JP6303211B2 - ガス検知器 - Google Patents

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Description

本発明は、被検知ガスと接触するガス感応部を有するガス検知素子を備えたガス検知器に関する。
特許文献1には、活性炭やゼオライトあるいはシリカゲル、プラスチック系の気体選択性透過膜等を用いた吸着フィルタを配設して、水蒸気やエタノール、トリクレン等の雑ガスを吸収し、ガス検知素子に対する雑ガスの影響を和らげることができるガスセンサが開示されている。
特許文献2には、被検知ガスの妨害成分を除去する除去手段とガス感応部との間に妨害成分流入制限手段を設けたガスセンサが開示されている。当該妨害成分流入制限手段により、雰囲気の変化によって除去手段から妨害成分が吸放出されたときの影響を緩和することができ、雰囲気状態変化時のガスセンサの誤動作を防止することができる。具体的には、妨害成分流入制限手段は、ピンホールを設けた流入制限板の態様が開示されており、当該流入制限板は除去手段とガス感応部との間に固定手段によって筐体に固定されている。
特開2003−156463号公報 特開平10−197470号公報
近年、例えば建築材料として、シリコーンパテ、シリコーンゴム、シリコーンオイル等のシリコーン材料が多用されるようになってきている。このようなシリコーン材料には、低重合度で比較的揮発性の高い有機シリコーンが含有されている。当該有機シリコーンガスがガス検知素子に付着した場合、ガス検知素子の検知感度が低下したり、選択的に検出すべきガス以外のガスに対してガス検知感度が上昇して、誤作動したりしやすくなることがあった。これは、被検知ガス中に含まれる有機シリコーンガスがガス検知素子にまで達し、ガス検知素子に有機シリコーンガス又はその分解物等のシリコーン成分が付着することで、ガス検知素子のガス検知特性を変化させるものと考えられる。
そのため、例えば可燃性ガスセンサにおいては、特許文献1のように吸着剤として活性炭を用いた吸着フィルタを配置して当該吸着フィルタによってシリコーンガスを吸着させ、シリコーンガスがガス検知素子の表面に到達するのを防止していた。
吸着フィルタを装着した可燃性ガスセンサを台所などの室内に設置した場合、当該吸着フィルタが室内に浮遊するアルコールやトルエンなどの様々な有機ガスを吸着してしまう。そのため、該吸着フィルタの吸着能力が早期に低下し易くなり、シリコーンガスを吸着する能力が低下する問題があった。
また、シリコーンガスに対する可燃性ガスセンサの耐久性を向上させる為に、吸着フィルタに導入する吸着剤の量を大幅に増量させた場合や、ガス導入口の面積を小さくした場合は、シリコーンガス耐久性が向上する一方で、被検知ガスに対する応答性が著しく低下してしまう。
また、ガス導入口の面積を小さくした場合では、有機ガスが存在する家庭台所において、特に低温低湿期間中に有機ガスが吸着剤に多量に吸着されて可燃性ガスセンサのハウジング内に保持され易い。このような状況のときに高温高湿環境になると、吸着剤の温度上昇によって吸着剤から離脱した離脱ガスがガス検知素子の側へ移動し、被検知ガスが存在しないにもかかわらず、当該離脱ガスを検知してしまう虞があった。
このような誤検知を防止するため、特許文献2に記載されたガスセンサでは妨害成分流入制限手段(ピンホールを設けた流入制限板)を設けて、妨害成分である例えば有機ガスがガス検知素子の側へ移動するのを防止していた。この流入制限板は、固定手段によって筐体に固定されているが、流入制限板の周囲と筐体との間に隙間が存在すれば、当該隙間から容易に有機ガスがガス検知素子の側へ移動する虞があった。この場合、流入制限板の周囲と筐体との間の隙間を無くすために流入制限板の周囲を接着剤などで封止することが考えられるが、このような手法では、ガスセンサの生産効率が低下し、かつコストが嵩むという問題点があった。
従って、本発明の目的は、種々の有機ガスの影響を受け難く、被検知ガスの応答性に優れ、かつ生産性に優れたガス検知器を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るガス検知器は、被検知ガスと接触するガス感応部を有するガス検知素子を備えたガス検知器であって、その第一特徴構成は、前記ガス検知素子を収容する二重の筐体を備え、前記二重の筐体における外側の外側筐体は、被検知ガスを導入するガス導入口および有機ガスを吸収する第一吸着部を備え、前記二重の筐体における内側の内側筐体は、前記ガス導入口より開口面積が小さい制限通気口および有機ガスを吸収する第二吸着部を備え、前記制限通気口は前記第一吸着部および前記第二吸着部の間に配設した点にある。
本構成によれば、複数の吸着部(第一吸着部,第二吸着部)および制限通気口を備えるため、上流の第一吸着部を有機ガスが通過した場合でも、開口面積が小さい制限通気口によってガス検知素子への有機ガスの流入が低減され、さらに下流の第二吸着部によって有機ガスが吸着されるため、ガス検知素子に到達する有機ガスが極めて少なくなる。そのため、本発明のガス検知器では、種々の有機ガスの影響を受け難くなり、有機ガスの耐久性を向上させることができる。
また、後述の実施例2で説明するように、複数の吸着部を備えた本発明のガス検知器と、当該複数の吸着部の吸着剤の総量と同量の吸着剤を備えた従来のガス検知器とにおいて、ガス応答性を比較したところ、本発明のガス検知器では、ガス導入口の面積が十分に広く、かつ制限通気口を介した下流の第二吸着部の量を少量とすることができるため、応答性は従来のガス検知器に比べて速くなった。従って、本発明のガス検知器は、被検知ガスの応答性に優れたものと認めることができる。
また、制限通気口の開口面積は、ガス導入口の開口面積より小さく設定してあるため、吸着剤の温度上昇によって吸着剤から離脱した離脱ガスは、ガス検知素子の側より開口面積の大きいガス導入口を介して筐体の外部へ移動し易くなる。そのため、被検知ガスが存在しないにもかかわらず、ガス検知素子が当該離脱ガスを検知してしまうのを未然に防止することができる。
また、本発明のガス検知器では、ガス検知器を収容する筐体を二重筐体構造としている。そのため、ガス検知器を組み立てる際には、外側筐体および内側筐体を組み付けるだけで、第一吸着部および第二吸着部を収容するそれぞれの空間を容易に形成することができるため、ガス検知器の生産効率は向上する。
本構成では、外側筐体に流入した有機ガスは、内側筐体に形成した制限通気口のみから内側筐体に流入することができる。従って、本構成では、特許文献2に記載のガスセンサのように、流入制限板の周囲と筐体との間に隙間が存在して、当該隙間から容易に有機ガスがガス検知素子の側へ移動することは無い。そのため、本構成では特許文献2に記載のガスセンサのように、流入制限板の周囲と筐体との間の隙間を無くすために使用していた接着剤を使用する必要が無いため、コストを抑制することができる。
よって、本発明のガス検知器は、生産効率およびコスト抑制を達成することができるため、生産性に優れている。
本発明に係るガス検知器の第二特徴構成は、前記制限通気口と前記第一吸着部との間に、空隙部を設けた点にある。
本構成によれば、当該第一吸着部を通過した有機ガスが空隙部によって希釈され、その下流の制限通気口へ流入する有機ガス濃度をさらに低減することができるため、有機ガスの影響をより受け難くなり、有機ガスの耐久性をさらに向上させることができる。
本発明に係るガス検知器の第三特徴構成は、前記制限通気口の開口面積を、前記ガス導入口の開口面積の5〜33%とした点にある。
本構成によれば、開口率が5%以上の場合に優れた応答性を示し(後述の実施例4)、開口率が33%以下の場合に初期警報設定濃度の1/3以上を有して良好な応答性を有する(後述の実施例3)。
本発明に係るガス検知器の第四特徴構成は、前記空隙部の容積を、前記ガス検知器の筐体の容積の9〜26%とした点にある。
本構成によれば、容積率が9%以上では、初期警報設定濃度の2/3(2000ppm)以上を維持するため、有機ガス耐久性が向上するものと認められ(後述の実施例5)、容積率が26%以下では、90%応答に要する時間を45秒以下とすることができるため、優れたガス応答性を有するものと認められる(後述の実施例6)。
本発明に係るガス検知器の第五特徴構成は、前記第二吸着部の重量を前記第一吸着部の重量より少なくした点にある。
本構成によれば、制限通気口による有機ガスの流入低減効果により、制限通気口の下流に位置する第二吸着部の有機ガス吸着の負担が軽減できるため、当該第二吸着部の吸着剤の重量を適宜減量することができる。特に吸着剤として高価な貴金属等(Pt、Pd)を使用している場合は、その使用量を削減できるため、より低コストでのガスセンサ製造が可能となる。
本発明に係るガス検知器の第六特徴構成は、前記第一吸着部を活性炭とし、前記第二吸着部を活性炭およびシリカアルミナとした点にある。
本構成によれば、後述の実施例1で説明するように、被検知ガスの検知感度の低下を最も効果的に抑制することができるものと認められている。
ガス検知素子を示す概略図である。 ブリッジ回路の概略図である。 本発明例のガス検知器の概略図である。 空隙部を設けた本発明例のガス検知器の概略図である。 比較例1〜3のガス検知器の概略図である。 比較例4〜7のガス検知器の概略図である。 実施例1(有機ガス耐久性)の結果を示したグラフである。 実施例3(有機ガス耐久性と制限通気口の開口率との関係)の結果を示したグラフである。 実施例4(ガス応答性と制限通気口の開口率との関係)の結果を示したグラフである。 実施例5(有機ガス耐久性と空隙部の容積率との関係)の結果を示したグラフである。 実施例6(被検知ガスに対する応答性と空隙部の容積率との関係)の結果を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3に示したように本発明のガス検知器Xは、被検知ガスと接触するガス感応部12を有するガス検知素子10を備える。当該ガス検知素子10は、二重の筐体51,52に収容されており、二重の筐体51,52における外側の外側筐体51は、被検知ガスを導入するガス導入口20および有機ガスを吸収する第一吸着部31を備え、二重の筐体51,52における内側の内側筐体52は、ガス導入口20より開口面積が小さい制限通気口40および有機ガスを吸収する第二吸着部32を備えている。当該制限通気口40は、第一吸着部31および第二吸着部32の間に配設してある。
本実施形態では、吸着部30として二つの吸着部(第一吸着部31,第二吸着部32)を備えた場合について説明するが、このような態様に限定されず、三つ以上の吸着部を備えてもよい。また、それぞれの吸着部31,32を単一の材料で形成してもよいし、複数の異なる材料を組み合わせて一つの吸着部を形成してもよい。
本実施形態では、ガス検知素子10として熱線型半導体式ガス検知素子を例示するが、これに限られるものではない。その他のガス検知素子として、接触燃焼式ガス検知素子、基板型半導体式ガス検知素子、固体電解質式ガス検知素子等、従来公知のガス検知素子が挙げられる。
熱線型半導体式ガス検知素子10は、コイル状の貴金属線材11を覆って焼結させた金属酸化物を主成分とするガス感応部12を有する。貴金属線材11は、材質、線径、コイル径、コイル巻数等は、従来の熱線型半導体式ガス検知素子に使用するものと同様で、特に限定されない。貴金属線材11の材質としては白金等を適用できる。
ガス感応部12は金属酸化物半導体が使用できる。当該金属酸化物半導体としては、例えば酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛等が使用できるが、特に限定されるものではない。
本実施形態に係るガス検知器Xは、図2に示すように、被検知ガス(LPG、メタン、水素などの可燃性ガスや一酸化炭素)を検知する熱線型半導体式ガス検知素子10、固定負荷抵抗R0と、固定対辺抵抗R1,R2とをブリッジ回路に組み込んで構成してある。ブリッジ回路は、電源Eによって常時電圧を供給し、熱線型半導体式ガス検知素子10を被検知ガスが反応する温度に保持してある。
ガス検知素子10は筐体50内に収容される。本発明のガス検知器Xは、二重筐体構造となっており、筐体50は、外側の外側筐体51と、当該外側筐体51に覆われる内側筐体52とを有する。
外側筐体51の一端には被検知ガスを導入する開口部であるガス導入口20が形成されている。また、外側筐体51の内部におけるガス導入口20の側には有機ガスを吸収する第一吸着部31が配設してある。
当該第一吸着部31は、室内に浮遊するアルコールやトルエンなどの様々な有機ガスを吸着する吸着剤が収容してある。当該吸着剤は、例えば活性炭、カーボンブラック、シリカアルミナ、ゼオライト等が適用でき、これら材料に貴金属(Pt、Pdなど)を添加してもよい。また吸着剤の材料は、単一或いは複数の異なる材料を組み合わせて使用してもよい。これら吸着剤の形状は特に限定されるものではなく、例えば繊維状・球状・粒状等の形状を適用できる。
内側筐体52の一端には、ガス導入口20より開口面積が小さい制限通気口40が形成されている。また、内側筐体52の内部における制限通気口40の側には、有機ガスを吸収する第二吸着部32が配設してある。
第二吸着部32は、制限通気口40を挟んで第一吸着部31の反対側に配設してある。第二吸着部32は第一吸着部31と同様の材料を使用することができ、第二吸着部32においても単一或いは複数の異なる材料を組み合わせて(例えば活性炭およびシリカアルミナを組み合わせる)使用してもよい。また、第二吸着部32の体積や重量は第一吸着部31と同一である必要はなく、使用目的に応じて適宜設定すればよい。
制限通気口40は第一吸着部31および第二吸着部32の間に配設してある。本発明では、当該制限通気口40の開口面積は、ガス導入口20の開口面積より小さく設定してある。
本構成では、ガス導入口20より導入された導入ガスは、まず、第一吸着部31を通過する。このとき、導入ガスに有機ガスが含まれていれば第一吸着部31によって吸着される。当該有機ガスが第一吸着部31によって吸着されない場合、制限通気口40を経由して第二吸着部32を通過する。このとき、制限通気口40の開口面積はガス導入口20の開口面積より小さく設定してあるため、第二吸着部32に導入される有機ガスの量を大幅に低減することができる。このように制限通気口40を通過する有機ガスが少ない状態で有機ガスが第二吸着部32に導入されると、第二吸着部32を通過してガス検知素子10に到達する有機ガスが極めて少なくなる。従って、本発明のガス検知器Xでは、種々の有機ガスが存在する台所などで使用したとしても種々の有機ガスの影響を受け難くなる。仮に第二吸着部32が無い場合は、例えば制限通気口40と第一吸着部31との間に、容量の大きな空隙を形成してガス検知素子10に到達する有機ガスを少なくする必要があるが、このような態様では筐体50の大きさを大きくする必要があり、機器搭載の観点などから好ましくない。
また、制限通気口40の開口面積は、ガス導入口20の開口面積より小さく設定してあるため、吸着剤の温度上昇によって吸着剤から離脱した離脱ガスは、ガス検知素子10の側より開口面積の大きいガス導入口20を介して筐体50の外部へ移動し易くなる。そのため、被検知ガスが存在しないにもかかわらず、当該離脱ガスを検知してしまうのを未然に防止することができる。
尚、本実施形態では、一つの制限通気口40を設けた場合について説明しているが、当該制限通気口40の数は、一つとするのがよい。仮に複数の制限通気口40を内側筐体52の一端に形成した場合、一つの制限通気口40による有機ガスの流入低減効果が減じることとなる。
また、本発明のガス検知器Xでは、ガス検知器Xを収容する筐体50を二重筐体構造としている。そのため、ガス検知器Xを組み立てる際には、外側筐体51および内側筐体52を組み付けるだけで、第一吸着部31および第二吸着部32を収容するそれぞれの空間を容易に形成することができる。
第二吸着部31の重量は前記第一吸着部32の重量より少なく設定することが可能である。
本構成では、制限通気口40による有機ガスの流入低減効果により、制限通気口40の下流に位置する第二吸着部32の有機ガス吸着の負担が軽減できるため、当該第二吸着部32の吸着剤の重量を減量することができる。
制限通気口40の開口面積は、ガス導入口20の開口面積の5〜33%とすればよい。このように構成すれば、開口率が5%以上の場合に優れた応答性を示し、開口率が33%以下の場合に初期警報設定濃度の1/3以上を有して良好な応答性を有する。
〔別実施の形態〕
図4に示したように、制限通気口40と第一吸着部31との間に、空隙部Sを設けてもよい。
本構成では、第一吸着部31を通過した有機ガスが空隙部Sによって希釈され、その下流の制限通気口40へ流入する有機ガス濃度をさらに低減することができる。
空隙部Sの容積は、筐体50の容積の9〜26%とすればよい。
このように構成すれば、特に容積率が9%以上では、初期警報設定濃度の2/3(2000ppm)以上を維持するため、有機ガス耐久性が向上するものと認められ、容積率26%以下を有すると90%応答に要する時間が45秒以下とすることができるため、優れたガス応答性を有するものと認められる。
〔実施例1〕
台所で使用する環境を想定し、本発明の熱線型半導体式ガス検知器X(本発明例1〜4)の性能(有機ガス耐久性)を調べた。導入するガスは、トルエン250ppm+OMCTS(シリコーンガス)5ppmを有する混合ガスとした。比較センサ(比較例1〜5)についても同様の試験を行った。
各本発明例および各比較例の構成の詳細は表1に示した。
本発明例1〜4において、第一吸着部31は活性炭を使用し、第二吸着部32は活性炭またはシリカアルミナの何れか或いは両方を使用し、開口面積はガス導入口20の開口面積の8%とした(本発明例1,3,4:図3(a)、本発明例2:図3(b))。
また、比較例1,2,5では第二吸着部32を設けず、比較例1〜4では制限通気口40を設けなかった。比較例3,4では、第一吸着部31および第二吸着部32の間にガス導入口20と同径(3.5mm)の通気口41を形成した。また、比較例1,2は筐体を二重筐体構造とせずに単一の筐体のみの構造とした。さらに、比較例6は、特許文献2に記載のように、制限通気口40と同径のピンホール42を設けた流入制限板60を設けた構成とした(比較例1:図5(a)、比較例2:図5(b)、比較例3:図5(c)、比較例4:図6(d)、比較例5:図6(e)、比較例6:図6(f))。
Figure 0006303211
結果を図7に示した。
シリコーンガス以外の高濃度VOC(揮発性有機化合物)ガス共存下では、第一吸着部31(活性炭)への多量のトルエンガスの吸着で、第一吸着部31の吸着能力が低下する。そのため、比較例1の構造では、第一吸着部31におけるシリコーンガスの吸着能力が低下することにより、100日程度でメタンの検知感度がなくなり、ガス検知素子10が早期に被毒するものと認められた。
比較例1の活性炭量を2倍に増加させた比較例2の場合でも、180日程度でメタンの検知感度がなくなり、ガス検知素子10が比較的早期に被毒するものと認められた。
比較例3の場合は、第二吸着部32を備えるが制限通気口40を備えていないため、ガス検知素子10へのシリコーンガスの流入は低減されず、比較例1の結果と同程度であった。
比較例4の場合は、空隙部Sを設けるが制限通気口40を備えていないため、ガス検知素子10へのシリコーンガスの流入は低減されず、比較例1の結果と同程度であった。
比較例5の場合は制限通気口40を備えるが第二吸着部32を備えないため、制限通気口40による有機ガスの低減効果があったとしても第二吸着部32の吸着効果を期待できない。そのため、ガス検知素子10へのシリコーンガスの流入はそれほど低減されず、比較例1の結果と同程度であった。
比較例6の場合は、筐体を二重構造とせず、流入制限板60を筐体50に設けた構成としたため、流入制限板60と筐体50との間に隙間が存在し、当該隙間からガス検知素子10へのシリコーンガスの流入が起ったと考えられ、比較例1の結果と同程度であった。
一方、本発明例1においては、第一吸着部31、第二吸着部32および制限通気口40を備えるため、180日経過後もメタンの検知感度の低下は17%(2500/3000ppm)程度であり、シリコーン耐久性が各比較例に比べて大幅に向上したと認められた。これは、第一吸着部31をシリコーンガスが通過した場合でも、制限通気口40によってシリコーンガスの流入が低減され、さらに第二吸着部32によってシリコーンガスが吸着されるため、ガス検知素子10に到達するシリコーンガスが極めて少なくなるためである。
本発明例1の第二吸着部32の量を半分に減じた本発明例2においては、180日経過後もメタンの検知感度の低下は37%(1900/3000ppm)程度であり、シリコーン耐久性が各比較例に比べて大幅に向上したと認められた。後述の実施例2において示すように、吸着剤の量を増加させると被検知ガスに対する応答性が低下するので、優れた応答性のためには、吸着剤の量が少ないほうが好ましい。本発明例2のように、第二吸着部32の量を第一吸着部31より少なくすることで、良好な応答性とシリコーン耐久性を実現することができる。
本発明例3では第二吸着部32を活性炭に替えてシリカアルミナを適用したが、180日経過後もメタンの検知感度の低下は27%(2200/3000ppm)程度であり、シリコーン耐久性が各比較例に比べて大幅に向上したと認められた。
本発明例4では第二吸着部32を活性炭およびシリカアルミナを適用したが、180日経過後もメタンの検知感度の低下は10%(2700/3000ppm)程度であり、シリコーン耐久性が各比較例に比べて大幅に向上したと認められた。
特に本発明例4のように第二吸着部32を活性炭およびシリカアルミナとすることで、メタンの検知感度の低下を最も効果的に抑制することができるものと認められた。
本発明のセンサでは、制限通気口40による有機ガスの低減効果により、第二吸着部32の有機ガス吸着の負担が軽減できるため、第二吸着部32の吸着剤の量を適宜減量することができる。
〔実施例2〕
被検知ガス(メタンガス)に対するガス応答性を調べた。
上述した本発明例1,比較例1,比較例2のセンサ、および、ガス導入口20の開口径を1.5mmに減じた以外は比較例1と同等の構成を有する比較例7(図6(g))のセンサを使用した。
ガス応答性は、メタンガスの90%応答に要する時間を測定することにより評価した。当該時間は45秒以内であれば良好な応答性を有すると判断した。結果を表2に示した。
尚、良好な応答性の判断基準を45秒以内とした根拠は、以下の通りである。即ち、JIA規格で家庭用都市ガス警報器の応答は60秒以内であることが規定されている。警報器にセンサを搭載した場合には、センサ単体での応答よりも時間がかかる傾向にある。従って、センサ単体で45秒以内に応答しなければ、警報器に搭載した場合に、上記JIA規格を満たさない可能性があるため、良好な応答性の判断基準を45秒以内とした。
Figure 0006303211
その結果、シリコーン耐久性向上のために比較例1の活性炭量を増加させた比較例2の場合では、メタンガスに対するガス応答がかなり遅くなった(48秒)。また、比較例7のようにガス導入口20の面積を縮小させた場合では、さらに応答性の低下が著しかった(62秒)。
一方、本発明例1においては、活性炭総重量(第一吸着部31,第二吸着部32)が比較例1と同量の場合でも、ガス導入口20の面積が十分に広く、かつ制限通気口40を介した第二吸着部32の量が少量であるため、応答性は比較例2や比較例7に比べて速くなった(20秒)。
本発明のセンサでは、優れたメタンガス応答性を有するものと認められた。
〔実施例3〕
有機ガス耐久性と制限通気口40の開口率との関係を調べた。
上述した本発明例1の制限通気口40の開口率を変化させ、有機ガス(シリコーン)に対する耐久性を評価した。判定基準は、初期警報設定濃度の1/3(1000ppm:警報濃度下限値)以上を有する場合が良好な応答性を有すると判断した。結果を図8に示した。
その結果、開口率が33%以下の場合に初期警報設定濃度の1/3以上を有することが判明し、警報濃度の低下は少なくなるものと認められた。
〔実施例4〕
ガス応答性と制限通気口40の開口率との関係を調べた。
上述した本発明例1の制限通気口40の開口率を変化させ、被検知ガスに対する応答性を評価した。判定基準は、90%応答に要する時間が45秒以内であれば良好な応答性を有すると判断した。結果を図9に示した。
その結果、開口率が5%以上の場合に、90%応答に要する時間が45秒以内となり、優れた応答性を示すものと認められた。
〔実施例5〕
有機ガス耐久性と空隙部Sの容積率との関係を調べた。当該空隙部Sの容積率とは、筐体内部の内容積に対する空隙部Sの相対容積率である(電極支持台部分は除く)。
図4に示した本発明のガス検知器Xにおいて、制限通気口40の開口率を8%および18%とした二つの本発明例4において、空隙部Sの容積率を変化させてシリコーン耐久性を調べた。判定基準は、初期警報設定濃度の1/3(1000ppm:警報濃度下限値)以上を有する場合が良好な応答性を有すると判断した。結果を図10に示した。
その結果、二つの本発明例4において、空隙部Sの容積率を増加させると、特に9%以上では、初期警報設定濃度の2/3(2000ppm)以上を維持するため、シリコーン耐久性が向上するものと認められた。これは、第一吸着部31を通過したシリコーンガスが空隙部Sによって希釈され、その下流の制限通気口40へ流入するシリコーンガス濃度がさらに低減するためである。
〔実施例6〕
実施例5における本発明例4において、空隙部Sの容積率を変化させて被検知ガス(メタンガス)に対する応答性を調べた。ガス応答性は、90%応答に要する時間を測定することにより評価した。当該時間は45秒以内であれば良好な応答性を有すると判断した。結果を図11に示した。
その結果、空隙部Sの容積率が増加するほどガス応答は遅くなるが、本発明例1の開口率5%(実施例4:90%応答に要する時間が45秒程度)のときよりも、空隙部Sが容積率26%以下を有する本発明例4の開口率8%および18%のときの方が、ガス応答性が優れている。
よって、空隙部Sを設けた本発明例4の場合は、開口率は8%以上、かつ33%以下(実施例3)で、空隙部Sの容積率は9%以上(実施例5)、26%以下が好ましい。
本発明は、被検知ガスと接触するガス感応部を有するガス検知素子を備えたガス検知器に利用できる。
X ガス検知器
S 空隙部
10 ガス検知素子
12 ガス感応部
20 ガス導入口
31 第一吸着部
32 第二吸着部
40 制限通気口
51 外側筐体
52 内側筐体

Claims (6)

  1. 被検知ガスと接触するガス感応部を有するガス検知素子を備えたガス検知器であって、
    前記ガス検知素子を収容する二重の筐体を備え、
    前記二重の筐体における外側の外側筐体は、被検知ガスを導入するガス導入口および有機ガスを吸収する第一吸着部を備え、
    前記二重の筐体における内側の内側筐体は、前記ガス導入口より開口面積が小さい制限通気口および有機ガスを吸収する第二吸着部を備え、
    前記制限通気口は前記第一吸着部および前記第二吸着部の間に配設してあるガス検知器。
  2. 前記制限通気口と前記第一吸着部との間に、空隙部を設けた請求項1に記載のガス検知器。
  3. 前記制限通気口の開口面積は、前記ガス導入口の開口面積の5〜33%である請求項1または2に記載のガス検知器。
  4. 前記空隙部の容積が、前記ガス検知器の筐体の容積の9〜26%である請求項2に記載のガス検知器。
  5. 前記第二吸着部の重量を前記第一吸着部の重量より少なくしてある請求項1〜4の何れか一項に記載のガス検知器。
  6. 前記第一吸着部を活性炭とし、前記第二吸着部を活性炭およびシリカアルミナとした請求項1〜5の何れか一項に記載のガス検知器。
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