JP2005065873A - ドラム式洗濯機及びドラム式洗濯機への洗剤液投入方法 - Google Patents

ドラム式洗濯機及びドラム式洗濯機への洗剤液投入方法 Download PDF

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俊一 石川
Gichu Ota
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Abstract

【課題】 高濃度の洗剤液を洗濯物に散水して高率の良い洗浄ができるドラム式洗濯機とその高濃度洗剤液の散布方法を提供する。
【解決手段】 ドラム式洗濯機でドラムを両軸支持する支持軸の片側を中空軸として、洗濯時に通水管を介在して、洗剤投入箱で高濃度とした洗剤液をドラム支持の中空軸からドラム内にある洗濯物に散水するとともに、すすぎ時には同様に清水を散水する。この散水する方法としては、まず、ドラムを回転させながら清水を散水して洗濯物を湿らせた後、ドラムを高速で回転して十分に脱水する。その後、ドラムを洗濯物が遠心力でドラム内壁面にはり付いて落ちない程度の低速回転をさせながら高濃度の洗剤液を散水する。これにより、高濃度の洗剤液を最小限とした効率的な散布を可能とし、かつ、洗浄力も向上する。また、使用水量の低減を図ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水平軸を中心に回転するドラム式洗濯機とそのドラム内に置かれた洗濯物に洗剤液を散布する洗剤液投入方法に関し、特に高濃度の洗剤液を均一に直接洗濯物に散布することができるドラム式洗濯機とその洗剤液投入方法に関する。
従来、ドラム式洗濯機としては、開口部がドラムの前端面に設けられ洗濯物が前方より投入される、いわゆるフロントローディング型のドラム式洗濯機(例えば特許文献1を参照。)と、横向きに配置されたドラムの両端面はふさがれていてドラムが静止状態になったときに、ドラムの円筒部に形成された開口(ドラム蓋)が上向きに停止し、その開口から洗濯物が投入されるトップローディング型のドラム式洗濯機が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
図7は、従来のトップローディング型ドラム式洗濯機の例の縦断面図を示したものである。この従来のトップローディング型のドラム式洗濯機は、洗濯機外枠1の内側に内装してある外槽2の内部に円筒状のドラム3が回転自在に配置されている。そして、ドラム3には複数個の小さな脱水穴9(φ3〜5mm)が設けられ、このドラム3は内部に洗濯物4が投入され、駆動源であるモータの回転力により回転駆動される。また、ドラム3の内周壁には複数本(例えば、3本)のリフター17が等間隔に設けられており、ドラム3が正転のみや逆転または正逆転をしながら回転するときに、このリフター17により洗濯物4をかきあげて自然落下させ、たたき洗いが行われる。
まず、洗濯物4をドラム3内に投入する場合には、洗濯機外枠1の最上部に設けられているトップカバー5の上部平面部5aに設けられている上蓋6を開け、次に外槽2の上部に設けられている外槽上蓋7を開ける。次に外槽2の内部に設けてあるドラム3の胴周部に位置してあるドラム蓋8を開けて、洗濯物4をドラム3内に投入する。
次に、洗濯する場合は、各蓋を前述した蓋開の状態から逆順に順次操作して閉めていく。すなわち、ドラム3のドラム蓋8を閉じ、次に外槽2の上蓋7を閉じ、次にトップカバー5a部に位置している上蓋6を閉じる。その後、トップカバー5の前面部に配設されているコントロールパネル10の電源スイッチ11を押すことにより、あらかじめプログラムされた制御プログラムに従って、洗濯・すすぎに必要な水を自動的に給水し、洗濯・すすぎの運転を開始する。
洗濯は、先ずトップカバー5に配設されている洗剤投入箱12内に投入された洗剤を給水される水で溶かしながら、洗剤投入箱12と外槽2を接続しているフレキシブルホース13を介して、洗濯に必要な規定量の水を外槽2内へ供給する。供給された洗剤分を含む洗濯用の水は、外槽2の底面部から徐々に水位を上げて、ドラム3の中にある洗濯物4を浸たす。
そして、外槽2内に規定量の洗剤分を含んだ必要量の洗濯水が供給されると、不図示の水位検知手段からの指令により、ドラム3を回動させるDCブラシレスモータ26が通電されてドラム3の回動が開始される。このDCブラシレスモータ26は、アウターロータ式のインバータモータであり、このアウターロータ14はドラム3の回転軸である主軸15と接続されており、アウターロータ14の回転と共にドラム3が回動する。このアウターロータ14の内部には、外槽2に固定されて内部にコイルが巻かれたステータ16が設けられており、このステータ16とアウターロータ14によりインバータモータが構成されている。
上述のように、洗濯時には、ドラム3の回動につれてドラム3の内側に突出している複数個(例えば、3本)のリフター17により洗濯物4が上方にかきあげられ、ドラム3の内径の高さでほぼ最高位置に到達すると、ドラム3の底部に向って自然落下する。このドラム3の内径の落差で、洗濯物4を落下させることによってたたき洗いが行われるのである。
そして、洗濯終了後、洗濯液を排水弁18の開操作により、排水ホース19から洗濯外枠1の外へ排水し、排水終了後、排水弁18を閉じ清水を洗濯時の給水方法と同じ制御で外槽2内へ給水する。そして、すすぎ時に給水する清水の量が洗濯時に給水するときの清水の量より少し多めに給水制御され、洗濯物4内に含まれる洗剤分のすすぎを効率良く行うことができるようにしている。また、ドラム3の回動は、洗濯時には、正回転をした後、多少の休止時間をおいて逆回転を行っているが、すすぎは洗濯物4に付着した汚れを落す工程でないためドラム3の回転は正回転、逆回転を洗濯時より短い時間で回動させている。そして、その間にある休止時間は少し長めにとり、洗濯物4の傷み防止を図りながら回動を制御するようにしている。
次に、すすぎが終了すると、排水弁18を開放し、すすぎ水を排水ホース19から洗濯機外枠1外へ排水する。排水が終了すると洗濯物4に含まれている水分を脱水する工程へ自動的に移行する。脱水工程では、DCブラシレスモータ26のアウターロータ14が一方向に高速回転する。これにより、ドラム3が高速回転し洗濯物4の水分は脱水穴9から遠心力により外槽2に脱水され、排水弁18から排水ホース19を介して洗濯機外へ排水される。
なお、脱水時に、洗濯物4がドラム3の内周壁に均一に位置されていない状態にあると、ドラム3が高速で回転することにより偏荷重となり、脱水中に外槽2が大きな上下振動を行って正常な脱水運転ができなくなる場合がある。
そして、この上下振動により洗濯機外枠1の振動が大きくなり床面への伝達振動が大きくなるばかりか騒音も大きくなる。この脱水時の騒音障害を無くすため、外槽2の底部に4本の防振機構20を介在して洗濯機外枠1の底部のベース50に支持するようにしている。この防振機構20により、脱水時に洗濯物4の偏荷重状態で脱水運転した場合でも、外槽2の上下振動を吸収して振動や騒音の低減化を図っている。この4本の防振機構20は、油圧ダンパー減衰方式や摩擦減衰方式、エアーダンパー減衰方式などのいずれかにより構成される。
次に、図8に示すDCブラシレスモータ26の概略図に基づいて、従来のドラム式洗濯機に用いられるインバータモータについて説明する。上述したように、このDCブラシレスモータ26は、アウターロータ方式のものであり、このアウターロータ方式では、回動するアウターロータ14の内周側壁に複数個(例えば24個)のマグネット21が設けられている。コイル16aを巻いたステータ16は、アウターロータ14の内側に位置しており、このステータ16は数本の固定ネジ25により、外槽2に固定されている。
また、アウターロータ14の回動をドラム3への伝達は、アウターロータ14に固定されたドラムの回転軸15をドラム3に固定されたフランジと固定することで行われる。
また、ステータ16には、3個の磁極検出素子22a、22b、22cが同一な電気角θ3を有して配設されている。この3個の磁極検出素子22a〜22cの電気角θ3としては、一般的に120度または60度とするものが利用される。まれに、この電気角を90度として2個配置しているものもある。ここで、電気角とは、機械角(モータの1回転を360度としたもの。)を磁極の数で割った値を2倍したものを360度とする角度であり、磁極の数を24個として計算すれば、機械角360度を24で割った15度が電気角180度に相当する。
アウターロータ14の外周部には、位置検知用マグネット23が設けられており、その位置はマグネット21に対し電気角でθ2の位置に設けられている。θ2は電気角で30度または60度となっている。また、位置決め用磁極検出装置24は、外槽2に固定支持されており、アウターロータ14が1回転するごとに、アウターロータ14の外周の一部に固定された位置検出用マグネット23の通過を検出する。この位置決め用磁極検出装置24の位置は、3個の磁極検出素子22a、22b、22cのうちの2個の磁極検出素子の中間に位置している。
因みに、アウターロータ14の内周部に配設されているマグネット21は、電気角θ1が180度になるように均等に複数個設けられている。このマグネット21の数により極数Pが決定される。このマグネット21の数を増すことにより極数Pは多くなり、DCブラシレスモータ26を回転させる時に通電するパルス1回毎の通電での移動量は小さくなる。その結果、回転精度が増大する。なお、ドラムを直接駆動するドラム式洗濯機に使用されているマグネット21は電気角θ1を180度(機械角15度)として24個が配設されている。
次に、図9に基づいて、従来のドラム式洗濯機の運転動作制御について説明する。図9は、ドラム式洗濯機をマイクロコンピュータの制御により運転する制御部の説明図である。
マイクロコンピュータ27は、タイマー28とCPU(中央処理装置)29及びメモリ30、入力ポート31、出力ポート32から構成されている。そして、マイクロコインピュータ27における処理は、タイマー28からのクロックにより、CPU29とメモリ30との間でデータバスを通してデータのやり取りをして行われる。
CPU(中央処理装置)29は、演算部29aと制御部29bから構成され、システムの中心をなすものである。このCPU29により、算術演算、論理演算、メモリ30の指定アドレスの内容読み出しと書き込み制御、入出力ポート(31、32)の指定アドレスへの入出力制御等、ドラム式洗濯機のプログラム処理全体の流れが制御される。
メモリ30には、プログラムとデータの両方が記憶されており、読み出しと書き込みの両機能をもつRAM30aと、読み出し機能だけをもつROM30bの2種類を備えている。そして、RAM30aは、処理に必要なデータを記憶させるとともに、プログラムをCPU29上で作動させる場合の作業エリアとして用いられる。また、ROM30bは、決まったプログラムや固定データを記憶して、いつでも同じ処理をする場合に使用される。入力ポート31と出力ポート32は、CPU29と各入力装置、出力装置との間でデータの受け渡しを行う場合の仲介をする回路で、一般的にI/Oポートと呼んでいるものである。
入力ポート31には、ドラム式洗濯機に設けられる種々のスイッチ類やセンサなどからの電気的指令信号が入力される。例えば、洗濯開始の指令をCPU29に伝達する電源スイッチ11、ドラム式洗濯機内の水位を検出する水位センサ33、上蓋6、外槽上蓋7、ドラム蓋8のそれぞれの開閉状態を検出する蓋スイッチ34、標準コース、ソフトコース、お急ぎコースなどの洗濯コースを選定するプログラム選択スイッチ35、給水開始の他、洗濯・すすぎ・排水・脱水の運転工程中に一時的に運転を停止させる機能を持つスタート・ストップスイッチ36、洗濯物の量を計測して洗剤の大まかな量を選定する洗剤目安・布量センサ37などが接続されている。
また、出力ポート32には、洗濯時及び脱水時のドラム駆動用のモータ、すなわちDCブラシレスモータ26、洗濯機への給水行う給水弁38、洗濯水を外部に排水する排水弁18、洗濯または脱水の完了を操作者に知らせる報知器39、ドラム式洗濯機の洗濯・脱水等の進行状態を操作者に知らせる表示パネル40が接続されている。そして、これらの入力ポート31に接続されるセンサやスイッチ等の入力装置からの情報に基づいて、CPU29がメモリ30に記憶されているプログラムの処理を行い、出力ポート32を介して各制御装置に指令を発する。これにより、ドラム式洗濯機が運転制御される。
次に、図10の洗濯工程のブロック図に基づいて、従来のドラム式洗濯機による洗濯からすすぎ、脱水までの自動運転の工程について、工程順に詳細に説明する。
[S101給水工程]
洗濯機は、洗濯開始を指示する電源スイッチ11を押し、プログラム選択スイッチ35で、例えば標準コースを選択して、スタート・ストップスイッチ36を押すと、給水ホースから給水弁(省略)を介して外槽2の中に給水が行われる。規定量の洗濯水が外槽2内に入ったことを水位センサ33(図7では省略)で検出し、この水位センサ33からの情報が、入力ポート31を介してCPU29に送られる。CPU29は、水位センサ33からの信号に基づいて洗濯機への給水を停止する。
[S102洗濯工程]
洗濯に必要な水が給水された後は、例えば、標準コースとして予めプログラムされた規定時間、ドラム3を回転して洗濯運転を行う。
[S103排水工程]
洗濯動作が終了した後は、排水弁18を開放して、洗濯水を排水ホース19から洗濯機の外部へ排水する。
[S104脱水工程]
次に、外槽2内にある洗濯水が完全に排水された後、洗濯物4に含まれている水分をドラム3の高速回転により遠心力で脱水穴9から脱水する。これが脱水(1)の工程である。
[S105給水工程]
脱水終了後はDCブラシレスモータ26を停止して排水弁18を閉じ、すすぎ用の給水をする。この時の給水制御はS101の洗濯前の給水と同じであるが、すすぎ効率を良くするため、すすぎ時の給水量は洗濯時の給水量より多く給水する。すなわち、すすぎ時の給水の水位も水位センサ33で検出するのであるが、このときの検出は洗濯時に比べてより水位を高く設定している。
[S106すすぎ工程(1)]
すすぎ工程(1)の運転動作は、S102における洗濯運転動作と同じように制御されるが、すすぎ工程(1)は、洗濯物4に付着した汚れを落す目的でなく、洗濯物4に含まれる洗剤分をすすいで取り除くものであるため、ドラム3の休止をおいた右−左の回動数及び回転時間は、S102の洗濯時より少なくして布傷みやからみの防止を図るようにしている。
[S107排水工程]
この排水工程では、すすぎ工程(1)のすすぎ水を洗濯機外に排水するものであり、その制御はS103の排水工程と同じである。
[S108脱水工程(2)]
脱水工程(2)は、脱水工程(1)と同じく洗濯物4に含まれるすすぎ水の水分を脱水する制御で運転される。
[S109すすぎ工程(2)]
すすぎ工程(2)はS106のすすぎ工程(1)と同じ制御で運転される。
[S110排水工程]
排水工程はS103やS107の排水工程と同じ制御で運転される。
[S111最終脱水工程]
最終脱水工程では、S103やS108の脱水工程より長い時間、ドラム3を高速脱水運転して洗濯物4に含まれる水分を脱水し、予めプログラムされた規定時間の運転が終了すると、報知器39により自動的に洗濯の終了報知をして一連の洗濯からすすぎ、脱水に至る洗濯コースを終了する。
以上が従来のドラム式洗濯機の構造とその制御装置及び洗濯工程の全体である。次に、洗濯物の分量と洗濯機へ投入する洗剤の関係について説明する。従来、洗剤を投入して洗濯する洗濯機は、洗濯物の量に応じた給水量と、それに相応した量の洗剤を洗濯機に投入する必要があった。洗剤としては、一般的に粉末合成洗剤や粉末石鹸等が使用され、洗い水で洗剤を溶かしながら洗い工程を実行している。
一般に、洗剤の量としては、水30Lに対して20gが標準的でこれを1倍濃度としている。例えば10Lの水で20gの洗剤を溶かした洗剤液は3倍濃度の洗剤液であり、高濃度洗剤液と呼ばれる。本発明者らは、粉末洗剤を効率よく高濃度に溶解して洗濯物に振り掛けることを目的として、洗剤溶解容器の底面を傾斜面とし、20L/分の給水系のほかに5L/分の給水系を設けて高濃度の洗剤液を作成することができる洗剤投入装置を提案した(例えば、特許文献3を参照。)。
この特許文献3に記載の洗濯機は、ドラム式洗濯機ではないが、この洗濯機の洗剤投入装置によれば、まず、洗剤投入蓋を開いて洗剤投入容器内に所定量の洗剤が投入される。そして、洗濯工程を開始すると、流量の少ない洗剤溶解液出水口から所定量の洗剤溶解水が供給される。この洗剤溶解水の給水量は洗濯衣類の量に応じて設定した洗剤量による洗い水の洗剤濃度(水30Lに対して20gの洗剤量を1倍濃度として)の3倍〜50倍(好ましくは10〜40倍)の高濃度の洗剤液を生成することができるものである。この場合、洗剤溶解水の供給と同期させて洗剤撹拌翼を回転させ、粉末洗剤を撹拌することによって、高濃度の洗剤液の生成を支援するようにしている。
特開2003−126588号公報 特開2003−93776号公報(特に、図1と図2を参照。) 特開2002−177689号公報(段落[0047]、図4)
しかしながら、図7に示す従来のトップローディング型のドラム式洗濯機への洗濯水の供給方法は、外槽2の上部にフレキシブルホース13を接続して供給しているため、洗剤分を含んだ洗濯水は、直接にドラム3の中の洗濯物4に給水されず、外槽2とドラム3との間に供給される。このため構造上ドラム3と外槽2との底面部にできる間隙G部分に濃度の濃い洗剤分が蓄積されてしまう。また、排水弁18の排水口18a部に洗剤が入り洗剤の有効的な活用が十分にできないという問題があった。
また、このドラム3と外槽2との間隙Gの容積は5〜7L程度あり、ドラム3内に収納された洗濯物4に洗剤分を含んだ洗剤液で浸たすにはさらに10〜15L程度の水を供給しなければならない。この結果、規定量の洗剤量に対してより多くの水で溶かしながら給水しなければならないため、洗剤濃度の低下となり洗濯物4に付着した汚れに対し洗剤の化学力が効率よく作用しなくなるという欠点があった。
上述のように、ドラム式洗濯機の場合、洗濯時には、ドラム3の回転にしたがってドラム3の内部に設けられたリフター17が洗濯物4をかきあげ、洗濯物4をドラム3内におけるほぼ最高の位置から自然落下させて、たたき洗いを行うものである。
したがって、このようなドラム式洗濯機の場合には、大量の水が必要になるわけではなく、洗剤液は洗濯物4にのみ吸水していればよいのであるが、図7のドラム式洗濯機の給水方法では、ドラム3と外槽2との間隙Gに洗剤液がたまる構成となってしまい、洗濯物4を洗濯水で浸すために不必要な洗濯水が必要となるという問題があった。そして、このため、洗剤濃度を高く(約5倍以上)して洗濯することが構成上極めて困難であった。
更に、洗濯時に、ドラム3が回動すると 間隙Gに溜まっている洗剤液がドラム3により攪拌されて泡がたつ発泡現象が発生する。そして、外槽2とドラム3の間で発泡現象が発生すると、泡がドラム3の回転に抵抗してドラム3を回転させる駆動モータに大きな回転トルクが発生するため、駆動モータがこのトルクにより停止したり、多くの消費電力を浪費したりするという問題があった。
また、この発生した泡が、ドラム式洗濯機の特徴である自然落下によるたたき洗いの効果を低下させ、洗浄力を悪くするだけでなく、すすぎ効果も低下させてしまう。このため、すすぎと洗濯に必要以上の給水量を供給する必要が生じ、洗濯するのに多くの洗濯水を使用しなければならないという問題もあった。
また、洗濯時に、ドラム3と外槽2間にある洗濯液が、ドラム3の回転により攪拌されて音が発生し、騒音値が高くなるという問題もあった。
このように、ドラム式洗濯機においては、たたき洗いを本質的な洗い方とするため、ドラム3の中に投入された洗濯物4に洗剤液が浸み込んでいるだけで十分であるのに対し、上述の従来のドラム式洗濯機においては、必要以上の洗濯水を用いなければならないため、逆に弊害が大きいものとなっていた。
したがって、本発明の目的は、高濃度の洗剤液を直接洗濯物に散水して効率のよい洗浄を行うとともに、洗濯に必要な水量を最小限にして使用水量の低減を図り、かつ、高泡性の洗剤の使用を可能とするため洗剤の種類を選択する必要のないドラム式洗濯機及びドラム式洗濯機への洗剤液投入方法を提供することである。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のドラム式洗濯機は、洗剤投入箱と、洗剤投入箱に収納した洗剤を水道からの清水に混合して高濃度の洗剤液を生成する洗剤液生成手段と、洗濯物を収納するドラムと、該ドラムを回転自在に支持する回転軸とを備えたドラム式洗濯機において、前記回転軸の少なくとも一方は中空の回転軸で構成され、前記中空の回転軸を通して前記ドラム内の洗濯物に、ドラムを回転させながら前記洗剤液生成手段から得られる前記高濃度洗剤液を注水する洗剤液散布手段を設けたことを特徴としている。
また、本発明のドラム式洗濯機に用いられる洗剤液散布手段の好ましい形態は、吐出圧を上げ強制的に洗剤液を回転ドラム内に散水するためのポンプを備えたことを特徴としており、また、更に、別の好ましい形態としての洗剤液散布手段は、回転ドラム内へ給水する回転軸の吐出部に逆円錐状をした散水ヘッドを設けたことを特徴としている。
また、本発明のドラム式洗濯機への洗剤液投入方法は、ドラムを回転しながら、中空軸とされたドラムの回転軸を介して、洗剤液生成手段において生成された洗剤液を、ドラム内に置かれた洗濯物に均一に散布することを特徴としている。
そして、その洗剤液投入時のドラムの回転数は、洗濯物が遠心力によってドラムの内周面に一様にかつ均等に配置されて落下しない状態が維持される回転数としている。
また、本発明の洗剤液投入方法の好ましい方法としては、洗剤液投入前に、ドラム内に置かれた前記洗濯物に清水を散布し、その後、略脱水率50%以上に脱水してから、洗剤液を投入するようにしている。
更に、好ましい形態として、本発明のドラム式洗濯機に用いられる洗剤液の濃度は、通常の1倍濃度(清水30Lに対して洗剤20g)に対して5倍以上の高濃度洗剤液を用いることができるものである。
本発明によれば、ドラム式洗濯機においてドラム内に投入された洗濯物に直接的に高濃度の洗剤液を散水することができるため、洗濯に必要な最小限の洗剤液で洗濯ができ、また洗剤を溶かすために必要な水量も低減できる。また、構造上外槽とドラムとの間隙部に洗濯水が蓄積されないため洗濯時ドラムの回転による洗剤液が攪拌されることがなく発泡現象を防止できる効果がある。更に、洗濯時の発泡が防止されることによりドラム式洗濯機には使用ができなかった高発泡洗剤を使用して洗濯することができ、かつすすぎも簡単にすることができる。
図1から図6は、本発明のドラム式洗濯機及びその洗剤液散布方法の実施の形態の例について説明するための図であり、図1は本発明のドラム式洗濯機の縦断面図である。図7に示す従来のドラム式洗濯機と同じ構成部分については、同一符号を付して示してある。
本発明のドラム式洗濯機は、圧縮コイルばねのような4本の防振ばね20により外枠1に外槽2を防振支持する構成としている。外枠1の上面にはトップカバー5が設けられ、トップカバー5の上部平面部5aには上蓋6が設けられている。
また、トップカバー5の正面部にはコントロールパネル10が設けられ、このコントロールパネル10には、洗濯を開始するときのメインの電源スイッチ11のほかに、標準コース、ソフトコース、お急ぎコースなどの洗濯モードを選択するプログラム選択スイッチ35をはじめとして各種スイッチが設けられている。また、同じくトップカバー5の正面部には、引き出しタイプの洗剤投入箱12が設けられ、この洗剤投入箱12において洗剤と清水とが混合されて、高濃度の洗剤腋がフレキシブルホース13に送られるようになっている。
外槽2の上部には、フレキシブルホース13が貫通しており、底部には配水管19に接続する排水弁18につながる排水口18aが設けられている。また、外槽2の両側の側面中心部には、外槽フランジ43に取り付けられた回転軸受(ボールベアリング)44が設けられ、この回転軸受44により円筒状ドラム3の回転軸15が、外槽2内において、外槽2に対して水平かつ回転自在に支持されている。
このドラム3には、全周にわたって直径3〜5mmの多数の小さな脱水穴9が形成されており、脱水時には、ドラム3内に注水された清水や洗剤液がこの脱水穴9を通って排出される。このドラム3の一方の回転軸15には、DCブラシレスモータ26のアウターロータ14が固定されている。
このアウターロータ14の内側には、マグネット21が複数個(例えば24個)取り付けられ、このマグネット21と内部にコイルを有するステータ16との相互作用でアウターロータ14が回転する。アウターロータ14の外周部には位置検出用マグネット23が配置され、このマグネット23の回転を位置決め用検出装置24で検出することにより、ドラム3の位置が判別される。例えば、マグネット23が位置決め用検出装置24により検出される位置が、ドラム3のドラム蓋8と外槽上蓋7及び外枠上蓋6と方向が揃った位置となる。
また、ドラム3のアウターロータ14と反対側の他方の回転軸は、図2に示されるように、ドラム3にネジ48によって取り付けられるドラムフランジ42と一体に形成される中空軸42aによって構成され、回転軸受(ボールベアリング)44により外槽2に回転自在に支持されている。
洗剤投入箱12に接続されるフレキシブルホース13は、外槽2の上部を貫通して、通水路41に連結接続される。通水路41はドラム3の一方の回転軸である中空軸42aに接続されており、洗剤投入箱12で清水と混合されて得られる高濃度の洗剤液は、フレキシブルホース13、通水路41、中空軸42aを経由してドラム3内にある洗濯物4に散布される。なお、この洗剤液濃度としては、30Lの水に20gの洗剤を溶かした場合を1倍濃度として、5倍〜50程度、好ましくは10倍〜40倍程度のものが用いられる。この濃度については操作者が任意に設定することも可能であるが、通常は予めプログラムされた洗濯コースの中で、自動的に設定されるものである。
また、洗濯、すすぎ、脱水終了後にドラム3内の洗濯物4を取り出す場合には、ドラム3の胴体外周上に設けられているドラム蓋8と、外槽2の上部に設けられている外槽上部蓋7と、トップカバー5の上部平面部5aに設けられている上蓋6が同一位置にならなければならない。同一位置に揃わないと、ドラム3内の洗濯物4が取り出せなくなるので、アウターロータ14の外周部に設けられた位置検出用マグネット23を、状態位置決め用検出装置24で検出して、ドラム3の胴周上に設けられたドラム蓋8の位置が、外槽上蓋7と、上蓋6に同一方向になるようにドラム3の回転制動を行うようにする。
また、ドラム3において、洗濯物4がドラム3の内周壁で偏荷重の状態にあると、位置検出用マグネット23を位置決め用極検出装置24で検出して、ドラム3のドラム蓋8の位置を決定した後、DCブラシレスモータ26への通電を停止する。このとき、ドラム3内の洗濯物4が偏荷重の場合、ドラム3はアンバランスな状態となり自然回動して、ドラム蓋8の位置がずれてしまい洗濯物4が取り出せなくなる虞がある。このため、各蓋が同一方向に合致した状態でドラム3を固定しなければならない。このドラム3を各開閉蓋が同一方向を向いた状態で固定しておく方法として、ドラム3と回転軸15により、アウターロータ14の外周部を機械的に固定する方法がある。
また、脱水終了後、ドラム3の慣性力で回転している状態を制動する手段として、DCブラシレスモータ26に対して一般的に行われている逆相制動方式もしくは三相短絡方式による電磁ブレーキを印加する方法がある。これらの方式により、ドラム3の回転速度を減速していく。ここで、逆相制動方式は、ブレーキトルクを大きくすることができ、短い時間でドラム3の回動を制動することができるが、制御ソフト上ベクトル制御を行う必要があり複雑化する。
三相短絡制動方式は、ブレーキトルクは弱くドラム3の回動を制動するには、多少の時間を要し停止時間が長くなるが、逆相制動方式よりも簡単に制御できる利点を持っている。これらを効果的に使い分ける方法として、負荷量を検知する手段と連動して負荷が大きいときは逆相制動方式を用い、負荷が小さい時は三相短絡方式とすることができる。このように、脱水によるドラム3の回動を停止させた後、ドラム3内から洗濯物4を取り出すため各蓋の開放位置が同一方向になるように決定して洗濯物4の出し入れをする。
次に、図2に示す本発明のドラム式洗濯機の洗剤液散布部分の部分拡大図に基づいて本発明における洗剤液散布方法について説明する。
ドラム3の側面中心部は、ドラムフランジ42で支持されており、ドラムフランジ42はドラム3の他方の回転軸である中空軸42aと一体に成型されている。そして、この中空軸42aは外槽2に固定された外槽フランジ43に回転軸受(ベアリング)44を介在して支持されている。
また、ドラムフランジ42の中空軸42aは、シール46を介して通水路41に接続されている。この通水路41が図1に示すフレキシブルホース13を経由して洗剤投入箱12に接続されて高濃度の洗剤液を洗濯物4に散布する水路が形成される。そして、高濃度洗剤液が矢印51に示す方向に中空軸42a内を流れドラム3内の洗濯物4に散布される。
ここで、ドラム3内にある洗濯物4に高濃度の洗剤液が均等に散布されるように、中空軸42aの先端部にある注水口45には、逆円錐状の散水ヘッド45aが設けられており、通水路41から供給される高濃度の洗剤液が中空軸42aを通過後に、この散水ヘッド45aに当たり、ドラム3の内部の外側に向けて一様に散水される。このように、ドラムフランジ42の中心に位置した中枢軸42aの注水口45から直接洗濯物4に洗剤液を散水することにより、必要最小限の洗剤液で洗濯物4の洗浄ができる。
なお、ドラムフランジ42は、ドラム3の側面に数本の固定ネジ48により固定されている。このドラムフランジ42の中空軸42aは、ドラム3を回転支持する回転軸としての機能を有し、外槽フランジ43の回転軸受(ボールベアリング)44により支持されている。
そして、この中空軸42aは洗剤液の通路として通水路41とシール46を介して水漏れを防止している。また、中空軸42aと外槽フランジ43は、洗濯・すすぎ時の水漏れを防止するシール47を介在して外槽2に固定されている。更に、外槽フランジ43は補強としてその外部に数本の補強リブ49が設けられている。
次に、図1に示す、本発明のドラム式洗濯機の実施の形態の動作を説明する。
まず、ドラム3内に洗濯物4を投入して、洗濯を開始するための電源スイッチ11をオンにする。続いて、プログラム選択スイッチ35により、例えば標準コースを洗濯して、スタート・ストップスイッチ36(図9を参照)を押すと、不図示の給水弁38が開放されて洗濯に必要な量の水道水が給水される。給水される水道水は、後述するように最初清水として洗濯物4に散布され、続いて洗濯機本体上部のトップカバー5に設けられた洗剤投入箱12を経由して、この洗剤投入箱12に投入された粉末洗剤が溶解した高濃度の洗剤液がフレキシブルホース13、通水路41を経由してドラム3内の洗濯物4へ散布される。
なお、洗濯物4に水分が含まれるとその質量が大きくなり、ドラム3を回転させるときに駆動モータに通電する電流量が大きく変化する。したがって、その電流量の変化の経過を電流センサ等で検知して給水される水量を制御する方法等がとられている。
上述したように、一般に、市販の合成洗剤は水量30Lに対し20gの量が標準使用量、すなわち1倍濃度としている。また、洗濯負荷量と洗剤の関係は、負荷量1kgあたり合成洗剤は8gの使用量が規定量として定められている。従来のドラム式洗濯機の場合、洗濯水量は洗濯負荷量が8kgでも一般的に約30Lの水量で洗濯する機構であるため、洗濯水量で洗剤量を設定すると8kgの洗濯負荷量の場合20gの洗剤使用量となってしまい、洗濯負荷量が多いわりに洗剤量が少なく、洗濯物に付着して汚れが落ちないという欠点が発生する。
この対応として、本発明の実施の形態の例のドラム式洗濯機の場合には洗濯負荷量に対する洗剤量が定められている。すなわち、8kgの洗濯ができるドラム式洗濯機では、定格の8kgを洗濯する場合の洗剤量は64gとしている。このため、洗剤投入箱12内には洗濯負荷量に対応した洗剤量を投入する。すなわち、定格8kgの洗濯物4を洗濯する場合約64gの洗剤量を投入する必要がある。したがって、洗剤投入箱12では、投入された洗剤64gを約5Lから10L程度の水で溶解してからドラム3内に高濃度の洗剤液を投入して洗濯物4に散布する。このとき洗剤濃度の倍率は、洗濯水に対する洗剤の規定量(1倍濃度)が30Lに対し20gであることを考慮すると、5Lの清水で64gの洗剤を溶解すると約19.2倍となり、また10Lの水で溶解する場合でも約9.6倍の高濃度洗剤液となる。本例のドラム式洗濯機では、この高濃度洗剤液がドラム3内の洗濯物4に一様かつ均等に散布されることになる。
次に、図3、図4に基づいて、ドラム3内にある洗濯物4に効率的に高濃度洗剤液を散布する方法について説明する。図3に示すように、先ず、洗濯開始時に、給水電磁弁52aあるいは給水電磁弁52b(図9の給水弁38に相当)から洗濯に必要な洗濯液または清水が供給される。
すなわち、給水電磁弁52aは洗剤投入箱12で高濃度の洗剤液を作成するための電磁弁であり、給水電磁弁52bは清水を洗濯物4に供給するための電磁弁である。この二つの給水電磁弁52aと52bは切換弁53によって切り換えられ通水路41に導かれる。
洗剤投入箱12には、必要量の洗剤(例えば、8kgの乾布に対して64g)が投入されており、この洗剤投入箱12内において給水電磁弁52aから供給された水と洗剤を攪拌して高濃度の洗剤液が生成される。なお、給水電磁弁52bは、乾布を湿らすため、あるいはすすぎ洗いの時の清水散布に用いられる。
まず、ドラム3内に投入された洗濯物4には、切換弁53の制御により、ドラム3を回転しながら電磁弁52bから矢印51の方向に向けて清水を散水する。清水を散水した後に、いったんドラム3を回転して脱水率50%以上に脱水し、切換弁53を給水電磁弁52a側に切り換えて、洗剤投入箱12を通した高濃度の洗剤液をドラム3内に散水する。これにより洗濯物4には高濃度の洗剤液が均一に散水される。図4は高濃度の洗剤液が洗濯物4に一様に散布される様子を示したドラム3の横断面図である。図4に示されるように、ドラム3を回転させることにより、洗濯物4は回転時の遠心力によりドラム3の内周壁に押し付けられた状態となる。そして、この状態を維持しながら、ドラム3を回転させ、散水ヘッド45aから清水や高濃度の洗剤液を洗濯物4に散水することにより、洗濯物4に均一な散水が行われる。このとき、洗濯物4はドラム3の内壁に一様に分布するようにドラムの回転数が70〜100rpmに選定されている。
図5は、本発明のドラム式洗濯機の実施の形態の他の例を示すものであり、ポンプ54を使用してドラム3内に散水するドラム式洗濯機の注水方法を説明するものである。ドラム3内への散水水圧が低いと洗濯物4に均一に散水することができないため、ポンプ54の吐出圧を利用して散水ヘッドに当てる水流の圧力を強くし、ドラム3内の洗濯物4に均一に散水するようにしている。高濃度洗剤液の具体的な散布方法は図3の方法と同じである。
次に、図6のフロー図を用いて、ドラム式洗濯機における高濃度洗剤液の散布方法及び洗濯の方法を説明する。このフロー図は従来のドラム式洗濯機の洗濯工程として示した図10のステップS101の給水工程とステップS102の洗い工程を、本発明のドラム式洗濯機が実行する場合について説明するものである。
まず、電源スイッチ11がオンとされると、給水電磁弁52bが通電され、切換弁53の操作により清水が通水路41を経由して注水口45よりドラム3内へ散水が開始される(ステップS1)。このときドラム3は約500〜800rpm程度の中速度回転で回転しながら、清水が散水される(ステップS2)。ドラム3を回転させながら散水するのは、散水された清水が洗濯物4を均等に湿らせるためである。
続いて、このステップS2の中速度回転が、予めプログラムされた規定時間、継続して行われたか否かが判断され(ステップS3)、規定時間が経過していないときは、ステップS1の清水の散布が継続される。判断ステップS3で、規定時間が経過したと判定されると、ドラム3内への清水の散水を停止し(ステップS4)、ドラム3を約800〜1000rpmの高速回転で回転させる(ステップS5)。この高速回転の回転数と規定時間は、洗濯物4に含まれる清水を脱水率約50%以上に脱水するために必要な回転数と規定時間である。ここで、脱水率50%以上に脱水する理由は、洗濯物4に多くの水分が含まれていると、高濃度の洗剤液が洗濯物4に浸透しにくくなるからである。
続いて、ステップS5の高速回転が、50%以上の脱水率をうるために予め定められた規定時間経過したかどうかが判断される(ステップS6)。ステップS5の高速回転が規定時間継続して行われたと判断されると、ドラム3の回転を約70〜100rpmの低速回転に切り換え(ステップS7)、低速回転をさせながら、高濃度の洗剤液を洗濯物4に散布する(ステップS8)。この洗剤液の散布は、切換弁53を電磁給水弁52aに切り換えることにより行われる。すなわち、洗剤投入箱12を通過した清水はその通過する過程で洗剤を溶かし、高濃度の洗剤液として注水口45から回転するドラム3の中に散水される。
ステップS7の低速回転70〜100rpmは、ドラム3の内周壁に張りついた洗濯物4が自重にて落下しない程度の回転数である。なお、この場合、高濃度の洗剤液のみでなく5〜10L程度の清水と合わせて注水してもよい。
次に、ステップS7及びステップS8による低速回転の高濃度洗剤液の散布が予め規定時間の間、継続的に行われたかどうかが判断される(ステップS9)。高濃度洗剤液が規定時間散布された後は、ドラム3は回転速度が約40〜60rpm程度の洗濯運転へ移行する(ステップS10)。この洗濯運転における回転数約40〜60rpmは、ドラム3に設けられたリフター17でかきあげられた洗濯物をドラム3内の最高の高さから落下させることができる回転速度である。こうして、高濃度洗剤液のしみ込んだ洗濯物4が、ドラム3の直径に相当する高さ(最高部)から落下してドラム3の最下部に叩きつけられ、たたき洗いが行われる。洗濯回転が終了すると排水、すすぎなどの次の工程へ移行する(ステップS11)
以上説明したように、本発明のドラム式洗濯機は、ドラム3を支持している回転軸15の一方を中空軸42aとして、その中空部を介してドラム3内の洗濯物4に直接洗剤液を散布するものである。そして、その散布方法は、はじめに乾布状態の洗濯物に、ドラムを回転させながら清水を散布して湿らせ、その後洗濯物を脱水して余分な水分を除去した後、ドラム3を回転させながら高濃度の洗剤液を洗濯物4に散布するようにしている。このため、洗剤液は洗濯物の繊維内に十分浸透し繊維内の汚れを効率良く除去することができる。
また、上述したように、高濃度の洗剤液を散布する際には、洗濯物4が一様にドラム3の内壁に広がるような回転数でドラム3を回転させることが、洗濯物4に均一に洗剤液を散布する上で効率的である。また、均一の散布を行うために、洗剤液がドラム3内に散水される注水口45の先端に、逆円錐形状の散水ヘッド45aが設けられている。この散水ヘッド45aにより洗剤液が放射状にドラム3内に降り注ぐため、ドラム3内の洗濯物4に均一に散水される。また、ドラム3を回転しながら散水することにより、短時間で洗濯物4に高濃度の洗剤液が散水でき、かつ洗濯物4の内部まで洗剤液をよく浸透させることができる。
本発明のドラム式洗濯機により上述した方法で洗濯すれば、高濃度の洗剤液で洗濯ができ、洗剤の化学力を大きく活用することができるため洗浄力が向上する。また洗濯に必要な最小限の洗濯水で洗濯することができ使用水量の低減を図ることができる。
本発明のドラム式洗濯機の実施の形態の例を示す縦断面図である。 本発明のドラム式洗濯機の実施の形態の例における注水口付近の拡大断面図である。 本発明のドラム式洗濯機の実施の形態の例における高濃度洗剤液の散水方法を説明するための縦断面図である。 本発明のドラム式洗濯機の実施の形態の例における高濃度洗剤液の散水方法を説明するための横断面図である。 本発明のドラム式洗濯機の実施の形態の他の例における高濃度洗剤液の散水方法を説明するための縦断面図である。 本発明のドラム式洗濯機における高濃度洗浄方式を説明するためのフロー図である。 従来のドラム式洗濯機を説明するための縦断面図である。 従来のドラム式洗濯機に用いられるインバータモータを説明するための図である。 従来のドラム式洗濯機の運転制御を説明するためのブロック図である。 従来のドラム式洗濯機の運転工程を説明するための流れ図である。
符号の説明
1・・・外枠、2・・・外槽、3・・・ドラム、4・・・洗濯物、5・・・トップカバー、6・・・上蓋、7・・・外槽上蓋、8・・・ドラム蓋、12・・・洗剤投入箱、13・・・フレキシブルホース、15・・・回転軸(ドラム主軸)、18・・・排水弁、19・・・排水ホース、26・・・インバータモータ(DCブラシレスモータ)、41・・・通水管、42・・・ドラムフランジ、42a・・・中空軸、44・・・回転軸受、45・・・注水口、45a・・・散水ヘッド、52a、52b・・・給水電磁弁、53・・・切換弁

Claims (7)

  1. 洗剤を収容する洗剤投入箱と、洗剤投入箱に水を供給して高濃度の洗剤液を生成する洗剤液生成手段と、洗濯物を収納するドラムと、該ドラムを回転自在に支持する回転軸とを備えたドラム式洗濯機において、
    前記回転軸の少なくとも一方は中空の回転軸で構成され、該中空の回転軸を通して前記ドラム内の洗濯物に前記ドラムを回転させながら前記洗剤液生成手段から得られる前記高濃度洗剤液を注入する洗剤液散布手段を設けたことを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 前記洗剤液散布手段は、吐出圧を上げ強制的に前記ドラム内に散水するためのポンプを備えたことを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯機。
  3. 前記洗剤液散布手段は、前記ドラム内へ給水するための前記中空の回転軸の吐出部に逆円錐状をした散水ヘッドを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。
  4. 洗剤投入箱と、洗剤投入箱に収納した洗剤を水道からの清水に混合して高濃度の洗剤液を生成する洗剤液生成手段と、洗濯物を収納するドラムと、該ドラムを回転自在に支持する少なくとも一方を中空とする回転軸とを備えたドラム式洗濯機における洗剤液投入方法であって、
    前記ドラムを回転しながら、前記中空の回転軸を介して、前記洗剤液生成手段において生成された洗剤液を、ドラム内に置かれた洗濯物に均一に散布することを特徴とするドラム式洗濯機への洗剤液投入方法。
  5. 前記洗剤液投入時の前記ドラムの回転数は、前記洗濯物が遠心力によって前記ドラムの内周面に均等に配置されて落下しない状態が維持される回転数であることを特徴とする請求項4に記載のドラム式洗濯機への洗剤液投入方法。
  6. 前記洗剤液投入前に、前記ドラム内に置かれた前記洗濯物に清水を散布するステップと、
    前記清水を散布した後に、脱水する(脱水率約50%以上)ステップ
    を含むことを特徴とする請求項4または5に記載のドラム式洗濯機の洗剤液投入方法。
  7. 前記洗剤液の濃度は、通常の1倍濃度(清水30Lに対して洗剤20g)に対して5倍以上の高濃度洗剤液であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のドラム式洗濯機への洗剤液投入方法。
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