JPH08246166A - 金属缶 - Google Patents

金属缶

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Publication number
JPH08246166A
JPH08246166A JP7083595A JP7083595A JPH08246166A JP H08246166 A JPH08246166 A JP H08246166A JP 7083595 A JP7083595 A JP 7083595A JP 7083595 A JP7083595 A JP 7083595A JP H08246166 A JPH08246166 A JP H08246166A
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JP
Japan
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metal
resin layer
oxygen
base material
metallic
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Application number
JP7083595A
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English (en)
Inventor
Shunichi Kato
俊一 加藤
Hiroto Kashima
浩人 鹿島
Kiyotaka Omote
清隆 表
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 充填時の酸素ガス混入による内容物劣化を防
止できるようにした金属缶を提供する。 【構成】 少なくとも胴部が、金属基材1の内面側に、
酸素吸収樹脂層2及び表面保護樹脂層3を順に設け、金
属基材1の外面側に、樹脂中間層4、インキ絵柄層5及
び外側保護層6を順に設けた積層構造からなる金属缶で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品等を長期間保存、
収納できる金属缶に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属缶は物の保存、収納容器
として多く用いられており、なかでも食品等を保存、収
納する容器としては、内容物である食品と金属とが直接
接触することを避け、金属の酸化を防止する、あるいは
食品の味覚を保持するために、樹脂層を容器内面に設け
ることは行われている。すなわち、一般的に金属箔ある
いは金属板を用いた樹脂層とのラミネート複合容器(以
下、ラミネート缶と称する)は、金属箔あるいは金属板
の片面又は両面に樹脂フィルムを貼り合わせ、該樹脂フ
ィルム貼り合わせ複合板を、金属と樹脂とのラミネート
缶として成形加工を行い2ピース容器あるいは3ピース
容器としている。このようなラミネート缶は、従来から
の金属箔あるいは金属板の容器内面に相当する部分に塗
料を塗布、焼き付けた缶に比べて、食品等の内容物への
成分滲み出しが少ない、あるいは内容物成分の容器壁へ
の吸着が少ない等の利点がある。
【0003】このようなラミネート缶を用いて食品等を
収納する場合、食品等をラミネート缶に充填し、しかる
後に蓋材にて密封し、加熱処理をする事は以前より行わ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ラミネ
ート缶を食品用長期保存容器として使用することを考え
た場合、内容物の食品を充填、密封する際に内容物と同
時に空気成分を同時に密封してしまうので、空気成分中
に含まれる酸素ガスが内容物に影響を与え、内容物の劣
化を引き起こすことが知られている。
【0005】そこで、このような問題を解決するための
一つの方法として、内容物の充填時に不活性ガス雰囲気
中にて内容物の充填を行い、密封されるときの缶容器中
には、内容物と不活性ガスだけを充填密封する方法を採
ることもできるが、このような方法では充填密封装置と
して過大な設備を用いる必要があり、また不活性ガスに
よる空気成分の置換率についても必ずしも十分とは言え
ず、微量の酸素成分が同時に密封されることは避けられ
ないことである。
【0006】つまり、従来のラミネート缶は、種々の利
点があるものの、上記したような充填時の酸素ガス混入
による内容物劣化については、未だ解決されていない問
題点として残されていた。
【0007】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
為されたもので、その目的とするところは、充填時の酸
素ガス混入による内容物劣化を防止できるようにした金
属缶を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の金属缶は、少なくとも胴部が、金属基材と
酸素吸収樹脂層の少なくとも2層を有する積層構造から
なることを特徴としている。
【0009】また、本発明の金属缶は、前記酸素吸収樹
脂層の金属基材とは反対側に表面保護樹脂層を有するこ
とを特徴としている。
【0010】また、本発明の金属缶は、前記酸素吸収樹
脂層が熱接着性を有する樹脂層であることを特徴として
いる。
【0011】また、本発明の金属缶は、前記表面保護樹
脂層が内面側に位置していることを特徴としている。
【0012】また、本発明の金属缶は、前記酸素吸収樹
脂層は、アルミニウムを主体とする合金を含有すること
を特徴としている。
【0013】また、本発明の金属缶は、前記アルミニウ
ムを主体とする合金は、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウ
ム、ストロンチウム、カルシウム、バリウムのうちの少
なくとも1種の元素をアルミニウムに添加した合金であ
ることを特徴としている。
【0014】また本発明の金属缶は、前記金属基材が、
電解クロム酸処理が施された鋼、アルミニウム、亜鉛、
鉄のうちの少なくとも1種、または2種以上の組み合わ
せによりなる金属箔又は金属板であることを特徴として
いる。
【0015】また、本発明の金属缶は、前記表面保護樹
脂層が少なくとも1層の2軸延伸ポリエステル樹脂層を
含むことを特徴としている。
【0016】また、本発明の金属缶は、プレス成形容器
が周縁部にフランジを有しており、該フランジ部には熱
接着性樹脂層を有することを特徴としている。
【0017】また、本発明の金属缶は、前記プレス成形
容器の周縁部に巻き締め用フランジを有することを特徴
としている。
【0018】また、本発明の金属缶は、前記表面保護樹
脂層が少なくとも1面あるいは全面において容器内面側
となるように胴部を成形、接合あるいは貼り合わせによ
り組み立てたことを特徴としている。
【0019】さらに、本発明の金属缶は、前記金属基材
の外側表面に少なくとも1層の印刷を施した樹脂層を有
することを特徴としている。
【0020】以下、本発明の構成についてさらに詳しく
説明する。
【0021】本発明の金属缶は、一実施態様によれば、
その少なくとも胴部が、図1に示すような金属基材1と
酸素吸収樹脂層2の少なくとも2層を有する積層構造か
らなっており、酸素吸収樹脂層2が容器の内面側に位置
している。また、図2に示すように、酸素吸収樹脂層2
の金属基材1とは反対側に表面保護樹脂層3を有する積
層構造であっても構わない。図2に示す積層構造を採用
すれば、上記表面保護樹脂層3が、内容物と直接接触を
する層となり、内容物をより一層保護する役割を果たす
ことが出来る。
【0022】上記金属基材1としては、金属箔又は金属
板の表面をたとえば特開平5−255864号公報に開
示されているような金属表面処理方法、すなわち金属ク
ロムおよびクロム水和酸化処理、あるいは電解クロム酸
処理等を施した金属箔又は金属板を用いるのが好まし
い。金属箔又は金属板の材質としては、鋼、アルミニウ
ム、亜鉛、鉄等の金属を用いることが出来る。
【0023】本発明に用いる酸素吸収樹脂層2として
は、化学的に分子状の酸素を吸収する物質を塗工する
か、あるいは樹脂中に練り込ませることにより形成され
る。
【0024】この酸素吸収物質としては、たとえばアル
ミニウムを主体とする合金が最も適当である。酸素吸収
物質が酸素分子と接触することにより酸化され、結果的
に酸素吸収樹脂層2中に侵入してきた酸素ガスを吸収す
る役割を果たすことになる。したがって、密封容器中に
混入している酸素ガスを完全に取り除くことが出来る。
【0025】アルミニウムを主体とする合金としては、
例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、
セシウム、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウ
ム、カルシウム、バリウム等のうちの少なくとも1種の
元素を添加剤(ドープ剤)としてアルミニウムに添加し
た合金である。本発明の積層材料は、その主用途が食品
用の包装材料であるため、上記の添加剤の中ではカルシ
ウムが最も適当である。添加剤としてはここに例示した
ものに限定されるものではなく、更に酸化反応を促進す
るために、金属の塩化物等を添加することも可能であ
る。
【0026】このアルミニウムを主体とする合金による
酸素吸収反応の原理は今のところ明らかではなく、あく
までも推測ではあるが、アルミニウム単体の場合には、
酸素と反応して表面に50オングストローム程度の酸化
アルミニウム層(不動体)を形成して、それ以上の酸化
反応は進まないのであるが、アルミニウムに添加剤(ド
ープ剤)を添加した合金の場合は、酸素と反応して表面
に出来る酸化アルミニウム層が膜にはならず、新たな酸
素分子は合金粒子の内部に吸収されて酸化反応が連続し
て進行するものと考えられる。
【0027】アルミニウムに対する上記添加剤(ドープ
剤)の添加量は、数%〜20%程度の範囲が好ましく、
特に10%程度が適当である。添加剤の量が少ないと、
酸素の吸収能力が不十分である。添加剤の量が多くなる
ほど酸素の吸収は早くなるが、添加剤の量が多すぎても
酸素吸収能力が劣化するので、上記の範囲が適当であ
る。
【0028】酸素吸収物質として用いるこのアルミニウ
ムを主体とする合金は、電気炉中でアルミニウムおよび
添加剤を加熱溶解し、その後、型内に流し出して合金の
形で容易に得られる。その後は、種々の方法で粉末また
は微粉末化されて本発明の使用に供される。粉末化の方
法は特に限定されない。
【0029】このようにして得られる合金の粉末の粒径
は、特に限定されないが、本発明の酸素吸収物質として
用いる場合、0.1μm〜500μm程度が好ましい。
粒径が0.1μmより小さいと酸素吸収能力は優れる
が、粉塵爆発等のハンドリング上の問題があること、包
装容器として加工する際にすでに酸素吸収反応が開始し
てしまうことがあり、実施態様としては好ましくない。
粒径が500μmを越えると、樹脂への分散が極端に悪
くなるとともに、酸素吸収能力も低下し、本発明の金属
缶の特徴を発揮できなくなるので好ましくない。
【0030】前述の如く、酸素吸収樹脂層2は、酸素吸
収物質を塗工するか、或いは樹脂中に練り込ませること
により形成される。酸素吸収樹脂層2中への酸素吸収物
質の添加量は、酸素吸収樹脂層2のバインダー樹脂10
0重量部に対して、0.1〜30重量部程度の範囲で添
加することが好ましい。酸素吸収物質の添加量が少ない
と、酸素吸収能力に劣る。逆に、酸素吸収物質の添加量
が多すぎて困ることはないが、必要とする酸素吸収能力
と材料コストとのバランス、および樹脂中への添加適性
を考慮すると、30重量部程度までの添加が好ましい。
【0031】なお、酸素吸収樹脂層2のバインダー樹脂
としては、例えば、ポリエステル/ウレタン樹脂、エポ
キシ/アクリル樹脂、等の熱硬化性樹脂を用いることが
出来、また用途に応じてはポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、酸変性熱可塑性樹脂等の熱可塑性樹脂も用いる
ことが出来る。酸素吸収樹脂層2は、金属基材1とは強
固に接着する必要があり、また図2に示す実施態様にお
いては、表面保護樹脂層3との接着性能を有している必
要もあり、熱プレス等の方法で金属基材1と表面保護樹
脂層3とを接着する機能を求められる場合も多い。
【0032】酸素吸収樹脂層2の厚さは、特に限定され
るわけではないが、酸素吸収性能を考慮すると、2μm
〜20μm程度の厚さが適当である。
【0033】本発明において、酸素吸収樹脂層2に含ま
れる酸素吸収物質としては、上記のアルミニウムを主体
とする合金に限定されるわけではなく、たとえば、鉄等
の易酸化性金属粉、ピロガロール、ハイドロサルファイ
ト、硫酸第一鉄等に代表される第一鉄塩、アスコルビン
酸などの物質を単独で、或いは混合して用いることも可
能である。例えば、アスコルビン酸と第一鉄塩とを混合
して用いることは好ましい一態様である。
【0034】このようなアスコルビン酸等を酸素吸収物
質として用いる場合には、酸素吸収樹脂層2のバインダ
ー樹脂に対して、1%〜10%程度の添加量で用いるこ
とが適当である。また、この場合の酸素吸収樹脂層2の
厚さは、2μm〜20μm程度の範囲が適当である。
【0035】前述したように、図2において、表面保護
樹脂層3は、金属缶として加工された時に、容器内面と
なるべき層であり、内容物と直接接触する層である。該
表面保護樹脂層3としては、特にポリエステル樹脂が好
ましく用いられる。ポリエステル樹脂は、食品等の内容
物と接触したときに、食品等の内容物への溶出成分が非
常に少なく、また逆に食品等の成分が吸着することが少
ない樹脂としてよく知られている。ポリエステル樹脂と
しては、2軸方向に延伸加工されたフィルムであっても
よいし、未延伸状態の樹脂層であっても構わない。勿
論、表面保護樹脂層3は、ポリエステル樹脂に限定する
ものではない。
【0036】本発明の更に別の実施態様としては、図3
に示すように、金属基材1の酸素吸収樹脂層2とは反対
側の面に樹脂中間層4、インキ絵柄層5及び外側保護層
6を順に設けた積層構成とすることもできる。このよう
な積層構成を採る場合は、表面保護樹脂層3が容器内面
側で、外側保護層6が容器外面側とすることが出来る。
【0037】上記外側保護層6は、容器流通時の容器が
受ける摩擦、衝撃等の力から内面のインキ絵柄層5及び
容器自体を保護する役目を果たし、インキ絵柄層5は金
属缶容器としての内容物表示等の表示層としての役目を
有し、さらに樹脂中間層4は金属基材1とインキ絵柄層
5あるいは外側保護層6とを接着する役割を有する。
【0038】上記インキ絵柄層5は、ポリエステル/ウ
レタン樹脂、エポキシ/フェノール樹脂等からなる樹脂
組成物が好ましく用いられる。
【0039】また、外側保護層6としては、ポリエステ
ル樹脂が好ましく用いられ、特に2軸延伸フィルムを用
いることが、その印刷適性、表面すべり性、耐摩擦性な
どの点から好ましいが、勿論これに限定するものではな
い。
【0040】また、樹脂中間層4としては、金属基材1
と強固に接着する必要があり、また外側保護層6及びイ
ンキ絵柄層5との接着性能を有している必要もあり、熱
プレス等の方法でこれら外側保護層6、インキ絵柄層
5、金属基材1を一体的に接着する機能を求められる場
合も多い。具体的には、樹脂中間層4として、エポキシ
/ウレタン樹脂、ポリエステル/ウレタン樹脂等が好ま
しく用いられる。
【0041】本発明の金属缶は、少なくとも胴部が、図
1、図2、図3に示すような積層構造を有している。金
属缶の製造方法は、従来の方法を適用して構わない。た
とえば、図1、図2、図3に示すような積層材を、その
酸素吸収樹脂層2あるいは表面保護樹脂層3を容器の内
面とするようにプレス加工により深絞りして容器タブ形
状とし、内容物充填後に、金属蓋により巻き締めを実施
して金属缶とすることが出来る。プレス加工において
は、後工程で必要なフランジ加工も実施することが出来
る。あるいは別の方法として、上記積層材を接着剤を用
いて円筒状に加工し、その円筒端片側にフランジを設
け、容器の底部をなす円盤状金属部品を巻き締めて有底
容器となし、内容物充填後に蓋材を巻き締めて、いわゆ
る3ピース缶とよばれる金属缶を製造することが出来
る。
【0042】
【作用】本発明の金属缶によると、少なくとも胴部が、
金属基材と酸素吸収樹脂層の少なくとも2層を有する積
層構造からなり、酸素吸収樹脂層に含まれる酸素吸収物
質が酸素分子と接触することにより酸化されるため、結
果的に酸素吸収樹脂層中に侵入してきた酸素ガスを吸収
する役割を果たす。したがって、密封金属缶容器中に混
入している酸素ガスは酸素吸収樹脂層に吸収され完全に
取り除くことが出来、本発明の金属缶を長期保存容器と
して使用しても、混入酸素ガスによる内容物の劣化を引
き起こすことはない。
【0043】また、内容物と直接接触する内面側にポリ
エステル樹脂等の表面保護樹脂層を設けることにより、
食品等の内容物と接触しても、内容物への溶出成分が非
常に少なく、逆に食品等の成分が吸着することも少ない
ので、より良好な内容物の保護機能を持たせることが出
来る。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例−1 アルミニウム100重量部に対してカルシウム4重量部
を添加した合金を平均粒径10ミクロンの合金微粉末と
して、ポリエステル/ウレタン樹脂の熱硬化性樹脂中に
該樹脂100重量部に対して8重量部添加し分散して、
厚み12ミクロンの2軸延伸ポリエステルフィルムの片
側面に、厚み2ミクロンとなるように塗布し、160℃
4秒間加熱硬化させて内側フィルムとした。
【0045】次に、厚さ12ミクロンの2軸延伸ポリエ
ステルフィルムの片側面にポリエステル樹脂及び顔料を
主成分とするインキにて印刷を施し、該印刷面側に、白
色塗料層としての樹脂中間層(エポキシ系、メラミン系
樹脂)を施し、160℃で6秒間加熱硬化させ、外側フ
ィルムとした。
【0046】次いで、厚さ0.05mmの表面処理冷間
圧延鋼板を用い、該鋼板の片側面に上記外側フィルムの
白色塗料層と金属面とが接するように外側フィルムと鋼
板とを重ね合わせ、該鋼板の反対側面に上記内側フィル
ムの合金含有樹脂層が接するように内側フィルムを重ね
合わせ、180℃の温度にて線接触圧力3kgとなるよ
うに加熱加圧し、横幅206mm、縦223mmの積層
材を得た。
【0047】次に、上記積層材に接着性樹脂を塗布し、
円筒状加工物とし、該円筒状加工物の片側端に容器底部
を巻き締め円筒状の缶を製造した。
【0048】製造した缶に飲料としての抽出緑茶を35
0ml充填し、アルミニウム蓋材で巻き締めシールし
た。該缶飲料を125℃30分間レトルト殺菌し、長期
保存飲料とした。長期保存後の容器ヘッドスペース中の
酸素濃度、および長期保存後の味覚試験の結果を表1に
示した。 実施例−2 アルミニウム100重量部に対してカリウム7重量部を
添加した合金を平均粒径6ミクロンの合金微粉末とし
て、ポリエステル/ウレタン樹脂の熱硬化性樹脂中に該
樹脂100重量部に対して8重量部添加し分散して、厚
み12ミクロンの2軸延伸ポリエステルフィルムの片側
面に、厚み2ミクロンとなるように塗布し、160℃4
秒間加熱硬化させて内側フィルムとした。
【0049】次に、厚さ12ミクロンの2軸延伸ポリエ
ステルフィルムの片側面にポリエステル樹脂及び顔料を
主成分とするインキにて印刷を施し、該印刷面側に、白
色塗料層としての樹脂中間層(エポキシ系、メラミン系
樹脂)を施し、160℃で6秒間加熱硬化させ、外側フ
ィルムとした。
【0050】次いで、厚さ0.05mmの表面処理冷間
圧延鋼板を用い、該鋼板の片側面に上記外側フィルムの
白色塗料層と金属面とが接するように外側フィルムと鋼
板とを重ね合わせ、該鋼板の反対側面に上記内側フィル
ムの合金含有樹脂層が接するように内側フィルムを重ね
合わせ、180℃の温度にて線接触圧力3kgとなるよ
うに加熱加圧し、横幅206mm、縦223mmの積層
材を得た。
【0051】次に、上記積層材に接着性樹脂を塗布し、
円筒状加工物とし、該円筒状加工物の片側端に容器底部
を巻き締め円筒状の缶を製造した。
【0052】製造した缶に飲料としての抽出緑茶を35
0ml充填し、アルミニウム蓋材で巻き締めシールし
た。該缶飲料を125℃30分間レトルト殺菌し、長期
保存飲料とした。長期保存後の容器ヘッドスペース中の
酸素濃度、および長期保存後の味覚試験の結果を表1に
示した。 実施例−3 アルミニウム100重量部に対してマグネシウム4重量
部およびカルシウム2重量部を添加した合金を平均粒径
10ミクロンの合金微粉末として、ポリエステル/ウレ
タン樹脂の熱硬化性樹脂中に該樹脂100重量部に対し
て8重量部添加し分散して、厚み12ミクロンの2軸延
伸ポリエステルフィルムの片側面に、厚み2ミクロンと
なるように塗布し、160℃4秒間加熱硬化させて内側
フィルムとした。
【0053】次に、厚さ12ミクロンの2軸延伸ポリエ
ステルフィルムの片側面にポリエステル樹脂及び顔料を
主成分とするインキにて印刷を施し、該印刷面側に、白
色塗料層としての樹脂中間層(エポキシ系、メラミン系
樹脂)を施し、160℃で6秒間加熱硬化させ、外側フ
ィルムとした。
【0054】次いで、厚さ0.05mmの表面処理冷間
圧延鋼板を用い、該鋼板の片側面に上記外側フィルムの
白色塗料層と金属面とが接するように外側フィルムと鋼
板とを重ね合わせ、該鋼板の反対側面に上記内側フィル
ムの合金含有樹脂層が接するように内側フィルムを重ね
合わせ、180℃の温度にて線接触圧力3kgとなるよ
うに加熱加圧し、横幅206mm、縦223mmの積層
材を得た。
【0055】次に、上記積層材に接着性樹脂を塗布し、
円筒状加工物とし、該円筒状加工物の片側端に容器底部
を巻き締め円筒状の缶を製造した。
【0056】製造した缶に飲料としての抽出緑茶を35
0ml充填し、アルミニウム蓋材で巻き締めシールし
た。該缶飲料を125℃30分間レトルト殺菌し、長期
保存飲料とした。長期保存後の容器ヘッドスペース中の
酸素濃度、および長期保存後の味覚試験の結果を表1に
示した。 実施例−4 アルミニウム100重量部に対してマグネシウム4重量
部およびカルシウム2重量部を添加した合金を平均粒径
10ミクロンの合金微粉末として、ポリエステル/ウレ
タン樹脂の熱硬化性樹脂中に該樹脂100重量部に対し
て8重量部添加し分散して、厚み12ミクロンの2軸延
伸ポリエステルフィルムの片側面に、厚み2ミクロンと
なるように塗布し、内側フィルムとした。
【0057】次いで、厚さ0.15mmの表面処理アル
ミニウム板を用い、該アルミニウム板の片側面に上記内
側フィルムの合金含有樹脂層が接するように内側フィル
ムを重ね合わせ、180℃の温度にて線接触圧力3kg
となるように加熱加圧し、金属積層物を得た。
【0058】次に、上記金属積層物をプレス成形にて深
絞りし、上記ポリエステルフィルム面が内側となる有底
容器を製造した。
【0059】製造した容器に飲料としての抽出緑茶を3
50ml充填し、アルミニウム蓋材で巻き締めシールし
た。該缶飲料を125℃30分間レトルト殺菌し、長期
保存飲料とした。長期保存後の容器ヘッドスペース中の
酸素濃度、および長期保存後の味覚試験の結果を表1に
示した。 比較例−1 実施例−1において、内側フィルムのポリエステル/ウ
レタン樹脂を単独で用いて、アルミニウム合金微粉末を
添加しなかったことを除けば、実施例−1とまったく同
様にして飲料缶を得た。
【0060】長期保存後の容器ヘッドスペース中の酸素
濃度、および長期保存後の味覚試験の結果を表1に示し
た。 比較例−2 実施例−4において、内側フィルムのポリエステル/ウ
レタン樹脂を単独で用いて、アルミニウム合金微粉末を
添加しなかったことを除けば、実施例−4とまったく同
様にして飲料缶を得た。
【0061】長期保存後の容器ヘッドスペース中の酸素
濃度、および長期保存後の味覚試験の結果を表1に示し
た。
【0062】
【表1】 表1の結果から、本発明の金属缶は、混入した酸素ガス
が完全に取り除かれて、長期保存しても酸素ガスによる
内容物の劣化が生じないことがわかる。
【0063】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の金
属缶によれば、少なくとも胴部が、金属基材と酸素吸収
樹脂層の少なくとも2層を有する積層構造からなり、酸
素吸収樹脂層に含まれる酸素吸収物質が酸素分子と接触
することにより酸化されて、結果的に酸素吸収樹脂層中
に侵入してきた酸素ガスを吸収する役割を果たすため、
密封金属缶容器中に混入している酸素ガスは酸素吸収樹
脂層に吸収され完全に取り除くことが出来、混入酸素ガ
スによる内容物の劣化を引き起こすことはないので、長
期保存容器として使用することが出来る。
【0064】また、内容物と直接接触する内面側にポリ
エステル樹脂等の表面保護樹脂層を設けることにより、
食品等の内容物と接触しても、内容物への溶出成分が非
常に少なく、逆に食品等の成分が吸着することも少ない
ので、より良好な内容物の保護機能を持たせることが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属缶の胴部を構成する積層構造の一
実施態様を示す断面図である。
【図2】本発明の金属缶の胴部を構成する積層構造の別
の実施態様を示す断面図である。
【図3】本発明の金属缶の胴部を構成する積層構造の他
の実施態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金属基材 2 酸素吸収樹脂層 3 表面保護樹脂層 4 樹脂中間層 5 インキ絵柄層 6 外側保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 1/12 B65D 1/12 Z C22C 21/00 C22C 21/00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも胴部が、金属基材と酸素吸収
    樹脂層の少なくとも2層を有する積層構造からなること
    を特徴とする金属缶。
  2. 【請求項2】 前記酸素吸収樹脂層の金属基材とは反対
    側に表面保護樹脂層を有することを特徴とする請求項1
    記載の金属缶。
  3. 【請求項3】 前記酸素吸収樹脂層が熱接着性を有する
    樹脂層であることを特徴とする請求項1または2記載の
    金属缶。
  4. 【請求項4】 前記表面保護樹脂層が内面側に位置して
    いることを特徴とする請求項2または3記載の金属缶。
  5. 【請求項5】 前記酸素吸収樹脂層は、アルミニウムを
    主体とする合金を含有することを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれかに記載の金属缶。
  6. 【請求項6】 前記アルミニウムを主体とする合金は、
    リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
    ム、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、カル
    シウム、バリウムのうちの少なくとも1種の元素をアル
    ミニウムに添加した合金であることを特徴とする請求項
    5記載の金属缶。
  7. 【請求項7】 前記金属基材が、電解クロム酸処理が施
    された鋼、アルミニウム、亜鉛、鉄のうちの少なくとも
    1種、または2種以上の組み合わせによりなる金属箔又
    は金属板であることを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載の金属缶。
  8. 【請求項8】 前記表面保護樹脂層が少なくとも1層の
    2軸延伸ポリエステル樹脂層を含むことを特徴とする請
    求項2乃至7のいずれかに記載の金属缶。
  9. 【請求項9】 プレス成形容器が周縁部にフランジを有
    しており、該フランジ部には熱接着性樹脂層を有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の金属
    缶。
  10. 【請求項10】 前記プレス成形容器の周縁部に巻き締
    め用フランジを有することを特徴とする請求項9記載の
    金属缶。
  11. 【請求項11】 前記表面保護樹脂層が少なくとも1面
    あるいは全面において容器内面側となるように胴部を成
    形、接合あるいは貼り合わせにより組み立てたことを特
    徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の金属缶。
  12. 【請求項12】 前記金属基材の外側表面に少なくとも
    1層の印刷を施した樹脂層を有することを特徴とする請
    求項1乃至11のいずれかに記載の金属缶。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007234545A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Toshiba Corp 非水電解質電池および電池パック
JP2009018591A (ja) * 2008-08-28 2009-01-29 Dainippon Printing Co Ltd 化粧鋼板の製造方法
JP2011151041A (ja) * 2011-05-09 2011-08-04 Toshiba Corp 非水電解質電池および電池パック
JP2011210731A (ja) * 2011-05-09 2011-10-20 Toshiba Corp 非水電解質電池および電池パック

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