JPH08239040A - 鉄道車両の横振れ制振用ダンパおよび制振システム - Google Patents

鉄道車両の横振れ制振用ダンパおよび制振システム

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JPH08239040A
JPH08239040A JP7060495A JP7060495A JPH08239040A JP H08239040 A JPH08239040 A JP H08239040A JP 7060495 A JP7060495 A JP 7060495A JP 7060495 A JP7060495 A JP 7060495A JP H08239040 A JPH08239040 A JP H08239040A
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damper
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君章 佐々木
Takayuki Shimomura
隆行 下村
Shogo Kamoshita
庄吾 鴨下
Kenichi Kasai
健一 葛西
Masakazu Nakazato
雅一 中里
Toshiaki Kamei
俊明 亀井
Haruhiko Kawasaki
治彦 川崎
Yasuo Tsuyuki
保男 露木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制振側である車体のマスが極めて大きい鉄道
車両への使用に適した横振れ制振用ダンパを提供する。 【構成】 台車1と車体2との間に介装した一方向流れ
のストロークセンシングシリンダと減衰力制御回路およ
び伸側・圧側用のアンロードバルブとで制御ダンパ3
(4)を構成し、かつ、車体2に横振れ検出用の検知器
5を設置する。そして、検知器5からの車体速度信号U
1,U2を用いてコンピュータ40により車体2の振れ
方向を判定し、制御ダンパ3(4)の伸縮動作と逆に対
応して伸側および圧側用のアンロードバルブをそれぞれ
選択的に切換制御する。また、上記車体速度信号U1,
U2と併せて、ストロークセンシングシリンダからのダ
ンパ変位信号W1,W2とそれから算出したダンパ速度
信号V1,V2とを用いてコンピュータ40により減衰
力制御回路の発生減衰力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄道車両の車体に発
生する横振れを制振するセミアクティブ制御用ダンパ、
および当該ダンパを使用した制振システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等にあっては、車体に生
じる上下振動を単に減衰して吸収するだけでは充分な乗
心地が得られないとの理由から、より一層の乗心地の向
上を図るために、車体の挙動を検出して積極的に正しい
姿勢に補正する所謂アクティブ制御の減衰力可変ダンパ
が用いられるようになってきた。
【0003】しかし、このようなアクティブ制御の減衰
力可変ダンパは、パワー源であるポンプや特殊の制御バ
ルブ類を必要とし、しかも、それらを制御するコントロ
ーラ自体も複雑となるので高価につくばかりか、パワー
源をもっているがために誤動作を起こした場合に却って
乗心地を害することになる。
【0004】そこで、昨今にあっては、パワー源を用い
ることなく車体振動の振幅や周波数に応動して減衰力制
御を行う所謂セミアクティブ制御の減衰力可変ダンパが
注目されるようになってきた。
【0005】このセミアクティブ制御の減衰力可変ダン
パは、ハード面およびソフト面の両面でシンプルなかた
ちになるので、運行上およびメンテナンスの上で使い易
いという利点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、その反面、こ
のようなセミアクティブ制御の減衰力可変ダンパを、鉄
道車両の横振れ防止用としてそのまま適用しようとした
場合には、自動車と相違して制振側の車体マスが極めて
大きいために下記のような問題点を生じる。
【0007】すなわち、台車が車体と同方向により速い
速度で横に振れたときにもダンパが動作して減衰力を発
生することから、台車が車体を押して当該車体の横振れ
を抑えることなく却って増長するように作用する。
【0008】また、そればかりでなく、車体に発生した
横振れの振幅の大きさや周波数の高低に伴って小まめに
減衰力を可変制御してやらなければならないので、バル
ブ類のオン・オフ操作が頻繁になって耐久性の点でも劣
る。
【0009】しかも、何等かの理由で減衰力の可変制御
が不能になったときに台車と車体の慣性でダンパがスト
ローク端まで急激に作動し、当該ストローク端で大きな
衝撃力を発生することになる。
【0010】したがって、この発明の目的は、鉄道車両
のように振動発生側の台車と制振側の車体マスが極めて
大きいものであっても、これを効果的に制振することの
できる横振れ制振用のセミアクティブ制御ダンパ、およ
び当該ダンパを使用した制御システムを提供することで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、この発
明において、台車と車体との間に介装されるストローク
センシングシリンダと、このストロークセンシングシリ
ンダのヘッド側室からロッド側室に向う作動流体の流れ
のみを許容する流路と、サクションバルブを通してスト
ロークセンシングシリンダのヘッド側室に通じるリザー
バと、ヘッド側室をリザーバに連通する流路中に介装し
た圧側用のアンロードバルブと、同じくロッド側室をヘ
ッド側室に連通する流路中に介装した伸側用のアンロー
ドバルブと、ロッド側室とリザーバとの間に介装した減
衰力制御回路とを備え、当該減衰力制御回路に上流側か
ら下流側へと向って、高圧リリーフバルブと共働しつつ
最大減衰力を規制する固定絞りと絞り開度を連続的に比
例制御する常開の比例バルブまたは比例圧力制御バルブ
を並列配置した減衰力制御要素と、固定絞りと低圧リリ
ーフバルブを並列配置した最低減衰力規制要素を直列に
介装したダンパを用い、ストロークセンシングシリンダ
で検出したダンパ信号をダンパ変位信号とダンパ速度信
号とに分け、これらダンパ変位信号とダンパ速度信号お
よび車体に設けた検知手段からの車体速度信号とに基づ
いて減衰力制御回路で発生する最適値に最も近い減衰力
値をコンンピュータで演算し、この演算結果に基づいて
減衰力制御要素に並設した比例バルブまたは比例圧力制
御バルブを比例制御する一方、上記検知手段からの車体
速度信号により車体の振れ方向をコンピュータで判断し
て圧側用および伸側用のアンロードバルブを選択的に切
換制御することによって達成される。
【0012】
【作 用】すなわち、上記の構成により、制振用ダンパ
のダンパ本体を構成するストロークセンシングシリンダ
は、ヘッド側室からロッド側室に向う作動流体の流れの
みを許容する流路とサクションバルブの働きで、伸長お
よび圧縮動作の何れにあってもロッド側室の作動流体を
減衰力制御回路とリザーバを通して循環させる一方向流
れのダンパとして作用する。
【0013】これにより、ストロークセンシングシリン
ダのピストンとピストンロッドの断面積比を2:1にと
ることにより、当該ストロークセンシングシリンダの伸
縮動作に伴って減衰力制御回路に押し出されてくる作動
流体の流量は、伸長側と圧縮側とで同じになる。
【0014】一方、制振用ダンパにおける圧側用のアン
ロードバルブと伸側用のアンロードバルブは、車体に設
けた検知手段からの車体速度信号に基づいて当該車体の
振れ方向をコンピュータで判断し、そのときの車体の振
れ方向に応じて伸縮動作するストロークセンシングシリ
ンダの動作方向と反対作用のものが選択的に切り換えら
れる。
【0015】すなわち、車体の振れ方向によってストロ
ークセンシングシリンダが伸長動作するときには、コン
ピュータからの切換信号により圧側用のアンロードバル
ブがオンの位置に切り換えられてヘッド側室をリザーバ
に連通し、逆に、ストロークセンシングシリンダが圧縮
動作するときには、コンピュータからの切換信号により
伸側用のアンロードバルブがオンの位置に切り換えられ
てロッド側室をヘッド側室に連通する。
【0016】かくして、車体の振れ方向に対応してスト
ロークセンシングシリンダが伸縮動作する通常の横振れ
発生時にあっては、当該ストロークセンシングシリンダ
からのダンパ信号と検知手段からの車体速度信号に基づ
いてコンピュータが車体の横振れ状態を判定する。
【0017】そして、この判定結果に基づいてコンピュ
ータが最適値に最も近い減衰力値を演算し、この演算結
果に合うように減衰力制御要素の比例バルブまたは比例
圧力制御バルブを連続的に比例制御することにより、減
衰力制御回路の発生減衰力を制御して車体の横振れを効
果的に制振する。
【0018】しかも、上記において、ストロークセンシ
ングシリンダが作動端に達するような事態が生じると、
当該ストロークセンシングシリンダからのダンパ信号に
よってこれをコンピュータが判断し、上記比例バルブま
たは比例圧力制御バルブを遮断状態に制御して減衰力制
御回路の発生減衰力を最大とし、ストロークセンシング
シリンダの作動端での衝撃を緩和する。
【0019】それに対して、上記の制振作用時に台車が
車体と同方向により速い速度で振れたとすると、ストロ
ークセンシングシリンダの動作方向が逆転して台車の振
れが車体の横振れを増長するように作用する。
【0020】しかし、この場合には、車体の振れ方向が
変わらないにも拘わらずストロークセンシングシリンダ
の伸縮方向のみが反転するだけであるために、当該スト
ロークセンシングシリンダから押し出された作動流体
が、前記車体の振れ方向に対応してオンの位置に切り換
えられている圧側用或いは伸側用のアンロードバルブを
通して自動的にリザーバまたはヘッド側室に逃げる。
【0021】これにより、上記したような事態の発生に
よりストロークセンシングシリンダのヘッド側室或いは
ロッド側室に生じようとする作動流体圧力が排除され、
台車の振れによって車体の横振れがさらに増長されるの
を防止する。
【0022】その結果、このような事態を、減衰力制御
用の比例バルブまたは比例圧力制御バルブによって対処
することなく、周波数の低い車体の横振れ方向に対応し
てオン・オフ制御される圧側用と伸側用のアンロードバ
ルブにより対処できるので、減衰力制御回路における比
例バルブまたは比例圧力制御バルブの操作の頻度が少な
くなって当該減衰力制御回路の耐久性が著しく向上す
る。
【0023】また、異常事態の発生や電源のオフによる
制御不能時にあっては、車体に横振れが生じているにも
拘わらず圧側用と伸側用のアンロードバルブがオフの位
置を保つために、ストロークセンシングシリンダはその
伸縮動作に伴って作動流体を常に減衰力制御回路に向か
って押し出す。
【0024】しかも、減衰力制御回路に設けた減衰力制
御用の比例バルブまたは比例圧力制御バルブもまた自動
的にオフの位置に復帰して全開状態となる。
【0025】これにより、下流側の最低減衰力規制要素
が働いて予め設定した減衰力の下でストロークセンシン
グシリンダの伸縮動作を規制し、そのような事態の発生
時にあっても、当該ストロークセンシングシリンダが通
常のダンパとして働いて車体の横振れを制振することに
なる。
【0026】
【実施例】以下、添付図面に基づいてこの発明の実施例
を説明する。
【0027】図1において、振動発生側である台車1と
制振側である車体2の間には、この発明によるセミアク
ティブ制御用ダンパ3,4が互いに対向して水平に配置
してある。
【0028】これらセミアクティブ制御用ダンパ3,4
はその何れか一方のみであってもよいが、この実施例の
ように二本用いることによって一方の故障時にフェイル
セーフ効果を果たすことができる。
【0029】また、制振側の車体2には、当該車体2の
振動状態を検知する加速度計或いは速度計等からなる検
知器5が設けてある。
【0030】上記セミアクティブ制御用ダンパ3,4
は、図2に示すように、ストロークセンシングシリンダ
6とリザーバ7および減衰力制御回路8とからなってい
る。
【0031】ストロークセンシングシリンダ6は、シリ
ンダ9の内部を摺動自在のピストン10でヘッド側室1
1とロッド側室12とに区画し、かつ、ピストン10か
らは外部に向ってピストンロッド13が延びている。
【0032】ピスドンロッド13には、スケールメモリ
14が所定の間隔を保って刻んであり、これらスケール
メモリ14と対向して変位センサ15を固定して取り付
けてある。
【0033】セミアクティブ制御用ダンパ3,4は、そ
れぞれオフの位置においてチェックバルブ16,17を
もつ位置を、また、オンの位置において導通位置を保つ
圧側用と伸側用の二つのアンロードバルブ18,19を
備えている。
【0034】圧側用のアンロードバルブ18は、ヘッド
側室11とリザーバ7を連通する流路20の途中に介装
されており、かつ、オフの位置でヘッド側室11からリ
ザーバ7に向う作動流体の流れをチェックバルブ16で
阻止すると共に、オンの位置でヘッド側室11を流路2
0でリザーバ7に連通するように配置してある。
【0035】それに対して、伸側用のアンロードバルブ
19は、圧側用のアンロードバルブ18の入口側からロ
ッド側室12に向って延びる流路21の途中に介装さ
れ、かつ、オフの位置でストロークセンシングシリンダ
6のロッド側室12からヘッド側室11に向う作動流体
の流れをチェックバルブ17で阻止すると共に、オンの
位置でロッド側室12をヘッド側室11に連通するよう
に配設されている。
【0036】また、ヘッド側室11は、サクションバル
ブ22をもつ吸込流路23によってもリザーバ7に通じ
ており、かつ、ロッド側室12がフィルタ24から減衰
力制御回路8を通してリザーバ7に通じている。
【0037】減衰力制御回路8には、上流側のロッド側
室12から下流側のリザーバ7へと向って、高圧リリー
フバルブ25と共働しつつ最大発生減衰力を規制する固
定絞り26および絞り開度を連続的に比例制御する常開
の比例バルブ27を並列配置した減衰力制御要素と、同
じく固定絞り28および低圧リリーフバルブ29を並列
配置した最低減衰力規制要素が直列に介装してある。
【0038】この実施例の場合、上記高圧リリーフバル
ブ25は、前記した流路20,21を結ぶ流路30の途
中に配設してある。
【0039】また、最低減衰力規制要素を構成する固定
絞り28と低圧リリーフバルブ29には、それらと並列
に開閉バルブ31が配設してある。
【0040】上記比例バルブ27は、常開のバルブとし
て構成してあり、かつ、制御動作に伴って固定絞り26
のバイパス流路32の絞り開度を制御する役目を果た
す。
【0041】それに対し、開閉バルブ31は、常閉のバ
ルブとして構成されていて、オンの位置で固定絞り28
と低圧リリーフバルブ29をバイパス流路33によって
バイパス状態に保つ役目をもつ。
【0042】これにより、比例バルブ27の絞り開度を
ゼロの状態に操作してやると、ストロークセンシングシ
リンダ6のロッド側室12から減衰力制御回路8に押し
出されてきた作動流体が直列に結ばれた固定絞り26,
28を通してリザーバ7に流れ、減衰力制御回路8は、
これら固定絞り26,28による圧損が重畳されて高圧
リリーフバルブ25と共働しつつ最高の減衰力を発生す
る状態に保たれる。
【0043】それに対して、比例バルブ27の絞り開度
を最大に操作してやると、固定絞り26の入口側と出口
側が比例バルブ27を通してバイパス流路32により短
絡され、減衰力制御回路8は、固定絞り28による圧損
と低圧リリーフバルブ29とによって最低の減衰力発生
状態に保持される。
【0044】このことから、比例バルブ27の絞り開度
をゼロから最大の間で連続的に変えることにより、固定
絞り26の開口面積に対して当該比例バルブ27の開口
面積が加わり、これら固定絞り26と比例バルブ27の
部分での圧損もそれに連れて連続的に低下し、この部分
での圧損が固定絞り28の圧損に重畳されて減衰力制御
回路8発生減衰力は、上記最高の状態から最低の状態の
間で連続的に変化することになる。
【0045】一方、開閉バルブ31は、これを開くこと
によって固定絞り28と低圧リリーフバルブ29の入口
側と出口側をバイパス流路33で短絡して同圧に保つ。
【0046】そのために、開閉バルブ31を開いてやれ
ば、減衰力制御回路8での発生減衰力は固定絞り26と
比例バルブ27による圧損のみによって規制され、した
がって、この状態から比例バルブ27を操作することに
よって先の最低減衰力よりもさらに低い範囲で減衰力が
変化することになる。
【0047】その結果、開閉バルブ31は、減衰力制御
回路8での発生減衰力の可変域を比例バルブ27の操作
による最高・最低の減衰力発生域内で使用する場合に
は、必ずしも必要ではなくこれを廃止してもよい。
【0048】以上により、台車1の横振れによって車体
2に横方向への振れが生じてこれら台車1と車体2の間
に相対変位が生じたとすると、当該台車1と車体2の振
れ方向に対応してこれら台車1と車体2との間に介装し
たストロークセンシングシリンダ6が伸縮動作する。
【0049】ストロークセンシングシリンダ6が伸長動
作すると、リザーバ7内の作動流体をサクションバルブ
22から吸込流路23を通してヘッド側室11に吸い込
みつつ、ロッド側室12内の作動流体を減衰力制御回路
8に向いフィルタ24を通して押し出す。
【0050】反対に、ストロークセンシングシリンダ6
が圧縮動作した場合には、サクションバルブ22が閉じ
てヘッド側室11内の作動流体を流路20から伸側用の
アンロードバルブ19のチェックバルブ17を開いてロ
ッド側室12に流し、ロッド側室12からピストンロッ
ド13の侵入体積分に相当する量の作動流体をフィルタ
24を通して減衰力制御回路8に押し出す。
【0051】それ故に、減衰力制御回路8に向って押し
出される作動流体の流量は、シリンダ9の断面積をA,
ピストンロッド13の断面積をa,ストロークセンシン
グシリンダ6のストロークをLとすると、伸長動作時に
は「(A−a)×L」また圧縮動作時には「a×L」と
なる。
【0052】このことから、シリンダ9の断面積Aとピ
ストンロッド13の断面積aとの比を「A:a=2:
1」に選ぶことによって、伸長動作時と圧縮動作時に減
衰力制御回路8に向って押し出される作動流体の流量を
同じにもできるし、また、上記の比を変えることによっ
て流量比を任意に選定することもできる。
【0053】そして、これら減衰力制御回路8に向って
押し出されてきた作動流体は、前述した固定絞り26,
28と比例バルブ27または開閉バルブ31の制御の下
でリザーバ7に流れる。
【0054】したがって、台車1と車体2の間の相対横
振れ速度に対応して比例バルブ27を適切に操作するこ
とにより、減衰力制御回路8が所定の減衰力を発生して
車体2の横振れを効果的に抑える。
【0055】一方、ストロークセンシングシリンダ6に
設けた変位センサ15は、ピストンロッド13のスケー
ルメモリ14と協同してシリンダ9とピストンロッド1
3の相対変位を検出し、ダンパ信号Sとしてアンプ34
から出力する。
【0056】図1に戻って、上記のダンパ信号Sは、コ
ンピュータ信号変換用のセンサ信号処理回路35でプラ
スのダンパ変位信号W1(伸長側)とマイナスのダンパ
変位信号W2(圧縮側)、およびこれらダンパ変位信号
W1,W2に基づいて算出したプラスのダンパ速度信号
V1(伸長側)とマイナスのダンパ速度信号V2(伸長
側)に処理されたのちコンピュータ36に入力される。
【0057】また、車体2に設けた検知器5は、当該車
体2の振れを車体信号Tとして検出し、この車体信号T
もまた、コンピュータ信号変換用の処理回路37でプラ
スの車体速度信号U1とマイナスの車体速度信号U2に
処理されたのちにコンピュータ36に入力される。
【0058】なお、検知器5が速度計である場合には、
上記のようにして処理回路37によりプラスの車体速度
信号U1とマイナスの車体速度信号U2に処理される
が、加速度計であった場合には、処理回路37で加速度
を一旦速度に変換してからプラスの車体速度信号U1と
マイナスの車体速度信号U2に処理される。
【0059】コンピュータ36は、一方では、車体2側
の検知器5から送られてくる車体速度信号U1,U2に
よりそのときの車体2の振れ方向を判断し、バルブドラ
イバ回路38を通して圧側用或いは伸側用のアンロード
バルブ18,19に切換信号PまたはQを出力してそれ
らを選択的にオン・オフ制御する。
【0060】また、他方では、上記車体速度信号U1,
U2と共に、ストロークセンシングシリンダ6の変位セ
ンサ15から送られてくるダンパ速度信号V1,V2と
ダンパ変位信号W1,W2とに基づいて制御論理を演算
する。
【0061】そして、バルブドライバ回路38を通して
この演算結果を制御信号Xと切換信号Yとして出力し、
この制御信号Xによって前記セミアクティブ制御用ダン
パ3,4における減衰力制御回路8の比例バルブ27を
操作し、当該比例バルブ27の絞り開度を制御すると共
に、切換信号Yで開閉バルブ31をオン・オフ制御す
る。
【0062】以上により、セミアクティブ制御用ダンパ
3,4は、台車1と車体2との間に生じた横方向の振れ
に対して以下に述べるような制御の下で動作しつつ制振
作用を行う。
【0063】ただし、上記の制御を行う際にセミアクテ
ィブ制御用ダンパ3,4は、それぞれの動作方向が逆に
なるだけで作用としては同様の機能を果たす。
【0064】したがって、一方の動作についてのみ説明
すれば他方の動作は容易に理解できることであるので、
ここでは説明の繁雑化を防ぐためにセミアクティブ制御
用ダンパ3を用いたダンパシステムについて以下に述べ
る。
【0065】[車体2が左側に振れた時] 走行中に車体2が左側に振れたとすると、検知器5から
処理回路37を通してプラスの車体速度信号U1がコン
ピュータ36に入力される。
【0066】コンピュータ36は、このプラスの車体速
度信号U1に基づいて車体2が左方に振れていることを
判定し、圧側用のアンロードバルブ18に切換信号Pを
出力してそれをオンの位置に切り換える。
【0067】ここで、台車1が車体2よりも遅い速度で
左方に振れているか、或いは、車体2とは逆に右方に振
れたとすると、ストロークセンシングシリンダ6は伸長
側に動作して内部の作動流体を減衰力制御回路8に押し
出す。
【0068】一方、ストロークセンシングシリンダ6の
変位センサ15からは、センサ信号処理回路35を通し
てコンピュータ36にプラスのダンパ変位信号W1とプ
ラスのダンパ速度信号V1が入力される。
【0069】コンピュータ36は、上記プラスのダンパ
速度信号V1と先に述べたプラスの車体速度信号U1に
基づいてそのときのストロークセンシングシリンダ6の
伸長速度を判定し、この伸長速度から最適値に最も近い
減衰力値を演算してこれに合うように制御信号Xを出力
し、比例バルブ27の絞り開度をそれに合わせて比例制
御しつつ減衰力制御回路8の発生減衰力を適切に連続制
御して車体2の左方への横振れを効果的に抑える。
【0070】すなわち、車体2の横振れ速度が通常の範
囲内であれば、上記したように、コンピュータ36から
当該横振れ速度に応じた制御信号Xを比例バルブ27に
送ってその絞り開度を制御しつつ、ストロークセンシン
グシリンダ6から減衰力制御回路8に押し出されてくる
作動流体を固定絞り26と比例バルブ27および固定絞
り28を通してリザーバ7に流し、この比例バルブ27
の制御動作によりそのときどきの発生減衰力を制御して
車体2の横振れを抑える。
【0071】また、横振れ速度に応じてコンピュータ3
6から比例バルブ27に制御信号Xを出力するのに併せ
て開閉バルブ31にも切換信号Yを出力し、この切換信
号Yで開閉バルブ31を開放状態のオンの位置に切り換
えてやる。
【0072】このようにすれば、固定絞り28の入口側
と出口側が同圧になって作動流体が当該固定絞り28を
迂回してバイパス流路33を流れることから、減衰力制
御回路8の発生減衰力は、固定絞り26と比例バルブ2
7の合計開口面積による圧損によって制御されることに
なる。
【0073】したがって、この状態から制御信号Xによ
り比例バルブ27の絞り開度を制御することによってさ
らに低い位置での発生減衰力が制御され、車体2の左方
への横振れをより効果的に抑える。
【0074】しかも、上記において、ストロークセンシ
ングシリンダ6が伸長端近傍に達するような事態が生じ
た場合には、変位センサ15からのプラスのダンパ変位
信号W1に基づいてこれをコンピュータ36が判断し、
伸長端の近傍に達した時点でコンピュータ36からの制
御信号Xにより比例バルブ27の絞り開度を少なくす
る。
【0075】これにより、ストロークセンシングシリン
ダ6から減衰力制御回路8に押し出されてくる作動流体
は、高圧リリーフバルブ25の制御下で固定絞り26,
28および比例バルブ27を通してリザーバ7に流れ、
減衰力制御回路8の発生減衰力を大きく保って伸長端で
の衝撃を緩和する。
【0076】また、車体2が速い速度で急激に振れた場
合には、コンピュータ36からの制御信号Xで比例バル
ブ27が閉じ、減衰力制御回路8が最高減衰力を発生す
る状態になる。
【0077】その結果、ストロークセンシングシリンダ
6から減衰力制御回路8に押し出されてきた作動流体の
圧力が異常に上昇する場合が生じる。
【0078】しかし、このときには、高圧リリーフバル
ブ25が働いてストロークセンシングシリンダ6から押
し出されてくる作動流体を流路21から流路30および
流路20を通してリザーバ7に戻し、当該高圧リリーフ
バルブ25で作動流体圧力を制限しつつセミアクティブ
制御用ダンパ3が高圧の作動流体によって破損されるの
を防止する。
【0079】以上ようにして、減衰力制御回路8は、ス
トロークセンシングシリンダ6の変位と伸長速度の大小
に応じて比例バルブ27により発生減衰力を制御しつ
つ、車体2の横振れを効果的に抑えて少なくするのであ
る。
【0080】一方、車体2が左方に振れているときに、
例えば、台車1がレールの狂い等により車体2の左方へ
の横振れ速度よりも速い速度で左方に振れたとすると、
ストロークセンシングシリンダ6が圧縮動作して当該ス
トロークセンシングシリンダ6のヘッド側室11にも減
衰力制御回路8の発生減衰力に応じた流体圧力が発生す
ることになる。
【0081】このヘッド側室11に発生した流体圧力
は、ピストンロッド13の存在によって生じるヘッド側
室11とロッド側室12の受圧面積差によりストローク
センシングシリンダ6を伸長方向に向って押す力として
作用し、車体2をさらに大きく左方に振ることになるの
で当該流体圧力を生じないようにする必要がある。
【0082】しかし、この場合にあっても車体2自体は
左方に振れ動いているために、検知器5からのプラスの
車体速度信号U1に基づいてコンピュータ36は圧側用
のアンロードバルブ18に切換信号Pを出力し続け、当
該圧側用のアンロードバルブ18をオンの位置に保ち続
ける。
【0083】これにより、ヘッド側室11の作動流体
は、流路20から圧側用のアンロードバルブ18を通し
てリザーバ7に逃げる。
【0084】その結果、ストロークセンシングシリンダ
6のヘッド側室11には流体圧力が発生しないことにな
り、当該ストロークセンシングシリンダ6が車体2をさ
らに大きく左方に振るのを阻止する。
【0085】[車体2が右側に振れた時] 上記とは反対に車体2が右方に振れたとすると、検知器
5からマイナスの車体速度信号U2がコンピュータ36
に入力される。
【0086】このマイナスの車体速度信号U2に基づい
てコンピュータ36は、今度は、伸側用のアンロードバ
ルブ19に切換信号Qを出力してそれをオンの位置に切
り換える。
【0087】ここで、台車1が車体2よりも遅い速度で
右方に振れているか、或いは、車体2とは逆に左方に振
れたとすると、ストロークセンシングシリンダ6は圧縮
側に動作して内部の作動流体を減衰力制御回路8に向け
て押し出す。
【0088】そして、このストロークセンシングシリン
ダ6の圧縮側への動作により、変位センサ15からは、
マイナスのダンパ速度信号V2とマイナスのダンパ変位
信号W2がコンピュータ36に入力される。
【0089】コンピュータ36は、先の車体2が左方に
振れた場合と同様に、マイナスのダンパ速度信号V2と
マイナスの車体速度信号U2に基づいてそのときのスト
ロークセンシングシリンダ6の圧縮速度を判定し、この
圧縮速度から最適値に最も近い減衰力値を演算し、これ
に合うように制御信号Xを出力して比例バルブ27の絞
り開度を比例制御し、減衰力制御回路8の発生減衰力を
適切に制御して車体2の右方への横振れを効果的に抑え
る。
【0090】また、この場合にあっても、車体2の横振
れ速度に応じてコンピュータ36から開閉バルブ31に
切換信号Yを出力し、当該切換信号Yで開閉バルブ31
を開放状態のオンの位置に切り換えてやることにより、
制御信号Xで比例バルブ27の絞り開度を制御しつつさ
らに低い位置での発生減衰力を制御して車体2の右方へ
の横振れをより効果的に抑える。
【0091】しかも、上記にあっても、ストロークセン
シングシリンダ6が圧縮端近傍に達するような事態が生
じたときに、変位センサ15からのマイナスのダンパ変
位信号W2によってコンピュータ36がこれを判断し、
圧縮端近傍に達した時点でコンピュータ36からの制御
信号Xで比例バルブ27の絞り開度を小さくし、減衰力
制御回路8の発生減衰力を大きく保って圧縮端での衝撃
を緩和する。
【0092】同じく、車体2が速い速度で急激に振れた
場合にも、コンピュータ36からの制御信号Xにより比
例バルブ27を閉じると共に、高圧リリーフバルブ25
を働かせて、ストロークセンシングシリンダ6から押し
出されてくる作動流体を流路21,30,20でリザー
バ7に戻し、セミアクティブ制御用ダンパ3が高圧の作
動流体によって破損されるのを防止する。
【0093】このようにして、減衰力制御回路8は、ス
トロークセンシングシリンダ6の変位と圧縮速度の大小
に応じて比例バルブ27により発生減衰力を制御しつ
つ、車体2の横振れを効果的に抑えて少なくするのであ
る。
【0094】また、上記においても、台車1がレールの
狂い等により車体2の横振れ速度よりも速い速度で右方
に振れたとすると、ストロークセンシングシリンダ6は
伸長動作して当該ストロークセンシングシリンダ6のロ
ッド側室12に減衰力制御回路8の発生減衰力に応じた
流体圧力が発生する。
【0095】このロッド側室12に発生した流体圧力
は、ストロークセンシングシリンダ6を圧縮方向に押す
力として働き、車体2の右方への振れを増長するように
作用する。
【0096】しかし、この場合にあっても車体2は右方
に振れ続けているために、検知器5からのマイナスの車
体速度信号U2に基づいてコンピュータ36は、伸側用
のアンロードバルブ19に対して切換信号Qを出力し続
け、当該伸側用のアンロードバルブ19をオンの位置に
保ち続ける。
【0097】これにより、ロッド側室12の作動流体
は、流路21から伸側用のアンロードバルブ19および
流路20を通してストロークセンシングシリンダ6のヘ
ッド側室11に逃げることになり、その結果、ストロー
クセンシングシリンダ6のロッド側室12には流体圧力
が発生しないことになるので、当該ストロークセンシン
グシリンダ6が車体2をさらに大きく右方に振ることは
ない。
【0098】[電源のオフや異常事態の発生による制
御不能時] この場合にあっても、車体2の左右方向への振れに伴っ
てストロークセンシングシリンダ6が伸縮動作を繰り返
すことになるので、内部の作動流体は減衰力制御回路8
に向って押し出される。
【0099】しかし、電源のオフ時やスタンバイ信号の
消滅時にあっては、それと同時にコンピュータ36から
の切換信号P,Qと制御信号Xおよび切換信号Yも断た
れることになるので、圧側および伸側用のアンロードバ
ルブ18,19と比例バルブ27および開閉バルブ31
は図2のオフの位置を保つ。
【0100】これにより、ストロークセンシングシリン
ダ6から減衰力制御回路8に押し出されてきた作動流体
は、低圧リリーフバルブ29の制御下で固定絞り28を
通してリザーバ7に流れ、当該絞り28の圧損で所定の
減衰力を発生しつつ通常のダンパとして働き、車体2の
左右方向への振れを制振することでフェイルセーフ効果
を果たすことになる。
【0101】次に図3は、これまで述べてきた図2のセ
ミアクティブ制御用ダンパ3の変形例を示すものであっ
て、先の図2の比例バルブ27の代わりに比例圧力制御
バルブ27aを用いた点でのみ相違している。
【0102】すなわち、ストロークセンシングシリンダ
6に作用する減衰力値は、そもそもヘッド側室11とロ
ッド側室12における両作動流体の圧力差によって決定
される。
【0103】これに基づいて先の図2にあっては、減衰
力制御回路8に絞り開度を連続して比例制御する比例バ
ルブ37を介装し、この比例バルブ27を車体2の横振
れ速度に応じて比例動作させることにより、ロッド側室
12の作動流体圧力を制御してストロークセンシングシ
リンダ6に作用する減衰力値を当該車体2の横振れ速度
に合わせて制御するようにしている。
【0104】このことから、図3のように、比例バルブ
27の代わりに比例圧力制御バルブ27aを用いたとし
ても、当該比例圧力制御バルブ27aを車体2の横振れ
速度に応じて比例動作させることにより、ストロークセ
ンシングシリンダ6におけるロッド側室12の作動流体
圧力を制御し得る。
【0105】したがって、この図3のものにあっても、
車体2の横振れ速度に応じて当該比例圧力制御バルブ2
7aを比例動作させることにより、図2の場合と同様に
してストロークセンシングシリンダ6に作用する減衰力
値を車体2の横振れ速度に合わせて制御することができ
る。
【0106】図4は、この発明の他の実施例を示すもの
であって、このものは、先の図2および図3の何れのも
のにも適用し得るが、ここでは図2を用いた代表例のみ
を示してある。
【0107】これまで述べてきた図2および図3のもの
にあっては、ストロークセンシングシリンダ6の圧縮動
作時において、ヘッド側室11からロッド側室12に向
って作動流体を流すための流路を、外部に設けた流路2
0,21と伸側用のアンロードバルブ19のオフの位置
に設けたチェックバルブ17とで構成している。
【0108】それに対して、図4に示した代表例にあっ
ては、圧側および伸側用のアンロードバルブ18,19
のオフの位置に設けたチェックバルブ16,17をそれ
ぞれ廃し、かつ、当該オフの位置をブロックポジション
としている。
【0109】そして、その代わりに、ストロークセンシ
ングシリンダ6のピストン10に対してヘッド側室11
とロッド側室12を連通する流路21aを形成し、この
流路21aに対してヘッド側室11からロッド側室12
に向う作動流体の流れのみを許容するチェックバルブ1
7aを配設している。
【0110】これによっても、ストロークセンシングシ
リンダ6は、圧縮動作時にサクションバルブ22を閉じ
てヘッド側室11内の作動流体を流路21aからチェッ
クバルブ17aを開いてロッド側室12に流し、かつ、
ロッド側室12からピストンロッド13の侵入体積分に
相当する量の作動流体をフィルタ24を通して減衰力制
御回路8に押し出すことになる。
【0111】かくして、図4の実施例にあっても、先の
図2および図3の実施例の場合と同様に、ストロークセ
ンシングシリンダ6が一方向流れのダンパとして作用す
ることになるのである。
【0112】なお、上記図2と図3および図4に示した
各実施例にあっては、ストロークセンシングシリンダ6
のスケールメモリ14をピストンロッド13に直に埋め
込んで設けた場合を例にとって説明してきたが、これら
スケールメモリ14は、ストロークセンシングシリンダ
6に対し外装して設けても何等差し支えはない。
【0113】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明によ
れば、ダンパ本体としてストロークセンシングシリンダ
を用いたことにより、当該ストロークセンシングシリン
ダからのダンパ信号を用いて減衰力制御回路の発生減衰
力を連続して直接制御することができる。
【0114】しかも、減衰力制御回路での発生減衰力を
比例バルブまたは比例圧力制御バルブで連続的に比例制
御し得るようにしたことが相俟って、常に適切にかつシ
ョックレスの状態で効果的に車体の横振れを抑えること
ができる。
【0115】また、減衰力制御回路とは別個にストロー
クセンシングシリンダのアンロードとオンロードの切り
換えを行う圧側用と伸側用のアンロードバルブを設けた
ことにより、これらアンロードバルブを予め車体の振れ
方向に応じて伸縮動作するストロークセンシングシリン
ダの動作方向と反対に選択的にオンの位置に切り換えて
おくことで、台車が車体と同方向により速い速度で振れ
て車体側の振れを増長するような事態が生じたとして
も、減衰力制御回路をこれらアンロードバルブで自動的
にアンロード状態にして台車の振れにより車体側の振れ
が増長されるのを防止することができる。
【0116】その結果、上記のような事態の発生時にあ
っても減衰力制御回路の発生減衰力を比例バルブまたは
比例圧力制御バルブの操作で対処することなく、振動周
波数の低い車体側の振れ方向によってこれらアンロード
バルブをオン・オフ制御してやればよいので、これら比
例バルブまたは比例圧力制御バルブの操作頻度が少なく
なって耐久性をも向上させることができる。
【0117】さらに、電源オフや異常事態発生による制
御不能時にあっても、アンロードバルブと共に減衰力制
御回路の比例バルブをまたは比例圧力制御バルブが自動
的にオフの位置に復帰し、これによって、少なくとも上
記のような事態の発生に際してもセミアクティブ制御用
ダンパが通常のダンパとして作用してフェイルセーフ効
果を果たすこともできる。
【0118】請求項2の発明によれば、比例バルブまた
は比例圧力制御バルブと併せて車体の横振れ速度に伴い
減衰力制御回路中の開閉バルブをオン・オフ制御して減
衰力発生用の固定絞りをバイパス制御することにより、
上記の効果に加えて、減衰力制御回路の発生減衰力制御
域を下方に広げてよりきめ細かな減衰力制御を行うこと
が可能になる。
【0119】請求項3の発明によれば、さらにこれらの
効果に加えて、ストロークセンシングシリンダのヘッド
側室をロッド側室に向って連通する伸側用のアンロード
流路を、圧側用のアンロード流路を利用して構成するこ
とができるという利点を有する。
【0120】請求項4の発明によれば、上記ストローク
センシングシリンダのヘッド側室をロッド側室に連通す
る流路長を短くして、当該流路を流れる作動流体の流路
抵抗を小さくできるという利点を発揮し得る。
【0121】請求項5の発明によれば、ストロークセン
シングシリンダからのダンパ速度信号とダンパ変位信号
および車体側に設けた検知手段からの車体速度信号とを
用いて、コンピュータにより減衰力制御回路の比例バル
ブまたは比例圧力制御バルブの制御動作と圧側用および
伸側用のアンロードバルブの選択的なオン・オフ切り換
えを制御し、車体の横振れ速度に合わせて減衰力制御回
路の発生減衰力を効果的にかつ適切に自動制御し得る。
【0122】かくして、鉄道車両の横振れ制振用として
の使用に適したダンパシステムとすることができるので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を用いた鉄道車両の横振れ制振用ダン
パシステムの一実施例を示すブロック図である。
【図2】同上の横振れ制振用ダンパシステムに使用する
ダンパの構成例を示す回路図である。
【図3】同上の変形例を示す回路図である。
【図4】同じく、ダンパの他の構成例を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
1 台車 2 車体 3,4 セミアクティブ制御用ダンパ 5 車体の横振れ速度検知器 6 ストロークセンシングシリンダ 7 リザーバ 8 減衰力制御回路 10 ピストン 11 ヘッド側室 12 ロッド側室 14 スケールメモリ 15 変位センサ 16,17,17a チェックバルブ 18 圧側用のアンロードバルブ 19 伸側用のアンロードバルブ 20,21,21a 流路 22 サクションバルブ 23 吸込流路 25 高圧リリーフバルブ 26,28 固定絞り 27 比例バルブ 27a 比例圧力制御バルブ 29 低圧リリーフバルブ 31 開閉バルブ 34 アンプ 35 センサ信号処理回路 36 コンピュータ 37 処理回路 38 バルブドライバ回路 S ダンパ信号 T 車体信号 U1,U2 車体速度信号 V1,V2 ダンパ速度信号 W1,W2 ダンパ変位信号 P 圧側用のアンロードバルブに対する切換信号 Q 伸側用のアンロードバルブに対する切換信号 X 比例バルブに対する制御信号 Y 開閉バルブに対する切換信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下村 隆行 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 鴨下 庄吾 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 葛西 健一 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 中里 雅一 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 亀井 俊明 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 川崎 治彦 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 露木 保男 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車と車体との間に介装されるストロー
    クセンシングシリンダと、このストロークセンシングシ
    リンダのヘッド側室からロッド側室に向う作動流体の流
    れのみを許容する流路と、サクションバルブを通してス
    トロークセンシングシリンダのヘッド側室に通じるリザ
    ーバと、ヘッド側室をリザーバに連通する流路中に介装
    した圧側用のアンロードバルブと、同じくロッド側室を
    ヘッド側室に連通する流路中に介装した伸側用のアンロ
    ードバルブと、ロッド側室とリザーバとの間に介装した
    減衰力制御回路とを備え、当該減衰力制御回路に上流側
    から下流側へと向って、高圧リリーフバルブと共働しつ
    つ最大減衰力を規制する固定絞りと絞り開度を連続的に
    比例制御する常開の比例バルブまたは比例圧力制御バル
    ブを並列配置した減衰力制御要素と、固定絞りと低圧リ
    リーフバルブを並列配置した最低減衰力規制要素を直列
    に介装したことを特徴とする鉄道車両の横振れ制振用ダ
    ンパ。
  2. 【請求項2】 最低減衰力規制要素と並列に当該最低減
    衰力規制要素をバイパス制御する常閉の開閉バルブを介
    装した請求項1の鉄道車両の横振れ制振用ダンパ。
  3. 【請求項3】 ストロークセンシングシリンダのヘッド
    側室からロッド側室に向う作動流体の流れのみを許容す
    る流路が、伸側用のアンロード流路と当該流路中に介装
    した伸側用のアンロードバルブのオフの位置に設けたチ
    ェックバルブとで構成してある請求項1または2の鉄道
    車両の横振れ制振用ダンパ。
  4. 【請求項4】 ストロークセンシングシリンダのヘッド
    側室からロッド側室に向う作動流体の流れのみを許容す
    る流路が、ピストンに設けた流路と当該流路中に介装し
    たチェックバルブとで構成してある請求項1または2の
    鉄道車両の横振れ制振用ダンパ。
  5. 【請求項5】 台車と車体との間に介装されるストロー
    クセンシングシリンダと、このストロークセンシングシ
    リンダのヘッド側室からロッド側室に向う作動流体の流
    れのみを許容する流路と、サクションバルブを通してス
    トロークセンシングシリンダのヘッド側室に通じるリザ
    ーバと、ヘッド側室をリザーバに連通する流路中に介装
    した圧側用のアンロードバルブと、同じくロッド側室を
    ヘッド側室に連通する流路中に介装した伸側用のアンロ
    ードバルブと、ロッド側室とリザーバとの間に介装した
    減衰力制御回路とを備え、当該減衰力制御回路に上流側
    から下流側へと向って、高圧リリーフバルブと共働しつ
    つ最大減衰力を規制する固定絞りと絞り開度を連続的に
    比例制御する常開の比例バルブまたは比例圧力制御バル
    ブを並列配置した減衰力制御要素と、固定絞りと低圧リ
    リーフバルブを並列配置した最低減衰力規制要素を直列
    に介装したダンパを用い、ストロークセンシングシリン
    ダで検出したダンパ信号をダンパ変位信号とダンパ速度
    信号とに分け、これらダンパ変位信号とダンパ速度信号
    および車体に設けた検知手段からの車体速度信号とに基
    づいて減衰力制御回路で発生する最適値に最も近い減衰
    力値をコンンピュータで演算し、この演算結果に基づい
    て減衰力制御要素に並設した比例バルブまたは比例圧力
    制御バルブを比例制御する一方、上記検知手段からの車
    体速度信号により車体の振れ方向をコンピュータで判断
    して圧側用および伸側用のアンロードバルブを選択的に
    切換制御することを特徴とする鉄道車両の横振れ制振用
    ダンパシステム。
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