JPH0824870A - 工業用海水冷却水の処理方法 - Google Patents

工業用海水冷却水の処理方法

Info

Publication number
JPH0824870A
JPH0824870A JP15887294A JP15887294A JPH0824870A JP H0824870 A JPH0824870 A JP H0824870A JP 15887294 A JP15887294 A JP 15887294A JP 15887294 A JP15887294 A JP 15887294A JP H0824870 A JPH0824870 A JP H0824870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen peroxide
chlorine
seawater
added
cooling water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15887294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3199577B2 (ja
Inventor
Toru Yasunaga
徹 泰永
Yoshiharu Wakao
芳治 若尾
Shoichiro Kajiwara
庄一郎 梶原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Katayama Chemical Inc
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Katayama Chemical Inc
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Katayama Chemical Inc, Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Katayama Chemical Inc
Priority to JP15887294A priority Critical patent/JP3199577B2/ja
Publication of JPH0824870A publication Critical patent/JPH0824870A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3199577B2 publication Critical patent/JP3199577B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業用海水冷却水系でトリハロメタン類が発
生することなく海生付着生物の付着を防止又は成長を抑
制する。 【構成】 工業用海水冷却水系に予め過酸化水素もしく
は過酸化水素発生剤を0.01〜2mg/l(ただし、過
酸化水素として)の濃度になるように均一に分散維持さ
れた海水冷却水に、塩素ガスもしくは有効塩素発生剤を
トリハロメタン類の生成を防止しうる濃度又はそれ以下
の濃度で添加し、工業用海水冷却水系における海生付着
生物の付着防止又は成長抑制することを特徴とする工業
用海水冷却水の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業用海水冷却水系統
における海水付着生物の付着及び成長を抑制する工業用
海水冷却水の処理方法に関する。さらに詳細には、工業
用海水冷却水系において過酸化水素もしくは過酸化水素
発生剤と塩素ガスもしくは有効塩素発生剤とを併用し
て、トリハロメタン類の副生成物が生成せず、かつ、海
生付着生物の付着及び成長を効率よく抑制する工業用海
水冷却水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電所や原子力発電所では、復水器
用の冷却水として海水が多量に使用されている。この場
合、海水取水路壁や配管内及び熱交換器内には、フジツ
ボ類、イガイ類やコケムシ類等の海生付着生物が多量に
付着する。中でも足糸で着生するムラサキイガイ等の二
枚貝類は成長が速く、成貝になると送水の通水を阻害し
たり、熱交換器チューブの一部が閉塞することにより乱
流を引き起こし、エロージョン腐食等の障害を引き起こ
す。
【0003】このため、従来定期的に機械又は人力で剥
離除去する方法が行われていたが、その量が膨大であ
り、公害面等の環境上廃棄処理が困難であるばかりか、
除去作業の為操業を停止しなければならないという不利
を伴う。よって、これら海生付着生物の密集着生を防止
するため、次亜塩素酸ソーダ、電解塩素等の塩素ガスも
しくは有効塩素発生剤(以下、塩素剤という。)や過酸
化水素もしくは過酸化水素発生剤(以下、過酸化水素剤
という。)の添加及びトリ−n−ブチル錫やトリ−n−
フェニル錫の塩化物、酸化物、水酸化物等の有機錫化合
物含有塗料等の塗布が行われてきた。
【0004】しかしながら、塩素剤の添加は、トリハロ
メタン類の生成や場合によってはダイオキシンの生成と
いう可能性が危惧され、有機錫化合物含有塗料の使用は
残留毒性、蓄積毒性があり、両者とも生物濃縮されるこ
とから、環境汚染防止上好ましくない。また、過酸化水
素剤は、分解すれば酸素と水になるため環境への影響が
最も少ない化合物として近年、多用されてきたが、毒性
が弱い分、付着生物に対する選択性が現れ、添加量が少
なくなると付着生物の付着を抑制することが困難にな
る。
【0005】特に過酸化水素剤の分解酵素を多く有して
いるムラサキイガイ等の二枚貝類に対しては、過酸化水
素に対する抵抗性が強く、多量の過酸化水素を添加しな
いと処理できない。以上のような事情を一因として本発
明の発明者らは、過酸化水素剤と塩素剤とを併用添加す
る海水付着生物の付着抑制方法を提案している(特公昭
61−2439号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、2種類の薬剤
を海水に注入する場合、一液製剤とすることが作業性の
点で好ましい。しかし、上記特許公報に記載の過酸化水
素剤と塩素剤は、高濃度で混合すると急激な酸化還元反
応による発熱等の危険性があり、その危険を回避するた
め、別々のタンクに貯蔵して別々に海水冷却水系に注入
する必要があった。
【0007】上記特許公報に記載の発明の第1実施態様
は、過酸化水素剤と塩素剤とを同時に別々に海水に注入
する方法(同時添加法1)であり、海水中の過酸化水素
と有効塩素との酸化還元反応により発生する1重項の酸
素(活性酸素)の作用により付着生物の付着抑制効果を
期待するものであるため、近似する同一箇所に注入点を
設けることが好ましい。
【0008】その場合、酸化還元反応により、両薬剤が
消費され、添加個所及びそれ以降の一部区域については
有効な海生付着生物に対する付着及び成長抑制効果が発
揮されるが、それ以降の区域においては充分な抑制効果
が発揮されないという課題があった(技術課題1)。そ
こで、過酸化水素剤と塩素剤とを添加する場合、両薬剤
同士の接触を回避するため、時間的間隔をあけて交互か
つ別時に同一個所に添加する方法(上記特許公報に記載
の第2実施態様:間欠添加法)が実施されていた。
【0009】しかしながら、その場合、一時的には過酸
化水素剤又は塩素剤のみが添加されることになり、塩素
剤のみが添加されたときには、その添加濃度が有効塩素
として0.07mg/l以上になると海水中のブロムイオ
ン等と反応して、トリハロメタン類が生成される(比較
例11参照)という課題が確認された(技術課題2)。
【0010】このトリハロメタン類の生成量は、塩素剤
の添加量の増加とともに多くなる傾向が認められた(比
較例12〜18参照)。また、同時添加法1において、
海水中での過酸化水素と有効塩素との高濃度接触を減
じ、両薬剤の酸化還元反応による消費を抑制するため、
例えば、一方の薬剤を冷却水配管の断面の上方より、他
方の薬剤を該配管の断面の下方から注入する方法、すな
わち両薬剤の注入点を隔離することが考えられる(同時
添加法2)。
【0011】しかしながら、この方法においても、技術
課題1を解決することはできず、また、生成量は減少す
るものの前記と同様にトリハロメタン類の生成が確認さ
れた(比較例4,8,10,23及び24参照)。従っ
て、前記特公昭61−2439号公報記載の発明において、ト
リハロメタン類の生成を防止するためには塩素剤の添加
量を0.07mg/l未満にする必要があり、その場合に
は、塩素剤の海生付着生物に対する付着及び成長抑制効
果が期待できないため、特にムラサキイガイ等の二枚貝
類に対しては、過酸化水素として2mg/l以上使用しな
いと抑制効果が少ない。
【0012】低濃度とはいえ、海水使用量の大きな冷却
水系統、たとえば火力・原子力発電所等においては、そ
の使用量が膨大な量になるため、経済的ではないという
課題があった(技術課題3)。ゆえに、本発明の目的
は、上記技術課題1〜3を解決すること、すなわち、ト
リハロメタン類の生成が抑制されるとともに、過酸化水
素剤の添加量を低減しても、添加個所及びそれ以降の一
部区域のみならずそれ以降の区域においても海生付着生
物の付着及び成長を有効に抑制する工業用海水冷却水の
処理方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状と認識に鑑み、上記目的を達成するため過酸化水素剤
及び塩素剤の添加方法や添加量とトリハロメタン類の発
生機構について鋭意研究の結果、予め少量の過酸化水素
剤を添加し、拡散手段を施して過酸化水素が分散された
海水に、過酸化水素の添加量に対して特定割合及び特定
量の塩素剤を添加した場合には、トリハロメタン類が実
質的に生成しないことを実験的に見出した(実施例1〜
15並びに比較例1,2,3及び9参照)。
【0014】この実験的確認に基づく事実は、過酸化水
素の添加量に対して特定割合及び特定量の塩素剤を添加
したとしても、前記間欠添加法、同時添加法2及び予め
塩素剤を添加し拡散手段を施し塩素剤が分散された海水
に過酸化水素剤を添加する添加方法を採用した場合には
トリハロメタン類が生成する事実からは予想しがたい意
外な事実であると考えられる(比較例5〜7参照)。
【0015】また、本発明では、過酸化水素剤の添加量
を2mg/l未満に低減させても、塩素剤との併用によ
る、海生付着生物の付着及び成長抑制効力の低下(特に
ムラサキイガイ等の二枚貝類に対して)がないことを実
験により確認した(実施例21〜24参照)。さらに、
その効力が添加個所及びそれ以降の一部区域についての
みならず、それ以降の個所においても効力の低下がみら
れないことも確認した(実施例16〜20参照)。
【0016】すなわち、過酸化水素の濃度が低ければ、
塩素剤は高濃度が要求される筈であるが、本発明は、低
濃度の過酸化水素剤に塩素剤のトリハロメタン類を生成
しない低濃度を用いて、海生付着生物の付着抑制効果が
表れることは意外である。これらの事実をさらに研究、
確認することにより本発明を完成させた。かくして、本
発明によれば、工業用海水冷却水系に予め過酸化水素も
しくは過酸化水素発生剤を0.01〜2mg/l(ただ
し、過酸化水素として)の濃度になるように分散された
海水冷却水に、塩素ガスもしくは有効塩素発生剤をトリ
ハロメタン類の生成を防止しうる濃度又はそれ以下の濃
度で添加し、工業用海水冷却水系における海生付着生物
の付着防止又は成長抑制することを特徴とする工業用海
水冷却水の処理方法が提供される。
【0017】この発明で使用する過酸化水素としては、
工業用として市販されている3〜60%濃度のものが好
適に使用される。さらに、その場で電気分解等で発生さ
せたものを使用してもよい。また、過酸化水素発生剤と
しては、例えば過ホウ酸、過炭酸、ペルオキシ硫酸のよ
うな無機過酸、過酢酸のような有機過酸もしくはこれら
の塩、又は尿素の過酸化水素付加物などが使用される。
【0018】本発明で使用する塩素剤としては、塩素ガ
ス、次亜塩素酸塩、ジクロロイソシアヌル酸塩等海水中
で有効塩素を発生する化合物や海水の電気分解等によっ
て得られた次亜塩素酸塩を使用することができる。本発
明の薬剤を使用するにあたっては、海水や淡水で適宜希
釈して添加することもできる。
【0019】この発明においては、工業用海水冷却水系
に予め過酸化水素剤を0.01〜2mg/l、好ましくは
0.1〜1.8mg/l、より好ましくは0.3〜1.5
mg/l(ただし、過酸化水素として)添加して、好まし
くは拡散手段を施して分散された海水冷却水に、塩素も
しくは有効塩素発生剤をトリハロメタン類の生成を防止
しうる濃度又はそれ以下の濃度で添加する必要がある。
【0020】過酸化水素剤の添加濃度が0.01mg/l
未満であると、海生付着生物に対する付着又は成長抑制
効果が不充分となるばかりか、後で添加される塩素剤と
海水中のブロムイオン等とが反応して、トリハロメタン
類が生成され、この発明の目的を達成できないため好ま
しくない。また、過酸化水素剤の添加濃度が過酸化水素
として2mg/l以上になると、後で添加される塩素剤と
の酸化還元反応が急激に進み有効薬剤が消費され、海生
付着生物に対する付着及び成長抑制効果が充分持続でき
ないため好ましくない。
【0021】本発明において、塩素剤の添加濃度として
は、使用される過酸化水素の1モル当り、有効塩素とし
て0.03〜0.8モル、好ましくは0.05〜0.6
モルに相当する濃度で、かつ、海水冷却水に対して有効
塩素として0.01〜1.0mg/l、好ましくは0.0
2〜0.8mg/lの濃度範囲である。ここで有効塩素1
モルとは塩素1モルと同じ酸化当量に相当する量をい
い、また有効塩素1mgとは塩素1mgと同じ酸化当量に相
当する量をいう。
【0022】塩素剤の添加濃度の下限値が、使用される
過酸化水素の1モル当り有効塩素として0.03モルに
相当する濃度未満であったり(比較例21及び28参
照)、又は海水冷却水に対して有効塩素として0.01
mg/l未満であると、海生付着生物の付着及び成長抑制
効果が不充分となり好ましくない。また、塩素剤の添加
濃度の上限値が、使用される過酸化水素の1モル当り有
効塩素として0.8モルに相当する濃度より多かった
り、又は海水冷却水に対して有効塩素として1.0mg/
lより多いと、塩素剤と海水中のブロムイオン等とが反
応して、トリハロメタン類が生成されるため好ましくな
い(比較例1〜3及び9参照)。
【0023】本発明において拡散手段とは、海水中の過
酸化水素が迅速に実質的に均一濃度になるように海水を
撹拌等する物理的手段をいう。具体的には、図1及び図
3に記載の形状の拡散器の設置、撹拌装置の設置、配管
内や取水口にいわゆる「じゃま板」の設置等が挙げられ
る。なお、工業用海水冷却水系統には本発明の拡散手段
に該当する箇所があり、その前に過酸化水素剤を、その
後に塩素剤を添加することもできる。
【0024】具体的には、例えば、工業用海水冷却水系
の(a)取水口先端部、(b)バースクリーンの上流
側、(c)送水ポンプ又は加圧ポンプの上流側配管等に
予め過酸化水素剤を添加し、その下流部の適当な箇所、
例えば、前記に対応して(a)海水ポンプピット、
(b)バースクリーンの下流側、(c)送水ポンプ又は
加圧ポンプの下流側配管等に塩素剤を添加する方法が挙
げられる。
【0025】本発明の効果としては、過酸化水素剤と塩
素剤の添加量を実質的に低減でき、しかも、有害なトリ
ハロメタン類が副生されないため、環境面で優れた工業
用海水冷却水の処理、すなわちムラサキイガイ、ミドリ
イガイ等の二枚貝類、フジツボ類、クダウミヒドラ等の
ヒドロムシ類、コケムシ及びカンザシゴカイ類等、海生
付着生物の海水冷却水系統の器壁への付着及び成長の抑
制が可能となる。
【0026】特に、これまで低添加量ではその防除が困
難であったムラサキイガイ等の二枚貝類に対する効果的
な付着及び成長抑制が可能になる。
【0027】
【実施例】本発明を実施例及び比較例により説明する。
また図1〜4は実施例又は比較例を説明するための概念
図である。
【0028】実施例1〜15 海水中へ過酸化水素剤として35%過酸化水素溶液及び
有効塩素発生剤として次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効
塩素として5%含有)を、本発明の方法に基づき添加し
た場合の海水中のトリハロメタン類の生成量を以下の実
験により確認した。
【0029】(実験方法)1l容のビーカーに海水1l
を入れ、スターラーで撹拌しながら、予め所定量の過酸
化水素剤を添加し、10〜300秒後に所定量の塩素剤
を添加した。その後、スターラーでの撹拌下、60分間
経過後の海水中のトリハロメタン類の生成量をJIS:
K−0125(1990年)〔用水・排水中の低分子量ハロ
ゲン化炭化水素試験方法〕に準拠して測定した。その結
果を表1に示す。なお、この実験において、スターラー
で撹拌下、予め添加された過酸化水素剤は、10秒後に
おいては、均一濃度に分散維持されていることを確認済
である。
【0030】(考察)試験結果より明らかなように、過
酸化水素として0.175〜1.75mg/lの過酸化水
素溶液を添加して、スターラーによる拡散手段を施し均
一に分散維持された海水に塩素剤を有効塩素として、過
酸化水素1モル当り0.05〜0.55モルに相当する
濃度でかつ海水中に0.07〜0.5mg/l添加するこ
とにより、トリハロメタン類が実質的に検出されないこ
とがわかる。
【0031】比較例1〜20 海水中へ過酸化水素剤として35%濃度の過酸化水素溶
液及び有効塩素発生剤として次亜塩素酸ナトリウム溶液
(有効塩素として5%含有)を、本発明の方法を用いず
添加した場合の海水中のトリハロメタン類の生成量を以
下の実験により確認した。
【0032】(実験方法)実施例1〜15に準拠。ただ
し、比較例5、6及び7は、スターラーで撹拌下予め塩
素剤を添加し、所定時間経過後に過酸化水素剤を添加
し、比較例4、8及び10は、同様に撹拌下ビーカーの
両端から同時に過酸化水素剤と塩素剤を添加し、また比
較例11〜19は、塩素剤もしくは過酸化水素剤のみを
添加した。その結果を表1及び表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】(考察)試験結果より明らかなように、過
酸化水素として0.35〜2.0mg/lの過酸化水素溶
液を添加して、スターラーによる拡散手段を施し均一に
分散維持された海水に塩素剤を有効塩素として、過酸化
水素1モル当り1モルに相当する濃度以上又は海水中に
1mg/l以上添加した場合(比較例1〜3及び9)、塩
素剤の添加量が本発明の範囲内であっても、塩素剤を先
に添加した場合(比較例5〜7)、または過酸化水素剤
と塩素剤を同時に添加した場合(比較例4,8及び1
0)に、トリハロメタン類特にトリブロモメタン類が多
量に生成していることがわかる。
【0036】実施例16〜20及び比較例21〜27 過酸化水素剤として35%過酸化水素溶液及び有効塩素
発生剤として次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素とし
て12%含有)を使用して、両薬剤の併用によるムラサ
キイガイの成長度合いを調査するため、内径65mm、長
さ50mの塩化ビニル管(塩ビ製管)を使用して図1及
び図2に図示したモデル水路を作製した。水路には、塩
ビ製管の左から右へ海水を一過式に通水した。
【0037】図1のモデル水路には、塩ビ製管の海水導
入部及び途中の2箇所の管(内径25mm)を細くし、こ
こに夫々薬剤の注入点、を設け、注入点との間
に拡散器を設けた。この拡散器は、注入点に添加され
る過酸化水素剤が分散されるように設計した。図2のモ
デル水路は、海水導入部のみの管の内径を細くし(内径
25mm)、ここに注入点、を、管の上下又は左右に
設ける。
【0038】各水路には、薬剤の注入点(図1の場合は
注入点)より、0.5、4、8、16、24及び48
mの位置に、予め殻長を計測したムラサキイガイの成体
20個をプラスチックの籠に入れて各水路の所定箇所に
挿入し、約1m3/hの海水を一過式に通水して、40
日間試験した。過酸化水素剤をモデル水路の注入点
に、塩素剤を注入点にケミカルポンプで所定濃度にな
るように添加した。
【0039】試験終了後、ムラサキイガイの殻長を計測
して、試験前後の殻長差より成長度合を求めた。実施例
16〜20は、図1のモデル水路を用い、比較例21〜
22は図1のモデル水路で、但し薬剤量が本発明の薬剤
量の範囲外であり、比較例23〜26は図2のモデル水
路を用いた。その試験条件及び試験結果を併せて表3及
び表4に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】実施例21〜24及び比較例28〜32 過酸化水素剤として35%過酸化水素溶液及び有効塩素
発生剤として次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素とし
て12%含有)を使用して、両薬剤の併用による海生付
着生物群に対する付着抑制効果を調査するため、ムラサ
キイガイの付着期に当たる4月から2カ月間、図3又は
図4に図示するモデル水路を用いて通水試験を行った。
モデル水路は図1又は図2と同じく塩ビ製管(内径65
mm)を用いた。
【0043】図3のモデル水路には図1と同様に拡散器
を設置した。この拡散器は注入点に添加される過酸化
水素剤が分散されるように設計した。某工場の工業用海
水冷却水の海水導入水路より、水中ポンプを用いて海水
を汲み上げ、図3又は図4のモデル水路へ約3m3/h
の海水を一過式に通水して、2カ月間試験した。
【0044】各モデル水路内には生物付着板(塩ビ製
網)を挿入し、注入点(図3の場合は注入点)より生
物付着板の中心まで1500mmとする。過酸化水素剤を
水路の注入点に、塩素剤を注入点にケミカルポンプ
で所定濃度になるように添加した。試験終了後に付着し
たムラサキイガイや他の生物群を計測した。
【0045】実施例21〜24は、図3のモデル水路を
用い、比較例28〜32は、図4のモデル水路を用い
た。その試験条件及び試験結果を表5に示す。
【0046】
【表5】
【0047】
【発明の効果】この発明の方法は、低濃度の過酸化水素
剤及び低濃度の塩素剤を用いて、トリハロメタン類を生
成することなく、付着防止の困難なムラサキイガイ等の
海生付着生物を確実に防除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法(実施例)を説明するためのモデ
ル水路。
【図2】本発明以外の方法(比較例)を説明するための
モデル水路。
【図3】本発明の方法(実施例)を説明するためのモデ
ル水路。
【図4】本発明以外の方法(比較例)を説明するための
モデル水路。
【符号の説明】
1 塩ビ製管(内径25mm) 2 拡散器 3 塩ビ製管(内径65mm) 4 注入点 5 注入点 6 150mm 7 50mm 8 48m 9 フランジ接続部 10 ムラサキイガイ成体 11 450mm 12 1500mm 13 生物付着板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/50 Q 540 A B 550 H F28F 19/01 (72)発明者 若尾 芳治 大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15号 株 式会社片山化学工業研究所 (72)発明者 梶原 庄一郎 神奈川県足柄上郡山北町岸950番地 三菱 瓦斯化学株式会社山北工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工業用海水冷却水系に予め過酸化水素も
    しくは過酸化水素発生剤を0.01〜2mg/l(ただ
    し、過酸化水素として)の濃度になるように分散された
    海水冷却水に、塩素ガスもしくは有効塩素発生剤をトリ
    ハロメタン類の生成を防止しうる濃度又はそれ以下の濃
    度で添加し、工業用海水冷却水系における海生付着生物
    の付着防止又は成長抑制することを特徴とする工業用海
    水冷却水の処理方法。
  2. 【請求項2】 塩素ガスもしくは有効塩素発生剤の添加
    濃度が、使用される過酸化水素の1モル当り、0.03
    〜0.8モル(ただし、有効塩素として)に相当する濃
    度で、かつ、海水冷却水に対して0.01〜1.0mg/
    l(ただし、有効塩素として)である請求項1記載の工
    業用海水冷却水の処理方法。
  3. 【請求項3】 海生付着生物がムラサキイガイである請
    求項1または2記載の工業用海水冷却水の処理方法。
JP15887294A 1994-07-11 1994-07-11 工業用海水冷却水の処理方法 Expired - Fee Related JP3199577B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15887294A JP3199577B2 (ja) 1994-07-11 1994-07-11 工業用海水冷却水の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15887294A JP3199577B2 (ja) 1994-07-11 1994-07-11 工業用海水冷却水の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0824870A true JPH0824870A (ja) 1996-01-30
JP3199577B2 JP3199577B2 (ja) 2001-08-20

Family

ID=15681252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15887294A Expired - Fee Related JP3199577B2 (ja) 1994-07-11 1994-07-11 工業用海水冷却水の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3199577B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002248479A (ja) * 2001-02-26 2002-09-03 Mitsubishi Gas Chem Co Inc オベリア類の付着抑制方法
JP2007216181A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Jfe Engineering Kk バラスト水処理装置及び処理方法
JP5879596B1 (ja) * 2015-04-15 2016-03-08 三菱瓦斯化学株式会社 海生生物の付着防止方法およびそれに用いる付着防止剤
JP2020138197A (ja) * 2019-02-25 2020-09-03 株式会社片山化学工業研究所 海水冷却水系の海生生物の付着障害防止方法
JP2023007430A (ja) * 2021-06-28 2023-01-18 株式会社片山化学工業研究所 海水処理方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6340566B2 (ja) * 2013-09-19 2018-06-13 三菱瓦斯化学株式会社 海生生物の付着防止方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002248479A (ja) * 2001-02-26 2002-09-03 Mitsubishi Gas Chem Co Inc オベリア類の付着抑制方法
JP2007216181A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Jfe Engineering Kk バラスト水処理装置及び処理方法
JP5879596B1 (ja) * 2015-04-15 2016-03-08 三菱瓦斯化学株式会社 海生生物の付着防止方法およびそれに用いる付着防止剤
JP2016203155A (ja) * 2015-04-15 2016-12-08 三菱瓦斯化学株式会社 海生生物の付着防止方法およびそれに用いる付着防止剤
JP2020138197A (ja) * 2019-02-25 2020-09-03 株式会社片山化学工業研究所 海水冷却水系の海生生物の付着障害防止方法
JP2023007430A (ja) * 2021-06-28 2023-01-18 株式会社片山化学工業研究所 海水処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3199577B2 (ja) 2001-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4699774B2 (ja) 船舶バラスト水の処理方法
EP0564124A1 (en) Treatment of fresh water for zebra mussel infestation
JP2774851B2 (ja) 再循環給水系における生物汚染を抑制する方法
JPH1128479A (ja) 海水流路となるアルミニウム黄銅管の障害防止方法
JP5879596B1 (ja) 海生生物の付着防止方法およびそれに用いる付着防止剤
JPH0824870A (ja) 工業用海水冷却水の処理方法
JP4093796B2 (ja) 海生生物の付着防止方法
CN104203838A (zh) 水系统的微生物的抑制方法
JP7266224B2 (ja) 海生生物の付着防止方法
JP6340566B2 (ja) 海生生物の付着防止方法
JP3446867B2 (ja) 海水冷却水系のスライム付着防止方法
JP2685351B2 (ja) 海生付着生物の付着防止方法
JP3677155B2 (ja) 海生生物の付着による障害防止方法
JP2001038365A (ja) 水系におけるスライムコントロール方法
JP4856811B2 (ja) オベリア類の付着抑制方法
JPH08238042A (ja) 養殖池の殺菌消毒方法
JPH06153759A (ja) 水路に付着する生物の除去方法
JP3260942B2 (ja) 海洋生物の付着防止方法
JP3640540B2 (ja) 海水冷却水系への過酸化水素の効率的添加方法
CN212924509U (zh) 二氧化氯消毒剂投加结构
JP7228148B2 (ja) 海生生物の付着防止方法及び海生生物の付着防止剤
WO2020022217A1 (ja) 海生生物等の付着防止方法、付着防止剤及び付着防止用キット
JPH0538490A (ja) 海生付着生物の付着防止方法
JP5119214B2 (ja) 水系におけるスライムコントロール方法
Xie et al. Study on the application of biocides in the seawater cooling system and their killing effect in the laboratory

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080615

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090615

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090615

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130615

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140615

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees