JPH08247006A - リコイルスタータのケース構造 - Google Patents

リコイルスタータのケース構造

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JPH08247006A
JPH08247006A JP7071495A JP7071495A JPH08247006A JP H08247006 A JPH08247006 A JP H08247006A JP 7071495 A JP7071495 A JP 7071495A JP 7071495 A JP7071495 A JP 7071495A JP H08247006 A JPH08247006 A JP H08247006A
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Shuhei Tsunoda
修平 角田
Mitsuo Osakabe
光雄 長壁
Keizo Shimizu
敬三 清水
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な加工工程で製造コストを削減してスタ
ータケースの製造が可能なリコイルスタータのケース構
造を提供する。 【構成】 スタータケース1Aは、周縁部に櫛歯状の凹
凸部20が形成されたほぼ円板状の原材板を絞り加工す
ることにより円板状頭部と周側面部とからなるキャップ
状に形成され、周側面部の凹凸部20が空冷用の導風孔
とされている。このため、周縁部に櫛歯状の凹凸部20
が形成されたほぼ円板状の原材板を、導風孔となる凹凸
部20に何らの変形等を与えることなく、原材板に絞り
加工を施す簡単な工程で、リコイルスタータのケース1
Aを、製造コストを削減して製造することが可能にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の始動用のリ
コイルスタータのケース構造に関する。
【0002】
【従来の技術】このようなリコイルスタータの従来例は
実公平2−31576号公報で紹介されているが、これ
を図5に基づいて説明すると、図5(a)で1はスター
タケースで、スタータケース1の軸芯位置には軸2が固
着され、軸2にリール3が回転自在に取り付けられてお
り、リール3の外周部に設けた凹部3aに、ロープ4
が、ゼンマイ5の復元力によって巻装されている。リー
ル3にはラチェットが設けられ、このラチェットの中間
位置にはピンが固定され、ラチェットは、リール3の周
縁近傍に形成された傾斜面と突出面間に移動自在に位置
して、リール3に取り付けられている。また、軸2にフ
リクションプレート9が取り付けられ、フリクションプ
レート9にはピンを案内して、ラチェットを半径方向に
出入させるガイド部が形成されている。一方、エンジン
側には、エンジンと連結するプーリ13が設けられ、そ
の外周先端には凹部が形成されている。そして、従来の
リコイルスタータでは、スタータケース1の周側面部の
全面にわたって、空冷用の導風孔15(図5(b)参
照)が多数形成され、このスタータケース1が、ボルト
16でファンカバーに固定されている。
【0003】このような構成の従来のリコイルスタータ
では、停止状態からロープ4を、ゼンマイ5の復元力に
抗して引き出すと、フリクションプレート9は、軸2と
のフリクションによって停止状態に維持され、リール3
とラチェットとが回転する。このために、ラチェットの
ピンが、フリクションプレート9のガイド部に案内され
て、リール3の傾斜面と突出面間を移動し、ラチェット
の端部が半径方向に突出して、プーリ13の凹部に係合
して回転し、エンジンが始動する。そして、エンジンが
始動した状態で、ロープ4を離すと、ゼンマイ5の復元
力によって、リール3が逆方向に回転し、ロープが巻き
戻されると共に、ラチェットは原位置に復帰する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来のリコイル
スタータのスタータケースを製造するには、円板状の原
材板に対して、プレスで1乃至2回の絞り加工を施して
周側面部を形成して、キャップ状の原ケースを形成し、
次いで、原ケースの周側面部に孔あけ加工によって、多
数の導風孔15を形成していた(通常20乃至40回の
加工回数)。この場合、予め多数の導風孔15を形成し
た後に、原材板を絞り加工して、スタータケースを製造
しようとすると、絞り加工の際にスタータケースの肉厚
部が均一に伸縮しないため、スタータケースの周側面
部、特に導風孔15の下縁部分において、著しく変形し
たり、亀裂を生じたり、あるいは引き千切られたりする
ので、絞り加工によりキャップ状の原ケースを形成した
後、その周側面部に導風孔15を形成せざるを得なかっ
た。このために、従来のリコイルスタータのスタータケ
ースの製造は、加工工程が多く加工作業が煩雑であり、
製造コストの面で問題があった。
【0005】本発明は、前述したようなリコイルスター
タのスタータケースの製造現状に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、簡単な加工工程で製造コストを削減
してスタータケースの製造が可能なリコイルスタータの
ケース構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の実施態様は、ファンカバーに取り付
けられたスタータケースにリールが回転自在に取り付け
られ、ゼンマイの復元力によって巻き取られているロー
プを引き出すことによって、前記リールが回転して内燃
機関を始動するリコイルスタータのケース構造おいて、
前記スタータケースは、周縁部に櫛歯状の凹凸部が形成
されたほぼ円板状の原材板を絞り加工することにより円
板状頭部と周側面部とからなるキャップ状に形成され、
前記凹凸部が空冷用の導風孔とされていることを特徴と
するものである。
【0007】前記目的を達成するために、本発明の第2
の実施態様は、ファンカバーに取り付けられたスタータ
ケースにリールが回転自在に取り付けられ、ゼンマイの
復元力によって巻き取られているロープを引き出すこと
によって、前記リールが回転して内燃機関を始動するリ
コイルスタータのケース構造において、前記スタータケ
ースは、周縁部に櫛歯状の凹凸部が形成されたほぼ円板
状の原材板を絞り加工することにより円板状頭部と周側
面部とからなるキャップ状に形成され、前記凹凸部が空
冷用の導風孔とされ、前記ファンカバーの前記凹凸部と
の対向部は、前記凹凸部にほぼ平行になるよう起立され
て、前記凹凸部の内周面に当接配置されるリング部を形
成することを特徴とするものである。
【0008】さらに、本発明の第2の実施態様に対し
て、前記凹凸部の先端が、前記ファンカバーのリング状
部の近傍に形成された取付孔に挿入されているよう構成
したものである。
【0009】
【作用】本発明の第1の実施態様では、ファンカバーに
取り付けられたスタータケースにリールが回転自在に取
り付けられ、ゼンマイの復元力によって巻き取られてい
るロープを引き出すことによって、前記リールが回転し
て内燃機関を始動するリコイルスタータのケース構造に
おいて、スタータケースは、周縁部に櫛歯状の凹凸部が
形成されたほぼ円板状の原材板を絞り加工することによ
り円板状頭部と周側面部とからなるキャップ状に形成さ
れ、凹凸部が空冷用の導風孔とされている。このため、
周縁部に予め打抜き等によって鋸歯状の凹凸部が形成さ
れたほぼ円板状の原材板を、導風孔となる凹凸部に変形
や引き千切れ等の発生なしに、原材板に絞り加工を施し
て、リコイルスタータのケースが、簡単な工程で形成さ
れる。
【0010】本発明の第2の実施態様では、ファンカバ
ーに取り付けられたスタータケースにリールが回転自在
に取り付けられ、ゼンマイの復元力によって巻き取られ
ているロープを引き出すことによって、前記リールが回
転して内燃機関を始動するリコイルスタータのケース構
造において、スタータケースは、周縁部に櫛歯状の凹凸
部が形成されたほぼ円板状の原材板を絞り加工すること
により円板状頭部と周側面部とからなるキャップ状に形
成され、凹凸部が空冷用の導風孔とされ、さらに、前記
ファンカバーの凹凸部との対向部は、凹凸部にほぼ平行
になるよう起立されて、凹凸部の外周面に当接対向され
るリング状部を形成している。このため、周縁部に予め
打抜き等によって櫛歯状の凹凸部が形成されたほぼ円板
状の原材板を、導風孔となる凹凸部に変形や引き千切れ
等の発生なしに、原材板に絞り加工を施して、リコイル
スタータのケースが、簡単な工程で形成され、さらにリ
ング状部によつてスタータケースの凹凸部が強化され
る。
【0011】さらに本発明の第2の実施態様での作用に
加えて、凹凸部の先端が、ファンカバーのリング状部の
近傍に形成された取付孔に挿入されていて、スタータケ
ースの凹凸部が、ファンカバーに位置決めされ、かつリ
ング状部によって凹凸部が位置決めされた状態で機械的
強度が向上する。
【0012】
【実施例】
[第1の実施例]本発明の第1の実施例を、図1を参照
して説明する。図1は本実施例のスタータケース構造を
有するリコイルスタータの構成を示す説明図である。
【0013】本実施例の原材板は、周縁部に予め打抜き
等により櫛歯状の凹凸部20が形成されたほぼ円板状の
形状を有しており、この原材板に対して、周縁部に設け
た凹凸部20には、何らの変形や亀裂等を与えることな
く、プレスによる1乃至2回の絞り加工を施すことによ
り、円板状頭部と周側面部とからなるキャップ状のスタ
ータケース1Aが形成されている。このようにキャップ
状に形成されたスタータケース1Aが、図1に示すよう
に、ボルト16によってファンカバー10に固定され、
ファンカバー10に近接して配設される周側面部の凹凸
部20が空冷用の導風孔を形成している。このように、
本実施例では、周縁部に櫛歯状の凹凸部20を予め打抜
き等で形成したほぼ円板状の原材板に、凹凸部20には
何らの変形や引き千切れ等を与えることなく、絞り加工
を施すことができる。この理由は、絞り加工によりスタ
ータケースの肉厚部に不均一な伸縮が生じても導風孔の
下縁部が存在しないため、均一な伸縮が行われるからで
ある。このような絞り加工でスタータケースが簡単に形
成され、次いでファンカバー10にボルト16によって
固定されている。本実施例のスタータケース1Aを備え
たリコイルスタータのケース内の構成やリコイルスター
タ自体の動作は、すでに図5を参照して説明した従来の
リコイルスタータと同一なので、説明を省略する。
【0014】このように、本実施例では、周縁部に予め
打抜き等で櫛歯状の凹凸部20が形成されたほぼ円板状
の原材板に対して、絞り加工を施して、簡単な工程でス
タータケース1Aを形成し、このスタータケース1Aを
ファンカバーに固定することにより、スタータケース1
Aの製造工程を従来に比して大幅に簡略化し、製造コス
トを削減することが可能になる。
【0015】[第2の実施例]本発明の第2の実施例
を、図2を参照して説明する。図2は本実施例のスター
タケース構造を有するリコイルスタータの要部の構成を
示す説明図である。
【0016】本実施例の原材板は、すでに図1を参照し
て説明した第1の実施例と同一のものを使用し、円板状
頭部と周側面部とからなるキャップ状のスタータケース
1Aは、第1の実施例と同一に形成されている。本実施
例では、図2に示すように、ファンカバー10の凹凸部
20との近接対向部分が、予め打抜き等で形成された凹
凸部20にほぼ平行になるよう起立されて、凹凸部20
の内周面に当接対向するリング状部10aが形成されて
いる。
【0017】本実施例では、凹凸部20の内周面に当接
対向するリング状部10aによって、スタータケース1
Aの凹凸部20の下縁部が補強される。本実施例のその
他の部分の構成、動作及び効果は、すでに説明した第1
の実施例と同一なので、説明を省略する。
【0018】[第3の実施例]本発明の第3の実施例
を、図3を参照して説明する。図3は本実施例のスター
タケースの構造を有するリコイルスタータの要部の構成
を示す説明図である。本実施例では、図3に示すよう
に、スタータケース1Aの予め形成された凹凸部20の
先端が、ファンカバー10のリング状部10aの近傍に
形成された取付孔10bに挿入されている。
【0019】本実施例では、凹凸部20と取付孔10b
との係合で、スタータケース1Aの凹凸部20が、ファ
ンカバー10に位置決めされ、スタータケース1Aの凹
凸部20の近傍の機械的強度が向上する。本実施例のそ
の他の部分の構成、効果及び動作は、すでに説明した第
2の実施例と同一である。
【0020】[第4の実施例]本発明の第4の実施例
を、図4を参照して説明する。図4は本発明の第4の実
施例のスタータケース構造を有するリコイルスタータの
要部の構成を示す説明図である。本実施例では、図4に
示すように、予め打抜き等で形成された凹凸部20の突
起の先端には小径部が形成され、ファンカバー10には
小径部が挿入される取付孔10cが形成され、凹凸部2
0の突起は、小径部を取付孔10c内に位置させ、段部
20aをファンカバー10上に位置させて、スタータケ
ース1Bが、ファンカバー10に取り付けられている。
【0021】本実施例では、スタータケース1Bが、凹
凸部20の小径部を取付孔10c内に位置させ、段部2
0aをファンカバー10上に位置させて、ファンカバー
10に嵌合されるので、ボルトを使用せずにスタータケ
ース1Bをファンカバー10に固定することが可能にな
り、したがって機械的強度は一層向上する。なお、凹凸
部20の突起の小径部の先端を取付孔10cに挿入後に
折曲げることによって、ファンカバー10とスタータケ
ース1Bとの固定はさらに確実となる。本実施例のその
他の部分の構成、効果及び動作は、すでに説明した第2
の実施例と同一である。
【0022】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明によると、スタ
ータケースが、周縁部に櫛歯状の凹凸部が形成されたほ
ぼ円板状の原材板を、絞り加工することにより、円板状
頭部と周側面部とからなるキャップ状に形成され、凹凸
部が空冷用の導風孔とされているので、導風孔として働
く凹凸部には変形や引き千切れ等がなく、かつリコイル
スタータのケースは、導風孔導風孔として働くを簡単な
打抜き等で予め形成した後、絞り加工により形成できる
ので、簡単な製造工程で、製造コストを削減して形成す
ることが可能になる。さらに、本発明によると、前記フ
ァンカバーの凹凸部との対向部は、凹凸部にほぼ平行に
なるよう起立されて、凹凸部の外周面に当接対向される
リング部を形成しているので、リング状部によって、ス
タータケースの凹凸部下部を補強することが可能にな
る。また、前記スタータケースの凹凸部の先端が、ファ
ンカバーのリング状部の近傍に形成された取付孔に挿入
されているので、凹凸部がファンカバーに対して位置決
めされ、凹凸部下部の機械的強度が一層向上することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のスタータケース構造を
有するリコイルスタータの構成を示す側面説明図であ
る。
【図2】本発明の第2の実施例のスタータケース構造を
有するリコイルスタータの要部の構成を示す側面説明図
である。
【図3】本発明の第3の実施例のスタータケースの構造
を有するリコイルスタータの要部の構成を示す側面説明
図である。
【図4】本発明の第4の実施例のスタータケース構造を
有するリコイルスタータの要部の構成を示す一部拡大説
明図である。
【図5】従来のリコイルスタータの構成を示す説明図
で、(a)は側面説面図、(b)は(a)の矢印方向か
ら見た導風孔を示す図である。
【符号の説明】
10 ファンカバー 10a リング状部 10b、10c 取付孔 20 凹凸部 20a 段部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファンカバーに取り付けられたスタータ
    ケースにリールが回転自在に取り付けられ、ゼンマイの
    復元力によって巻き取られているロープを引き出すこと
    によって、前記リールが回転して内燃機関を始動するリ
    コイルスタータのケース構造において、 前記スタータケースは、周縁部に櫛歯状の凹凸部が形成
    されたほぼ円板状の原材板を絞り加工することにより円
    板状頭部と周側面部とからなるキャップ状に形成され、
    前記凹凸部が空冷用の導風孔とされていることを特徴と
    するリコイルスタータのケース構造。
  2. 【請求項2】 ファンカバーに取り付けられたスタータ
    ケースにリールが回転自在に取り付けられ、ゼンマイの
    復元力によって巻き取られているロープを引き出すこと
    によって、前記リールが回転して内燃機関を始動するリ
    コイルスタータのケース構造において、 前記スタータケースは、周側面部に櫛歯状の凹凸部が形
    成されたほぼ円板状の原材板を絞り加工することにより
    円板状頭部と周側面部とからなるキャップ状に形成さ
    れ、前記凹凸部が空冷用の導風孔とされ、 前記ファンカバーの前記凹凸部との対向部は、前記凹凸
    部にほぼ平行になるよう起立されて、前記凹凸部の内周
    面に当接配置されるリング状部を形成することを特徴と
    するリコイルスタータのケース構造。
  3. 【請求項3】 前記凹凸部の先端が、前記ファンカバー
    のリング状部の近傍に形成された取付孔に挿入されてい
    ることを特徴とする請求項2記載のリコイルスタータの
    ケース構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104383629A (zh) * 2014-11-24 2015-03-04 山东常林农业装备股份有限公司 一种电起动发动机呼吸器结构

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