JPH08247815A - パルス出力型熱線式空気流量計 - Google Patents

パルス出力型熱線式空気流量計

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JPH08247815A
JPH08247815A JP8041002A JP4100296A JPH08247815A JP H08247815 A JPH08247815 A JP H08247815A JP 8041002 A JP8041002 A JP 8041002A JP 4100296 A JP4100296 A JP 4100296A JP H08247815 A JPH08247815 A JP H08247815A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高精度で温度特性や耐電波特性等の耐環境性
に優れたパルス出力機能付熱線流量計を提供する。 【解決手段】 流量検出用ホットワイヤ11は、チップ
制御回路40の外部に接続され、その駆動電力はトラン
ジスタ10より与えられる。空気の温度を測るためのコ
ールドワイヤ12も外部に出ており、ホットワイヤ11
と同様に空気通路に配置される。そして、直流電圧源は
端子9と99に加えられる。端子41はパルス出力端子
で、流量検出パルスがこの端子に現われる。1チップ化
された回路部は制御回路40内にあり、定温度制御回
路、ゼロ/スパン回路、VCOの各部が集積化されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気等で代表され
る流体の流量を白金等の熱線を用いて計測する流量計
(ホットワイヤエアフローセンサ)に関するもので、特に
その出力がパルス出力形の機能を有し、自動車用ガソリ
ンエンジンの吸気流量計測に好適な熱線式空気流量計に
関する。
【0002】
【従来の技術】パルス出力機能付熱線流量計(以下PA
FSと略記)の構成は、従来から図10に示す構成を採
ることが多かつた。すなわち、このPAFSは、空気流
などの流体中(風)に熱線を曝しながら、この熱線の抵抗
を常に一定(つまり、温度一定)になるように定温度制御
回路1を働かせることにより、流体の流量Qを表わす出
力電圧υ1が出力されるようにしたものであるが、この
電圧υ1は流量Qに対して一定の固定分を有しているの
で、まずゼロ/スパン回路2によつてこの固定分を取り
去り、さらに利得(スパン)を調整する。
【0003】そして、このゼロ/スパン回路2の出力電
圧υ2は電圧制御発振器(Vol-tageControlled Oscila
tor、以下VCOと略記)3によつて電圧υ2の値に比例
した周波数fをもつパルス電圧υ3に変換され、出力さ
れるようになっている。一方、これらの各部を動かすた
めに基準電圧回路4が用意され、基準電圧Vsが与えら
れるようになっているものである。
【0004】次に図11と図12は、図10の構成要素
1、2、3、4の具体例を示したもので、図11の10
0が図10の定温度制御回路1に、200がゼロ/スパ
ン回路2に、400が基準電圧回路4に、図12の回路
300がVCO3に、それぞれ対応する。なお、これら
の回路は個別素子(あるいは一部IC)で作られることが
多く、各素子はハイブリッド基板上に取付けられること
が多い。
【0005】図11の定温度制御回路100は、ホット
ワイヤ(熱線)11、コールドワイヤ(冷線)12、オペア
ンプ5、6、トランジスタ10、抵抗20、コンデンサ
22などにより構成され、ホットワイヤ11に風が当っ
て冷却されたときでも、その温度が常に一定になるよう
に、この回路100がホットワイヤ11に流れる電流を
制御する動作を行う。
【0006】同じく図11のゼロ/スパン回路200
は、オペアンプ7を中心に抵抗70〜73、77〜79
等で構成され、これらの抵抗を適宜選ぶことで信号電圧
に対するゼロとスパンの補正を行う。ここで14は、サ
ージ保護用のツェナーダイオードである。
【0007】図12のVCO300は、オペアンプ9、
24、抵抗32、33等、コンデンサ35、トランジス
タ34で構成され、オペアンプ9、コンデンサ35を中
心とした回路が積分器として働き、オペアンプ24、抵
抗33を中心とする回路は電圧比較器として働く。そし
て、入力端子30に印加されたアナログ電圧υ2は、こ
れらの回路によつて、この電圧υ2に比例した周波数を
もつ、パルス出力電圧υ3に変換される。
【0008】図11に戻り、基準電圧回路400は、オ
ペアンプ8、及び抵抗81、83、84、85等、それ
にツェナーダイオード80、13、ダイオード82、コ
ンデンサ15により構成され、これらの回路によりツェ
ナーダイオード80の両端の定電圧が増幅され、一定電
圧Vsとして各回路に供給される。ここで抵抗84、ツ
ェナーダイオード13、コンデンサ15はサージ保護回
路である。
【0009】なお、この種の装置として、関連するもの
としては、 特開昭59−224427号公報 特開昭60−178317号公報 特開昭61−1847号公報 特開昭61−17019号公報 特開昭61−104246号公報 特開昭62−79316号公報 等の記載を挙げることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、回路
構成の最適化について、ことさら配慮がされておらず、
このため、精度が確保できない、温度特性が悪い、耐電
磁波性能(EMI)が向上しない等の問題があつた。本発
明の目的は、高精度で温度特性や耐電波特性等の耐環境
性に優れたPAFSを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、PAFSを構成する回路のうち、少なくとも定温度
制御回路、ゼロ/スパン回路、それにVCOの3回路を
1つのシリコンチップの中で集積化、即ち1チップ化し
たものである。これを図1により具体的に説明すると、
空気流による風を受けて、その流量を検出するホットワ
イヤ11は、PAFSの機能を有する1チップ制御回路
40の外部に接続され、流量を計測すべき空気通路の中
に設置されている。そして、その駆動電力はトランジス
タ10より与えられる。
【0012】空気の温度を測るためのコールドワイヤ
(冷線)12も外部に出ており、ホットワイヤ11と同様
に空気通路に配置される。そして、直流電圧源は端子9
と99間に、そして端子110と99間とに加えられ
る。端子41はパルス出力端子であり、図10で説明し
たパルス電圧υ3がこの端子に現われる。1チップ化さ
れた回路部は制御回路40内に在り、この部分には図1
0中の定温度制御回路1、ゼロ/スパン回路2、VCO
3の各部が集積化されている。なお、電源端子9及び1
10は一緒にまとめることができる。
【0013】制御回路40は1チップ化されており、当
然その体積も小さいので、僅かな領域に各部が集積化さ
れている。それ故、チップ内の各回路部の温度は全てほ
ぼ一定と考えられるので、温度補償を実施することが容
易となる。また、チップは小さな面積しか持たないの
で、電磁波、サージ波等のノイズの影響を受ける度合が
少ないので、充分な耐環境性を容易に与えることができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるパルス出力型
熱線式空気流量計について、図示の実施例により詳細に
説明する。図2は本発明の一実施例で、この図2の実施
例は、図10で説明した従来例における定電圧制御回路
1、ゼロ/スパン回路2、VCO3、それに定電圧回路
4を1個のチップ(半導体集積回路)1Aに集積化したも
ので、チップ外の構成要素はホットワイヤ11、コール
ドワイヤ12、トランジスタ10だけである。
【0015】回路動作は図11、図12とほぼ同様であ
るが、構成要素の抵抗、コンデンサ等は集積化できる値
に適合されている。但し図11のサージ保護用ツェナー
ダイオード14は集積化のため不用となつている。これ
は、VCO3を含めて集積化されているため、電圧υ2
の端子3V(図11)が外部に引出されていないためであ
る。
【0016】この図2の実施例では、シリコンチップ化
された集積回路1Aと、ホットワイヤ11、コールドワ
イヤ12、それにトランジスタ10の4個でPAFSを
構成できるから、ハイブリッド基板を用いないでセンサ
が実現でき、極めて小型のPAFSを作ることができ
る。
【0017】図3は本発明の他の実施例で、この実施例
はトランジスタ10もチップ1A内に集積化したもので
あり、従って、チップの端子数は7個ですみ、現在考え
られているホットワイヤエアフローセンサでは最も少な
い端子数構造にできる。
【0018】そして、この実施例では、トランジスタ1
0がチップ1A内にあり、この電力損失がチップ内で消
費されるので、その発熱により、チップ内の温度をほぼ
一定値に上げておくことができる。つまり、トランジス
タの消費電力を変化させることで任意のチップ温度に設
定できるので、温度特性の最もよい点にチップ内の温度
を上げておくことで、センサそのものの精度を充分に向
上させ得る。
【0019】図4は本発明のさらに別の実施例であり、
サージ保護機能をサイリスタ回路7Zで実現したもので
ある。このサイリスタ回路7Zはサイリスタ7A、コン
デンサ7B、抵抗7C、7Dより構成され、サイリスタ
7Aは通常の電源電圧(端子9、99間に加えられる)で
はオフ状態であり、オペアンプ8には正常の電源電圧が
加わつている。
【0020】しかしながら、端子9にサージ等の異常電
圧が加わると、通常これらの電圧の立上りは早いので、
コンデンサ7B、抵抗7Cは微分回路として動作し、サ
イリスタ7Aはオン状態となり、その両端の電圧は1V
程度の低電圧となり、サージ電圧よりオペアンプ8を保
護する。
【0021】サイリスタ7Aは、チップ内では、ツェナ
ーダイオードに比して小さく作れるので、図2のツエナ
ーダイオードによる実施例に比較してチップ面積を小さ
くでき、かつ、保護動作が高速化されるので、さらに優
れた保護機能を得ることができる。
【0022】図5も本発明の一実施例で、この実施例
は、パルス波形なまし回路8Zをもチップ1A内に設け
るようにしたものである。このパルス波形なまし回路8
Zはオペアンプ24の出力電圧υ24の立上り、立下り時
間を長くして(なまして)波形の高周波成分を除去するた
めのものであり、端子41に現われるパルス出力電圧の
高周波成分によつて他の機器へ電磁障害を与えることが
少なくなる。
【0023】この実施例における波形なまし回路8Zは
抵抗8A、8B、8E、コンデンサ8C、8F、トラン
ジスタ8Dによつて構成され、立上り時間は主に抵抗8
E、コンデンサ8Fによつて、立下り時間は主に抵抗8
A、コンデンサ8Cによつて調整できる。
【0024】この波形なまし回路は、通常はチップの外
に設けられることが多いが、この第5図の実施例のよう
にチップ内に内蔵すれば、この部分のハイブリッド基板
の面積を小さくできる(反面チップ面積はそれ程大きく
はならない)ので、センサ自体を小型化出来るという効
果がある。また、なまし回路8Z全体が、温度の影響を
他の回路と同様に受けるので、温度補償がやりやすいと
いう効果をもつ。
【0025】図6も本発明の一実施例で、この実施例
は、VCO3をオペアンプ9A、24B、コンパレータ
24Aと抵抗83、84、85等により構成したもので
あるが、電圧を周波数に変換する機能はこれまでの例と
同じである。
【0026】この実施例は、コンパレータ24Aの比較
電圧Vc(抵抗82、82Aの分圧電圧)に温度特性をも
たせ、電圧−周波数変換の温度特性の向上を図ったもの
で、この温度係数の設定はツェナーダイオード81に流
れ込む電流を変えることで実現でき(通常、ツェナーダ
イオードは流れる電流によつて温度係数が変わる)、こ
れは抵抗80の値を変えることで具体化できる。
【0027】従って、この実施例では、電圧Vcが抵抗
82、82Aの分圧比82A/(82+82A)で決まる
ので、補正に際しての、抵抗82、82Aそのものによ
る温度の影響を少なくすることができ、さらに高精度化
が可能である。
【0028】図7も本発明の一実施例で、この実施例
は、エアフローセンサの過渡特性(具体的には、空気流
量の変化に対するパルス出力電圧の周波数変化)を改善
するため、定温度制御回路1内に位相補償回路101を
設けたものであり、本補償回路は抵抗90、91、9
3、コンデンサ92より構成される。従って、これらの
定数を適宜設定することで過渡応答特性を容易に改善す
ることができる。
【0029】そして、この実施例では、抵抗90、93
もチップ1A内に入れており、こうすることにより、特
性の調整がさらに精度よく行い得る。つまり、抵抗9
0、91の配分を考慮しておけば、外部抵抗91をハイ
ブリッド基板上等で精度よくトリミングできるので、特
性の向上が図れるのである。
【0030】図8も本発明の一実施例で、この実施例で
は、抵抗21、201、203等をチップ1Aの外に出
しており、これらの抵抗のトリミングによりセンサの精
度を向上させることができる。つまり、抵抗21、20
1、203等はハイブリッド基板上の抵抗として製作さ
れ、この抵抗はチップ内の抵抗(半導体の拡散で作られ
る)に比べばらつき、温度係数が小さい上、基板上での
トリミングが可能なので、センサの精度が向上できるの
である。
【0031】ところで図9は、PAFSの1チップ化に
際して、そのチップ内に集積化すべき回路と、トランジ
スタの配置について工夫したもので、定温度制御回路
1、ゼロ/スパン回路2、電源回路4などのアナログ系
の回路と、ディジタル(パルス)系の回路であるVCO回
路3とを、トランジスタ10を中間にして両側に配置し
たものである。
【0032】この配置例によれば、アナログ系の回路
1、2、4とディジタル系の回路3とが、トランジスタ
10によつて物理的に隔離されており、この両回路間の
電気的な結合や干渉(特に静電的な結合)を少なくするこ
とができる。これは電気的なノイズがトランジスタ10
によつてしやへいされるためであり、従って、この配置
によれば、ノイズに強い信頼性に富んだPAFSを容易
に得ることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、PAFSの構成要素で
ある各回路を同一チップの中に集積化できるので、セン
サそのものを小形にできる他、外部への引出し線が少な
くなるのでサージ電圧や電磁波(電波)等の影響を受けに
くくなる、チップ内の温度分布を利用して温度補償をし
精度を向上し得る等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパルス出力型熱線式空気流量計の
原理構成図である。
【図2】本発明によるパルス出力型熱線式空気流量計の
第1の実施例を示す回路図である。
【図3】本発明によるパルス出力型熱線式空気流量計の
第2の実施例を示す回路図である。
【図4】本発明によるパルス出力型熱線式空気流量計の
第3の実施例を示す回路図である。
【図5】本発明によるパルス出力型熱線式空気流量計の
第4の実施例を示す回路図である。
【図6】本発明によるパルス出力型熱線式空気流量計の
第5の実施例を示す回路図である。
【図7】本発明によるパルス出力型熱線式空気流量計の
第6の実施例を示す回路図である。
【図8】本発明によるパルス出力型熱線式空気流量計の
第7の実施例を示す回路図である。
【図9】制御回路のチップ配置の説明図である。
【図10】パルス出力型熱線式空気流量計の従来例を示
す構成図である。
【図11】定温度制御回路及びゼロ/スパン回路それに
基準電圧回路の一例を示す回路図である。
【図12】電圧制御発振器の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 定温度制御回路 1A チップ(半導体集積回路) 2 ゼロ/スパン回路 3 電圧制御発振器 4 基準電圧回路 9、110 電源端子 10 トランジスタ 11 ホットワイヤ(熱線素子) 12 コールドワイヤ(冷線素子) 40 1チップ制御回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流量検出用の熱線素子と、温度検出用の
    冷線素子とを用い、制御用の電子回路として、少なくと
    も定温度制御回路と、ゼロ/スパン回路、それに電圧−
    周波数変換回路とを備え、流量検出信号をパルス密度信
    号として直接出力する方式のパルス出力型熱線式空気流
    量計において、 上記定温度制御回路と、ゼロ/スパン回路、それに電圧
    −周波数変換回路を同一の半導体チップに集積回路化し
    て構成したことを特徴とするパルス出力型熱線式空気流
    量計。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、 上記定温度制御回路に含まれた上記熱線素子加熱電流制
    御用のパワートランジスタを、上記半導体チップとは独
    立に外付け配置したことを特徴とするパルス出力型熱線
    式空気流量計。
  3. 【請求項3】 請求項1の発明において、 上記電子回路に含まれている抵抗素子の一部が上記半導
    体チップとは独立に外付け配置されていることを特徴と
    するパルス出力型熱線式空気流量計。
  4. 【請求項4】 請求項1の発明において、 上記半導体チップとは独立に外付け配置されている抵抗
    素子は、ハイブリッド回路基板上に搭載されていること
    を特徴とするパルス出力型熱線式空気流量計。
  5. 【請求項5】 請求項1の発明において、 上記電子回路がサージ保護回路を含み、このサージ保護
    回路を含めて上記同一の半導体チップに集積回路化して
    構成されていることを特徴とするパルス出力型熱線式空
    気流量計。
  6. 【請求項6】 請求項5の発明において、 上記サージ保護回路がサイリスタで構成されていること
    を特徴とするパルス出力型熱線式空気流量計。
  7. 【請求項7】 請求項1の発明において、 上記電子回路がパルス信号出力に対する波形なまし回路
    を含み、この波形なまし回路を含めて上記同一の半導体
    チップに集積回路化して構成されていることを特徴とす
    るパルス出力型熱線式空気流量計。
  8. 【請求項8】 請求項1の発明において、 上記電子回路が流量に対するパルス出力精度を向上させ
    る温度補償回路を含み、この温度補償回路を含めて上記
    同一の半導体チップに集積回路化して構成されているこ
    とを特徴とするパルス出力型熱線式空気流量計。
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