JPH08247982A - ガスセンサ及びガスフィルタ - Google Patents

ガスセンサ及びガスフィルタ

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JPH08247982A
JPH08247982A JP5389095A JP5389095A JPH08247982A JP H08247982 A JPH08247982 A JP H08247982A JP 5389095 A JP5389095 A JP 5389095A JP 5389095 A JP5389095 A JP 5389095A JP H08247982 A JPH08247982 A JP H08247982A
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gas
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弘和 三橋
Takeshi Sato
武司 佐藤
Eiji Teruyoshi
栄治 輝吉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 前記有機シリコーンガスによってもガス検知
特性の変化しにくいガスセンサ、および、前記有機シリ
コーンガスを検出ガスから効率よく吸着除去できるガス
フィルタを提供すること。 【構成】 ガス検出素子を設け、検出ガスを外部空間か
らガス検出素子へ導くガス誘導路を設け、一対の耐熱性
繊維からなる通気性多孔質シート1,1間に、ケイ酸成
分粒子又はアルミノケイ酸成分粒子の少なくともいずれ
か一方2を介在させてなるガスフィルタCを、前記ガス
誘導路に設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスセンサ及びガスフ
ィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のガスセンサとしては、ガ
ス検出素子の外表面にシリカを担持させて、フィルタ層
を形成してあるものが知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、建築材料として
シリコーンパテ、シリコーンゴム、シリコーンオイル等
種々のシリコーン材料を多用されるようになってきてい
る。このようなシリコーン材料には低重合度で比較的揮
発性の高い有機シリコーンが含有されており、有機シリ
コーンガスが、ガスセンサに悪影響を与えるという問題
点が指摘されている。つまり、ガス検出素子のガス検知
感度が低下したり、選択的に検出すべきガス以外のガス
に対してガス検知感度が上昇して、誤作動したりしやす
くなることがあった。これは、検出ガス中に含まれる有
機シリコーンガスが、ガス検出素子にまで達して、前記
ガス検出素子に前記有機シリコーン又はその分解物等の
シリコーン成分が付着しやすく、前記ガス検出素子のガ
ス検知特性を変化させてしまうのものと考えられる。
【0004】具体的には、例えば、酸化スズ半導体式の
メタン用のガス検出素子の場合、前記ガス検出素子に前
記シリコーン成分が付着すると、アルコールに対する感
度が高くなり、アルコールに対するメタン選択性が低下
するという問題が生じる。また、接触燃焼式の炭化水素
ガス用のガス検出素子の場合、前記ガス検出素子に前記
シリコーン成分が付着すると、炭化水素ガス自体の検出
感度が低下して前記炭化水素を検出できなくなるという
問題が生じる。
【0005】そこで、前記ガス検出素子の外表面にシリ
カを担持させて、フィルタ層を形成してあれば、有機シ
リコーンガスが前記フィルタ層に付着してガス検出素子
の内部にまで達するのを防ぐことができるものの、前記
シリコーン成分が前記フィルタ層に付着することで前記
ガス検出素子の感度や、ガス選択特性等が変化して、や
はり、前記ガス検出素子のガス検知特性の変化を抑制す
ることはできない。また、前記ガス検出素子のガス検知
特性のばらつきを抑え、効率よく有機シリコーンガスを
吸着させるためには、いずれのためにも、前記フィルタ
層は均一な厚みに形成されている必要がある。ところ
が、前記フィルタ層を均一な厚みに成形する事が困難で
あり、前記フィルタ層を均一な厚みに形成するには、前
記フィルタ層を厚く成形せねばならず、前記フィルタ層
を厚く成形すると前記ガス検出素子のガス検出感度や応
答性が低下したり、前記ガス検出素子の発熱によって前
記フィルタ層にひびが入ったりして破損する虞れが生じ
るなどの不都合が生じていた。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記実情に鑑
み、前記有機シリコーンガスによってもガス検知特性の
変化しにくいガスセンサ、および、検出ガスを吸着する
ことなく、前記検出ガスに混入する有機シリコーンガス
を効率よく吸着除去できるガスフィルタを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガスフィルタ
にケイ酸成分粒子又はアルミノケイ酸成分粒子との少な
くともいずれか一方を介在させてあれば、効率よく前記
有機シリコーンガスを吸着除去することが出来るという
知見に基づいて成されたものであって、前記目的を達成
するための本発明のガスセンサの特徴構成は、ガス検出
素子を設け、検出ガスを外部空間からガス検出素子へ導
くガス誘導路を設け、一対の通気性多孔体間に、ケイ酸
成分粒子はアルミノケイ酸成分粒子の少なくともいずれ
か一方を保持させてなるガスフィルタを、前記ガス誘導
路に設けてあることにあり、また、ガスフィルタの特徴
構成は、耐熱性繊維からなる一対の通気性多孔質シート
の間にケイ酸成分粒子又はアルミノケイ酸成分粒子の少
なくともいずれか一方を介在させた状態で、前記一対の
無機多孔質シートどうしをシリカゾル又はアルミナゾル
の少なくともいずれか一方を用いて一体接着成形してな
ることにある。
【0008】
【作用】つまり、検出ガスを外部空間からガス検出素子
へ導くガス誘導路に、前記外部空間から前記ガス検出素
子を隔離するガスフィルタを設けたから、前記検出ガス
は、前記ガスフィルタを通過して前記ガス検出素子に達
する。このとき、前記ガスフィルタには、有機シリコー
ンガス吸着用のケイ酸成分粒子又はアルミノケイ酸成分
粒子(以下、有機シリコーンガス吸着用粒子と称する)
を保持させてあるから、前記検出ガス中に有機シリコー
ンガスが含まれていたとしても、前記検出ガスには、前
記ガスフィルタに吸着されるなどの不都合をきたすこと
なく、前記有機シリコーンガスが、前記ガスフィルタに
吸着されて、前記検出ガス中から除去され、前記有機シ
リコーンガスはガス検出素子に達しにくい。そのため、
前記ガス検出素子にシリコーン成分が付着してガス検知
特性を変化させてしまうという不都合を抑制することが
出来る。また、前記ガスフィルタとしては、一対の通気
性多孔質シート間にガス吸着用粒子を介在させてなるも
のであれば、前記有機シリコーンガス吸着用粒子を高密
度に保持された状態に、かつ表面積の大きい状態に保持
出来、しかも、検知ガスの通気性を高く維持できるので
前記ガス吸着用粒子のガス吸着性能を高くできる。
【0009】さらに、前記ガスフィルタを、耐熱性繊維
からなる多孔質シートから形成してあれば、一般に作動
状態では高温になりがちなガス検出素子と前記フィルタ
とが近接して設けてあったとしても、熱によって劣化し
て前記ガス吸着用粒子を保持できなくなるような不都合
も生じにくいので、通気性、耐熱耐久性を共に備えたも
のとなって好ましい。さらに、前記耐熱性繊維どうしを
シリカゲル又はアルミナゾルの少なくともいずれか一方
を用いて一体接着形成すれば、バインダの役目を担うシ
リカゾル又はアルミノゾルも有機シリコーンガスを吸着
する機能を有し、かつ、検出ガスに悪影響を与えにく
い。
【0010】
【0011】
【発明の効果】従って、検出ガス中に有機シリコーンガ
スが含まれていたとしても、前記フィルターにより、確
実に有機シリコーンを吸着除去する為に、また、前記有
機シリコーン又はその分解物質等のシリコン成分が前記
ガス検出素子に付着しにくいから前記ガス検出素子はガ
ス検知特性を変化することなく、長期にわたって安定
で、信頼性高い状態で用いることが出来るようになっ
た。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2に示すように、ガスセンサは、ガス検出素子
Aを設け、検出ガスを外部空間Bからガス検出素子Aへ
導くガス誘導路を設け、前記外部空間Bから前記ガス検
出素子Aを隔離するガスフィルタCを、前記ガス誘導路
を形成する通気口D1に設け、前記ガスフィルタCにシ
リカアルミナ微粒子2(13%アルミナ)を保持させて
ある。前記ガス検出素子Aは貴金属コイルに金属酸化物
半導体を塗布焼結した、いわゆる熱線型半導体センサで
あり、円筒形状のハウジングDの内部に備えて構成して
ある。また、前記ハウシングDの頂部部位において、外
部空間BとハウジングDの内部との間でガスが流通可能
なガス誘導路を形成する通気口D1を設けててある。そ
して、このハウジングDに対して下部よりガス検出素子
Aを備えたセンサ基台D2を挿入することによりガスセ
ンサが組立てられる。ここで、ハウジングD自体は気密
性の材料で構成されており、通気口D1には、全面に渡
ってガスフィルタCと防爆用金網D3とを設けてあり、
前記ガスフィルタCを介して外部空間Bと前記ハウジン
グ内のガス検出素子Aの近傍とに渡ってガスが流通す
る。
【0013】さらに、このガスセンサを好適に採用し,
台所等の壁面に図面と上下方向と一致させて配置される
ガス警報器Xの構成について説明する。図3に示すよう
に、ガス警報器Xの警報器ボックスX1は、方形の箱型
に形成されており、内部が、ガスセンサが配設されるセ
ンサ室X2と発声器、トランス、電源制御機器等の機器
Xxが配設される機器室X3とに、隔壁X4によって仕
切られている。そして、前記センサ室X2において前記
警報器ボックスX1に、多数の通気孔X5を設けてあ
り。前記通気口D1を、前記警報器ボックスX1正面に
設けた通気孔X5に向けて配置される。
【0014】前記ガスフィルタCは、図1に示すよう
に、一対のガラス繊維不織布1の間にシリカアルミナ微
粒子(13%アルミナ)を分散介在させた状態で、前記
ガラス繊維不織布1同士をシリカゾルバインダを用い
て、振動を与えても前記シリカ・アルミナ微粒子が自由
に流動しない程度に、約0.1g/cm2 の割合で含浸
接着して形成してある。
【0015】〔試験例1〕白金コイル上に酸化スズ半導
体を塗布焼結したメタンガス検出用の熱線型半導体式ガ
ス検出素子を前記ハウジング内に配置した状態で、シリ
コーンパテ−TSシール((株)スリーボンド社製)1
gとともに、500ミリリットルの密閉容器内に収容し
た状態で一定時間放置した後、前記メタンガス検出用の
熱線型半導体センサのエタノールガス感度がどの様に変
化したかを調べた。このとき、前記ハウジングの通気口
に前記ガスフィルタを用いなかったもの(三角印)、前
記ガスフィルタを1枚用い、前記通気口を覆ったもの
(四角印)、前記ガスフィルタを2枚用い、前記通気口
を2重に覆ったもの(丸印)の3種類について比較し
た。その結果、図4のようになった。尚、エタノールガ
ス感度は、前記試験を行う以前の同一のメタン検出用熱
線型半導体センサのセンサ出力との比をもって調べた。
【0016】図4より、前記メタンガス検出用の熱線型
半導体式センサは、本来、エタノールガスとメタンガス
とが混在したとしても、メタンガスを前記エタノールガ
スから区別して選択的に検知するガス選択性を有すべき
ところが、密閉容器内の前記シリコーンパテから発生し
たシリコーンに接触すると、エタノールガス感度が増大
して前記ガス選択性が低下しメタンガス検知が次第に困
難になることがわかる(三角印)。ところが、前記ガス
フィルタを用いたものでは、エタノールガス感度は、シ
リコーンガスとの長時間の接触にもかかわらず、前記ガ
ス選択性は低下しにくくなっていることがわかる。ま
た、前記ガスフィルタを2枚用いたものでは、前記ガス
選択性は、ほぼ一定に保たれていることがわかり、前記
シリコーンガスは、前記ガスフィルタによって吸着除去
されたためであると考えられる。
【0017】〔試験例2〕白金コイル上にアルミナ担体
を焼結し、燃焼触媒を担持した接触燃焼式ガスセンサか
らなるメタンガス検出用の接触燃焼式ガス検出素子を前
記ハウジング内に配置した状態で、シリコーンパテ−T
Sシール((株)スリーボンド社製)1gとともに、5
00ミリリットルの密閉容器内に収容した状態で一定時
間放置した後、前記メタンガス検出用接触燃焼式ガスセ
ンサのメタンガス感度がどの様に変化したかを調べた。
このとき、前記ハウジングの通気口に前記ガスフィルタ
を用いなかったもの(三角印)、前記ガスフィルタを1
枚用い、前記通気口を覆ったもの(四角印)、前記ガス
フィルタを2枚用い、前記通気口を2重に覆ったもの
(丸印)の3種類について比較した。その結果、図5の
ようになった。尚、メタンガス感度は、前記試験を行う
以前の同一のメタンガス検出用接触燃焼式ガスセンサの
センサ出力との比をもって調べた。
【0018】図5より、本来、メタンガスに対する出力
は経時的に一定値を保つことが望ましいものの、前記メ
タンガス検出用接触燃焼式ガスセンサが、密閉容器内の
前記シリコーンパテから発生したシリコーンガスに接触
すると、メタンガス感度が低下して、メタンガスの検出
自体が次第に困難になることがわかる(三角印)。とこ
ろが、前記ガスフィルタを用いたものでは、メタンガス
感度は、シリコーンガスとの長時間の接触にもかかわら
ず、前記ガス感度は低下しにくくなっていることがわか
る。また、前記ガスフィルタを2枚用いたものでは、前
記メタンガス感度は、ほぼ一定に保たれていることがわ
かり、前記シリコーンガスは、前記ガスフィルタによっ
て除去されていると考えられる。
【0019】以下に別実施例を説明する。ガス検知器に
用いるガス検出素子は、焼結型、厚膜型、薄膜型の半導
体式、又は、熱線型半導体式であってもよく、表面に触
媒を担持してなる接触燃焼式等の他の型のものであって
もよく、検出すべきガスとしては、メタンガス以外に、
プロパンガス、ブタンガス等の可燃性ガスや一酸化炭
素、水素等のものであってもよい。また、ガスフィルタ
の材質についても、耐熱性の通気性多孔質シート1間に
シリコーンガスを吸着する性能の高いシリカとシリカア
ルミナの少なくともいずれか一方を保持させてあるもの
が好ましいが、これに限るものではなく、耐熱樹脂製の
多孔質シートを用いても良い。
【0020】尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスフィルタの全体斜視図
【図2】ガスセンサの分解斜視図
【図3】ガス警報器の分解斜視図
【図4】試験例1の結果を示すグラフ
【図5】試験例2の結果を示すグラフ
【符号の説明】
1 通気性多孔体 2 ケイ酸成分粒子又はとアルミノケイ酸成分粒子の
少なくともいずれか一方 A ガス検出素子 B 外部空間 C ガスフィルタ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス検出素子(A)を設け、検出ガスを
    外部空間(B)からガス検出素子(A)へ導くガス誘導
    路を設け、一対の通気性多孔体(1),(1)間に、ケイ
    酸成分粒子又はアルミノケイ酸成分粒子の少なくともい
    ずれか一方(2)を介在させてなるガスフィルタ(C)
    を、前記ガス誘導路に設けてあるガスセンサ。
  2. 【請求項2】 耐熱性繊維からなる一対の多孔質シート
    間にケイ酸成分粒子又はアルミノケイ酸成分粒子の少な
    くともいずれか一方(2)を介在させた状態で、前記一
    対の通気性多孔質シートどうしをシリカゾルまたはアル
    ミナゾルの少なくともいずれか一方を用いて一体接着成
    形してなるガスフィルタ。
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