JP2001038365A - 水系におけるスライムコントロール方法 - Google Patents
水系におけるスライムコントロール方法Info
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Abstract
の生成を抑制し、かつスライムを剥離除去することがで
きる水系におけるスライムコントロール方法を提供す
る。 【解決手段】 次亜塩素酸及び/又はその水溶性塩、
水中で臭素イオンを放出する臭化物、及び5,5−ジア
ルキル置換ヒダントインを水中で反応させて得られる
(A)次亜臭素酸及び/又はその水溶性塩と(B)N−
モノクロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントインを含
有する反応混合物を作用させてなる水系におけるスライ
ムコントロール方法。 次亜塩素酸及び/又はその水溶性塩、水中で臭素イオ
ンを放出する臭化物、及び5,5−ジアルキル置換ヒダ
ントインを水系に添加混合して水系において(A)次亜
臭素酸及び/又はその水溶性塩と(B)N−モノクロロ
−5,5−ジアルキル置換ヒダントインを生成させてな
る水系におけるスライムコントロール方法。
Description
水、冷却水、洗浄水、排水などの工業用水系、貯水槽、
水泳プール、鑑賞用池等における微生物に起因する各種
スライム障害を抑制、ないし付着しているスライムを除
去するスライムコントロール方法に関するものである。
工程において使用される用水中に微生物が繁殖すると種
々の障害の原因となることはよく知られている。例え
ば、製紙工場の抄紙機における白水中には、栄養源とな
るパルプを多量に含み、かつ適度な温度条件にあること
から、微生物の増殖にとって極めて都合の良い環境にあ
る。白水中に微生物が繁殖すると、微生物やその代謝物
が凝集して粘着性物質、所謂スライムを形成し、これが
工程内の水の流れにより剥離して紙料中に混入するなど
紙に汚点、斑点、目玉等製品の品質を損なう原因とな
り、更に、紙切れ、ワイヤーや毛布の目詰まり、腐食、
悪臭等の工程上の障害を引き起こし操業上にも重大な影
響を及ぼすこととなる。
紙する酸性抄紙法と、pHが6〜8の条件で抄紙する中
性ないしアルカリ抄紙法があるが、最近では機器に対す
る腐食性が小さいことや紙質が優れている等の理由から
中性ないしアルカリ抄紙法が主流になりつつある。中性
ないしアルカリ抄紙法では、従来の酸性抄紙法に較べて
白水のpHが微生物類の増殖・生育に適しており、加え
て最近では白水の循環再利用化が進んで、水中の栄養分
が濃縮され、かつ水温が高くなってきていることもあっ
て微生物の棲息にとって好都合となっている。しかしな
がら従来から用いられてきたスライムコントロール剤
は、pHが4〜6の酸性抄紙条件では有効であっても、
pHが6〜8の中性ないしアルカリ抄紙条件では十分な
スライム抑制効果を示さず、使用量を多くしなければな
らなかった。
量と排水量を削減するため水を循環再使用する高濃縮度
運転が進められている。高濃縮度運転では水中の溶解物
が濃縮され、pHが上昇するなど水質は悪化する傾向に
あり、スライムによる障害は増える方向に進んでいる。
りも機器表面に付着する場合が多く、この付着微生物の
多くは多糖類から成る細胞外ポリマーに包まれたミクロ
コロニーを形成し、水中の夾雑物が複雑に相互作用し合
いスライムを形成する。開放式循環冷却水系等における
スライムは、水路の閉塞や熱交換器における伝熱障害を
引き起こすだけでなく微生物が腐食の原因となることも
ありその対策が強く望まれている。
は、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウ
ム、塩素化イソシアヌル酸等の塩素系殺微生物剤が広く
使用されてきた。これら塩素系スライムコントロール剤
は水に溶解すると次亜塩素酸を生成して殺微生物に効果
を示すと考えられている。しかし、pHが高くなると次
亜塩素酸イオンに解離して殺微生物効果が低下するとい
う欠点を有している。最近では循環冷却水系は高濃縮度
運転化によりpHが9前後にまで高くなっている場合が
多く、このような高pHにある水系では塩素系スライム
コントロール剤は十分な効果を示さず、スライム障害を
充分に抑制できなかった。
の欠点を改善すべく、例えば次亜塩素酸塩類と臭化物と
から生成した次亜臭素酸塩類を用いる方法(特開昭60
−129182号公報など)が提案されている。
Hで起きることから、高pHにおいても殺微生物菌効果
が低下し難くいという長所をもっている。しかし、次亜
臭素酸はスライムへの浸透性が低いためスライムの下に
棲息する微生物を殺すには弱く、スライムを剥離除去す
る能力も小さい。
を添加する方法〔国際水処理会議(Internati
onal Water Conference),報告番
号:42(1987年)〕が提案された。ブロモクロロ
ジメチルヒダントインは水中で次亜臭素酸とクロロジメ
チルヒダントインを生成し〔冷却塔協会1989年年次
大会、報告番号:TP−89−05(Cooling
Tower Inst.1989 Ann.Meetin
g,Paper No.TP−89−05)〕、これら
が微生物に作用する。しかし、ブロモクロロジメチルヒ
ダントインは固体であり、水に溶解するのに時間がかか
り、また溶解度も大きくないので特別の溶解・注入装置
が必要であり、かつ作業時に粉塵を発生するなど取扱い
難いといった問題点があった。
プロピオンアミド、2−ブロモ−4−ヒドロキシアセト
フェノン、1−ブロモアセトキシ−2−プロパノール、
1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン等の有機ブ
ロム系化合物(特開平8−198715号公報)、5−
クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物を
中心としたイソチアゾロン化合物(特公平6−5770
1号公報)等有機系のスライムコントロール剤の提案が
多くあるが、これらもpHが6より高い領域では殺微生
物効果が劣るという欠点がある。上述のように最近の製
紙工程用水、循環水系ではpHが6〜8となっているこ
とが多く、高pH域での適用には従来のスライムコント
ロール剤は必ずしも満足のいくものではなかった。
に注入でき、水中で残留濃度を一定に維持管理し易く、
かつ高pH域を含む広いpH範囲でスライムの生成を抑
制し、スライムを剥離除去することができる水系におけ
るスライムコントロール方法を提供することにある。
ロロジメチルヒダントインのもつ高pH域を含むpH範
囲でのスライム抑制効果を維持しつつ、ブロモクロロジ
メチルヒダントインよりも取り扱い易いスライムコント
ロール方法を検討した結果、次亜塩素酸及び/又はその
水溶性塩、水中で臭素イオンを放出する臭化物、5,5
−ジアルキル置換ヒダントインを特定の混合割合で水中
で反応させることにより本目的を達成できることを見出
し、本発明をなすに至った。
素酸及び/又はその水溶性塩、水中で臭素イオンを放出
する臭化物、及び5,5−ジアルキル置換ヒダントイン
を水中で反応させて得られる(A)次亜臭素酸及び/又
はその水溶性塩と(B)N−モノクロロ−5,5−ジア
ルキル置換ヒダントインを含有する反応混合物を水系に
作用させることを特徴とする水系におけるスライムコン
トロール方法であり、請求項2に係る発明は、水中で臭
素イオンを放出する臭化物と5,5−ジアルキル置換ヒ
ダントインを水中で混合し、次いでこれに次亜塩素酸及
び/又はその水溶性塩を加えて得られる(A)次亜臭素
酸及び/又はその水溶性塩と(B)N−モノクロロ−
5,5−ジアルキル置換ヒダントインを含有する反応混
合物を水系に作用させることを特徴とする水系における
スライムコントロール方法であり、請求項3に係る発明
は、次亜塩素酸及び/又はその水溶性塩、水中で臭素イ
オンを放出する臭化物、及び5,5−ジアルキル置換ヒ
ダントインを水系に添加混合して水系において(A)次亜
臭素酸及び/又はその水溶性塩と(B)N−モノクロロ−
5,5−ジアルキル置換ヒダントインを生成させること
を特徴とする水系におけるスライムコントロール方法で
あり、請求項4に係る発明は、水中で臭素イオンを放出
する臭化物と5,5−ジアルキル置換ヒダントインとの
混合水溶液、及び次亜塩素酸及び/又はその水溶性塩の
水溶液を水系に添加混合して、水系において(A)次亜
臭素酸及び/又はその水溶性塩と(B)N−モノクロロ
−5,5−ジアルキル置換ヒダントインを生成させるこ
とを特徴とする水系におけるスライムコントロール方法
であり、請求項5に係る発明は、次亜塩素酸及び/又は
その水溶性塩、水中で臭素イオンを放出する臭化物、
5,5−ジアルキル置換ヒダントインのそれぞれのモル
比を1:(0.2〜3):(0.2〜0.9)とする請
求項1〜4記載の水系におけるスライムコントロール方
法であり、請求項6に係る発明は、水系がパルプ工場・
製紙工場工程水である請求項1〜5記載の水系における
スライムコントロール方法であり、請求項7に係る発明
は、水系が工業用循環冷却水系である請求項1〜5記載
の水系におけるスライムコントロール方法である。
塩(以下、「次亜塩素酸類」と記す)は、水に溶解して
次亜塩素酸ないし次亜塩素酸イオンを生成するものであ
り、具体的には、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、
次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、塩素が挙
げられ、また塩素イオンを含む水を電気分解して生成し
た次亜塩素酸塩であってもよい。
下、「臭化物」と記す)は、具体的には臭化水素酸、臭
化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化亜鉛
などがあり、好ましくは臭化ナトリウムである。
塩素酸類と反応して次亜臭素酸、又はその塩(以下「次
亜臭素酸類」と記す)を生成する。
一般式(I)にて表される化合物である。
ルキル基の炭素数はそれぞれ独立に1〜6、好ましくは
1〜4であり、かつR1とR2のアルキル基炭素数の合計
が10以下、好ましくは6以下である。アルキル基の炭
素数がこの範囲より大きい化合物は水に対する溶解度が
低下するため好ましくない。具体的な例として5,5−
ジメチルヒダントイン、5,5−ジエチルヒダントイ
ン、5−メチル−5−エチルヒダントインが挙げられ
る。
中で次亜塩素酸類と反応して塩素原子が1つ結合したN
−モノクロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントインを
生成する。塩素原子が結合するのはヒダントイン環にあ
る2つの窒素原子のいずれか一方であり、本発明ではそ
の位置を限定するものではない。本発明の条件では5,
5−ジアルキル置換ヒダントインに対し次亜塩素酸類を
2倍モル以上を反応させてもクロル原子が2つ入った
N,N'−ジクロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントイ
ンは生成せず、N−モノクロロ置換体のみ生成する。
水系内において次亜臭素酸類及びN−モノクロロ−5,
5−ジアルキル置換ヒダントインを生成させ、その両者
が存在することによって優れたスライムコントロール効
果を発揮する。
N−モノクロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントイン
との構成比は、好ましくは1:9〜9:1(モル比)、
より好ましくは3:7〜7:3(モル比)である。この
範囲の外でもそれなりのスライムコントロール効果はあ
るが、本発明の組み合わせによる相乗効果が充分発揮さ
れないことがある。特にN−モノクロロ−5,5−ジア
ルキル置換ヒダントインの比率がこの範囲より低い場合
には、スライム中への浸透性が悪くなり、充分なスライ
ム剥離効果が得られないことがある。
臭化物、5,5−ジアルキル置換ヒダントイン、及び
次亜塩素酸類を水中で予め反応させて(A)次亜臭素酸
類と(B)N−モノクロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダ
ントインを含有する反応混合物を作り、これを水系に作
用させる方式と、臭化物、5,5−ジアルキル置換ヒ
ダントイン、及び次亜塩素酸類をどれぞれ水系に添加し
て、水系において(A)次亜臭素酸酸類と(B)N−モノ
クロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントインを生成さ
せる方式がある。
ル置換ヒダントイン、及び次亜塩素酸類を水中で予め反
応させて(A)次亜臭素酸類と(B)N−モノクロロ−5,
5−ジアルキル置換ヒダントインを含有する反応混合物
を作り、これを水系に作用させる方式では、得られた反
応混合物は調製後速やかに対象水系に加えるのが好まし
い。
ヒダントインがそれぞれ次亜塩素酸類と水中で反応し
て、次亜臭素酸類とN−モノクロロ−5,5−ジアルキ
ル置換ヒダントインが生成することに基礎を置いてい
る。このとき、臭化物と次亜塩素酸類から次亜臭素酸類
を生成する反応と、5,5−ジアルキル置換ヒダントイ
ンと次亜塩素酸類からN−モノクロロ−5,5−ジアル
キル置換ヒダントインを生成する反応を同じ系内で同時
に行わせると、次亜塩素酸類に対して2つの反応が競争
するので、臭化物、5,5−ジアルキル置換ヒダントイ
ン、及び次亜塩素酸類の混合順序、混合モル比は、次亜
臭素酸類とN−モノクロロ−5,5−ジアルキル置換ヒ
ダントインの生成比率に関係するために重要である。
は別途用意した水に臭化物と5,5−ジアルキル置換ヒ
ダントインを加え混合水溶液とし、これに次亜塩素酸類
を加えて反応させる方式、対象とする水系、あるいは
別途用意した水に5,5−ジアルキル置換ヒダントイン
と次亜塩素酸類を反応させ、次いでこれに臭化物を加え
て反応させる方式、対象とする水系、あるいは別途用
意した水に臭化物と次亜塩素酸類を反応させ、次いでこ
れに5,5−ジアルキル置換ヒダントインを加えて反応
させる方式がある。
化物、5,5−ジアルキル置換ヒダントインを水中で混
合し、この混合物と次亜塩素酸類をそれぞれ水系に添加
して、(A)次亜臭素酸類と(B)N−モノクロロ−
5,5−ジアルキル置換ヒダントインを生成させる方式
である。臭化物と5,5−ジアルキル置換ヒダントイン
は、水中で相互に反応しないので長期間安定に保存で
き、かつ水系へ注入する際の混合比を一定にでき、さら
に注入装置の数を少なくできるなど、注入管理が簡略化
できる利点がある。
ダントインとの反応は、次亜塩素酸類と臭化物との反応
より速く進行するので、次亜塩素酸類は5,5−ジアル
キル置換ヒダントインと優先的に反応し、残った次亜塩
素酸類が臭化物が反応することになる。特に、pHが高
いときには反応速度の差が大きいのでこの傾向は高くな
る。従って、この場合の混合モル比は、臭化物は次亜塩
素酸類に対して好ましくは0.2〜3倍(モル比)、より
好ましくは0.3〜2倍(モル比)とし、5,5−ジアル
キル置換ヒダントインは次亜塩素酸類に対して好ましく
は0.2〜0.9倍(モル比)、より好ましくは0.3〜
0.7倍(モル比)とする。臭化物が0.2倍(モル比)
より少ないと次亜臭素酸類濃度が低くなり、また3倍
(モル比)より大きいと、次亜臭素酸類濃度は充分満た
されるが、未反応臭化物が残ることになり経済的には不
利となる。5,5−ジアルキル置換ヒダントインが0.
2倍(モル比)より小さいとN−モノクロロ−5,5−
ジアルキル置換ヒダントイン濃度が低くなり、また0.
9倍(モル比)より大きいと、臭化物と反応するための
次亜塩素酸類がなくなり、その結果として次亜臭素酸類
の濃度が低くなり好ましくないことがある。
た水に5,5−ジアルキル置換ヒダントインと次亜塩素
酸類を加えて水中で反応させ、次いでこれに臭化物を加
える方法では、まず5,5−ジアルキル置換ヒダントイ
ンを次亜塩素酸類に対して好ましくは0.2〜0.9倍
(モル比)、より好ましくは0.3〜0.7倍(モル
比)を加える。5,5−ジアルキル置換ヒダントインを
0.2倍(モル比)より少なくするとN−モノクロロ−
5,5−ジアルキル置換ヒダントイン濃度が低くなり、
また0.9倍(モル比)より大きいと、後で加えられる
臭化物と反応するための次亜塩素酸類がなくなり、その
結果として次亜臭素酸類の濃度が低くなり好ましくな
い。
キル置換ヒダントインとの反応により残存した次亜塩素
酸類に対応して加えられ、残存次亜塩素酸類に対して好
ましくは0.1〜3倍(モル比)、より好ましくは0.
3〜2倍(モル比)加える。臭化物が残存次亜塩素酸類
に対し0.1倍(モル比)より少ないと次亜臭素酸類濃
度が低くなり、また3倍(モル比)より大きいと、次亜
臭素酸類濃度は充分満たされるが、未反応臭化物が残る
ことになり経済的には不利となることがある。なお、次
亜塩素酸類と5,5−ジアルキル置換ヒダントインとの
反応は通常ほぼ定量的に速やかに進行するので、残存次
亜塩素酸類量は、次亜塩素酸類量(モル数)から5,5
−ジアルキル置換ヒダントイン量(モル数)を差し引い
た量(モル数)に相当する。
た水に臭化物と次亜塩素酸類を加えて水中で反応させ、
次いでこれに5,5−ジアルキル置換ヒダントイン水溶
液を加える方法では、まず臭化物を次亜塩素酸類に対し
て好ましくは0.2〜0.9倍(モル比)、より好ましく
は0.3〜0.7倍(モル比)を加える。次亜塩素酸類に
対し臭化物を0.2倍(モル比)より小さいと次亜臭素
酸濃度が低くなり、また0.9倍(モル比)より大きい
と、後で加えられる5,5−ジアルキル置換ヒダントイ
ンと反応するための次亜塩素酸類がなくなることがあ
り、その結果、N−モノクロロ−5,5−ジアルキル置
換ヒダントインの濃度が低くなり好ましくない。後で加
える5,5−ジアルキル置換ヒダントインの添加量は、
次亜塩素酸類と臭化物との反応により残存した次亜塩素
酸類に対し加えられ、残存次亜塩素酸類に対し好ましく
は0.1〜1倍(モル比)、より好ましくは0.3〜0.
7倍混合する。0.1倍(モル比)より小さいとN−モ
ノクロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントイン濃度が
低くなり、また1倍(モル比)より大きいと、N−モノ
クロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントイン濃度は充
分満たされ、5,5−ジアルキル置換ヒダントイン、臭
化物が残ることになり経済的に不利となることがある。
−ジアルキル置換ヒダントインの合計モル数が次亜塩素
酸類のモル数より小さいと、次亜塩素酸類が残ることに
なるが、次亜塩素酸類はそのもの自身スライムコントロ
ール機能があり、本発明の効果発現にとって何ら障害に
なるものではない。
ル置換ヒダントインはいずれも水溶性であるので、それ
ぞれの成分を固形物のまま対象とする水系へ加えること
もでき、あるいはそれぞれ水溶液を作り、これを対象と
する水系に添加してもよい。しかし固形物の状態で水系
に加えた場合には溶解に要する時間が異なり、また水溶
液にして水系に加えた場合でも水中への拡散状態にも依
るので、次亜塩素酸類、臭化物及び5,5−ジアルキル
置換ヒダントインの各成分を同時、あるいは同時に近い
状況で加えたときの反応の進行は、溶解速度、拡散状況
によってが変わるのはいうまでもない。
反応させる場合、次亜塩素酸類と5,5−ジアルキル置
換ヒダントインを予め水中で混合し反応させる場合、あ
るいは次亜塩素酸類、臭化物及び5,5−ジアルキル置
換ヒダントインを予め水中で混合し、反応させる場合に
おいては、これらが混合される水のpHは4〜12、好
ましくは5〜9である。pHが4未満では次亜塩素酸塩
類、次亜臭素酸塩類が分解し、塩素ガスや臭素ガスとな
って揮発し易く、またpHが12を超えると5,5−ジ
アルキル置換ヒダントインが加水分解することがあり好
ましくない。次亜塩素酸類と臭化物の混合液のpHが9
を超えると、混合液中での次亜臭素酸への転化率が低下
するが、混合液中での転化が不充分であっても被処理水
のpHが9以下であれば被処理水において次亜臭素酸へ
の転化が完結するため、処理効果には支障ない。
は、好ましくは4〜10、さらに好ましくは5〜9であ
る。被処理水のpHが9を超えると次亜塩素酸塩と臭化
物の反応において効率良く次亜臭素酸類を生成すること
ができず、スライムコントロール効果が悪くなる。また
pH4以下では好ましい比率のN−モノクロロ−5,5
−ジアルキル置換ヒダントインは生成しない。
素酸類、臭化物及び5,5−ジアルキル置換ヒダントイ
ンの被処理水系への添加量は、これらスライムコントロ
ール剤組成物の構成比、対象とする水系の水質、スライ
ム発生の程度、添加頻度等によって異なり一律に決めら
れるものではないが、通常は該水系の水に対して次亜臭
素酸(次亜臭素酸塩は次亜臭素酸に換算して)とN−モ
ノクロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントインの合計
量として0.1〜100ppm、好ましくは0.2〜50
ppm、さらに好ましくは0.5〜20ppmである。
添加量が0.1ppmより低いと実質的に本発明の効果
発現が期待できず、また100ppmより多いと効果は
充分あるが、それ以上の効果の向上がみられず経済的に
不利であり、さらに環境汚染の面からも好ましくない。
キル置換ヒダントインの対象水系への添加方法は特に限
定されるものではないが、通常定量ポンプを使用して行
う。添加量は、水中の微生物の種類や量、また工程変動
もあるので、被処理水中における次亜臭素酸及びN−モ
ノクロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントインそれぞ
れの残留濃度を測定し、所定の残留濃度が得られるよう
に注入量を管理するのが好ましい。
ジアルキル置換ヒダントインの残留濃度は、ジエチル―
p―フェニレンジアンモニウム(DPD)比色法、DP
D−硫酸アンモニウム鉄(II)滴定法〔JIS K 010
1〕等の公知の方法により測定できる。DPD比色法や
DPD−FAS滴定法では、水中の遊離ハロゲン量、遊
離臭素量、残留ハロゲン量が定量される。ここで遊離ハ
ロゲン量は遊離塩素量と遊離臭素量の和であり、残留ハ
ロゲン量は遊離ハロゲン量と結合ハロゲン量の和であ
る。遊離臭素はここでは次亜臭素酸と次亜臭素酸イオン
の合計であり、結合ハロゲンはN−モノクロロ−5,5
−ジアルキル置換ヒダントインである。
鉄(II)滴定法は、ハック(Hach)社、ラモットケミカ
ルプロダクツ(LaMotte Chemical Pr
oducts)社から簡易な分析キットが市販されてお
り、本発明方法での残留濃度管理に使用できる。
電位に影響を及ぼすことを利用し、濃度と酸化還元電位
の相関関係を別途求めておくことにより、酸化還元から
次亜臭素酸類の残留濃度を求めることができ、実用上は
便利である。
ジアルキル置換ヒダントインの混合比率を一定にして添
加する場合、酸化還元電位を自動計測し、その出力信号
を基に、次亜塩素酸塩類、臭化物、5,5−ジアルキル
置換ヒダントインを含む水溶液の注入用定量ポンプを制
御することができ、該水系における微生物数を一定にす
ることが出来る。
プ工場、製紙工場における工程水、開放式循環水系、そ
の他各種水系に適用できる。
程、抄紙工程、スクリーン工程、漂白工程等の所謂白水
と総称される工程水、その他パルプ工場、製紙工場の工
程で扱う全ての水が含まれ、本発明薬剤を上述の濃度で
添加しても工程上影響なく、また製品品質を損なうこと
がないことが確かめられた。
ムコントロールでは、本発明における次亜塩素酸類、
5,5−ジアルキル置換ヒダントイン及び臭化物を、一
定間隔で高濃度を加える衝撃添加、あるいは間欠的添加
する方法、または連続的に添加して常に一定濃度に保つ
方法があるが、これらの方法に限定されるものではな
い。
スライム生成による熱交換器、配管などの閉塞、熱伝導
の劣化が抑制される。本発明のスライムコントロール方
法は、好気性バクテリアの一種である鉄バクテリアの殺
微生物に有効であるばかりでなく、スライムへの浸透性
がよく、スライム除去効果にも優れていることから、ス
ライム下部の嫌気性雰囲気下で発生し易い硫酸塩還元菌
にも効果的に作用し、鉄バクテリアや硫酸塩還元菌等に
より誘発される腐食を防止することもできる。
材や木材に付着した藻類や熱交換器に付着したスライム
を除去するためには、次亜塩素酸類、5,5−ジアルキ
ル置換ヒダントイン及び臭化物を高濃度で間欠的に衝撃
添加する方法が有効である。次亜塩素酸塩を単独で高濃
度添加すると冷水塔の木材中のリグニン成分を溶解して
木材を劣化させることがあるが、次亜塩素酸類に5,5
−ジアルキル置換ヒダントイン及び臭化物を組み合わせ
て用いた場合には高濃度添加しても木材の劣化作用が小
さく好適である。
他に、パルプ工場、製紙工場における工程水では、ピッ
チコントロール剤、消泡剤などが、開放式循環水系では
亜鉛塩、重合リン酸塩、有機ホスホン酸、アゾール化合
物、モリブデン酸塩などの腐食抑制剤、アクリル酸やマ
レイン酸などを含む重合体を用いるスケール抑制剤、各
種界面活性剤を用いる分散剤などが同時に用いられるこ
とがあるが、本発明の効果が損なわれない範囲において
本発明はこれら各種薬剤との併用を妨げるものではな
い。特に腐食抑制剤との併用は、本発明のスライムコン
トロール薬品の分解を促進する触媒となる可能性のある
金属イオンの溶出を抑制するため好ましい。
はこれらの実施例に限定されるものではない。
析]試験水中の遊離塩素、遊離臭素及び結合ハロゲンの
濃度測定は以下の「DPD−FAS滴定法方法」に依っ
た。
チル−p−フェニレンジアミン硫酸塩(DPD)1.0
g、エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム二水塩
(EDTA2Na・2H2O)1.0g、リン酸一水素カ
リウム(K2HPO4)38.2g、リン酸二水素カリウ
ム(KH2PO4)59.8gを乳鉢で良く混合してDP
D粉末試薬とした。
0.5gを加えた。 (2) 被試験水100mLを加え、攪拌してDPD粉末
試薬を溶解させた。 (3) 別途調製した2.82mM硫酸第一鉄アンモニウ
ム水溶液(FAS溶液)で滴定し、被試験水の赤色が無
色になった点を終点とした。滴定量をA[mL]として
次式から遊離ハロゲン量を求めた。 遊離ハロゲン量[mgCl2/L]=A×100/v (vは被試験水量[mL]であり、本例の場合100で
ある)
を採った。 (2) 別途調製した10wt/v%グリシン溶液2mL
のを加え攪拌した。 (3) DPD粉末試薬0.5gを加え、溶解させた。 (4) FAS溶液(2.82mM)で滴定して、液の赤
色が無色になった点を終点とした。滴定量をB[mL]
として次式から遊離臭素量を求めた。 遊離臭素量[mgCl2/L]=B×100/v (vは被試験水量[mL]であり、本例の場合100で
ある)
5gを加えた。 (2) 被試験水100mLを加え、攪拌してDPD粉末
試薬を溶解させた。 (3) ヨウ化カリウムを約1gを加えて溶解し、約2分
間静置して赤色に発色させた。 (4) 速やかにFAS溶液(2.82mM)で滴定し
て、液の赤色が無色になった点を終点とした。滴定量を
C[mL]として次式から残留ハロゲン量を求めた。 残留ハロゲン[mgCl2/L]=C×100/v (vは被試験水の量[mL]であり、本例の場合100
である)
ハロゲンは全て塩素(Cl2)換算にて表わした。 ここで 遊離ハロゲン量=(遊離塩素量)+(遊離臭素
量) 残留ハロゲン量=(遊離ハロゲン量)+(結合ハロゲン
量) であり、 故に、 遊離塩素量[mgCl2/L]=(A−B)×
100/v 遊離臭素量[mgCl2/L]=B×100/v 結合ハロゲン量[mgCl2/L]=(C−A)×10
0/v となる。(vは被試験水量[mL]であり、本例の場合
100である)
素ナトリウムとの反応]5,5−ジメチルヒダントイン
水溶液のpHを調整し、ここに次亜塩素酸ナトリウムを
添加し、室温で10分間放置後の遊離塩素と結合ハロゲ
ンの濃度を測定した。結果を表1に示す。
−ジメチルヒダントイン1モルに対して次亜塩素酸ナト
リウム1モルを反応させた場合、結合ハロゲン(即ち、
クロロ化−5,5−ジメチルヒダントイン)が1モル検
出され、遊離塩素は検出されなかった。また5,5−ジ
メチルヒダントイン1モルに対して次亜塩素酸ナトリウ
ム2モルを反応させた場合、1モルの遊離塩素と1モル
の結合ハロゲンが検出された。即ち、5,5−ジメチル
ヒダントイン1モルに対して次亜塩素酸ナトリウム2モ
ルを反応させても、5,5−ジメチルヒダントインと結
合する塩素は1つでN−モノクロロ−5,5−ジメチル
ヒダントインのみを生成し、塩素が2つ結合したN,
N’−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインは実質
生成していないことを確認した。すなわち、pH7.0
〜9.0の水中では次亜塩素酸と5,5−ジメチルヒダ
ントイン(DMH)は1:1のモル比で選択的に反応し
てN−モノクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(C
l−DMH)を生成することが確認された。これらの反
応式を下記に示す。
亜塩素酸塩=1:1モルの反応 NaOCl+DMH → Cl−DMH+NaOH N−モノクロロ−5,5−ジメチルヒダントインを定量
的に生成した。 (2) 5,5−ジメチルヒダントイン:次亜塩素酸塩=
1:2モルの反応 2NaOCl+DMH → Cl−DMH+NaOCl
+NaOH
トインと次亜塩素ナトリウム1:1モル混合物となっ
た。(N,N'−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイ
ンは生成しない)
ントインと臭化物の反応]5,5−ジメチルヒダントイ
ン水溶液に次亜塩素酸ナトリウムを加え(次亜塩素酸ナ
トリウム:5,5−ジメチルヒダントイン=1:1モル
比)、N−モノクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン
溶液を調製した。溶液のpHを、7,8,9のそれぞれ
に調整し、臭化ナトリウムを添加して(臭化ナトリウ
ム:N−モノクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン=
1:1モル比)、室温で30分間放置後、遊離臭素と結
合ハロゲンの濃度を測定した。いずれのpHにおいても
遊離臭素は検出されなかった。
トイン: 臭化ナトリウム=1:1モルの反応 Cl−DMH+NaBr → 未反応のまま
トインと臭化ナトリウムは反応しない。
ルヒダントインの反応]臭化ナトリウムを含む水溶液を
pH7、及び9にそれぞれ調整し、ここに次亜塩素酸ナ
トリウムを加え(次亜塩素酸ナトリウム:臭化ナトリウ
ム=1:1モル)、室温で10分間反応させ、次亜臭素
酸溶液を調製した。この溶液に5,5−ジメチルヒダン
トイン(次亜臭素酸:5,5−ジメチルヒダントイン=
1:1モル比)を添加して、室温で30分放置後、遊離
臭素と結合ハロゲンの濃度を測定した。pHが7の場
合、9の場合いずれも遊離臭素が検出されたのみで、結
合ハロゲンは検出されなかった。すなわちpH7〜9の
水中では次亜臭素酸と5,5−ジメチルヒダントインは
反応しないことが判明した。これらの反応式を下記に示
す。
ウム=1:1の反応 NaBr+NaOCl → NaOBr+NaCl 反応生成物:1モルの次亜臭素酸が生成。 (2) 次亜臭素酸:5,5−ジメチルヒダントイン=
1:1モルの反応 NaOBr+DMH → 未反応のまま 反応生成物:なし。次亜臭素酸と5,5−ジメチルヒダ
ントインは反応しない。
に臭化ナトリウムと5,5−ジメチルヒダントインを溶
解させ、pHを調整し、ここに次亜塩素酸ナトリウムを
添加した。室温で10分間軽く攪拌した後、遊離塩素、
遊離臭素、結合ハロゲン濃度をそれぞれ測定した。ここ
で、遊離塩素は次亜塩素酸(イオン)に、遊離臭素は次亜
臭素酸(イオン)に、結合ハロゲンは塩素化されたN−
モノクロロ−5,5−ジメチルヒダントインにそれぞれ
相当する。また30分後の該水溶液中の生菌数を測定し
た。結果を表2に示した。
ウム、臭化ナトリウム、5,5−ジメチルヒダントイン
の混合モル比が1:0.5:0.5のとき、5,5−ジメ
チルヒダントインはほぼ100%がN−モノクロロ−
5,5−ジメチルヒダントインに転化したが、臭化ナト
リウムの次亜臭素酸ナトリウムへの転化率はpHが7で
はほぼ100%であるが、pHが上昇するに伴ない低下
し、pHが9では、70%になった。pHが7のときの
反応式は下記に示される。
−DMH+NaOBr+NaOH+NaCl
N−モノクロロ−5,5−ジメチルヒダントイのモル比
を1:0.5:1としたときでは、pH7では次亜臭素
酸ナトリウムとN−モノクロロ−5,5−ジメチルヒダ
ントインの両者が検出されたが、pH9ではN−モノク
ロロ−5,5−ジメチルヒダントインのみが検出され次
亜臭素酸ナトリウムは検出されなかった。
次亜塩素酸ナトリウムに対し、臭化ナトリウムと5,5
−ジメチルヒダントインを同時に作用させるときは、次
亜塩素酸ナトリウムに対して5,5−ジメチルヒダント
インの反応モル比を1以下にしないと次亜臭素酸とN−
モノクロロ−5,5−ジメチルヒダントインの混合物が
得られないことがわかる。
トリウムとN−モノクロロ−5,5−ジメチルヒダント
インの両者が存在するときは、生菌数が少なく殺微生物
効果がみられている。
生物効果を評価した。循環水(pH:8.5)に臭化ナ
トリウムと5,5−ジメチルヒダントインを加え均一に
溶解させた後、次亜塩素酸ナトリウムを加え、室温で3
0分放置した。遊離塩素(次亜塩素酸と次亜塩素酸イオ
ン)、遊離臭素(次亜臭素酸と次亜臭素酸イオン)、結
合ハロゲン(N−モノクロロ−5,5−ジメチルヒダン
トイン)濃度を測定した結果を表3に示した。
間放置した後の遊離塩素、遊離臭素、結合ハロゲンの各
残留濃度、残留ハロゲン残留率及び全菌数を測定した結
果を表5に示した。
より計算した。 有効ハロゲン残留率(%)={有効ハロゲン濃度/有効
ハロゲン初期濃度}×100 但し、有効ハロゲン濃度は、遊離塩素、遊離臭素、結合
ハロゲン濃度の和である。
増加とともに、遊離臭素に対する結合ハロゲン濃度の比
率が増加し、残留ハロゲン濃度の残留率も増加した。た
だし殺微生物効果は次亜塩素酸ナトリウムと5,5−ジ
メチルヒダントインの添加モル比が1:0.5〜0.6
のとき最も優れていた。また次亜臭素酸とN−モノクロ
ロ−5,5−ジメチルヒダントインが共存した場合、相
乗効果的な殺微生物作用を示すことが確認された。
N−モノクロロ−5,5−ジメチルヒダントインを含む
場合には、次亜塩素酸ナトリウム単独使用時と比較して
殺微生物効果が高く、また残留ハロゲン濃度の維持効果
が優れていることが確認された。
程白水から分離した4種の細菌〔シュウドモナス(Ps
eudomonas)1種、アチネトバクター(Aci
netobacter)1種、ストレプトコッカス(S
treptococcus)2種〕をTGY液体培地
〔トリプトン(Tryptone)5g、グルコース
(Glucose)1g、イーストエクストラクト(Ye
ast Extract)2.5gを脱イオン水1リッ
トルに溶解し、pHを7に調整したもの〕で1日前培養
した液を滅菌水で1000倍に希釈して試験液とした。
この試験液のpHは7.5、生菌数は3×107個/m
Lであった。
トインを含む水溶液に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添
加、1分間攪拌して調製した次亜臭素酸とN−クロロ−
5,5−ジアルキル置換ヒダントインを含む溶液を試験
液に所定濃度添加した。30℃の恒温器中でロータリー
シェーカーにより160rpmの回転速度で振とう培養
した。殺微生物剤添加30分後と3時間後の試験水の菌
数を測定した。結果を表4に示した。
ロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントインの混合物
は、それぞれを単独で使用した場合や、次亜塩素酸塩単
独使用時と比較して卓越した殺微生物効果を示すことが
確認された。
しば検出される菌であるフラボバクテリウム(Flav
obacterium)、シュードモナス(Pseud
omonas)、アシネトバクター(Acinetba
cter)の3種、及び酵母クリプトコッカス(Cry
ptococcus)を各々100mL、ブイヨン液体
培地に接種した。100メッシュ金網(5×7mm)を
円筒状(直径約10mm)にして浸し、30℃にて5日
間培養し、金網にスライム性付着物を生成させた。臭化
ナトリウムと5,5−ジメチルヒダントインを含む水溶
液に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加して得た次亜臭
素酸とN−クロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントイ
ンを含む溶液を添加して3時間放置した後の金網上のス
ライム付着状況を観察した。試験結果を表5に示す。
N−クロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントインより
なる混合物は優れたスライム除去効果を示すことが確認
された。
ロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントインとの相乗作
用により、pHが7〜9のpH域においても殺微生物抑
制効果が大きく、スライム中への浸透性が優れており、
かつ残留ハロゲン濃度の持続性を有し、効率よくスライ
ム抑制ならびにスライム除去することができる。
開放式循環冷却水系等に生育するスライム構成菌を殺滅
または生育阻害することができ、該工程に発生するスラ
イム障害を未然に防止することができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 次亜塩素酸及び/又はその水溶性塩、水
中で臭素イオンを放出する臭化物、及び5,5−ジアル
キル置換ヒダントインを水中で反応させて得られる(A)
次亜臭素酸及び/又はその水溶性塩と(B)N−モノクロ
ロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントインを含有する反
応混合物を水系に作用させることを特徴とする水系にお
けるスライムコントロール方法。 - 【請求項2】 水中で臭素イオンを放出する臭化物と
5,5−ジアルキル置換ヒダントインを水中で混合し、
次いでこれに次亜塩素酸及び/又はその水溶性塩を加え
て得られる(A)次亜臭素酸及び/又はその水溶性塩と
(B)N−モノクロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダン
トインを含有する反応混合物を水系に作用させることを
特徴とする水系におけるスライムコントロール方法。 - 【請求項3】 次亜塩素酸及び/又はその水溶性塩、水
中で臭素イオンを放出する臭化物、及び5,5−ジアル
キル置換ヒダントインを水系に添加混合して水系におい
て(A)次亜臭素酸及び/又はその水溶性塩と(B)N
−モノクロロ−5,5−ジアルキル置換ヒダントインを
生成させることを特徴とする水系におけるスライムコン
トロール方法。 - 【請求項4】 水中で臭素イオンを放出する臭化物と
5,5−ジアルキル置換ヒダントインとの混合水溶液、
及び次亜塩素酸及び/又はその水溶性塩の水溶液を水系
に添加混合して、水系において(A)次亜臭素酸及び/
又はその水溶性塩と(B)N−モノクロロ−5,5−ジ
アルキル置換ヒダントインを生成させることを特徴とす
る水系におけるスライムコントロール方法。 - 【請求項5】 次亜塩素酸及び/又はその水溶性塩、水
中で臭素イオンを放出する臭化物、5,5−ジアルキル
置換ヒダントインのそれぞれのモル比を1:(0.2〜
3):(0.2〜0.9)とする請求項1〜4記載の水
系におけるスライムコントロール方法。 - 【請求項6】 水系がパルプ工場・製紙工場工程水であ
る請求項1〜5記載の水系におけるスライムコントロー
ル方法。 - 【請求項7】 水系が工業用循環冷却水系である請求項
1〜5記載の水系におけるスライムコントロール方法。
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-
1999
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