JP3634761B2 - 磁気抵抗素子、該磁気抵抗素子を用いたメモリ素子及び磁気ランダムアクセスメモリ、並びに記録再生方法 - Google Patents

磁気抵抗素子、該磁気抵抗素子を用いたメモリ素子及び磁気ランダムアクセスメモリ、並びに記録再生方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不揮発性メモリなどに応用される磁気抵抗素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高密度性、速応性、不揮発性を備えた固体記憶素子として、磁気抵抗効果を利用して情報を記憶する磁気メモリ素子が注目されており、磁気メモリ素子を用いてランダム・アクセス・メモリ(RAM;random access memory)を構成することが検討されている。このような磁気メモリ素子によれば、磁性層の磁化の方向によって情報を記録することができ、記録情報を半永久的に保持する不揮発性メモリを構成することができる。このため、磁気メモリ素子は、例えば携帯端末やカードにおける情報記憶素子等の各種の記録素子としての利用が期待されている。特に、スピントンネル磁気抵抗(TMR)効果を用いた磁気メモリ素子は、TMR効果による高出力特性を利用することができ、高速読み出しが可能であるため、その実用化が期待されている。
【0003】
磁気メモリ素子において、情報を記憶するための最小の単位部分を磁気メモリセルと呼ぶ。磁気メモリセルは、一般に、メモリ層と基準層とを有する。基準層は、通常、磁化方向が特定の方向に固定または固着(pinned;ピン止め)された磁性材料の層である。メモリ層は、データを記憶する層で、通常、外部から磁界を加えることにより磁化方向を変えることができる磁性材料の層である。このような磁気メモリセルの論理状態は、メモリ層内の磁化方向が、基準層内の磁化方向と平行か否かによって決まる。磁気抵抗(MR)効果により、互いの磁化方向が平行な場合には磁気メモリセルの抵抗が小さくなり、互いの方向が平行ではない場合には磁気メモリセルの抵抗が大きくなる。磁気メモリセルの論理状態は、一般に、その抵抗率を測定することによって決定される。
【0004】
このような磁気メモリセルに対する情報の書き込みは、磁気メモリ内の導体に電流を流して生じる磁界によりメモリ層内の磁化方向を変えるよって行われる。書き込まれた情報の読出しには、抵抗の絶対値を検出する絶対検出方式が採用される。
【0005】
また、磁気メモリセルには、メモリ層と検出層とを有するタイプもある。このタイプの磁気メモリセルの場合、読出しでは、検出層の磁化方向を反転させてその際に生じる抵抗変化によりメモリ層の磁化方向を検出するため、差動検出方式が採用される。
【0006】
磁気メモリセルは、高集積化のために微細化が要求されるが、一般に、面内磁化膜においては、微細化に伴って膜面内の反磁界によりスピンが膜端面でカーリングして、磁化情報が安定に保存できないといった問題が生じる。これに対して本発明者は、膜面垂直方向に磁化した磁性膜(垂直磁化膜)を用いたTMR素子を特開平11−213650号公報において開示している。この垂直磁化膜は、微細化してもカーリングの問題が発生することがないため、磁気メモリセルの微細化に適している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
垂直磁化膜を用いたTMR素子による磁気メモリセルは、2つの磁性層が薄い非磁性層(トンネル絶縁膜)を挟んで積層されているため、磁気メモリセル内の一方の磁性層から発生する漏洩磁界が他方の磁性層に印加し、外部磁界がない場合においても磁界が印加された状態となる。
【0008】
図20には、垂直磁化膜のTMR素子について、磁化の方向の例を示している。低い保磁力を持つ磁性層100と高い保磁力を持つ磁性層200とがトンネル絶縁膜300を挟む形で構成されており、図20の(a),(b)のどちらでも磁性層200は図示下向きに磁化されており、磁性層100は、(a)では下向き、(b)では上向きに磁化している。このため、磁気メモリセルとしての抵抗値は、(b)の方が(a)よりも大きい。
【0009】
この状態は、絶対値検出方式を用いた構成、すなわち、磁性層200が基準層(ピン層)であって磁性層100がメモリ層であり、(a)が“0”を記録した状態、(b)が“1”を記録した状態と考えてよいし、差動検出方式を用いた構成、すなわち、磁性層200がメモリ層であって磁性層100が検出層であり、検出時に外部磁界によって(a)に示す状態から(b)に示す状態へ磁化反転させたと考えてもよい。
【0010】
図21の(a)には、この素子のMRカーブ(抵抗と印加磁界の関係を示した図)を、角型比が1であって磁性膜からの漏洩磁界がないと仮定して示した。磁性層200は磁化方向を変えないため、磁性層100の磁化方向に対応した抵抗変化が現れている。オフセット磁界がなければ、保磁力Hcと同じ大きさの磁界H1もしくはH2を印加するだけで、メモリ層に記録を行うことができる。もしくは、検出層の磁化反転を行うことができる。H1は第1磁性層を上向きから下向きに反転する磁界であり、H2は第1磁性層を下向きから上向きに反転する磁界である。
【0011】
しかし実際には、磁性層200からは下向きの磁界が磁性層100に印加されているため、MRカーブは(b)に示すようにオフセット磁界Ho分だけシフトする。この場合には、記録磁界はH2=Hc+Ho,H1=Hc−Hoとなり、図21の(b)から(a)の状態に書き換えに必要な磁界はHo分だけ小さくなり、逆に(a)から(b)に書き換える場合は必要磁界がHo分だけ大きくなる。これは、書き込み線に流す電流値が大きくなることを意味し、このため、消費電流が大きくなるか、あるいは書き込み線の配線の許容電流密度を超える場合には書き込みができなくなるといった問題が生じてしまう。また、この場合、メモリセルは、そこに記録された情報に応じて反転磁界の大きさが異なるため、マトリックス状に配置されたメモリセルを直交する2本の書込み線で記録する場合に、例えば、反転磁界H2を要するメモリセルの情報を書き換えようとすると、そのとなりに存在する反転磁界H1を要するメモリセルの情報も書き換えてしまう、といった、誤記録動作が発生する可能性が高くなる。さらに、図21の(c)に示したように、オフセット磁界Hoが保磁力Hcよりも大きくなると、磁界が0の状態で一つの抵抗値しか取りえなくなるため、絶対検出ができなくなる。
【0012】
同様に、角型比が1でない場合については、図22に示すように、無磁界の状態での抵抗値R2が反平行磁化状態の最大抵抗値Rmaxよりも小さくなる。この場合には、読み出しの抵抗値の差R2−R1が小さくなって、検出感度が悪化してしまう。この現象は、オフセット磁界Hoが保磁力Hcよりも小さくても発生する。ここでR1は外部磁場が0での最小抵抗値であり、R2は外部磁場が0での最大抵抗値である。図22の(a)はオフセット磁界Hoが存在する場合、(b)はオフセット磁界Hoが存在しない場合を示している。
【0013】
以上は、主に絶対値検出方式を想定して述べたが、差動検出方式を用いた場合でも同様である。図23は、差動検出方式のメジャーループを記したものである。
【0014】
以上述べたようなTMR素子における諸課題は、従来の磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)に用いられている面内磁化膜を用いた磁気抵抗素子においては特に顕著である。
【0015】
そこで本発明の目的は、メモリ素子などに用いられる磁気抵抗素子において、一方の磁性層からの静磁界により他方の磁性層の反転磁界がオフセットする課題、反転磁界が増加する課題を解決するとともに、このような磁気抵抗素子を用いたメモリ素子及びその記録再生方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、
膜面垂直方向に磁化した第1磁性層と、非磁性層と、膜面垂直方向に磁化した第2磁性層とが順に積層されてなり、前記第2磁性層の保磁力が前記第1磁性層の保磁力より高く、前記第1磁性層と前記第2磁性層の磁化の相対角度により前記第1磁性層と前記第2磁性層間に前記非磁性層を介して電流を流した際の抵抗値が異なる磁気抵抗素子において、前記第2磁性層は、互いに反平行に磁化した垂直磁化膜である第3磁性層及び第4磁性層からなることを特徴とする磁気抵抗素子、及び、
前記第3磁性層及び前記第4磁性層の少なくとも一方がフェリ磁性層であり、前記第3磁性層及び前記第4磁性層が交換結合している前記記載の磁気抵抗素子、及び、
前記第3磁性層及び前記第4磁性層のうち前記第3磁性層が前記非磁性層側に配置しており、前記第3磁性層が鉄族元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜からなり、前記第4磁性層が希土類元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜からなる前記記載の磁気抵抗素子、及び、
前記第3磁性層及び前記第4磁性層のうち前記第3磁性層が前記非磁性層側に配置しており、前記第3磁性層が鉄族元素を主成分とするフェロ磁性層からなり、前記第4磁性層が希土類元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜からなる前記記載の磁気抵抗素子、及び、
前記フェリ磁性層は、Gd,Tb,Dyのうち少なくとも1種を含む希土類元素とFe,Coのうち少なくとも1種を含む鉄族元素とからなる前記記載の磁気抵抗素子、及び、
前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に絶縁膜が設けられている前記記載の磁気抵抗素子、及び、
前記第1磁性層は、互いに平行に磁化した垂直磁化膜である第5磁性層及び第6磁性層からなる、前記記載の磁気抵抗素子、及び、
前記第6磁性層が鉄族元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜で、前記第5磁性層が鉄族元素を主成分とするフェロ磁性膜からなる前記記載の磁気抵抗素子、及び、
前記第1磁性層は、互いに反平行に磁化した垂直磁化膜である第5磁性層及び第6磁性層からなる、前記記載の磁気抵抗素子、及び、
前記第5磁性層が鉄族元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜からなり、前記第6磁性層が希土類元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜からなる、もしくはこの逆の構成からなる前記記載の磁気抵抗素子、及び、
前記第2磁性層から前記第1磁性層に印加される磁界が前記第1磁性層の保磁力よりも小さいことを特徴とする前記記載の磁気抵抗素子、及び、
前記非磁性層が絶縁層である前記記載の磁気抵抗素子、及び、
前記絶縁層を介して流れる電流がトンネル電流である、前記記載の磁気抵抗素子、及び、
前記記載の磁気抵抗素子と、前記磁気抵抗素子の膜面に垂直方向の磁界を発生する磁場発生手段とを有し、前記磁場発生手段を用いて前記磁気抵抗素子に情報の記録を行うメモリ素子、及び、
前記記載のメモリ素子の磁気抵抗素子の一端を電界効果トランジスタのドレイン領域に接続し、他端をビット線に接続したメモリセルを基板上に有する磁気ランダムアクセスメモリ、及び、
前記記載の磁気ランダムアクセスメモリの記録再生方法であって、前記メモリ素子の前記第2磁性層の磁化の向きにより情報を記録し、抵抗値の大小を読み取って情報を再生する記録再生方法、及び、
前記記載の磁気ランダムアクセスメモリの記録再生方法であって、前記メモリ素子の前記第2磁性層の磁化の向きにより情報を記録し、読出し時に前記第1磁性層の磁化を反転させて抵抗値の変化を読み取って情報を再生する記録再生方法、
によって達成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の磁気抵抗素子の膜構成を示す断面図である。図中、矢印は各磁性層における磁化の方向を示している。また、(a),(b)は、この磁気抵抗素子がとり得る2通りの磁化状態を示している。この磁気抵抗素子から絶対検出方式でデータを読出すものとすれば、(a),(b)はそれぞれ二値の記録の“0”と“1”に対応する。
【0019】
膜面垂直方向に磁化した第1磁性層1と非磁性の絶縁層N2と膜面垂直方向に磁化した第2磁性層2とがこの順に積層されている。絶縁層N2の厚さは、この絶縁層N2をはさんで両方の磁性層1,2の間にトンネル電流が流れる程度のものである。また、第2磁性層2の保磁力は第1磁性層1の保磁力より高くなっている。この磁気抵抗素子では、第1磁性層1と第2磁性層2の磁化の相対角度により、第1磁性層1と第2磁性層2の間に絶縁層N2を介して電流を流した際の抵抗値が異なり、この抵抗値を検出することによって、この磁気抵抗素子に書き込まれた情報を判別できるようになっている。具体的には、第1磁性層1/絶縁層N2/第2磁性層2は強磁性トンネル接合を形成しており、各磁性層1,2の伝導電子はそのスピンを保ったまま絶縁層N2をトンネルする。そのため両方の磁性層1,2の磁化状態によってトンネル確率が変化し、それがトンネル抵抗の変化として検出される。両方の磁性層1,2の磁化が平行の場合には抵抗値が小さく、反平行の場合には抵抗値が大きくなる。
【0020】
この磁気抵抗素子では、第2磁性層2は、互いに反平行に磁化した垂直磁化膜である第3磁性層21及び第3磁性層22とを積層して構成されている。第3磁性層21の方が第1磁性層1側に(すなわち絶縁層N2に接するように)設けられている。図1に示す例では、第3磁性層21の磁化は上向きで、第4磁性層22の磁化は下向きに配向している。よって、第1磁性層1には、第3磁性層21の磁化からは上向きの磁界が印加され、第4磁性層22からは下向きの磁界が印加されることになる。第1磁性層1には印加される磁界は、これらの磁界を合成したものとなるため、第2磁性層が1層の磁性層のみからなる場合と比較して、第1磁性層1にかかる漏洩磁界を小さくすることができる。したがって、第1磁性層1の反転磁界がオフセットする問題が抑制され、磁気メモリセルに適用する場合であれば書き込み電流の低減を図ることができる。
【0021】
なお図2に示すように、第3磁性層21と第4磁性層22の磁化の向きは、第3磁性層21が下向き、第4磁性層が22が上向きになっていてもかまわない。
【0022】
(第2の実施形態)
第1の実施形態で述べた磁化が反平行の状態となる2層膜(第2の磁性層)の構成の方法として、フェリ磁性層を用いて交換結合2層膜とする方法と、保磁力の異なる2層膜を静磁結合させる方法がある。
【0023】
さらに、フェリ磁性層を用いて交換結合2層膜とする方法には、第3磁性層21と第4磁性層22の少なくともどちらかの磁性層がフェリ磁性層であって、これら第3磁性層21と第4磁性層22が交換結合している構成が挙げられる。これらについて、以下の第3及び第4の実施形態で詳細を述べる。
【0024】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態の磁気抵抗素子の膜構成の一例を示す断面図である。この磁気抵抗素子は、第1の実施形態の磁気抵抗素子と同様のものであり、特に、第2磁性層2を構成する第3磁性層21及び第4磁性層22がいずれも希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜からなり、第3磁性層21は鉄族元素副格子磁化優勢となり、第4磁性層22は希土類元素副格子磁化優勢となっている。第1磁性層1及び絶縁層N2については、第1の実施形態と同じである。なお、図3において、(a),(b)は、この磁気抵抗素子がとり得る2通りの磁化状態を示しており、また、第3磁性層21及び第4磁性層22に示した実線は鉄族元素副格子磁化の向きを、点線は希土類元素副格子磁化の向きを示しており、それらの長さは、各副格子磁化の大きさを示している。
【0025】
ここで第3磁性層21と第4磁性層22とは互いに交換結合している。希土類鉄族合金においては、鉄族元素が交換結合力に支配的であるため、鉄族元素は同じ方向を向き、結果として、それらと反平行に磁化する希土類元素も、第3磁性層21及び第4磁性層22において相互に同じ向きとなる。このようなフェリ磁性膜の全体の磁化は、各々の副格子磁化の差となる。よって、図3に示す第3磁性層21と第4磁性層22の各々の全体の磁化の向きは、図1に示すものと同じなり、第3磁性層21と第4磁性層22の正味の磁化は、互いに逆向きになっている。このため、第2磁性層2の全体としての磁化は、第3磁性層21と第4磁性層22のいずれの磁化よりも小さい。またフェリ磁性層は、Fe,Co,FeCo,NiFeなどの膜面内方向に配向した面内磁化膜と比較して、もともと磁化の大きさが小さいので、この第3の実施形態の磁気抵抗素子においては、第1磁性層1に第2磁性層2から印加される磁界の大きさは、従来の素子と比較して格段に小さいものとなる。
【0026】
この第3の実施形態においては、第2磁性層2を飽和磁化Msの比較的大きい2層から構成することが可能である。したがって、反転磁界を低減することも可能である。よってこの第3の実施形態の磁気抵抗素子を磁気メモリセルとして用いる場合には、絶対検出構成とすることができるともに、差動検出型の構成とすることも可能である。
【0027】
なお、図4は、希土類鉄族合金における組成と飽和磁化の関係を示すグラフである。希土類鉄族合金では、一般に希土類原子の磁化の方向と鉄族原子の磁化の方法とが反平行となる。したがって、両方の原子からの合成磁気モーメントは、希土類元素と鉄族元素とのある組成(これを補償組成と呼ぶ)を境にして、希土類元素副格子磁化優勢あるいは鉄族元素副格子磁化優勢となる。また、飽和磁化Msも、補償組成において見かけ上0となり、補償組成から離れるにつれて大きくなる。
【0028】
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態の磁気抵抗素子の膜構成の一例を示す断面図である。この磁気抵抗素子は、第1の実施形態の磁気抵抗素子と同様のものであり、特に、第3磁性層21が鉄族元素を主成分とするフェロ磁性層からなり、第4磁性層22が希土類元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜からなっている。第1磁性層1及び絶縁層N2については、第1の実施形態と同じである。なお、図5において、(a),(b)は、この磁気抵抗素子がとり得る2通りの磁化状態を示しており、また、第3磁性層21及び第4磁性層22に示した実線は鉄族元素副格子磁化の向きを、点線は希土類元素副格子磁化の向きを示しており、それらの長さは、各副格子磁化の大きさを示している。
【0029】
すなわちこの第4の実施形態の磁気抵抗素子は、第2磁性層が鉄族元素薄膜(第3磁性層21)と希土類鉄族合金薄膜(第4磁性層22)との2層膜からなる点を特徴とする。この場合には、トンネル障壁膜である絶縁層N2との界面で分極率の高い磁性膜を設ければ、MR(磁気抵抗)比を向上することも可能となる。すなわち第3磁性層21を、トンネル障壁膜に接した側に設けると良い。第3磁性層21で使用できる鉄族元素薄膜としては、Fe,Co,FeCoなどの薄膜が挙げられる。中でもFeCoは、分極率が高く、MR比を高めることが可能であるので、最もよい。ただし、鉄族元素は、通常、単層膜では、膜面内方向に配向するため、第4磁性層22からの交換結合力によって、膜面垂直方向に磁化配向させている。
【0030】
図6は、この磁気抵抗素子の磁化の配向状態を示したものである。第2磁性層2が反平行磁化状態の2層膜からなっているため、第1磁性層1への漏洩磁界を低減することが可能となる。
【0031】
この実施形態においても、第2磁性層2を飽和磁化Msの比較的大きい2層から構成することが可能である。第1磁性層への漏洩磁界を低減するために、第2磁性層を磁化の小さい単層膜を用いた場合では、保磁力が高くなる傾向があるが、磁化の大きい2層膜構成とすれば、保磁力を高くすることなく、第1磁性層への漏洩磁界を低減することが可能である。したがって、オフセット磁界を低減するとともに反転磁界を低減することも可能である。
【0032】
(第5の実施形態)
本発明の磁気抵抗素子に用いられるフェリ磁性層として、希土類元素と鉄族元素の合金からなる磁性膜が良いが、より具体的には、Gd,Tb,Dyのうち少なくとも1種を含む希土類元素とFe,Coのうち少なくとも1種を含む鉄族元素とからなるのが望ましい。これは、これらの希土類鉄族元素合金は、スパッタリング等の汎用の成膜機により、室温で容易に垂直磁化膜が得られるためである。特に、MRAMなどを製造する半導体製造プロセスでは高温プロセスはMOSトランジスタの性能の劣化などの悪影響が発生しやすいため、室温で垂直磁化膜を成膜可能である点は、有効である。
【0033】
(第6の実施形態)
図7は、本発明の第6の実施形態の磁気抵抗素子の膜構成を示す断面図である。この磁気抵抗素子は、図1に示すものと同様の構成のものであるが、第3磁性層21と第4磁性層22の間に絶縁膜500が設けられている点で相違する。絶縁膜500が設けられていることにより、第3磁性層21と第4磁性層22の間の静磁結合を抑えて反平行磁化状態とすることが可能である。
【0034】
この構成において、第3磁性層21と第4磁性層22とを反平行磁化状態とするためには、保磁力の異なる膜を用いる方法がある。たとえば第3磁性層21が第4磁性層22よりも高い保磁力を有する場合、まず、外部磁界を印加して第3磁性層21を磁化反転させたあとに、逆方向で第3磁性層21の保磁力よりも小さくかつ第4磁性層22の保磁力よりも高い外部磁界を印加して、第4磁性層22を第3磁性層21とは逆方向に磁化させる。
【0035】
保磁力は、組成変更、例えば希土類鉄族合金などのフェリ磁性膜を用いた場合にはおのおのの副格子磁化となる元素の組成を変更するなどして、所望の値に設定することが可能である。
【0036】
(第7の実施形態)
上述の各実施形態では第2磁性層を2層構成としたが、第2磁性層に加えて第1磁性層も2層構成とすることができる。図8は、第7の実施形態の磁気抵抗素子の膜構成を示す断面図である。この磁気抵抗素子において第1磁性層1は、互いに平行に磁化した垂直磁化膜である第5磁性層11と第6磁性層12からなっている。ここでは第5磁性層11の方が第2磁性層2側に(すなわち絶縁層N2に接するように)設けられている。これは、トンネル障壁膜である絶縁層N2との界面で分極率の高い磁性膜を設ければ、MR(磁気抵抗)比を向上することが可能だからである。このような磁性膜としては、Fe,Co,FeCoなどの薄膜が挙げられる。中でもFeCoは、分極率が高く、MR比を高めることが可能であるので、最もよい。ただし、鉄族元素は、通常、単層膜では、膜面内方向に配向するため、第6磁性層12からの交換結合力によって、膜面垂直方向に磁化配向させている。
【0037】
第5磁性層11としては、例えば図8に示すように、鉄族元素からなるフェロ磁性体からなる磁性層で、第6磁性層12は、鉄族元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜を用いることができる。この場合の第5磁性層11及び第6磁性層12の全体の磁化を示すと図9に示すようになる。上述したように第2磁性層は、互いに反平行の磁化からなる2層膜(第3磁性層21及び第4磁性層22)で構成されている。このため、第1磁性層1にかかる第2磁性層2の磁化による磁界は小さいが、第2磁性層2にかかる第1磁性層1の磁化による磁界は大きい。
【0038】
このような構成は、第2磁性層2をピン層(基準層)として、第1磁性層1をメモリ層とする構成に適している。これは、ピン層は磁化反転の必要がないため、十分大きな保磁力に設定することが可能であり、第1磁性層1からの漏洩磁界を受けても影響が少なくすることが可能なためである。逆に、第1磁性層1はメモリ層のため、書き込み線の消費電流をできるだけ小さくように保磁力(磁化反転磁界)を小さくし、第2磁性層からの漏洩磁界によるオフセット磁界を低減することが必要である。これは、第2磁性層2を反平行磁化からなる2層膜として構成したために達成可能である。
【0039】
上述した例では、第6磁性層12を鉄族元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜で構成したが、土類元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜で構成することも可能である。図10はそのような磁気抵抗素子の膜構成を示す断面図であり、図11は図10に示す磁気抵抗素子における第5磁性層11及び第6磁性層12の全体の磁化を示す図である。
【0040】
(第8の実施形態)
第2磁性層に加えて第1磁性層も反平行磁化状態の2層構成とすることができる例として、図24に示すように、第1磁性層、第2磁性層ともに、フェリ磁性膜からなる2層膜構成とする例がある前述と同じく、実線は鉄族元素副格子磁化の向きを、点線は希土類元素副格子磁化の向きを示しており、それらの長さは、各副格子磁化の大きさを示している。図24においては、第5磁性層11は希土類元素副格子磁化優勢、第6磁性層12が鉄族元素副格子磁化優勢、第3磁性層21が鉄族元素副格子磁化優勢、第4磁性層22が希土類元素副格子磁化優勢な、それぞれ、希土類元素と鉄族元素の合金膜である。ここでは第5磁性層11の方が第2磁性層2側に(すなわち絶縁層N2に接するように)設けられている。よって、この磁気抵抗素子において第1磁性層1は、互いに反平行に磁化した垂直磁化膜である第5磁性層11と第6磁性層12からなっており、第2磁性層2も、互いに反平行に磁化した垂直磁化膜である第3磁性層21と第4磁性層22からなっている。この場合の第5磁性層11及び第6磁性層12の全体の磁化を示すと図25に示すようになる。
【0041】
この実施の形態においては、第1磁性層、第2磁性層のどちらの層からもお互いに大きな漏洩磁界が印加されないため、ともに、保磁力を小さくすることが可能である。従って、第1磁性層1、第2磁性層2ともに、磁化反転させることができ、絶対検出の他、差動検出も可能である。従って、このような構成は、第2磁性層2をメモリ層として、第1磁性層1を検出層とする構成に適している。
【0042】
上述した例では、第5磁性層11を希土類元素副格子磁化優勢で、第6磁性層12を鉄族元素優勢な組成としたが、この逆にしても良い。第3磁性層と第4磁性層についても同様である。しかし、トンネル効果に起因するのは、主に、鉄族元素であるため、トンネル障壁膜に近い層、つまり、第3磁性層21と第5磁性層11を鉄族元素副格子磁化優勢とするのが、好ましい。
【0043】
(第9の実施形態)
ここでは、本発明の磁気抵抗素子における磁性層からの漏洩磁界の平面分布を従来例と比較して具体的に示す。
【0044】
図12は、上述した第1の実施形態による磁気抵抗素子の第2磁性層2から第1磁性層1に印加される漏洩磁界の様子を示したものである。第2磁性層は互いに反平行に磁化した第3磁性層21と第4磁性層22からなる。第2磁性層2から発生する磁界は、第3磁性層21及び第4磁性層22でほぼキャンセルされるが、説明のため、上向きに磁化した第3磁性層21からの磁界が下向きに磁化した第4磁性層22からの磁界よりもやや大きい場合について示してある。
【0045】
これに対して図13は、従来例の面内磁化膜を用いた磁気抵抗素子の膜構成を示している。従来の磁気抵抗素子においても、上部磁性層41、絶縁層42及び下部磁性層43をこの順に積層した構成において、下部磁性層43を相互に反平行に磁化した磁性層51と磁性層52とから構成することが可能である。ただし、磁性層51と磁性層52の間にRuなどからなる中間層53を設けて、これらの磁性層51,52が反平行磁化状態になるようにすることが必要である。この中間層53として設けられるRuの膜厚は、0.7nm程度であって±0.1nm程度の許容範囲しかなく、製造マージンが狭く歩留まりが低下する要因となる。これに対して、本発明の磁気抵抗素子は、このような中間層が不要であり、作成工程の簡素化及び製造マージン上で、有利である。
【0046】
図14は、図12に示した磁気抵抗素子に関して、図12の横軸xに対しての漏洩磁界を示したもので、0.2μm角で、希土類元素優勢(REリッチ)で磁化が20emu/ccで膜厚20nmの希土類鉄族合金と鉄族元素優勢(TMリッチ)で磁化が20emu/ccで膜厚30nmの希土類鉄族合金との2層膜からなる第2磁性層2の上面1nmの地点での膜面垂直方向の磁界を示したものである。最高でも50Oe(3.98×10A/m)以下の磁界しか印加されない。
【0047】
図15は、同様に図12に示した磁気抵抗素子に関して、0.2μm角で、REリッチで磁化が50emu/ccで膜厚50nmの希土類鉄族合金と膜厚1nmでCo(磁化の大きさ1000emu/cc)との2層膜からなる第2磁性層2の上面1nmの地点での膜面垂直方向の磁界を示したものである。最高でも250Oe(19.9×10A/m)以下の磁界しか印加されない。
【0048】
図16は、同様に図12に示した磁気抵抗素子に関して、0.2μm角で、REリッチで磁化が50emu/ccで膜厚50nmの希土類鉄族合金と膜厚1nmでCo(磁化の大きさ800emu/cc)との2層膜からなる第2磁性層2の上面1nmの地点での膜面垂直方向の磁界を示したものである。最高でも170Oe(13.5×10A/m)以下の磁界しか印加されない。
【0049】
比較例として図17に、0.2μm角のCo(膜厚4nm)とRu(膜厚0.7nm)とCo(膜厚3nm)との積層膜からなる面内磁化膜からなる従来の素子(図13参照)の上面1nmでの膜面横方向の漏洩磁界を示した。Coの磁化は1000emu/ccとした。端面で約1000Oe(79.6×10A/m)の磁界が印加されている。
【0050】
また図18に、図17に示すものと同様の構成で0.2μm×0.6μmとサイズだけ異なる従来の素子における漏洩磁界を示した。長方形のサイズにしても、端面で500Oe(39.8×10A/m)近くの漏洩磁界が印加されていることがわかる。面内磁化膜においては、磁化方向のスピンの動きが磁化反転を決定するため、この端面での漏洩磁界は、磁化反転に重要な寄与、具体的にはオフセット磁界の増加を示すことが想定される。
【0051】
また図示していないが、垂直磁化膜からなる単層膜に関しては、0.2μm角で、磁化が120emu/ccで膜厚50nmの希土類鉄族合金単層膜からなる第2磁性層の上面1nmの地点での膜面垂直方向の磁界は、400Oe(31.8×10A/m)以上であり、このため、第1の磁性層に大きな磁界が印加されることとなる。
【0052】
(第10の実施形態)
上述した本発明の磁気抵抗素子に、垂直方向の磁界を発生させる磁場発生手段を設けることで、この磁場発生手段を用いて該磁気抵抗素子に情報の記録を行い、メモリ素子とすることができる。例えば図19に示すように、書き込み線900を図示していない絶縁膜を介して磁気抵抗素子の近傍に配置する。絶縁膜を設けるのは、磁気抵抗素子と書き込み線との電気的な接触を防ぐためである。
【0053】
書き込み線900は、紙面の垂直方向に延びており、(a)では、紙面に向かって電流を流すことにより、第1磁性層1の磁化を上向きとする。また(b)では、紙面から手前に向かって電流を流すことにより、第1磁性層1の磁化を下向きにすることができる。
【0054】
以上説明したように本発明の磁気抵抗素子によれば、従来の面内磁化膜を用いた素子および従来の垂直磁化膜を用いた素子に比較して、漏洩磁界を大幅に小さくすることが可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、互いに反平行に磁化した垂直磁化膜である第3磁性層及び第4磁性層によって第2磁性層を構成することにより、磁気ランダムアクセスメモリなどに使用される磁気抵抗素子において、反転磁界のオフセットを減少し、書き込み消去時の電流を低減することができるという効果がある。また、メモリセルを微細化しても、記録情報の検出が不可能になることがなく、高集積化を実現できすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の磁気抵抗素子の一例を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態の磁気抵抗素子の別の例を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の磁気抵抗素子の一例を示す断面図である。
【図4】希土類鉄族合金における組成と飽和磁化の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第4の実施形態の磁気抵抗素子の一例を示す断面図である。
【図6】図5に示す磁気抵抗素子の磁化の配向状態を示す図である。
【図7】本発明の第6の実施形態の磁気抵抗素子の一例を示す断面図である。
【図8】本発明の第7の実施形態の磁気抵抗素子の一例を示す断面図である。
【図9】図8に示す磁気抵抗素子における第5及び第6磁性層の全体の磁化を示す図である。
【図10】本発明の第7の実施形態の磁気抵抗素子の別の例を示す断面図である。
【図11】図10に示す磁気抵抗素子における第5及び第6磁性層の全体の磁化を示す図である。
【図12】本発明の磁気抵抗素子における漏洩磁界の印加状態を示す図である。
【図13】従来の磁気抵抗素子における漏洩磁界の印加状態を示す図である。
【図14】本発明の磁気抵抗素子における漏洩磁界の分布を示すグラフである。
【図15】本発明の磁気抵抗素子における漏洩磁界の分布を示すグラフである。
【図16】本発明の磁気抵抗素子における漏洩磁界の分布を示すグラフである。
【図17】従来の磁気抵抗素子における漏洩磁界の分布を示すグラフである。
【図18】従来の磁気抵抗素子における漏洩磁界の分布を示すグラフである。
【図19】メモリセルの基本構成を示す図である。
【図20】従来の磁気抵抗素子の構成を示す断面図である。
【図21】角型比が1の場合のMRカーブにおけるオフセット磁界を示すグラフである。
【図22】角型比が1でない場合のMRカーブにおけるオフセット磁界を示すグラフである。
【図23】角型比が1でオフセット磁界が大きい場合のMRカーブのグラフである。
【図24】本発明の第8の実施形態の磁気抵抗素子の別の例を示す断面図である。
【図25】図24に示す磁気抵抗素子における第5及び第6磁性層の全体の磁化を示す図である。
【符号の説明】
1 第1磁性層
2 第2磁性層
11 第5磁性層
12 第6磁性層
21 第3磁性層
22 第4磁性層
500 絶縁膜
N2 絶縁層

Claims (17)

  1. 膜面垂直方向に磁化した第1磁性層と、非磁性層と、膜面垂直方向に磁化した第2磁性層とが順に積層されてなり、前記第2磁性層の保磁力が前記第1磁性層の保磁力より高く、前記第1磁性層と前記第2磁性層の磁化の相対角度により前記第1磁性層と前記第2磁性層間に前記非磁性層を介して電流を流した際の抵抗値が異なる磁気抵抗素子において、
    前記第2磁性層は、互いに反平行に磁化した垂直磁化膜である第3磁性層及び第4磁性層からなることを特徴とする磁気抵抗素子。
  2. 前記第3磁性層及び前記第4磁性層の少なくとも一方がフェリ磁性層であり、前記第3磁性層及び前記第4磁性層が交換結合している請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  3. 前記第3磁性層及び前記第4磁性層のうち前記第3磁性層が前記非磁性層側に配置しており、前記第3磁性層が鉄族元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜からなり、前記第4磁性層が希土類元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜からなる請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  4. 前記第3磁性層及び前記第4磁性層のうち前記第3磁性層が前記非磁性層側に配置しており、前記第3磁性層が鉄族元素を主成分とするフェロ磁性層からなり、前記第4磁性層が希土類元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜からなる請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  5. 前記フェリ磁性層は、Gd,Tb,Dyのうち少なくとも1種を含む希土類元素とFe,Coのうち少なくとも1種を含む鉄族元素とからなる請求項2に記載の磁気抵抗素子。
  6. 前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に絶縁膜が設けられている請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  7. 前記第1磁性層は、互いに平行に磁化した垂直磁化膜である第5磁性層及び第6磁性層からなる、請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  8. 前記第6磁性層が鉄族元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜で、前記第5磁性層が鉄族元素を主成分とするフェロ磁性膜からなる請求項7に記載の磁気抵抗素子。
  9. 前記第1磁性層は、互いに反平行に磁化した垂直磁化膜である第5磁性層及び第6磁性層からなる、請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  10. 前記第5磁性層が鉄族元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜からなり、前記第6磁性層が希土類元素副格子磁化優勢な希土類鉄族元素合金フェリ磁性膜からなる,もしくはこの逆の構成からなる請求項9に記載の磁気抵抗素子。
  11. 前記第2磁性層から前記第1磁性層に印加される磁界が前記第1磁性層の保磁力よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗素子。
  12. 前記非磁性層が絶縁層である請求項1乃至11のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
  13. 前記絶縁層を介して流れる電流がトンネル電流である、請求項12に記載の磁気抵抗素子。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子と前記磁気抵抗素子の膜面に垂直方向の磁界を発生する磁場発生手段とを有し、
    前記磁場発生手段を用いて前記磁気抵抗素子に情報の記録を行うメモリ素子。
  15. 請求項14に記載のメモリ素子の磁気抵抗素子の一端を電界効果トランジスタのドレイン領域に接続し、他端をビット線に接続したメモリセルを基板上に有する磁気ランダムアクセスメモリ
  16. 請求項15に記載の磁気ランダムアクセスメモリの記録再生方法であって
    前記メモリ素子の前記第2磁性層の磁化の向きにより情報を記録し、
    抵抗値の大小を読み取って情報を再生する記録再生方法。
  17. 請求項15に記載の磁気ランダムアクセスメモリの記録再生方法であって
    前記メモリ素子の前記第2磁性層の磁化の向きにより情報を記録し、
    読出し時に前記第1磁性層の磁化を反転させて抵抗値の変化を読み取って情報を再生する記録再生方法。
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