JP2008241501A - ガスセンサ - Google Patents

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隼人 勝田
Yuichi Kamiyama
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Abstract

【課題】被測定ガスである酸化性ガスのNOを吸着することなく、有機シリコーンガスを選択的に吸着させることができるようにして、センサの感度や応答特性の低下を防止し、センサ性能の長期安定を図る。
【解決手段】 ケース20の内部に、酸化性ガスに感応するガスセンサ素子50を収容し、ケース20には同ガスが同センサ素子50に接触可能のガス導入口23がある。同ガスを同センサ素子50に接触させてその濃度を検出する構成のガスセンサ1で、被測定ガスが、ガス吸着フィルタ71を通過して同センサ素子50に接触する構成のガスセンサで、ガス吸着フィルタ71に、挟雑ガス吸着剤として、TiO粉末を含ませてなるものを用いた。TiO粉末を含ませてなるガス吸着フィルタ71は、NOを吸着することなく、有機シリコーンガスを選択的に吸着、除去するから、酸化性ガスの検知感度がよくなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、環境気体中の特定ガス(被測定ガス)の濃度を検知するガスセンサ素子を有するガスセンサに関する。例えば、ディーゼル排(排気)ガスに多く含まれるNO(二酸化窒素)等の酸化性ガスの検知に好適なガスセンサ(以下、単にセンサともいう)に関する。
従来、環境気体中の特定ガス成分の濃度を検出するガスセンサとして、特定のガスに感応(反応)するガス感応膜を有するガスセンサ素子(感ガス素子)を備えたガスセンサがある。このガスセンサにおいては、検知対象としている被測定ガス以外のガス(挟雑ガス)が、ガスセンサ素子のガス感応膜に付着すると、それが原因で、検知対象のガスの濃度の検知精度(感度ないし応答性能)の低下や誤検知が発生し、或いはガスセンサ素子の性能を劣化させることがある。このガスセンサ素子の精度低下の原因となる挟雑ガスには、有機シリコーンガス或いはその成分(以下、単にシリコーンともいう)があることが知られている。そこで、こうした問題を回避するため、このようなガスセンサにおいては、検知対象の被測定ガスが、ガスセンサ素子に至るガス流路の途中に、そのガス流路を閉塞する形で、活性炭、ケイ酸成分粒子又はアルミノケイ酸成分粒子を含ませ或いは保持させてなる挟雑ガスの吸着フィルタを設けることが行われている(特許文献1、2)。
一方、このような特許文献に記載のガスセンサは、還元性ガスの濃度測定を対象としているものであり、NO等の酸化性ガスの濃度測定を対象としているものではない。このうち、特許文献1に記載のガスセンサにおいては、還元性ガス(CO,HC,H)を被測定ガスとする場合には、そのようなガス吸着フィルタで、それに含まれるシリコーンを吸着できるのであるが、酸化性ガスを被測定ガスとする場合や、還元性ガスと共に酸化性ガスを被測定ガスとするガスセンサにおいては、次のような問題があった。
実開昭63−181859公報 特開2002−310970公報
というのは、ガス吸着フィルタに活性炭が使用されているガスセンサを用いて酸化性ガスの濃度の検知を行おうとすると、そのガス吸着フィルタ(活性炭)に、有機シリコーンガスだけでなく、検知対象をなす酸化性ガス(NO)も吸着されてしまうといった問題があった。図7は、ガスセンサにおいてガス吸着フィルタに活性炭フィルタを用いた場合と、フィルタ無しの(フィルタ自体を設けない)場合とで、そのガスセンサ素子におけるNOの感度を示す。なお、感度は、環境気体中に被測定ガス(NO)が存在しない状態下でのガスセンサ素子の抵抗値を初期値Rairとし、環境気体中に所定濃度の被測定ガス(NO)を加えたときのガスセンサ素子の抵抗値を検出値Rgasとしたときの比によって表される。同図に示されるように、活性炭フィルタを用いた場合にはその感度の極端な低下があることから、同フィルタを用いる場合にはNOも吸着されてしまっていることが分かる。すなわち、ガス吸着フィルタに活性炭が用いられている場合には、それに酸化性ガス(NO)が吸着されてしまうことから、酸化性ガスの濃度の検知はできない。一方、ガス吸着フィルタに活性炭を含まず、物理的な吸着のみによる不織布フィルタを使用した場合には、NO吸着の問題はないが、シリコーンガスの吸着、除去性能は極めて低い。
すなわち、従来、NOなどの酸化性ガスを吸着することなく、シリコーンガスを安定して効率良く吸着、除去できる、ガス吸着フィルタを備えたガスセンサは知られていない。したがって、従来のガスセンサのうち、酸化性ガスを検知対象とするものにおいては、その付着による検知精度や寿命の低下等の問題は避けられなかった。また、このことは還元性ガスと共に酸化性ガス(NO)の双方を被測定ガスとするような、例えば自動車の換気ダンパーの開閉制御に使用される2つのガスセンサ素子を備えたセンサにおいても同様の問題がある。こうした中で、本願発明者は各種の試験をしたところ、ガス吸着フィルタに、TiO(チタニア)粉末を含ませることで、被測定ガスであるNOなどの酸化性ガスを吸着することなく、有機シリコーンガスを安定して効率良く吸着できる、ということを知った。
本発明は、こうした知見に基づいてなされたもので、その目的は、環境気体中に含まれる被測定ガスであるNOなどの酸化性ガスを吸着することなく、挟雑ガスを選択的に吸着させることができるガス吸着フィルタを設けることで、センサの感度や応答特性の低下を防止すると共に、センサ性能の長期安定が図られるガスセンサを提供することをその目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ケースの内部に、環境気体中の被測定ガスである酸化性ガスに感応するガスセンサ素子が収容され、該ケースには環境気体を前記ガスセンサ素子に導くガス導入口が形成され、環境気体を前記ガスセンサ素子に接触させることで被測定ガスの濃度を検出するように構成され、前記環境気体が、挟雑ガスのガス吸着フィルタを通過して前記ガスセンサ素子に接触する構成とされてなるガスセンサにおいて、
前記ガス吸着フィルタに、挟雑ガス吸着剤として、TiO粉末を含ませてなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、ケースの内部に、環境気体中の被測定ガスである酸化性ガスに感応するガスセンサ素子、及び環境気体中の被測定ガスである還元性ガスに感応するガスセンサ素子が収容され、該ケースには環境気体を前記各ガスセンサ素子に導くガス導入口が形成され、被測定ガスをそれぞれ感応する前記各ガスセンサ素子に接触させることで各被測定ガスの濃度を検出するように構成され、前記環境気体が、挟雑ガスのガス吸着フィルタを通過して前記各ガスセンサ素子に接触する構成とされてなるガスセンサにおいて、
前記ガス吸着フィルタに、挟雑ガス吸着剤として、TiO粉末を含ませてなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記環境気体が、撥水性フィルタを通過してから前記ガス吸着フィルタを通過して前記ガスセンサ素子に接触するように、撥水性フィルタが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサである。
なお、前記いずれの本発明においても、ガス吸着フィルタは、被測定ガスがこのガス吸着フィルタを通過してガスセンサ素子に接触する(至る)ように設けられていればよい。したがって、ガス導入口とガスセンサ素子との間に、筒部やカバーなどからなるガス流路(ガス通気路ないしガス誘導路)が設けられている場合には、前記ガス吸着フィルタは、そのガス流路の途中のいずれかにおいて、そのガス流路を遮断(閉塞)する形で設けられていればよい。そして、該ガス吸着フィルタは、ガスセンサ素子から離間して設けられていてもよいし、ガスセンサ素子に接して設けられてもよい。
請求項1に記載の本発明においては、ガス吸着フィルタに、挟雑ガス吸着剤として、TiO粉末(チタニア粉末粒子)を含ませたため、被測定ガスに含まれる有機シリコーンガスに代表される挟雑ガスは、そのガス吸着フィルタにて吸着されるが、酸化性ガスは吸着されることはなく、当該フィルタを通過(拡散)する。したがって、酸化性ガスの濃度の検出自体を妨げることなく、しかも、挟雑ガスがガスセンサ素子に付着することが防止ないし抑制されるため、同素子はその感度ないし応答特性の劣化の防止が図られる。かくして、本発明のセンサによれば、測定精度の維持と共にガスセンサの長寿命化が図られる。
図4は、本発明のガスセンサにおいて、挟雑ガス吸着剤として、TiO粉末を含ませてなるガス吸着フィルタを用いた場合(TiO含浸フィルタ)と、フィルタ無しの(フィルタ自体を設けない)場合とで、NOの感度を比較したものである。詳しくは、後述するが、同図に示されるように、TiO粉末を含ませてなるガス吸着フィルタを用いた場合には、フィルタ無しの場合と同等以上のNO感度を示している。これは、本発明のガス吸着フィルタにおいては、NOが吸着されずにガスセンサ素子に到達していることを意味する。そして、図5に示したように、TiO粉末を含ませてなるガス吸着フィルタ(TiO含浸フィルタ)を用いた本発明のガスセンサにおいては、詳しくは、後述するが、経時的に見てもNO感度の低下が極めて小さいことがわかる。これは、本発明のガス吸着フィルタによれば、挟雑ガスが安定して効率よく吸着、除去されることを実証すると共に、そのガスセンサの長寿命化が図られることをも意味するものである。
本発明のガス吸着フィルタを構成するフィルタ本体は、アクリル等の樹脂の繊維からなる不織布が例示されるが、これに限定されるものではない。また、TiO粉末は、不織布の内部に含まれている場合に限らず、その表面(又は表裏両面)に含まれているものでもよい。なお、TiO粉末の平均粒径は、5〜200nmの範囲のものが適切であり、これらは不織布などのフィルタ本体を構成する繊維相互間に混在して、容易に分離することなく安定して含まれるように、例えば、水に混合撹拌した後で、その混合水中にフィルタ本体を浸漬して引き上げ、その後乾燥することで形成できる。
なお、挟雑ガス吸着剤として、TiO粉末を含ませてなるガス吸着フィルタは、還元性ガスを吸着することなく、それに含まれる有機シリコーンガスを吸着、除去する性能をもつ。したがって、請求項2に記載のような酸化性ガスに感応するガスセンサ素子と、還元性ガスに感応するガスセンサ素子とを備えるセンサにおいても、有機シリコーンガスといった挟雑ガスが両ガスセンサ素子に付着することを防止ないし抑制できるため、そのようなセンサにおいても、測定精度の維持と共に長寿命化が図られる。このことから、請求項2に記載のガスセンサは、自動車の内外気(内気循環又は外気取入れ)の自動切替えシステムにおける換気ダンパーの制御に使用されるようなセンサとして好適である。また、請求項3に記載のように、撥水性フィルタを設けることで、ケース内の防水や砂粒等の異物侵入防止の効果が発揮され、測定精度の維持と共にガスセンサのさらなる長寿命化が図られる。
以下、本発明のガスセンサを実施するための最良の形態について、図1〜図3に基づいて詳細に説明する。なお、図1は、ガスセンサの断面図であり、図2はその要部拡大図、図3は図2の一部破断平面図である。
図1中、1は本形態のガスセンサであり、ケース(ハウジング)20内に配置された制御回路(図示せず)搭載の配線基板30、そして、この配線基板30上において、センサ支持体(パッケージ)40内に搭載されたガスセンサ素子50等からなり、以下に詳述するように構成されている。すなわち、ガスセンサ素子50等を収容してなるケース20は、合成樹脂製で本形態では概略直方体の箱形状を呈しており、そのケース20の図示上面をなす天板21のうち、ガスセンサ素子50に対応する部位は、平面視、丸形(円形)窓状に開口されたガス導入口(通気口)23が設けられている。このガス導入口23はケース20の外部の検知対象の被測定ガスを含む環境気体をケース20内に導入するための部位(開口)であるが、本形態では、このガス導入口23をケース20の内側において閉塞する形で、円形板状をなす撥水性フィルタ(膜)61がそのガス導入口23の周縁であってケース20の内側において溶着されている。ただし、このガス導入口23はケース20の内面22側において段付き状に一回り大きく形成された拡径部24を凹状に備えており、撥水性フィルタ(膜)61はこの拡径部24内に収容される形で、その外周縁寄り部位を拡径部24の環状(円形)棚面25に押付ける形で設けられている。また、この状態で撥水性フィルタ(膜)61はケース20の内面22から突出しないようにされている。なお、撥水性フィルタ61は、ガス導入ロ23から環境気体をケース20内部に導入する一方、水や異物がケース20内部に侵入するのを防止するためのものである。
一方、本形態では、ガスセンサ素子50は、センサ支持体40の内部に収容されている。詳しくは後述するが、このガスセンサ素子50は、酸化性ガス(NOx)の濃度変化に応じて抵抗値が変化する感ガス膜51を有するものである。そして、このガスセンサ素子50は、平面視において、ガス導入ロ23及び撥水性フィルタ61に対応するように配置されている。
そして、この撥水性フィルタ61のうち、ケース20の内部を向く面63には、その面63に当接(接する)状態で、本発明の要旨とするところの円形板状のガス吸着フィルタ71が配置して取付けられており、このガス吸着フィルタ71がガスセンサ素子50を覆うように配置されている。なお、このガス吸着フィルタ71は、平面視、ケース20の内面22においてガス導入口23及び撥水性フィルタ61を確実に閉塞(カバー)するように、その周縁面73を、ガス導入口23の周縁におけるケース21の内面22に重ねるように配置されており、図示しない押え付け部材などを介して取付けられている。しかして、ガスセンサ1の外部の被測定ガスを含む環境気体は、ガス導入口23から、撥水性フィルタ61を通過し、続いて、ガス吸着フィルタ71を通過してから、ガスセンサ素子50に接触するように構成されている。
本形態では、このガス吸着フィルタ71は、一定厚さ(例えば0.5〜3.0mm)をなすように、アクリル製の不織布(酸化アクリル製繊維から成る不織布)からなるもの(気孔径10μm以下)であり、その内部にはTiOの微粉末粒子が、全体に分散される形で適量含浸されている。なお、このようなガス吸着フィルタ71は、TiOの微粉末(例えば、平均粒径が20nm)を水(純水)に投入し、十分、混合撹拌した後、その混合水内に不織布の状態で所定時間漬け込んでから引き上げ、その後、自然乾燥又は熱乾燥(100℃で30分間乾燥)して形成される。
なお、本形態のガスセンサ1を構成するガスセンサ素子50は、酸化性ガスに感応する感ガス膜51を有するものである。そして、このガスセンサ素子50は、図2示すように、貫通孔54を有するSi基板56と、この貫通孔54の一端側の開口(図3中、上側の開口)を塞ぐようにSi基板56上に形成された薄膜状の支持膜57とを有するダイアフラムの表面に、酸化スズ(SnO)からなる感ガス膜51を形成した構成をなしている。なお、この感ガス膜51の表面には、触媒としてAu粒子が分散して形成されており、被測定ガス(酸化性ガス)の濃度変化に応じて感ガス膜51の抵抗値が変化する性質を有するものとされている。また、ガスセンサ素子50には、感ガス膜51と電気的に接続される一対の検知電極(図示しない)や、感ガス膜51を活性化させるためのヒータ(図示しないが、支持膜57内に配設される)などが設けられている。そして、このようなガスセンサ素子50の外部には、検知電極やヒー夕と電気的に接続され、次述するセンサ支持体40との電気的な接続に利用される複数の端子パッド(図示しない)などが形成されている。
センサ支持体40は、直方体(容器)形状をなし、表面42側(図1、図2中、上方の面側)に開口するキヤビテイ(凹部)43を備えている(図2参照)。このセンサ支持体40は、複数のセラミック層が積層されてなるもので、その内部(キャビティ43)や外部には、配線や端子パッド(図示しない)が複数形成されている。上記ガスセンサ素子50は、このセンサ支持体40のキャビティ43内に収容され、ガスセンサ素子50の端子パッドとセンサ支持体40の端子パッドとが、図示はしないが、ボンデイングワイヤにより電気的に接続されている。なお、このキャビティ43の上(センサ支持体40の表面42上)には、キャビティ43の外部と内部の間を連通させる複数の通気孔45aを有する金属製の保護カバー45が取り付けられている。
他方、配線基板30は、矩形平板状をなしており、ケース20内において、図示水平配置で固定されている(図1参照)。この配線基板30には、その内部や表面30a及び裏面30bに、図示はしないが、所要の配線や端子パッドが設けられている。そして、この配線基板30の表面30a上の所定位置には、ガスセンサ素子50を収容したセンサ支持体40が固着されており、センサ支持体40の端子パッドと配線基板30の端子パッドとが電気的に接続されている。また、この配線基板30の所定位置(図1右側)には、入出力端子としての複数のピン80が挿通され、電気的に接続されている。また、ケース20には、その図示右側に上向きに突出し、ピン80を収容する形で、筒状のコネクタフード82が形成されており、外部回路との接続に利用されるコネクタ部85をなしている。
しかして、被測定ガスである酸化性ガスは、撥水性フィルタ61を通過して、ガス吸着フィルタ71を通過し、そして、保護カバー45の通気孔45aを通じてガスセンサ素子50の感ガス膜51に達するようになっており、その酸化性ガスの濃度に対応して変化する感ガス膜51の抵抗値に基づいてガス濃度が検知される構成とされている。より具体的には、感ガス膜51の抵抗値の変化に基づいて配線基板30に搭載された制御回路が酸化性ガスの濃度変化度合を検出し、濃度レベルを表した信号がコネクタ部85を介して外部に出力される。
すなわち、このようなガスセンサ1は、所定の取付部に取り付けられてその使用に供されるが、その際には次のような作用効果が得られる。すなわち、酸化性ガスの測定において、その被測定ガスはガス導入口23から、撥水性フィルタ61及びガス吸着フィルタ71を通過して、ガスセンサ素子50における感ガス膜51に触れることで、その濃度に対応した出力信号が得られ、NO濃度が検出される。このとき、被測定ガス中の有機シリコーンガスに代表される挟雑ガスは、ガス吸着フィルタ71において、安定して効率よく吸着、除去されている。一方、NOは、活性炭フィルターにおける場合のように、ガス吸着フィルタ71で吸着、除去されることはない。すなわち、ガス吸着フィルタ71に、挟雑ガス吸着剤として、TiO粉末を含ませたため、環境気体に含まれる有機シリコーンガスは、そのガス吸着フィルタ71にて吸着されるが、酸化性ガスは吸着されることはなく、したがって、所望とする酸化性ガスの濃度の検出ができる。そして、有機シリコーンがその感ガス膜51に付着することが防止されるため、濃度検知感度の低下もなく、安定した性能が長期間保持される。
図4は、上記もしたよう、ガスセンサ1において、挟雑ガス吸着剤として、TiO粉末を含浸させてなるガス吸着フィルタ71を用いた場合と、フィルタ無しの(フィルタ自体を設けない)場合とで、NO感度を比較した結果である。同図に示されるように、本発明のTiO粉末を含ませてなるガス吸着フィルタ71を用いた場合には、フィルタ無しの場合と同等以上のNO感度を有している。このことは、TiO粉末を含ませてなるガス吸着フィルタ71においては、活性炭フィルターのように、NOを吸着することがないことを示すものである。
次に、上記したガス吸着フィルタ71を使用したセンサ1の効果を確認するために、NOに対する感度についての評価試験を行った。なお、耐久試験に用いるガスセンサ1として、ガス吸着フィルタをなす不織布を含浸させるTiO混合水におけるTiO粉末と水との配合比(重量比)を、1:5と、1:40の2種類のものを作り、この各混合水に、不織布を1分間浸漬して取り出した後、100℃で30分乾燥して作った、2種類のガス吸着フィルタ(試料)を用いたセンサ1をそれぞれ準備した。また、比較例1のガスセンサとして、挟雑ガスのガス吸着フィルタを配置しなかったセンサを、比較例2のガスセンサとして、ガス吸着フィルタにおいてTiOを含ませない点のみ実施例と異なるフィルタを使用したセンサをそれぞれ準備した。
なお、耐久試験に関する詳述は以下の通りである。試験ガス中にガスセンサを配置し、ガスセンサ素子50に設けられるヒータの温度が250℃となるようにヒータに通電した状態で、400時間保持し、NOに対する感度の変化を求めた。この耐久試験中、感ガス膜151に対し一対の検知電極を介してガス検知電圧の印加も継続的に行った。試験ガスとしては、相対湿度40%RHとする酸素分量が20.9vol%である窒素との混合ガスをベースガスとし、このベースガスを25℃として、これに有機シリコーンガスであるヘキサメチルジシラザンを3ppm加えたものを使用した。
この耐久試験では、ガスセンサ(ガスセンサ素子150)について、通電開始前と通電100時間後と通電200時間後と通常400時間後に、それぞれNOに対する感度を求めた。ここで、このセンサ感度は、以下の方法で測定したガスセンサ素子150(感ガス膜151)の抵抗値に基づいて求めた。まず、25℃にされた上記のベースガスに晒された雰囲気中で感ガス膜151の抵抗値Rairを測定する。その後、ガスセンサ素子150の周囲の雰囲気を、ベースガスに酸化性ガスとしてNOを1ppm混合した雰囲気とし、5秒後に感ガス膜151の抵抗値Rgasを測定する。そして、両抵抗値の比(Rgas/Rair)を求め、これをセンサ感度とした。
そして、ガス感度の変化割合(感度変化割合)を以下のように求めた。即ち、感度変化割合Scを、耐久試験前(通電開始前)のセンサ感度をA、耐久試験の所定時間経過後のセンサ感度をBとして、次式により求めた。
Sc=logB/logA
その結果を図5にグラフで示す。
図5のグラフに示したように、比較例1(フィルタなしのもの)では、100時間経過時で、センサ感度が大きく劣化し、その後も劣化傾向が続いた。これは、シリコーンガスが感ガス膜51に付着したためにセンサ感度が低下して、その検出が次第に困難になることを示している。また、比較例2(TiO粉末を含ませてないガス吸着フィルタ)では、比較例1よりもやや改善されてはいるが、100時間経過時で、センサ感度が大きく劣化し、その後も劣化傾向が続き、長寿命は期待できない。すなわち、TiOを含ませないフィルタでは、シリコーンガスの吸着、除去作用が小さいことを示している。これに対して、実施例(図中、TiOフィルタ)では、400時間経過時においても、センサ感度の劣化は殆ど見られない。同図中、TiOフィルタ(1:5)はTiO粉末と水との配合比(重量比)が1:5のものであり、同図中、TiOフィルタ(1:40)はTiO粉末と水との配合比(重量比)が1:40のものである。この結果から、本発明ではTiOを含ませることが重要であり、その配合比に余り関係なく、センサ感度の劣化防止が図られることが分かる。
図4、図5から理解されるように、TiO粉末を含ませてなるガス吸着フィルタ71を用いた場合には、それに酸化性ガスが吸着されることなく、シリコーンガスが有効に吸着、除去されることがわかる。このように本発明のガスセンサによれば、有機シリコーンガスが感ガス膜51に付着することが防止ないし抑制されるため、同素子はその感度ないし応答特性の劣化の防止が図られるため、ガスセンサとしての長寿命化が図られる。
なお、上記形態のセンサ1では、ガス吸着フィルタ71とセンサ支持体40に装着された保護カバー45とが接して配置されている場合を例示したが、本発明では、環境気体がガス吸着フィルタ71を通過してガスセンサ素子50に接触する構成とされていればよい。したがって、ガス吸着フィルタ71とセンサ支持体40(詳細には保護カバー45)との間には間隔(流路長)があってもよい。また、上記例では撥水性フィルタ61を設け、これにガス吸着フィルタ71が接する状態で配置したが、これらについても間隔を保持するようにしてもよい。ただし、応答性向上のためには、これらの間隔は小さい方がよい。
また、上記形態では、ガス吸着フィルタ71は、1枚を配置した場合で説明したが、要すれば、2枚以上重ねて、或いは間隔を保持して配置してもよい。また、上記形態では、撥水性フィルタ61を配置したものとして具体化したが、本発明において、撥水性フィルタ61は水分を含有しない環境ガスが検査対象(被測定ガス)であるときは、設けなくともよい。さらに、ガス吸着フィルタ71の母材はアクリルに限定されず、他の不織布を用いてもよく、ヘパフィルタを用いてもよい。
さらに、本発明のガスセンサは、酸化性ガスに感応するガスセンサ素子に加えて、還元性ガスに感応するガスセンサ素子を備えた、2つのガスセンサ素子を備えたものとしても具体化できるが、その場合には、図6に示したように、上記形態における支持体40と同様の支持体240の内部に、この2つのガスセンサ素子50、250を隣接して配置したものとして具体化できる。なお、この場合には、2つのガスセンサ素子50、250を収容可能のキャビティ43を有するものとするなど、両ガスセンサ素子50、250にて、各被測定ガスの濃度が検知できる構成とすればよい。なお、図6では、上記形態における酸化性ガスに感応するガスセンサ素子50に加えて、センサ支持体240に、CO,H2,HC等の還元性ガスの濃度変化に応じて抵抗値が変化する感ガス膜を有するガスセンサ素子250を、平面視において、丸形窓状のガス導入ロ23に対応するように配置した点のみが相違するだけであり、本質的相違はないことから、その相違点のみ説明し、同一箇所には同一の符号を付して、その説明は省略する。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用ないし具体化できることはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、ケース20が直方体形状のもので具体化したが、円筒形状など、その形状に関係なく具体化できる。センサ支持体に1又は2つのガスセンサ素子を収容した形態を示したが、センサ支持体には3以上の異なる種類のガスの濃度変化に応じて抵抗値が変化する感ガス膜を有するそれぞれのガスセンサ素子を収容したものとしても具体化できる。
本発明のガスセンサを具体化した実施形態の断面図。 図1の要部拡大図。 図2の一部破断平面図。 NO感度を比較した図。 ガスセンサ素子の感度変化割合を比較したグラフ。 本発明のガスセンサの別形態の要部の一部破断拡大平面図。 NO感度を比較した図。
符号の説明
1 ガスセンサ
20 ケース
23 ガス導入口
50,250 ガスセンサ素子
61 撥水性フィルタ
71 ガス吸着フィルタ

Claims (3)

  1. ケースの内部に、環境気体中の被測定ガスである酸化性ガスに感応するガスセンサ素子が収容され、該ケースには環境気体を前記ガスセンサ素子に導くガス導入口が形成され、環境気体を前記ガスセンサ素子に接触させることで被測定ガスの濃度を検出するように構成され、前記環境気体が、挟雑ガスのガス吸着フィルタを通過して前記ガスセンサ素子に接触する構成とされてなるガスセンサにおいて、
    前記ガス吸着フィルタに、挟雑ガス吸着剤として、TiO粉末を含ませてなることを特徴とするガスセンサ。
  2. ケースの内部に、環境気体中の被測定ガスである酸化性ガスに感応するガスセンサ素子、及び環境気体中の被測定ガスである還元性ガスに感応するガスセンサ素子が収容され、該ケースには環境気体を前記各ガスセンサ素子に導くガス導入口が形成され、被測定ガスをそれぞれ感応する前記各ガスセンサ素子に接触させることで各被測定ガスの濃度を検出するように構成され、前記環境気体が、挟雑ガスのガス吸着フィルタを通過して前記各ガスセンサ素子に接触する構成とされてなるガスセンサにおいて、
    前記ガス吸着フィルタに、挟雑ガス吸着剤として、TiO粉末を含ませてなることを特徴とするガスセンサ。
  3. 前記環境気体が、撥水性フィルタを通過してから前記ガス吸着フィルタを通過して前記ガスセンサ素子に接触するように、撥水性フィルタが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ。
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