JPH08248561A - 光反応性組成物、該光反応性組成物を含有した酸反応性高分子組成物及び酸反応性樹脂層 - Google Patents

光反応性組成物、該光反応性組成物を含有した酸反応性高分子組成物及び酸反応性樹脂層

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JPH08248561A
JPH08248561A JP7049588A JP4958895A JPH08248561A JP H08248561 A JPH08248561 A JP H08248561A JP 7049588 A JP7049588 A JP 7049588A JP 4958895 A JP4958895 A JP 4958895A JP H08248561 A JPH08248561 A JP H08248561A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、光反応速度の大なる光反応性組成物
を提供することを目的とする。 【構成】光の作用によって酸を発生する光酸発生剤と、
該光酸発生剤より発生した酸により新たに酸を発生する
酸増殖剤とからなる光反応性組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光の作用で酸を発生す
る物質(以下、光酸発生剤と呼ぶ)に、発生した酸によ
って新たに酸を発生する物質(以下、酸増殖剤と呼ぶ)
を組み合わせることにより感光速度を向上させた光反応
組成物に関し、更に、該光反応組成物を含有した酸反応
性高分子組成物及び酸反応性樹脂層に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より光エネルギ−を吸収して分子内
又は分子間に化学的又は物理的変化を生じる感光性機能
を有する材料は種々の方面に利用されている。例えば、
光反応によって生じる化学的な構造変化を光学的に検出
する画像形成材料として用いたり、モノマ−やプレポリ
マ−の光硬化によって表面処理を行う表面被覆処理材料
として用いるなど、多方面に利用、実用化されている。
しかし、これらの感光性機能を有する材料における感光
速度、感光波長領域、解像性は多様であり、目的に応じ
て適切な特性を有する材料が選択される。
【0003】感光性機能を有する材料として古くより銀
塩感光材料が広く用いられているが、近年、写真製版技
術などにおけるように、大量、かつ、高解像性を示す高
感度画像形成材料として、高分子材料を主成分とする感
光性樹脂が広範囲にわたって用いられるようになった
(山岡 亜夫、松永元太郎編、「フォトポリマ−・テク
ノロジ−」、日刊工業新聞社(1988年)参照)。高
分子系感光性材料は解像性に優れているだけでなく、光
反応の選択によって広範囲の感光波長領域が設定でき
る。また、比較的安価に製造できるなどの多くの利点を
有する。しかしながら、感光速度は銀塩感光性材料に比
較するときわめて低く、最も高感度な高分子系感光性材
料と言えども、銀塩材料が示す感光速度の千分の一にも
達していないのが現状である。
【0004】これまでに、高分子系感光性材料の感光速
度を向上させるために、さまざまな試みがなされてき
た。最も広く開発の対象となってきたのが、光の作用で
発生するラジカル種を開始剤として、多数のビニルモノ
マ−を連鎖的に重合させる光重合体系である。しかしな
がら、空気中の酸素と容易に反応するラジカル種が成長
種であるために、十分な連鎖反応が完結することなく終
結する。また、ラジカル重合反応の進行とともに急激に
形成される高分子マトリックス内での編目構造のため
に、モノマ−の拡散が急速に抑制されて重合が完結する
ことができない。このような原因のために、光重合系の
感光速度には本質的な限界値が存在する。
【0005】一方、光の作用で酸を発生させ、この酸を
触媒とするカチオン重合のみならず、さまざまな酸触媒
反応を組み合わせることによって、多様な高分子系感光
性材料の創出が可能となった。カチオン重合において
は、ラジカル重合とは異なり酸素による反応の停止効果
がないので高感度が期待されるが、実際には空気中の水
分や編目構造形成のために、むしろラジカル重合系より
も感光速度は低いのが現状である。また、酸触媒反応を
組み込んだ高分子系感光性材料では、光で酸を発生させ
た後に加熱処理を施して酸触媒反応を誘起させることを
原理とする。このため、フォトレジストを主たる利用形
態とするこの種の高分子系感光性材料は化学増幅型フォ
トレジストと呼ばれている。しかし、依然として感光速
度はラジカル重合系にも及ばないのが現状であり、飛躍
的な感光速度の向上が求められてきた。
【0006】更に、光ラジカル重合や光カチオン重合を
用いたり、あるいはその両者を組み合わせることによっ
て、液状あるいは膜状樹脂皮膜を光照射で高硬度に硬化
する樹脂組成物も広く実用に供せられている。近年、空
気中の酸素による阻害効果を受けない光カチオン重合系
は広く開発研究の対象となっており、硬化に適した光酸
発生剤や硬化に適したモノマ−やプレポリマ−の開発は
活発に行われているが、硬化工程の迅速化のために硬化
速度の向上が求められている。さらには、光を吸収する
顔料が分散した樹脂組成物や厚い皮膜の硬化は表面層の
みで起こるために、十分な硬化がもたらされないという
本質的な問題点は解決されないままに至っている。ま
た、前述の化学増幅型フォトレジストの感光速度が、酸
触媒反応を利用しているにもかかわらず、それほど高い
ものとならない原因として、空気中に浮遊する微量の塩
基成分が触媒の被毒作用をもたらすためと考えられ、或
いは、高分子マトリックス中での酸触媒反応が副反応を
引き起こし、このため酸触媒反応が停止することも考え
られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、このよう
な事態を抜本的に解決する方法を種々検討した結果、光
の作用で酸を発生する物質に、発生した酸によって新た
に酸を発生する物質を組み合わせることにより感光速度
を著しく向上させた光反応組成物を見出し、本発明を完
成したもので、本発明の目的は、光化学反応を増幅させ
て感光速度を著しく向上させた光反応組成物を提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本出願の第1の発明の要
旨は、光の作用によって酸を発生する光酸発生剤と、該
光酸発生剤より発生した酸により新たに酸を発生する酸
増殖剤とからなる光反応性組成物であり、第2の発明の
要旨は酸の作用によって分子構造変化を生じる物質を混
合した高分子物質、あるいは酸の作用によって分子構造
変化を生じる残基を結合した高分子物質中に、光の作用
によって酸を発生する光酸発生剤と、該酸の作用によっ
て新たに酸を発生する酸増殖剤を存在せしめたことを特
徴とする酸反応性高分子組成物であり、第3の発明の要
旨は酸の作用によって分子構造変化を生じる物質を混合
した高分子物質、あるいは酸の作用によって分子構造変
化を生じる残基を結合した高分子物質と光酸発生剤とか
らなる樹脂層に、前記光酸発生剤より発生した酸により
新たに酸を発生する酸増殖剤と、新たに発生した酸の作
用によって分子構造変化を生じる物質を混合した高分子
物質、あるいは酸の作用によって分子構造変化を生じる
残基を結合した高分子物質からなる前記の樹脂層とは異
なる樹脂層を積層した2層構造を有する酸反応性樹脂層
である。即ち、本発明では酸の作用によって新たに酸を
発生する酸増殖剤を光酸発生剤と組み合わせることによ
って、光の作用によって光酸発生剤より、例えば一つの
酸を発生し、該酸が酸増殖剤分子を分解して新たに一つ
以上の酸を発生するので、一回の反応で一つ以上の酸分
子が増殖して、計2つ以上の酸分子となり、この反応が
連鎖的に生じて、酸の発生がねずみ算的に増えることに
なる。即ち、このような特性を持つ酸増殖剤を添加によ
り、急激に酸が増し、その結果、塩基性物質による酸触
媒反応の停止も防止でき、また、副反応による酸の消失
も防止できて酸触媒反応を大幅に加速することができ
る。上述の反応原理の原理を図示すると、次のようにな
る。 AG 光酸発生剤;X 酸増殖剤;M 酸分解生成物;
N 酸分解生成物 m,nは分子数である。このような酸を増殖する有機化
合物を使用して、ねずみ算的に酸を発生させる増殖反応
は、核分裂反応や爆発反応に類似しているが、有機化学
反応としてはこれまでまったく知られていなかった。酸
増殖剤は、熱的にできるだけ安定であるが、酸によって
分解し、自ら強酸を発生するもので、比較的強い酸の残
基で置換された化合物であり、比較的容易に脱離反応を
引き起こして、酸を発生する。したがって、酸触媒反応
によってこの脱離反応を大幅に活性化させることができ
れば、酸の不存在下では安定であるが、酸の存在下では
容易に熱化学反応によって酸を生成させることが可能と
なる。このような性質を持つ酸増殖剤を光酸発生剤と組
み合わせることによって、飛躍的に感光速度が向上され
た感光性材料が可能となったのである。
【0009】本発明について詳細に説明する。本発明に
おいて光の作用によって酸を発生する光酸発生剤として
は、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用
される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料
研究会編、「イメ−ジング用有機材料」、ぶんしん出版
(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明
に好適な化合物の例を以下に挙げる。また、これらの光
酸発生剤の感光波長領域を拡大するために、適宜光増感
剤を共存させることもできる。これらの物質の光分解に
よって生成する酸は、酸反応性物質とともに酸増殖剤に
作用して酸の発生を促進する。以下の光酸発生剤を用い
ることができる。第1に、ジアゾニウム、アンモニウ
ム、ヨ−ドニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの
芳香族オニウム化合物のPF6 -,AsF6 -,SbF6 -
CF3SO3 -塩を挙げることができる。オニウム化合物
の具体的な例を以下に示す。
【0010】
【化1】
【0011】第2に、スルホン酸を発生するスルホン化
物を挙げることができる。具体的な化合物を以下に例示
する。
【0012】
【化2】
【0013】第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロ
ゲン化物も用いることができる。以下に具体的な化合物
を例示する。
【0014】
【化3】
【0015】第4に、鉄アレン錯体を挙げることができ
る。
【0016】
【化4】
【0017】本発明で用いられる酸増殖剤は、比較的強
い酸の残基で置換された化合物であって、比較的容易に
脱離反応を引き起こして、酸を発生する化合物である。
したがって、酸触媒反応によって、この脱離反応を大幅
に活性化させることができ、酸の不存在下では安定であ
るが、酸の存在下では容易に熱化学反応によって酸を生
成させることが可能となる。このような性質を持つ酸増
殖剤を光酸発生剤と組み合わせることによって、飛躍的
に感光速度が向上された光反応性組成物が可能となった
のである。酸触媒反応によって分解して再び酸(以下の
一般式でZOH)を発生する。一回の反応で1つ以上の
酸が増えており、反応の進行に伴って加速的に反応が進
む。発生した酸自体が自己分解を誘起するために、ここ
で発生する酸の強度は酸解離定数、pKa、として3以
下であり、とくに2以下であることが望ましい。これよ
り弱い酸であれば、自己分解を引き起こすことができな
い。このような酸として、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢
酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホ
ン酸、トリフェニルホスホン酸などをあげることができ
る。具体的には、以下の化合物を例示することができ
る。第1に、一般式(1)で表される有機酸エステル化
合物を挙げることができる。
【0018】
【化5】
【0019】(式中、A1はC1からC6までのアルキ
ル基またはアリ−ル基を示し、A2はC1からC6まで
のアルキル基を示し、A3はビス(p−アルコキシフェ
ニル)メチル)基、2−アルキル−2−プロピル基、2
−アリ−ル−2−プロピル基、シクロヘキシル基または
テトラヒドロピラニル基を示し、Zは酸解離定数(pK
a)が3以下であるZOHで示される酸の残基を示す) この化合物に酸が作用すると、エステル基が分解してカ
ルボン酸となり、これがさらに脱カルボン酸を起こして
から酸(ZOH)が容易に脱離する。具体的には例を以
下に示す。
【0020】
【化6】
【0021】第2に一般式(2)で表されるアセタ−ル
またはケタ−ル基を持つ有機酸エステルを挙げることが
できる。
【0022】
【化7】
【0023】(式中、Zは前記と同じ意味を持ち、B1
は水素原子、アルキル基またはアリ−ル基であり、
2、B3はメチルあるいはエチル基または両者でエチレ
ンまたはプロピレン基を形成し、B4は水素原子または
メチル基を示す) この化合物は酸の作用でアセタ−ルあるいはケタ−ルが
分解してβ−アルデヒドあるいはケトンとなり、これか
らZOHが容易に脱離する。具体的な例を以下に示す。
【0024】
【化8】
【0025】第3に、一般式(3)で表される有機酸エ
ステルを挙げることができる。
【0026】
【化9】
【0027】(式中、Zは前記と同じ意味を持ち、
1、D2は水素原子、C1からC6までのアルキル基ま
たはアリ−ル基を示し、D2、D3はC1からC6までの
アルキル基または双方で脂環状構造を形成するアルキレ
ンあるいは置換アルキレン残基を示す) この化合物は、酸触媒によって水酸基が脱離してカルボ
カチオンを形成し、水素移動してからZOHが発生する
ものと推定される。具体的な例を以下に示す。
【0028】
【化10】
【0029】第4に、一般式(4)で表されるエポキシ
環を有する有機酸エステルを挙げることができる。
【0030】
【化11】
【0031】(式中、Zは前記と同じ意味を持ち、Eは
C1からC6までのアルキル基またはフェニル基を示
す) この化合物に酸が作用すると、エポキシ環の開環の生成
に伴ってβ−炭素にカチオンが形成され、水素移動の結
果として有機酸が発生するものと推定される。具体的な
例を以下に示す。
【0032】
【化12】
【0033】これらの化合物は酸が作用しない限り室温
で安定に存在する。これらの化合物の酸触媒分解が引き
起こされるためには一定以上の酸強度が必要とされる
が、酸解離定数pkaで約2以下であることが望まし
い。これ以上の酸解離定数、すなわち、これ以上に弱い
酸であれば、酸増殖剤の反応を引き起こすことができな
い。
【0034】次に上記の光反応組成物を存在させる酸の
作用によって分子構造変化を生じる物質(酸反応性分
子)を混合した高分子物質、あるいは酸の作用によって
分子構造変化を生じる残基を結合した高分子物質につい
て説明する。なお、分子構造変化を生じる物質又は残基
を単に酸反応性分子又は酸反応性残基と言う。本発明に
好適に用いられる酸反応性分子を混合あるいは結合して
なる高分子物質の例を示す(有機エレクトロニクス材料
研究会編、「イメ−ジング用有機材料」、ぶんしん出版
(1993年)、199〜201ペ−ジ参照)。多くは
有機合成化学における脱保護基の反応を利用している
(T.W.Greene,Protective Gr
oups in Organic Synthesi
s,John Wiley & Sons(1981)
参照)が、具体的な例を以下に示す。第1に、酸反応性
残基を側鎖あるいは主鎖に有する高分子物質を挙げるこ
とができる。酸反応性残基としては、カルボン酸の第2
級、第3級エステル、テトラヒドロピラニルエステル、
炭酸第3級エステル、トリアルキルシリル基やテトラヒ
ドロピラニル基で保護されたフェノ−ル性あるいはN−
メチロ−ル性水酸基が好適に用いられる。これらは、酸
の作用によって脱保護反応が起こって極性の高いカルボ
ン酸やフェノ−ルが生成するので、露光部は極性溶媒や
アルカリ水溶液に可溶化する。このような特性を利用し
たものとして高感度感光材料がある。具体的な化合物の
例として、
【0035】
【化13】
【0036】第2に、酸反応性低分子化合物を含有する
高分子化合物がある。ここでは、酸反応性低分子化合物
は樹脂化合物の溶解性を低減する効果を有するものであ
って、溶解抑制剤と呼ばれる。溶解抑制剤として、アセ
タ−ル化合物、ケタ−ル化合物、カルボン酸の第3級エ
ステル、テトラヒドロピラニルエステル、炭酸第3級エ
ステル、トリアルキルシリル基やテトラヒドロピラニル
基で保護されたフェノ−ル類、ピナコ−ル誘導体などを
挙げることができる。これらの溶解抑制剤を含有する樹
脂化合物として、たとえば、ノボラック樹脂、ポリ(p
−ヒドロキシスチレン)、メタクリル酸共重合体、N−
メチロ−ルマレイミド共重合体などをあげることができ
る。低分子化合物はこれらの樹脂のアルカリ水溶液に対
する溶解性を阻害する効果を持つが、酸の作用で分解す
ることによって、この溶解抑制効果が失われて高分子は
アルカリ可溶化となる。具体的な溶解抑制剤を以下に例
示する。
【0037】
【化14】
【0038】第3に、酸触媒反応による縮合反応を高分
子の架橋反応に利用する。酸触媒によってカチオンを形
成して縮合反応を起こす残基として、ベンジルアルコ−
ル誘導体、メラミン誘導体、N−メチロ−ルイミド誘導
体、アセタ−ル誘導体、ビニルエ−テル誘導体などをあ
げることができる。また、生成したカオチンと反応する
残基としては、フェノ−ル、アルコ−ルなどを挙げるこ
とができ、これらの残基を有する高分子、たとえば、p
−ヒドロキシスチレンの重合体、ノボラック樹脂、ヒド
ロキシエチルメタクリレ−トの重合体、が好適に用いら
れる。縮合反応を起こす化合物を以下に例示する。
【0039】
【化15】
【0040】また、この縮合性残基とフェニ−ル残基を
合わせ持った高分子は、それ自体で酸触媒によって架橋
を起こすので、本発明に都合がよい。第4に、酸触媒に
よって重合する残基を持つ高分子が用いられる。カチオ
ン重合性残基として、エポキシ基、オキセタン残基、ビ
ニルエ−テル基、イソプロペニルフェニル基、環状オル
ソエステル等をあげることができる。第5に、カチオン
重合性モノマ−あるいはプレポリマ−からなる組成物も
用いられる。カチオン性モノマ−単位として、エポキシ
基、オキセタン基、ビニルエ−テル基、環状オルソエス
テルが用いられる。これらのモノマ−またはプレポリマ
−をビニル系重合体に混和して、自己支持性の膜状物と
することが好ましい。
【0041】ついで、本発明の感光性樹脂組成物の調整
方法を以下に述べる。酸反応性単位を持つ低分子物質を
含有する樹脂あるいはそれ自体が酸反応性である高分子
化合物に、それに対して0.5〜20重量%の光酸発生
剤、および、0.1〜20重量%の酸増殖剤を添加す
る。上記の光酸発生剤の多くは酸とともに、ラジカル種
を発生するので、酸反応性物質とともに、ラジカル重合
性モノマ−やプレポリマ−を混和することもできる。さ
らには、顔料、染料などを適宜添加してもよい。
【0042】均一に分散するために、それぞれを液状に
溶解することが好ましい。これらの組成物を膜状にして
から露光して潜像としての酸を発生させる。ついで、加
熱(ポストベ−ク)処理を行って酸増殖剤の連鎖的な分
解を促すとともに、酸触媒反応によって酸反応性物質の
構造変化を引き起こす。加熱処理の条件は、露光エネル
ギ−、用いる酸に活性な残基の種類、高分子の種類、な
どによって変動するが、加熱温度は60度から150度
の範囲、より好ましくは80度から130度の範囲であ
る。加熱時間は10秒から10分、より好ましくは30
秒から5分。これ以上加熱時間が短いと酸触媒反応が十
分には引き起こされないし、この範囲を越える時間では
酸増殖剤が副反応を引き起こす場合があるし、また、生
産性に欠ける。酸反応性物質を含む樹脂あるいはそれ自
体が酸反応性である樹脂の構造変化に伴う露光と加熱処
理前後における物性、たとえば、溶解性、硬度、膜厚、
粘性、気泡発生などの変化を利用する。更に本発明にお
いては光酸発生剤を含む樹脂層と、酸増殖剤を含む樹脂
層とに分割して2層構造とすることができる。次に実施
例をもって更に具体的に本発明を説明する。
【0043】
【実施例】まず本発明で使用しうる代表的な酸増殖剤の
合成例を参考例として示す。 参考例1 アセト酢酸tert−ブチルエステルをTHF中水素化
ナトリウムの存在下でヨウ化メチルと反応させて得た2
−メチル−3−ケトブタン酸tertブチルエステルに
水酸化カリウムの存在下でエタノ−ル中でホルマリンと
反応させた。収率40%で生成した2−ヒドロキシメチ
ル−2−メチル−3−ケトブタン酸tertブチルエス
テルをジクロロメタン中でトリエチルアミンの存在下で
p−トルエンスルホニルクロリドと反応させて、2−メ
チル−2−(p−トルエンスルホニルオキシ)−3−ケ
トブタン酸tertブチルエステルを油状物として得
た。生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ−で精
製した。 m.p.52〜53℃1 H−NMR(CDCl3) δ(ppm):1.38(s,3H,−COC(C
3)CO−),1.40(s,9H,−C(C
33),2.15(s,3H,CH3CO−),2.
47(s,3H,Ar−CH3),4.28(ABq,
J=10Hz,2H,−CH2-OSO2−),7.38
(d,J=7.7Hz,2H,Ar−H),7.77
(d,J=7.7Hz,2H,Ar−H) IR(cm~1):3000,1738(エステルの>C
=O),1719(>C=O) 元素分析C17246S calc. C:57.29% H:6.79% S:
9.00% found C:57.18% H:6.90% S:
8.84%
【0044】参考例2 実施例1と同様にして、p−トルエンスルホニルクロリ
ドの代わりにメタンスルホン酸クロリドを用いて、2−
メチル−2−メタンスルホニルオキシ−3−ケトブタン
酸tertブチルエステルを油状物として得た。1 H−NMR(CDCl3) δ(ppm):1.50(s,12H,−C(C
33),−COC(CH3)CO−),2.22
(s,3H,CH3CO−),3.05(s,3H,−
OSO2CH3),4.50(s,2H,−CH2−OS
2−)13 C−NMR(CDCl3) δ(ppm):17.2(CH3),27.2(C
3),27.5(CH3),36.9(CH3),5
9.9(>C<),71.1(>C<),83.1(C
2),168.3(C=O),202.7(C=O) IR(cm~1):2981,1738(エステルの>C
=O),1714(>C=O) 元素分析C11204S calc. C:47.13% H:7.19% S:
11.44% found C:47.33% H:7.45% S:
10.3% 参考例3 ジケテンを酢酸ナトリウムを触媒として2−フェニル−
2−プロパノ−ルと反応させてアセト酢酸2−フェニル
−2−プロピルエステルとした。これを実施例1と同様
にしてメチル化、メチロ−ル化を行い、得られたヒドロ
キシメチル誘導体をp−トルエンスルホニルクロリドと
反応させて、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニ
ルオキシ)−3−ケトブタン酸2−フェニル−2−プロ
ピルエステルを油状物として得た。1 H−NMR(CDCl3) δ(ppm):1.39(s,3H,−COC(C
3)CO−),1.75(s,3H,−O−C(C
32−),1.79(s,3H,−O−C(CH32
−),2.12(s,3H,CH3CO−),2.44
(s,3H,Ar−CH3),4.30(ABq,J=
14Hz,2H,−CH2−OSO2−),7.30
(s,5H,Ar−H),7.35(d,J=8.7H
z,2H,Ar−H),7.74(d,J=8.7H
z,2H,Ar−H) IR(cm~1):2983,1738(エステルの>C
=O),1716(>C=O) 元素分析C22266S calc. C:63.14% H:6.26% S:
7.66% found C:62.98% H:6.48% S:
6.76%
【0045】参考例4 実施例3で得たメチロ−ル化したアセト酢酸2−フェニ
ル−2−プロピルエステルをメタンスルホニルクロリド
と反応させて、2−メチル−2−メタンスルホニルオキ
シ−3−ケトブタン酸2−フェニル−2−プロピルエス
テルを油状物として得た。1 H−NMR(CDCl3) δ(ppm):1.49(s,3H,−COC(C
3)CO−),1.75(s,3H,−O−C(C
32−),1.80(s,3H,−O−C(CH32
−),2.20(s,3H,CH3CO−),2.90
(s,3H,−SO2CH3),4.48(dd,J=1
3Hz,2H,−CH2−O−),7.30(s,5
H,Ar−H) IR:2985,1738(エステルの>C=O),1
714(>C=O) 参考例5 1−メチルヘキセンを酸化オスミウムの存在下で酸化し
てシス−1−メチル1,2−ジヒドロキシヘキサンを得
た。これをp−トルエンスルホニルクロリドとトリエチ
ルアミンの存在下で反応させて、収率82%でシス−1
−メチル−1−ヒドロキシ−2−(p−トルエンスルホ
ニルオキシ)ヘキサンを得た。 無色プリズム晶m.p.65−66℃ IR(KBr)3460,2935,1598,134
8,1176cm~11H−NMR(60MHz,CD
Cl3)δ=1.1(s,3H,−CCH3(OH)
−),1.9(s,1H,OH),1.1−2.0
(m,8H,−(C2 4−),2.5(s,3H,A
r−C 3),4.3(ABq,1H,−CH(OT
s)−,J=5,9Hz),7.4(d,2H,Ar−
H,J=8Hz),7.8(d,2H,Ar−H,J=
8Hz).
【0046】参考例6 2−メチル−3−ヒドロキシプロペンをトリフェニルホ
スフィンの存在下でtert−ブチルヒドロペルオキシ
ドで酸化して1,2−エポキシ−2−メチル−3−ヒド
ロキシプロパンを得た。これをトリエチルアミンの存在
下でp−トルエンスルホニルクロリドと反応させて、
1,2−エポキシ−2−メチル−3−(p−トルエンス
ルホニルオキシ)プロパンを得た。 無色油状物 IR(NaCl)1600,1364,1192,11
78cm~1 1 H−NMR(60MHz,CDCl3)δ=1.3
(s,3H,CH3),2.5(s,3H,Ar−C
3),2.9(s,2H,−CH2O−),7.4
(d,2H,Ar−H,J=8Hz),7.8(d,2
H,Ar−H,J=8Hz). 参考例7 ベンゾイル酢酸エチルエステルをエチレンクリコ−ルに
よってケタ−ル化してから、水素化リチウムアルミニウ
ムで還元して3−フェニル−3,3−エチレンジオキシ
プロパノ−ル−1とした。これにp−トルエンスルホニ
ルクロリドをトリエチルアミンの存在下で反応させて、
結晶性の1−(p−トルエンスルホニルオキシ)−3−
フェニル−3,3−エチレンジオキシプロパンを約70
%の収率で得た。 無色油状物m.p.48−50℃ IR(KBr)2892,1597,1354,117
8cm~11H−NMR(90MHz,CDCl3)δ=
2.27(t,2H,−C2 CH2OTs,J=8H
z),2.44(s,3H,Ar−CH 3 ),3.6−
4.1(m,4H,−OC2 2O−),4.15
(t,2H,−CH2 2OTs,J=8Hz),7.
2−7.5(m,7H,Ar−H),7.76(d,2
H,Ar−H,J=8Hz).
【0047】実施例1 ポリ(p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ス
チレン)の4重量%シクロヘキサン溶液を調製し、この
ポリマ−に対して5重量%(モノマ−単位に対して2モ
ル%)の光酸発生剤であるジフェニル(p−フェニルチ
オフェニル)スルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネ
−トを溶解した。この溶液に参考例1で得た酸増殖剤で
ある2−メチル−2−(p−トルエンスルホニルオキ
シ)−3−ケトブタン酸tertブチルエステルをこの
ポリマ−に対して10重量%(モノマ−単位に対して6
モル%)添加した。この溶液をシリコンウエハ−上にス
ピン塗布して0.5μmの膜厚を持つ薄膜とし、これを
100℃で1分間プレベ−ク処理を行った。比較のため
に、酸増殖剤を含まない高分子膜を同様にして調製し
た。これらの高分子膜を7分画し、それぞれを時間を変
えて紫外線照射してから、100℃でポストベ−ク処理
を行った。この高分子は酸によって分解して膜厚が減じ
るので、膜厚変化を測定して感光速度を評価した。2分
間のポストベ−クによって、酸増幅剤を添加した場合に
は17秒露光で高分子の酸分解は完結しているのに対し
て、酸増殖剤無添加の場合には、膜厚の減少は17秒の
露光では約25%程度であり、完全に溶解するためには
50秒の露光を要した。また、酸増殖剤を添加した場合
にはポストベ−クにおける膜厚の減少は急激に起こって
おり、増幅効果が明らかに認められた。マスクを通して
露光下後に、ポストベ−ク処理をすることによって、画
像形成が確認された。
【0048】実施例2 実施例1において光酸発生剤として使用したジフェニル
(p−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフル
オロアンチモネ−トの代わりに、6重量%の2,3−ジ
フェニル−3−ケト−2−ヒドロキシ−1−(p−トル
エンスルホニルオキシ)プロパンを光酸発生剤として添
加し、参考例1で得た2−メチル−2−(p−トルエン
スルホニルオキシ)−3−ケトブタン酸tertブチル
エステルの添加効果を調べた。実施例1と同様にしてシ
リコンウエハ上に薄膜をスピン塗布したのち、紫外線露
光してから3分間100℃でポストベ−クを行った。酸
増殖剤を含有する膜厚の減少は60秒の露光で急激に完
結したが、酸増殖剤無添加の場合には、膜厚は同じ露光
時間では約15%しか減少しておらず、膜厚減少が完結
するためには180秒の露光時間を要した。 実施例3 実施例1で用いたポリマ−のシクロヘキサン溶液に、ポ
リマ−に対して3.4重量%のトリフェニルスルホニウ
ム・トリフレ−トと1重量%の酸増殖剤である2−メチ
ル−2−(p−トルエンスルホニルオキシ)−3−ケト
ブタン酸tertブチルエステルとを加えて薄膜を調製
した。紫外線を露光したのち3分間100℃でポストベ
−クを行ったところ、膜厚の減少は55秒の露光で完結
していた。酸増殖剤を無添加の場合には、同じ露光時間
では約15%の膜厚の減少にとどまっており、完結する
ためには150秒の露光時間を要した。
【0049】実施例4 実施例1で用いたポリマ−のシクロヘキサン溶液に、ポ
リマ−に対して10重量%のジフェニル(p−フェニル
チオフェニル)スルホニウム・ヘキサフルオロアンチモ
ネ−トと参考例5で得たシス−1−メチル−1−ヒドロ
キシ−2−(p−トルエンスルホニルオキシ)ヘキサン
を5重量%加え、シリコンウエハ上にスピン塗布して
0.5μmの薄膜とした。紫外線を露光後100℃で2
分間ポストベ−クを行った後エタノ−ルで現像し、残膜
を測定した。酸増殖剤を添加した場合には10秒の露光
時間ですべての膜が溶解したが、無添加では70秒以上
の露光時間が必要であった。 実施例5 実施例4において使用したシス−1−メチル−1−ヒド
ロキシ−2−(p−トルエンスルホニルオキシ)ヘキサ
ンの代わりに参考例6で合成した1,2−エポキシ−2
−メチル−3−ヒドロキシプロパンを添加した。同様に
して紫外線照射、ポストベ−ク処理、エタノ−ル現像を
行ったところ、酸増殖剤を添加することによってすべて
の膜を溶解するために必要な露光時間を4分の1に短縮
することができた。
【0050】実施例6 メタクリル酸メチルとメタクリル酸2−フェニル−2−
プロピルエステルとの2:1共重合体(Mw=4.01
×104、Mw/Mn=1.74)に、10重量%のジ
フェニル(p−フェニルチオフェニル)スルホニウム・
ヘキサフルオロアンチモネ−トと参考例5で得たシス−
1−メチル−1−ヒドロキシ−2−(p−トルエンスル
ホニルオキシ)ヘキサンを5重量%加え、シリコンウエ
ハ上にスピン塗布して0.23μmの薄膜とした。これ
に紫外線を照射した後、100℃で2分間ポストベ−ク
処理を行い、エタノ−ルで現像して残膜率を測定した。
酸増殖剤を添加することによって、残膜ゼロとなるに要
する露光時間を4分の1に短縮することができた。 実施例7 実施例6において使用したシス−1−メチル−1−ヒド
ロキシ−2−(p−トルエンスルホニルオキシ)ヘキサ
ンの代わりに参考例7で合成した1−(p−トルエンス
ルホニルオキシ)−3−フェニル−3,3−エチレンジ
オキシプロパンを用いて同様な露光、ポストベ−ク、エ
タノ−ル現像を行った。この酸増殖剤を添加することに
よって、すべての膜を可溶化するための露光時間を約3
分の1に短縮することができた。
【0051】実施例8 実施例1で用いたポリマ−のシクロヘキサノン溶液に、
光酸発生剤であるジフェニル(p−フェニルチオフェニ
ル)スルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネ−トと1
−(p−トルエンスルホニルオキシ)−3−フェニル−
3,3−エチレンジオキシプロパンとをそれぞれポリマ
−に対して10重量%添加して、3枚のシリコンウエハ
上にそれぞれスピン塗布して0.25μmの薄膜とし
た。これらの薄膜に直径3mmの円形窓を通して紫外線
を照射してから105℃、115℃、125℃で加熱処
理を行った。直ちに膜厚の減少に伴う変色が3mmの円
形として出現してから、その円形は時間とともに増大し
た。直径が12mmになるまでのポストベ−ク時間は、
105℃で7分、115℃で45秒、125℃では30
秒であった。これは光で発生した酸が高分子膜内で加熱
によって拡散し、それに伴って酸増殖剤の分解による酸
発生が次々と引き起こされているためである。酸増殖剤
を添加しない場合には、このような減少は起こらなかっ
た。
【0052】実施例9 p−トリメチルシリルオキシスチレンホモポリマ−
(5.35×104、Mw/Mn=1.69)の2−メ
トキシエチルアセテ−トの溶液に、光酸発生剤としての
2モル%の2,3−ジフェニル−3−ケト−2−ヒドロ
キシ−1−(p−トルヘンスルホニルオキシ)プロパン
と酸増殖剤としての15モル%の1−(p−トルエンス
ルホニルオキシ)−3−フェニル−3,3−エチレンジ
オキシプロパンを加えた。この溶液をシリコンウエハ上
に1000rpmでスピン塗布し、100℃で30秒プ
レベ−クした後、時間を変えて紫外線を照射して100
℃で30秒間ポストベ−クを施した。エタノ−ル中に1
0秒浸漬して現像したところ、高分子膜が完全に可溶化
する露光時間は、酸増殖剤無添加に比べて約3分の1に
短縮した。 実施例10 メタクリル酸メチルとメタクリル酸グリシジルとの1:
1共重合体(Mw=5.15×104、Mw/Mn=
2.04)のシクロヘキサン溶液に、このポリマ−に対
して3重量%のジフェニル(p−フェニルチオフェニ
ル)スルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネ−トと3
重量%の2−メチル−2−(p−トルエンスルホニルオ
キシ)−3−ケトブタン酸tertブチルエステルとを
加えてから、陽極酸化アルミ板の上にスピン塗布した。
これに紫外線を時間を変えて露光し、3分間100℃で
ポストベ−クしてからトルエンで板を洗浄した。酸増殖
剤を添加しない場合と比較したところ、共重合体の不溶
化に要する露光時間は5分の1に短縮した。
【0053】実施例11 実施例1で用いたポリマ−のシクロヘキサン溶液に、参
考例1で得た酸増殖剤である2−メチル−2−(p−ト
ルエンスルホニルオキシ)−3−ケトブタン酸tert
ブチルエステルをこのポリマ−に対して10重量%(モ
ノマ−単位に対して6モル%)添加した。この溶液をシ
リコンウエハ−上にスピン塗布して0.27μmの膜厚
を持つ薄膜とし、これを100℃で1分間プレベ−ク処
理を行った。比較のために、酸増殖剤を含まない高分子
膜を同様にして調製した。ノボラック樹脂の0.07重
量%イソプロピルアルコ−ル溶液に、樹脂に対して3.
5重量%のトリフェニルスルホニウム・トリフラ−トを
溶解させ、これを先に調製した高分子膜上にスピン塗布
した。100℃で1分間プリベ−クして、光酸発生剤を
含む膜と酸増殖剤を含む膜の2層からなるフィルムは全
体として0.62μmの厚さとなった。この2層膜に紫
外線を露光した後、100℃でポストベ−ク処理を行
い、40℃のエタノ−ル中で1分現像した。露光時間と
残膜率との関係を求めたところ、酸増殖剤を添加した2
層膜は、無添加の2層膜に比べて20倍高感度化してい
ることが認められた。
【0054】実施例12 実施例11において、光酸発生剤としてトリフェニルス
ルホニウム・トリフラ−トの代わりにトリフェニルスル
ホニウム・ヘキサフルオロアンチモネ−トを添加した2
層構造の膜について、実施例10とまったく同様な露光
を行ったところ、酸増殖剤の添加によって、18倍の高
感度化が認められた。 実施例13 実施例11で調製したトリフェニルスルホニウム・ヘキ
サフルオロアンチモネ−トを添加した2層構造の膜と、
公知の化学増幅型ホトレジストである実施例1のポリマ
−にトリフェニルスルホニウム・ヘキサフルオロアンチ
モネ−トを添加した膜との感度を比較した。その結果、
酸増殖剤を分離して含む2層構造型の膜は化学増幅レジ
ストに対して25倍の高感度を示した。
【0055】
【発明の効果】
(1)感光速度が大幅に向上されるので、高感度画像形
成材料に用いることができる。 (2)光照射と加熱処理を組み合わせることによって、
光硬化樹脂の架橋効率が大幅に向上するので、紫外線硬
化型塗料、インク、表面コ−ティング剤などに効果的に
用いることができる。顔料分散した光硬化剤からなる塗
膜では、光吸収が表面層でしか起こらないため硬化が不
十分あるいは内部ではまったく起こらないが、本発明に
よれば、光照射後の加熱処理によって硬化を完全にする
ことができる。 (3)酸の発生量は酸増殖剤によって大幅に増大される
から、光酸発生剤の使用量を低減することができる。そ
の結果、光は感光層内部まで十分に浸透することができ
るから、感光層の厚みを大幅に増大させることが可能と
なる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光の作用によって酸を発生する光酸発生剤
    と、該光酸発生剤より発生した酸により新たに酸を発生
    する酸増殖剤とからなる光反応性組成物。
  2. 【請求項2】酸の作用によって分子構造変化を生じる物
    質を混合した高分子物質、あるいは酸の作用によって分
    子構造変化を生じる残基を結合した高分子物質中に、光
    の作用によって酸を発生する光酸発生剤と、該酸の作用
    によって新たに酸を発生する酸増殖剤を存在せしめたこ
    とを特徴とする酸反応性高分子組成物。
  3. 【請求項3】酸の作用によって分子構造変化を生じる物
    質を混合した高分子物質、あるいは酸の作用によって分
    子構造変化を生じる残基を結合した高分子物質と光酸発
    生剤とからなる樹脂層に、前記光酸発生剤より発生した
    酸により新たに酸を発生する酸増殖剤と、新たに発生し
    た酸の作用によって分子構造変化を生じる物質を混合し
    た高分子物質、あるいは酸の作用によって分子構造変化
    を生じる残基を結合した高分子物質からなる前記の樹脂
    層とは異なる樹脂層を積層した2層構造を有する酸反応
    性樹脂層。
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