JPH09113475A - 可燃性ガスセンサの感度低下防止剤 - Google Patents

可燃性ガスセンサの感度低下防止剤

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JPH09113475A
JPH09113475A JP7297390A JP29739095A JPH09113475A JP H09113475 A JPH09113475 A JP H09113475A JP 7297390 A JP7297390 A JP 7297390A JP 29739095 A JP29739095 A JP 29739095A JP H09113475 A JPH09113475 A JP H09113475A
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JP
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sensitivity
gas sensor
gas
combustible
inorganic porous
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JP7297390A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Tajima
康宏 田島
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Kuraray Chemical Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】無機多孔性物質に白金及び/またはパラジウム
の化合物を金属換算で0.01〜10.0重量%担持せしめてな
る可燃性ガスセンサの感度低下防止剤である。ここで、
無機多孔性物質の粒子径は0.1 〜2.0 mmであることが好
ましく、無機多孔性物質の表面は疎水性及び酸性が付与
されていることが好ましい。更に、無機多孔性物質とし
てはシリカがより好ましい。更に、前記の可燃性ガスセ
ンサの感度低下防止剤をガスセンサ近傍に、センサとは
接触しない状態で配置することを特徴とするガスセンサ
の感度低下防止方法も本発明に含まれている。 【効果】本発明の可燃性ガス感度低下防止剤は無機多孔
性物質の吸着性と、白金またはパラジウム化合物の酸化
触媒性との相乗作用によって、可燃性ガスセンサの誤作
動の原因となる大気中に含まれる微量の水素、一酸化炭
素、アルコール等のガスを殆ど除去する作用が高く、常
温または低温でもその効果が優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可燃性ガスセンサの
感度低下防止剤に関するものである。更に詳しく述べる
と大気中に存在する微量の水素、一酸化炭素及びアルコ
ールを除去する機能を有するもので、主に炭化水素系可
燃性ガスセンサのこれらのガスによって生じる誤作動を
防止するため、センサに組み込んで使用する感度低下防
止剤である。
【0002】
【従来の技術】ガスセンサは一般に検出の対象となるガ
スとの接触によって生じるさまざまな現象を利用して測
定され、それぞれの特徴を生かした分野で使用されてい
る。しかし、他のガス状化合物が存在すると対象となる
ガスの検出が妨害される場合がある。一般の生活空間に
は多数の種類のガスが含まれており、これらの中にはセ
ンサが検出対象としているガスと同様な挙動をするもの
があって、誤動作の原因となる場合がある。
【0003】例えば、通常使用されている炭化水素系可
燃性ガスの検出に用いる半導体ガスセンサは水素、一酸
化炭素及びアルコール蒸気等が存在すると、これらのガ
スも炭化水素と同様な挙動をするため、可燃性ガスの検
出が妨害される欠点がある。この様な場合、センサの酸
化スズ半導体等に直接貴金属を添加することによって、
誤操作を防止することが知られている〔「触媒」誌 Vo
l.36 No.4 p.283 (1994) 〕。
【0004】この貴金属添加の本来の目的は、ある種の
炭化水素系可燃性ガスに対する感度を上げることである
が、同時に貴金属の種類や添加量を選択することによ
り、アルコール蒸気等に対する感度を下げることもでき
るからである。しかし、半導体酸化物に直接貴金属を担
持させると、金属酸化物の半導体特性が複雑に変化する
ことがあるため、水素、一酸化炭素及びアルコールの感
度のみを適度に抑制した半導体を得ることは困難であ
る。
【0005】その他特開平 5-87758号公報には、金属酸
化物半導体の外周部にタングステン酸化物を担持した吸
着剤等を配置することによって、アルコールを分解する
例が開示されている。しかし、この分子内脱水反応は30
0 ℃以上の高温にならないと起きない点に問題がある。
また、特開平 1-270655 号公報にはアルコール専用のガ
スセンサを別に設け、アルコール濃度を常時自動補正し
て対象となるガスの検出には影響を与えない様にする工
夫がなされている。
【0006】一方、炭化水素系可燃性ガスの検出を妨害
するこれらのガスが、半導体センサの機能に影響しない
様にするため、これらのガスの除去剤を半導体センサの
近傍に組み込む方法が知られている。この様な目的に
は、一般にシリカまたはアルミナ等が担体としてよく使
用される。シリカ及びアルミナは極性吸着剤として優れ
た性質を有し、或る種のガス状物質に対しては高い吸着
性を示す。しかし、通常のシリカまたはアルミナでは水
素、一酸化炭素及びアルコールを完全に除去することは
困難で、同時に大気中の水分を吸着するため、これらの
ガスの除去機能が更に低下する問題点もある。
【0007】更にこれらの吸着剤の表面は高い酸性でな
いため、空気中に少量存在する二酸化炭素ガスを吸着す
る性質もある。特開平 3-143427 号公報には呼気中のア
セトン、アルコールを除去する手段としてガスセンサの
上流側に吸着剤を設けることが示されており、アルコー
ル成分はシリカゲル、活性炭、活性アルミナ等の吸着剤
で除去する旨記載されている。また、特開平 7-55747号
公報にもアルコールを活性炭等の吸着剤で除去する例が
開示されているが、この場合にも本質的には上記と同じ
問題点を抱えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】炭化水素系可燃性ガス
を半導体センサによって検出する場合、大気中に微量含
まれている水素、一酸化炭素及びアルコール等のガス状
化合物が、炭化水素と同様な挙動をするため、誤作動の
原因となっている。本発明はこの誤作動を防止するため
半導体ガスセンサと組み合わせて使用することができ、
常温においてもこれらのガスの高い吸着・除去性能を有
すると共に、水分及び二酸化炭素存在下においても、除
去機能が低下しないガスセンサ感度低下防止剤を提供し
ようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題点
を考慮し、水素、一酸化炭素及びアルコールの除去機能
に優れ、特に常温においてもこれらのガスの除去効果を
十分発揮できる新たな除去剤を求めて種々研究を行っ
た。その結果、無機多孔性物質に白金及び/またはパラ
ジウムの化合物を担持させた吸着剤が、この目的に適し
ていることが分かった。担体の無機多孔性物質はこれら
のガスを吸着し、白金及び/またはパラジウムの化合物
が、常温においても吸着したガスを効果的に酸化・除去
することを見出した。
【0010】更に、無機多孔性物質の表面を疎水性にす
る処理によって、水分存在下においても吸着性が影響を
受けないとの知見を得た。また、担体表面に酸性染料を
担持することにより、二酸化炭素吸着能が抑制されるこ
とを見出し、これらの吸着剤を可燃性ガスセンサの感度
低下防止剤に適用することによって、これらのガスの優
れた除去効果が得られることを知った。これらの知見に
基づいて本発明に到達した。
【0011】すなわち、無機多孔性物質に白金及び/ま
たはパラジウムの化合物を金属換算で0.01〜10.0重量%
(以下、金属換算重量%を単に%という)担持せしめて
なる可燃性ガスセンサの感度低下防止剤である。ここ
で、無機多孔性物質の粒子径は0.1 〜2.0 mmであること
が好ましく、無機多孔性物質の表面は疎水性及び酸性が
付与されていることが好ましい。更に、無機多孔性物質
としてはシリカがより好ましい。
【0012】更に、前記の可燃性ガスセンサの感度低下
防止剤をガスセンサ近傍に、センサとは接触しない状態
で配置することを特徴とするガスセンサの感度低下防止
方法も本発明に含まれている。以下、本発明について詳
しく説明する。
【0013】本発明に使用される可燃性ガスセンサ感度
低下防止剤は、白金及び/またはパラジウムの化合物を
担体である無機多孔性物質に担持させたものである。
【0014】白金またはパラジウムの化合物は特に限定
せず、広範囲の化合物が使用可能であるが、白金化合物
では白金アンミン錯体及び塩化白金酸、パラジウム化合
物ではパラジウムアンミン錯体及び塩化パラジウム等が
好ましい。これらの金属化合物は元来酸化触媒として優
れた機能を持っているが、無機多孔性物質に担持された
場合、多孔性物質の吸着作用とこれらの金属化合物の触
媒作用との相乗効果によって水素、一酸化炭素及びアル
コールを酸化・除去する作用が一層高められる。
【0015】白金及び/またはパラジウムの化合物の無
機多孔性物質への担持量は0.01〜10.0%である必要があ
る。また、好ましくは0.05〜 5.0%である。担持量が0.
01%より少ないと触媒作用の効果が乏しく、また、担持
量が10.0パーセントを超えるとその効果の上昇が抑制さ
れる傾向が認められるからである。更にこれらの金属化
合物が極めて高価であることを考慮すれば、担持量が1
0.0%を超えて使用するに足る効果は見出せない。
【0016】本発明に使用される無機多孔性物質は特に
限定せず、これらの金属化合物を変質させず難燃性また
は不燃性で、比表面積が大きく高い吸着性を有する材質
であれば広く使用できる。例えば、シリカ、活性アルミ
ナ或いは多孔性セラミックス等である。
【0017】本発明に使用されるシリカは、ケイ酸コロ
イド溶液を凝固させる等の方法で得られた吸着剤であ
る。主成分は二酸化ケイ素で細孔構造を有し、90〜500
m2/gの比表面積を有し高い吸着性を示す。粒度はガスセ
ンサ近傍部分への充填性、ガスとの接触性及び圧損失の
観点から、粒子径は0.1 mm以上、 2mm以下が好ましく、
粒子の形状は球形が好ましい。細孔容積は特に限定しな
いが、白金化合物等の吸着量の関係から 0.3 ml/g 以上
であることが好ましい。
【0018】本発明に使用される活性アルミナは酸化ア
ルミニウムを主成分としたもので、多孔構造を有し高い
吸着性を示す。粒子径はガスセンサ部分への充填性、ガ
スとの接触性及び圧損失の観点から0.1 mm以上、2mm 以
下が好ましく、粒子の形状は球形が好ましい。細孔容積
は特に限定しないが、白金化合物等の吸着量の関係から
0.3 ml/g 以上であることが好ましい。
【0019】これらの無機多孔性物質は大きな比表面積
を有することから分かる様に、外部から観察できる表面
のみならず、物質の内部もミクロ孔、メゾ孔またはクラ
ックで満たされ、ファンデルワールス力に基づく高い吸
着性を示す。これらの無機多孔性物質の中では、シリカ
は比較的熱安定性に優れている点で担体として最も好ま
しい。尚、これらの多孔性物質は一般に市販されている
ものを用いることも可能である。
【0020】本発明の感度低下防止剤で除去の対象とな
るガスとしては、水素、一酸化炭素及びアルコール蒸気
である。ここでアルコールとは、主として低級脂肪族ア
ルコールであり、例えば、メタノール、エタノール、プ
ロピルアルコール及びイソプロピルアルコール等であ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に使用される白金化合物等
を担持した無機多孔性物質は、例えばこれらの金属化合
物をイオン交換法或いは含浸法等の常法によって無機多
孔性物質に担持させた後、300 ℃以上の温度で焼成して
調製される。
【0022】本発明の感度低下防止剤はガスセンサ等の
誤作動を防止するために、大気中に含まれる水素、一酸
化炭素及びアルコール蒸気を除去するために用いられる
が、この際大気中の水分の影響を最小限に抑制するため
には、感度低下防止剤の表面を疎水性にすることが好ま
しい。疎水性は多孔性物質の表面に結合しているOH基を
除去ことにより付与することができる。多孔性物質がシ
リカ、活性アルミナ等の場合には300 ℃以上の高温で焼
成することによって、固体表面に結合していたOH基が除
去され疎水性が付与される。
【0023】また、本発明の感度低下防止剤は空気中の
二酸化炭素の吸着によって感度低下防止剤の機能が減少
することを抑制するため、その表面を酸性に改質するこ
とが好ましい。表面を酸性に改質する方法の一つとし
て、酸性染料を担持する方法を用いることができる。こ
こで酸性染料とは、分子構造中にカルボン酸基やスルホ
ン酸基を含み酸性を有する染料を意味し、必ずしも染料
の慣用分類である酸性染料には制約されない。染料とし
ては市販品が使用できる。尚、元来表面が充分な酸性を
有する無機多孔性物質の場合はそのまま使用できる。
【0024】本発明の感度低下防止剤は前述の様に表面
を疎水性とした無機多孔性物質に、酸性染料を担持させ
る等の処理により表面を酸性に改質した後、白金及び/
またはパラジウムの化合物をイオン交換法または含浸法
等の常法によって担持させた後、適当な温度で乾燥処理
することによって調製される。また、担持形態としては
担体の外表面にコーティングする様に担持した、いわゆ
るエッグシェル型、または担体の内部にも均一に担持す
るユニフォーム型等の状態として使用することができ
る。
【0025】本発明の感度低下防止剤で多孔性物質の表
面が疎水性且つ酸性としたものは、水分及び二酸化炭素
が含まれている雰囲気においても、センサに悪影響を与
える水素、一酸化炭素及びアルコールを除去する作用が
優れている。これらのガスは無機多孔性物質が本来持っ
ている吸着作用と、白金及び/またはパラジウムの化合
物が有する酸化触媒作用との相乗効果によって、ガスの
濃度が極めて低く且つ常温或いは低温の雰囲気において
も殆ど除去される。これが本発明の可燃性ガスセンサの
感度低下防止剤の最も大きな特徴である。
【0026】本発明の感度低下防止剤は、可燃性ガスセ
ンサのプレフィルターとして用いることができる。この
際センサ付近の適当な場所にケージ状の容器を設け、そ
こに粒子径 0.1mm以上、 2mm以下の球状の感度低下防止
剤を充填すること等によって使用することができる。ま
た、本発明のセンサの感度低下防止剤として容器の形に
適合した無機多孔性物質からなるハニカム状成型体に、
前述の疎水性処理を行った後、白金化合物等を担持させ
て調製した感度低下防止剤を用いることもできる。
【0027】本発明の感度低下防止剤はセンサの損傷を
防止するため、直接センサの素子と接触しない様に設置
する必要がある。通常可燃性ガスセンサの素子としては
酸化錫半導体が使用されているが、本発明の多孔性物質
には白金またはパラジウム化合物が担持されているた
め、これらの金属原子が直接半導体に接触すると、半導
体の特性が変化して可燃性ガスの検出の際、誤作動の原
因となるおそれがあるためである。
【0028】本発明において、シリカ等の無機多孔性物
質に疎水性処理及び酸性化処理を施した、感度低下防止
剤の水素、一酸化炭素及びアルコールの除去性能は、多
孔性物質に白金化合物等を担持させず、または疎水性処
理を行わず、或いは酸性化処理をせずに使用した場合に
比べて、実施例1、2、3と比較例1、実施例4、5の
比較より明らかな様に遙かに優れている。また無機多孔
性物質に疎水性処理をした場合は、しない場合と較べ
て、実施例1と実施例4に示す様に相対湿度を一定に保
持する作用があり、また、酸性化処理を行った場合は、
行わない場合に較べて、実施例1と実施例5に示す様
に、二酸化炭素の吸着性を著しく低下させる作用が認め
られる。尚、ここでセンサ感度比とはこれらのガスが除
去される度合を示す指標で、測定法の詳細については実
施例で述べる。
【0029】また、シリカの粒子径が小さい場合は実施
例1と実施例6の比較から分かる様に、圧力損失が高く
なりこれらのガスの除去率が低下する。一方、粒子径が
大きい場合も実施例1と実施例7の比較から分かる様
に、ガスの接触面積が低下するためこれらのガスの除去
率が低下している。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0031】(実施例1)無機多孔性物質として粒子径
0.3 〜0.5 mmφの球状シリカ〔水澤化学工業(株)製、
商品名「シルビード」〕を使用した。このシリカ粒子を
800 ℃で4時間焼成し、シリカ表面のOH基を減少させて
疎水性にした後、酸性染料アリザリンスルホン酸ナトリ
ウム(アリザリンレッド S)の水溶液に浸漬して、染料
を担体の1重量%担持させて100 ℃で乾燥した。これに
白金アンミン錯体及びパラジウムアンミン錯体をPt 0.5
%、Pd 1.0%となる様にイオン交換法によって担持さ
せ、350 ℃で4時間焼成して白金及びパラジウム担持シ
リカを調製した。
【0032】市販の可燃性ガスセンサに図1に示す様に
ケージを取り付け、得られた白金及びパラジウム担持シ
リカ1.5 mlをケージの中に充填し、センサと接触しない
様にセンサ上部に取り付けた。このセンサを1m3のボッ
クス中に設置し、水素10ppm、一酸化炭素10ppm 及びエ
タノール10ppm 、二酸化炭素1000ppm を含む相対湿度60
%のガスをボックスの内部に充満させ、室温(25℃)で
センサの感度変化を測定した。
【0033】センサの感度低下防止剤の性状を表1に、
センサ感度比及び相対湿度の測定結果を表2に示す。表
2に示す様に、相対湿度及び二酸化炭素濃度を殆ど低下
させずに、水素、一酸化炭素及びエタノールは効果的に
除去されていた。ここで、センサ感度比とはこれらのガ
スが除去される度合を示す指標で、空気中におけるセン
サ素子の抵抗値に対する測定ガスの抵抗値の比率を示し
たものである。従って、感度比が1に近い程そのガスの
除去比率が高く、0に近い程除去率が低い。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】(実施例2)実施例1と同様のシリカ粒子
を使用し、疎水性処理をするときの焼成温度を500 ℃と
した他は実施例1と同様にして感度低下防止剤を調製し
た。
【0037】実施例1と同様な装置で同様な組成のガス
でテストした結果、湿度及び二酸化炭素濃度を殆ど低下
させずに、水素、一酸化炭素及びエタノールは効果的に
除去されていた。
【0038】(実施例3)実施例1と同様のシリカ粒子
を使用し、疎水性処理をするときの焼成温度を300 ℃と
した他は実施例1と同様に感度低下防止剤を調製した。
【0039】実施例1と同様な装置で同様な組成のガス
でテストした結果、湿度及び二酸化炭素濃度を殆ど低下
させずに、水素、一酸化炭素及びエタノールは効果的に
除去されていた。
【0040】(比較例1)実施例1と同様のシリカ粒子
を使用し、疎水性処理後酸性染料のみ担持させ、金属化
合物を担持させないで可燃性ガスセンサの感度低下防止
剤を調製した。
【0041】実施例1と同様な装置で同様な組成のガス
でテストした結果、金属化合物が含まれている実施例1
〜3と比較して、水素、一酸化炭素及びエタノールの除
去率が大幅に低下していた。この感度低下防止剤には酸
化触媒性を有する白金及びパラジウム化合物が含まれて
いないためと考えられる。
【0042】(実施例4)実施例1と同様のシリカ粒子
を使用し疎水性処理をしないで、酸性染料及び金属化合
物を実施例1と同様に担持させた感度低下防止剤を調製
した。
【0043】実施例1と同様な装置で同様な組成のガス
でテストした結果、水素、一酸化炭素及びエタノールは
除去されており、二酸化炭素濃度も殆ど変化しなかった
が、相対湿度は大幅に低下した。相対湿度が低下したの
はシリカ粒子に疎水性処理をしていないため表面の親水
性が高く、空気中の水分を多量に吸着したためと考えら
れる。
【0044】(実施例5)実施例1と同様のシリカ粒子
を使用し疎水性処理後、酸性染料を担持させずに金属化
合物を実施例1と同様に担持させた感度低下防止剤を調
製した。
【0045】実施例1と同様な装置で同様な組成のガス
でテストした。その結果、水素、一酸化炭素及びエタノ
ールは除去されたが、吸着を抑制することが好ましい二
酸化炭素除去率も上昇した。また、相対湿度の変化は殆
ど認められなかった。粒子表面が酸性となっている実施
例1〜3と比較して、二酸化炭素ガス除去率が大幅に上
昇したのは、シリカ粒子表面が中性のため多量の二酸化
炭素ガスが吸着されたためと考えられる。
【0046】(実施例6)無機多孔性物質として粒子径
0.05mm以下の粉末状シリカを使用した他は、実施例1と
同様にして感度低下防止剤を調製した。
【0047】実施例1と同様な装置で同様な組成のガス
でテストした結果、水素、一酸化炭素及びエタノールの
除去率はやや低下し、二酸化炭素及び相対湿度はほとん
ど変化がなかった。水素及び一酸化炭素等の除去率がや
や低下したのは粒径が小さ過ぎたためガスの接触効率が
低下したためと考えられる。
【0048】(実施例7)無機多孔性物質として粒子径
3.0 mm以上のシリカ粒子を使用した他は、実施例1と同
様にして感度低下防止剤を調製した。
【0049】実施例1と同様な装置で、同様な組成のガ
スでテストした結果、二酸化炭素及び相対湿度にはほと
んど変化がなかったが、水素及び一酸化炭素等の除去率
がやや低下した。これは粒径が大きく粒子間の隙間が大
きいため、ガスの接触面積が低下したためと考えられる
【0050】(実施例8)無機多孔性物質として粒子径
が0.4 〜0.6mm φの球状活性アルミナ〔水澤化学工業
(株)製、商品名「ネオビード」〕を使用した。この活
性アルミナ粒子を700 ℃で4時間焼成し、粒子表面に結
合しているOH基を減少させて疎水性とした後、塩化パラ
ジウムを1.0 %となる様に含浸によって担持させ、350
℃で4時間焼成してパラジウム担持活性アルミナを調製
した。この活性アルミナは表面が既に酸性なので、酸性
化処理はそれ以上必要なかった。
【0051】実施例1と同様な装置で、同様な組成のガ
スでテストした結果、湿度及び二酸化炭素濃度を殆ど低
下させずに、水素、一酸化炭素及びエタノールは効果的
に除去されていた。
【0052】(実施例9)実施例1と同様のシリカ粒子
を使用し、白金化合物の担持量を9%とした他は実施例
1と同様にして感度低下防止剤を調製した。
【0053】実施例1と同様な装置で同様な組成のガス
でテストした結果、湿度及び二酸化炭素濃度は殆ど低下
させずに水素、一酸化炭素及びエタノールは効果的に除
去することができた。
【0054】(比較例2)実施例1と同様のシリカ粒子
を使用し、白金化合物の担持量を12%とした他は実施例
1と同様にして感度低下防止剤を調製した。
【0055】実施例1と同様な装置で同様な組成のガス
でテストした結果、湿度及び二酸化炭素濃度は殆ど低下
させずに水素、一酸化炭素及びエタノールを除去するこ
とができたが、実施例9と比較して白金化合物担持量を
増加した効果は殆ど認められなかった。
【0056】(比較例3)比較のためケージ内に何も入
れない状態でのセンサ感度を実施例1と同様な装置で、
同様な組成のガスで測定した。
【0057】以上、実施例1〜9及び比較例1〜3で使
用した可燃性ガスセンサ感度低下防止剤の性状を表1
に、これらの感度低下防止剤を可燃性ガスセンサ近傍に
設置して水素、一酸化炭素、エタノール及び二酸化炭素
に対する感度変化、及び相対湿度をまとめて表2に示し
た。
【0058】(実施例10)図1に本発明の感度低下防止
剤を組み込んだ可燃性ガスセンサの一態様の斜視図を示
す。可燃性ガスセンサ本体1はセンサキャップ3、可燃
性ガス感度低下防止剤保持用金網ケージ4及び可燃性ガ
スセンサ素子6よりなり、センサキャップ3には大気が
内部に流入する通気口2が設けられ、可燃性ガス感度低
下防止剤保持用金網ケージ4の内部には可燃性ガス感度
低下防止剤5の粒子が充填されている。
【0059】大気は通気口から流入し、可燃性ガス感度
低下防止剤保持用金網ケージを通過する間に、その内部
に充填された可燃性ガス感度低下防止剤の粒子と接触し
て水素、一酸化炭素、アルコールが吸着除去された後、
可燃性ガスセンサ素子6と接触することによって誤差を
含まない大気中に含まれた炭化水素系可燃性ガス濃度が
検出される。
【0060】
【発明の効果】本発明の可燃性ガス感度低下防止剤は無
機多孔性物質の吸着性と、白金またはパラジウム化合物
の酸化触媒性との相乗作用によって、可燃性ガスセンサ
の誤作動の原因となる大気中に含まれる微量の水素、一
酸化炭素、アルコール等のガスを殆ど除去する作用があ
る。このため感度低下防止剤をプレフィルターとして使
用することにより誤作動防止効果が高く、常温または低
温においてもその効果が優れている。
【図面の簡単な説明】
【第1図】可燃性ガスセンサに本発明の可燃性ガス感度
低下防止剤をプレフィルターとして組み込んだ場合の斜
視図を示す。
【符号の説明】
1 可燃性ガスセンサ本体 2 通気口 3 センサキャップ 4 可燃性ガス感度低下防止剤保持用金網ケージ 5 可燃性ガス感度低下防止剤 6 可燃性ガスセンサ素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機多孔性物質に白金及び/またはパラ
    ジウムの化合物を、金属換算で0.01〜10.0重量%担持せ
    しめてなる可燃性ガスセンサの感度低下防止剤。
  2. 【請求項2】 無機多孔性物質の粒子径が0.1 〜2.0 mm
    である請求項1記載の可燃性ガスセンサの感度低下防止
    剤。
  3. 【請求項3】 無機多孔性物質を300 ℃以上の温度で焼
    成することにより表面に疎水性を付与した後、白金及び
    /またはパラジウムの化合物を金属換算で0.01〜10.0重
    量%担持せしめてなる、可燃性ガスセンサの感度低下防
    止剤。
  4. 【請求項4】 無機多孔性物質に酸性染料を担持せしめ
    た後、白金及び/またはパラジウムの化合物を金属換算
    で0.01〜10.0重量%担持せしめてなる、可燃性ガスセン
    サの感度低下防止剤。
  5. 【請求項5】 無機多孔性物質がシリカである請求項
    1、2、3及び4記載の可燃性ガスセンサの感度低下防
    止剤。
  6. 【請求項6】 無機多孔性物質を要すれば高温で焼成
    し、酸性染料を担持せしめた後、白金及び/またはパラ
    ジウムの化合物を金属換算で0.01〜10.0重量%担持せし
    めてなる可燃性ガスセンサの感度低下防止剤を、可燃性
    ガスセンサ近傍に、センサとは接触しない状態で配置す
    ることを特徴とする可燃性ガスセンサの感度低下防止方
    法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2765680A1 (fr) * 1997-07-07 1999-01-08 Motorola Semiconducteurs Boitier de capteur et capteur mis sous boitier
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