JPH08245880A - 耐熱性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

耐熱性フィルム及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08245880A
JPH08245880A JP7964495A JP7964495A JPH08245880A JP H08245880 A JPH08245880 A JP H08245880A JP 7964495 A JP7964495 A JP 7964495A JP 7964495 A JP7964495 A JP 7964495A JP H08245880 A JPH08245880 A JP H08245880A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
film
heat
resistant film
embedded image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7964495A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Tashiro
裕治 田代
Sunao Suzuki
直 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Corp filed Critical Tonen Corp
Priority to JP7964495A priority Critical patent/JPH08245880A/ja
Publication of JPH08245880A publication Critical patent/JPH08245880A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 【化1】 【効果】 本フィルムは、400℃以上の耐熱温度を有
する上に、色調も茶カッ色〜無色透明であって、しかも
光学的に1.45以上の高屈折率と10-6オーダーの低
複屈折率を有し、更に電気的に高耐電圧を有する。従っ
て、電子材料、光学材料、耐熱材料として有用であり、
また用途によっては、ガラス系材料の代替としても使用
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な耐熱性フィルム及
びその製造方法に関する。このフィルムは優れた耐熱
性、光学的特性、電気的特性を有しており、一般産業用
途、例えば電子材料、光学材料、耐熱材料として既存の
有機材料が使用されている部分全てに利用できる。ま
た、用途によっては、ガラス系材料の代替としても使用
できる。
【0002】
【従来の技術】耐熱性に優れたフィルムについては、種
々有機高分子系により検討されてきている。特に耐熱性
があり光学的にも透明なフィルムは、ガラスの代替とし
て期待が大きいが、未だ開発されていない。耐熱フィル
ムの開発は、すなわち耐熱性高分子の開発であり、現在
有機系高分子で最も耐熱性があるポリイミドから得られ
たフィルム(商品名:カプトン)は、耐熱性は300℃
以下で光学的にも透明ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】有機高分子から得られ
るフィルムは、骨格結合である炭素−炭素結合の熱化学
的安定性が低いことより、耐熱性には限界がある。すな
わち、耐熱性、透明性ともに無機系材料に比べて低い。
一方、シリコーン樹脂、ポリボロシロキサン樹脂等の有
機金属ポリマーは、ポリマーの熱安定性が高いこともあ
り、400℃以上の高い耐熱性を有する。ところが、有
機高分子は分子構造が分岐の少ない線状構造であるのに
対し、有機金属ポリマーは分岐の多い網目構造を有して
おり、OH基同士の脱水素縮合反応あるいは酸化反応に
より、巨大な三次元網目構造が形成され、その結果可撓
性に乏しく、フィルムの形成は困難であった。
【0004】従って、本発明の目的は、上記の課題を解
決した、即ち、400℃以上の耐熱性を有し、しかも機
械的強度及び可撓性に優れ、更には光学特性、電気特性
に優れた耐熱性フィルム及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
重ねた結果、ポリマー中にC=C結合の導入、二官能基
の導入及びSi結合の導入を図ったところ、結合エネル
ギーの増大化、ポリマーの直鎖化の進行及び酸化安定性
の向上が達成され、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明によれば、下記一般式(I)
〜(V)で表わされる構造単位を有することを特徴とす
る耐熱性フィルムが提供される。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】 〔式中、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキル基、ア
ルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキル
アミノ基若しくはアルキルシリル基であり、またR3
アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、
アリーレン基、アルキルイミノ基若しくはアルキルシリ
レン基であり、更にR3のうち少なくとも一つはアリー
レン基である。また、l、m及びnは1以上の任意の整
数であり、o及びpは0を含む任意の整数である。な
お、一般式(I)〜(V)の構造単位の結合順序はラン
ダムである。〕
【0007】また、本発明によれば、光学的に無色透明
であり、しかも1.45以上の屈折率と10-6オーダー
の複屈折率を有することを特徴とする耐熱性フィルムが
提供され、更にケイ素含有共重合ポリマーをフィルム化
するに当たり、不活性ガス雰囲気中で焼成することを特
徴とする耐熱性フィルムの製造方法が提供される。
【0008】以下、本発明について詳述する。本発明の
耐熱性フィルムは前記一般式(I)〜(V)で表わされ
る構造単位を有することを特徴とする。即ち、本発明の
耐熱性フィルムは、特に前記一般式(II)及び(III)
で表わされる構造単位を有することから、C=C結合に
より結合エネルギーが上昇し、また二官能基(R3)の
導入によってポリマーの直鎖化が進行し、もちろんSi
結合によって酸化安定性が高いので、400℃以上の耐
熱性を有する上に、良好な可撓性及び機械的強度を併せ
持ち、しかもフィルム作成条件を制御することにより茶
カッ色〜無色透明の物が得られる。
【0009】また、本発明の耐熱性フィルムは、光学特
性として重要な複屈接率である10-6オーダーを持ち、
光学的に非常に等方的である。この値は既存有機材料の
中で最高レベルに近い。更に、電気的特性の一つである
絶縁破壊電圧は200V/μmと高く、耐熱性、光学特
性、電気的特性に優れたフィルムが得られ、問題解決に
至った。すなわち、有機系フィルムの中で最も耐熱性が
高いポリイミドフィルムをしのぐ耐熱性を有し、光学的
に最も優れたPMMA(ポリメタクリレート)を超える
光学的特性を有していると言える。
【0010】本発明の耐熱性フィルムは、前記のように
一般式(I)〜(V)で表わされる構造単位を有し、特
に前記一般式(II)及び(III)で表わされる構造単位
を有し、C=C結合を持っている点に特徴がある。な
お、一般式(I)〜(V)の各構成単位の結合順序はラ
ンダムであり、また各構成要素の比l〜pは任意の範囲
を取り得る。また、本発明の耐熱性フィルムは、その製
造に際しての硬化条件によっては、前記主骨格構造中、
一部のR1及び/又はR2がN原子と結合する場合が考え
られるが、このような場合も本発明に含まれることは言
うまでもない。
【0011】なお、本発明の耐熱性フィルムの基体(原
料)であるケイ素含有共重合ポリマーとしては、前記一
般式(I)〜(IV)において、R1がメチル基又はフェ
ニル基であり、R2がメチル基又はフェニル基であり、
また、R3がアリーレン基であるものが好ましく、しか
も数平均分子量が500〜100,000の範囲にある
ものが好ましい。
【0012】また、上記ケイ素含有共重合ポリマーは、
以下の方法によって製造される。 (1)下記一般式(VI)で表わされるオルガノジハロシ
ランと下記一般式(VII)で表わされるジシリル化合物
とを含む混合物に、下記一般式(VIII)で表わされるジ
アミン及びアンモニアを反応させる。
【化6】
【化7】
【化8】 NH2−R3−NH2 (VIII) (上式中、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキ
ルアミノ基若しくはアルキルシリル基であり、またR3
はアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン
基、アリーレン基、アルキルイミノ基若しくはアルキル
シリレン基であり、更にR3のうち少なくとも1つはア
リーレン基である。また、Xはハロゲン原子である。)
【0013】(2)下記一般式(IX)で表わされるオル
ガノヒドロジハロシランと前記一般式(VI)で表わされ
るオルガノジハロシランとを、前記一般式(VIII)で表
わされるジアミン及びアンモニアと反応させて共重合シ
ラザンを得、更に得られた該共重合シラザンを前記一般
式(VII)で表わされるジシリル化合物と反応させる。
【化9】 (上式中、R1及びXは前記と同じ。)
【0014】本発明の光学的特性、電気特性に優れた耐
熱性フィルムは、前記の製法によって得られたケイ素含
有共重合ポリマーを用い、キャスト法、2軸遠心法ある
いは基板を適切な方法で除去することにより、簡単に得
られる。それぞれのフィルム製造方法により、ポリマー
の粘度を調整し用いることが望ましい。ポリマーの粘度
調整は、有機溶媒に溶かしたポリマーの濃度を調整する
ことで可能である。粘度は1cp〜1000p程度まで
調整可能であり、一般的なフィルム作製方法が適用可能
である。ここでポリマーの溶媒としては、脂肪族炭化水
素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素の炭化水素溶媒、
ハロゲン化炭化水素溶媒、エーテル、エステル等の一般
的有機溶媒が使用できる。次に、フィルム化するときの
硬化温度は200℃以上が必要であり、好ましくは30
0℃以上、500℃以下である。硬化時間は使用目的に
より任意に選択できる。硬化雰囲気は標準的には大気中
であるが、不活性ガス(窒素、アルゴン)も用いること
もできる。特に不活性ガス雰囲気で硬化させた場合、光
学的に優れた無色透明フィルムを得ることができる。不
活性ガスとしては特に窒素が好ましい。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明の技術的範囲がこれらにより限定される
ものではない。
【0016】合成例1(ポリマー1の合成) 恒温槽内に設置した反応容器内を乾燥窒素で置換した
後、キシレン200mlにp−PDA(パラフェニレン
ジアミン)7.5gを投入し、反応容器内温度を120
℃にしp−PDAを溶解させた。次に、ジフェニルジク
ロロシラン(Ph2SiCl2)25.3gr、メチルジ
クロロシラン(MeSiHCl2)0.75gr、及び
1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼン6.6
grをキシレン100mlに溶解させたものを、120
℃の一定温度に保たれたp−PDAのキシレン溶液中に
15分かけて添加し反応させた。添加と共にp−PDA
の塩酸塩の沈殿生成が確認された。
【0017】更に、反応で生成した塩酸及び塩酸塩を潰
すためにトリエチルアミン60mlを添加した。その
後、反応槽を冷却し温度が30℃以下になった時点でア
ンモニア12grを加え、未反応のハロゲン化シランを
反応させた。アンモニアの添加により、溶液温度の上昇
と共に塩化アンモニウムの白色沈殿の生成が確認され
た。反応終了後、乾燥窒素を吹き込み未反応のアンモニ
アを除去した後、窒素雰囲気下で加圧濾過し、濾液約3
50mlを得た。この濾液を減圧下で溶媒を除去したと
ころ、30grの赤褐色の常温で固体状のポリマーを得
た。
【0018】合成例2(ポリマー2の合成) 温度が−40℃の恒温槽内に設置した反応容器内を乾燥
窒素で置換した後、乾燥した塩化メチレン1,000m
lとピリジン80mlの混合溶媒を入れ温度が一定にな
るまで保持した後、攪拌しながらメチルジクロロシラン
(CH3SiHCl2)47.6gr、ジフェニルジクロ
ロシラン(Ph2SiCl2)25.3grをそれぞれ加
え反応槽内の温度が一定となるまで攪拌、保持した。次
に、DDE(ジアミノジフェニルエーテル)25grを
ピリジン100grに溶解させ、反応槽内に約5.0g
r/minのゆっくりしたスピードで添加した。そのの
ち、アンモニア20grを更に添加し反応させた。
【0019】反応終了後、乾燥窒素を吹き込み末反応の
アンモニアを除去した後、窒素雰囲気下で加圧濾過し濾
液1,150mlを得た。この濾液に乾燥m−キシレン
1,000mlをを加え減圧下で溶媒を除去したところ、
45.0grの赤褐色の粘性液体を得た。
【0020】得られた粘性液体の数平均分子量は、GP
Cにより測定したところ850であった。また、IRス
ペクトル分析の結果、波数3350cm~1にN−Hに基
づく吸収;2170cm~1のSi−Hに基づく吸収;1
140cm~1のSi−Phに基づく吸収;1020−8
20cm~1のSi−H及びSi−N−Siに基づく吸
収、3140、2980、2950、1270cm~1
C−Hに基づく吸収を示すことが確認された。更に、こ
のポリマーの 1H−NMR(プロトン核磁気共鳴吸収)
スペクトルを分析したところ、δ7.2ppm(br,
66)、δ4.8ppm(br,SiH2又はSi
H)、δ1.4(br,NH)、δ0.3(br,Si
CH3)の吸収が確認された。
【0021】上記粘性液体を40grをm−キシレンに
溶解させ反応槽に仕込んだ。温度を150℃にセットし
温度が一定になるまで攪拌保持した後、m−キシレン3
00mlに1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベン
ゼン40grを溶解させた溶液を徐々に反応槽内に添加
した。次に、反応槽内の温度が90℃以下になった時点
で、反応により発生した塩酸をトラップするために、2
0mlのトリエチルアミンを添加した。この時トリエチ
ルアミン塩酸塩の沈殿が確認された。更に、温度が常温
まで下がった時点で、未反応の1,4−ビス(ジメチル
クロロシリル)ベンゼンを潰すために、アンモニアを
5.0gr添加し反応させた。
【0022】反応終了後、乾燥窒素を吹き込みアンモニ
アを除去した後、濾過し溶液800mlを得た。この濾
液を加え減圧下で溶媒を除去したところ、75grの赤
色の粘性液体を得た。
【0023】実施例1 ポリマー1のキシレン溶液のポリマー濃度を40wt%
に調整した。次に、水平な台の上においた50μmのア
ルミニウム箔に40wt%のポリマーを流し、バーコー
ダーを用い膜厚調整を行ないながら均一に塗布した。こ
のアルミニウム箔を、マッフル炉にて大気中300℃で
2時間かけて硬化させた。硬化後アルミニウム箔が室温
になるのをまって、15wt%塩酸溶液中にアルミニウ
ム箔を浸漬し、アルミニウムを溶かした。後には茶褐色
の透明フィルムが残った。このフィルムは塩酸耐性をし
めした。
【0024】得られたフィルムを水で洗い、100℃で
10分間乾燥させた後、諸物性を測定した。フィルムの
IRを測定した結果、3350cm-1にNHに基づく吸
収、3080−2980cm-1の−Si−phに基づく
吸収、2200cm-1にSiHに基づく吸収、1508
cm-1のp−PDAに基づく吸収、1257cm-1の−
Si−ph−Si−に基づく吸収、1100cm-1付近
の−Si−O−Si−に基づく吸収、937cm-1のS
i−N−Siに基づく吸収が確認された。
【0025】このことよりこのフィルムは分子構造がポ
リマーの主骨格構造を反映した
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】 により構成されていると推定される。
【0026】このフィルムは膜厚30μmであり、抗張
力580kgf/cm2、伸び10%であった。また、
大気中の5%重量減少温度は500℃であり、優れた耐
熱性を示した。光学特性として屈折率と透過率を測定し
た。透過率90%、屈折率1.45であった。また、誘
電率は1KHzで3.6であり、絶縁破壊電圧は200
V/μmであった。このように耐熱性、機械的特性、電
気特性ともに優れた値を示した。特に耐熱性は既存の有
機材料を遥かに凌ぐ物である。
【0027】実施例2 硬化を窒素雰囲気中で500℃、2時間実施した以外
は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフ
ィルムは無色透明であった。フィルムのIR測定結果、
3350cm-1にNHに基づく吸収、3050cm-1
Si−phに基づく吸収、2200cm-1にSiHに基
づく吸収、1500cm-1にp−PDAに基づく吸収、
1257cm-1のSi−ph−Siに基づく吸収、93
7cm-1のSi−N−Siに基づく吸収が確認された。
【0028】このことよりこのフィルムは分子構造がポ
リマーの主骨格構造を反映した
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】 により構成されていると推定される。
【0029】得られたフィルムの膜厚は30μmであ
り、抗張力600kgf/cm2、伸び12%であっ
た。大気中の5%重量減少温度は550℃であり優れ
た、耐熱性を示した。透過率は93%、屈折率1.65
と無色透明で高屈折率であった。更に複屈折率を測定し
たところ、7.0×10-6と低く、光学的に優れた等方
性を示した。屈折率、複屈折率とも既存の有機材料を凌
ぐものである。また、誘電率は3.9(1KHz)であ
り、絶縁破壊電圧は210V/μmであった。
【0030】実施例3 ポリマー2のキシレン溶液濃度を40wt%に調整し
た。実施例1と同様の方法で、大気中で300℃で2時
間硬化させフィルムを得た。このフィルムのIR測定を
実施した結果、3350cm-1にNHに基づく吸収、2
200cm-1にSiHに基づく吸収、1500cm-1
p−PDAに基づく吸収、1257cm-1にSi−ph
−Siに基づく吸収、1080cm-1付近にSi−O−
Siに基づく吸収、930cm-1付近にSi−N−Si
に基づく吸収が確認された。
【0031】このことより、このフィルムは分子構造が
ポリマーの骨格構造を反映した
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】 より構成されていると推定される。
【0032】得られたフィルムは褐色で膜厚は35μm
であり、抗張力450kgf/mm2、伸び8.5%で
あった。大気中の5%重量減少温度は400℃であり、
ポリイミドと同等以上の耐熱性を示した。透過率は90
%、屈折率は1.45であった。また、誘電率は3.5
8で絶縁破壊電圧は180V/μmであった。
【0033】実施例4 硬化を窒素雰囲気中500℃、2時間で実施した以外、
実施例3と同様にしてフィルムを得た。このフィルムの
IR測定を実施した結果、3350cm-1付近にNHに
基づく吸収、2200cm-1 -1にSiHに基づく吸収、
1500cm-1付近にp−PDAに基づく吸収、125
7cm-1 -1にSi−ph−Siに基づく吸収、930c
-1付近にSi−N−Siに基づく吸収が確認された。
【0034】このことよりこのフィルムがポリマーの骨
格構造を反映した
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】 より構成されていると推定される。
【0035】得られたフィルムは無色透明で膜厚は35
μmであり、抗張力580kgf/cm2、伸び12%
の機械的強度を有していた。大気中の5%重量減少温度
は500℃で、優れた耐熱性を示した。透過率は93
%、屈折率は1.62であり、更に複屈折率を測定した
結果7.6×10-6と非常に小さく、光学的に等方的で
あった。熱的にも光学的にも優れた物性が確認された。
また、誘電率は3.87(1KHz)、絶縁破壊電圧は
200V/μmであった。
【0036】
【発明の効果】本発明の耐熱性フィルムは、前記一般式
(I)〜(V)で表わされる構造単位を有することか
ら、400℃以上の耐熱温度を有する上に、色調も茶カ
ッ色〜無色透明であって、しかも光学的に1.45以上
の高屈折率と10-6オーダーの低複屈折率を有し、更に
電気的に高耐電圧を有する。従って、電子材料、光学材
料、耐熱材料として有用であり、また用途によっては、
ガラス系材料の代替としても使用できる。
【0037】本発明の耐熱性フィルムの製造方法は、ケ
イ素含有共重合ポリマーをフィルム化するに当たり、不
活性雰囲気中で焼成するということから、耐熱性に加え
て光学的に無色透明であって、しかも高屈折率及び低屈
折率を有するフィルムを容易に得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)〜(V)で表わされる
    構造単位を有することを特徴とする耐熱性フィルム。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 〔式中、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキル基、ア
    ルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキル
    アミノ基若しくはアルキルシリル基であり、またR3
    アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、
    アリーレン基、アルキルイミノ基若しくはアルキルシリ
    レン基であり、更にR3のうち少なくとも一つはアリー
    レン基である。また、l、m及びnは1以上の任意の整
    数であり、o及びpは0を含む任意の整数である。な
    お、一般式(I)〜(V)の構造単位の結合順序はラン
    ダムである。〕
  2. 【請求項2】 光学的に無色透明であり、しかも1.4
    5以上の屈折率と10-6オーダーの複屈折率を有するこ
    とを特徴とする耐熱性フィルム。
  3. 【請求項3】 ケイ素含有共重合ポリマーをフィルム化
    するに当たり、不活性ガス雰囲気中で焼成することを特
    徴とする請求項1又は2記載の耐熱性フィルムの製造方
    法。
JP7964495A 1995-03-10 1995-03-10 耐熱性フィルム及びその製造方法 Pending JPH08245880A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7964495A JPH08245880A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 耐熱性フィルム及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7964495A JPH08245880A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 耐熱性フィルム及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08245880A true JPH08245880A (ja) 1996-09-24

Family

ID=13695827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7964495A Pending JPH08245880A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 耐熱性フィルム及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08245880A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002081553A1 (fr) * 2001-03-30 2002-10-17 Clariant International Ltd. Copolymere contenant du silicium et son procede de production
WO2003087228A1 (fr) * 2002-04-12 2003-10-23 Clariant International Ltd. Composition de copolymere contenant du silicium, copolymere contenant du silicium reticule soluble dans un solvant, et articles durcis obtenus a partir de ladite composition
WO2004010223A1 (ja) * 2002-07-18 2004-01-29 Az Electronic Materials (Japan) K.K. 層間絶縁膜用感光性組成物及びパターン化層間絶縁膜の形成方法
WO2004019132A1 (ja) * 2002-08-20 2004-03-04 Az Electronic Materials (Japan) K.K. 層間絶縁膜用感光性組成物及びパターン化層間絶縁膜の形成方法
JP2005036089A (ja) * 2003-07-18 2005-02-10 Clariant (Japan) Kk ポリシラザン組成物

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002081553A1 (fr) * 2001-03-30 2002-10-17 Clariant International Ltd. Copolymere contenant du silicium et son procede de production
US6946536B2 (en) 2001-03-30 2005-09-20 Clariant Finance (Bvi) Limited Silicon-containing copolymer and process for producing the same
KR100854254B1 (ko) * 2001-03-30 2008-08-26 에이제토 엘렉토로닉 마티리알즈 가부시키가이샤 규소 함유 공중합체, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 필름
WO2003087228A1 (fr) * 2002-04-12 2003-10-23 Clariant International Ltd. Composition de copolymere contenant du silicium, copolymere contenant du silicium reticule soluble dans un solvant, et articles durcis obtenus a partir de ladite composition
US7371433B2 (en) 2002-04-12 2008-05-13 Az Electronic Materials Usa Corp. Composition of silicon-containing copolymer, solvent-soluble crosslinked silicon-containing copolymer, and cured articles obtained therefrom
KR100968734B1 (ko) * 2002-04-12 2010-07-08 에이제토 엘렉토로닉 마티리알즈 가부시키가이샤 규소 함유 공중합체 조성물, 용제 가용성 가교 규소 함유공중합체 및 이들의 경화물
WO2004010223A1 (ja) * 2002-07-18 2004-01-29 Az Electronic Materials (Japan) K.K. 層間絶縁膜用感光性組成物及びパターン化層間絶縁膜の形成方法
WO2004019132A1 (ja) * 2002-08-20 2004-03-04 Az Electronic Materials (Japan) K.K. 層間絶縁膜用感光性組成物及びパターン化層間絶縁膜の形成方法
JP2005036089A (ja) * 2003-07-18 2005-02-10 Clariant (Japan) Kk ポリシラザン組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6774202B2 (en) Polyorganosilsesquioxane and process for preparing the same
EP3162837B1 (en) Poly(imide-amide) copolymer, a method for preparing a poly(imide-amide) copolymer, and an article including a poly(imide-amide) copolymer
US5492996A (en) Alcohol soluble benzazole polymers
JP4367622B2 (ja) ポリイミド/無機複合材料の製造方法
KR20150065975A (ko) 폴리(이미드-아미드) 코폴리머, 상기 폴리(이미드-아미드) 코폴리머를 포함하는 성형품, 및 상기 성형품을 포함하는 디스플레이 장치
KR100854254B1 (ko) 규소 함유 공중합체, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 필름
KR20150094081A (ko) 폴리이미드 또는 폴리(이미드-아미드) 복합 필름, 및 상기 복합 필름을 포함하는 디스플레이 장치
US4361691A (en) Process for production of heat-resistant compounds
KR100717377B1 (ko) 지방족 폴리이미드-실록산 및 그 제조방법
JPH03275722A (ja) 硬化性樹脂及びその製造方法
KR100241843B1 (ko) 경화성 수지 및 그의 제조방법, 및 전자 부품용 보호막
JPH08245880A (ja) 耐熱性フィルム及びその製造方法
JPH03115433A (ja) ポリ(イミド―シロキサン)の製法及び皮膜、フイルム、被覆及びガス分離用膜の製法
JPS6264830A (ja) ポリシラン−シロキサンオリゴマ−および共重合体並びにこれらの製造方法
EP0719818B1 (en) Method of polyimide resin preparation
JP3625912B2 (ja) ケイ素含有共重合ポリマー及びその製造方法
JP3638694B2 (ja) ケイ素含有共重合ポリマー及びその製造方法
KR920004605B1 (ko) 가용성 이미드올리고머의 제조방법
JP4396139B2 (ja) シルセスキオキサン骨格を有するポリマーおよびその薄膜の形成方法
KR102495618B1 (ko) 무색투명성과 유연성이 우수한 폴리이미드 필름 및 그 제조방법
JPS62265326A (ja) 塗膜性良好な可溶性ポリイミドシロキサン前駆体の製造法及び硬化物の製造法
JPH05214106A (ja) ポリ(シルエチニレンジシロキサン)及びその製造方法
JPH08143676A (ja) 耐熱性ケイ素含有重合体の製造方法
JPH01126331A (ja) シリコン含有可溶性ポリイミド前駆体及びその製造法
JPH01129028A (ja) イミド基含有シリコン系硬化物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040402