JPH08268026A - 減衰力可変ダンパ - Google Patents

減衰力可変ダンパ

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JPH08268026A
JPH08268026A JP9961695A JP9961695A JPH08268026A JP H08268026 A JPH08268026 A JP H08268026A JP 9961695 A JP9961695 A JP 9961695A JP 9961695 A JP9961695 A JP 9961695A JP H08268026 A JPH08268026 A JP H08268026A
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治彦 川崎
Toshiaki Kamei
俊明 亀井
Masakazu Nakazato
雅一 中里
Yasuo Tsuyuki
保男 露木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 定期点検を待つことなく、コンピュータ制御
による減衰力可変ダンパの異常発生を自己診断して外部
に知らせる。 【構成】 減衰力制御回路8に介装した絞り22と比例
バルブ23aの合成絞り抵抗を、制振側の横振れ速度信
号U1,U2とダンパ本体6の伸縮速度信号V1,V2
および変位信号W1,W2に基いてコンピュータ32で
制御しつつ、アンロードバルブ29と併せて振動発生側
と制振側に発生する横振れ振動を制振するようにした減
衰力可変ダンパ3において、上記減衰力制御回路8の上
流側に圧力センサ30を設けて当該部分の作動流体圧力
を実測値である流体圧力信号Pとして検出すると共に、
これを減衰力制御回路8の合成絞り抵抗とダンパ本体6
の伸縮速度信号V1,V2に基いてコンピュータで算出
した作動流体圧力の計算値と比較し、これら実測値と計
算値の差が所定値を越えたときにコンピュータ32が異
常と判断してエマージェンシ信号Eを発信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄道車両の車体に発
生する横振れや地震発生時のビルディングの横揺れ等を
制振するのに適する減衰力可変ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等にあっては、車体に生
じる上下振動を単に減衰して吸収するだけでは充分な乗
心地を得られないとの理由から、より一層の乗心地の向
上を図るために車体の挙動を検出して積極的に正しい姿
勢に補正する所謂アクティブ制御の減衰力可変ダンパが
用いられるようになってきた。
【0003】しかし、このようなアクティブ制御の減衰
力可変ダンパは、パワー源であるポンプや特殊の制御バ
ルブ類を必要とし、しかも、それらを制御するコントロ
ーラ自体も複雑となるので高価につくばかりか、パワー
源をもっているがために誤動作を起こした場合に却って
乗心地を害することになる。
【0004】そこで、昨今にあっては、パワー源を用い
ることなく車体振動の振幅や周波数に応動して減衰力制
御を行う所謂セミアクティブ制御の減衰力可変ダンパが
注目されるようになってきた。
【0005】このセミアクティブ制御の減衰力可変ダン
パは、ハード面およびソフト面の両面でシンプルなかた
ちになるので、運行上およびメンテナンスの上で使い易
いという利点を有する。
【0006】そこで、特許出願人は、先に、平成6年特
許願第222265号および平成6年特許願第3330
87号として単独で、また、平成6年特許願第2411
73号および整理番号=H6−P−106の特許出願
(平成7年3月3日出願)として財団法人鉄道技術総合
研究所と共同でセミアクティブ制御の減衰力可変ダンパ
をそれぞれ提案した。
【0007】すなわち、これらの減衰力可変ダンパにあ
っては、ダンパ本体として一方向流れのストロークセン
シングシリンダを用い、当該ストロークセンシングシリ
ンダからリザーバに向って押し出されてくる作動流体の
回路中に絞りと開閉バルブ或いは比例バルブを介装して
いる。
【0008】そして、これら開閉バルブ或いは比例バル
ブを発生振動の振幅や周波数および振動発生側と制振側
の振動方向に応じて切換制御し、絞りと協同して当該回
路中を流れる作動流体の流動抵抗を変えることで減衰力
を可変制御しつつ適切に制振作用を行い得るようにして
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これとても、
例えば、作動流体中のダストによって減衰力発生用の絞
りに目詰りを生じたり、または、制御系の異常や減衰力
制御用の各バルブ類自体の故障によってこれらバルブ類
の切換動作が不能になったときにそれを検知することが
できず、定期点検時になってはじめてそれに気付くこと
になる。
【0010】そのために、これらの異常事態の発生から
定期点検時の間において振動発生側に大きな横振れが生
じると、所期の制振作用を行い得ないことになって制振
側が大きく横に振れ、鉄道車両にあっては脱線や転覆を
またビルディングにあっては傾倒や崩壊等のあってはな
らない危険が発生する恐れを有する。
【0011】したがって、この発明の目的は、定期点検
を待つことなく上記したような異常事態の発生を自己診
断して、直ちに外部に知らせることのできる減衰力可変
ダンパを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、この発
明において、ダンパ本体として一方向流れのストローク
センシングシリンダを用い、当該ストロークセンシング
シリンダからリザーバに向う減衰力制御回路中に介装し
た合成絞りの抵抗値を、制振側における両方向への速度
信号とストロークセンシングシリンダの伸縮速度信号お
よび変位信号に基いてコンピュータで制御しつつ、アン
ロードバルブと併せて振動発生側と制振側間に生じた相
対振動を制振するようにした減衰力可変ダンパにおい
て、上記減衰力制御回路における絞りの上流側に圧力セ
ンサを設けて当該部分の作動流体圧力を実測値である作
動流体圧力信号として検出し、この作動流体圧力信号に
基づく作動流体圧力の実測値を、コンピュータで制御し
た減衰力制御回路の合成絞り抵抗値とストロークセンシ
ングシリンダの伸縮速度信号に基いてコンピュータで算
出した作動流体圧力の計算値と比較し、これら作動流体
圧力の実測値と計算値の差が所定値を越えたときにコン
ピュータが異常と判断してエマージェンシ信号を発信す
ることにより達成される。
【0013】
【作 用】すなわち、上記した構成をとったことによ
り、ダンパ本体を構成するストロークセンシングシリン
ダは、伸長および圧縮動作の何れにあっても作動流体を
減衰力制御回路からリザーバを通して循環させるところ
の一方向流れのダンパとして作用する。
【0014】そして、制振側における両方向への速度信
号とストロークセンシングシリンダの伸縮速度信号およ
び変位信号に基いてコンピュータが減衰力制御回路の合
成絞り抵抗値とアンロードバルブを適切に制御し、振動
発生側と制振側間に生じた相対振動を効果的に制振す
る。
【0015】一方、上記した制御中において、減衰力制
御回路の絞りの上流側に設けた圧力センサは、当該減衰
力制御回路を流れる作動流体圧力を作動流体圧力信号と
して検出し、これを作動流体圧力の実測値としてコンピ
ュータに入力する。
【0016】コンピュータでは、上記圧力センサからの
作動流体圧力の実測値に基いてこれを合成絞りの抵抗値
制御用として算出した作動流体圧力の計算値と比較し、
これら作動流体圧力の実測値と計算値の差が所定値を越
えたときに異常と判断し、コンピュータからエマージェ
ンシ信号を発信して外部に知らせるのである。
【0017】
【実施例】以下、添付図面に基いてこの発明の実施例を
説明するに当り、ここでは説明の便宜上から、当該発明
を鉄道車両の横振れ制振用減衰力可変ダンパに適用した
場合を例にとって説明することにする。
【0018】図1において、振動発生側1である台車
(以下、台車1という)と制振側2である車体(以下、
車体2という)との間には、この発明によるセミアクテ
ィブ制御用の減衰力可変ダンパ3と通常のダンパ4(こ
れも、同じくセミアクティブ制御用の減衰力可変ダンパ
3であってもよい)が互いに対向して水平に配置してあ
る。
【0019】また、制振側の車体2には、当該車体2の
横振れ状態を検知する加速度計或いは速度計等からなる
検知器5が設けてある。
【0020】上記減衰力可変ダンパ3は、図2に示すよ
うに、ストロークセンシングシリンダ6とリザーバ7お
よび減衰力制御回路8とからなっている。
【0021】ストロークセンシングシリンダ6は、シリ
ンダ9の内部を摺動自在のピストン10でヘッド側室1
1とロッド側室12に区画し、かつ、ピストン10から
は外部に向ってピストンロッド13が延びている。
【0022】ピスドンロッド13には、多数のスケール
メモリ14が等間隔を保って一列に埋め込んであり、こ
れらスケールメモリ14と対向してシリンダ9に変位セ
ンサ15を取り付けてある。
【0023】ヘッド側室11は、サクションバルブ16
をもつ吸込流路17を通してリザーバ7に通じており、
また、ヘッド側室11とロッド側室12は、ピストン1
0に設けたチェックバルブ18をもつ流路19で連通し
ている。
【0024】上記チェックバルブ18は、ヘッド側室1
1からロッド側室12に向う作動流体の流れのみを許容
するように配設してあり、かつ、ロッド側室12がフィ
ルタ20から減衰力制御回路8を通してリザーバ7に通
じている。
【0025】減衰力制御回路8は、並列に接続した減衰
力発生要素である高圧リリーフバルブ21と絞り22、
開閉バルブ23でオン・オフ制御される絞り24と同じ
く開閉バルブ25でオン・オフ制御される絞り26、緊
急時用の減衰力発生要素である低圧リリーフバルブ27
と絞り28、および常閉のアンロードバルブ29を有
し、かつ、これらと併せて、ストロークセンシングシリ
ンダ6におけるロッド側室12の作動流体圧力を検知す
る圧力センサ30をも備えている。
【0026】また、減衰力制御回路8には、上記低圧リ
リーフバルブ27と絞り28、およびアンロードバルブ
29の流路を選択的に断続する切換バルブ31が直列に
配置してあり、この切換バルブ31を通して低圧リリー
フバルブ27と絞り28およびアンロードバルブ29を
選択的に並列接続するようになっていると共に、当該切
換バルブ31は、使用開始と同時にオンの位置に切り換
えられてアンロードバルブ29を選択するように構成し
てある。
【0027】以上により、台車1の横振れによって車体
2に横方向への振れが生じ、これら台車1と車体2の間
に相対変位が生じたとすると、当該台車1と車体2の振
れ方向に対応してこれら台車1と車体2との間に介装し
たストロークセンシングシリンダ6が伸縮動作する。
【0028】ストロークセンシングシリンダ6が伸長動
作すると、リザーバ7内の作動流体をサクションバルブ
16から吸込流路17を通してヘッド側室11に吸い込
みつつ、ピストン10に設けたチェックバルブ18を閉
じてロッド側室12内の作動流体を減衰力制御回路8に
向いフィルタ20を通して押し出す。
【0029】反対に、ストロークセンシングシリンダ6
が圧縮動作した場合には、サクションバルブ16が閉じ
てヘッド側室11内の作動流体をピストン10に設けた
流路19からチェックバルブ18を開いてロッド側室1
2に流し、ロッド側室12からピストンロッド13の侵
入体積分に相当する量の作動流体をフィルタ20を通し
て減衰力制御回路8に押し出す。
【0030】それ故に、減衰力制御回路8に向って押し
出される作動流体の流量は、シリンダ9の断面積をA,
ピストンロッド13の断面積をa,ストロークセンシン
グシリンダ6のストロークをLとすると、伸長動作時に
は「(A−a)×L」また圧縮動作時には「a×L」と
なる。
【0031】このことから、シリンダ9の断面積Aとピ
ストンロッド13の断面積aとの比を「A:a=2:
1」に選ぶことによって、ストロークセンシングシリン
ダ6の伸長動作時と圧縮動作時に減衰力制御回路8に向
って押し出される作動流体の流量を同じにもできるし、
また、上記の比を変えることによって流量比を任意に選
定することもできる。
【0032】上記と並行して、減衰力制御回路8におけ
るの切換バルブ31は、使用開始と同時に電源オン或い
は制御スタンバイ信号でコンピュータ32からバルブド
ライバ回路33を通して出力される切換信号Zでアンロ
ードバルブ29を選択するオンの位置に切り換えられ
る。
【0033】一方、ストロークセンシングシリンダ6に
設けた変位センサ15は、ピストンロッド13のスケー
ルメモリ14と協同してシリンダ9とピストンロッド1
3の相対変位をディジタルのダンパ信号Sとして検出す
る。
【0034】上記したダンパ信号Sは、コンピュータ信
号変換用のセンサ信号処理回路34でプラスのダンパ変
位信号W1(伸長側)とマイナスのダンパ変位信号W2
(圧縮側)、およびこれらダンパ変位信号W1,W2に
基いて算出したプラスのダンパ速度信号V1(伸長側)
とマイナスのダンパ速度信号V2(圧縮側)に処理され
たのちコンピュータ32に入力される。
【0035】また、車体2に設けた検知器5は、図1に
示すように、当該車体2の横振れを車体信号Tとして検
出し、この車体信号Tもまた、コンピュータ信号変換用
の処理回路35でプラスの車体速度信号U1(左方の振
れ)とマイナスの車体速度信号U2(右方への振れ)に
処理されたのちにコンピュータ32に入力される。
【0036】なお、検知器5が速度計である場合には、
上記のようにして処理回路35によりプラスの車体速度
信号U1とマイナスの車体速度信号U2に処理される
が、加速度計であった場合には、処理回路35で加速度
を一旦速度に変換してからプラスの車体速度信号U1と
マイナスの車体速度信号U2に処理される。
【0037】再び図2に戻って、コンピュータ32は、
車体2側の検知器5から送られてくる車体速度信号U
1,U2と、ストロークセンシングシリンダ6から送ら
れてくるダンパ速度信号V1,V2とダンパ変位信号W
1,W2とに基いて制御論理を演算する。
【0038】この場合、ダンパ速度信号V1,V2と車
体速度信号U1,U2は、振動発生側の台車1と制振側
の車体2のそれぞれの振れ方向と、併せて、それに伴う
ストロークセンシングシリンダ6の伸縮速度を表わす信
号としてコンピュータ32により判断され、また、ダン
パ変位信号W1,W2は、ストロークセンシングシリン
ダ6の伸縮位置を表わす信号としてコンピュータ32に
より判断される。
【0039】これにより、コンピュータ32は、上記し
たそれぞれの信号に基いて制御論理を演算し、バルブド
ライバ回路33を通してその結果を切換信号X1,X
2,Yとして出力し、これら切換信号X1,X2,Yに
より開閉バルブ23,25とアンロードバルブ29をオ
ン・オフ制御する。
【0040】また、上記の制御動作時において、圧力セ
ンサ30は、ストロークセンシングシリンダ6のロッド
側室12に発生する作動流体圧力を常時検知し、これを
作動流体圧力信号Pとしてコンピュータ32に入力して
その正常および異常を当該コンピュータ32で常に監視
する。
【0041】かくして、上記したセミアクティブ制御用
の減衰力可変ダンパ3は以下のようにして動作する。
【0042】[制御動作開始時] 電源或いは制御スタンバイのオン操作でコンピュータ3
2から切換バルブ31に切換信号Zが出力され、当該切
換バルブ31をオンの位置にしてアンロードバルブ29
を選択する側(図2で下側ポジション)に切り換える。
【0043】そして、この状態は、電源オフ或いは制御
スタンバイをオフにしない限り、或いは、異常事態の発
生によってそれらがオフにならない限りそのままの状態
に保たれる。
【0044】[車体2が左方に振れた時] 上記の状態において、走行中に車体2が左方に振れたと
すると、検知器5から処理回路35を通してプラスの車
体速度信号U1がコンピュータ32に入力される。
【0045】ここで、台車1が車体2よりも遅い速度で
左方に振れているか、或いは、車体2とは逆に右方に振
れたとすると、ストロークセンシングシリンダ6は伸長
側に動作して内部の作動流体を減衰力制御回路8に押し
出す。
【0046】そして、変位センサ15からは、センサ信
号処理回路34を通してコンピュータ32にプラスのダ
ンパ速度信号V1と同じくプラスのダンパ変位信号W1
が入力される。
【0047】これにより、コンピュータ32は、これら
検知器5からのプラスの車体速度信号U1と変位センサ
15からのプラスのダンパ変位信号W1とに基いて車体
2が左方に振れ、かつ、ストロークセンシングシリンダ
6が伸長側に動作していることを判断し、切換信号Yを
発することなくアンロードバルブ29をオフの位置に保
つ。
【0048】また、上記と併せて、コンピュータ32
は、変位センサ15からのプラスのダンパ速度信号V1
と検知器5からのプラスの車体速度信号U1に基いてそ
のときのストロークセンシングシリンダ6の伸長速度を
判定する。
【0049】そして、この伸長速度から最適値に最も近
い減衰力値を演算してこれに合うように開閉バルブ2
3,25に対する切換信号X1,X2の出力をオン・オ
フ制御し、減衰力制御回路8の発生減衰力を制御して車
体2の左方への横振れを効果的に抑える。
【0050】すなわち、高減衰力を必要としない場合に
は、コンピュータ32から開閉バルブ23,25に切換
信号X1,X2を送って当該開閉バルブ23,25を共
にオンの位置(図2で下側ポジション)に切り換える。
【0051】これにより、ストロークセンシングシリン
ダ6から減衰力制御回路8に押し出された作動流体は絞
り22,24,26を通してリザーバ7に流れ、減衰力
制御回路8は、これら絞り22,24,26の合成 絞
り抵抗により低減衰力を発生して車体2の横振れを抑え
る。
【0052】それに対して、高減衰力を必要とする場合
には、コンピュータ32から切換信号X1,X2を出力
することなく開閉バルブ23,25を共にオフの位置
(図2で上側ポジション)に保つ。
【0053】したがって、この場合には、ストロークセ
ンシングシリンダ6から減衰力制御回路8に押し出され
た作動流体が、高圧リリーフバルブ21の制御下で絞り
22のみを通してリザーバ7に流れ、減衰力制御回路8
は高減衰力を発生して車体2の横振れを抑える。
【0054】また、低減衰力と高減衰力の中間の減衰力
を必要とする場合にあっては、コンピュータ32から切
換信号X1或いはX2を出力して開閉バルブ23、25
を選択的に切り換え、絞り24.26の何れかを減衰力
制御回路8に連通することにより中間の減衰力を段階的
に発生して車体2の横振れを抑える。
【0055】しかも、上記の場合において、ストローク
センシングシリンダ6が伸長端に達するような事態が生
じた場合には、変位センサ15からのプラスのダンパ変
位信号W1に基いてこれをコンピュータ32が判断す
る。
【0056】そして、伸長端近傍に達した時点から切換
信号X1,X2を出力することなく或いはそれを断って
開閉バルブを23,25をオフの位置にし、減衰力制御
回路8の発生減衰力を最大値に保って伸長端での衝撃を
緩和する。
【0057】このようにして、減衰力制御回路8は、ス
トロークセンシングシリンダ6の伸長速度の大小に応じ
て低減衰力と高減衰力および中間の減衰力を段階的に発
生しつつ車体2の振れを効果的に抑えて少なくするので
ある。
【0058】一方、車体2が左方に振れているときに、
例えば、台車1がレールの狂い等によって車体2の左方
への横振れ速度よりも速い速度で左方に振れたとする
と、ストロークセンシングシリンダ6が圧縮動作して当
該ストロークセンシングシリンダ6のヘッド側室11に
も減衰力制御回路8の発生減衰力に応じた作動流体圧力
が発生する。
【0059】このヘッド側室11に発生した作動流体圧
力は、ピストンロッド13の存在によって生じるヘッド
側室11とロッド側室12の受圧面積差によりストロー
クセンシングシリンダ6を伸長方向に押す力として作用
し、車体2をさらに大きく左方に振ることになるので当
該作動流体圧力を生じないようにする必要がある。
【0060】そこで、この場合には、検知器5からコン
ピュータ32に送られてくるプラスの車体速度信号U1
とストロークセンシングシリンダ6の圧縮動作によって
変位センサ15から送られてくるマイナスのダンパ速度
信号V2に基づき、これをコンピュータ32が判断して
アンロードバルブ29に切換信号Yを出力する。
【0061】これにより、アンロードバルブ29がオン
の位置(図2で下側ポジション)に切り換えられて減衰
力制御回路8がアンロード状態となり、ヘッド側室11
の作動流体がピストン10のチェックバルブ18からロ
ッド側室12およびアンロード状態となった減衰力制御
回路8を通してリザーバ7に逃げる。
【0062】したがって、ストロークセンシングシリン
ダ6のヘッド側室11には作動流体圧力が発生しないこ
とになるので、当該ストロークセンシングシリンダ6が
車体2をさらに大きく左方に振るのを阻止する。
【0063】[車体2が右方に振れた時] 上記とは反対に車体2が右方に振れたとすると、検知器
5からマイナスの車体速度信号U2がコンピュータ32
に入力される。
【0064】ここで、台車1が車体2よりも遅い速度で
右方に振れているか、或いは、車体2とは逆に左方に振
れたとすると、ストロークセンシングシリンダ6は吸込
流路17のサクションバルブ16を閉じつつ圧縮側に動
作し、ヘッド側室11内の作動流体をピストン10の流
路19からチェックバルブ18を押し開きつつロッド側
室12を通して減衰力制御回路8に押し出す。
【0065】一方、変位センサ15からは、マイナスの
ダンパ速度信号V2とマイナスのダンパ変位信号W2が
コンピュータ32に入力される。
【0066】コンピュータ32は、検知器5から送られ
てくるマイナスの車体速度信号U2と変位センサ15か
らのマイナスのダンパ速度信号V2とに基づき、車体2
が右方に振れ、かつ、ストロークセンシングシリンダ6
が圧縮側に動作していることを判断し、切換信号Yを出
力することなくアンロードバルブ29をオフの位置に保
つ。
【0067】また、上記と併せて、コンピュータ32
は、先の車体2が左方に振れた場合と同様に、変位セン
サ15からのマイナスのダンパ速度信号V2と検知器5
からのマイナスの車体速度信号U2に基いて最適値に最
も近い減衰力値を演算する。
【0068】そして、これに合うように開閉バルブ2
3,25に対する切換信号X1,X2の出力をオン・オ
フ制御して減衰力制御回路8の発生減衰力を制御し、車
体2の右方への横振れを効果的に抑える。
【0069】すなわち、高減衰力を必要としない場合に
は、コンピュータ32から開閉バルブ23,25に切換
信号X1,X2を送って当該開閉バルブ23,25をオ
ンの位置に切り換え、減衰力制御回路8に押し出されて
きた作動流体を絞り22と共に絞り24,26からもリ
ザーバ7に流し、これら絞り22,24,26の合成絞
り抵抗により低減衰力を発生して車体2の横振れを抑え
る。
【0070】それに対して、高減衰力を必要とする場合
には、コンピュータ32から切換信号X1,X2を出力
することなく開閉バルブ23,25をオフの位置に保
ち、減衰力制御回路8に押し出されてきた作動流体を高
圧リリーフバルブ21の制御下で絞り22のみを通して
リザーバ7に流し、高減衰力を発生して車体2の横振れ
を抑える。
【0071】また、上記低減衰力と高減衰力の中間の減
衰力を必要とする場合にあっては、コンピュータ32か
ら切換信号X1,X2を選択的に出力して絞り24.2
6の何れかを減衰力制御回路8に連通することにより、
中間の減衰力を段階的に発生して車体2の横振れを抑え
る。
【0072】しかも、上記にあっても、ストロークセン
シングシリンダ6が圧縮端に達するような事態が生じる
と、変位センサ15からのナイナスのダンパ変位信号W
2に基いてこれをコンピュータ32が判断し、圧縮端近
傍に達した時点から開閉バルブを23,25をオフの位
置にして減衰力制御回路8の発生減衰力を最大値に保
ち、ストロークセンシングシリンダ6の圧縮端での衝撃
を緩和する。
【0073】このようにして、減衰力制御回路8は、ス
トロークセンシングシリンダ6の圧縮速度の大小に応じ
て低減衰力と中間の減衰力および高減衰力を段階的に発
生しつつ車体2の振れを効果的に抑えて少なくする。
【0074】また、上記においても、台車1がレールの
狂い等により車体2の右方への横振れ速度よりも速い速
度で右方に振れたとすると、ストロークセンシングシリ
ンダ6は伸長動作してロッド側室12に減衰力制御回路
8の発生減衰力に応じた作動流体圧力が発生する。
【0075】このロッド側室12に発生した作動流体圧
力は、ストロークセンシングシリンダ6を圧縮方向に押
す力として作用し、車体2の右方への振れを増長するこ
とになるので当該作動流体圧力を生じないようにする必
要がある。
【0076】しかし、この場合にあっても、車体2は右
方に振れ動いているために、検知器5からコンピュータ
32に送られてくるマイナスの車体速度信号U2とスト
ロークセンシングシリンダ6の伸長動作により変位セン
サ15から送られてくるプラスのダンパ速度信号V1に
基づき、コンピュータ32がアンロードバルブ29に切
換信号Yを出力する。
【0077】そして、この切換信号Yによりアンロード
バルブ29をオンの位置に切り換えて減衰力制御回路8
をアンロード状態にし、ロッド側室12の作動流体をリ
ザーバ7に逃がして車体2がさらに大きく右方に振られ
るのを阻止する。
【0078】[電源のオフや異常事態の発生による制
御不能時] この場合にあっても、車体2の左右方向への振れに伴っ
てストロークセンシングシリンダ6が伸縮動作を繰り返
すことになるので、当該ストロークセンシングシリンダ
6から減衰力制御回路8に向って作動流体が押し出され
る。
【0079】しかし、電源のオフ時にあっては、それと
同時にコンピュータ32からの切換信号X1,X2,
Y,Zも断たれることになるので、開閉バルブ23,2
5とアンロードバルブ29および切換バルブ31が自動
的に図2のオフの位置に切り換わる。
【0080】これにより、ストロークセンシングシリン
ダ6から減衰力制御回路8に押し出されてきた作動流体
は絞り22,28を通してリザーバ7に流れ、絞り28
と低圧リリーフバルブ27の働きによって所定の減衰力
を発生しつつ通常のダンパとして動作し、車体2の左右
方向への振れを制振する。
【0081】また、制御時において、例えば、制御系に
異常事態が発生してアンロードバルブ29がオンの状態
に切り換わったり、或いはアンロードバルブ29がオン
の位置からオフの位置に復帰できなくなったとする。
【0082】しかし、この場合にあっても、アンロード
バルブ29は切換バルブ31と直列状態を保って減衰力
制御回路8に介装されおり、しかも、制御系の異常時に
は自動的に切換バルブ31がオフの位置状態に戻る。
【0083】したがって、切換バルブ31が低圧リリー
フバルブ27と絞り28を選択することになるので、減
衰力制御回路8がアンロード状態になることなく低圧リ
リーフバルブ27と絞り28で減衰力を確保する。
【0084】一方、制御時において、作動流体中のダス
トによって絞り22,24,26,28に目詰りを生じ
たり、または、制御系の異常や各バルブ類23,25,
29,31自体の故障でこれらバルブ類の切換動作が不
能になると、ストロークセンシングシリンダ6における
ロッド側室12の作動流体圧力P1が異常値を示して効
果的な制振作用ができないことになる。
【0085】しかし、このロッド側室12に発生する作
動流体圧力P1は、選択された絞り22、24、26に
よる絞り抵抗Rに基づき、ストロークセンシングシリン
ダ6の伸縮速度をV3,V4、シリンダ9の断面積Aと
ピストンロッド13の断面積aの差をA1、比例定数を
Kとすると、
【0086】
【数1】 となって、減衰力制御回路8の絞り抵抗Rによって一義
的に決まる。
【0087】しかも、この作動流体圧力P1は、減衰力
制御回路8に設けた圧力センサ30によって常時監視さ
れており、当該圧力センサ30から作動流体圧力信号P
として常にコンピュータ32に入力されている。
【0088】一方、コンピュータ32は、変位センサ1
5からのダンパ速度信号V1,V2と検知器5からの車
体速度信号U1,U2に基づく開閉バルブ23,25へ
の切換信号X1,X2の出力状態に応じてそのときロッ
ド側室12に発生することになる作動流体圧力P1の計
算値P2を算出する。
【0089】ここで、コンピュータ32は、先の圧力セ
ンサ30から送られてくる作動流体圧力信号Pに基づく
実測値P3と上記コンピュータ32で算出した計算値P
2とを比較し、これら両者の差が所定値を越えたときに
異常と判断してエマージェンシ信号Eを出力し、当該異
常事態の発生を外部に対して知らせる。
【0090】なお、コンピュータ32が切換信号Yを出
力してアンロードバルブ29をオン状態に切り換えてい
るときは、減衰力制御回路8がアンロード状態にあって
ストロークセンシングシリンダ6のロッド側室12の作
動流体圧力P1が大きく低下する。
【0091】そのために、この場合にあっても計算値P
2に対して実測値P3が大きく下回り、したがって、コ
ンピュータ32がエマージェンシ信号Eを出力してしま
うことになる。
【0092】そこで、コンピュータ32が切換信号Yを
出力しているときには、上記エマージェンシ信号Eを出
力しないように予め当該コンピュータ32の論理を組
み、それによって上記した誤動作を防止する。
【0093】図3は、この発明による減衰力可変ダンパ
3の他の実施例を示すもので、当該実施例による減衰力
可変ダンパ3は、これまで述べてきた先の第一の実施例
のものとストロークセンシングシリンダ6の流路構成お
よびアロードバルブと減衰力制御回路の構成を異にして
いる。
【0094】すなわち、上記した図3による減衰力可変
ダンパ3は、ストロークセンシングシリンダ6とリザー
バ7および減衰力制御回路8とからなっている。
【0095】ストロークセンシングシリンダ6は、シリ
ンダ9の内部を摺動自在のピストン10でヘッド側室1
1とロッド側室12とに区画し、かつ、ピストン10か
らは外部に向ってピストンロッド13が延びている。
【0096】ピストンロッド13には、多数のスケール
メモリ14が等間隔で一列に埋め込んであり、これらス
ケールメモリ14と対向して変位センサ15を固定して
取り付けてある。
【0097】一方、上記した減衰力可変ダンパ3は、そ
れぞれオフの位置においてチェックバルブ36,37を
もつ位置を、また、オンの位置において導通位置を保つ
圧側用と伸側用の二つのアンロードバルブ29a,29
bを備えている。
【0098】圧側用のアンロードバルブ29aは、スト
ロークセンシングシリンダ6におけるヘッド側室11と
リザーバ7とを互いに連通する流路38の途中に介装さ
れており、かつ、オフの位置でヘッド側室11からロッ
ド側室12に向う作動流体の流れをチェックバルブ36
で阻止すると共に、オンの位置でヘッド側室11を流路
38でリザーバ7に連通するように配置してある。
【0099】それに対して、伸側用のアンロードバルブ
29bは、圧側用のアンロードバルブ29aの入口から
ロッド側室12に向って延びる流路39の途中に介装さ
れ、かつ、オフの位置でストロークセンシングシリンダ
6のヘッド側室11からロッド側室12に向う作動流体
の流れのみをチェックバルブ37によって許容すると共
に、オンの位置でロッド側室12をヘッド側室11に連
通するように配設されている。
【0100】また、ヘッド側室11は、先の第一の実施
例と同様にサクションバルブ16をもつ吸込流路17に
よってザーバ7に通じており、かつ、ロッド側室12が
フィルタ20から減衰力制御回路8を通してリザーバ7
に通じている。
【0101】減衰力制御回路8は、直列に接続した減衰
力発生要素である三つの絞り22,24,26と、これ
ら三つの絞り22,24,26の使用を選択する三個の
開閉バルブ23,25,31と、流路38,39の間に
介装されてロッド側室12をリザーバ7に連通する減衰
力発生要素の高圧リリーフバルブ21と、さらに、絞り
24,26の間をリザーバ7に連通する流路40の途中
に介装した同じく減衰力発生要素である低圧リリーフバ
ルブ27とを備えている。
【0102】この第二の実施例の場合、上記した開閉バ
ルブ23は、絞り22,24のバイパス流路41を断続
制御し、また、開閉バルブ25,31は、絞り24,2
6のバイパス流路42,43をそれぞれ断続制御すると
共に、特に、開閉バルブ31は、他の開閉バルブ23,
25と相違してオフの位置でバイパス流路43を遮断状
態に保つように常閉のバルブで構成してある。
【0103】これにより、図3の状態から開閉バルブ3
1だけをオンの位置に切り換えてバイパス流路43を開
いてやると、バイパス流路41が当該バイパス流路43
を通してリザーバ7に通じることから、減衰力制御回路
8は、これらのバイパス流路41,43の流路抵抗に基
づく最低の減衰力発生状態に保たれる。
【0104】それに対して、開閉バルブ31をオフの状
態にしたまま開閉バルブ23,25をオンの位置に切り
換えてバイパス流路41,42を閉じてやれば、全ての
バイパス通路41,42,43が閉じられた状態になっ
て絞り22,24,26が共に働くことから、減衰力制
御回路8は、これら絞り22,24,26の圧損が重畳
されて高圧リリーフバルブ21と協同しつつ最高の減衰
力を発生する状態に切り換えられる。
【0105】一方、開閉バルブ23と開閉バルブ31の
みを共にオンの位置に切り換えてやると、絞り24の入
口側と絞り26の出口側がバイパス流路42,43を通
して同圧になることから絞り22のみが働く。
【0106】また、図示のように開閉バルブ23,2
5,31の全てをオフの位置に保っておけば、絞り22
の入口側と絞り24の出口側がバイパス流路41を通し
て同圧になることから、低圧リリーフバルブ27の制限
下で絞り26のみが働く。
【0107】さらに、図示の状態から開閉バルブ23,
25,31の全てをオンの位置に切り換えてやれば、絞
り26の入口側と出口側がバイパス流路43を通して同
圧となり、絞り22,24が働いて絞り22の圧損に絞
り24の圧損が加わることになる。
【0108】さらに、開閉バルブ23のみをオンの位置
に切り換えてやると、絞り24の入口側と出口側のみが
バイパス流路42を通して同圧の状態に保たれることか
ら、絞り22,26が働いて絞り22の圧損に絞り26
の圧損が加わる。
【0109】かくして、減衰力制御回路8は、開閉バル
ブ23,25,31を適宜に選択してオン・オフ操作す
ることにより減衰力を六段階に制御し得ることになる。
【0110】以上により、図1において、台車1の横振
れにより車体2に横方向への振れが生じてこれら台車1
と車体2の間に相対変位が生じたとすると、当該台車1
と車体2の振れ方向に対応してこれら台車1と車体2と
の間に介装したストロークセンシングシリンダ6が伸縮
動作する。
【0111】ストロークセンシングシリンダ6が伸長動
作すると、リザーバ7内の作動流体を吸込流路17から
サクションバルブ16を開いてヘッド側室11に吸い込
みつつ、ロッド側室12内の作動流体を減衰力制御回路
8に向いフィルタ20を通して押し出す。
【0112】反対に、ストロークセンシングシリンダ6
が圧縮動作した場合には、サクションバルブ16が閉じ
てヘッド側室11内の作動流体を流路38から伸側用の
アンロードバルブ29aのチェックバルブ37を開いて
ロッド側室12に流し、ロッド側室12からピストンロ
ッド13の侵入体積分に相当する量の作動流体をフィル
タ20を通して減衰力制御回路8に押し出す。
【0113】それ故に、減衰力制御回路8に向って押し
出される作動流体の流量は、この第二の実施例において
も先の第一の実施例の場合と同様に、シリンダ9の断面
積Aとピストンロッド13の断面積aとの比を「A:a
=2:1」に選ぶことによって、伸長動作時と圧縮動作
時に減衰力制御回路8に向って押し出される作動流体の
流量を同じにもできるし、また、上記の比を変えること
によって流量比を任意に選定することもできる。
【0114】したがって、この第二の実施例による減衰
力可変ダンパ3にあっても、先の第一の実施例の場合と
同様に、コンピュータ32とバルブドライバ回路33お
よびセンサ信号処理回路34,35からなる制御系を用
いて図1における台車1と車体2との間の相対変位に伴
い所定の減衰力を発生して車体2の横振れを効果的に抑
えることができる。
【0115】また、減衰力制御回路8における絞り2
2,24,26の上流側に圧力センサ30を設け、この
圧力センサ30で当該部分における作動流体圧力P1を
検知しつつこれを作動流体圧力信号Pとしてコンピュー
タ32に入力することにより、絞り22,24,26の
目詰りや開閉バルブ23,25,31の誤動作に伴う異
常事態をコンピュータ32で判断して外部に知らせるこ
ともできる。
【0116】すなわち、ストロークセンシングシリンダ
6に設けた変位センサ15は、ピストンロッド13のス
ケールメモリ14と協同しつつシリンダ9とピストンロ
ッド13の相対変位をダンパ信号Sとして出力する。
【0117】上記のダンパ信号Sは、コンピュータ信号
変換用のセンサ信号処理回路34でプラスのダンパ変位
信号W1とマイナスのダンパ変位信号W2、および、こ
れらダンパ変位信号W1,W2に基づいて算出したプラ
スのダンパ速度信号V1とマイナスのダンパ速度信号V
2(伸長側)に処理されたのちコンピュータ32に入力
される。
【0118】また、図1にみられるように、車体2に設
けた検出器5は、当該車体2の横振れを車体信号Tとし
て検出し、この車体信号Tもまた、コンピュータ信号変
換用の処理回路35でプラスの車体速度信号U1とマイ
ナスの車体速度信号U2に処理されたのちにコンピュー
タ32に入力される。
【0119】なお、検知器5が速度計である場合には、
上記のようにして処理回路35によりプラスの車体速度
信号U1とマイナスの車体速度信号U2に処理される
が、加速度計であった場合には、処理回路35で加速度
を一旦速度に変換してからプラスの車体速度信号U1と
マイナスの車体速度信号U2に処理される。
【0120】コンピュータ32は、一方では、車体2側
の検知器5から送られてくる車体速度信号U1,U2に
よりそのときの車体2の振れ方向を判断し、バルブドラ
イバ回路33を通して圧側用或いは伸側用のアンロード
バルブ29a,29bに切換信号Y1またはY2を出力
してそれらを選択的にオン・オフ制御する。
【0121】また、他方では、上記車体速度信号U1,
U2と共に、ストロークセンシングシリンダ6の変位セ
ンサ15からセンサ信号処理回路34を通して送られて
くるダンパ速度信号V1,V2とダンパ変位信号W1,
W2とに基づいて制御論理を演算する。
【0122】そして、バルブドライバ回路33を通して
この演算結果を切換信号X1,X2,X3として出力
し、これら切換信号X1,X2,X3によって減衰力可
変ダンパ3における減衰力制御回路8の開閉バルブ2
3,25,31をオン・オフ制御する。
【0123】また、上記の制御動作時において、圧力セ
ンサ30は、ストロークセンシングシリンダ6のロッド
側室12に発生する作動流体圧力を検知し、これを作動
流体圧力信号Pとしてコンピュータ32に入力すること
により、その正常および異常を当該コンピュータ32で
常に監視する。
【0124】以上のようにして、ストロークセンシング
シリンダ6の変位センサ15と車体5に設けた検知器5
とから送られてくるダンパ信号Sと車体信号Tとで開閉
バルブ23,25,31とアンロードバルブ29a,2
9bをオン・オフ操作すると共に、併せて、ストローク
センシングシリンダ6におけるロッド側室12の作動流
体圧力P1を圧力センサ30で検知することにより、以
下に述べるような制御の下で動作しつつ制振作用を行
う。
【0125】[車体2が左方に振れた時] 走行中に車体2が左方に振れたとすると、検知器5から
処理回路35を通してプラスの車体速度信号U1がコン
ピュータ32に入力される。
【0126】コンピュータ32は、このプラスの車体速
度信号U1に基づいて車体2が左方に振れていることを
判定し、圧側用のアンロードバルブ29aに切換信号Y
1を出力して当該アンロードバルブ29aをオンの位置
に切り換える。
【0127】ここで、台車1が車体2よりも遅い速度で
左方に振れているか、或いは、車体2とは逆に右方に振
れたとすると、ストロークセンシングシリンダ6は伸長
側に動作して内部の作動流体を減衰力制御回路8に押し
出す。
【0128】一方、ストロークセンシングシリンダ6の
変位センサ15からは、センサ信号処理回路34を通し
てコンピュータ32にプラスのダンパ速度信号V1とプ
ラスのダンパ変位信号W1が入力される。
【0129】コンピュータ32は、上記プラスのダンパ
速度信号V1と先に述べたプラスの車体速度信号U1に
基づいてそのときのストロークセンシングシリンダ6の
伸長速度を判定し、この伸長速度から最適値に最も近い
減衰力値を演算してこれに合うように切換信号X1,X
2,X3を選択的に出力して開閉バルブ23,25,3
1をオン・オフ制御し、減衰力制御回路8の発生減衰力
を適切に制御して車体2の左方への横振れを抑える。
【0130】しかも、上記において、ストロークセンシ
ングシリンダ6が伸長端に達するような事態が生じた場
合には、変位センサ15からのプラスのダンパ変位信号
W1に基づいてこれをコンピュータ32が判断する。
【0131】そして、伸長端近傍に達した時点でコンピ
ュータ32が切換信号X1,X2を出力し、開閉バルブ
31をオフの位置に保ったまま開閉バルブ23,25を
オンの位置に切り換え、減衰力制御回路8の発生減衰力
を最大値に保って伸長端での衝撃を緩和する。
【0132】このようにして、減衰力制御回路8は、ス
トロークセンシングシリンダ6の伸長速度の大小に応じ
た六段階の減衰力を発生しつつ車体2の振れを効果的に
抑えるようにして制振作用を行うのである。
【0133】また、車体2が左方に振れているときに、
例えば、台車1がレールの狂い等により車体2の左方へ
の横振れ速度よりも速い速度で左方に振れたとすると、
ストロークセンシングシリンダ6が圧縮動作して当該ス
トロークセンシングシリンダ6のヘッド側室11にも減
衰力制御回路8の発生減衰力に応じた作動流体圧力が発
生することになる。
【0134】このヘッド側室11に発生した作動流体圧
力は、ピストンロッド13の存在によって生じるヘッド
側室11とロッド側室12の受圧面積差によりストロー
クセンシングシリンダ6を伸長方向に押す力として作用
し、車体2をさらに大きく左方に振ることになるので当
該作動流体圧力を生じないようにする必要がある。
【0135】しかし、この場合にあっても車体2自体は
左方に振れ動いているために、検知器5からのプラスの
車体速度信号U1に基づいてコンピュータ32は圧側用
のアンロードバルブ29aに切換信号Y1を出力し続
け、当該圧側用のアンロードバルブ29aをオンの位置
に保ち続ける。
【0136】これにより、ヘッド側室11の作動流体
は、流路38から圧側用のアンロードバルブ29aを通
してリザーバ7に逃げる。
【0137】その結果、ストロークセンシングシリンダ
6のヘッド側室11には作動流体圧力が発生しないこと
になり、当該ストロークセンシングシリンダ6が車体2
をさらに大きく左方に振るのを阻止する。
【0138】[車体2が右方に振れた時] 上記とは反対に車体2が右方に振れたとすると、検知器
5からマイナスの車体速度信号U2がコンピュータ32
に入力される。
【0139】このマイナスの車体速度信号U2に基づい
てコンピュータ32は、今度は、伸側用のアンロードバ
ルブ29bに切換信号Y2を出力してそれをオンの位置
に切り換える。
【0140】ここで、台車1が車体2よりも遅い速度で
左方に振れているか、或いは、車体2とは逆に左方に振
れたとすると、ストロークセンシングシリンダ6は圧縮
側に動作して内部の作動流体を減衰力制御回路8に向け
て押し出す。
【0141】そして、このストロークセンシングシリン
ダ6の圧縮側への動作により、変位センサ15からは、
マイナスのダンパ速度信号V2とマイナスのダンパ変位
信号W2がコンピュータ32に入力される。
【0142】コンピュータ32は、先の車体2が左方に
振れた場合と同様に、マイナスのダンパ速度信号V2と
マイナスの車体速度信号U2に基づいてそのときのスト
ロークセンシングシリンダ6の圧縮速度を判定し、この
圧縮速度から最適値に最も近い減衰力値を演算してこれ
に合うように切換信号X1,X2,X3を選択的に出力
して開閉バルブ23,25,31オン・オフ制御し、減
衰力制御回路8の発生減衰力を適切に制御して車体2の
左方への横振れを抑える。
【0143】しかも、上記にあっても、ストロークセン
シングシリンダ6が圧縮端に達するような事態が生じる
と、変位センサ15からのマイナスのダンパ変位信号W
2によってこれをコンピュータ32が判断し、圧縮端近
傍に達した時点でコンピュータ32が切換信号X1,X
2を出力して開閉バルブ31をオフの位置に保ったまま
開閉バルブ23,25をオンの位置に切り換え、減衰力
制御回路8の発生減衰力を最大値に保って圧縮端での衝
撃を緩和する。
【0144】このようにして、減衰力制御回路8は、ス
トロークセンシングシリンダ6の圧縮速度の大小に応じ
た減衰力を発生しつつ車体2の振れを効果的に抑えて少
なくするのである。
【0145】また、上記においても、台車1がレールの
狂い等により車体2の横振れ速度よりも速い速度で右方
に振れたとすると、ストロークセンシングシリンダ6は
伸長動作して当該ストロークセンシングシリンダ6のロ
ッド側室12に減衰力制御回路8の発生減衰力に応じた
作動流体圧力が発生する。
【0146】このロッド側室12に発生した作動流体圧
力は、ストロークセンシングシリンダ6を圧縮方向に押
す力として作用し、車体2の右方への振れを増長するこ
とになるので当該作動流体圧力を生じないようにする必
要がある。
【0147】しかし、この場合にあっても車体2は右方
に振れ続けているために、検知器5からのマイナスの車
体速度信号U2基づいてコンピュータ32は、伸側用の
アンロードバルブ29bに対して切換信号Y2を出力し
続け、当該伸側用のアンロードバルブ29bをオンの位
置に保ち続ける。
【0148】これにより、ロッド側室12の作動流体
は、流路39から伸側用のアンロードバルブ29bおよ
び流路38を通してストロークセンシングシリンダ6の
ヘッド側室11に逃げ、その結果、ストロークセンシン
グシリンダ6のロッド側室12には作動流体圧力が発生
しないことになるので、当該ストロークセンシングシリ
ンダ6が車体2をさらに大きく右方に振ることはない。
【0149】[電源のオフや異常事態の発生による制
御不能時] この場合にあっても、車体2の左右への横振れに伴って
ストロークセンシングシリンダ6が伸縮動作を繰り返す
ことになるので、内部の作動流体は減衰力制御回路8に
向って押し出される。
【0150】しかし、電源のオフ時やスタンバイ信号の
消滅時にあっては、それと同時にコンピュータ32から
の切換信号X1,X2,X3,Y1,Y2が共に断たれ
ることになるので、圧側および伸側用のアンロードバル
ブ29a,29bと開閉バルブ23,25,31とは図
3のオフの位置を保つ。
【0151】これにより、ストロークセンシングシリン
ダ6から減衰力制御回路8に押し出されてきた作動流体
は、低圧リリーフバルブ27の制御下で絞り26を通し
てリザーバ7に流れ、当該絞り26の圧損で所定の減衰
力を発生しつつ通常のダンパとして働き、車体2の左右
方向への振れを制振することになる。
【0152】また、制御時において、作動流体中のダス
トによって絞り22,24,26に目詰りを生じたり、
または、制御系の異常や開閉バルブ23,25,31お
よびアンロードバルブ29a,29b自体の故障によっ
てこれらバルブ類の切換動作が不能になると、ストロー
クセンシングシリンダ6におけるロッド側室12の作動
流体圧力P1が異常値を示す。
【0153】これにより、コンピュータ32は、先の第
一の実施例の場合と同様にしてそのときストロークセン
シングシリンダ6のロッド側室12に発生することにな
る作動流体圧力P1の計算値P2と圧力センサ30で検
知した作動流体圧力P1の実測値P3を比較し、両者の
差が所定値を越えたときに異常と判断してエマージェン
シ信号Eを出力し、当該異常事態の発生を外部に対して
知らせる。
【0154】なお、上記エマージェンシ信号Eは、この
第二の実施例の場合にあっても、アンロードバルブ29
aまたは29bがアンロード作用を行っているとき、検
知器5から送られてくるプラスの車体速度信号U1と変
位センサ15から送られてくるマイナスのダンパ速度信
号V2、またはマイナスの車体速度信号U2とプラスの
速度信号V1とに基づいてこれらをコンピュータ3が判
断し、その間はエマージェンシ信号Eを出力しないよう
に当該コンピュータ32で制御する。
【0155】図4は、図2における第一の実施例の変形
例を、また、図5は、図3における第二の実施例の変形
例をそれぞれ示すものである。
【0156】これらの変形例は、比例バルブ23aの開
度を制御しつつ絞り22との合成絞り抵抗を変えて減衰
力制御回路8の絞り抵抗を可変にすることにより、当該
減衰力制御回路8を流れる作動流体の絞り抵抗を制御す
るようにした点でこれまで述べてきた第一,第二の実施
例と異なっている。
【0157】このことから、これらにあっても、車体速
度信号U1,U2とダンパ速度信号V1,V2およびダ
ンパ変位信号W1,W2に基づいてコンピュータ32が
演算した切換信号Xを用いて比例バルブ23aを動作さ
せつつ減衰力を適切に制御して車体2の横振れを効果的
に制振し得ることは、これまで述べてきた図2および図
3の実施例の説明に基づいて容易に理解できよう。
【0158】また、異常事態の発生に際しても安全サイ
ドに動作し得るばかりか、圧力センサ30を用いて絞り
26,24,28の目詰りや、制御系或いはバルブ類自
体の異常によるアンロードバルブ29,29a,29b
および減衰力制御用のバルブ類23a,31の誤動作を
リアルタイムで監視し、これをエマージェンシ信号Eと
して外部に知らせ得ることになる。
【0159】なお、これら図4および図5の各変形例に
あっては、特に、絞り26と比例バルブ23aによる合
成絞り抵抗Rxが当該比例バルブ23aに加えられる制
御電流値Iに比例して制御される。
【0160】そこで、この比例バルブ23aに加えられ
る制御電流値Iに基づき、比例定数をKとしてコンピュ
ータ32によりそのときどきにロッド側室12に発生す
る作動流体圧力P1の計算値P2を求めると、
【0161】
【数2】 となって、シリンダ9の断面積Aとピストンロッド13
の断面積aの差A1およびストロークセンシングシリン
ダ6の伸縮速度V3,V4とから、そのときロッド側室
12に発生する作動流体圧力P1の計算値P2をコンピ
ュータ32で算出することができる。
【0162】このことから、コンピュータ32で上記計
算値P2と圧力センサ30からの実測値P3を比較し、
前述の判断アルゴリズムで絞り22,26,28の目詰
りや制御系或いは減衰力制御用の比例バルブ23aと開
閉バルブ31およびアンロードバルブバルブアンロード
バルブ29,29a,29bの誤動作をリアルタイムで
監視し、これら異常事態の発生に際してコンピュータ3
2からエマージェンシ信号Eを出力して外部に知らせる
ことも可能である。
【0163】また、これまでの各実施例および変形例に
あっては、コンピュータ32で作動流体圧力の計算値P
2と実測値P3を直接比較するようにしたが、このよに
する代わりに、当該コンピュータ32でこれら計算値P
2と実測値P3を或る有限時間に亙って積分してやる。
【0164】そして、この積分結果を計算値P2*と実
測値P3*としてコンピュータ32で比較し、両者の差
が所定値を越えたときに異常と判断してコンピュータ3
2からエマージェンシ信号Eを出力するようにしてやれ
ば、当該エマージェンシ信号Eの信頼性をさらに向上さ
せることができる。
【0165】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明によ
れば、制振側からの横振れ信号とダンパ本体であるスト
ロークセンシングシリンダからのダンパ信号とを用いて
そのときどき発生減衰力を制御しつつ効果的に制振側の
横振れを抑えることができるばかりでなく、減衰力制御
回路に圧力センサを設けるだけで減衰力可変ダンパの異
常事態の発生をリアルタイムで自己診断し、定期点検を
待たずに直ちにそれに対処することができる。
【0166】また、請求項2の発明によっても同様に、
制振側からの横振れ信号とダンパ本体であるストローク
センシングシリンダからのダンパ信号とを用いてそのと
きどき発生減衰力を制御しつつ効果的に制振側の横振れ
を抑えることができるばかりでなく、減衰力制御回路に
圧力センサを設けるだけで減衰力可変ダンパの異常事態
の発生をリアルタイムで自己診断し、定期点検を待たず
に直ちにそれに対処することができる。
【0167】さらに、請求項3の発明によれば、上記減
衰力可変ダンパの異常事態の発生をより高い信頼性のも
とで、かつ、リアルタイムで自己診断することができる
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による減衰力可変ダンパを、鉄道車両
の横振れ制振用ダンパとして適用した場合の例を示すブ
ロック図である。
【図2】この発明による減衰力可変ダンパの構成例を示
す回路図である。
【図3】同上、この発明による減衰力可変ダンパの他の
構成例を示す回路図である。
【図4】図2における減衰力可変ダンパの変形例を示す
回路図である。
【図5】同じく、図3における減衰力可変ダンパの変形
例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 振動発生側 2 制振側 3 減衰力可変ダンパ 5 車体側速度の検知手段である検知器 6 ストロークセンシングシリンダ 7 リザーバ 8 減衰力制御回路 11 ヘッド側室 12 ロッド側室 14 スケールメモリ 15 変位センサ 21 高圧リリーフバルブ 22,24,26,28 減衰力制御用の絞り 23,25,31 絞り選択用の制御バルブ 27 低圧リリーフバルブ 29,29a,29b アンロードバルブ 30 圧力センサ 32 コンピュータ 33 バルブドライバ回路 34,35 センサ信号処理回路 E エマージェンシ信号 P 作動流体圧力信号 P1 作動流体圧力 P2 作動流体圧力の計算値 P2* 積分された作動流体圧力の計算値 P3 作動流体圧力の実測値 P3* 積分された作動流体圧力の実測値 R 絞り抵抗 S ダンパ信号 T 制振側の車体信号 U1,U2 車体速度信号 V1,V2 ダンパ速度信号 V3,V4 ダンパ伸縮速度 W1,W2 ダンパ変位信号 X,X1,X2,Z 絞り選択用制御バルブに対する切
換信号 Y,Y1,Y2 アンロードバルブに対する切換信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中里 雅一 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 露木 保男 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダンパ本体として一方向流れのストロー
    クセンシングシリンダを用い、当該ストロークセンシン
    グシリンダからリザーバに向う減衰力制御回路中に介装
    した合成絞りの抵抗値を、制振側における両方向への速
    度信号とストロークセンシングシリンダの伸縮速度信号
    および変位信号に基いてコンピュータで制御しつつ、ア
    ンロードバルブと併せて振動発生側と制振側間に生じた
    相対振動を制振するようにした減衰力可変ダンパにおい
    て、上記減衰力制御回路における絞りの上流側に圧力セ
    ンサを設けて当該部分の作動流体圧力を実測値である作
    動流体圧力信号として検出し、この作動流体圧力信号に
    基づく作動流体圧力の実測値をコンピュータで制御した
    減衰力制御回路の合成絞り抵抗値とストロークセンシン
    グシリンダの伸縮速度信号に基いてコンピュータで算出
    した作動流体圧力の計算値と比較し、これら作動流体圧
    力の実測値と計算値の差が所定値を越えたときに異常と
    判断して、コンピュータからエマージェンシ信号を発信
    するようにしたことを特徴とする減衰力可変ダンパ。
  2. 【請求項2】 ダンパ本体として一方向流れのストロー
    クセンシングシリンダを用い、当該ストロークセンシン
    グシリンダからリザーバに向う減衰力制御回路中に介装
    した合成絞りの抵抗値を、制振側における両方向への速
    度信号とストロークセンシングシリンダの伸縮速度信号
    および変位信号に基いてコンピュータにより比例バルブ
    を通して制御しつつ、アンロードバルブと併せて振動発
    生側と制振側に生じた相対振動を制振するようにした減
    衰力可変ダンパにおいて、上記減衰力制御回路における
    絞りの上流側に圧力センサを設けて当該部分の作動流体
    圧力を実測値である作動流体圧力信号として検出し、こ
    の作動流体圧力信号に基づく作動流体圧力の実測値を比
    例バルブに流す電流値とストロークセンシングシリンダ
    の伸縮速度信号に基いてコンピュータで算出した作動流
    体圧力の計算値と比較し、これら作動流体圧力の実測値
    と計算値の差が所定値を越えたときに異常と判断して、
    コンピュータからエマージェンシ信号を発信するように
    したことを特徴とする減衰力可変ダンパ。
  3. 【請求項3】 作動流体圧力の実測値とコンピュータで
    算出した計算値をそれぞれ或る有限時間に亙って積分
    し、その積分結果をコンピュータで比較して両者の差が
    所定値を越えたときに異常と判断するようにした請求項
    1または2の減衰力可変ダンパ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006283839A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Keio Gijuku 油圧緩衝器監視システム
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CN114738423A (zh) * 2022-04-19 2022-07-12 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 抗蛇行减振器、抗蛇行减振系统及其控制方法和轨道车辆

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