JPH0824891A - 生ゴミの生物処理方法及びその装置 - Google Patents

生ゴミの生物処理方法及びその装置

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JPH0824891A
JPH0824891A JP6180866A JP18086694A JPH0824891A JP H0824891 A JPH0824891 A JP H0824891A JP 6180866 A JP6180866 A JP 6180866A JP 18086694 A JP18086694 A JP 18086694A JP H0824891 A JPH0824891 A JP H0824891A
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slurry
anaerobic
garbage
solid
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JP6180866A
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Inventor
Yasuo Imamura
泰夫 今村
Hisashi Nomura
久志 野村
Jun Hasegawa
潤 長谷川
Yoshinori Yushina
嘉則 油科
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生ゴミを排水と共に効率的にコンパクトに連
続的に可溶化処理し、且つ、下水道処理施設への負荷も
増大させることなく下水に放流可能な排水にする生ゴミ
の生物処理方法及びその装置の提供。 【構成】 (1)生ゴミを粉砕すると共に生ゴミ水スラ
リーとする生ゴミ粉砕・スラリー工程、(2)該生ゴミ
水スラリーを濃縮するスラリー濃縮工程、(3)濃縮さ
れた生ゴミ水スラリーを嫌気的生物処理して可溶化する
嫌気的生物処理工程、及び、(4)嫌気的生物処理工程
からの液分を好気生物処理する好気生物処理工程からな
る生ゴミの生物処理方法。更に(5)前記濃縮スラリー
を微粉砕する微粉砕工程を設けるのが好ましく、更にま
た(6)濃縮スラリー貯留調整工程を設けるのが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生ゴミの生物処理方法及
びその装置に関し、詳しくは、各所定箇所で発生した生
ゴミを粉砕し連続的に生物処理し有機性固形物を効率的
よく可溶化して放流排出する生ゴミの生物処理方法及び
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境汚染問題が大きく採り上げら
れ、なかでも各種廃棄物は増大の一途からその処理が種
々問題となり、産業廃棄物は勿論、一般家庭からの出さ
れる生活廃棄物も低減化が叫ばれるようになっている。
廃棄物のうちの生ゴミは、通常家屋やマンション等の一
般家庭から排出される他、ホテル、レストラン及び惣菜
工場等飲食物の調理場所でも大量に排出されるようにな
り、他の廃棄物と異なり、多量の水分を伴い周辺を汚染
し易く、腐敗して悪臭が発生する等種々の問題から、た
め置き、回収、焼却または廃棄からなる従来の処理方式
の大幅改良が望まれている。
【0003】生ゴミの処理は次の2方式に大別される。
即ち、その一は生ゴミのみを処理する方式であり、他
は、生ゴミと排水とを同時に処理する方式である。生ゴ
ミのみを処理する方式は、従来からの回収して焼却する
方式とそれらの改良、及びコンポスト(堆肥)化の適用
が主流である。焼却処理は、都市部や工場周辺では多く
実施されているが、助燃剤を必要とする上、上記のよう
に生ゴミは水分含有量が多く焼却効率が低く、生ゴミを
含む廃棄物発生量の増大化に対応するための焼却炉の新
設は周辺住民への影響が大きく容易でない等の問題があ
る。また、大規模に生ゴミを廃棄する集合住宅やホテル
で、それぞれ個別に焼却処理する場合は、危険を伴うお
それがあり管理を十分にする必要がある等同様に容易で
ない。コンポスト化処理は、各発生場所での処理は従来
と殆ど同様で変わらない上、通常廃棄される生ゴミのま
までは水分含有量が多いため、脱水処理やオガクズ等の
水分調整剤の添加が不可欠となり取扱が煩雑となるおそ
れがある。その上、大規模にコンポスト化処理するため
には広大な敷地を要し、特に都市部でその確保が容易で
ない上、得られるコンポストの需要及び需要地への搬送
等の問題が依然として残る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、生ゴミと排水と
を同時に処理する方式は、生ゴミ発生箇所においては通
常排水が生じることから上記従来の生ゴミのみの処理方
式より好ましい。この同時処理方式は、近年、欧米で広
く普及しつつあるディスポーザ方式、即ち、厨房流し台
水槽の排水口下に設置したディスポーザで生ゴミを粉砕
して排水と共に流出する方式に代表されるが、我が国に
おいては配管等に汚泥が堆積し易いことと下水道処理設
備に対する負荷が大きくなり過ぎるため、現時点ではそ
の使用の自粛が要請されている。しかし、生ゴミと排水
とを同時に処理する方式は、厨房等に生ゴミをため置き
することなく処理でき発生箇所での処理としては極めて
簡便であり、その使用を可能とする処理方式が要望され
ている。そのため、発明者らは粉砕生ゴミと排水とを共
に流出する方式を見直し、その結果、各生ゴミの発生箇
所から流出された粉砕生ゴミを含む排水を予め処理し、
下水道処理施設や既存の事業所排水処理施設等への負荷
を増大させることがないという観点から、発生した生ゴ
ミをディスポーザ等で粉砕し排水と共に流出させる方式
における後処理を検討することで、生ゴミの処理方法全
般の簡便化を検討することにした。
【0005】例えば、特開平3−60797号公報で
は、下水道処理施設が整備されていない地域の大型集合
住宅におけるし尿汚水を含む生活排水処理用の合併浄化
槽に生ゴミ投入槽を併設させ、台所のディスポーザで粉
砕された生ごみを真空搬送やポンプ圧送により投入し、
自然沈降させ嫌気処理により可溶化し、その後、し尿汚
水等と合わせて処理することを提案している。この提案
の方法は、本来、下水道処理施設への負荷等を鑑みたも
のでなく、新たに合併浄化槽を建設する場合や既存の合
併浄化槽を備えている場合には有効であるが、既に下水
道が完備されていたり、敷地等に余裕のない地域では、
合併浄化槽を新設することは事実上不可能である。更
に、上記提案の処理方法は単なる自然放置による嫌気生
物処理であり、嫌気処理部の固液接触効率は極めて低
く、長期間滞留を余儀なくされるため大型の嫌気槽を要
する。従って、集合住宅、ホテル、レストラン、惣菜工
場等の排水及び生ゴミが共に大量に排出される場合は、
嫌気処理槽が膨大なものとなり現実的実用性に乏しい。
また、生ゴミと排水を同時に処理する方式としては、メ
タン発酵法の適用も考えられる。しかしながら、メタン
発酵法では、発酵槽内を絶対嫌気状態にする必要がある
等の維持管理が複雑であること、メタン発酵後更に好気
処理が必要となり装置が大型化すること、生ゴミを処理
する場合には集合住宅や惣菜工場等の規模であっても有
効利用可能な程度のメタンガス量は得られず、メタン発
酵法最大の利点を生かすことができない等の問題があ
る。本発明は、上記したようにレストランや惣菜工場等
一か所で大量に排出される生ゴミや、マンション、ホテ
ル等発生箇所が多数集中して収集により大量に排出され
る生ゴミを、粉砕し同一箇所から排出される排水と共に
効率的にコンパクトに連続的に処理し、且つ、下水道処
理施設への負荷も増大させることのない生ゴミの生物処
理方法及びその装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、生ゴミ粉砕物
を含有する生ゴミ水スラリーを調製し、その所定量を連
続的に嫌気的生物処理した後、引き続いて好気生物処理
して排出することを主旨とする生ゴミの生物処理であ
る。即ち、本発明によれば(1)生ゴミを粉砕すると共
に生ゴミ水スラリーとする生ゴミ粉砕・スラリー工程、
(2)該生ゴミ水スラリーを濃縮するスラリー濃縮工
程、(3)濃縮された生ゴミ水スラリーを嫌気的生物処
理して可溶化する嫌気的生物処理工程、及び、(4)嫌
気的生物処理工程からの液分を好気生物処理する好気生
物処理工程からなる生ゴミの生物処理方法が提供され
る。本発明の上記生ゴミの生物処理方法において、スラ
リー濃縮工程で生ゴミ水スラリーの固形物濃度が0.5
〜2.0乾燥重量%に濃縮するのが好ましく、また、生
ゴミの種類によって前記嫌気的生物処理工程の前段に、
更に(5)前記濃縮スラリーを微粉砕する微粉砕工程を
設け、濃縮微粉砕スラリーとして生物処理するのが好ま
しい。更に、前記嫌気的生物処理工程の前段に、(6)
濃縮スラリー貯留工程を設け、後段工程への濃縮スラリ
ー送量を調整するのが好ましい。更にまた、本発明の上
記生ゴミの生物処理方法において、前記嫌気的生物処理
工程が微生物浮遊状態であって、そのpH値を6〜8に
保持するのが好ましく、また、好ましくは発生するガス
を前記好気生物処理工程に導入するのがよい。
【0007】本発明は、生ゴミ粉砕装置、スラリー濃縮
装置、スラリー貯留装置、嫌気的可溶化装置及び好気生
物処理装置からなり、該生ゴミ粉砕装置が排水通路に接
続されると共に、該生ゴミ粉砕装置と該スラリー濃縮装
置とが、該スラリー濃縮装置と該スラリー貯留装置と
が、該スラリー貯留装置と嫌気的可溶化装置とが、及び
該嫌気的可溶化装置と該好気生物処理装置とが、それぞ
れ流通手段により連結され生ゴミが順次前記各装置を流
通して処理されることを特徴とする生ごみの生物処理装
置を提供する。本発明の生ごみの生物処理装置において
前記流通手段として配管により各装置が連結されるのが
好ましく、前記スラリー濃縮装置が傾斜板型ふるいを配
設したスクリーンから構成されるのが好ましい。更に、
前記嫌気的可溶化装置が、好ましくは嫌気的生物処理域
と固液分離域とからなり、嫌気的生物処理域が攪拌手段
を有し、固液分離域が上向流型濾過方式で分離濾材が配
設され、更にまた分離濾材を不織布から構成するのが更
に好ましい。
【0008】
【作用】本発明は、上記のように構成され、好ましくは
生ゴミの各発生場所において、ディスポーザ等粉砕機で
生ゴミを微細に粉砕し、粉砕生ゴミを排水等の水分と共
に生ゴミ水スラリーとして排水管等を通じて、その後の
処理域に搬送して、所定の固形物濃度のスラリーとした
後、嫌気性生物処理して含有固形物を可溶化し、次いで
直ちに好気生物処理することにより、処理装置を小型化
でき小規模な設置面積及び容積の確保で容易に実施可能
である。粉砕生ゴミを含有するスラリーは、一旦、貯留
した後、生物処理の容量に応じて所定量を嫌気的及び好
気生物処理に供給することにより、常時連続的処理が可
能となり、発生する生ゴミ量及び排水量から適切でコン
パクトな連続処理設備を設定することができる。従っ
て、膨大な設置面積や容量は不要であり設備費が嵩むこ
ともない。各家屋や集合住宅の各戸等の生ゴミ排出場所
では、ディスポーザ等で生ゴミを粉砕して排水と共に生
ゴミ水スラリーとして流出しても、それらを一か所に収
集し、固液分離して固形物を嫌気的に可溶化し、更に、
好気処理で浄化するため、その後下水道に放流しても下
水道処理施設に過剰の負荷をかけることがない。また、
各生ゴミの排出域では生ゴミをため置きすることなく、
処理域に直ちに送出することができ、周囲を汚染するこ
とがなく悪臭の発生も防止されると共に、複数の生ゴミ
排出場所からの大量の生ゴミを効率的に連続して一括処
理することができる。
【0009】本発明の嫌気的生物処理においては、生ゴ
ミの粉砕物である固形有機物が可溶化して溶解すればよ
く、一時的には微好気状態となっても支障がない。ま
た、本発明の可溶化は、粉砕生ゴミ水スラリーが嫌気的
に生物処理されて排出される液分が殆ど透明な状態また
は僅かに濁りを示す程度のもの、また、目開き約0.8
μmのメッシュを通過させたとき残存物のない状態のも
のということができる。従って、本発明の嫌気的生物処
理は、酸醗酵、可溶化及びメタン醗酵からなる最終的に
メタンガスとする従来の有機物含有汚染水の浄化のため
に行われている嫌気生物処理とは異なり、絶対嫌気状態
(酸化還元電位(ORP)が−300mV以下)を形成
する必要はなく、好ましくは−50mV以下であればよ
い。そのため嫌気的可溶化装置内に攪拌機を設置した
り、嫌気的可溶化装置中の被処理液を循環させる等の微
生物浮遊状態で固液接触をより積極的に行うことがで
き、処理を促進させ、より一層の処理装置の小型化を図
ることができる。
【0010】本発明の嫌気的生物処理用の装置は、好ま
しくは嫌気的生物処理域と固液分離域から構成するた
め、上記のように嫌気的処理で攪拌等により固液接触効
率を増大させても、水溶液分のみ次の好気生物処理工程
に流出し、固形物は嫌気的生物処理工程に留り固形物の
滞留時間(SRT)を大きくすることができる。そのた
め、固形物の嫌気的可溶化率を向上させることができ
る。更に、水の滞留時間(HRT)は、SRTとは独立
に選択することができ、固形物の嫌気的処理の進行とは
別に、処理装置に流入する水量に見合う水分量を定常的
に生ゴミの処理装置から流出させることができるため、
処理装置の小型化を図ることができる。また、HRTが
小さな値、即ち、流入水量を多くし装置内を連続的に多
量の水が通過することにより、水中の含有酸素等で装置
内に酸素量が増加しても、上記のように本発明の嫌気的
生物処理は、可溶化を目的とし完全な嫌気状態は不要で
あり支障とならない。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、生ゴミとは、一戸建家屋、集合住宅等に
おける通常の一般家庭の台所から廃棄される野菜屑、料
理残等の生ゴミを始め、レストランやホテル惣菜工場等
の業務上発生する生ゴミも含み、即ち、発生箇所による
ことなくそれぞれの発生箇所の条件、主に、処理装置の
設置条件に応じて本発明を適宜適用することができる。
上記生ゴミの粉砕には各種公知の粉砕機を用いることが
できるが、一般的には、家庭の厨房では、流し台排水口
下に配置するいわゆるディスポーザーを用い、レストラ
ンや惣菜工場等では業務用大型ディスポーザーを用いる
ことができる。ディスポーザーで粉砕した生ゴミ固形物
の平均粒径は、通常約2〜3mmである。なお、本発明
において、平均粒径は累積重量百分率が50%時の粒径
をいう。
【0012】本発明において各厨房等にて発生した生ゴ
ミは、先ず、上記粉砕機を用いて水と共に粉砕して粉砕
生ゴミ水スラリーとして、生ゴミの生物処理装置に連結
する排水管で排出可能とする。スラリーを排出する排出
管は、通常、各厨房等の流し台に既に配管されている排
水管を用いることができる。本発明において、粉砕生ゴ
ミと混合して生ゴミ水スラリーを形成する水分として
は、通常、厨房排水が用いられるが、その他の、洗面、
入浴、洗濯等のいわゆる生活雑排水が有効に利用するこ
とができる。また、排水のみに拘ることなく必要に応じ
て、水道水、井戸水等の上水を用いてもよい。また、適
用状況に応じ、排水と上水との双方をその比率を適宜選
択して使用することができる。なお、本発明の上記水分
には、し尿処理系排水や、食品工場、化学工場等から排
出される特定の無機及び有機物質を高度に含有する排水
は含まれない。
【0013】上記のように厨房等各生ゴミ発生箇所で粉
砕処理された生ゴミ水スラリーは、スラリー排出管を通
じて連結する生ゴミ発生場所とは別に設置された生ゴミ
の生物処理施設に排出供給される。即ち、スラリー排出
管と直接連結された粉砕生ゴミスラリー濃縮装置に収集
され、後段の工程に適するように所定の含水濃度のスラ
リーにする。排水管を通じて送出される粉砕生ゴミ水ス
ラリーは、通常、約99.9重量%以上の水分を含むた
め、固形物量が約0.5〜2.0乾燥重量%となるよう
に濃縮する。本発明のスラリー濃縮はスラリー中の水分
量を所定にするものであり、各種の公知の方法で行うこ
とができる。好ましくは、ある程度の水分が粉砕生ゴミ
固形分間に間隙水として取り込まれて保持され、且つ、
粉砕生ごみ固形物が効果的に捕捉されるものがよい。通
常、固形物を濾材上に捕捉できる所定の目開きのメッシ
ュやウェッジワイヤータイプ等のふるいを配置したもの
で、且つ、角度が約64度以上の傾斜板型のスクリーン
が好ましい。捕捉された粉砕生ゴミ固形物間の間隙に水
分を保持しつつ、その傾斜により自動的に次工程の装置
等に供給することができ、且つ、目詰まりも生じること
がないためである。スクリーンを構成するふるいの目開
きは粉砕生ゴミ固形物の粒径により適宜選択することで
きる。通常、生ゴミ粉砕固形物の粒径が上記のように3
〜2mmであれば、ふるいの目開きは約0.1〜0.1
5mmとするのが好ましい。
【0014】本発明において、上記スラリー濃縮により
所定濃度となった濃縮生ゴミ水スラリーは、次いで、要
すればミル等の微粉砕機からなる微粉砕工程及び/また
は次工程の嫌気的生物処理工程への送出量を所定に調整
するスラリー貯留工程を経て、嫌気的生物処理工程に供
給する。一方、上記スラリー濃縮工程で分離された生ゴ
ミスラリー水分は、スクリーン等のスラリー濃縮装置か
ら排水管を通じて、濃縮粉砕生ゴミ水スラリーを生物処
理する後段の生物処理工程から排出される液分と合流し
て、既設の排水処理槽があればそこに送出され、ないと
きは下水に放流される。本発明の微粉砕工程は、生ゴミ
中には種々雑多なものが含有され、スラリー工程の粉砕
のみでは後段の生物処理の進行の遅滞が予測される場合
等に更に設置される。従って、微粉砕工程においては、
通常、スラリー工程での粉砕粒径より微細粒に粉砕し、
例えば上記のようにスラリー工程の粉砕粒径が3mm以
下であり、微粉砕工程では平均粒径0.3mm以下、好
ましくは0.1mm以下にミル等微粉砕機で粉砕する。
また、特定の惣菜工場等排出される生ゴミが、明らかに
生物処理され易い組成分からなる場合は不要である。
【0015】本発明のスラリー貯留工程は、各生ゴミ発
生箇所から送出された粉砕生ゴミ水スラリーの水分を所
定に濃縮されたスラリーを、要すれば上記微細工程を経
て、一旦収集貯留し、次の嫌気的生物処理工程への送出
量を調整することができる。従って、生ゴミや排水の発
生量に変動が生じても、後段への負荷を所定に保ち、処
理操作を定常状態とすることができる。また、スラリー
貯留装置には、通常、攪拌手段及び/またはスプレー手
段を配備するのが好ましい。スラリー中には生ゴミから
の種々雑多のものが含まれ比重も大小さまざまであるた
め、貯留スラリーが不均一となるおそれがあるが、スラ
リー貯留装置に攪拌手段を配備し攪拌により比重の大き
な固形物の沈降を防止し、粉砕生ゴミ水スラリーを均一
に保持貯留することができる。それにより粉砕生ゴミ水
スラリーの後段工程への抜き出し送出を連続して円滑に
行うことができる。攪拌手段は、通常の攪拌機を配備す
ればよく、角度45度で下押出流れ構造の攪拌羽根を有
する攪拌機が好ましい。また、粉砕生ゴミ水スラリー貯
留装置に配備するスプレー手段は、貯留装置内を洗浄す
ることができると同時に、装置内液面や粉砕生ゴミ水ス
ラリー濃度を適宜散水により調整することができる。特
に、貯留装置内で液面の変動が激しい場合は装置壁に粉
砕生ゴミ固形分が付着し易く、スプレーにより散水しそ
れら付着した粉砕生ゴミ固形分をスラリー液中に洗浄流
下させることができる。
【0016】本発明の嫌気的生物処理工程は、スラリー
濃縮工程、微粉砕工程またはスラリー貯留工程の前段工
程からの所定濃度の粉砕生ゴミスラリー固形物を可溶化
し、可溶化液及びスラリー水分からなる液分を未可溶の
固形物から分離して、次工程の好気生物処理工程に送出
する。そのため、嫌気的生物処理工程は、好ましくは嫌
気的生物処理域と固液分離域との2領域から構成される
のがよい。この2領域は、各々を独立して設置する形式
の装置でもよいし、例えば、下部を嫌気的生物処理域と
し上部を固液分離域とする等の一装置内を上下の垂直方
向に、または、左右、前後、環状の水平方向に仕切り区
分した形式でもよい。嫌気的生物処理域からの液分は、
通常、後記するように分離濾材が配設される固液分離域
の下部に導入され、上向流で分離濾材間を流通して次工
程に送出される。また、嫌気的生物処理域は後記するよ
うに攪拌混合するため、固液分離域に送られる液分はい
ずれから抜き出されるようにしてもよい。液分中の固形
物は流通時に分離濾材で捕捉され沈降し堆積し、適宜、
嫌気的生物処理域に循環することができる。また、それ
ぞれの領域の比率は、特に制限されるものでなく、処理
すべきスラリー濃度及びその組成分や流入量に応じて適
宜選択することができる。通常、嫌気的生物処理域は、
固液分離域に対し容積比で1〜2である。
【0017】嫌気的生物処理工程の一装置内を上下に仕
切り上記嫌気的生物処理域と固液分離域に区分する場合
は、下方部に嫌気的生物処理域を配置し、その液分が上
方部に位置する固液分離域に流入するようにすることが
できる。分離された固形物は嫌気的生物処理域に自然沈
降するか、分離濾材固定用多孔板等の支持部材上に堆積
させて、適宜、嫌気的生物処理域に循環することができ
る。独立形式で上下に配置する場合は、省動力のため、
嫌気的生物処理域を上方に位置させその液分を重力によ
り、下方に位置する固液分離域の下部に送出するように
するのが好ましい。一方、2領域を水平方向に配置する
場合は、独立形式おいては流通管を配設し、好ましくは
嫌気的生物処理域から液分を抜き出し、固液分離域の下
部に導入する。また、一装置内を仕切る形式において
は、好ましくは境界部から嫌気的生物処理域の液分が固
液分離域に溢流し、且つ、固液分離域の下部に流入する
形態で溢流管を配設するのがよい。動力を要することな
く液分の導入と固液分離を効率的に行うことができるた
めである。例えば、所定の境界部を液面より低くして溢
流境界部を形成すると共に、溢流境界部を包囲し両方の
領域に液面より高く、且つ、少なくとも固液分離域にお
いては下方まで連続的に延長する溢流管を配設する。ま
た、溢流管は、単に液面レベルより高い堰をを両領域に
設けるだけでもよい。
【0018】上記嫌気的生物処理域は実質的に嫌気的生
物処理を進行させる領域であり、前記したように、本発
明の嫌気的生物処理はORP−300mV以下の絶対的
嫌気状態は必要でなく、粉砕生ゴミスラリーの固形物を
最終的に可溶化し液体として、後段の好気処理に送出す
ることを目的とする。従って、ORP−50mV以下の
軽度の嫌気状態を保持すればよく、多少の空気等酸化性
ガスが含有されてもよく、嫌気状態よりむしろ領域内を
攪拌混合し嫌気処理微生物を浮遊状態とし固液接触率を
高め、可溶化処理速度を増大させて処理設備の小型化を
図るのが好ましい。嫌気的生物処理域の攪拌混合は、特
に制限されないが、通常、攪拌機を配備したり、ポンプ
等により嫌気的生物処理域内のスラリーを抜き出し循環
させて行うことができる。この場合、循環ポンプは、前
段工程から粉砕生ゴミ水スラリーを嫌気的生物処理工程
へ送出するためのポンプを兼用させてもよい。また、嫌
気的生物処理においては、可溶化に伴いガス化が起こり
ガスが発生し領域上部にガスが貯留するので、このガス
を利用し領域下部に導入して攪拌混合することもでき
る。また、嫌気的生物処理域の可溶化は、粉砕生ゴミ固
形物である有機物の加水分解が主反応であり有機酸が生
成され、嫌気的生物処理工程内のスラリーのpH値が徐
々に低下する傾向にある。そのため、苛性ソーダ等のア
ルカリを添加して所定の当該嫌気生物処理微生物に好適
なpH値に調整する。通常、嫌気的生物処理工程のpH
値は6〜8である。
【0019】本発明の嫌気的生物処理工程の上記固液分
離域は、通常、固形物を濾過捕捉できる分離濾材を配備
する。分離濾材としては、不織布を用いることが好まし
い。不織布は、天然繊維や、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
塩化ビニル、ナイロン、ビニロン等合成繊維の各種繊維
がランダムに絡結合し複雑な無数の空間を形成し、空隙
率や空間の大きさは繊維の太さや圧縮度等により調整す
ることができる。本発明の分離濾材として用いる不織布
は、上向流の液分中に浮遊同伴する未可溶化の固形物の
流れを止めて下方に沈降させるものがよく、目開きが比
較的粗いものが好ましい。また、従来の排水処理におけ
る不織布を用いる嫌気濾床、固定床や、膜分離法ではS
Sを100%捕捉除去しようとするものであるのに対
し、本発明の生ゴミの処理方法から流出する処理水は、
通常、既設の排水処理槽や下水に放流されるものであ
り、最終的には更に沈澱槽等を経てSSを除去して河川
に流入するため、嫌気的生物処理工程でのSS捕捉率
は、流入SS濃度の約70%でよい。通常、平均目開き
が1〜2mmのものが好適に用いられる。従って、固液
分離域の不織布の目詰まりも短期間では発生することが
ないため、頻繁に逆洗浄する必要がなく、数カ月間隔で
行えばよい。分離濾材の不織布の配設は特に制限され
ず、固液分離域の全域に配設してもよいが、好ましくは
所定の上方部を占めるように配設する。また、不織布の
比重等その物性により適宜選択することができ、所定形
状に成形して用いもよいし、ばらばらの状態で浮遊また
は沈降させてもよい。浮遊するものはネット等を用い浮
上を抑え、また、沈降するものは多孔板等の支持板を配
置し、適宜固液分離域の上方部の水分中に浸漬状態に配
設するのが好ましい。また、固液分離域の底部に沈降堆
積する固形物は、上記したように適宜抜き出し嫌気的生
物処理域に循環することができる。更に、粉砕生ゴミ中
には、骨殻、卵殻等の不溶化物の無機物が混入すること
もあり、長期間の操作にはSS濃度が徐々に高くなるこ
とがあり、底部から定期的に系外に取り出すのがよい。
【0020】上記のように本発明の嫌気的生物処理工程
は、嫌気的生物処理域と固液分離域とからなるため、粉
砕生ゴミ水スラリー中の固形物は、嫌気的生物処理域及
び固液分離域においてそれぞれ循環され、嫌気的生物処
理域で長期の滞留時間を採ることができ可溶化率を向上
させることができる。一方、水分は固形物の滞留時間と
は別に独立の滞留時間を採ることができ、所定容量で大
量の流入水を処理流出させることができる。装置の容
量、生ゴミの排出収集量等により異なるが、通常、SR
Tが15〜30日で、HRTを3〜7日に設定すること
ができる。嫌気的生物処理工程で固液分離された液分
は、固液分離域から次工程の好気生物処理工程に送出さ
れる。また、本発明の嫌気的生物処理工程は、嫌気的生
物処理域と固液分離域を一装置内に区分するか、独立さ
せるかによらず、処理中に発生する臭気のあるガスを直
接系外に排出しないようにするのが好ましい。発生ガス
は、前記のように嫌気的生物処理域の攪拌に用いたり、
最終的には後続の好気生物処理工程に空気等の酸素含有
ガスと合流させて導入することにより脱臭され、好気生
物処理工程からの排ガスとして排出することができる。
【0021】本発明の好気生物処理工程は、従来公知の
好気処理方法、例えば活性汚泥法、生物膜法、固定化担
体法等のいずれも適用することができ、特に制限されな
い。通常、生物膜法または固定化担体法を適用する。一
般に、好気生物処理装置には、上記嫌気的生物処理工程
から送出された液分を上向流で供給すると共に、空気等
酸素含有ガスをブロワーにより同様に上向流で導入して
装置内液を曝気し、所定に成育された好気微生物により
嫌気可溶化液中の溶解性汚泥物質が処理され、既設の排
水処理槽または下水等系外に排出することができる。ま
た、上記したように嫌気的生物処理工程で発生する臭気
ガスを、曝気用の酸素含有ガスに合流させ、この好気生
物処理工程に供給することにより曝気脱臭して排出ガス
と共に系外に排出できる。嫌気生物処理においては悪臭
ガス発生が、周辺環境へ及ぼす影響が問題にされている
が、本発明の処理においては悪臭ガスの発生も防止する
ことができる。本発明の好気生物処理工程は、開放状態
で行ってもよいし、内部加圧型の密閉状態としてもよ
い。設置条件等により適宜選択することができる。上記
した本発明の方法及び装置は、各種運転制御器及び運転
監視器を設置することにより、自動制御して連続的に運
転操作することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例に
より制限されるものでない。図1は、本発明の一実施例
の生ゴミの処理方法及び装置を概念的に示した説明図で
ある。図1において、厨房1から排出しようとする生ゴ
ミ2は、通常、流し3の下に配設されるディスポーザ等
生ゴミ粉砕機3で、要すれば排水等の水分と共に粉砕さ
れ、粉砕生ゴミ固形物を含有する水スラリーが形成され
る。その後、粉砕生ごみ水スラリーは、洗面や風呂等の
雑排水5と合流して排水管を通じて、厨房とは別個に設
けられた生ゴミ排水生物処理施設20に送出される。生
ゴミ排水処理施設20は、スラリー濃縮装置21、ホッ
パー付ミル22、スラリー貯留槽23、嫌気的可溶化装
置24及び好気生物処理装置25から構成され、各装置
を連絡する通路ラインL1〜L12、スラリーを送入す
るためのポンプP1〜P5及びガス送入のブロワーB1
が配設される。また、嫌気的可溶化装置24は嫌気的可
溶化槽24a及び固液分離槽24bとからなる。
【0023】雑排水5と共に送出された粉砕生ゴミ水ス
ラリーは、通路ラインL0にて傾斜板型スクリーンのス
ラリー濃縮装置21に送られる。スラリー濃縮装置21
にて粉砕生ゴミ水スラリーは、傾斜ウェッジワイヤーふ
るい21a上を通過してその水分の殆どを濾過され固形
分が濃縮されると同時に、傾斜板上を自重で移動して通
路ラインL1からホッパー22aに入り、ホッパー22
aの下部に連続するミル22bにて濃縮スラリー中の固
形分が更に微粉砕される。一方、固形物と分離された水
分は通路ラインL2にて排水される。ホッパー付ミル2
2にて微粉砕された濃縮スラリーは、次いで通路ライン
L3にてスラリー貯留槽23に送出される。スラリー貯
留槽23には攪拌機23aが配備され、攪拌機23aを
回転して濃縮粉砕生ゴミスラリーを攪拌混合し均一化し
て保持することができる。また、スラリー貯留槽23に
は、必要に応じ散水用スプレー(図示していない)を配
備することができる。散水用スプレーは、槽内壁をスプ
レー洗浄し、生ゴミスラリー固形分が槽壁に付着等固着
するのを抑制し、腐敗、悪臭発生を防止することができ
る。スラリー貯留槽23で保持するスラリーは、定常的
には所定量を、また、排出量の多くなった場合には適宜
液面レベル等で制御し、通路ラインL4から抜き出され
搬送用ポンプP1、通路ラインL5を経て上部が閉鎖さ
れ所定のガス空間を有する嫌気的可溶化装置24の嫌気
的可溶化槽24aに送出し供給する。
【0024】嫌気的可溶化装置24において、嫌気的可
溶化槽24aと固液分離槽24bは、嫌気的可溶化槽2
4aの液分を溢流させるように隔壁板24cを低く、ま
た、その隔壁板24cを包囲して各領域下方より液分を
導入する溢流管24dを配設する。嫌気的可溶化槽24
aでは、スラリー中の粉砕生ゴミ固形物を嫌気的生物処
理して可溶化、即ち液状化する。嫌気的可溶化槽24a
には攪拌ポンプP2及び通路ラインL6を配設し、適宜
スラリーを抜き出し循環させて槽内スラリーを攪拌混合
し、固液接触効率を向上させる。また、循環量によって
は、通路ラインL6を通路ラインL5に合流させて循環
させてもよい。また、嫌気的可溶化槽24aには、pH
測定器24eを配備し、適宜、スラリーpH値を測定
し、pH測定器24eによりポンプP3を稼動制御して
水酸化ナトリウム等のアルカリを投入して所定値(pH
6〜8)を保持する。固液分離槽24bは、上部に分離
材として不織布24fが配設され、上部には次工程へ処
理液を送出する排出部24gを配設する。また、底部か
ら堆積した固形物を周期的、例えば所定時に2分間/1
日で抜き出しポンプP4及び通路ラインL7により嫌気
的可溶化槽24aに循環し、更に定期的に無機物等不溶
化物を汚泥として排出する。更に、嫌気的可溶化装置2
4は、上部にガス空間を設け発生ガスを貯留でき、ま
た、ガス抜き出し口24h及び通路ラインL8を配設す
る。
【0025】固液分離槽24bで固形物を分離された嫌
気処理液は、排出部24gから通路ラインL9及びポン
プP5を経て好気生物処理装置25下部に供給される。
好気生物処理装置25には、上方部に板状の微生物固定
担体25aを配設し、その下方部には曝気ガス用の吹出
ノズル25bを配備する。また、液面上部には処理水液
の排出口25cを、更に上部に排ガス口25dをそれぞ
れ配設する。一方、曝気ガスとしての空気は、空気吸入
ラインL10、ブロワーB1及びガス送入ラインL11
を経て吹出ノズル25bから好気生物処理装置25内に
噴出される。また、嫌気的可溶化装置24で発生したガ
スは、ガス抜き出し口24hから抜き出されガスライン
L8を、空気吸入ラインL10に連絡させて空気と共に
好気生物処理装置25内に送入する。好気生物処理装置
25において、下部に供給された嫌気処理液は曝気ガス
空気と共に微生物固定担体25aを上向流で流通しつつ
好気処理されると共に、更に可溶化される。処理水液
は、排出口25cから抜き出され通路ラインL12から
系外の既設排水処理施設または下水に放出する。また、
スラリー濃縮装置21からの通路ラインL2を連絡して
スラリー濃縮装置21からの濾過分離水を合流して放出
する。排ガスは排ガス口25dから排出する。
【0026】実施例 上記図1に示したフローシートとほぼ同様で、嫌気的可
溶化装置容積60リットル及び好気生物処理装置容積1
2リットルの実験装置を用いて、生ゴミを処理した。湿
量約850gの模擬厨芥を、市販のディスポーザーを用
い平均粒径2.5mmに粉砕し排水500lと混合し
て、固形物によるCODcr(P)250mg/l、溶解
物によるCODcr(S)320mg/lのCODcr57
0mg/lで、揮発性(有機性)懸濁固形物VSS21
0mg/lである固形分0.02重量%の粉砕生ゴミ水
スラリーとした。上記で調製したスラリー500l/日
で、スラリー濃縮装置21の0.1mmの目開きの傾斜
ウェッジワイヤーふるい21a上に供給し、濾過残存物
は8.5l/日でホッパー22aに供給し、ミル22に
て平均粒径約0.1mmに微粉砕した後、スラリー貯留
装置23で攪拌混合して貯留した。また、スラリー貯留
装置23からは、同様に8.5l/日で嫌気的可溶化装
置24に供給した。一方、スラリー濃縮装置21の傾斜
ウェッジワイヤーふるい21aから濾過された濾過水は
491.5l/日で通路ラインL2を流通し、好気生物
処理装置25からL12を経て排出する処理水液と合流
させ排出した。
【0027】嫌気的可溶化装置24は、嫌気的可溶化槽
24aを42リットル、固液分離槽24bを18リット
ルに区分し、固液分離槽24bには、ポリプロピレン製
の比重0.91、平均目開き1.2mmの不織布を配設
した。ポンプP2でスラリーを5l/分で循環し、ま
た、ポンプP4から堆積固形物を2l/日で嫌気的可溶
化槽24aに循環し、平均運転温度20℃、浮遊微生物
濃度1790mg/l、CODcr(S)6570mg/
l及びVSS10640mg/lの条件下、VSS負荷
2.0g/l/日で、pH値を6.8に制御して嫌気的
処理した。この嫌気的処理での固形物滞留時間は24日
であり、水滞留時間は5.6日であった。また、好気生
物処理槽25は、上部にポリプロピレン製の比重0.9
1、平均目開き2.0mmの不織布を配設した。ブロワ
ーB1から空気を2l/分で送入して吹出ノズル25b
から噴出し、平均運転温度20℃、浮遊微生物濃度11
70mg/l、CODcr(S)660mg/l及び生ゴ
ミ由来のVSS2720mg/lの条件下、CODcr
(S)負荷4.6g/l/日で好気処理した。この好気
処理での固形物滞留時間は1.4日であり、水滞留時間
も1.4日であった。上記のようにして生ゴミを処理し
た結果を各通路ラインでの流通物及び最終の排出水の水
質で表1に示した。また、この結果、嫌気的生物処理で
の固形物除去率は74%(但し、生ゴミの可溶化率は9
0%)であり、好気生物処理での溶解物関与CODcr
(S)の除去率は90%であった。また、好気生物処理
装置からの排ガスは、臭気は殆どなかった。
【0028】
【表1】
【0029】上記実施例により、生ゴミを粉砕してスラ
リーとして嫌気的処理して、更に好気処理することによ
り、下水に放流できる水質まで固形物を可溶化し、且
つ、CODを低減できることが分かる。また、コンパク
トな処理装置で、連続的に、安定して処理することがで
き、悪臭の発生もないことが分かる。更に生活雑排水に
含まれる洗剤成分等も好気的に処理され、その水質汚濁
分を加味しても下水放流できることが分かる。
【0030】
【発明の効果】本発明の生ゴミの処理方法は、従来、厨
房等の発生場所で溜置き処分等個々に処理していた生ゴ
ミを、発生とほぼ同時に粉砕処理して直ちに外部に送出
するため、従来の臭気等の問題がなくなり、一般家庭及
び業務用厨房の衛生面での向上が著しい。また、従来の
廃棄物の処理法の回収、投棄または焼却では処理しきれ
なくなりつつある増大する廃棄物量を減量できる上、既
存の下水処理施設に負荷を増大することがない。更に、
本発明の生ゴミの処理装置は、各発生場所から厨芥をス
ラリーとして排水管等で所定箇所に収集一括して、連続
的に嫌気的、好気に生物処理するものであり、処理効率
が高く作業性もよい。また、固形物と水分との滞留時間
を独立して設定できるため、大量の雑排水と共に極めて
コンパクトな装置で処理でき、生活生ゴミは勿論、大量
の業務上の生ゴミの処理にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生ゴミの生物処理方法及び装置の一実
施例を概念的に示した説明図
【符号の説明】
L0〜L12 通路ライン P1〜P5 ポンプ B1 ブロワー 1 厨房 2 生ゴミ 3 流し 4 ディスポーザ 5 雑排水 20 生ゴミ排水処理施設 21 スラリー濃縮装置 22 ホッパー付ミル 23 スラリー貯留槽 24 嫌気的可溶化装置 25 好気生物処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 潤 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 油科 嘉則 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)生ゴミを粉砕すると共に生ゴミ水
    スラリーとする生ゴミ粉砕・スラリー工程、(2)該生
    ゴミ水スラリーを濃縮するスラリー濃縮工程、(3)濃
    縮された生ゴミ水スラリーを嫌気的生物処理して可溶化
    する嫌気的生物処理工程、及び、(4)嫌気的生物処理
    工程からの液分を好気生物処理する好気生物処理工程か
    らなる生ゴミの生物処理方法。
  2. 【請求項2】 前記スラリー濃縮工程で生ゴミ水スラリ
    ーの固形物濃度が0.5〜2.0乾燥重量%に濃縮され
    る請求項1記載の生ゴミの生物処理方法。
  3. 【請求項3】 前記嫌気的生物処理工程の前段に、更に
    (5)前記濃縮スラリーを微粉砕する微粉砕工程を設
    け、濃縮微粉砕スラリーとする請求項1または2記載の
    生ゴミの生物処理方法。
  4. 【請求項4】 前記微粉砕工程において固形物が平均粒
    径約0.3mm以下に微粉砕される請求項3記載の生ゴ
    ミの生物処理方法。
  5. 【請求項5】 前記嫌気的生物処理工程の前段に、更
    に、(6)濃縮スラリー貯留調整工程を設け、後段工程
    への濃縮スラリー送量を調整する請求項1〜4いずれか
    記載の生ゴミの生物処理方法。
  6. 【請求項6】 前記嫌気的生物処理工程が、微生物浮遊
    状態であってそのpH値が6〜8である請求項1〜5い
    ずれか記載の生ゴミの生物処理方法。
  7. 【請求項7】 前記嫌気的生物処理工程が嫌気的生物処
    理と固液分離処理とからなる請求項1〜6いずれか記載
    の生ゴミの生物処理方法。
  8. 【請求項8】 前記嫌気的生物処理工程で発生するガス
    を前記好気生物処理工程に導入する請求項1〜7いずれ
    か記載の生ゴミの生物処理方法。
  9. 【請求項9】 生ゴミ粉砕装置、スラリー濃縮装置、ス
    ラリー貯留装置、嫌気的可溶化装置及び好気生物処理装
    置からなり、該生ゴミ粉砕装置が排水通路に接続される
    と共に、該生ゴミ粉砕装置と該スラリー濃縮装置とが、
    該スラリー濃縮装置と該スラリー貯留装置とが、該スラ
    リー貯留装置と嫌気的可溶化装置とが、及び該嫌気的可
    溶化装置と該好気生物処理装置とが、それぞれ流通手段
    により連結され生ゴミが順次前記各装置を流通して処理
    されることを特徴とする生ごみの生物処理装置。
  10. 【請求項10】 前記流通手段が配管路である請求項9
    記載の生ごみの生物処理装置。
  11. 【請求項11】 前記固液分離装置が傾斜板型ふるいを
    配設したスクリーンからなる請求項9または10記載の
    生ゴミの生物処理装置。
  12. 【請求項12】 前記嫌気的可溶化装置が嫌気的生物処
    理域と固液分離域とからなり、嫌気的生物処理域が攪拌
    手段を有し、固液分離域が上向流型濾過方式で不織布が
    配設されてなる請求項9、10または11記載の生ごみ
    の生物処理装置。
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