JPH08248624A - 水無し平版印刷版およびその製造方法および水無し平版印刷版の露光方法 - Google Patents

水無し平版印刷版およびその製造方法および水無し平版印刷版の露光方法

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JPH08248624A
JPH08248624A JP8034061A JP3406196A JPH08248624A JP H08248624 A JPH08248624 A JP H08248624A JP 8034061 A JP8034061 A JP 8034061A JP 3406196 A JP3406196 A JP 3406196A JP H08248624 A JPH08248624 A JP H08248624A
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layer
poly
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silver halide
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JP8034061A
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Robert W Hallman
ロバート・ダブリュ・ホールマン
Suck-Ju Hong
サク−ジュ・ホン
Ken-Ichi Shimazu
ケン−イチ・シマズ
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Sequa Corp
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/09Photosensitive materials characterised by structural details, e.g. supports, auxiliary layers
    • G03F7/095Photosensitive materials characterised by structural details, e.g. supports, auxiliary layers having more than one photosensitive layer
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷工程において湿し水によって湿す必要の
ないカメラスピード水無し平版印刷版を提供する。 【解決手段】 カメラスピードの水無し平版印刷版前駆
体が、画像が形成された水無し印刷版の製造に用いられ
る。この印刷版は、固体の支持体と、光重合性、親油性
のコーティングからなる第1の層と、シリコンラバーか
らなる第2の層と、保護フィルムを有する第3の層と、
重合バインダまたはキーイングエージェントを含む最上
層である第4の層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一回の現像処理工
程で、デジタル制御された画像を形成するのに好適に用
いられるカメラスピードの水無し平版印刷版に関する。
本発明の水無し平版印刷版を用いることによって、従来
より平版印刷工程で用いられてきた、印刷版を湿し水で
湿らせることが不要となる。この平版印刷版の構成は、
この印刷版に画像形成するためのデジタル画像装置など
の統合や実施に役立つ。
【0002】
【従来の技術】従来の平版印刷においては、親油性かつ
インク受容性の画像が形成された平版印刷版は、初め
に、この平版印刷版上の非画線部となる親水性部分にイ
ンクが付着するのを防ぐために、湿し水で湿らされる。
続いて、印刷する画像に選択的にインクを付着させるた
めに油性のインクがこの印刷版にローラ塗布される。こ
のような従来の平版印刷においては、親油性のインクと
湿し水とを混合状態で同じ工程に用いているので、次に
挙げるようないくつかの問題を本来的に有していた。第
一に、この印刷版に用いられる湿し水が、印刷機のイン
クローラの列に逆流し、インクの水負けの原因になるこ
とがあった。第二に、印刷版に供給されるインク量と湿
し水量との微妙なバランスを制御するのが難しく、この
ため画像の忠実度、画一性を維持するのが困難であっ
た。第三に、湿し水はブランケットに流出しやすく、印
刷紙を濡らしてしまうことがあり、これによってこの印
刷紙の寸法が変わってしまう場合があった。第四に、電
子写真法によって直接、印刷版上に画像形成を行う場合
には、印刷版にエッチング処理を施す必要があり、この
ためその操作が煩雑となっていた。
【0003】これらの問題を解決するために、平版印刷
版の開発、特に印刷機で印刷を行う際に湿し水循環が不
要な平版印刷版の開発に力が注がれてきた。この湿し水
循環が不要な平版印刷版を、水無し平版印刷版または乾
式平版印刷版という。これらの印刷版においては、非親
油性の非画線部から親油性の画線部を区別するのに印刷
版に親水性部分を形成することを利用しないような印刷
方法や印刷版の開発により、水循環が不要とされてい
る。このような印刷版の例を以下に示す。
【0004】米国特許第4,259,905号においては、多形
オルガノポリシロキサン重合物の被覆層が設けられた、
高い耐刷性と背景汚れが少ない印刷物を製造するコンタ
クトスピード水無し平版印刷版が提案されている。ま
た、米国特許第4,342,820号に記載されているネガ型水
無し印刷版は、基板となる支持体と、この支持体上に形
成された光剥離性の感光層と、この感光層上に形成され
たシリコンラバー層とからなり、ネガティブワーキング
(Negative working)に用いられ、湿
し水が不要とされている。この印刷版においてはマスタ
ー版がネガフィルムで露光されて現像液で処理される
際、露光部分の感光層上のシリコンラバー層のみが除去
され、画線部を形成する光接着層がそのまま残る。これ
によって、印刷時に湿し水が不要となる。
【0005】また、米国特許第3,894,873号に記載され
ているポジ型水無し平版印刷版は、基板となる支持体
と、この支持体上に形成された感光性の光接着層と、こ
の光接着層上に形成されたシリコンラバー層とから構成
されている。マスター版が透明ポジティブを通して露光
され、次いで現像液で処理されることで、未露光部分の
光接着層上のシリコンラバー層のみが除去され、画像を
形成する光接着層がそのまま残る。
【0006】ところで、上記の特許に記載された水無し
印刷版はコンタクトスピードであり、カメラスピード用
のものではない。このカメラスピードという語は、イメ
ージフォーカシングレンズシステム(image fo
cusing lenz system)や、他の高感
度またはデジタル画像形成装置等を通じて、原図を平版
印刷版の感光層上に照写することにより画像露光させる
のに十分な程度に、問題の感光材料の感度が高いという
ことを示す。これに対して、コンタクトスピードという
語は、感光材料がこれに接して配置された透明ポジティ
ブまたは透明ネガティブによって露光される程度の感度
を有することを意味する。したがって、コンタクトスピ
ードの感光材料が露光時に比較的高いエネルギーレベル
の光を必要とするのに対して、カメラスピードの感光材
料は、比較的低いエネルギーレベルの光に対しても高い
感度を有する。
【0007】しかしながら現在商業的に用いられている
平版印刷版用感光材料のほとんどは、コンタクトスピー
ド感度を有するものである。よって、コンタクトスピー
ドの感光材料より作られた平版印刷版を使用する際に
は、原図の画像が形成された透明ポジティブまたは透明
ネガティブが必要となる。したがって、平版印刷版を製
造するために必要な工程数は、透明ポジティブまたは透
明ネガティブが不要な場合に比べてかなり多くなる。
【0008】また、平版印刷版によく用いられる増感剤
として、O−キノンジアジド化合物などのジアゾ化合物
や、ポリビニルシンナメートのような感光性高分子が挙
げられる。しかしこれらの増感剤の感度はそれほど高く
ないので、これらの増感剤を用いても、感光材料はカメ
ラスピードとはならない。以上の理由で、前述のほとん
どの平版印刷版の感光材料がコンタクトスピードとされ
ている。
【0009】最も広く用いられているカメラスピードの
写真製版用増感剤はハロゲン化銀である。画像形成層と
してハロゲン化銀乳剤層のみを有する感光性平版印刷版
用の感光材料が工業的に製造されている。しかしなが
ら、このような印刷版用感光材料は写真製版が比較的難
しく、かつ寿命が短い。
【0010】米国特許第3,567,445号には、ノボラック
樹脂によって分割された2つの異なった分光感度層を有
するPS版が記載されている。下層は、ネガ型PS版に
用いられるタイプのものであり、上層は、ハロゲン化銀
乳剤層である。また、米国特許第4,229,912号に記載さ
れている平版印刷版の製造方法に記載された平版印刷版
は、2つの感光層を有し、これらのうちの一方がハロゲ
ン化銀ゼラチン乳剤であり、他方がハロゲン化銀を含ま
ない層である。この特許においては、ハロゲン化銀を含
まない層が露光される前に画像露光されるゼラチン層の
除去には、助剤としてタンパク質分解酵素が用いられ
る。
【0011】また、米国特許第4,283,478号に記載され
ているものは、親油性の画像を形成することができるポ
ジ型感光性樹脂組成物層と、硬化現像用の薬剤を含む感
光性のハロゲン化銀乳剤層とを備え、親水性の表面を有
するサポート(support)からなる平版印刷版用
感光材料である。また、米国特許第4,341,856号に記載
されている平版印刷版は、少なくとも2層の感光層を有
する。ここでは、最終的な画像形成された印刷版を製造
するには少なくとも2つの露光工程が必要である。ま
た、米国特許第5,330,875号は、ネガティブまたはポジ
ティブの原図画像を、2層の印刷版上に形成する方法を
開示している。ここで用いられている印刷版は、コンタ
クトスピード(ポジティブまたはネガティブ)層と、一
回の現像処理工程で一時的なマスク画像を形成すること
が可能なカメラスピード(ネガティブ)被覆層とを有す
る。この印刷版をネガティブまたはポジティブの原図で
露光することによって一回の工程またはステップで現像
可能な画像が形成される。
【0012】本発明の目的は、印刷工程において湿し水
で湿らせる必要のないカメラスピードの水無し平版印刷
版を提供することにある。また、本発明の別の目的は、
一回の現像処理工程で、デジタル画像装置を用いてポジ
ティブの原図を形成するのに適した水無し平版印刷版を
提供することに関連している。また、本発明のさらに別
の目的は、この水無し印刷版を製造する方法およびこの
水無し印刷版に画像を形成する方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明では、印刷工程に
おいて湿し水が不要である、画像形成された印刷版を製
造するために、カメラスピードの平版印刷版の前駆体が
用いられる。この新規な印刷版は、印刷工程で用いられ
る唯一の液体が親油性のインクであるような、ネガティ
ブまたはポジティブの画像の再現に好適に用いられるも
のである。また、本発明は、この新規な印刷版の構成だ
けでなく、これを製造する新規な方法および画像の利用
をも含む。
【0014】本発明は、感光性ハロゲン化銀層と、ポジ
型またはネガ型感光性樹脂層とからなる水無し平版印刷
版前駆体を製造するための、感光材料の組み合わせに関
連している。さらに詳しくは、この水無し平版印刷版前
駆体は、カメラスピードの水無し平版印刷版の前駆体で
あって、親水性または非親水性とされた固体の支持体
と、前記支持体の上に形成され、直接的な化学光線照射
に触媒的に反応して接着性の重合体を作る光重合性で親
油性のコーティングからなる第1の層を有する。
【0015】また、この第1の層上に、溶剤によって膨
潤し、かつインク反発性のシリコンラバーからなる化学
光線透過性の第2の層が形成されている。さらに、この
ラバーコーティングの上に透明な保護フィルムからなる
第3の層が形成されている。さらに、この前駆体はハロ
ゲン化銀ゼラチン乳剤からなる第4の層を有する。この
第4の乳剤は、第3の層の保護フィルムに対する接着を
促進させる重合バインダまたはキーイングエージェント
(keying agent)を有する。また、上記光
重合性コーティング層はネガ型であってもポジ型であっ
てもよい。
【0016】本発明の実施例は、最上層であるハロゲン
化銀乳剤層を、潜像を形成させるのに十分な強さの化学
光線で露光させることで得られる。また、露光の際に
は、デジタル露光装置の光源を用いるのが好ましい。上
記潜像は、現像液と定着液で現像され、保護層上に銀の
画像として形成される。続いて、この印刷版に、光接着
層を露光させるのに十分な強さの化学光線が照射され
る。続いて上記保護層は除去され、シリコンラバー層が
現像液で処理される。この現像液は、光接着層の未露光
部分に結合していない部分のシリコンラバー層を膨潤さ
せる。さらに現像液でシリコンラバー層を洗浄すること
で、光接着層に結合していない画線部のシリコンラバー
層が除去される。これによって、光接着層に結合してい
る非画線部のシリコンラバー層がインキ反発性のバック
グラウンド部となり、画線部にインク受容性の表面が形
成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
I.水無し平版印刷版の構成 本発明の平版印刷版の前駆体は、支持体と、この支持体
の上に設けられた4つの層から構成されている。 支持体層 本発明に用いられる平版印刷版の支持体は、印刷工程に
耐え得る機械的強度を有するものとされる。支持体は、
固体であり、金属、木材、フィルムまたは合成材料で形
成されている。この印刷版が用いられる印刷工程は、乾
式であるので、この支持体は従来のように親水性の表面
を有するものに限定されることはない。本発明におい
て、この支持体は、第1の層である感光層を保持する限
りは親水性の表面を有するものであっても疎水性表面の
ものであってもよい。この支持体の材質としては、機械
的強度の観点から、また印刷産業においてよく用いられ
ていることからアルミニウムが好適である。
【0018】第1の層;光接着/感光層 上記印刷版の第1の層は、ポジ型感光層でもネガ型感光
層でもよい。どちらの場合も、この第1の層のポジ型ま
たはネガ型コーティングのの基本的な性質として、コン
タクトスピードにおける化学光線に露光する際の化学変
化に対する感受性と、第2のシリコンラバー層と接着す
る機能とが要求される。
【0019】i.ポジ型感光層 本発明のポジ型PS版の光接着/感光層は、炭素原子数
が30以下のモノアルコールまたはモノアミン、または
炭素原子数80以下のポリアルコールまたはポリアミン
の誘導体であり、かつその沸点が100℃以上である、
不飽和エチレン結合を有する光重合性モノマまたはオリ
ゴマからなり、光重合開始剤と、必要に応じては熱重合
抑制剤、重合物、または無機てん料(inorgani
c powder)を含んだものとされている。
【0020】米国特許第3,894,873号には実用的なコー
ティングの例が示されている。ここでは前述のモノマま
たはオリゴマとして、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、N,
N,N’,N’テトラキス−2−ヒドロキシ−3−メタ
クリロイロキシプロピルキシリレンジアミン、ヒドロキ
シアセトンアクリルアミド、またはN−メトキシメチル
アクリルアミドなどのアクリレートまたはメタクリレー
トが挙げられている。
【0021】また、光重合開始剤の例としてはベンゾフ
ェノン、ミヒラーケトン、キサントン、ベンゾイン、ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル、ジベンジルジスルファイド、およびウラニルニト
レートが挙げられる。また、重合物の例としては、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、フタル酸、ビ
スフェノールA、無水マレイン酸、およびフマル酸より
選択されたユニットからなる不飽和ポリエステル樹脂、
ポリビニルアセテート、ポリブチルメタクリレート、ポ
リオクチルメタクリレート、ポリエチレンオキサイド、
可溶性ナイロンコポリマが挙げられる。
【0022】また、このPS版の感光性を維持するため
に、また、保存可能な期間を長くするために、ごく微量
の熱重合抑制剤を上記光接着層に添加するのが好まし
い。このような抑制剤の例としては、ヒドロキノン、フ
ェノチアジン、2、4−ジニトロフェノール、およびト
リフェニルメタンが挙げられる。また、基板層と平行な
シリコンラバー被覆層を支持するのに十分な固さを与え
るために、光接着層に必要に応じて他の添加物を加えて
もよい。これらが添加された印刷版は、高い引っかき強
度と、良好な保存性を有するものとなる。
【0023】ii.ネガ型感光層 また、上記層の代替として設けられた、この発明のPS
版のネガ型感光層は、従来のポジ型PS版、ワイポン版
およびフォトレジストによく用いられるキノンジアジド
からなる。このキノンジアジドとしては、ベンゾキノン
−1,2−ジアジドスルフォネートまたはナフトキノン
−1,2−ジアジドスルフォネートとポリヒドロキシ化
合物(例えばベンゾキノン−1,2−ジアジドスルフォ
クロライドとポリヒドロキシフェニル)から得られるエ
ステル、ナフトキノン−1,2−ジアジドスルフォクロ
ライドとピロガロールアセトン樹脂とから得られるエス
テル、ナフトキノン−1,2−ジアジドスルフォクロラ
イドとフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂から
得られるエステル、またはジアゾニウム化合物と無機ま
たは有機酸の錯体(例えばジアゾジフェニルアミンとリ
ンタングステン酸との感光性錯体)が用いられる。
【0024】また、この感光層が現像液中で十分に不溶
化されるために、その組成は、キノンジアジドと多官能
化合物との反応生成物、モノイソシアネートでウレタン
化されたキノンジアジド、エステル化キノンジアジド、
アミド化キノンジアジド、およびビニルモノマとグラフ
ト重合されたキノンジアジドからなる群から選択される
のが好ましい。また、上記多官能化合物は、架橋剤とし
て用いられるもので、ポリイソシアネート化合物(例え
ばパラフェニレンジイソシアネート、2,4または3,
6−トルエンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソフォロンジイソシアネート、またはその付加
物)、およびポリエポキシ化合物(例えば、ポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシ
ジルエーテル)が用いられる。これらの架橋剤を用いた
硬化工程は、感光材料がその感光性を失わないような条
件で行われる必要があり、通常は126℃未満の温度条
件下で行われる。またこの際、必要に応じて触媒を添加
してもよい。
【0025】上記ネガ型感光層の最も好ましい成分は、
キノンジアザイドナフトキノン−1、2−ジアジドスル
ホネートとフェノール−ホルムアルデヒドノボラック樹
脂との縮合生成物である。なお、このコーティングの実
用的な組成の例が米国特許第4,342,820号に記載されて
いる。また、このネガ型感光層はシリコンラバー層を剥
離させることができるようになっている。また、化学光
線の露光によって印刷版上に選択された画像が形成され
るように、露光した画線部のシリコンラバー層が現像液
によって剥離されるようになっている。
【0026】第2の層;シリコンラバー層 上記の、本発明のシリコンラバー層は、シリコンガムの
硬化によって得られる架橋ジオルガノシロキサンからな
るものである。これらは、架橋化された直鎖状のジオル
ガノポリシロキサン(好ましくはジメチルシロキサン)
よりなる分子量400,000から800,000の高
分子のエラストマーである。本発明で用いられるシリコ
ンラバーは、米国特許第3,894,873号や第4,342,820号に
開示された既知のものである。
【0027】第3の層;透明フィルム層 透明フィルム層は良好な画像の再現性を得るために、2
54μm(10mil)より薄く(好ましくは102μ
m(4mil)より薄く)形成される。このフィルムは
空気中の酸素から第1の層である感光層の反応性を保護
するバリアを提供するものとされる。このような透明フ
ィルムの代表的な例としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル
アルコール、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネイト、セルローストリアセテート、ポ
リエステル(デュポン(Dupont)製、マイラー
(Myler))などがある。
【0028】本発明においては、透明フィルムとして、
他の層との接着性を高める処理をされたポリエチレンや
ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムを用いるの
が好ましい。また、第3の層として用いられるフィルム
は、化学光線に対して透過性を有する必要がある。紫外
線透過性を確保するためには、このフィルムはごく微量
の共役オレフィン不飽和結合しか含まないことが必要で
あり、全く含まないのがより望ましい。これは周知のよ
うに、共役オレフィン不飽和結合を多く含むほど分子中
の紫外線吸収性は高まるので、多量のオレフィン不飽和
結合を含むフィルムは、紫外線透過性が本発明に供する
には不十分となるためである。
【0029】第4の層;ハロゲン化銀層 本発明の平版印刷版の前駆体の最上部の層またはコーテ
ィングには、作られる原図に応じて、どのようなタイプ
のハロゲン化銀ゼラチン乳剤をも用いることができる。
(ただし、透明フィルムからなる第3の層と上記乳剤層
との間の接着を容易にする一つあるいはそれ以上の特殊
なキーイングエージェントを含有させる点で先行技術と
は区別される。) ここで用いられるハロゲン化銀は、既知のように塩化
銀、臭化銀、ヨウ化銀、あるいはこれらの混合物とされ
る。また、このハロゲン化銀粒子の平均粒径は0.01
〜5μmとされるのが好ましい。
【0030】また、適切な、または望ましいハロゲン化
銀の感度を提供するためには、上記粒子は化学的に感光
性付与(例えば硫黄感光性付与、還元感光性付与、イリ
ジウム、ロジウム、白金などの新規な金属の塩を用いた
感光性付与、または増感色素を用いた分光増感による感
光性付与)される。ハロゲン化銀としては、表面潜像タ
イプまたは内部潜像タイプを用いることができる。ま
た、このハロゲン化銀乳剤には、通常用いられる既知の
種々の添加物が添加される。また、上記ハロゲン化銀ゼ
ラチン感光性乳剤層の乾燥重量は1〜10g/m2、好
ましくは3〜8g/m2とされる。
【0031】また、本発明のハロゲン化銀層は、またハ
ロゲン化銀乳剤を上記の薄い透明フィルム層に接着させ
るための、1またはそれ以上の特殊なキーイングエージ
ェントまたは接着促進剤を含有する。このキーイングエ
ージェントは、ゼラチンベースで10〜35重量パーセ
ント、好ましくは15〜25重量パーセントのウォータ
ーボーンラテックスエマルション(water−bor
ne latex emulsion)よりなる。この
ウォーターボーンラテックスの例としては、ポリメタク
リルアミド、ポリビニルアルコール、アクリル酸ポリ
マ、ポリアミン、ポリウレタン、およびポリアミドが挙
げられる。ポリアクリル酸ラテックスエマルションのう
ち好ましいものとしてはポリメタクリル、ポリアクリ
ル、およびメチルメタクリレート/メタクリル酸のコポ
リマが挙げられる。なお、このようなポリマの例が米国
特許第4,283,478号に記載されている。また、本発明に
おいては、上記保護層に用いられる透明フィルムに対す
る接着促進剤として最も好ましいウォーターボーンラテ
ックスはブチルアクリレート/メチルメタクリレート、
およびビニルアセテート/ブチルアクリレートコポリマ
から選択される。
【0032】通常、ハロゲン化銀乳剤は上記本発明の透
明フィルム層には接着しない。この発明に用いられるハ
ロゲン化銀乳剤としてはフィルム形成性と柔軟性に優れ
ているとともに、保存中や予備画像形成操作中にも上記
透明フィルムに接着した状態を保つことが要求される。
この点、上記キーイングエージェントはフィルムの接着
を促進しながらも、ハロゲン化銀層の画像露光の後、現
像液によって未露光のエマルションがフィルム層から除
去されるのを妨害しない。以上の理由で、この発明のハ
ロゲン化銀乳剤層にはハロゲン化銀を上記薄い透明フィ
ルムに接着するキーイングエージェントまたは接着促進
剤が添加されている。
【0033】このキーイングエージェントまたは接着促
進剤は、デュポン(ウィルミントン、デラウェア)(D
upont,Wilmington,DE)から市販さ
れている(商品名エルバサイト(Elvacite))
の、ポリ(メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリ
レート/メタクリル酸)、ポリ(メチルメタクリレート
/メタクリル酸)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポ
リ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタク
リレート)、およびポリ(n−ブチル/イソブチルアク
リレート)のポリマまたはコポリマの群から選択された
ものである。
【0034】またこのキーイングエージェントはナショ
ナルスターチアンドケミカル(ニュージャージー)(N
ATIONAL STARCH AND CHEMIC
ALCO, NJ)製の商品名デュロセット(DURO
SET)E−200のエチレンビニルアセテートコポリ
マラテックス、ユニオンカーバイド(ニュージャージ
ー)(Union Carbide,NJ)製の商品名
UCAR441およびUCAR447のウォーターボー
ンアクリリックラテックスエマルション(Water
borne acrylic latex emuls
ion)のブチルアクリレート/メチルメタクリレー
ト、およびビニルアセテート/ブチルアクリレートのコ
ポリマのラテックスエマルションから選択されたものと
してもよい。
【0035】また、米国特許第4,283,478号に記載され
た硬膜剤を本発明に使用してもよい。この硬膜剤として
最も好適なものは、ガラス転移温度(Tg)が20〜3
0℃の範囲にあるブチルアクリレート/メチルメタクリ
レート、およびビニルアセテート/ブチルアクリレート
のコポリマである。これら2つの最も好ましいラテック
スエマルションは、下記の方法によってハロゲン化銀乳
剤のゼラチンと混合されたとき良好な柔軟性とフィルム
形成性を示す。
【0036】デュポン製の商品名エルバサイト2016
のポリ(メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレ
ート/メタクリル酸)などの、キーイングエージェント
として用いられる樹脂が、初めに脂肪族ケトンの群から
選択された有機溶媒(好ましくはメチルエチルケトン)
に溶解され、次いでゼラチンを含むハロゲン化銀乳剤に
30〜40℃において強く攪拌されて細かく分散される
かまたは界面活性剤を含んだ水にボールミルされて、ウ
ォーターボーンラテックスエマルションが調製される。
なお、ウォーターボーンラテックスエマルションは従来
の既知の方法によっても調製することができる。
【0037】また、本発明において、上記薄い透明フィ
ルム層への接着を促進するために好ましいウォーターボ
ーンラテックスエマルションは、ブチルアクリレート/
メチルメタクリレートと、ビニルアセテート/ブチルア
クリレートのコポリマから選択されたもので、ゼラチン
ベースで10〜35重量パーセント、好ましくは15〜
25重量パーセントとされたものである。
【0038】II.画像形成工程 本発明では、ハロゲン化銀乳剤層に画像を形成するに
は、デジタル制御されたレーザーを用いるのが好まし
い。これは以下の理由による。ポジティブまたはネガテ
ィブフィルムの原図を作る写真製版は時間がかかり、ま
た制御できない変動の原因となるため、その操作に器用
さや熟練した能力が要求されている。このような制限を
避けるために、デジタルダイレクトプレートメイキング
システム(digital direct plate
making system)、特にレーザー画像装置
と連結したものなど、より容易に印刷版製造を制御する
ための電気的な代替方法が開発されている。
【0039】上記デジタルプレートメイキングにおいて
は、デスクトップパブリッシング(desk top
publishing)かデジタルデータ貯蔵システム
(digital data storage sys
tem)に貯蔵された文字あるいは画像の情報を印刷版
上にデジタル入力する前にコンピュータ上で修正するこ
とができる。このデジタル入力された印刷版はテキスト
印刷時の感度が高いことから、従来のものに比べて生産
性が大きく改善されたものとなっている。よって、この
発明においては、デジタル制御による画像形成にはレー
ザービームを用いるのが好ましい。
【0040】本発明において、上記の感光性平版印刷版
の前駆体を用いた水無し平版印刷版上での画像形成方法
は次のような工程で行われる。最初に、ハロゲン化銀乳
剤を含む感光層がカメラスピードで画像露光されてハロ
ゲン化銀層に潜像が形成される。このハロゲン化銀層は
既存の現像液と定着液で処理され、潜像が現像、定着さ
れる。現像された画像は、続く露光工程のためのマスク
として使用される。なお、この発明で用いられる現像液
と定着液の例が、米国特許第4,229,912号に開示されて
いる。
【0041】画像露光と現像に続いて、透明な2つの中
間層である保護フィルムとシリコンラバーとを透過して
第1のコンタクトスピード感光層に突き当たる程度の、
比較的高いエネルギーレベルの化学光線によって、この
印刷版が全面露光される。ポジ型の第1の層では、露光
することによって、この印刷版上のマスクされていない
非画線部に相当する感光層の部分が重合化する。この重
合の結果、シリコンラバー層に強固に結合する接着性の
重合体が形成される。ただしこの重合体の生成は非画線
部にのみ起こる。未露光部分の光接着層は重合せずに残
り、シリコンラバー層と接着しない。
【0042】コンタクトスピードのエネルギー量の化学
光線による印刷版の全面露光に続いて、シリコンラバー
層を処理、現像させるために、保護フィルム層が物理的
に取り除かれる。この層は、シリコンラバーを膨潤させ
る現像液で(好ましくは浸して)処理される。この印刷
版のシリコンラバー層は非常に厚いが、画線部に相当す
る未露光部分の感光層上のシリコン層は感光層に接着し
ていないので、(好ましくは綿で拭き取ることによっ
て)簡単に除去されて、除去されたシリコン層の部分の
下の感光層の親油性画線部が鮮明に現れる。このとき、
非画線部のシリコンラバー層はその下層の感光層に結合
したまま印刷版から除去されずに残る。
【0043】ポジ型水無し平版印刷版に用いられる現像
液は硬化されたシリコンラバー層に吸収され、この層を
膨潤させる。なおこの際、この現像液は画線部のシリコ
ンラバーへの感光層の結合に影響を及ぼしたり、弱めた
りすることがない。最も有用な現像液としては、イソパ
ラフィンや直鎖状炭化水素、またはこれらの主要な成分
の混合物が挙げられる。これらの現像液は、石油の分別
蒸留生成物として商業的に、安価で手に入れることがで
きる。低沸点のフラクションのものは、より多くシリコ
ンラバーに吸収されて、このシリコンラバーをより大き
く膨潤させる。従ってこれにより膨潤したシリコンラバ
ーは、高沸点のフラクションのもので膨潤したシリコン
ラバーと比べて容易に除去される。よって、ガソリンは
最も有用かつ便利で、経済的な現像液の一つである。な
お、これらの炭化水素は、画線部のシリコンラバー層の
除去後の印刷版表面に残る未硬化の感光層に影響を及ぼ
したり、これを溶解させたりすることはない。
【0044】ネガ型水無し平版印刷版に用いられる現像
液はシリコンラバー層を膨潤させることができるものと
される。これらの例としては、脂肪族炭化水素(例えば
ヘキサン、ヘプタン、ガソリン、灯油)、芳香族炭化水
素(例えばトルエン、キシレン)、またはハロゲン化炭
化水素(例えばトリクロロエチレン)、および下記の極
性溶媒がある:アルコール(例えばメタノール、エタノ
ール)、エーテル(例えばエチルセロソルブ、ジオキサ
ン)、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケト
ン)、エステル(例えばエチルアセテート、セロソルブ
アセテート)。
【0045】III.印刷工程 印刷工程中に、この印刷版の画線部である親油性の光接
着層の露光した表面は、インクローラからインクを受け
取る。このとき、感光層に接着している背景部分のシリ
コンラバー層には、油性インクが付着しないようになっ
ている。よって、このシリコンラバーがあることによっ
て、インクはローラから離れずに残り、印刷版上にはプ
リントされない部分が形成される。上記の印刷版は、背
景部分となる非画線部下層の光重合層に固く接着した厚
いシリコンラバー層を有するので、引っかき強度を持
ち、湿し水を使うことなく10万枚以上のきれいな印刷
物を作ることができる。
【0046】総括すると、前記印刷版前駆体の構成によ
って直接的に水無し平版印刷工程に適した印刷版の作成
が可能であると同時に、上記方法によってのみ、上記印
刷版前駆体をカメラスピードで物体に対して画像露光す
ることにより印刷版を作成することができる。
【0047】IV.水無し平版印刷版製造方法 本発明の印刷版の製造方法を以下に説明する。光接着性
組成物の層が、リバースロールコータ(reverse
rollcoater)、ブレードコータ(blad
e coater)、メイヤーバーナイフ(mayer
bar knife)、ナイフ(knife)など既
存の塗工機によって柔軟な支持体上に形成される。シリ
コンガム組成物が、シリコン溶液のコーティング、また
は予め別の支持体上に、剥離できるように形成したシリ
コンフィルムを移すことによって、光接着層上にコーテ
ィングされる。
【0048】また、このシリコン層は、この層に弾力性
を持たせるために硬化処理される。なお、シリコン溶液
を光接着層上にコーティングする際には、溶質が光接着
層にダメージを与えないように注意して行う。次いで、
薄く透明な保護フィルムが、既知のラミネーション技術
によってシリコンラバーの表面に形成される。この保護
層は、大気中の酸素が光接着層中に拡散するのを防ぐも
のである。最後に、ハロゲン化銀乳剤層が、この透明な
保護層の上に既存の塗工機によって形成される。
【0049】下記の実施例1から3(ポジティブ印刷版
上のネガティブエマルション)および、実施例4(ポジ
ティブ印刷版上のネガティブエマルション)は、この発
明の様々な限定されない実施例を説明するものである。
ポジティブ印刷版上のネガティブエマルション (実施例1)ポジ型水無し平版(東レ(東京、日本)
製、商品名TAP)に、接着促進剤を含むポリクローム
(Polychrome)製のレーザースキャナーネガ
ティブハロゲン化銀乳剤(Laser scanner
negative silver halide e
mulsion)(PC465)をコーティングした。
この際、キーイングエージェントとしてユニオンカーバ
イド製の商品名UCAR441(45重量パーセントの
ブチルアクリレート/メチルメタクリレートのコポリマ
を含むアクリリックラテックスエマルション)を使用し
た。このキーイングエージェントを、30〜40℃にお
いて強く攪拌することによってゼラチンを含むハロゲン
化銀乳剤中に細かく分散させた。なお、コポリマの濃度
は、ゼラチンベースで15〜25パーセントとした。
【0050】次いで、この印刷版を従来の方法で乾燥し
た。このとき、このハロゲン化銀ゼラチン感光性エマル
ション層の乾燥重量を約4g/m2とした。この印刷版
をネガティブの原図によって、ガーバーサイエンティフ
ィックブルーアルゴンイオンレーザースキャナ(Ger
ber Sientific blue argon−
ion laser scanner)(LE55)を
用い、5μJ/cm2でデジタル露光し、ハロゲン化銀
乳剤層に潜像を形成した。
【0051】続いて、この印刷版を、ラピッドアクセス
(rapid access)現像液(ポリクローム
製、PC126)と、ポリクロームの定着液PF200
によって製版し、保護層上に銀の画像を形成した。続い
て、この印刷版に、光接着性の第1の層を露光させるた
め、400mJ/cm2の化学光線(紫外線)を全面露
光させた。続いて保護層をはがし、この印刷版を現像液
(東レ製、ポジティブ現像液HP−7N)によって現像
し、また未露光部分のシリコンラバーを拭き取りによっ
て除去した。このようにして残っているシリコンラバー
層にインク反発性部分を形成し、感光層の未露光部分に
インク受容性の画線部を形成した。この印刷版は、ネガ
ティブの原図から鮮明なポジティブの画像を形成し、印
刷工程に適用された際には10万枚の印刷を行うことが
できる。この印刷版を印刷機中で回転させることで、背
景部分にインクが付かず、画線部にインクが受容され
る。この工程の後、印刷版は印刷可能な状態となる。
【0052】(実施例2)ポジ型水無し平版(東レ(東
京、日本)製、商品名TAP)に、接着促進剤(キーイ
ングエージェント)を含むポリクローム製のレーザース
キャナーネガティブハロゲン化銀乳剤(PC465)を
コーティングした。この際、キーイングエージェントと
してユニオンカーバイド製のUCAR447(60重量
パーセントのビニルアセテート/ブチルアセテートのコ
ポリマを含むアクリリックラテックスエマルション)を
用いた。このキーイングエージェントを、30〜40℃
において強く攪拌することによって、ゼラチンを含むハ
ロゲン化銀乳剤中に細かく分散させた。なお、コポリマ
の濃度は、ゼラチンベースで15〜25パーセントとし
た。次いで、この印刷版を従来の方法で乾燥した。この
とき、このハロゲン化銀ゼラチン感光性エマルション層
の乾燥重量を、約4g/m2とした。続いてこの印刷版
を実施例1と同様に、デジタル製版した。
【0053】(実施例3)ポジ型水無し印刷版(東レ
(東京、日本)製、商品名TAP)を、接着促進剤(キ
ーイングエージェント)を含むポリクローム製のレーザ
ースキャナーネガティブハロゲン化銀乳剤(PC46
5)でコーティングした。この際、キーイングエージェ
ントとしてデュポン製のエルバサイト2016樹脂のメ
チルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート/メタ
クリル酸のアクリリックコポリマを用いた。このキーイ
ングエージェントを濃度8%でメチルエチルケトンに溶
解し、次いで30〜40℃において強く攪拌することに
よってゼラチンを含むハロゲン化銀乳剤中に細かく分散
させた。なお、コポリマの濃度は、ゼラチンベースで1
5から25パーセントとした。次いで、この印刷版を従
来の方法で乾燥した。このとき、このハロゲン化銀ゼラ
チン感光性エマルション層の乾燥重量を、約4g/m2
とした。この印刷版を実施例1と同様に、デジタル製版
した。
【0054】ポジティブ印刷版上のネガティブエマルシ
ョン (実施例4)ネガ型水無し印刷版(東レ製、TAN)
を、実施例1と同様に接着促進剤を含むポリクローム製
のレーザースキャナーネガティブハロゲン化銀乳剤(P
C−465)でコーティングした。この印刷版をポジテ
ィブの原図を使って、ガーバークレッセント42プレー
トセッタ(Gerber Crescent42 pl
ate setter)によって露光させ、ハロゲン化
銀乳剤層に潜像を形成した。続いて、この印刷版を、ラ
ピッドアクセス現像液(PC126)と、定着液PF2
00によって製版し、保護フィルム上に銀の画像を形成
した。
【0055】続いてこの印刷版に、光接着性の第1の層
を露光させるため、500mJ/cm2の化学光線(紫
外線)で全面露光させた。続いて保護フィルムがはがさ
れ、プレトリートメントソリューション(pretre
atment solution)(PTS−1)を用
いて、版の不感脂化、および未露光部のシリコンラバー
層と感光層との結合強化を行った。次いで、露光部のシ
リコンラバーを拭き取りした。このようにして、未露光
部である残っているシリコンラバー層がインク反発性の
背景部を形成する一方、露光部の感光層はインク受容性
の画像を形成する。この印刷版を印刷機中で回転させる
ことで、背景部分にインクが付かず、画線部にインクが
受容される。;これによりこの印刷版は10万枚の印刷
物の印刷が可能な状態となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サク−ジュ・ホン アメリカ合衆国・ニューヨーク・10708・ ブロンクスヴィル・カリフォルニア・ロー ド・488 (72)発明者 ケン−イチ・シマズ アメリカ合衆国・ニューヨーク・10510・ ブライアークリフ・マノール・チャパック ゥア・ロード・494

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カメラスピードの、多層構造の水無し平
    版印刷版であって、 親水性または非親水性とされた固体の支持体と、 前記支持体の上に形成され、化学光線照射により重合し
    て接着性を示す不飽和エチレン結合を有する光重合モノ
    マまたはオリゴマを含む親油性、光接着性ポジ型コーテ
    ィング、または化学光線照射により可溶化するキノンジ
    アジドを含む光剥離性、接着性ネガ型コーティングから
    なる第1の層と、 溶剤によって膨潤し、かつインク反発性であるシリコン
    ラバーからなる化学光線透過性の第2の層と、 実質的に化学光線透過性で、高分子保護フィルムからな
    る第3の層と、 ハロゲン化銀ゼラチン乳剤からなる第4の層とからな
    り、 前記エマルションが、前記第3の層との接着を促進す
    る、重合バインダまたはキーイングエージェント(ke
    ying agent)を含むことを特徴とする水無し
    平版印刷版。
  2. 【請求項2】 前記ポジ型コーティングが、炭素原子数
    が30以下であるモノアルコールまたはモノアミン、ま
    たは炭素原子数80以下であるポリアルコールまたはポ
    リアミンの誘導体であり、かつその沸点が100℃以上
    である、不飽和エチレン結合を有する光重合性モノマま
    たはオリゴマよりなることを特徴とする請求項1記載の
    印刷版。
  3. 【請求項3】 前記モノマが、ジメチルアミノエチルメ
    タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
    ト、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
    ト、N,N,N’,N’テトラキス−2−ヒドロキシ−
    3−メタクリロイロキシプロピルキシリレンジアミン、
    ヒドロキシアセトンアクリルアミド、またはN−メトキ
    シメチルアクリルアミドからなることを特徴とする請求
    項2記載の印刷版。
  4. 【請求項4】 前記ネガ型コーティングが、ベンゾキノ
    ン−1,2−ジアジドスルフォネートまたはナフトキノ
    ン−1,2−ジアジドスルフォネートとポリヒドロキシ
    化合物とから得られるエステル、モノイソシアネートで
    ウレタン化されたキノンジアジド、アミド化キノンジア
    ジド、またはビニルモノマとグラフト重合されたキノン
    ジアジドからなるキノンアジドの架橋化物からなること
    を特徴とする請求項1記載の印刷版。
  5. 【請求項5】 前記エステルが、ベンゾキノン−1,2
    −ジアジドスルフォクロライドとポリヒドロキシフェニ
    ルから得られるエステル、 ナフトキノン−1,2−ジアジドスルフォクロライドと
    ピロガロールアセトン樹脂とから得られるエステル、 ナフトキノン−1,2−ジアジドスルフォクロライドと
    フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂とから得ら
    れるエステルからなることを特徴とする請求項4記載の
    印刷版。
  6. 【請求項6】 前記支持体がアルミニウムであることを
    特徴とする請求項1記載の印刷版。
  7. 【請求項7】 前記ポジ型コーティングがさらに光重合
    開始剤、重合抑制剤、重合物、または熱に対する無機添
    加剤(inorganic thermalfille
    r)を含むことを特徴とする請求項1記載の印刷版。
  8. 【請求項8】 前記コーティングがナフトキノン−1,
    2−ジアジドースルフォネートとフェニルホルムアルデ
    ヒド樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の印刷
    版。
  9. 【請求項9】 前記重合バインダまたはキーイングエー
    ジェントが、ポリ(メチルメタクリレート/n−ブチル
    メタクリレート/メタクリル酸)、ポリ(メチルメタク
    リレート/メタクリル酸)、ポリ(エチルメタクリレー
    ト)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(メチ
    ルメタクリレート)およびポリ(n−ブチル/イソブチ
    ルアクリレート)、ブチルアクリレート/メチルメタク
    リレート、およびビニルアセテート/ブチルアクリレー
    トからなるポリマまたはコポリマからなる群より選ばれ
    たアクリリックラテックスエマルションであることを特
    徴とする請求項1記載の水無し平版印刷版。
  10. 【請求項10】 前記バインダが、ガラス転移温度が2
    0〜25℃の範囲にある、ブチルアクリレート/メチル
    メタクリレートまたはビニルアセテート/ブチルアクリ
    レートのコポリマからなることを特徴とする請求項1記
    載の印刷版。
  11. 【請求項11】 前記バインダが、前記ハロゲン化銀乳
    剤の10〜35重量パーセントであることを特徴とする
    請求項1記載の印刷版。
  12. 【請求項12】 前記バインダが、前記ハロゲン化銀乳
    剤の15〜25重量パーセントであることを特徴とする
    請求項10記載の印刷版。
  13. 【請求項13】 前記シリコンラバーが、架橋化ジオル
    ガノポリシロキサンからなることを特徴とする請求項1
    記載の印刷版。
  14. 【請求項14】 カメラスピードの、多層構造の水無し
    平版印刷版の製造方法であって、 固体の支持体に、化学光線照射により重合して接着性を
    示す不飽和エチレン結合を有する光重合モノマまたはオ
    リゴマを含む親油性、光接着性ポジ型コーティング、ま
    たは化学光線照射により可溶化する架橋化キノンジアジ
    ドを含む光剥離性、接着性ネガ型コーティングからなる
    第1の層をコーティングし、 この第1の層に、溶剤によって膨潤し、かつインク反発
    性であるシリコンラバーからなる化学光線透過性の第2
    の層をコーティングし、 この第2の層に、実質的に化学光線透過性で、高分子保
    護フィルムからなる第3の層をコーティングし、 さらに、ハロゲン化銀ゼラチン乳剤からなる第4の層を
    コーティングし、 前記エマルションが、前記保護フィルムとの接着を促進
    する、重合バインダまたはキーイングエージェントを含
    み、 この重合バインダがポリ(メチルメタクリレート/n−
    ブチルメタクリレート/メタクリル酸)、ポリ(メチル
    メタクリレート/メタクリル酸)、ポリ(エチルメタク
    リレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ
    (メチルメタクリレート)およびポリ(n−ブチル/イ
    ソブチルアクリレート)、ブチルアクリレート/メチル
    メタクリレート、およびビニルアセテート/ブチルアク
    リレートからなるポリマまたはコポリマよりなる群から
    選ばれたアクリリックラテックスエマルションからなる
    ことを特徴とする水無し平版印刷版の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記キーイングエージェントが、初め
    に溶剤に溶かされ、次いで30〜40℃で強攪拌されて
    前記エマルション中に分散化されたものであることを特
    徴とする請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 水無し平版印刷版に画像を露光させる
    露光方法であって、 前記印刷版をコンピュータ制御のレーザービームに接触
    させる工程を有し、 前記ビームはデジタル化された前記画像の情報を有し、 前記印刷版は、親水性または非親水性とされた固体の支
    持体と、 前記支持体の上に形成され、化学光線照射により重合し
    て接着性を示す不飽和エチレン結合を有する光重合モノ
    マまたはオリゴマを含む親油性、光接着性ポジ型コーテ
    ィング、または化学光線照射により可溶化するキノンジ
    アジドを含む光剥離性、接着性ネガ型コーティングから
    なる第1の層と、 溶剤によって膨潤し、かつインク反発性であるシリコン
    ラバーからなる化学光線透過性の第2の層と、 実質的に化学光線透過性で、高分子保護フィルムからな
    る第3の層と、 ハロゲン化銀ゼラチン乳剤からなる第4の層とからな
    り、 前記エマルションが、前記保護フィルムとの接着を促進
    する、重合バインダまたはキーイングエージェントを含
    むことを特徴とする水無し平版印刷版の露出方法。
JP8034061A 1995-02-22 1996-02-21 水無し平版印刷版およびその製造方法および水無し平版印刷版の露光方法 Pending JPH08248624A (ja)

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