JPH08246670A - 鋼製型枠パネルの接合プレート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 鋼製型枠パネルの接合を高精度、且つ、高強
度に行なうことで、型枠構築作業を軽減する。 〔鋼製〕 方形の鋼製型枠パネル１０の周面に一定ピッ
チで形成された孔１２の位置を合わせて二枚の鋼製型枠
パネル１０を接合する際の接合プレート１４であって、
この接合プレート１４が、鋼製型枠パネル１０の周面に
あてがわれるプレート１８に少なくとも二個以上の孔に
突入するピン１６が突設されたものであることを特徴と
する鋼製型枠パネルの接合プレート。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鋼製型枠パネルを接合
する際の接合プレートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】鋼製型枠パネルは、何回でも繰り返し使
用ができて非常に経済的であり、強度的に強いから、補
強用の鋼管等を張る手間も省け、更に、精度が良いこと
に伴って打ち込んだコンクリートの仕上げが美麗である
といった種々の特徴を有している。従って、最近では、
合板製型枠パネル（通称コンパネ）の代わりに各種基礎
用の型枠としてよく使用されているが、定められたコン
クリート打設空間を確保するには、鋼製型枠パネルを何
枚も結合しなければならず、この結合は非常に精度を要
求される。

【０００３】このため、鋼製型枠パネルの周面に一定ピ
ッチで孔をあけ、この孔を基準にして支点ピンと挟着部
とからなる挟着具を用いて結合していた。具体的には、
二枚の鋼製型枠パネルを孔を合わせて重ね、支点ピンを
孔に挿入して挟着部で二枚合わさった周面を挟み込んで
挟着していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この方法によると、支
点ピンが挿入される孔の位置（芯）は合うが、支点ピン
は一か所だけであるから、位置合わせの精度も劣る上に
支点ピンを中心とする二枚の面の捩じれについては規制
力が働かない。本発明は、このような課題を解決するも
のであり、精度保持は勿論のこと、接合部の補強も兼ね
る接合プレートを提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】以上の課題の下、本発明
は、方形の鋼製型枠パネルの周面に一定ピッチで形成さ
れた孔の位置を合わせて二枚の鋼製型枠パネルを接合す
る際の接合プレートであって、この接合プレートが、鋼
製型枠パネルの周面にあてがわれるプレートに少なくと
も二個以上の孔に突入するピンが突設されたものである
ことを特徴とする鋼製型枠パネルの接合プレートを提供
する。

【０００６】又、本発明は、方形の鋼製型枠パネルの周
面に一定ピッチで形成された孔の位置を合わせて上下左
右四枚の鋼製型枠パネルを接合する際の接合プレートで
あって、この接合プレートが、上下の鋼製型枠パネルに
跨がってこの間に存在する周面をかわす切欠が形成され
てその周面にあてがわれるプレートに少なくとも各々の
鋼製型枠パネルの二個以上の孔に突入するピンが突設さ
れたものであることを特徴とする鋼製型枠パネルの接合
プレートを提供する。

【０００７】

【作用】第一及び第二の手段をとることにより、即ち、
接合プレートのピンは、鋼製型枠パネル（以下、鋼製パ
ネルという）の二つ以上の孔に挿入されるものであるか
ら、接合された二枚の鋼製パネルの真直度等の精度は一
層高いものとなる。一方、接合部の周面には接合プレー
トがあてがわれるのであるから、この部分を補強する役
割も果たす。又、第二の手段によれば、別の補強金具等
を必要としないで、上下左右に四枚の鋼製パネルを接続
できる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図４は本発明の実施例を示す鋼製パネルの斜視図
であるが、この鋼製パネル１０は、周辺を所定の幅を有
する鋼板で囲い、中に角パイプからなる縦材と鋼板から
なる横材とを格子状に組んで補強した四角形の枠体の前
面に鋼板を貼ったものである。本発明の鋼製パネルがこ
のような構造をとることにより、前面の周縁はアールに
ならないから、鋼製パネル１０の継ぎ目が真っ直ぐにな
り、打ち込んだコンクリートに継ぎ目が表れない利点が
ある。この鋼製パネルの寸法は特に決められていない
が、縦９００〜１８００ｍｍ、横６００ｍｍ、厚み５０
ｍｍ程度のものが適する。尚、鋼製パネル１０の四つの
周面には一定ピッチ（例えば、１００ｍｍ）で孔１２が
形成されている。

【０００９】図１はこの鋼製パネル１０を二枚横方向
（縦方向の場合も同じ）に接合した状態を示す一部斜視
図であるが、接合するときの位置合わせを以下の接合プ
レート１４によって行なう。この接合プレート１４は、
少なくとも鋼製パネル１０の二つ以上の孔１２（本例で
は三個）に挿入できるピン１６を鋼製パネル１０の周面
にあてがうことのできるプレート１８に突設したもので
ある。即ち、二枚の鋼製パネル１０をその孔１２の位置
を合わせて接合し、接合プレート１４のピン１６をそれ
ぞれの孔１２に挿入してプレート１８を周面にあてが
う。

【００１０】この操作によって二枚の鋼製パネル１０は
高精度で接合できたのであるから、後はこれを固定すれ
ばよい。固定するには、例えば、万力のようなものを使
ってもよいが、以下の挟着具２０を使うと更に便利であ
る。この挟着具２０は先端に支点ピン２２が突設され、
後方にプレート１８と二枚の周面とを併せて挟着できる
断面コ字形の挟着部２４が下方に開口して形成されたも
のである。

【００１１】この場合、プレート１８の適所に挟着具２
０の支点ピン２２が挿入できる孔２６を形成しておき、
支点ピン２２を孔２２に挿入して挟着部２４を押さえ込
んで二枚の周面をプレート１８もろとも挟み込む。これ
により、鋼製パネル１０の二枚の周面と接合プレート１
４は相互に強く締め付けられて一体化する。この意味か
ら、支点ピン２２と挟着部２４との間隔は離した（本例
では孔１２の一ピッチ以上は離してある）方が固定力が
強い。尚、これら接合プレート１４と挟着具１６による
接合は、一つの接合面において強度的に不足がないよう
に適当間隔ごとに行なわれる。

【００１２】図２は接合プレート１４の他の例を示す一
部斜視図であるが、本例のものは、接合プレート１４の
一つのピン１６に代わってここに挟着具２０の支点ピン
２２を挿入する孔２６を形成したものである。こうする
と、接合プレート１４の形状が簡単になる利点がある。
但し、この場合でも、接合プレート１４には、少なくと
も鋼製パネル１０の二つ以上の孔１２に挿入できるピン
１６が形成されていなければならない。

【００１３】図３はこの鋼製パネル１０を上下に四枚接
合した状態を示す一部斜視図であるが、これを可能にす
る接合プレート１４は、上下の鋼製パネル１０に跨がっ
て取り付けられる。即ち、そのピン１６は、上下の鋼製
パネル１０の孔１２にそれぞれ二個以上挿入されるよう
にプレート１８に突設されており（本例では二個ず
つ）、又、プレート１８が鋼製パネル１０の横方向の周
面と干渉する箇所には切欠２８が形成されているもので
ある。尚、挟着具２０については前記と同様であるが、
プレート１８の幅が増すだけ、挟着部２４の底が深いも
のとなっている。

【００１４】以上の接合プレート１４と挟着具２０を用
いて鋼製パネル１０を結合すると、接合精度が上がるば
かりでなく、強度的にも補強される。従って、別の補強
構造等は必要としないのであるが、特別の強度等を要請
される場合等は、角パイプ等を鋼製パネル１０に沿わせ
て補強するようなこともある。

【００１５】図５はこの角パイプを保持する保持プレー
トの斜視図であるが、この保持プレート３０は、プレー
ト１８に三個のピン１６が突設されるとともに、角パイ
プ３２が入る凹所３４を形成されたものである。そし
て、鋼製パネル１０の周面の孔１２に各ピン１６を挿入
して止めるものである。このような保持プレート３０を
使用すると、極めて簡単な操作で角パイプ３２を確実に
止めることができる。

【００１６】

【発明の効果】以上、本発明は、前記したものであるか
ら、即ち、鋼製パネルの接合時における位置合わせを、
鋼製パネルの周面に形成された複数の孔に挿入するピン
を突設した接合プレートを用いるものであるから、ピン
によって鋼製パネルの位置が高精度に決まり、真直度等
の精度が向上する。従って、打ち込んだコンクリートの
表面が平坦に仕上がる。

【００１７】一方で、この接合プレートは鋼製パネルの
周面にも沿うものであるから、この部分を補強する。従
って、別の補強構造等を必要としない。この点、従来の
鋼製パネルに使用する挟着具はプレート等を使用しない
ものであるから、強度的に劣り、補強金具等で補強しな
ければならなかった。しかし、この接合プレートによれ
ば、このようなものは必要としないのであるから、型枠
構築作業が著しく軽減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す接合プレートの斜視図で
ある。

【図２】本発明の他の実施例を示す接合プレートの斜視
図である。

【図３】本発明の実施例を示す接合プレートの斜視図で
ある。

【図４】本発明の実施例を示す鋼製型枠パネルの斜視図
である。

【図５】本発明の実施例を示す鋼管保持プレートの斜視
図である。

【符号の説明】

１０ 鋼製型枠パネル １２ 孔 １４ 接合プレート １６ ピン １８ プレート ２０ 挟着具 ２２ 支点ピン ２６ 孔 ２８ 切欠

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 方形の鋼製型枠パネルの周面に一定ピッ
   チで形成された孔の位置を合わせて二枚の鋼製型枠パネ
   ルを接合する際の接合プレートであって、この接合プレ
   ートが、鋼製型枠パネルの周面にあてがわれるプレート
   に少なくとも二個以上の孔に突入するピンが突設された
   ものであることを特徴とする鋼製型枠パネルの接合プレ
   ート。
2. 【請求項２】 方形の鋼製型枠パネルの周面に一定ピッ
   チで形成された孔の位置を合わせて上下左右四枚の鋼製
   型枠パネルを接合する際の接合プレートであって、この
   接合プレートが、上下の鋼製型枠パネルに跨がってこの
   間に存在する周面をかわす切欠が形成されてその周面に
   あてがわれるプレートに少なくとも各々の鋼製型枠パネ
   ルの二個以上の孔に突入するピンが突設されたものであ
   ることを特徴とする鋼製型枠パネルの接合プレート。
3. 【請求項３】 プレートと二枚接合された周面とが、こ
   れらを一緒に挟着する挟着部を有する挟着具で結合され
   るものであり、請求項１又は２の鋼製型枠パネルの接合
   プレートの適所に挟着具の支点ピンを挿入する孔が形成
   されたものである鋼製型枠パネルの接合プレート。
4. 【請求項４】 請求項３の支点ピンを挿入する孔が接合
   プレートのピンの一つに代えて形成された孔である鋼製
   型枠パネルの接合プレート。