JPH08245748A - 低粘度難結晶性エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

低粘度難結晶性エポキシ樹脂の製造方法

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JPH08245748A
JPH08245748A JP4848595A JP4848595A JPH08245748A JP H08245748 A JPH08245748 A JP H08245748A JP 4848595 A JP4848595 A JP 4848595A JP 4848595 A JP4848595 A JP 4848595A JP H08245748 A JPH08245748 A JP H08245748A
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田 平 原
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田 良 夫 石
Ryoko Itagaki
垣 良 子 板
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Abstract

(57)【要約】 【目的】硬化物の物性が優れ、低粘度であるため成形時
等における作業性に優れ、結晶化が抑制された低粘度難
結晶性エポキシ樹脂の製造方法の提供。 【構成】二価フェノール類とエピクロルヒドリンから誘
導される液状エポキシ樹脂を、下記の(A)および
(B)から選ばれる少なくとも1種の工程によって変性
する低粘度難結晶性エポキシ樹脂の製造方法。 (A)エポキシ樹脂に、一価フェノール類を反応させて
エポキシ樹脂中のエポキシ基を部分的に開環させる工程 (B)エポキシ樹脂に、ケイ素含有化合物を混合する工
程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低粘度難結晶性エポキ
シ樹脂の製造方法に関し、特に、土木建築、床材塗料、
接着剤、注型などの用途に好適な、低粘度難結晶性エポ
キシ樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、優れた接着性、防食
性、および成形性を有する。また、ポリアミン系化合
物、カルボン酸無水物、ポリフェノール化合物、ポリメ
ルカプタン化合物等の硬化剤を用いて、エポキシ樹脂を
硬化させて得られる硬化物は、機械的、熱的、および電
気的性質において卓越した性能を示すことから、塗料、
接着、土木、建築、電気材料用途などの既存分野はもち
ろんのこと、先端技術分野においても各種の展開が計ら
れている。このような分野でエポキシ樹脂を使用する場
合、用途によっては、作業性をより改善するために、あ
るいは硬化時の収縮の低減、機械特性の向上および難燃
化を目的として、より多くの充填剤を添加できるよう
に、低粘度のエポキシ樹脂が需要家から要望されてい
る。
【0003】エポキシ樹脂の粘度を下げるための方法と
して、ブチルグリシジルエーテルに代表される反応型希
釈剤、あるいはエポキシ樹脂の親溶媒である、いわゆる
非反応型希釈剤を用いる方法がある。しかし、前記の反
応型希釈剤は、一般的に皮膚刺激性が強く、また、非反
応型希釈剤を用いる方法では、最終的な硬化物の物性が
低下するという問題がある。また、ビスフェノールAと
エピクロルヒドリンから誘導される液状エポキシ樹脂の
製造において、ビスフェノールAジグリシジルエーテル
成分の含有量を多くすることによって、低分子量のエポ
キシ樹脂を製造し、低粘度のエポキシ樹脂を得る方法が
知られている。しかし、この方法によって得られる液状
エポキシ樹脂は、低粘度化すると同時に結晶性が高ま
り、特に冬期保管時において、あるいは温度変動の変化
巾の大きな雰囲気中では、結晶化し易くなるという欠点
がある。
【0004】さらに、エポキシ樹脂に酸性化合物を5〜
10%反応させることにより、結晶化を抑制する方法も
提案されている(特公昭55−42093号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エポキシ樹脂
に酸性化合物を反応させる方法では、低粘度のエポキシ
樹脂が得られず、また、硬化物の性能が十分なエポキシ
樹脂を得ることができない、という問題があった。
【0006】そこで本発明の目的は、前記の従来技術の
問題を解消し、硬化物の物性が優れ、低粘度であるため
成形時等における作業性に優れ、結晶化が抑制された低
粘度難結晶性エポキシ樹脂を製造することができる方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低粘度か
つ難結晶性であり、その硬化物特性に優れたエポキシ樹
脂を得るために鋭意検討した結果、ビスフェノール類か
ら誘導されるエポキシ樹脂に、一価フェノール類を所定
の割合で付加反応させる工程および/または特定のケイ
素含有化合物を所定量混合する工程に供することによっ
て、前記目的が達成されることを見い出し、本発明に至
った。
【0008】すなわち、本発明は、下記一般式〔1〕:
【0009】
【化4】
【0010】〔式中、複数のR1 およびR2 は、それぞ
れ相互に同一でも異なっていてもよく、水素原子、メチ
ル基、またはフェニル基であり、複数のR3 は、相互に
同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子
またはメチル基であり、mは0〜4の整数であり、nは
平均重合度であり、0〜1の数である〕で表されるエポ
キシ樹脂を、下記の(A)および(B)から選ばれる少
なくとも1種の工程によって変性する低粘度難結晶性エ
ポキシ樹脂の製造方法を提供するものである。 (A)エポキシ樹脂と、下記一般式〔2〕:
【0011】
【化5】
【0012】〔式中、R4 は、炭素数1〜30のアルキ
ル基、アルアルキル基、アリール基、またはハロゲン原
子であり、hは、0または1〜3の整数である〕で表さ
れる一価フェノール類とを反応させて、エポキシ樹脂中
のエポキシ基の1〜3当量%を開環させる工程 (B)エポキシ樹脂100重量部に対して、下記一般式
〔3〕:
【0013】
【化6】
【0014】〔式中、R5 は炭素数1〜5のアルキル基
であり、Xは加水分解性基であり、Yは、グリシジル
基、アミノ基、N−(ω−アミノアルキル)アミノ基、
エステル基、またはメルカプト基であり、nは0〜5の
整数であり、mは1〜3の整数である〕で表されるケイ
素含有化合物0.1〜3重量部を混合する工程。
【0015】以下、本発明の低粘度難結晶性エポキシ樹
脂の製造方法(以下、「本発明の方法」という)につい
て、詳細に説明する。
【0016】本発明の方法で用いられるエポキシ樹脂
は、前記一般式〔1〕で表されるものである。一般式
〔1〕において、複数のR1 およびR2 は、それぞれ相
互に同一でも異なっていてもよく、水素原子、メチル
基、またはフェニル基である。また、複数のR3 は、相
互に同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン
原子またはメチル基であり、mは0〜4の整数であり、
nは平均重合度であり、0〜1の数である。
【0017】この一般式〔1〕で表されるエポキシ樹脂
は、前記構造を有するものであれば、特に制限されない
が、例えば、下記一般式〔4〕:
【0018】
【化7】
【0019】で表される二価フェノール類と、エピクロ
ルヒドリンとを反応させて得られるものである。前記一
般式〔4〕において、R1 、R2 、R3 およびmは、前
記一般式〔1〕で定義したとおりである。
【0020】前記一般式〔4〕で表される二価フェノー
ル類の具体例として、2,2−ビス(4−ヒドロキシプ
ロパン(通称、ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン(通称、ビスフェノールF)、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(通
称、ビスフェノールAD)等が挙げられる。
【0021】本発明において、前記一般式〔1〕で表さ
れるエポキシ樹脂は、前記一般式〔4〕で表される二価
フェノール類を1種単独もしくは2種以上の組み合わせ
からなる構造単位を含んでいてもよい。
【0022】一般式〔1〕で表されるエポキシ樹脂の調
製において、一般式〔4〕で表される二価フェノール類
とエピクロルヒドリンとの反応は、従来公知の方法によ
って行うことができる。
【0023】また、本発明の方法において、前記一般式
〔1〕で表されるエポキシ樹脂は、1種類を用いても良
く、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0024】本発明の方法は、前記一般式〔1〕で表さ
れるエポキシ樹脂を、下記の(A)および(B)から選
ばれる少なくとも1種の工程によって変性する方法であ
る。 (A)エポキシ樹脂と、前記一般式〔2〕で表される一
価フェノール類とを反応させて、エポキシ樹脂中のエポ
キシ基を開環させる工程 (B)エポキシ樹脂に対して、前記一般式〔3〕で表さ
れるケイ素含有化合物を混合する工程
【0025】本発明において、この工程(A)および工
程(B)は、工程(A)のみを行ってもよいし、工程
(B)のみを行ってもよく、また、工程(A)と工程
(B)の両工程を行ってもよい。例えば、結晶化の抑制
のみを必要とする場合は、工程(A)のみを行うだけで
も、かなりの効果を達成することができ、また、粘度低
下のみを目的とする場合には、工程(B)のみを行うだ
けでもかなりの効果を得ることができる。
【0026】本発明の方法において、工程(A)で用い
られる一価フェノール類を表す一般式〔2〕において、
4 は、炭素数1〜30のアルキル基、アルアルキル
基、アリール基、またはハロゲン原子である。アルキル
基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、
ノニル基、3−メチルシクロヘキシル基、デシル基、オ
クタデシル基等が挙げられ、アルアルキル基としては、
例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、クミル基
等が挙げられる。また、アリール基としては、フェニル
基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられ、
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素等が挙げられる。さらに、hは、0または1〜3
の整数である。本発明において、前記一般式〔2〕で表
される一価フェノール類は、1種単独でも2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0027】この一価フェノール類の具体例として、フ
ェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、ブチ
ルフェノール、オクチルフェノール、キシレノール、ク
ミルフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノー
ル、ジクロロフェノール、ジブロモフェノール、トリク
ロロフェノール、トリブロモフェノール、アリルフェノ
ール、モノ、ジおよびトリ(α−メチルベンジル)フェ
ノール等が挙げられる。これらの中では、クミルフェノ
ールまたはオクチルフェノールが、昇華しにくいことお
よび安価に入手できる点から好ましい。
【0028】本発明の方法において、工程(A)を行う
場合、前記一般式〔2〕で表される一価フェノール類の
使用量は、前記一般式〔1〕で示されるエポキシ樹脂中
のエポキシ基の0.2〜10当量%、好ましくは1〜3
当量%を開環させ得るような量である。一価フェノール
類の使用量が0.2当量%未満では、結晶化抑制効果が
十分に発揮されず、また10当量%を超える量を使用す
ると、硬化時に必要とされる有効エポキシ基量を減少せ
しめ、硬化物の物性の低下を招くおそれがあり、好まし
くない。
【0029】また、この工程(A)において、前記一般
式〔1〕で示されるエポキシ樹脂中のエポキシ基と、前
記一般式〔2〕で表される一価フェノール類との部分的
開環反応は、通常、触媒の存在下に行われる。好ましい
触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、ナト
リウムメチラート等のアルカリ金属アルコラート、N,
N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、ピリ
ジン等の第3級アミン、テトラメチルアンモニウムクロ
リド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等の第
4級アンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、トリエ
チルホスフィン等の有機リン化合物、塩化リチウム、臭
化リチウム等のアルカリ金属塩、三フッ化ホウ素、塩化
アルミニウム、四塩化スズ等のルイス酸などが挙げられ
る。
【0030】工程(A)における触媒の使用量は、前記
一般式〔1〕で示されるエポキシ樹脂に対して、通常、
重量基準で2〜1000ppm、好ましくは5〜100
ppmとなる量で用いるのがよい。
【0031】本発明において、工程(A)における前記
一般式〔1〕で示されるエポキシ樹脂中のエポキシ基
と、前記一般式〔2〕で表される一価フェノール類との
部分的開環反応は、未反応の一価フェノール類の存在量
の指標である反応混合物中のフェノール性水酸基量が、
ビスフェノールA換算値として、重量基準で50ppm
以下になるまで反応を行うのがよい。フェノール性水酸
基量が50ppmを超える場合は、得られるエポキシ樹
脂の硬化物の性能が十分に発揮されない場合があり、ま
た、結晶化抑制能が不十分となる可能性がある。
【0032】工程(A)における部分的開環反応の反応
条件は、特に制限されない。例えば、前記の触媒存在
下、80〜170℃で0.3〜6時間反応させれば、フ
ェノール性水酸基量が、重量基準で50ppm以下とな
り、エポキシ基の開環反応が実質的に完結する。
【0033】本発明の方法において、工程(B)で用い
られるケイ素含有化合物は、前記一般式〔3〕で表され
る、いわゆるシラン系カップリング剤である。前記一般
式〔3〕において、R5 は炭素数1〜5のアルキル基、
Xは加水分解性基である。R 5 のアルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ペンチル基等が挙げられる。Xの加水分解性基として
は、例えば、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、
エトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。また、
Yは、グリシジル基、アミノ基、N−(ω−アミノアル
キル)アミノ基、エステル基、またはメルカプト基であ
り、nは0〜5の整数であり、mは1〜3の整数であ
る。本発明において、前記一般式〔3〕で表されるケイ
素含有化合物は、1種単独でも2種以上を組み合わせて
も用いられる。
【0034】この一般式〔3〕で表されるケイ素含有化
合物の具体例としては、γ−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等
を例示することができる。これらの中でも、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランが安価に入手可能な点から好
んで用いられる。
【0035】本発明の方法において、工程(B)を行う
場合、前記一般式〔3〕で表されるケイ素含有化合物
は、前記一般式〔1〕で表されるエポキシ樹脂100重
量部に対して、0.01〜5重量部の割合、好ましくは
0.1〜3重量部の割合で混合される。ケイ素含有化合
物の混合量が、0.01重量部未満では粘度低下効果お
よび結晶化抑制能が不十分であり、また5重量部を越え
ても粘度低下効果および結晶化抑制能は添加量に見合う
ほどは向上しない。
【0036】また、この工程(B)における反応温度
は、通常、室温〜180℃℃の範囲、好ましくは50〜
130℃の範囲である。
【0037】さらに、本発明の方法において、工程
(A)と工程(B)の両工程を行う場合、工程(A)に
おいて、前記一般式〔2〕で表される一価フェノール類
で部分変性されたエポキシ樹脂に、工程〔B〕におい
て、ケイ素含有化合物を混合させる際の温度は、通常、
室温から180℃、好ましくは50〜130℃の範囲に
おいて行われる。
【0038】工程〔B〕は、触媒の存在下または触媒の
不存在下に行うことができるが、通常、触媒は不要であ
る。触媒を用いる場合は、エポキシ樹脂と一価フェノー
ル類との反応で例示した触媒が好んで用いられる。
【0039】本発明の方法によって得られるエポキシ樹
脂は、公知のエポキシ樹脂用硬化剤を用いて硬化するこ
とが可能である。硬化剤としては、例えば、ポリアミド
系硬化剤、アミドアミン系硬化剤、脂肪族ジアミン、脂
環式ジアミン、芳香族ジアミン、第3級アミン、変性ポ
リアミンなどが挙げられる。
【0040】また本発明の方法で得られる低粘度難結晶
性エポキシ樹脂を、前記硬化剤を用いて硬化する場合、
顔料などの添加剤や充填剤を配合することができる。用
いられる充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊
維、雲母、アスベスト粉、カオリン、アルミナ、水酸化
アルミニウム、三酸化アンチモン、シリカ、二酸化チタ
ン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナ
イトなどを例示することができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例により本
発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実
施例によって限定されるものではない。なお、以下の実
施例および比較例の説明において、「部」「%」は、そ
れぞれ「重量部」「重量%」を示す。また、実施例およ
び比較例におけるエポキシ当量、粘度、フェノール性水
酸基量、結晶化傾向、および硬化物の機械的特性(熱変
形温度、曲げ強度、曲げ弾性率、圧縮強度、アイゾット
衝撃強度、硬度)は、下記の方法により測定または評価
した。
【0042】1)エポキシ当量 樹脂0.2〜5gを精秤し、内容量200mlの三角フ
ラスコに入れた後、ジオキサン25mlを加えて溶解さ
せる。1/5規定の塩酸溶液(ジオキサン溶媒)25m
lを加え、密栓して十分混合後、30分間静置する。次
に、トルエン−エタノール混合溶液(容量比:1/1)
50mlを加えた後、クレゾールレッドを指示薬として
1/10規定水酸化ナトリウム水溶液で滴定する。滴定
結果に基づいて下式に従ってエポキシ当量を計算する。 エポキシ当量(g/eq)=〔1000×W〕/〔(B
−S)×N×F〕 W:試料採取量(g) B:空試験に要した水酸化ナトリウム水溶液の滴定量
(ml) S:試料試験に要した水酸化ナトリウム水溶液の滴定量
(ml) N:滴定用の水酸化ナトリウム水溶液の規定度(1/1
0) F:滴定用水酸化ナトリウム水溶液の力価
【0043】2)粘度 比重を測定した後、JIS K−7233に準拠して求
めた。
【0044】3)フェノール性水酸基量 樹脂10gを精秤して容量100mlのメスフラスコに
入れ、ジオキサン50mlを加えて溶解させる。完全に
溶解後、ジオキサンをさらに加えて100mlの標線に
調整して、試料液を調製する。次に、試料液5mlを5
0mlビーカーに加え、ジオキサン5mlを加えて全液
量を10mlとする。この中に0.5%の3−メチル−
2−ベンゾチアゾリノンヒドラジンのメタノール溶液2
ml、25%のアンモニア水0.4ml、2%のフェリ
シアン化カリウム水溶液2mlを順次加え、30分間放
置する。ろ紙で不溶物をろ別後、分光光度計(セル容
量:10ml)で波長510nmにおける吸光度を測定
する。また、樹脂を加えないで前記と同様な操作によっ
てブランク液を調製し、このブランク液について空試験
を行う。予めビスフェノールAを標準物質として作成し
た吸光度検量線により、樹脂中のフェノール性水酸基量
をビスフェノールA換算で求める。
【0045】4)結晶化傾向 エポキシ樹脂技術協会発行、「試験規格委員会技術報告
書1」(1985年)記載の方法に準拠。保管温度を0
℃とし、樹脂が完全固化するまでの日数を測定した。
【0046】5)硬化物の機械的特性(熱変形温度、曲
げ強度、曲げ弾性率、圧縮強度、アイゾット衝撃強度、
硬度) JIS K−6911に準拠して測定した。
【0047】(実施例1)ビスフェノールA型液状エポ
キシ樹脂(三井石油化学工業株式会社製、エポミックR
140、エポキシ当量:187g/eq、粘度:13,
100cps/25℃、加水分解性塩素量:0.043
重量%)1500g、p−クミルフェノール33g、キ
シレン200mlを、撹拌機、窒素導入管および減圧装
置を備えた内容量2000mlのセパラブルフラスコに
仕込み、約80℃まで昇温させた。次に、テトラメチル
アンモニウムクロリド水溶液(10重量%濃度)0.2
mlを添加し、さらに昇温させ、内容物の温度が130
℃に到達したところで、反応系内を減圧にして、キシレ
ンおよび少量の水を系外に留去した。内容物の温度を1
50℃に維持しながら撹拌を続け、150℃に到達した
時点から1時間後、反応系内に窒素を導入して、反応系
内の圧力を常圧に戻した。次いで、常圧下、さらに温度
を維持して2時間反応を進めた後、反応混合物の一部を
サンプリングして、フェノール性水酸基量を測定したと
ころ、ビスフェノールA換算で50ppm(重量基準)
であったため、反応を停止させた。得られたエポキシ樹
脂について、エポキシ当量、粘度、フェノール性水酸基
量、結晶化傾向、および硬化物の機械的特性(熱変形温
度、曲げ強度、曲げ弾性率、圧縮強度、アイゾット衝撃
強度、硬度)を測定または評価した。結果を表1に示
す。
【0048】(実施例2)p−クミルフェノール33g
の代わりに、p−オクチルフェノール32.5gを使用
した以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂を得
た。得られたエポキシ樹脂について、エポキシ当量、粘
度、フェノール性水酸基量、結晶化傾向、および硬化物
の機械的特性(熱変形温度、曲げ強度、曲げ弾性率、圧
縮強度、アイゾット衝撃強度、硬度)を測定または評価
した。結果を表1に示す。
【0049】(実施例3)実施例1で用いたビスフェノ
ールA型液状エポキシ樹脂の代わりに、別種のビスフェ
ノールA型液状エポキシ樹脂(三井石油化学工業株式会
社製、エポミックR140C、エポキシ当量:214g
/eq、粘度:19,000cps/25℃、加水分解
性塩素量:2.0重量%)1,716gを使用した以外
は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂を得た。得ら
れたエポキシ樹脂について、エポキシ当量、粘度、フェ
ノール性水酸基量、結晶化傾向、および硬化物の機械的
特性(熱変形温度、曲げ強度、曲げ弾性率、圧縮強度、
アイゾット衝撃強度、硬度)を測定または評価した。結
果を表1に示す。
【0050】(実施例4)ビスフェノールA型液状エポ
キシ樹脂(三井石油化学工業株式会社製、エポミックR
140、エポキシ当量:214g/eq、粘度:19,
000cps/25℃、加水分解性塩素量:2.0重量
%)500gにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン4.2gを加え、50℃で30分間、撹拌混合し
て反応させ、エポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹
脂について、エポキシ当量、粘度、フェノール性水酸基
量、結晶化傾向、および硬化物の機械的特性(熱変形温
度、曲げ強度、曲げ弾性率、圧縮強度、アイゾット衝撃
強度、硬度)を測定または評価した。結果を表1に示
す。
【0051】(実施例5)ビスフェノールA型液状エポ
キシ樹脂の代わりに、実施例1で得られたエポキシ樹脂
組成物を用いた以外は、実施例4と同様にして、エポキ
シ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂について、エポキ
シ当量、粘度、フェノール性水酸基量、結晶化傾向、お
よび硬化物の機械的特性(熱変形温度、曲げ強度、曲げ
弾性率、圧縮強度、アイゾット衝撃強度、硬度)を測定
または評価した。結果を表1に示す。
【0052】(比較例1)実施例1で用いたビスフェノ
ールA型液状エポキシ樹脂について、フェノール性水酸
基量、結晶化傾向、および硬化物の機械的特性(熱変形
温度、曲げ強度、曲げ弾性率、圧縮強度、アイゾット衝
撃強度、硬度)を測定または評価した。結果を表1に示
す。
【0053】(比較例2)実施例3で用いたビスフェノ
ールA型液状エポキシ樹脂について、フェノール性水酸
基量、結晶化傾向、および硬化物の機械的特性(熱変形
温度、曲げ強度、曲げ弾性率、圧縮強度、アイゾット衝
撃強度、硬度)を測定または評価した。結果を表1に示
す。
【0054】 *1)変性脂肪族ポリアミン系硬化剤として、エポミックQ614(三井石油 化学工業株式会社製)を液状エポキシ樹脂組成物に対して、当量配合し た後、室温で1週間硬化させた。
【0055】
【発明の効果】本発明の方法によれば、硬化物の物性に
優れ、低粘度、難結晶性であるエポキシ樹脂を得ること
ができる。そのため、本発明の方法によって得られるエ
ポキシ樹脂は、例えば、塗料、土木、建築、接着剤など
の用途において好適に用いられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔1〕: 【化1】 〔式中、複数のR1 およびR2 は、それぞれ相互に同一
    でも異なっていてもよく、水素原子、メチル基、または
    フェニル基であり、複数のR3 は、相互に同一でも異な
    っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子またはメチル
    基であり、mは0〜4の整数であり、nは平均重合度で
    あり、0〜1の数である〕で表されるエポキシ樹脂を、
    下記の(A)および(B)から選ばれる少なくとも1種
    の工程によって変性する低粘度難結晶性エポキシ樹脂の
    製造方法。 (A)エポキシ樹脂と、下記一般式〔2〕: 【化2】 〔式中、R4 は、炭素数1〜30のアルキル基、アルア
    ルキル基、アリール基、またはハロゲン原子であり、h
    は、0または1〜3の整数である〕で表される一価フェ
    ノール類とを反応させて、エポキシ樹脂中のエポキシ基
    の0.2〜10当量%を開環させる工程 (B)エポキシ樹脂100重量部に対して、下記一般式
    〔3〕: 【化3】 〔式中、R5 は炭素数1〜5のアルキル基であり、Xは
    加水分解性基であり、Yは、グリシジル基、アミノ基、
    N−(ω−アミノアルキル)アミノ基、エステル基、ま
    たはメルカプト基であり、nは0〜5の整数であり、m
    は1〜3の整数である〕で表されるケイ素含有化合物
    0.01〜5重量部を混合する工程。
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