JPH0824484A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 注水脱水すすぎ運転の注水による水の浸透を
槽内の全部の洗濯物に対しよくできて、その全部の洗濯
物のすすぎが効果的にできるようにする。 【構成】 洗濯物を収容した槽を低速回転させつつ槽内
に上方より注水し、その後に槽を高速回転させ脱水する
注水脱水すすぎ運転の、上記注水時に槽内から排水する
排水弁を所定の開閉モードで開閉させることにより、特
にその排水弁の閉塞で、槽内の底部付近に水を溜め、従
来浸透しにくかった槽内の底部外周側に位置した洗濯物
にも水がよく浸透するようにした。又、上記注水脱水す
すぎ運転の注水回転と脱水回転との間に、槽内に貯水し
て所定時間洗濯物を撹拌する行程を設けことにより、上
記槽内の底部外周側に位置した洗濯物に一層よく水が浸
透するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は注水脱水すすぎ運転を実
行する洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、洗濯機においては注水脱水す
すぎ運転を実行するようにしたものが供されている。こ
の注水脱水すすぎ運転は、洗濯物を収容した槽を低速回
転させつつ槽内に上方より注水して洗濯物に水を浸透さ
せ、その後に槽を高速回転させることにより、浸透した
水と共に洗剤分を洗濯物から振り切り排出するというも
ので、槽内に単に貯水して撹拌することにより行なう
「ためすすぎ」より、洗濯物のすすぎが効率良くできる
特長を有している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記注
水脱水すすぎ運転においても、槽内の底部外周側に位置
した洗濯物には上方より注ぐ水が浸透しにくく、これの
すすぎが効果的にできないという問題点を有していた。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従っ
てその目的は、槽内の全部の洗濯物のすすぎが効果的に
できる洗濯機を提供するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の洗濯機においては、第１に、洗濯物を収容
した槽を低速回転させつつ槽内に上方より注水し、その
後に槽を高速回転させ脱水する内容の注水脱水すすぎ運
転を実行するようにしたものにあって、その注水時に槽
内から排水する排水弁を所定の開閉モードで開閉させる
ようにしたことを特徴とする。

【０００５】このものの場合、排水弁の開閉モードは洗
濯物の量に応じて変化させるようにすると良く、具体的
には、排水弁の閉塞時間を洗濯物の量が多いときほど長
くするようにすると良いし、あるいは排水弁の開放時間
を洗濯物の量が多いときほど長くするようにすると良
い。更に、排水弁の開閉回数を洗濯物の量が多いときほ
ど多くするようにしても良い。

【０００６】本発明の洗濯機においては、第２に、洗濯
物を収容した槽を低速回転させつつ槽内に上方より注水
し、その後に槽を高速回転させ脱水する内容の注水脱水
すすぎ運転を実行するようにしたものにあって、その注
水回転と脱水回転との間に、槽内に貯水して所定時間洗
濯物を撹拌する行程を設けたことをも特徴とする。この
ものの場合、洗濯物の撹拌は、槽内に設定可能水位の最
低水位まで貯水した状態で行なうようにすると良い。

【０００７】

【作用】上記第１の手段によれば、注水脱水すすぎ運転
中の注水時に槽内から排水する排水弁を所定の開閉モー
ドで開閉させることで、その閉塞時には槽内からの排水
が行なわれなくなって槽内の底部付近に水が溜まり、こ
の水が従来浸透しにくかった槽内の底部外周側に位置し
た洗濯物に浸透する。かくして、槽内の全部の洗濯物に
水がよく浸透するから、その全部の洗濯物のすすぎが効
果的にできるようになる。

【０００８】又、その場合、特に排水弁の開閉モードを
洗濯物の量に応じて変化させるようにしたものでは、洗
濯物の量に応じた貯水、排水ができるもので、中でも、
排水弁の閉塞時間を洗濯物の量が多いときほど長くする
ようにしたものでは、洗濯物の量が多いときほど高く必
要な水位がそれなりに得られる。

【０００９】又、排水弁の開放時間を洗濯物の量が多い
ときほど長くするようにしたものでは、上述の洗濯物の
量が多いときほど高くした水位に対して長く必要な排水
時間がそれなりに得られる。更に、排水弁の開閉回数を
洗濯物の量が多いときほど多くするようにしたもので
は、洗濯物の量が多い、すなわち排出すべき洗剤分の総
量が多いときほど、数多く必要な貯水，排水の回数がそ
れなりに得られる。

【００１０】一方、第２の手段によれば、注水脱水すす
ぎ運転中の注水回転と脱水回転との間に、槽内に貯水し
て所定時間洗濯物を撹拌する行程を設けたことで、槽内
の底部外周側に位置した洗濯物への水の浸透を一層良く
できる。しかも、この場合、洗濯物を固まりからほぐし
て槽内に極力均等に位置させることができるから、脱水
回転時の異常振動の発生を抑止するのにも効果を奏す
る。

【００１１】そして、その場合、特に洗濯物の撹拌を、
槽内に設定可能水位の最低水位まで貯水した状態で行な
うようにしたものでは、必要最少限の水で洗濯物の撹拌
ができ、水量及び時間の節約ができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の第１実施例につき、図１ない
し図４を参照して説明する。まず図２には洗濯機全体の
構成を示しており、外箱１内に外槽２を弾性吊持機構３
（一部のみ図示）により支持して配設し、外槽２内に内
槽４を、更に内槽４内の底部に撹拌体５をそれぞれ配設
している。

【００１３】又、外槽２外の下方部にはモータ６を主体
とする駆動機構７を配設しており、この駆動機構７によ
って、上記内槽４及び撹拌体５の回転を選択的に行なわ
しめるようにしている。更に、外槽２外の下方部には、
内槽４の底部中心部から外槽２内底部の排水路８を通じ
て排水する排水弁９をも配設しており、特にこの排水弁
９は図示しないモータ等の駆動源により上記駆動機構７
における回転駆動選択のためのクラッチ機構の作動とは
別個に開閉されるようにしている。

【００１４】一方、内槽４には脱水孔１０を上端部にの
み形成しており、その内方部にバランスリング１１を装
着している。又、その上方に位置して、外槽２の上端部
には遮水リング１２を装着しており、これに注水部１３
を有する内蓋１４を開閉可能に枢設している。更に、遮
水リング１２上方の外箱１上端部にはトップカバー１５
を装着しており、このトップカバー１５内の後部に上記
内蓋１４の注水部１３に向けて給水する例えば電磁石を
駆動源とした給水弁１６を配設し、前部に制御装置１７
を配設している。

【００１５】上記制御装置１７はマイクロコンピュータ
から成るもので、図３に示すように、洗濯物の量を検知
する洗濯物量センサ１８から洗濯物量検知信号が入力さ
れると共に、内槽４内の水位を検知する水位センサ１９
から水位検知信号が入力されるようになっており、それ
らの入力並びにあらかじめ記憶された制御プログラムに
基づいて、前記給水弁１６とモータ６及び排水弁９を駆
動するための駆動回路２０に駆動制御信号を与えるよう
になっている。

【００１６】そこで、以下には制御装置１７の機能によ
る注水脱水すすぎ運転時の作用について述べる。注水脱
水すすぎ運転時、制御装置１７は、図４に示すように、
まず１分間、モータ６を低速回転通電して内槽４を１０
０［ｒｐｍ］の低速で回転させ、同時に給水弁１６を開
放させて内蓋１４の注水部１３を通じ内槽１４内に上方
より注水させる。これにより内槽４内の図示しない洗濯
物に水を浸透させるもので、その後に、２分間、モータ
６を高速回転通電して内槽４を１０００［ｒｐｍ］の高
速で回転させ、洗濯物から浸透した水と共に洗剤分を振
り切り排出させる。そして、それらを１０秒間の休止タ
イムを挟んであと２回、計３回実行する。

【００１７】ここで、図１は上記注水脱水すすぎ運転の
各回の注水時の運転内容を更に詳しく示したもので、こ
の図１から明らかなように、注水脱水すすぎ運転の各回
の注水時には、従来開放させたままであった排水弁９を
所定の開閉モードで開閉させるもので、その開閉モード
は、この場合、最初の１０秒間が閉塞、次の１５秒間が
開放、次の１０秒間が閉塞、次の１５秒間が開放、そし
て最後の１０秒間が閉塞と定めている。

【００１８】このように運転することにより、注水脱水
すすぎ運転中の注水時には、特に排水弁９を閉塞するご
とに、内槽４内からの排水が行なわれなくなって内槽４
内の底部付近に水が溜まり、この水が従来浸透しにくか
った内槽４内の底部外周側に位置した洗濯物に浸透す
る。かくして、内槽４内の全部の洗濯物に水がよく浸透
するようになるもので、その全部の洗濯物のすすぎを効
果的に行なうことができる。

【００１９】以上に対して、図５ないし図７は本発明の
第２実施例を示すもので、上記注水脱水すすぎ運転中の
注水時での排水弁９の開閉モードを洗濯物量センサ１８
で検知する洗濯物の量に応じて変化させるようにしたも
のを示している。

【００２０】この場合、具体的には、洗濯物の量が
「多」であるときに、排水弁９の開閉を上述と同様に行
ない、洗濯物の量がそれより少ない「中」であるときに
は、排水弁９の閉塞時間を９秒間とし、開放時間を１３
秒間として、回数を「多」の場合と同じに行ない、洗濯
物の量がそれより更に少ない「少」であるときには、排
水弁９の閉塞時間を９秒間とし、開放時間を１３秒間と
して、回数を「多」，「中」の場合より減じて合計３回
だけ行ない、洗濯物の量が最も少ない「僅少」であると
きには、排水弁９の閉塞時間を８秒間とし、開放時間を
１２秒間として、回数を「少」の場合と同じに行なうよ
うにしている。

【００２１】すなわち、このものの場合には、排水弁９
の閉塞時間を洗濯物の量が多いときほど長くし、開放時
間も洗濯物の量が多いときほど長くして、更に、開閉の
回数を洗濯物の量が多いときほど多くするようにしてい
る。

【００２２】このようにすることにより、洗濯物の量に
応じた貯水、排水ができるもので、中でも、排水弁９の
閉塞時間を洗濯物の量が多いときほど長くするようにし
たことにより、洗濯物の量が多いときほど高く必要な水
位がそれなりに得られる。図６及び図７はこのことを表
わしており、洗濯物２１の量が多い図６の状態では排水
弁９を閉塞することによる内槽１４内の水位はＷ1 で、
洗濯物２１の量が少ない図７の状態での排水弁９を閉塞
することによる内槽１４内の水位Ｗ2 より高いことが分
かる。

【００２３】又、排水弁９の開放時間を洗濯物の量が多
いときほど長くするようにしたことにより、上述の洗濯
物の量が多いときほど高くした水位に対して長く必要な
排水時間がそれなりに得られる。更に、排水弁９の開閉
回数を洗濯物の量が多いときほど多くするようにしたこ
とにより、洗濯物の量が多い、すなわち排出すべき洗剤
分の総量が多いときほど、数多く必要な貯水，排水の回
数がそれなりに得られるもので、それぞれ洗濯物のすす
ぎを一層効果的に行なうことができる。

【００２４】図８及び図９は本発明の第３実施例を示す
もので、上記注水脱水すすぎ運転中の、内槽１４内に注
水しながら内槽１４を低速回転させる注水回転と、内槽
１４を高速回転させる脱水回転との間に、排水弁９を閉
塞させた状態で給水弁１６を開放させることにより内槽
１４内に貯水して、所定時間撹拌体５を正逆回転させる
ことにより洗濯物を撹拌する行程を設けたものを示して
いる。

【００２５】このようにすることにより、内槽１４内の
底部外周側に位置した洗濯物への水の浸透を一層良くで
き、洗濯物のすすぎを一層効果的に行なうことができ
る。しかも、この場合、洗濯物を固まりからほぐして内
槽１４内に極力均等に位置させ得るものでもあり、これ
によって、脱水回転時の異常振動の発生を抑止するのに
効果を奏する。

【００２６】又、この場合、内槽１４内の貯水は水位セ
ンサ１９の機能に基づく設定可能水位の最低水位（例え
ば１ｋｇ水位）までとしており、これによって、必要最
少限の水で洗濯物の撹拌ができることにより、水量及び
時間の節約ができる。更に、この場合、撹拌体５を回転
させる時間は具体的には１分間としており、それによっ
て、時間がかかり過ぎるようになることを抑制するよう
にしている。加えて、この場合の撹拌体５には羽根が回
転の正逆両方向で非対称のものを使用するようにしてお
り、それによって、洗濯物の動きを複雑にできるから、
洗濯物への水の浸透を更に良くでき、ほぐし効果もより
高く得ることができる。なお、この場合の注水脱水すす
ぎ運転は図９に示すように２回行なうようにしている。

【００２７】

【発明の効果】本発明の洗濯機は以上説明したとおりの
もので、下記の効果を奏する。第１に、洗濯物を収容し
た槽を低速回転させつつ槽内に上方より注水し、その後
に槽を高速回転させ脱水する注水脱水すすぎ運転の、上
記注水時に槽内から排水する排水弁を所定の開閉モード
で開閉させるようにしたことにより、槽内の全部の洗濯
物に水をよく浸透させることができて、その全部の洗濯
物のすすぎを効果的に行なうことができる。

【００２８】第２に、上記排水弁の開閉モードを洗濯物
の量に応じて変化させるようにしたことにより、洗濯物
の量に応じた貯水、排水ができて、洗濯物のすすぎを一
層効果的に行なうことができる。

【００２９】第３に、上記排水弁の閉塞時間を洗濯物の
量が多いときほど長くするようにしたことにより、洗濯
物の量が多いときほど高く必要な水位がそれなりに得ら
れ、洗濯物のすすぎをやはり一層効果的に行なうことが
できる。

【００３０】第４に、上記排水弁の開放時間を洗濯物の
量が多いときほど長くするようにしたことにより、上述
の洗濯物の量が多いときほど高くした水位に対して長く
必要な排水時間がそれなりに得られ、洗濯物のすすぎを
やはり一層効果的に行なうことができる。

【００３１】第５に、上記排水弁の開閉回数を洗濯物の
量が多いときほど多くするようにしたことにより、洗濯
物の量が多い、すなわち排出すべき洗剤分の総量が多い
ときほど、数多く必要な貯水，排水の回数がそれなりに
得られ、洗濯物のすすぎをやはり一層効果的に行なうこ
とができる。

【００３２】第６に、上記注水脱水すすぎ運転の注水回
転と脱水回転との間に、槽内に貯水して所定時間洗濯物
を撹拌する行程を設けたことにより、槽内の全部の洗濯
物に水を一層よく浸透させることができて、その全部の
洗濯物のすすぎを更に効果的に行なうことができると共
に、洗濯物を固まりからほぐして槽内に極力均等に位置
させることもでき、脱水回転時の異常振動の発生を抑止
することができる。

【００３３】第７に、上記洗濯物の撹拌を、槽内に設定
可能水位の最低水位まで貯水した状態で行なうようにし
たことにより、水量及び時間の節約ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す注水脱水すすぎ運転
時のタイムチャートの部分図

【図２】洗濯機全体の破断側面図

【図３】概略電気構成図

【図４】注水脱水すすぎ運転時のタイムチャートの全体
図

【図５】本発明の第２実施例を示す排水弁の開閉モード
図

【図６】作用状態の図２相当図

【図７】異なる作用状態の図２相当図

【図８】本発明の第３実施例を示す注水脱水すすぎ運転
時のタイムチャートの部分図

【図９】洗濯運転全体の行程図

【符号の説明】

４は内槽（槽）、５は撹拌体、７は駆動機構、９は排水
弁、１６は給水弁、１７は制御装置、１８は洗濯物量セ
ンサ、１９は水位センサ、２１は洗濯物を示す。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯物を収容した槽を低速回転させつつ
   槽内に上方より注水し、その後に槽を高速回転させ脱水
   する内容の注水脱水すすぎ運転を実行するようにしたも
   のにおいて、その注水時に槽内から排水する排水弁を所
   定の開閉モードで開閉させるようにしたことを特徴とす
   る洗濯機。
2. 【請求項２】 排水弁の開閉モードを洗濯物の量に応じ
   て変化させるようにしたことを特徴とする請求項１記載
   の洗濯機。
3. 【請求項３】 排水弁の閉塞時間を洗濯物の量が多いと
   きほど長くするようにしたことを特徴とする請求項２記
   載の洗濯機。
4. 【請求項４】 排水弁の開放時間を洗濯物の量が多いと
   きほど長くするようにしたことを特徴とする請求項３記
   載の洗濯機。
5. 【請求項５】 排水弁の開閉回数を洗濯物の量が多いと
   きほど多くするようにしたことを特徴とする請求項２記
   載の洗濯機。
6. 【請求項６】 洗濯物を収容した槽を低速回転させつつ
   槽内に上方より注水し、その後に槽を高速回転させ脱水
   する内容の注水脱水すすぎ運転を実行するようにしたも
   のにおいて、その注水回転と脱水回転との間に、槽内に
   貯水して所定時間洗濯物を撹拌する行程を設けたことを
   特徴とする洗濯機。
7. 【請求項７】 洗濯物の撹拌を、槽内に設定可能水位の
   最低水位まで貯水した状態で行なうようにしたことを特
   徴とする請求項６記載の洗濯機。