JP2015184202A - ガス検知器 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の妨害成分の影響を受け難く、被検知ガスの応答性に優れ、かつ生産性に優れたガス検知器を提供する。
【解決手段】被検知ガスと接触するガス感応部12を有するガス検知素子10を備えたガス検知器Xであって、ガス検知素子12を収容する二重の筐体51,52を備え、二重の筐体における外側の外側筐体51は、被検知ガスを導入するガス導入口20および妨害成分を吸収する第一吸着部31を備え、二重の筐体における内側の内側筐体52は、妨害成分を分解する分解触媒部34および妨害成分を吸収する第二吸着部32を、被検知ガスの導入方向からこの順に備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、被検知ガスと接触するガス感応部を有するガス検知素子を備えたガス検知器に関する。
特許文献1には、活性炭やゼオライトあるいはシリカゲル、プラスチック系の気体選択性透過膜等を用いた吸着フィルタを配設して、水蒸気やエタノール、トリクレン等の雑ガスを吸収し、ガス検知素子に対する雑ガスの影響を和らげることができるガスセンサが開示されている。
特許文献2には、被検知ガスの妨害成分を除去する除去手段とガス感応部との間に妨害成分流入制限手段を設けたガスセンサが開示されている。当該妨害成分流入制限手段により、雰囲気の変化によって除去手段から妨害成分が吸放出されたときの影響を緩和することができ、雰囲気状態変化時のガスセンサの誤動作を防止することができる。具体的には、妨害成分流入制限手段は、ピンホールを設けた流入制限板の態様が開示されており、当該流入制限板は除去手段とガス感応部との間に固定手段によって筐体に固定されている。
特開2003−156463号公報 特開平10−197470号公報
家庭において使用される結露防止スプレーやヘアースプレー等にはシロキサン化合物が含まれている場合がある。当該シロキサン化合物とは、「Si-O-Si」のシロキサン結合を骨格中に有する有機ポリマーである。
当該シロキサン化合物がガス検知素子に付着した場合、ガス検知素子の検知感度が低下したり、選択的に検出すべきガス以外のガスに対してガス検知感度が上昇して、誤作動したりしやすくなることがあった。これは、被検知ガス中に含まれるシロキサン化合物が妨害成分としてガス検知素子にまで達し、ガス検知素子にシロキサン化合物又はその分解物等が付着することで、ガス検知素子のガス検知特性を変化させるものと考えられる。
そのため、例えば可燃性ガスセンサにおいては、特許文献1のように吸着剤として活性炭を用いた吸着フィルタを配置することで、当該吸着フィルタによってシロキサン化合物を吸着させ、シロキサン化合物がガス検知素子の表面に到達するのを防止することができる。
吸着フィルタを装着した可燃性ガスセンサを台所などの室内に設置した場合、当該吸着フィルタが室内に浮遊するシロキサン化合物等の妨害成分を吸着してしまう。そのため、該吸着フィルタの吸着能力が早期に低下し易くなり、当該妨害成分を吸着する能力が低下する問題があった。
また、シロキサン化合物等の妨害成分に対する可燃性ガスセンサの耐久性を向上させる為に、吸着フィルタに導入する吸着剤の量を大幅に増量させた場合や、ガス導入口の面積を小さくした場合は、当該妨害成分に対する耐久性が向上する一方で、被検知ガスに対する応答性が著しく低下してしまう。
また、ガス導入口の面積を小さくした場合では、シロキサン化合物等の妨害成分が存在する家庭台所において、特に低温低湿期間中に当該妨害成分が吸着剤に多量に吸着されて可燃性ガスセンサのハウジング内に保持され易い。このような状況のときに高温高湿環境になると、吸着剤の温度上昇によって吸着剤から離脱した離脱ガスがガス検知素子の側へ移動し、被検知ガスが存在しないにもかかわらず、当該離脱ガスを検知してしまう虞があった。
このような誤検知を防止するため、特許文献2に記載されたガスセンサでは妨害成分流入制限手段(ピンホールを設けた流入制限板)を設けて、妨害成分がガス検知素子の側へ移動するのを防止していた。この流入制限板は、固定手段によって筐体に固定されているが、流入制限板の周囲と筐体との間に隙間が存在すれば、当該隙間から容易に妨害成分がガス検知素子の側へ移動する虞があった。この場合、流入制限板の周囲と筐体との間の隙間を無くすために流入制限板の周囲を接着剤などで封止することが考えられるが、このような手法では、ガスセンサの生産効率が低下し、かつコストが嵩むという問題点があった。
従って、本発明の目的は、種々の妨害成分の影響を受け難く、被検知ガスの応答性に優れ、かつ生産性に優れたガス検知器を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るガス検知器は、被検知ガスと接触するガス感応部を有するガス検知素子を備えたガス検知器であって、その第一特徴構成は、前記ガス検知素子を収容する二重の筐体を備え、前記二重の筐体における外側の外側筐体は、被検知ガスを導入するガス導入口および妨害成分を吸収する第一吸着部を備え、前記二重の筐体における内側の内側筐体は、前記妨害成分を分解する分解触媒部および前記妨害成分を吸収する第二吸着部を、被検知ガスの導入方向からこの順に備えた点にある。
本構成によれば、ガス検知器を収容する筐体を二重筐体構造としている。そのため、ガス検知器を組み立てる際には、外側筐体および内側筐体を組み付けるだけで、第一吸着部、分解触媒部および第二吸着部を収容する空間を容易に形成することができる。
本構成では、ガス導入口より外側筐体に導入された導入ガスは、まず、第一吸着部を通過する。このとき、導入ガスに妨害成分が含まれていれば第一吸着部によって吸着される。
当該妨害成分の全てが第一吸着部によって吸着されない場合、残りの妨害成分は内側筐体における分解触媒部に到達する。このとき分解触媒部に導入された妨害成分は、分解触媒部によって分解される。妨害成分の全てが分解触媒部によって分解されない場合、残りの妨害成分は第二吸着部に到達し、当該第二吸着部によって吸着される。
このように内側筐体において分解触媒部および第二吸着部を通過することで、妨害成分は分解あるいは吸着されるため、ガス検知素子に到達する妨害成分は極めて少なくなる。
従って、本発明のガス検知器では、第一吸着部、分解触媒部および第二吸着部を備えることで、シロキサン化合物などの種々の妨害成分が存在する台所などで使用したとしても種々の妨害成分の影響をより一層受け難くすることができる。
また、後述の実施例においてガス応答性を調べた結果、本発明のガス検知器は優れたガス応答性を有するものと認められている。
従って、本発明のガス検知器は、種々の妨害成分の影響を受け難く、被検知ガスの応答性に優れ、かつ生産性に優れる。
本発明に係るガス検知器の第二特徴構成は、前記内側筐体は、前記ガス導入口より開口面積が小さい制限通気口を、前記第一吸着部および前記分解触媒部の間となるように備えた点にある。
本構成によれば、妨害成分の全てが第一吸着部によって吸着されない場合、残りの妨害成分は制限通気口を経由して内側筐体における分解触媒部に到達するように構成できる。このとき、制限通気口の開口面積はガス導入口の開口面積より小さく設定してあるため、分解触媒部に導入される妨害成分の量を大幅に低減することができる。これにより、ガス検知素子に到達する妨害成分は極めて少なくなる。
本発明に係るガス検知器の第三特徴構成は、前記内側筐体は、前記妨害成分を吸収する第三吸着部を、前記制限通気口および前記分解触媒部の間となるように備えた点にある。
本構成によれば、第三吸着部は制限通気口の下流(ガス検知素子側)に配設される。この状態においては、第三吸着部は制限通気口を経由した妨害成分を吸着できるため、第三吸着部の下流側に配設してある分解触媒部に導入される妨害成分の量を大幅に低減することができる。これにより、ガス検知素子に到達する妨害成分は極めて少なくなる。
本発明に係るガス検知器の第四特徴構成は、前記第二吸着部および前記第三吸着部は、それぞれ固体酸触媒で形成した点にある。
本構成の成分を有する第二吸着部および第三吸着部とすれば、妨害成分を吸着することができる。
本発明に係るガス検知器の第五特徴構成は、前記分解触媒部は、貴金属を担持したカーボン系材料で形成した点にある。
本構成の成分を有する分解触媒部とすれば、妨害成分を分解することができる。
ガス検知素子を示す概略図である。 ブリッジ回路の概略図である。 本発明例のガス検知器の概略図である(本発明例1)。 別実施形態のガス検知器の概略図である(本発明例2,3)。 比較センサのガス検知器の概略図である(比較例1,3,4)。 比較センサのガス検知器の概略図である(比較例2)。 比較センサのガス検知器の概略図である(比較例5)。 実施例1(シロキサン化合物耐久性)の結果を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3に示したように本発明のガス検知器Xは、被検知ガスと接触するガス感応部12を有するガス検知素子10を備える。当該ガス検知素子10は、二重の筐体51,52に収容されており、二重の筐体51,52における外側の外側筐体51は、被検知ガスを導入するガス導入口20および妨害成分を吸収する第一吸着部31を備える。
二重の筐体における内側の内側筐体52は、妨害成分を分解する分解触媒部34および妨害成分を吸収する第二吸着部32を、被検知ガスの導入方向からこの順に備える。
当該内側筐体52は、ガス導入口20より開口面積が小さい制限通気口40を備える。当該制限通気口40は、第一吸着部31および分解触媒部34の間に配設してある。
本実施形態では、吸着部30として二つの吸着部(第一吸着部31,第二吸着部32)を備えた場合について説明するが、このような態様に限定されず、三つ以上の吸着部を備えてもよい。それぞれの吸着部31,32は単一の材料で形成してもよいし、複数の異なる材料を組み合わせて一つの吸着部を形成してもよい。
また、本実施形態では、ガス検知素子10として熱線型半導体式ガス検知素子を例示するが、これに限られるものではない。その他のガス検知素子として、接触燃焼式ガス検知素子、基板型半導体式ガス検知素子、固体電解質式ガス検知素子、MEMS技術を用いたガス検知素子等、従来公知のガス検知素子が挙げられる。
熱線型半導体式ガス検知素子10は、コイル状の貴金属線材11を覆って焼結させた金属酸化物を主成分とするガス感応部12を有する。貴金属線材11は、材質、線径、コイル径、コイル巻数等は、従来の熱線型半導体式ガス検知素子に使用するものと同様で、特に限定されない。貴金属線材11の材質としては白金等を適用できる。
ガス感応部12は金属酸化物半導体が使用できる。当該金属酸化物半導体としては、例えば酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛等が使用できるが、特に限定されるものではない。
本実施形態に係るガス検知器Xは、図2に示すように、被検知ガス(LPG、メタン、水素などの可燃性ガスや一酸化炭素)を検知する熱線型半導体式ガス検知素子10、固定負荷抵抗R0と、固定対辺抵抗R1,R2とをブリッジ回路に組み込んで構成してある。ブリッジ回路は、電源Eによって常時電圧を供給し、熱線型半導体式ガス検知素子10を被検知ガスが反応する温度に保持してある。
ガス検知素子10は筐体50内に収容される。本発明のガス検知器Xは、二重筐体構造となっており、筐体50は、外側の外側筐体51と、当該外側筐体51に覆われる内側筐体52とを有する。
外側筐体51の一端には被検知ガスを導入する開口部であるガス導入口20が形成されている。また、外側筐体51の内部におけるガス導入口20の側には妨害成分を吸収する第一吸着部31が配設してある。ガス導入口20および第一吸着部31の間には、防爆用の金網21が配設してある。
当該第一吸着部31は、室内に浮遊する有機シリコーンガス、シロキサン化合物、アルコールおよびトルエンなどの様々な妨害成分を吸着する吸着剤が収容してある。当該吸着剤は、例えば活性炭、カーボンブラック、ゼオライト等が適用でき、これら材料に酸化触媒(Fe、Mnなど)を添加してもよいし、薬剤を添着して酸性吸着剤あるいは塩基性吸着剤としてもよい。さらに活性炭は、スルホン化された活性炭を使用してもよいし、ヘテロポリ酸塩を担持したものであってもよい。また吸着剤の材料は、単一或いは複数の異なる材料を組み合わせて使用してもよい。これら吸着剤の形状は特に限定されるものではなく、例えば繊維状・球状・粒状等の形状を適用できる。
内側筐体52の一端には、ガス導入口20より開口面積が小さい制限通気口40が形成されている。また、内側筐体52の内部には、妨害成分を分解する分解触媒部34および妨害成分を吸収する第二吸着部32が配設してある。
分解触媒部34には、妨害成分を分解する成分が収容してあり、このような成分としては、例えば貴金属を担持したカーボン系材料で形成するのがよい。分解触媒部34に使用する貴金属としてはPt、Pd、Ru等を使用することができ、カーボン系材料としては、活性炭、カーボンブラック等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。使用する貴金属は、5〜15重量%となるようにすればよい。分解触媒部34の形状は特に限定されるものではなく、例えば粉末状・繊維状・球状・粒状等の形状を適用できる。
第二吸着部32は、分解触媒部34の下流側(ガス検知素子10側)に配設してある。第二吸着部32は妨害成分を吸着する吸着剤が収容してあり、このような吸着剤としては、固体酸触媒で形成するのがよい。当該固体酸触媒は、例えばコスト面を考慮するとシリカアルミナを使用するのがよいが、その他に、ヘテロポリ酸塩(リンタングステン酸のセシウム塩、バリウム塩、ルビジウム塩等)、硫酸化ジルコニア、タングステン酸ジルコニア、スルホン化活性炭、スルホン化カーボン、スルホン化イオン交換樹脂、Y型ハイシリカゼオライト、Al含有メソポーラスシリカ等が挙も使用できる。ヘテロポリ酸塩は、固体超強酸であるため、シリカアルミナよりも小容量で、シリカアルミナと同等の吸着性能が得られるので、ハウジングの小型化には好適である。なお第二吸着部32の吸着剤は、これらに限定されるものではない。また、これらにPt、Pd等を混合或いは担持したものを第二吸着部32として使用してもよい。
また、上述した吸着剤とバインダー用のシリカゾル等の混合分散液を通気性多孔質シートや不織布に含浸し、乾燥保持させたものを第二吸着部32として使用してもよい。
本実施形態では、第二吸着部32は分解触媒部34とは混合しない態様としており、これらを混合する工程を省略できるため、ガス検知器Xの生産効率は向上する。
本実施形態における分解触媒部34の上方側および第二吸着部32の下方側には、それらの形状を安定化させるため、通気性を有する多孔質シート41,42を配設してある。分解触媒部34の形状の安定性が高い場合は上下の多孔質シート41,42は省略してもよく、下方の多孔質シート42の下面には、防爆用の金網43が配設してある。さらに防爆用の金網43の下面には、分解触媒部34、第二吸着部32、多孔質シート41,42、防爆用の金網43が積層した状態で位置決め可能な止め部材44が配設してある。
制限通気口40は第一吸着部31および分解触媒部34の間に配設してある。当該制限通気口40の開口面積は、ガス導入口20の開口面積より小さく設定してある。本実施形態では、制限通気口40の開口面積は、ガス導入口20の開口面積に対して11%としてあるが、このような態様に限定されるものではない。
本発明のガス検知器Xでは、ガス検知器Xを収容する筐体50を二重筐体構造としている。そのため、ガス検知器Xを組み立てる際には、外側筐体51および内側筐体52を組み付けるだけで、第一吸着部31、分解触媒部34および第二吸着部32を収容する空間を容易に形成することができる。
本実施形態では、ガス導入口20より外側筐体51に導入された導入ガスは、まず、第一吸着部31を通過する。このとき、導入ガスに妨害成分が含まれていれば第一吸着部31によって吸着される。
当該妨害成分の全てが第一吸着部31によって吸着されない場合、残りの妨害成分は制限通気口40を経由して内側筐体52における分解触媒部34に到達する。このとき、制限通気口40の開口面積はガス導入口20の開口面積より小さく設定してあるため、分解触媒部34に導入される妨害成分の量を大幅に低減することができる。分解触媒部34に導入された妨害成分は、分解触媒部34によって分解される。妨害成分の全てが分解触媒部34によって分解されない場合、残りの妨害成分は第二吸着部32に到達し、当該第二吸着部32によって吸着される。
このように内側筐体52において分解触媒部34および第二吸着部32を通過することで、妨害成分は分解あるいは吸着されるため、ガス検知素子10に到達する妨害成分は極めて少なくなる。従って、本発明のガス検知器Xでは、第一吸着部31、分解触媒部34および第二吸着部32を備えることで、シロキサン化合物などの種々の妨害成分が存在する台所などで使用したとしても種々の妨害成分の影響をより一層受け難くすることができる。
また、制限通気口40の開口面積は、ガス導入口20の開口面積より小さく設定してあるため、第一吸着部31の温度上昇によって吸着剤から離脱した離脱ガスは、ガス検知素子10の側より開口面積の大きいガス導入口20を介して筐体50の外部へ移動し易くなる。そのため、被検知ガスが存在しないにもかかわらず、当該離脱ガスを検知してしまうのを未然に防止することができる。
尚、本実施形態では、一つの制限通気口40を設けた場合について説明しているが、当該制限通気口40の数は、一つとするのがよい。仮に複数の制限通気口40を内側筐体52の一端に形成した場合、一つの制限通気口40による妨害成分の流入低減効果が減じることとなる。
〔別実施の形態〕
上述した実施形態において、内側筐体52は、妨害成分を吸収する第三吸着部33を、制限通気口40および分解触媒部34の間となるように備えてもよい(図4)。第三吸着部33は、第二吸着部32と同様に固体酸触媒で形成すればよい。
本構成では、第三吸着部33は制限通気口40の下流(ガス検知素子10側)に配設される。この状態においては、第三吸着部33は制限通気口40を経由した妨害成分を吸着できるため、第三吸着部33の下流側に配設してある分解触媒部34に導入される妨害成分の量を大幅に低減することができる。
〔実施例1〕
台所で使用する環境を想定し、本発明の熱線型半導体式ガス検知器X(本発明例1〜3)の性能(シロキサン化合物耐久性)を調べた。導入するガスは、トルエン250ppm+OMCTS(シロキサンガス)5ppmを有する混合ガスとした。比較センサ(比較例1〜5)についても同様の試験を行った。
センサ駆動は、パルス駆動(30秒周期ごとに0.1秒だけセンサ素子を500℃付近に加熱し、メタンガスを検知)とし、メタン警報設定濃度は3000ppmとした。
本発明例1〜3および比較例1〜5において、第一吸着部31は何れも繊維状活性炭(70mg)を使用した。
本発明例1〜3において、分解触媒部34は何れも白金担持活性炭粉末(25mg、Pt:10重量%)を使用した。また、本発明例1(図3の態様)では第三吸着部33は設けず、第二吸着部32においてシリカアルミナ粉末(15mg)を使用した。本発明例2(図4の態様)では第二吸着部32および第三吸着部33において、シリカアルミナ粉末(7.5mg)を使用した。本発明例3(図4と同様の態様)では第二吸着部32および第三吸着部33において、白金含有シリカアルミナ粉末(7.5mg、Pt:3重量%)を使用した。各本発明例の詳細は表1に示した。
Figure 2015184202
比較例1〜5においては、第二吸着部32、第三吸着部33および分解触媒部34に替えて比較部35として以下の構成を使用した。即ち、比較例1(図5の態様)では、比較部35として、活性炭粉末25mgおよびシリカアルミナ粉末15mgの混合粉末を使用した。
比較例2(図6の態様)では、比較部35として、シリカアルミナ粉末層36(7.5mg)、活性炭粉末層37(25mg)およびシリカアルミナ粉末層36(7.5mg)の順で積層したものを使用した。
比較例3(図5と同様の態様)では、比較部35として、白金担持活性炭粉末(40mg、Pt:10重量%))を使用した。
比較例4(図5と同様の態様)では、比較部35として、白金担持活性炭粉末25mg(Pt:10重量%)およびシリカアルミナ粉末15mgの混合粉末を使用した。
比較例5(図7の態様)では、比較部35として、シリカアルミナ粉末層36(15mg)および白金担持活性炭粉末層38(25mg、Pt:10重量%、分解触媒部34に対応)を使用した。
結果を図8に示した。
比較例1,2は活性炭とシリカアルミナ粉末の組み合わせであり(吸着剤のみで分解触媒部34なし)、何れも330日程度で警報濃度の下限値(メタン警報設定濃度の1/3(1000ppm))を下回った。比較例3は白金担持活性炭(分解触媒部34に対応)のみであり、300日以降に急激に警報濃度が低下して370日程度で警報濃度の下限値を下回った。比較例4は白金担持活性炭およびシリカアルミナの混合粉末であるが、400日程度で警報濃度の下限値を下回った。比較例5はシリカアルミナ粉末層36および白金担持活性炭層(分解触媒部34に対応)の上流にシリカアルミナ層が配置されているが、420日程度で警報濃度の下限値を下回った。
一方、本発明例1のように分解触媒部34の下流に第二吸着部32を配置すると、警報濃度の下限値を下回るのが450日程度まで延長することができた。
また、本発明例2のように分解触媒部34の上流に第三吸着部33を配置し、下流に第二吸着部32を配置すると、480日程度においてもメタン警報設定濃度の2/3(2000ppm)を維持していた。
さらに、本発明例3のように第二吸着部32および第三吸着部33に白金を添加すれば、480日程度においてもメタン警報設定濃度の5/6(2500ppm)を維持していた。
従って、比較例1,2のように分解触媒部(白金担持活性炭)なしとした場合、比較例3のように分解触媒部のみとした場合、比較例4のように分解触媒部およびシリカアルミナの混合粉とした場合、比較例5のように分解触媒部の上流にシリカアルミナ層を配置した場合よりも、本発明例1〜3においては、シロキサン化合物耐久性が著しく向上したと認められた。
即ち、本願のように分解触媒部34および第二吸着部32を別異の層で形成し、少なくとも分解触媒部34の下流に第二吸着部32を配置することで、ガス検知器Xをシロキサン化合物などの種々の妨害成分が存在する台所などで使用したとしても、種々の妨害成分の影響をより一層受け難くすることができると認められた。
〔実施例2〕
被検知ガス(メタンガス)に対するガス応答性を調べた。
上述した本発明例1〜3および比較例1〜5のセンサにおいて、メタンガス12500ppmに対して応答に要する時間を計測した。センサ駆動は実施例1と同様の条件で行った。結果を表2に示した。
Figure 2015184202
この結果、本発明例1〜3は21〜23秒の応答時間を要しており、比較例1〜5と同等以上の応答性を有することが判明した。従って、本発明のガス検知器Xは、優れたガス応答性を有した状態で、種々の妨害成分の影響をより一層受け難くできるものと認められた。
尚、比較例3の応答性が著しく低いのは、白金担持活性炭の比表面積に起因する。本発明例1〜3では白金担持活性炭に加えて、白金担持活性炭よりも比表面積の小さい固体酸触媒に属するシリカアルミナを用いることで、優れた吸着性・耐久性に加えて、高い応答性を実現している。
本発明は、被検知ガスと接触するガス感応部を有するガス検知素子を備えたガス検知器に利用できる。
X ガス検知器
10 ガス検知素子
12 ガス感応部
20 ガス導入口
31 第一吸着部
32 第二吸着部
33 第三吸着部
34 分解触媒部
40 制限通気口
51 外側筐体
52 内側筐体

Claims (5)

  1. 被検知ガスと接触するガス感応部を有するガス検知素子を備えたガス検知器であって、
    前記ガス検知素子を収容する二重の筐体を備え、
    前記二重の筐体における外側の外側筐体は、被検知ガスを導入するガス導入口および妨害成分を吸収する第一吸着部を備え、
    前記二重の筐体における内側の内側筐体は、前記妨害成分を分解する分解触媒部および前記妨害成分を吸収する第二吸着部を、被検知ガスの導入方向からこの順に備えたガス検知器。
  2. 前記内側筐体は、前記ガス導入口より開口面積が小さい制限通気口を、前記第一吸着部および前記分解触媒部の間となるように備えた請求項1に記載のガス検知器。
  3. 前記内側筐体は、前記妨害成分を吸収する第三吸着部を、前記制限通気口および前記分解触媒部の間となるように備えた請求項2に記載のガス検知器。
  4. 前記第二吸着部および前記第三吸着部は、それぞれ固体酸触媒で形成してある請求項3に記載のガス検知器。
  5. 前記分解触媒部は、貴金属を担持したカーボン系材料で形成してある請求項1〜4の何れか一項に記載のガス検知器。
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