合をもつ酸化物超伝導体膜パターンを
利用することにより、情報安定化のため採用されていた
磁性体膜の二重膜構造による記憶情報の安定化を損なう
ことなく、安定した記憶情報読み出しを可能にし、かつ
素子の動作の安定性向上、動作時間の短縮を図っている
点と二重膜構造をなす2つの磁性体膜パターン間の超伝
導体薄膜8の膜厚を任意に制御できるようにした点にあ
る。
本素子では、膜面内に大きい一軸磁気異方性をもつ
か、高い保磁力をもつかの少なくともいずれかを満たす
強磁性体膜パターン3と膜面内に小さい一軸磁気異方性
をもつか、低い保磁力をもつかの少なくともいずれかを
満たす強磁性体膜パターン4とを組合せた二重膜構造パ
ターンにおいて、情報は前者3に書き込み、記憶する。
後者のパターン4に書き込んだ情報の読み取りおよび書
き込まれた情報の安定保持に使う。また、ここで用いて
いる情報読み出し用超伝導体膜パターン6は通常は透磁
率が負あり、磁束の通路にはならないが、マイクロジョ
セフソン接合をもっているので、磁界を印加すると磁束
を通すようになって、常伝導状態に遷移して電気抵抗を
示す。したがって、磁界が加わっていない状態では上下
の磁性体膜パターンとはほとんど磁気的に結合していな
い状態で保たれる特徴をもっている。第1図に示すユニ
ットセルをマトリックス状に配列したのが第2図であ
る。第2図にAで示す点線で囲まれた部分がユニットセ
ルである。
第3図にパターン6に使用できる超伝導体薄膜の電気
抵抗Rと外部印加磁界Happlとの関係を示している。H
appl>Hcritで超伝導状態が破れて電気抵抗がでてく
る。
第4図には、磁化困難方向に磁界HTを加えていないと
きの磁性体膜パターン3、4の一斉磁化回転による反転
モードの磁化曲線3′、4′の例を示している。横軸は
磁化容易方向に加えた外部磁界HY、縦軸は磁束密度Bを
表している。HK (3)、HK (4)はそれぞれパターン3、4の
面内の一軸異方性磁界である。一斉磁化回転による磁化
反転を起こすときの磁化容易方向(Y−軸方向)に加え
る磁界の大きさHYが膜面内の一軸異方性磁界の大きさに
依存して異なっていることを示している。この反転磁界
の差を本発明では利用している。本発明の素子に使用す
る材料は導体としては、金、アルミなどが、超伝導体と
しては、Pb系、Nb系、またはBa−Y−Cu−O系、Bi−Sr
−Ca−Cu−O系、Tl−Ba−Ca−Cu−O系などのセラミッ
クス、また絶縁体としてはSiO2などが使用できる。また
磁性体膜には、広い範囲の材料から選んだ適当なものが
使用できる。薄膜作成技術には公知の技術が利用でき
る。前記セラミックスはスパッタリングやレーザ蒸着法
を用いる事ができ、また、エッチングは例えばドライエ
ッチングが考えられる。
情報の書き込みを説明する。初期状態として、情報記
憶に用いる強磁性体膜パターン3の磁化の向きを予め定
められた向き(例えば、Y軸方向、負の向き)に飽和さ
せ、“0"を定義しておく、第5図(a)〜(d)はユニ
ットセルの断面図である。第5図(a)は紙面法線とX
−軸に平行な導体線1の中心線を含む面で切ったときの
セルの断面図である。磁化の向きは第5図(a)に10で
示すY−軸方向に沿った向きを正の向きとする。書き込
み動作は次のようにする。X−軸方向に走っている導体
線1およびY−軸方向に走っている導体線2にパルス電
流を与えて、各位置の磁性体膜パターン3の中で、導体
体線1と2とが交わる位置に存在している磁性体膜パタ
ーン3の磁化の向き(Y−軸方向、負の向き)を第5図
(a)、(b)に10で示す正の向きへ反転させる。その
様子を明瞭に示すため、第5図(b)にユニットセルを
紙面の法線とY−軸に平行な導体線2の中心線とを含む
面できったときのセル断面を示す。第5図(a)の左側
の側面から眺めた図である。以下(b)、(c)、
(d)の図面はすべてこの方向から眺めた図である。磁
性体膜パターン4の磁化の向きは保持状態では第5図
(b)に示すように、磁性体膜パターン3の磁化と結合
して、磁性体膜パターン3の磁化の向きと逆向きに磁化
されているが、書き込み時には、第5図(c)に示すよ
うに、反転してY−軸方向正の向きに反転した3の磁化
と同じ向きになる。この状態から安定保持状態へできる
だけ短い時間で到達させるため、Y−軸方向に走ってい
る導体線2の電流をX−軸方向に走っている導体線1の
電流に比べて長時間保持しておく。そうすると、磁性体
膜パターン4の磁化は磁性体膜パターン3からの磁界と
Y−軸方向の超伝導体線からの磁界との組み合せによ
り、一斉磁化回転モードで反転し、第5図(d)に示す
最終状態(安定保持状態)に迅速に到達する。この回転
速度は2つの磁性体膜パターン間の相互作用が強いとそ
れだけ速くなる。重要なことは情報記憶用の磁性体膜パ
ターンの磁化状態が読み出し時に読み出し用の磁性体膜
パターンの磁化状態を変化させたとき、それに引きずら
れて変化することがないように、充分な大きさの磁気異
方性を与えておくことである。この磁気異方性の大きさ
によって、書き込み電流の最大値が決まる。情報保持状
態では、強磁性体膜パターン4と強磁性体膜パターン3
の間に閉じた環流磁束線ができて減磁磁界を低減してい
る。第6図(a)、(b)はそれぞれ情報“0"または
“1"を示す安定化状態に対応している。なお、この方法
を用いたときの1ビットのデータ書き込み時間は数10ns
のオーダである。なお、オーバライド時には、情報書き
込みに先立って、Y−軸方向導体線2の電流極性は書き
込み時と同じに保ったままで、X−軸方向導体線に与え
る電流のみ、その極性を書き込み時と逆にしたリセット
パルス磁界を用いるとか、書き込み情報が“0"か“1"か
に対応して極性が互いに逆の反転磁界が情報記憶用の磁
性体膜パターンに加わるように外部で制御するといった
方法を使う。
つぎに書き込んだ情報の読み出し方法の例を述べる。
情報を書き込んだ状態では、強磁性体膜パターン4と強
磁性体膜パターン3の磁化が互いに逆向きになっている
ため、磁束はそのほとんどが磁束抵抗が低い両磁性体膜
パターンを環流するルートをとっている。その結果、検
出用超伝導体パターン6の部分には磁束はほとんど通っ
ていない。この状態に対して、導体線7に定められた電
流を与えたとき、情報記憶用の磁性体膜パターン3では
磁化一斉回転モードによる磁化反転が生じず、他方、読
み出し用の磁性体膜パターン4の磁化のみが一斉回転モ
ードで反転できるように、導体線2に与える電流を調整
して、磁化の向きを磁化容易方向(Y−軸)から傾けて
おく。つまり、Y−軸方向に走っている導体線を使っ
て、磁界HXを磁化困難方向(X−軸)に加えておく。第
7図(a)〜(c)に示してあるのが2つの磁性体膜パ
ターンが結合した状態である。第7図(b)、(d)に
はそのときの2つの膜パターンそれぞれの一斉回転磁化
反転曲線を示している。実線で示した磁化反転曲線が縦
軸に対して非対称になっているのは磁性体薄膜パターン
3、4の間の静磁結合効果を示している。第7図(a)
は情報“0"に対応する状態、第7図(c)は“1"に対応
する状態である。いま、“1"を読み出すときには、検出
用超伝導体膜パターン6が常伝導に遷移し、“0"を読み
出すときには常伝導に遷移しないことを示す。分かりや
すく説明するため、第7図を拡大した第8図(a)、
(b)を用いる。読み出し時には、まず導体パターン2
により、磁性体膜パターンの磁化困難方向に磁界HTを加
える。そうすると、磁性体膜パターン4の磁化が磁化容
易方向から困難方向へ回転する。この磁化回転により、
第8図(b)に実線で示す磁化反転曲線から一点鎖線で
示す磁化反転曲線のように、磁化一斉回転モードに必要
な磁化容易方向磁界の臨界値がHcrからHcr′へ低下す
る。磁化困難方向へ磁界が加わっていないセルでは、こ
の臨界値はHcrのままであるから、HTが加わっているセ
ルと加わっていないセルとで、磁化容易方向磁界の一斉
磁化反転への効き方を自動的に制御していることにな
る。この状態に対して、導体線6によって、磁化容易方
向へHcr′<H<Hcrの範囲にある磁界Hを加える。そう
すると、磁化を困難方向に傾けておいた磁性体膜パター
ン4のみで、磁化が一時的に反転する。つまり、磁性体
膜パターン4の磁化を磁化容易方向から困難方向へ回転
させることで、磁化の一斉回転モードに必要な磁化容易
方向磁界の臨界値にHcr−Hcr′だけ差をつけて、セルを
特定している。
磁化反転が生じると、いままで磁性体膜パターン4に
流れていた磁性体膜パターン3を出た磁束が導体線7に
接続している超伝導体パターン6に入り、6を常伝導状
態に遷移させ、電気抵抗を生じる。導体線7には電流が
与えてあるから、必然的に電圧を生じる。“0"の状態で
は、磁性体膜パターン4の磁化の向きは“1"のときと逆
向きであるため、“1"を読み出すために磁化容易方向に
加えた磁界では第6図(a)からも明らかなように磁化
容易方向に引寄せられ、磁化反転を生じないから、導体
パターン6へ磁束は入らない。つまり、電圧を生じな
い。したがって、この方法により、記憶情報の“1"、
“0"を弁別できる。読み出し後には、導体線6の電流を
まず切る。そうすると、強磁性体膜パターン4の磁化は
強磁性体膜パターン3からの磁界とY−軸方向導体線か
らの磁界との組合せで、一斉回転モードにより、迅速に
2つの磁性体膜パターンの安定結合状態に復帰する。
なお、図中に点線で示す磁化反転曲線は磁性体膜パタ
ーン3と4とが互いに静磁結合していないときのもので
ある。磁性体膜パターン4には、磁性体膜パターン3と
の静磁結合から生じる磁界Δのため、一方向磁気異方性
がつき、4の一斉回転磁化反転曲線は第8図に示すよう
に右にずれている。
この読み出しの特徴は読み出し時の印加磁界を小さく
して、情報を記憶している強磁性体膜パターン3の磁性
状態に影響を与えないようにしていること、読み出し線
7自身のセンス電流を磁化反転磁界発生に兼用したこと
で、検出信号への印加磁界からの雑音を最小に抑え、記
憶情報の完全非破壊読み出しを可能にしていることであ
る。
(発明の効果) 本発明により、従来問題になっていた磁化反転後の磁
化状態の不安定性、記憶密度の向上に伴う情報の読み出
しの不安定性がともに格段に改善された高性能の高密度
磁気記憶素子を実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本セル構造例の外観図。第2図:第
1図の基本セルをマトリックス状に配置して、記憶素子
の形にした一例を示す図。第3図は本素子の情報読み出
しに利用する超伝導体膜パターン6の電気抵抗と印加磁
界との関係を示す図、第4図は本発明の基本セル構成に
使う膜面内に小さい一軸性の磁気異方性を有する低保磁
力強磁性体膜パターンと、膜面内に大きい一軸性の磁気
異方性を有する低保磁力強磁性体膜パターンの一斉回転
磁化反転モードの磁化曲線を示す図。第5図(a)〜
(d)は基本セルの断面構造図および情報書き込み過程
を例示する図。第6図(a)、(b)は情報を書き込ん
だ状態の例を示す図。第7図(a)〜(d)は安定化さ
れたセルの磁化状態とそれに対応する磁化曲線を示す
図。第8図(a)、(b)は読み出し動作原理を示す
図。第9図は磁性体膜パターンを使った従来のメモリの
一例を示す図。 図において、1……超伝導体線、2……超伝導体線、3
……膜面内に大きい一軸磁気異方性を有するか、または
大きい保磁力を有する強磁性体膜パターン、4……膜面
内に小さい一軸磁気異方性を有するか、または低保磁力
を有する強磁性体膜パターン、3′、4′……パターン
3および4の磁化曲線、5……絶縁層、6……情報読み
出し用超伝導体膜パターン、7……導体膜パターン6の
リード線、8……超伝導体薄層、9……絶縁層、10……
Y−軸方向正の向き、11……Y−軸方向負の向き、12…
…磁性膜パターン、12′……磁化が反転している磁性膜
パターン。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に膜面内の一軸性磁気異方性の方向
    が同じで、その大きさ、または保磁力の少なくともいず
    れかが互いに異なる2つの磁性体膜パターンを非磁性層
    を介して重ねて置き、かつ該2つの磁性体膜パターンの
    内の第1の磁性体膜パターンに膜面内の一軸磁気異方性
    定数、または保磁力の少なくともいずれかが小さい磁性
    体膜を、第2の磁性体膜パターンに膜面内の一軸磁気異
    方性定数、または保磁力の少なくともいずれかが大きい
    磁性体膜をそれぞれ用い、第3の超伝導体パターンを、
    前記2つの磁性体膜パターンを非磁性層を介して重ね置
    いた3層構造パターンの第2の磁性体膜パターン側に重
    ねて配置し、さらに該第3の超伝導体パターン及び3層
    構造パターンの上下に第1の導体線、第2の導体線を該
    磁性体膜パターンの位置で互いに交差するように配置
    し、前記第3の超伝導体パターンには電流印加用のリー
    ド線を取り付けてあることを特徴とする磁気記憶素子。
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