JP2004271436A - ガスセンサー及びガス警報器及びガスセンサー点検のための点検ガス収納容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1ハウジング5と、第1ハウジング5に被せた第2ハウジング6と、第1ハウジング5と第2ハウジング6との間に形成された中間室7と、第1ハウジング5に設けた第1通気孔8と、第2通気孔9と、第1ハウジング5内に設けたガス検知素子1と、検知対象ガス以外のガスを吸着するように第2通気孔9に設けた吸着層3と、第2通気孔9とは別に第2ハウジング6外部から中間室7に点検ガスを注入可能なように第2ハウジング6に設けた点検ガス導入孔4とを備えたガスセンサーAである。点検ガス導入孔4が、ガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替可能な構造とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス警報器等に搭載されるガスセンサー及びガス警報器及びガスセンサー点検のための点検ガス収納容器に関し、特に検知対象ガス以外のガスに対し感度を抑制するためにハウジング内部に活性炭等の吸着層を有するガスセンサーにおいて、吸着層に吸着される検知対象ガス以外のガスを点検ガスとして使用するガスセンサー及び当該ガスセンサーを搭載したガス警報器及びガスセンサー点検のための点検ガス収納容器の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にガスセンサーは、その目的から、検知対象のガスのみを検知し、検知対象以外のガスは検知しない性能が望まれる。しかし、一般的に可燃性ガスを検知するガス検知素子は同種の可燃性ガスに対して感度を持っており、例えばメタンセンサーは、同じ炭化水素系のガスであるブタンやプロパンにも感度を持つ。
【0003】
検知対象以外のガスにも感度を持つガスセンサーの、検知対象以外のガスの感度を低減する方法として、検知対象以外のガスを吸着する活性炭等の吸着層をガスセンサーと外気との間に設ける構造が利用されている。
【0004】
この構造によると、検知対象ガス(例えばメタンガス)はこの吸着層には吸着されず、ガスセンサーに到達し、ガスセンサーは検知対象ガスを検知でき、検知対象以外のガス(例えばアルコールやプロパンガス、ブタンガス等)はこの吸着層に吸着され、ガスセンサーに到達する検知対象ガスを抑制されることにより、ガスセンサーは検知対象以外のガスを検知しにくく誤報が少ない。
【0005】
しかしながら、上記のメリットがある一方、検知対象ガス以外は吸着層に吸着されるため、センサーの動作を点検するためにガスをかける場合は、検知対象ガスを用いなければならない。例えば、検知対象ガスがメタンガスの場合、メタンは常温での液化が困難であり、高圧にしても運搬できる気体の容積にすると、通常のスプレー缶で5リットル程度が限界である。
【0006】
一方、ブタンは容易に液化できるため、携帯性がよく、メタンに対し数十分の1 ̄数百分の1の容積で持ち運びが可能であり、市販されているライター程度の大きさで、スプレー缶1本に相当するメタンガス以上の回数の点検が可能であるためブタンガスによる点検が望まれていた。
【0007】
このような検知対象以外のガスに対する感度を抑制しつつ、検知対象以外のガスによる点検を可能とする技術としては次のものがある。
【0008】
その一例としては図16に示すように金属酸化物半導体のようなガス検知素子1を設置したベース2に樹脂製のハウジングaをガス検知素子1がハウジングa内に内装されるように被せ、ハウジングaにハウジングa内とハウジングa外とを連通させる通気孔bを設け、通気孔bに検知対象以外のガスを吸着する吸着層3を設け、ハウジングa内で防爆用構造材として金属メッシュ籠cをガス検知素子1を覆うように被せ、点検するとき点検ガスをハウジングa内に注入するための点検ガス導入孔4を設けたガスセンサーAが知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、点検ガスの注入とは点検ガスを加圧または運動エネルギーを与えて流通させる等により積極的に流入せしめることである。
【0009】
また他例としては、図17に示すようにガス検知素子1を設置したベース2に金属製の第1ハウジング5をガス検知素子1が内装されるように被せ、第1ハウジング5の外に樹脂製等の第2ハウジング6を被せ、第1ハウジング5と第2ハウジング6間に中間室7を形成し、第1ハウジング5に第1ハウジング5内と中間室7内とを連通させる第1通気孔8を設け、第2ハウジング6に第2ハウジング6外と中間室7とを連通させる第2通気孔9を設け、第2通気孔9に検知対象以外のガスを吸着する吸着層3を装着し、第1通気孔8に防爆構造材としての金属メッシュ板10を装着し、点検するとき点検ガスを第2ハウジング6内に注入するための点検ガス導入孔4を設けたガスセンサーAも知られている。
【0010】
また上記のようなガスセンサーAをガス警報器Bに搭載した状態で点検ガス導入孔4に点検ガスを導入するため、図18に示すようにガス警報器本体にガス導入管11を設け、このガス導入管11の一端を点検ガス導入孔4に臨ませ、ガス警報器本体の外に位置するガス導入管11の他端からボンベ等で点検ガスを矢印eのように送入するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)
【0011】
【特許文献1】
特許第3171733号公報
【特許文献2】
特許第3197409号公報
【0012】
上記により、検知対象以外のガスに対する感度を抑制しつつ、検査対象以外のガスによる点検が可能となり、ガスの移動が一般的に拡散が支配的と考えられるガス警報器の設置環境(例えば台所)においては、ガスは、吸着層のある通気孔を拡散によってのみ移動し、ガスが、点検ガス導入孔を通して第2ハウジング内に移動することは制限されていた。
【0013】
しかし、この点検ガス導入孔について、ガスが拡散により点検ガス導入孔を通して第2ハウジング内に移動することを制限する構造とする方法として、▲1▼流入を制限する各々のガスについて、拡散係数を元に、点検ガス導入孔の最適な孔径や延長を決定する方法、や、▲2▼実際に流入を制限する各々のガスについて、様々な口径や延長の点検ガス導入孔を用いたガスセンサーについてガスの感度を測定するトライアンドエラー手法により最適な口径や延長を決定する方法、があるが、いずれの方法においても想定する周囲環境に存在するガスの種類が多くなるにつれて膨大な作業を必要としている。
【0014】
また、ヘアスプレーが警報器近辺で使用された場合も、ごく稀であるが、エアスプレーのガスにより、周囲空気が運動エネルギーを得て移動し、点検ガスを使用した時のように点検ガス導入孔を通して、第2ハウジング内に流入し、周囲空気中の検知対象以外のガスに対する感度が出る場合もあった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、想定する周囲環境に存在するガスの種類が多くなるにつれて膨大となる作業により点検ガス導入孔の最適な孔径や延長を決定することなく、第2ハウジング内に流入することを防止すると共にガスセンサーの点検の際には点検ガス導入孔から点検ガスを流通させて容易且つ正確にガスセンサーの点検ができるガスセンサー及びガス警報器及びガスセンサー点検のための点検ガス収納容器を提供することを課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るガスセンサーは、内部が中空の第1ハウジング5と、この第1ハウジング5を覆うように外に被せた第2ハウジング6と、第1ハウジング5と第2ハウジング6との間に形成された中間室7と、第1ハウジング5内と中間室7との間でガスが流通可能なように第1ハウジング5に設けた第1通気孔8と、中間室7と第2ハウジング6外部との間が流通可能なように第2ハウジング6に設けた第2通気孔9と、第1ハウジング5内に設けた検知対象ガス及び点検ガスに感応するガス検知素子1と、検知対象ガス以外のガスを吸着するように第2通気孔9に設けた吸着層3と、第2通気孔9とは別に第2ハウジング6外部から中間室7に点検ガスを注入可能なように第2ハウジング6に設けた点検ガス導入孔4とを備えたガスセンサーAにおいて、点検ガス導入孔4が、ガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替可能な構造であることを特徴とするものである。
【0017】
このような構成とすることで、点検時には点検ガス導入孔4をガスの流通が可能な状態に、点検時以外の使用状態においては点検ガス導入孔4をガスの流通を阻止する状態に切替えることができるものであって、想定する周囲環境に存在するガスの種類が多くなるにつれて膨大となる作業により点検ガス導入孔4の最適な孔径や延長を決定することなく、周囲環境に存在するガスが点検ガス導入孔4を通して第2ハウジング6内に流入することを防止し、周囲空気中の検知対象以外のガスに対する感度ができることを防止することができるものである。
【0018】
また、本発明のガス警報器は、内部が中空の第1ハウジング5と、この第1ハウジング5を覆うように外に被せた第2ハウジング6と、第1ハウジング5と第2ハウジング6との間に形成された中間室7と、第1ハウジング5内と中間室7との間でガスが流通可能なように第1ハウジング5に設けた第1通気孔8と、中間室7と第2ハウジング6外部との間が流通可能なように第2ハウジング6に設けた第2通気孔9と、第1ハウジング5内に設けた検知対象ガス及び点検ガスに感応するガス検知素子1と、検知対象ガス以外のガスを吸着するように第2通気孔9に設けた吸着層3と、第2通気孔9とは別に第2ハウジング6外部から中間室7に点検ガスを注入可能なように第2ハウジング6に設けた点検ガス導入孔4とを備えたガスセンサーAを具備したガス警報器Bにおいて、前記ガスセンサーAの点検ガス導入孔4へのガスの流通が可能な状態と点検ガス導入孔4へのガスの流通を阻止する状態とを切換可能な流通切換機構Cを備えていることを特徴とするものである。
【0019】
このような構成とすることで、流通切替機構Cを、点検時には点検ガス導入孔4へのガスの流通が可能な状態に、点検時以外の使用状態においては点検ガス導入孔4へのガスの流通を阻止する状態に切替えることができるものであって、想定する周囲環境に存在するガスの種類が多くなるにつれて膨大となる作業により点検ガス導入孔4の最適な孔径や延長を決定することなく、周囲環境に存在するガスが点検ガス導入孔4を通して第2ハウジング6内に流入することを防止し、周囲空気中の検知対象以外のガスに対する感度ができることを防止することができるものである。
【0020】
また、本発明のガスセンサー点検のための点検ガス収納容器は、上記ガス警報器Bに設けた流通切換機構Cを点検ガス導入孔4へのガスの流通阻止状態から点検ガス導入孔4へのガスの流通が可能な状態に切替え操作するための切替え操作部Eを備えていることを特徴とするものである。
【0021】
このような構成とすることで、点検ガスを使用する時には、点検ガス収納容器Dに設けた切替え操作部Eにより流通切替機構Cを点検ガス導入孔4へのガスの流通が可能な状態として点検ガス収納容器Dから点検ガス導入孔4を通して第2ハウジング6内に流入させることができ、点検ガスを使用する時以外は流通機構Cの流通切替えが起こらず、点検時以外に誤って点検ガス導入孔4へのガスの流通が可能な状態で使用するといったことが防止できるものである。
【0022】
また、本発明のガス警報器として、ガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替可能な構造の点検ガス導入孔4を有するガスセンサーAを搭載したものであってもよい。
【0023】
このような構成とすることで、ガス警報器Bに備えたガスセンサーAの点検時には点検ガス導入孔4をガスの流通が可能な状態に、点検時以外の使用状態においては点検ガス導入孔4をガスの流通を阻止する状態に切替えることができるものであって、想定する周囲環境に存在するガスの種類が多くなるにつれて膨大となる作業により点検ガス導入孔4の最適な孔径や延長を決定することなく、周囲環境に存在するガスが点検ガス導入孔4を通して第2ハウジング6内に流入することを防止し、周囲空気中の検知対象以外のガスに対する感度ができることを防止することができるガス警報器Bを提供できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0025】
(実施形態1)
先ず、図1に示す実施形態の例から述べる。円盤状のベース2には検査対象ガスと点検ガスを感知し得るガス検知素子1を設置してあり、このベース2には有底筒状の第1ハウジング5を被せて装着してあり、第1ハウジング5内にガス検知素子1を内装してある。この第1ハウジング5は金属板を有底筒状に成形して形成してある。
【0026】
上記有底筒状をした第1ハウジング5の底でない側の周縁部は外方に向けて折り曲げ曲げてあって第1筒開口側縁部21となっている。
【0027】
第1ハウジング5の外周にはバネ20が第1ハウジング5を周回するように配置してあり、該バネ20の一端が第1筒開口側縁部21に溶接または接着してある。
【0028】
第2ハウジング6は樹脂等で有底筒状に形成してあり、第1ハウジング5の上に第2ハウジング6を被せるように装着してある。第2ハウジング6の底でない側の縁部である第2筒開口側縁部22に上記バネ20の他端が溶接または接着してある。
【0029】
第2ハウジング6と第1ハウジング5との間には中間室7が形成してある。第1ハウジング5には第1ハウジング5内と中間室7とを連通させる第1通気孔8を形成してあり、この第1通気孔8には防爆構造としての金属メッシュ板10を装着してある。
【0030】
第2ハウジング6には第2ハウジング6の外部と中間室7とを連通させる第2通気孔9を穿孔してあり、検知対象以外のガスを吸着する吸着層3を中間室7側で第2通気孔9に装着してある。
【0031】
第2ハウジング6は、第1ハウジング5の外面に沿って、筒の軸方向に移動が可能であるが、第1ハウジング5と第2ハウジング6の接触面(以下、第1接触面23という)は、通気が無い程度の密着性を保持している。
【0032】
外力がかからない状態では、図1(b)に示すようにバネ20によって、第2ハウジング6の位置は、バネ20の強度により保持されているが、外力が第2ハウジング6に、例えば、図1(a)の矢印イに示すように鉛直方向に下側にかかれば第2ハウジング6は外力の方向(矢印イ方向)に移動し、外力が解消されると、図1(b)に示すようにバネ20の強度により保持される位置に戻るように構成してある。
【0033】
第2ハウジング6には第2通気孔9とは別に、点検ガスを注入するための点検ガス導入孔4を第2ハウジング6の外部と内部とを連通させるように設けてある。この点検ガス導入孔4の第2ハウジング6における位置は、第2ハウジング6に外力がかからず、バネ20の強度により保持される位置にある場合においては、図1(b)に示すように中間室7と面するが、第2ハウジング6に外力がかかり、第2ハウジング6が、バネ20が規定の位置まで縮小されている状態の位置にある場合においては、図1(a)に示すように第1ハウジング5の外面と面する位置となるように設定してある。
【0034】
このように、本実施形態においては、外力により第2ハウジング6の位置を変えることによって、点検ガス導入孔4のガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替えることが可能な構造となっている。
【0035】
上記のような構成のガスセンサーAの点検を行う際には、図1(b)に示すように、第2ハウジング6に外力をかけず、点検ガス導入孔4が、中間室7に面する状態で、点検ガス導入孔4から点検ガスを中間室7内に注入する。中間室7に注入された点検ガスは、さらに第1通気孔8を通して第1ハウジング5内に入り、ガス検知素子1に接触し、ガス検知素子1が点検ガスに対する感度を持つことで点検ができる。
【0036】
ガスセンサーの点検が終わり、通常の使用状態とするときには、第2ハウジング6に外力をかけて図1(a)のように、点検ガス導入孔4が、第1ハウジングの外面と面する状態とする。
【0037】
仮にこの図1(a)の状態で、点検ガス導入孔4に点検ガスを注入しても、中間室7には点検ガスは入らず、第1ハウジング5内に入ることもなく、ガス検知素子1が点検ガスに対する感度を持つことはない。
【0038】
また、周囲空気が何らかの原因により運動エネルギーを得て移動した場合であっても、周囲空気が、点検ガス導入孔4を通して、中間室7に流入することは無いため、周囲空気にガス検知素子1が感度を持つ雑ガスが存在しても、ガス検知素子1が反応することはない。
【0039】
以上により、本実施形態においては、点検ガス導入孔4が、ガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替可能な構造としたガスセンサーAを実現できる。
【0040】
上記のような構成のガスセンサーAは例えばガス警報器B内に内装され、ガス警報器Bの基板60に第1ハウジング5の第1筒開口側縁部21又はベース2が取付けられる。ここで、本実施形態におけるガスセンサーAの点検ガス導入孔4におけるガスの流通を阻止する状態、つまり、通常の使用状態を維持するには例えば、図1(a)に示すように、ガス警報器Bのケースを構成する警報器外ケース30に操作治具27を移動自在に取付け、操作治具27を警報器外ケース30の外側から押し込んで操作治具27に設けた出没自在な係止部27aを警報器外ケース30の孔30aに係止することでガスセンサーAの点検ガス導入孔4におけるガスの流通を阻止する状態を維持できるものであり、上記係止部27aによる係止を解除することで、図1(b)に示すように、バネ20の弾性力で上記操作治具27が警報器外ケース30の外に飛び出すように移動すると共に点検ガス導入孔4がガスの流通が可能な状態となるものである。もちろんガスセンサーAの点検ガス導入孔4におけるガスの流通を阻止する状態を維持する手段として上記の例にのみ限定されず、他の構造のものであってもよい。
【0041】
なお、本実施形態においては、バネ20は、第1ハウジング5を周回するように配置されているが、周回するように配置することに限定されるのではなく、例えば、図2に示すようにバネ20を第2ハウジング6内に配置しても同様の効果が得られる。
【0042】
また、第2ハウジング6の位置は、本実施形態においてはバネ20の強度により保持されるものとしたが、バネ20の強度により保持されることに限定されるものではなく、例えば移動位置を固定するストッパや、治具等により位置を保持しても同様の効果が得られる。
【0043】
また、本実施形態において、第1接触面23は常時、密着性を保持するものとしているが、点検時以外に密着性を保持するものとしても点検時以外に点検ガス導入孔4からの流入を阻止することができる。
【0044】
また、点検ガス導入孔4は一に限定するものではなく、複数でもよい。
【0045】
(実施形態2)
次に、図3に示す実施形態の例について述べる。本例は上記例と同じものには同じ符号を付して説明を省略し、異なる点だけを主に述べる。本例の場合、上記の例のように第2ハウジング6の位置を変えることによって、点検ガス導入孔4のガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替えることが可能な構造とする代わりに、第2ハウジング6に周回するように切替筒25を被嵌して該切替筒25を第2ハウジング6の周方向または軸方向に移動して位置を変えることによって点検ガス導入孔4のガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態を切り替えることが可能な構造とする例である。
【0046】
第2ハウジング6は樹脂等で有底筒状に形成されており、第1ハウジング5の上に第2ハウジング6を被せるように装着してあり、第2ハウジング6と第1ハウジング5との間には中間室7が形成してある。
【0047】
切替筒25は樹脂等で無底筒状に形成されており、第2ハウジング6に周回するように切替筒25が被嵌してある。この切替筒25は、第2ハウジング6の外面に沿って、第2ハウジング6の軸方向または周方向あるいはその両方を合わせた方向に位置を変えることが可能であるが、切替筒25と第2ハウジング6の接触面(以下、第2接触面26)は、通気が無い程度の密着性を保持している。切替筒25には、点検ガスを注入するための第2点検ガス導入孔4´を切替筒25の外面と内面を連通させるように設けてある。
【0048】
第2点検ガス導入孔4´の切替筒25における位置は、切替筒25が第2ハウジング6に対してある特定の位置で点検ガス導入孔4と第2点検ガス導入孔4´が連通することができれば、任意の位置でよいが、切替筒25の位置変更を周方向限定する場合は、点検ガス導入孔4と同周線上にある必要がある。
【0049】
以下の説明は、切替筒25の位置変更を周方向限定している場合について説明する。また、切替筒25の位置が変わることによって、点検ガス導入孔4が、第2点検ガス導入孔4´と連通する場合以外に点検ガス導入孔4が外部と連通することは無い範囲で切替筒25の位置が変えることができるものとする。
【0050】
図4(a)(b)にはそれぞれ図3(a)のX−X線断面図、図3(b)のY−Y線断面図が示してあり、この図4(a)(b)を元に以下説明する。
【0051】
切替筒25を周方向に位置を変えると、図4(b)のように点検ガス導入孔4と第2点検ガス導入孔4´が連通する位置となる位置がある。この状態の切替筒25の位置を「点検ガス導入孔連通位置」と呼ぶものとする。
【0052】
切替筒25が、上記「点検ガス導入孔連通位置」以外の位置の場合は、当然のことながら図4(a)のように点検ガス導入孔4と第2点検ガス導入孔4´は連通しない。
【0053】
したがって、切替筒25の位置を変えることによって(図4の実施形態では切替筒25を第2ハウジング6の周方向に位置変更することによって)、点検ガス導入孔4のガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替えることが可能な構造である。
【0054】
ガスセンサーAの点検を行う際には、図4(b)のように切替筒25を「点検ガス導入孔連通位置」に変え、点検ガス導入孔4と第2点検点検ガス導入孔4´を連通させる。この状態で第2点検ガス導入孔4´から点検ガスを注入すると、点検ガスは第2点検ガス導入孔4´と点検ガス導入孔4を通って、中間室7に入り、さらに第1通気孔8を通して第1ハウジング5内に入り、ガス検知素子1に接触し、ガス検知素子1が点検ガスに対する感度を持つことで点検ができる。
【0055】
ガスセンサーAの点検が終わり、通常の使用状態とするときには、図4(a)のように切替筒25を「点検ガス導入孔連通位置」以外の位置に変え、点検ガス導入孔4と第2点検ガス導入孔4´が連通しないようにする。
【0056】
仮にこの状態で、第2点検ガス導入孔4´に点検ガスを注入しても、点検ガス導入孔4に連通していないため、中間室7には点検ガスは入らず、第1ハウジング5内に入ることもなく、ガス検知素子1が点検ガスに対する感度を持つことはない。
【0057】
また、周囲空気が何らかの原因により運動エネルギーを得て移動した場合であっても、周囲空気が、点検ガス導入孔4を通して、中間室7に流入することは無いため、周囲空気にガス検知素子1が感度を持つ雑ガスが存在しても、ガス検知素子1が反応することはない。
【0058】
以上により、点検ガス導入孔4が、ガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替可能な構造としたガスセンサーAを実現できる。
【0059】
上記のような構成のガスセンサーAは例えばガス警報器B内に内装され、ガス警報器Bの基板60に第1ハウジング5又はベース2が取付けられる。ここで、本実施形態における切換筒25を回転操作するには例えば、図3に示すように、切替筒25の外周面に歯車部25aを設け、ガス警報器Bのケースを構成する警報器外ケース30に操作軸28を回転自在に取付け、操作軸28に設けたギア部28aを切換筒25の外周面の歯車部25aに噛み合わせ、操作軸28の端部を警報器外ケース30の外側で操作することで切換筒25を回転して第2点検ガス導入孔4´を点検ガス導入孔4と連通する位置としたり、第2点検ガス導入孔4´を点検ガス導入孔4と連通しない位置としたりできるものである。もちろん切換筒25を回転操作する手段は上記の例にのみ限定されず、他の構造のものであってもよい。
【0060】
なお、本実施形態においては、切替筒25は無底筒状としたが、形状は無底筒状に限定されるものではなく、図5(a)(b)に示すように半筒状や、第2接触面26のみ曲面を持つ形状のようなものでも良い。
【0061】
また、点検ガス導入孔4、第2点検ガス導入孔4´は一に限定するものではなく、いずれかが複数、あるいは、いずれもが複数でもよく、また、点検ガス導入孔4と第2点検ガス導入孔4´は同数に限定されるものではない。
【0062】
また、本実施形態においては、切替筒25の位置変更を周方向のみとしたが、切替筒25の位置変更は、周方向に限定されるものではなく、軸方向または周方向あるいはその両方を合わせた方向に位置を変えることでも良い。
【0063】
また、本実施形態において、第2接触面26は常時、密着性を保持するものとしているが、点検時以外に密着性を保持するものとしても点検時以外に点検ガス導入孔4からの流入を阻止することができる。
【0064】
(実施形態3)
次に図6に示す実施形態の例について述べる。本例は上記例と同じものには同じ符号を付して説明を省略し、異なる点だけを主に述べる。前記の二例は、点検ガス導入孔4のガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態を切り替えることができる構造をセンサーAに設けたが、本例では、ガスセンサーAの点検ガス導入孔4へのガスの流通が可能な状態と点検ガス導入孔4へのガスの流通を阻止する状態とを切換可能な流通切換機構CをガスセンサーAの外部でガス警報器B内部に配置する例である。
【0065】
円盤状のベース2には検査対象ガスと点検ガスを感知し得るガス検知素子1を配置してあり、このベース2には有底筒状の第1ハウジング5を被せて装着してあり、第1ハウジング5内にガス検知素子1を内装してある。この第1ハウジング5は金属板を有底筒状に成型して形成されている。
【0066】
第2ハウジング6は樹脂等で有底筒状に形成されており、第1ハウジング5の上に第2ハウジング6を被せるように装着してある。
【0067】
第2ハウジング6と第1ハウジング5の間には中間室7が形成してある。第1ハウジング5には第1ハウジング5内と中間室7とを連通させる第1通気孔8を形成してあり、この第1通気孔8には防爆構造としての金属メッシュ板10を装着してある。
【0068】
第2ハウジング6には第2ハウジング6の外部と中間室7とを連通させる第2通気孔9を穿孔してあり、検知対象以外のガスを吸着する吸着層3を中間室7側で第2通気孔9に装着してある。
【0069】
第2ハウジング6には第2通気孔9とは別に、点検ガスを注入するための点検ガス導入孔4を第2ハウジング6の外部と中間室7とを連通させるように設けてある。
【0070】
以上がセンサーAの構造である。
【0071】
次にガスセンサーAを内蔵しているガス警報器Bの構造の一部について説明する。ガス警報器Bのケースを構成する警報器外ケース30には上記の構成のガスセンサーAが内蔵してある。この警報器外ケース30には、ガスセンサーAの点検ガス導入孔4へのガスの流通が可能な状態と点検ガス導入孔4へのガスの流通を阻止する状態とを切換可能な流通切換機構Cが設けてある。
【0072】
流通切換機構Cは以下のような構成となっている。
【0073】
すなわち、警報器外ケース30に点検ガスを注入するための点検ガス注入口31を設けてある。警報器外ケース30内部には供給管外筒32が点検ガス注入口31と密着するように配置してある。供給管外筒32は、樹脂等で有底筒状に形成されており、一端開口部(底でない側の端部の開口部)が上記点検ガス注入口31に密着しており、また、この有底筒状の供給管外筒32の側面には外筒点検ガス噴出孔34が設けてある。
【0074】
供給管外筒32内には供給管内筒33が筒の軸心方向に移動自在にはめ込んである。供給管内筒33は、樹脂等で円柱状に形成されており、内部に点検ガス供給管35を設けてある。点検ガス供給管35の一端部は供給管内筒33の軸方向の一端面(供給管内筒33の点検ガス注入口31側を向いた一端面)において開口していて該開口が内筒点検ガス注入口37となっており、また、点検ガス供給管35の他端部は供給管内筒33の軸方向の他端部の側面において開口していて該開口が内筒点検ガス噴出孔36となっている。
【0075】
図6に示すように、供給管外筒32には、供給管内筒33をそれ以上供給管外筒32の底側に移動させないためのストッパ40が設けてある。また、供給管外筒32内にはバネ41が内装してあって供給管外筒32の底部と供給管内筒33の他端面との間にはバネ41が介在してあり、バネ41のばね力により図6(a)に示すように供給管内筒33がストッパ40に接触しない位置に保持される。このように供給管内筒33がストッパ40に接触しない位置に保持された状態では、供給管内筒33が外筒点検ガス噴出孔34と非連通となって点検ガスの流通ができない。一方、バネ41に抗して供給管内筒33を供給管外筒32に対して移動して供給管内筒33が供給管外筒32の内面に設けたストッパ40に接触した位置で供給管内筒33が外筒点検ガス噴出孔34と連通して点検ガスの流通が可能となるように構成してある。
【0076】
また、供給管外筒32と供給管内筒33の接触面は、点検ガス注入口31より注入される点検ガスや、内筒点検ガス噴出孔36を通る点検ガスの通気が無い程度の密着性を保持している。
【0077】
供給管外筒33内で供給管内筒33が筒の軸心方向に移動自在であるが軸周方向には回転しないように供給管内筒33の外面部に筒の軸心方向に沿った溝38を設けると共に、供給管外筒33の内面に該溝38がスライド自在にはめ込まれる突起部39が設けてある。
【0078】
点検の際には点検ガス収納容器Dを使用して点検ガスを供給するが、本実施形態においては、ガス警報器B内部に設けた上記のような構成の流通切換機構Cの供給管内筒33を点検ガス収納容器Dに設けた切替え操作部Eである後述する点検ガス注入管70により供給管内筒33を押すことができる構造となっている。
【0079】
以上が、ガス警報器BのガスセンサーAの点検ガス導入孔4へのガスの流通が可能な状態と点検ガス導入孔4へのガスの流通を阻止する状態とを切換可能な流通切換機構Cを内装した構造を示す部分の説明である。
【0080】
なお、前述のガスセンサーAは、点検ガス導入孔4と外筒点検ガス噴出孔34は連通した状態となるように配置される。
【0081】
ガスセンサーAの点検を行う際には、点検ガス収納容器Dを使用する。本実施形態に使用する点検ガス収納容器Dは図8に示すようなもので、点検ガス貯蔵部72に液化したブタンを貯蔵し、ボタン71を押下することにより点検ガス注入管70より点検ガス(ブタンガス)を噴出するようになっている。点検ガス注入管70は先端が開口していて点検ガス注入口31から差し込んで先端開口と内筒点検ガス注入口37とが連通した状態で供給管内筒33をバネ41に抗して押すことができるような大きさ形状に構成してあり、本実施形態では切替え操作部Eを点検ガス注入管70が構成している。また、点検ガス収納容器Dには流量切換つまみ73が設けてある。なお、点検ガス収納容器Dは手のひらに納まる長さ10cm、巾2.5cm程度の大きさである。
【0082】
供給管内筒33に外力を与えない状態においては、供給管内筒33は、バネ41により供給管内筒33とストッパ40が接触しない位置に保持されるため、外筒点検ガス噴出孔34と内筒点検ガス噴出孔36は連通していない。
【0083】
点検を行う場合は、点検ガス注入口31から、点検ガス収納容器Dの点検ガス注入管70を差込み、供給管内筒33がストッパ40に接触するまで供給管内筒33を押す。供給管内筒33がストッパ40に接触した状態では、外筒点検ガス噴出孔34と内筒点検ガス噴出孔36は連通する。
【0084】
次に点検ガス注入管70より、ボタン71を押して点検ガスを注入すると、点検ガスは、点検ガス供給管35、内筒点検ガス噴出孔36、外筒点検ガス噴出孔34を経由し、点検ガス導入孔4を通って中間室7に入る。さらに第1通気孔8を通して第1ハウジング5内に入り、ガス検知素子1に接触し、ガス検知素子1が点検ガスに対する感度を持つことで点検ができる。
【0085】
ガスセンサーAの点検が終り、通常の使用状態とするときには、点検ガス注入管70を点検ガス注入口31から抜き出ことにより、供給管内筒33は外力がかからない状態となり、バネ41によって、供給管内筒33とストッパ40が接触しない位置に保持されるため、外筒点検ガス噴出孔34と内筒点検ガス噴出孔36は連通しない状態となる。
【0086】
仮にこの状態で、点検ガス注入口31に点検ガスを注入しても、外筒点検ガス噴出孔34と内筒点検ガス噴出孔36に連通していないため、中間室7には点検ガスは入らず、第1ハウジング5内に入ることもなく、ガス検知素子1が点検ガスに対する感度を持つことはない。
【0087】
また、周囲空気が何らかの原因により運動エネルギーを得て移動した場合であっても、周囲空気が、点検ガス導入孔4を通して、中間室7に流入することは無いため、周囲空気にガス検知素子1が感度を持つ雑ガスが存在しても、ガス検知素子1が反応することはない。
【0088】
以上の構造により点検ガス導入孔4へのガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替可能な流通切換機構Cを構造を持つガス警報器Bを実現できる。
【0089】
なお、本実施形態においては、供給管外筒32は筒状、供給管内筒33は円柱状としたが、筒状、円柱状以外の形状(例えば、箱状)でもよく、供給管外筒32と供給管内筒33とが通気のない程度の密着を保持する構造であれば良い。
【0090】
また、本実施形態においては、供給管外筒32と供給管内筒33は各々一としたが、複数あっても良い。
【0091】
また、本実施形態においては、外筒点検ガス噴出孔34と内筒点検ガス噴出孔36は一づつ同数として説明したが、例えば、複数の外筒点検ガス噴出孔34と一の内筒点検ガス噴出孔36が連通されるといったことや、一の外筒点検ガス噴出孔34と複数の内筒点検ガス噴出孔36が連通されるといったことでも目的は達成でき、外筒点検ガス噴出孔34と内筒点検ガス噴出孔36は各々複数でも良く、また同数でなくとも良い。
【0092】
また、本実施形態においては、点検ガス導入孔4と、外筒点検ガス噴出孔34を一づつ同数として説明したが、例えば、複数の外筒点検ガス噴出孔34と一の点検ガス導入孔4を連通されるといったことや、1つの外筒点検ガス噴出孔34と複数の点検ガス導入孔4を連通されるといったことでも目的は達成でき、点検ガス導入孔4と外筒点検ガス噴出孔34は各々複数でも良く、また同数でなくとも良い。
【0093】
また、本実施形態においては、点検ガス注入管70を供給管内筒33がストッパ40に接触するまで押し込むことにより、外筒点検ガス噴出孔34と内筒点検ガス噴出孔36を連通させることとしたが、点検ガス注入管70の押し込み強さにより、連通させる外筒点検ガス噴出孔34と内筒点検ガス噴出孔36の数を変えることとし、中間室7に入る点検ガスの量を調整するようにしてもよい。
【0094】
また、本実施形態においては、点検ガスをブタンガスとしたが、ガス検知素子1が感度を持つガスであれば特にブタンガスに限定されない。
【0095】
また、本実施形態においては、バネ41と点検ガス注入管70の押し込み強さにより、外筒点検ガス噴出孔34と内筒点検ガス噴出孔36は連通状態と連通しない状態を切り替えすることとしたが、切替は点検ガス注入管70の押し込み深さにより切り替えるものでも良い。
【0096】
なお、本実施形態では、点検ガス導入孔4と内筒点検ガス噴出孔36は連通した状態となるように配置されるものとしたが、内筒点検ガス噴出孔36から噴出したガスが、点検ガス導入孔4に到達することができるのであれば、非接触の状態であっても良い。
【0097】
(実施形態4)
次に図9に示す実施形態の例について述べる。
【0098】
本例は上記例と同じものには同じ符号を付して説明を省略し、異なる点だけを主に述べる。実施形態3の例は、ガスセンサーAの点検ガス導入孔4へのガスの流通が可能な状態と点検ガス導入孔4へのガスの流通を阻止する状態とを切換可能な流通切換機構CをガスセンサーAの外部でガス警報器B内部に配置し、点検ガス収納容器Dに設けてある点検ガス注入管70を切替え操作部Eとして流通切換機構Cを切替えることができるように構成しているが、本例では、点検ガス導入孔4のガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態を切り替える流通切換機構Cを備えたガス警報器Bと、特殊な構造の切換え操作部Eを設けた点検ガス収納容器Dの組み合わせにより実現する例である。
【0099】
ガスセンサーAの構造は実施形態3と同様のため省略する。
【0100】
ガスセンサーAを内蔵しているガス警報器Bの構造の一部について説明する。ガス警報器Bのケースを構成する警報器外ケース30には上記の構成のガスセンサーAが内蔵してある。この警報器外ケース30には、ガスセンサーAの点検ガス導入孔4へのガスの流通が可能な状態と点検ガス導入孔4へのガスの流通を阻止する状態とを切換可能な流通切換機構Cが設けてある。
【0101】
流通切換機構Cは以下のような構成となっている。
【0102】
すなわち、警報器外ケース30には、点検ガス収納容器Dに設けた切替え操作部Eを構成する点検治具56を挿入するための点検治具挿入口51を設けてある。
【0103】
点検治具挿入口51の形状は、後に説明する点検ガス収納容器Dに設けた点検ガス噴出孔57と警報器外ケース30に内装したガスセンサーAの点検ガス導入孔4とが近接するように配置される必要があるため、方向性を持つことが望ましい。本例では、点検治具挿入口51の形状は方形としているが、上記方向性を持つものであれば方形にのみ限定されるものではない。
【0104】
警報器外ケース30内にはガスセンサーAの外面の点検ガス導入孔4を設けた部分に対向してガスセンサーAに対して近づく方向、離れる方向に移動自在な点検ガス導入孔開閉手段52を構成する移動体が配置してある。この点検ガス導入孔開閉手段52は開閉手段支持部材54に支持されつつ、バネ53に押されることによって、図9、図10に示すように点検ガス導入孔開閉手段52と密着しており、この状態でガスセンサーAの点検ガス導入孔4は、点検ガス導入用開閉手段52より閉塞されている。
【0105】
バネ53は、警報器外ケース30と一体となった構造材55と接続されており、構造材55を支持点として、点検ガス導入孔開閉手段52を押している。
【0106】
点検ガス導入孔4を閉じている状態で点検ガス導入孔開閉手段52は、点検治具挿入口51側の投影が全て含まれる位置となっている。
【0107】
点検ガス導入孔開閉手段52の上面(点検治具挿入口51側の面)は、傾斜部58をもっており、点検治具挿入口51から棒状の物を挿入すると、傾斜部58を押すことによって、点検ガス導入孔開閉手段52はバネ53に逆らう方向に動くように構成してある。
【0108】
次に本実施形態で使用する点検ガス収納容器Dを図12により説明する。主な構造は、前述の図8に示す点検ガス収納容器Dと同じ構造であるが、点検ガス注入管70の代わりに、切換え操作部Eを構成する点検治具56を設けている。
【0109】
点検治具56は、方形の断面を持った棒状の形状をしており、側面の1面に、点検ガスを噴出する点検ガス噴出孔57を有している。この点検ガス噴出孔57の位置は、後述する点検の際に、ガスセンサーAの点検ガス導入孔4と近接する位置となっている。
【0110】
また、点検の際に、点検治具56は、点検ガス導入孔開閉手段52を押す機能も担っており、点検ガス導入孔開閉手段52の斜面を容易に押すことができるように、先端部に点検治具傾斜部59を有している。
【0111】
次に本実施形態の点検方法について、図11により説明する。
【0112】
ガスガスセンサーAの点検を行う際には、図12に示すように切換え操作部Eを構成する点検治具56を取り付けた点検ガス収納容器Dを使用する。
【0113】
点検治具挿入口51に点検治具56を挿入しない状態においては、図10に示すように、ガスセンサーAはバネ53により押された点検ガス導入孔開閉手段52と密着し、点検ガス導入孔4は点検ガス導入孔開閉手段52に閉塞されているため、点検ガスやその他のガスを含めて、点検ガス導入孔4を通して中間室7に侵入することは無い。
【0114】
ここで、点検のために点検ガス収納容器Dに設けた切換え操作部Eを構成する点検治具56を点検治具挿入口51から挿入すると、点検ガス導入孔開閉手段52が点検治具56に押されてバネ53に逆らう方向に移動する。更に奥に点検治具56を挿入すると、図11に示すように点検治具56がガス警報器Bの内部に設けたガスセンサーAを取付けるための基板60に接触するまで挿入できる。点検治具56が基板60に接触した状態で、ガスセンサーAと点検ガス噴出孔57は近接する位置となる。
【0115】
次に点検ガス収納容器Dより、点検ガスを注入すると、点検ガスは、点検治具56、点検ガス噴出孔57を経由し、点検ガス導入孔4を通って中間室7に入る。さらに第1通気孔8を通して第1ハウジング5内に入り、ガス検知素子1に接触し、ガス検知素子1が点検ガスに対する感度を持つことで点検ができる。
【0116】
ガスセンサーAの点検が終わり、通常の使用状態とするときには、点検治具56を点検治具挿入口51から抜き出すことにより、点検ガス導入孔開閉手段52は、バネ53に押されることによりガスセンサーAと密着し、点検ガス導入孔4を閉塞する。
【0117】
仮にこの状態で、点検治具挿入口51に点検ガスを注入しても、点検ガス導入孔開閉手段52により、点検ガス導入孔4が閉塞されているため、中間室7には点検ガスは入らず、第1ハウジング5内に入ることもなく、ガス検知素子1が点検ガスに対する感度を持つことはない。
【0118】
また、周囲空気が何らかの原因により運動エネルギーを得て移動した場合であっても、周囲空気が、点検ガス導入孔4を通して、中間室7に流入することは無いため、周囲空気にガス検知素子1が感度を持つ雑ガスが存在しても、ガス検知素子1が反応することはない。
【0119】
以上のガス警報器Bの構造と点検ガス収納容器Dの構造により点検ガス導入孔4へのガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替可能な流通切換機構Cを持つ警報器を実現できる。
【0120】
なお、本実施形態においては、点検治具挿入口51や、点検治具56の断面形状は方形としたが、形状は、方形に限定されるものではなく、また、点検治具挿入口51と点検治具56の断面は同形状に限定されるものではない。
【0121】
また、本実施形態においては、点検ガス導入孔開閉手段52はバネ53により押されてガスセンサーAと密着する構造としたが、バネによって押されることに密着することに限定されるものではなく、バネ以外の弾性変形の反力を利用したもの(例えば、板上の金属や、ゴム)や、重力を利用したもの、磁力を利用したもの等でも良い。
【0122】
また、本実施形態においては、切換え操作部Eを構成する点検治具56は棒状のものとしたが、点検ガス導入孔開閉手段52を開閉する構造であれば、棒状のものに限定されない。また、接触により点検ガス導入孔開閉手段52を開閉することに限定されず、例えば、非接触で、磁力等により開閉しても良い。
【0123】
また、本実施形態においては、点検治具56および点検ガス導入孔開閉手段52は傾斜部を持つ構造としたが、傾斜は曲面でも良く、また、両方に持つことに限定されず、いずれか一方に傾斜を持つことによっても達成できる。
【0124】
また、本実施形態においては、点検ガス導入孔開閉手段52は、点検ガス収納容器Dに設けられた点検治具56により移動するものとしたが、点検ガス収納容器Dに設けたれた点検治具56に限定されるものではなく、点検ガス導入孔開閉手段52を移動できる点検ガス収納容器Dに設けない治具であっても良い。
【0125】
(実施形態5)
次に図13に示す実施形態の例について述べる。本例は上記例と同じものには同じ符号を付して説明を省略し、異なる点だけを主に述べる。本例は、点検ガス導入孔4のガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態を切り替えることができる構造を第2ハウジング6内部に配置し、点検ガスを注入する圧力により、ガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態を切り替える例である。
【0126】
第2ハウジング6は樹脂等で有底筒状に形成されており、第1ハウジング5の上に第2ハウジング6を被せるように装着してある。
【0127】
第2ハウジング6には第2通気孔9とは別に、点検ガスを注入するための点検ガス導入孔4を第2ハウジング6の外部と内部とを連通させるように設けてある。
【0128】
点検ガス導入孔4の第2ハウジング6の内部側の開口には、点検ガスの流通阻止手段61が設けてある。
【0129】
点検ガスの流通阻止手段61は、ポリエチレンフィルム等のごく薄膜で形成されており、点検ガス導入孔4と第2ハウジング6の内部との圧力差(Pa)が点検ガスの流通切替閾値以下の場合は、図14(a)のように点検ガス導入孔4の第2ハウジング6内部側の開口を閉塞する。点検ガス導入孔4の圧力が上昇し、第2ハウジング6の内部との圧力差が点検ガスの流通切替閾値以上となった場合には、図14(b)のように点検ガス導入孔4の第2ハウジング6内部側の開口を開く。
【0130】
この際の点検ガスの流通切替閾値は、一般的な外気風速で生じる10Pa以上が必要であり、より他要因によるガス流入を防止するためには、20Pa以上が望ましい。また、センサー破損の恐れが無いように、7kPa以下の必要があり、点検ガスとして一般的なブタンガスを用いる場合は、3kPa以下が望ましい。
【0131】
以上がガスセンサーAの構造である。
【0132】
次に、上記構成のガスセンサーAを内蔵している警報器の構造の一部について説明する。
【0133】
上記構成のガスセンサーAを内蔵している警報器外ケース30には、点検ガスを注入するための点検ガス注入口31を設けてある。
【0134】
点検ガス注入口31の内部には、点検ガス供給管35が点検ガス注入口31と密着するように配置される。点検ガス供給管35は、樹脂等で有底筒状に形成されており、点検ガス導入孔4側と側面を連通する開孔を持っており、側面側の開孔を供給管点検ガス噴出孔62と呼ぶ。
【0135】
供給管点検ガス噴出孔62は、ガスセンサーAの点検ガス導入孔4と密着する位置となるように点検ガス供給管35は配置されている。
【0136】
次に点検方法について、説明する。
【0137】
ガスガスセンサーAの点検を行う際には、図8に示す点検ガス収納容器Dを使用する。
【0138】
点検を行う場合は、点検ガス注入口31から、点検ガス収納容器Dの点検ガス注入管70を差込み、点検ガスを注入する。点検ガスの注入により点検ガス供給管35内部の圧力が上昇し、点検ガス供給管35が密着した点検ガス導入孔4内部の圧力が上昇する。
【0139】
点検ガス導入孔4と第2ハウジング6の内部との圧力差(Pa)が点検ガスの流通切替閾値を超えると、図14(b)のように点検ガスの流通阻止手段61が点検ガス導入孔4の第2ハウジング6内部側の開口を開き、点検ガスが中間室7に入り、さらに第1通気孔8を通して第1ハウジング5内に入り、ガス検知素子1に接触し、ガス検知素子1が点検ガスに対する感度を持つことで点検ができる。
【0140】
点検時以外の、点検ガス供給管35に圧力がかからない状態であれば、点検ガス導入孔4と第2ハウジング6の内部との圧力差(Pa)が点検ガスの流通切替閾値以下であるため、図14(a)のように点検ガスの流通阻止手段61は点検ガス導入孔4の第2ハウジング6内部側の開口を閉塞した状態であり、点検ガスやその他のガスを含めて、点検ガス導入孔4を通して中間室7には点検ガスは入らず、第1通気孔8を通して第1ハウジング5内に入ることもなく、ガス検知素子1が点検ガスやその他のガスに対する感度を持つことはない。
【0141】
以上により、点検ガス導入孔4が、ガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替可能な構造としたガスセンサーAを実現できる。
【0142】
なお、この点検ガスの流通阻止手段61を点検ガス導入孔4と第2ハウジング6の内部との圧力差が点検ガスの流通切替閾値以下の場合に点検ガス導入孔4の第2ハウジング6内部側の開口を閉塞するのは、点検ガスの流通阻止手段61の弾性力による閉塞の他、点検ガスの流通阻止手段61と第2ハウジング6間の静電気による吸着力、その他のバネ等の外部の力によるものでも良い。
【0143】
また、供給管点検ガス噴出孔62は、点検ガス導入孔4と密着するように配置されるものとしたが、供給管点検ガス噴出孔62からの点検ガスの噴出により、点検ガス導入孔4の圧力が点検ガスの流通阻止手段61を作動させるに足りる圧力まで上昇するのであれば、密着してなくとも良い。
【0144】
また、点検ガスの流通阻止手段61は、ポリエチレンフィルム等としたが、その他の樹脂、金属、木材、紙、ゴム、化学製品でもよく、また構造は薄膜状のものに限定するものではなく、点検ガス導入孔4を開口と閉塞を切り替えることができれば、厚膜構造や、機械的構造、あるいは図15に示すようなゴムの弾性を用いた構造でもよい。なお、図15に示す流通阻止手段61は小孔61aを有するゴム製の弾性シートで点検ガス導入孔4を覆うと共に弾性シートの外周部を点検ガス導入孔4の外周部に固着したもので、点検ガス導入孔4と第2ハウジング6の内部との圧力差(Pa)が点検ガスの流通切替閾値以下の時には小孔61は図15(a)(b)のように弾性シートの弾性力で閉じており、点検ガスを噴出して点検ガス導入孔4と第2ハウジング6の内部との圧力差(Pa)が点検ガスの流通切替閾値以上となると、図15(c)(d)のように弾性シートが膨らんで小孔61が大きくなって点検ガスが流通するように構成してある。
【0145】
なお、本実施形態においては、点検ガス供給管35は樹脂等で有底筒状に形成されるものとしたが、形成する材質によらず、樹脂、金属、木材、鋳物等またはこれらの複合材、焼結材等の場合でも発現し、形状は、円柱状以外の形状(例えば、箱状)でもよく、点検ガス供給管35の材質は樹脂に制限されず、形状は有底筒状に制限されない。
また、本実施形態においては、点検ガス供給管35は一としたが、複数あっても良い
なお、上記した各実施形態の例では、点検ガス導入孔4の数が1の場合について例示したが、本発明の効果は、点検ガス導入孔4の数が2以上の場合でも発現し、点検ガス導入孔4の数は一に制限されない。
【0146】
また、上記した各実施形態の例では、第1ハウジング5と第2ハウジング6の形状は、有底筒状に形成されたものとして例示したが、本発明の効果は、第1ハウジング5と第2ハウジング6の形状が半球形状、半筒状、方形、円錐形状又は、その他の形状の場合でも発現し、第1ハウジング5または第2ハウジング6の形状は有底筒状に制限されない。
【0147】
また、上記した各実施形態の例では、ガスセンサーAの向きを円盤状のベース2を下、第2ハウジング6を上となる向きに例示したが、本発明の効果はガスセンサーAの向きによらず発現し、例示のガスセンサーAの向きを任意の方向または、任意の角度に傾斜あるいは回転させた向きでも発現できるものであり、したがってガスセンサーAの向きは例示の向きにのみ制限されない。
【0148】
また、第1ハウジング5を金属板で形成し、第2ハウジング6を樹脂等で形成して例示したが、本発明の効果は、第1ハウジング5、第2ハウジング6を形成する材質によらず、樹脂、金属、木材、鋳物等またはこれらの複合材、焼結材等の場合でも発現し、第1ハウジング5、第2ハウジング6の材質は各々金属板、樹脂に制限されない。
【0149】
また、これまで示した実施形態の例では、第1ハウジング5内のガス検知素子1の数が1の場合について例示したが、本発明の効果は、ガス検知素子1の数が2以上の場合も発現し、ガス検知素子1の数は1に制限されない。
【0150】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、内部が中空の第1ハウジングと、この第1ハウジングを覆うように外に被せた第2ハウジングと、第1ハウジングと第2ハウジングとの間に形成された中間室と、第1ハウジング内と中間室との間でガスが流通可能なように第1ハウジングに設けた第1通気孔と、中間室と第2ハウジング外部との間が流通可能なように第2ハウジングに設けた第2通気孔と、第1ハウジング内に設けた検知対象ガス及び点検ガスに感応するガス検知素子と、検知対象ガス以外のガスを吸着するように第2通気孔に設けた吸着層と、第2通気孔とは別に第2ハウジング外部から中間室に点検ガスを注入可能なように第2ハウジングに設けた点検ガス導入孔とを備えたガスセンサーにおいて、点検ガス導入孔が、ガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替可能な構造としたので、従来のように想定する周囲環境に存在するガスの種類が多くなるにつれて膨大となる作業により点検ガス導入孔の最適な孔径や延長を決定することなく、簡単な構成で使用時に周囲環境に存在するガスが第2ハウジング内に流入することを防止できると共に点検時には点検ガスを流通させることができるガスセンサーとすることができる。
【0151】
また、請求項2記載の発明にあっては、内部が中空の第1ハウジングと、この第1ハウジングを覆うように外に被せた第2ハウジングと、第1ハウジングと第2ハウジングとの間に形成された中間室と、第1ハウジング内と中間室との間でガスが流通可能なように第1ハウジングに設けた第1通気孔と、中間室と第2ハウジング外部との間が流通可能なように第2ハウジングに設けた第2通気孔と、第1ハウジング内に設けた検知対象ガス及び点検ガスに感応するガス検知素子と、検知対象ガス以外のガスを吸着するように第2通気孔に設けた吸着層と、第2通気孔とは別に第2ハウジング外部から中間室に点検ガスを注入可能なように第2ハウジングに設けた点検ガス導入孔とを備えたガスセンサーを具備したガス警報器において、前記ガスセンサーの点検ガス導入孔へのガスの流通が可能な状態と点検ガス導入孔へのガスの流通を阻止する状態とを切換可能な流通切換機構を備えているので、従来のように想定する周囲環境に存在するガスの種類が多くなるにつれて膨大となる作業により点検ガス導入孔の最適な孔径や延長を決定することなく、簡単な構成で使用時に周囲環境に存在するガスが第2ハウジング内に流入することを防止できると共に点検時には点検ガスを流通させることができるガス警報器とすることができる。
【0152】
また、本発明の請求項3記載の発明にあっては、点検ガス収納容器に、請求項2記載のガス警報器に設けた流通切換機構を点検ガス導入孔へのガスの流通阻止状態から点検ガス導入孔へのガスの流通が可能な状態に切替え操作するための切替え操作部を備えているので、点検時には点検ガス収納容器に備えた切換操作部を利用して流通切換機構を操作して点検ガス導入孔へのガスの流通を可能して容易に点検ができると共に、点検ガス収納容器を使わない点検時以外の使用状態において、点検ガス以外のガスが、点検ガス導入孔を通して、第2ハウジング内に流入することを防止し、周囲空気中の検知対象以外のガスに対する感度が出ることを防止することができる。
【0153】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項1記載のガスセンサーをガス警報器に搭載したため、想定する周囲環境に存在するガスの種類が多くなるにつれて膨大となる作業により点検ガス導入孔の最適な孔径や延長を決定することなく、第2ハウジング内に流入することを防止したガス警報器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスセンサーの一実施形態を示し、(a)は点検ガス導入孔を閉じた状態の断面図であり、(b)は点検ガス導入孔を開いた状態の断面図である。
【図2】本発明のガスセンサーの他の実施形態を示し、(a)は点検ガス導入孔を閉じた状態の断面図であり、(b)は点検ガス導入孔を開いた状態の断面図である。
【図3】ガスセンサーの更に他の実施形態を示し、(a)は点検ガス導入孔を閉じた状態の断面図であり、(b)は点検ガス導入孔を開いた状態の断面図であり、(c)は同上の一部分解斜視図であり、(d)は斜視図である。
【図4】(a)は図3のX−X線断面図であり、(b)は図3のY−Y線断面図である。
【図5】(a)(b)はそれぞれ同上に用いる切替筒の斜視図である。
【図6】本発明のガスセンサーを備えたガス警報器において流通切換機構を設けた例を示し、(a)は点検ガス導入孔へのガスの流通を阻止した使用状態の断面図であり、(b)は点検ガス導入孔へのガスの流通を可能として点検を行っている状態の断面図である。
【図7】(a)は同上に用いる供給管外筒の斜視図であり、(b)は供給管外筒の断面図であり、(c)は供給管内筒の斜視図である。
【図8】同上のガスセンサーを備えたガス警報器において流通切換機構の流通を切換えて点検ガスを供給するための点検ガス収納容器の斜視図である。
【図9】本発明のガスセンサーを備えたガス警報器において流通切換機構を設けた他例を示す断面図である。
【図10】(a)は同上の点検ガス導入孔へのガスの流通を阻止した使用状態の平断面図であり、(b)は縦断面図である。
【図11】(a)は同上の点検ガス導入孔へのガスの流通を可能にした点検状態の平断面図であり、(b)は縦断面図である。
【図12】同上のガスセンサーを備えたガス警報器において流通切換機構の流通を切換えて点検ガスを供給するための点検ガス収納容器の斜視図である。
【図13】本発明の更に他の実施形態の断面図である。
【図14】(a)は同上の流通阻止手段により点検ガス導入孔を閉じている状態の斜視図であり、(b)は点検ガス導入孔が開いた状態の斜視図である。
【図15】同上の流通阻止手段の他例を示し、(a)(b)は流通阻止手段により点検ガス導入孔を閉じている状態の斜視図及び断面図であり、(c)(d)は点検ガス導入孔が開いた状態の斜視図及び断面図である。
【図16】従来例を示す断面図である。
【図17】他の従来例を示す断面図である。
【図18】更に他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
A ガスセンサー
B ガス警報器
C 流通切換機構
D 点検ガス収納容器
E 切替え操作部
3 吸着層
4 点検用ガス導入孔
5 第1ハウジング
6 第2ハウジング
7 中間室
8 第1通気孔
9 第2通気孔
Claims (4)
- 内部が中空の第1ハウジングと、この第1ハウジングを覆うように外に被せた第2ハウジングと、第1ハウジングと第2ハウジングとの間に形成された中間室と、第1ハウジング内と中間室との間でガスが流通可能なように第1ハウジングに設けた第1通気孔と、中間室と第2ハウジング外部との間が流通可能なように第2ハウジングに設けた第2通気孔と、第1ハウジング内に設けた検知対象ガス及び点検ガスに感応するガス検知素子と、検知対象ガス以外のガスを吸着するように第2通気孔に設けた吸着層と、第2通気孔とは別に第2ハウジング外部から中間室に点検ガスを注入可能なように第2ハウジングに設けた点検ガス導入孔とを備えたガスセンサーにおいて、点検ガス導入孔が、ガスの流通が可能な状態とガスの流通を阻止する状態とを切替可能な構造であることを特徴とするガスセンサー。
- 内部が中空の第1ハウジングと、この第1ハウジングを覆うように外に被せた第2ハウジングと、第1ハウジングと第2ハウジングとの間に形成された中間室と、第1ハウジング内と中間室との間でガスが流通可能なように第1ハウジングに設けた第1通気孔と、中間室と第2ハウジング外部との間が流通可能なように第2ハウジングに設けた第2通気孔と、第1ハウジング内に設けた検知対象ガス及び点検ガスに感応するガス検知素子と、検知対象ガス以外のガスを吸着するように第2通気孔に設けた吸着層と、第2通気孔とは別に第2ハウジング外部から中間室に点検ガスを注入可能なように第2ハウジングに設けた点検ガス導入孔とを備えたガスセンサーを具備したガス警報器において、前記ガスセンサーの点検ガス導入孔へのガスの流通が可能な状態と点検ガス導入孔へのガスの流通を阻止する状態とを切換可能な流通切換機構を備えていることを特徴とするガス警報器。
- 請求項2記載のガス警報器に設けた流通切換機構を点検ガス導入孔へのガスの流通阻止状態から点検ガス導入孔へのガスの流通が可能な状態に切替え操作するための切替え操作部を備えているガスセンサー点検のための点検ガス収納容器。
- 請求項1のガスセンサーを搭載したガス警報器。
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