JP2667011B2 - 脱酸素機能を有する積層体 - Google Patents

脱酸素機能を有する積層体

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は脱酸素機能を有する金属−樹脂積層体材料に
関し、特に酸素の影響を受けやすい飲食料品等の変質を
防ぎ、長期間の保存を可能にする密閉容器材料に関する
ものである。
(従来の技術) 従来、飲食料品や薬品などの中には、保存に際し空気
中の酸素と接触すると腐敗、変質、劣化を起こすものが
あり、その防止方法として例えば密閉容器内に内容物と
共に酸素を吸収する脱酸素剤(スルホキシル酸塩、亜ニ
チオン酸塩などの還元性有機化合物や鉄などの遷移金属
の粉末または粒状物)を通気性容器に入れるか、通気性
フィルムに包装して入れる方法や、密閉容器内面を酸素
と親和性の高い金属で形成することによって、容器方に
存在する酸素を容器自身で吸収除去する方法などが考案
されている。
しかしながら脱酸素剤を入れる方法では通気性容器や
通気性フィルムによる包装物を内容物と一緒にして密閉
する必要があり、これらの容器や包装物を内容物と明確
に区別しなければならないこと、また密閉容器自体を酸
素吸収体として利用する方法においても内容物の種類に
よっては、内容物が容器と直接接触して悪影響を受けな
いように、容器内面を塗料やフィルム等で被覆する必要
があり、これらが容器自体の持つ酸素吸収能力を低下さ
せる等の問題点がある。そこで他の方法として本発明者
らはすでに、金属材料表面に親水性被覆層及び酸素・水
透過性被覆層を形成した脱酸素機能材料によって形成さ
れる金属密閉容器が容器内の酸素を除去できることを見
いだし、特開昭62−109859号、特開昭63−274536号など
の発明をするに至った。しかしながら前記発明において
も金属材料表面に酸素・水透過性被覆フィルムを形成さ
せるため用いられる接着剤の酸素・水透過係数が小さい
と、金属材料表面に透過してくる酸素、水の到達時間が
遅くなり、短時間に容器内の酸素を除去し内容物の変質
や劣化などを防止するという所期の目的を達成できない
場合があることが判明した。すなわち通常の合成樹脂フ
ィルムラミネート用の接着剤を均一に塗布した場合に
は、接着剤層の厚みが大きくなると接着剤層が酸素・水
透過の障害となり脱酸素能力が低下してしまう。また接
着剤層が薄くなると、下地金属と樹脂フィルムとの密着
力が低下し、積層体としての十分な加工強度が得られな
い等の問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の課題は、上記問題を解決した酸素・水透過の
障害とならない接着剤層を有する積層体を提供すること
にある。
(課題を解決するための手段) 本発明は水、酸素透過を阻害する接着剤層に粒状物質
を混在させることにより、接着剤層中に優先的な酸素・
水透過経路を作りだし、これによって水及び酸素の透過
性を向上させることを主旨とするものである。即ち、本
発明は酸素と反応する金属材料表面に親水性被覆層を施
し、その上に酸素・水透過性樹脂フィルムを接着剤層を
介して積層した金属−樹脂積層体において、当該接着剤
層に水不溶性有機物あるいは無機物の一方もしくは両者
の混合物の粒径30μm以下の粒状物質を接着剤に対して
5〜50重量%含有させることにより当該金属−樹脂積層
体の脱酸素能力が改善できる事を見いだした。
本発明において積層体を構成する基板としては前記引
用特許明細書に示されるように冷延鋼板や亜鉛めっき鋼
板等酸素と反応しやすい金属板や酸素と反応性のない材
料においても表面に鉄、亜鉛、マンガン等の金属をメッ
キした物が使用できる。また酸素・水透過性被覆層とし
て用いる樹脂フィルムとしては例えばポリエチレン、ポ
リメチルペンテン、ポリブタジエン等のポリオレフィン
系化合物、シリコン系塗料等がある。さらに親水性被覆
層を構成する材料としてはヒドロキシエチルセルロー
ス、ポリビニールアルコール等の水溶性化合物を挙げる
ことができる。親水性被覆層を有する金属体と酸素・水
透過性被覆層を積層させるため使用される接着剤は積層
体が脱酸素機能材として成形加工される時の密着強度を
有すれば特に限定される物ではなく、樹脂フィルムの種
類や質に応じて例えばポリエステル系、ポリウレタン
系、ポリアクリレート系、変性ビニル系、エラストマー
系、オレフィン系、変性オレフィン系等を単独もしくは
混合して適用することができる。また必要に応じて反応
硬化促進剤としてポリイソシアネート、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂或はアミン化合物等を配合することも
可能である。これらの接着剤は通常、ロール塗装、スプ
レー塗装などによって塗布し、接着剤層の厚みは0.5μ
m〜10μm程度が望ましい。接着剤層中に分散する水不
溶性の有機物、無機物の粒状物質としては、ポリスチレ
ン樹脂、スチレンジビニルベンゼン樹脂、カーボンブラ
ック、酸素ケイ素等を単独使用あるいは混合して用いる
ことができ、スチレンジビニルベンゼン樹脂や酸化ケイ
素が特に効果的である。これらの粒状物質が接着剤層の
酸素・水透過性を改善する作用機構は、接着剤層中に物
理的に未接着剤層部分を作り、この部分が酸素、水の優
先透過経路となる事が最も大きな要因であるが、分散せ
しめるものによっては例えばスチレンジビニルベンゼン
等のように吸水を促進して酸素の透過を助ける補助的作
用を有するものもある。本発明は接着剤層の厚みを低下
させることなく酸素、水の透過速度の向上が図れる特徴
を有する。しかし接着剤層中の粒状物質の含有率が大き
くなるほど脱酸素機能は向上するが、含有率が50%を超
えると積層体としての成形加工性が低下する。また含有
率が5%未満の場合は酸素、水の透過速度に改善が認め
られない。好ましくは、10〜30%の範囲が適している。
さらにこれら粒状物質の粒径が30μmを超えると接着剤
層とフィルムの密着力が阻害され、積層体としての成形
加工性が低下したり、接着剤塗装時に粒状物質が沈降し
やすくなり、作業性が悪くなるので0.1〜15μmの範囲
が望ましい。
本発明の脱酸素機能は密閉容器内に封入された全酸素
量をガスクロマトグラフや液相、気相用酸素濃度計など
を用いて、封入初期酸素濃度と経時後の酸素濃度を測定
することで評価できるが、封入される内容物自身の酸化
によって密閉容器内の酸素濃度が減少するものもあるの
で、所定時間経時後の脱酸素能力のない密閉容器内の残
留酸素濃度と本発明の機能材料を用いた密閉容器内の残
留酸素量を比較することにより脱酸素能力を評価する方
法がよい。また密閉容器上部には通常ヘッドスペースと
称する空間がありこの部分にも酸素が含まれているが、
酸素濃度測定前に容器を十分振蕩し、内容物とヘッドス
ペース中の酸素濃度を平衡状態にすることによって気
相、液相のどちらか一方の酸素濃度の測定すれば全酸素
量を決定することができる。
(発明の作用及び効果) 本発明により金属材料表面の酸化反応を利用し、密閉
容器内の酸素を減ずる機能材料において酸化反応によっ
て生成する錆が内容物へ溶出することを防ぐため、酸素
・水透過性フィルムを積層する際に、作用する接着剤に
水不溶性の有機物、無機物の粒状物質を分散させた物を
塗布することによって、接着剤層中に未接着層部分を形
成させ、この作用によってフィルムの密着力を保持しな
がら、フィルムを透過した酸素及び水が親水性被覆層及
び金属材料表面に到達し易くなり、当該機能材料を用い
た密閉容器は容器内の酸素を短期間で除去することがで
き、脱酸素能力が優れているので、内容物の劣化、変質
が防止され、品質の維持を図ることができる。
(実 施 例) 以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
実施例1 0.24mm厚みの冷延鋼板をアセトンにて洗浄し、鋼板に
付着した油、汚れなどを除去した後、ヒドロキシエチル
セルロースの3%水溶液から成る親水性被覆用組成物を
バーコーターにて乾燥厚みが0.2μmになるよう塗布
し、200℃の熱風乾燥炉を用いて5分間焼付乾燥を行い
親水性被覆層を有する金属板を得た。この金属板に平均
粒径6μmのスチレンジビニルベンゼン樹脂(三菱化成
(株)ダイヤイオンFMK−10)を接着剤固形分に対して3
0wt%添加したポリウレタン系接着剤(東洋モートン
(株)製アドコート506S)を乾燥塗膜として5μmとな
るようロールコーターを用いて塗布した。次いで金属板
を熱風乾燥炉にて30秒間で鋼板温度が200℃になるよう
乾燥、加熱を行ない、そのままの温度を保持させたまま
直ちにロールラミネーターを用いてフィルム厚み50μm
のポリメチルペンテンフィルム(三井石油化学工業
(株)製TPX フィルムX−45BC)を貼り合わせ、直ちに
冷却して樹脂被覆鋼板を得た。
得られた樹脂被覆鋼板を以下に示す加工接着性試験お
よび脱酸素評価試験によりその性能を評価した。
加工接着性試験:JIS K−6744に規定された5mm巾の
♯型のクロスカットをフィルム面に入れ、エリクセン試
験(7mm押し出し)を行い加工時のフィルム剥離の有無
を観察した。
脱酸素評価試験:樹脂被覆鋼板を直径65mm、内容積
350mlの円筒状ガラス容器の蓋として用い24mlのヘッド
スペースを有するように0.6Vol%O2−CO2ガス雰囲気中
でビールを入れて密閉した(以下これを試験体Aと称す
る)。これと同じ容器に市販の缶用エポキシフェノール
樹脂塗料を60mg/dm2塗布し、焼付乾燥した50番ブリキ
(錫目付量5.6g/m2)を蓋にして樹脂被覆鋼板と同様に
ビールを入れて密閉した(以下試験体Bと称する)。A,
B両試験体を20℃恒温槽内で24時間経時後、両試験体を
振蕩器を用いて5分間振蕩した後、酸素濃度計(オービ
スフェアーラボラトリー社製モデル2927)を用いてそれ
ぞれの容器内の残留酸素濃度を測定し次式により脱酸素
能力を評価した。
加工接着性試験、脱酸素評価試験の結果を表1に示
す。
実施例2 0.24mm厚みの冷延鋼板を実施例1と同様の処理を行い
親水性被覆層を有する金属板とした。この金属板に平均
粒径4μmの酸化ケイ素(関東化学(株)製)を接着剤
に対して20wt%添加したポリエチレン系接着剤(東洋イ
ンキ製造(株)製リオフレックス(LF)♯3330)を乾燥
塗膜として5μmとなる様、ロールコーターを用いて塗
布した。これを実施例1と同じ加熱処理を行いポリエチ
レンフィルム(出光石油化学工業(株)製♯0134M)を
ラミネート処理して樹脂被覆鋼板を得た。得られた樹脂
被覆鋼板の加工密着性及び脱酸素評価試験結果を表1に
示した。
比較例1 0.24mm厚みの冷延鋼板を用い、実施例1と同様の処理
を行い親水性被覆層を有する金属板とした。これにポリ
ウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製アドコート50
6S)を乾燥塗膜として5μmとなる様、バーコーターを
用いて塗布した。この金属板に実施例1と同一の加熱処
理、フィルムラミネート処理を行って樹脂被覆鋼板とし
た。得られた樹脂被覆鋼板の加工密着性及び脱酸素評価
試験結果を表1に示した。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、樹脂−金属積層
体の成形加工性を阻害する事なく脱酸素能力が改善でき
るので、当該材料を用いた密閉容器では容器内の酸素が
短期間で除去され、内容物の劣化、変質が防止され、品
質の維持を図ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素と反応する金属材料表面に親水性被覆
    層を施し、その上に酸素・水透過性樹脂フィルムを接着
    剤層を介して積層した脱酸素機能を有する金属−樹脂積
    層体において、当該接着剤層に水不溶性有機物あるいは
    無機物の一方もしくは両者の粒径30μm以下の粒状混合
    物を接着剤に対して5〜50重量%含有することを特徴と
    する脱酸素機能を有する金属−樹脂積層体。
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