JPH08238513A - タンデム圧延機の張力演算方法及び制御装置 - Google Patents

タンデム圧延機の張力演算方法及び制御装置

Info

Publication number
JPH08238513A
JPH08238513A JP7044297A JP4429795A JPH08238513A JP H08238513 A JPH08238513 A JP H08238513A JP 7044297 A JP7044297 A JP 7044297A JP 4429795 A JP4429795 A JP 4429795A JP H08238513 A JPH08238513 A JP H08238513A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
looper
tension
rolling
angle
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7044297A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Imanari
成 宏 幸 今
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP7044297A priority Critical patent/JPH08238513A/ja
Publication of JPH08238513A publication Critical patent/JPH08238513A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タンデム圧延機の圧延材のスタンド間張力の
演算精度を高めることのできるタンデム圧延機の張力演
算方法及び制御装置を提供する。 【構成】 ルーパ電動機によって駆動されるルーパが圧
延スタンド間に配置されている場合、ルーパの角度を検
出すると共に、ルーパに加わる荷重又はルーパ電動機の
トルクを検出し、これらの検出値に基づいて当該スタン
ド間の圧延材張力を演算するに当たり、演算に供する荷
重又はトルクの検出信号経路に、時定数が可変で、か
つ、ルーパの角度が小さくなるほど時定数が大きくなる
ようにルーパの角度に応じて時定数を変更してノイズを
除去するフィルタを設け、演算された圧延材張力を用い
て、上流側スタンドの圧延機駆動電動機の速度指令値及
びルーパ電動機の速度指令値を求めるように構成したも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンデム圧延機のスタ
ンド間の圧延材張力を演算するタンデム圧延機の張力演
算方法、並びに、この張力演算方法を用いて、上流側ス
タンドの圧延機駆動電動機の速度指令値及び前記ルーパ
電動機の速度指令値を求めるタンデム圧延機の制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延や冷間圧延における最終製品の
評価基準には板厚および板幅がある。このうち板厚に対
して自動板厚制御が行われ、板幅に対して自動板幅制御
が行われる。一方、圧延中の材料に発生する張力は板厚
や板幅に影響するため、張力を目標値に保つ制御が行わ
れている。とくに熱間圧延における圧延材料は加熱処理
されて高温となり圧延材料の変形抵抗が小さくなってお
り、張力が大きいと材料の破断を起こしやすくなる。こ
の破断を防止するべく張力を小さく設定すると外乱や誤
設定により無張力の状態となることがあり、その状態が
長く続くと圧延機スタンド間での大きなループの発生と
なって事故を引き起こすことがある。そこで熱間圧延機
ではとくにルーパ装置が設けられ、このルーパ装置によ
って張力制御が行われ、また材料の通板性を良くする観
点からルーパの高さ制御が行われる。
【0003】かかる圧延材張力およびルーパ高さの制御
において、ルーパの角度のみをフィードバックする従来
からのPI(比例・積分)制御に加えて、張力を演算
し、その張力値をフィードバックしてその張力値を目標
値通りに制御する方法がある。後者の方法としては、既
に非干渉制御、LQ(Linear Quadratic)制御、H∞制
御、ILQ(Inverse LQ)制御などの多変数制御が実用
化されている。多変数制御を行う場合、張力を高精度で
検出する必要性があるが、圧延材にかかる張力を直接検
出する装置がないため、ルーパに荷重測定用のロードセ
ルを取り付け、検出した荷重から圧延材の重量などを差
し引いて張力を演算する方法が実用化されている。ま
た、ルーパを駆動する電動機にかかるトルク、あるい
は、油圧駆動の場合は油圧装置にかかる圧力から圧延材
重量などによる分を差し引いて張力を演算する方法も用
いられている。
【0004】ルーパ荷重測定用のロードセルから張力を
演算する方法の一例を以下に説明する。図9(a)は2
つの圧延スタンド2a,2b間に設置されたルーパ4と
圧延材との幾何学的関係を示した図である。図中の記号
はそれぞれ以下のとおりである。 θ :ルーパ角度(rad) H1 :ルーパピボットとパスラインとの距離(mm) R1 :ルーパアーム長(mm) RL :ルーパロール半径(mm) L :ワークロール間距離(mm) L1 :ルーパピボットと上流スタンド間距離(mm) ここで、ルーパの荷重を検出するようにロードセルを設
けると、検出される力FL は、(1) 式で表される鉛直方
向成分を含んでいる。 FL =FLRG +FSG+FA +FT (1) (1) 式において、FLRG はロール自重分とロスによる成
分であり、圧延していない時にルーパ角度を変化させて
実測する。FSGはストリップ重量分、FA はルーパが加
減速する場合の成分、FT は張力による成分である。こ
のほかに圧延材の折り曲げ力を考慮する場合があるが、
ここでは省略する。また、成分FSG,FA ,FT は次式
によって求めることができる。 FSG=gWS /2 (2) FA =a・d2 θ/dt2 (3) FT =2T sin((α+β)/2) (4) ここで、 WS =ρLWh (5)
【0005】
【数1】 LP=R1 sinθ+RL −H1 (8) L2 =R1 sinθ (9) ただし、 a:加速度から力に変換する係数 HLP:ルーパ(の上面)とパスラインとの距離(mm) g :重力加速度(mm/s2 ) WS :圧延材の重量分(kg) h :板厚(mm) W :板幅(mm) ρ :ストリップ密度(kg/mm3 ) T :全張力(N) である。
【0006】(3) 式中の角加速度d2 θ/dt2 は、角
加速度計を設置するか、速度計を設置してその出力を微
分することにより計算できる。(1) 式を変形することに
よって、張力によりルーパにかかる力FT は次式で表さ
れる。 FT =FL −(FLRG +FSG+FA ) (10) したがって、圧延材の全張力Tは、力の鉛直成分FT
圧延材方向に分割することにより次式により計算でき
る。
【0007】
【数2】 (11)式の全張力Tから、圧延材の単位断面積当たりの張
力であるユニット張力tf を次式で計算することができ
る。 tf =T/(Wh) (12) 一方、ルーパ電動機のトルクから張力を演算する方法も
ロードセルの場合と同様に計算することができる。すな
わち、ルーパ電動機発生トルクTLMは、次式で表され
る。 TLM=TLW+TLOSS+TSW+TST+AACC (13) (13)式において、TLWはロール自重分によるトルク、T
LOSSは損失トルクであり、TLWとTLOSSは圧延していな
い時にルーパ角度ごとに実測して、制御装置内に記憶す
る。TSWは圧延材の重量分によるトルク、TACC はルー
パが加減速する場合のトルク、TSTは張力によるトルク
である。このほかに圧延材の折り曲げによるトルクを考
慮する場合があるが、ここでは省略する。
【0008】また、成分TSW及びAACC は次式によって
求めることができる。 TSW=ρLWh/2・ COSθ (14) TACC =J(dω/dt) (15) ただし、 J:ルーパ電動機と機械の慣性能率(kg・mm) である。
【0009】なお加減速トルクTACC については、ドラ
イブ装置内で加減速トルクの除去を行い、加減速トルク
除去後のトルクが検出できる場合がある。また、張力分
トルクTSTは、(13)式により次式のように書ける。 TST=TLM−(TLW+TLOSS+TSW +TB +TACC )=Tf3 (θ) (16) f3 (θ)=R1 { sin(θ+β)− sin(θ−α)} (17) 全張力Tは T=TST/f3 (θ) (18) であり、ユニット張力は次式となる。 tf =T/(Wh) (19) さらにまた、ルーパが油圧装置により駆動されている場
合は、以下の張力演算方法がある。図10に示す油圧ル
ーパの各位置の幾何学的関係から、ルーパの油圧装置で
検出した圧力pL は、次式で表される。 pL =pLT+pLL+pLS+pLLOS+pLA (20) (20)式において、pLTは張力により印加される圧力、p
LLはルーパ自重分により印加される圧力、pLSは材料重
量分により印加される圧力、pLLOSはルーパ駆動時のロ
ス分(静止摩擦、動摩擦)を補償するのに必要な圧力、
LAはルーパが加減速する場合に必要な圧力である。こ
のほかに圧延材の折り曲げによる圧力を考慮する場合が
あるが、ここでは省略する。
【0010】このうち、ルーパ自重分により印加される
圧力pLLとルーパ駆動時のロス分の圧力pLLOSは、圧延
材がない状態で、ルーパ角度をパラメータとして圧力を
測定することにより、各ルーパ角度におけるpLL+p
LLOSを制御装置内に記憶することができる。材料重量分
による圧力は、(4) 式から次のように求められる。 pLS= sinγ・R1 ・g・WS cosθ/(A・l1 ) (21) ただし、 WS :圧延材の重量 γ :油圧装置のピボットとルーパピボットを結ぶ直線
と水平線とのなす角度 A :油圧シリンダの断面積 l1 :ルーパピボットと油圧ピストンとルーパアームと
のジョイントとの距離である。
【0011】加減速分の圧力pLAは、油圧シリンダの加
速度を計算すれば次の式で計算できる。
【0012】
【数3】 ここでyは油圧シリンダ位置であり、Mはルーパ自重と
材料自重との和、Aはシリンダ断面積である。張力分に
よる圧力pLTは、(20)式から、 pLT=pL −(pLL+pLS+pLLOS+pLA) (23) 圧力と張力関係は、次式により与えられる。
【0013】
【数4】 全張力Tは T=pLT/f4 (θ) (25) したがって、ユニット張力tf は次式で計算できる。 tf =T/(Wh) (26)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述した各張力演算式
において、ルーパが低くなり、パスラインと圧延材のな
す角度α,βが小さくなると張力に対する測定誤差や演
算誤差の影響が非常に大きくなることがわかる。すなわ
ちルーパロードセルによる張力演算方式では、(11)式に
おいて、分母に sinα+ sinβがあり、α及びβがゼロ
に近付いた場合、sinα+ sinβもゼロに近付くことと
なり、FT の値によっては全張力Tは無限大であると演
算される。FT は測定したロードセルの荷重と、圧延材
重量などを差し引いて計算しているものであり、誤差を
含んでいるため、α,βが小さい場合には演算される全
張力値も実際にはあり得ない値となることがある。ま
た、ルーパ電動機トルクによる張力演算の場合は、(1
7),(18)式、ルーパ油圧装置による張力演算の場合は(2
4),(25)式であるが、これらもα,βが小さい場合には
分母にある sin(θ+β)− sin(θ−α)が0に近づ
くため、ロードセルによる張力演算の場合と同様の不都
合が起こる。
【0015】この問題を定性的に示したのが図9
(b),(c)である。図9(b)はルーパ角度が大き
い場合の2つの圧延スタンドと圧延材にかかる全張力と
の関係を示している。ルーパ角度θが大きく、α,βが
大きい場合には、全張力の鉛直方向の成分FT すなわち
ロードセル、電動機トルク、油圧装置圧力で測定できる
成分も大きい値であるため、精度良く張力を演算するこ
とができる。しかし図9(c)に示したように、ルーパ
角度θが小さく、α,βが小さい場合には、全張力の鉛
直方向の成分FT 、すなわち、ロードセル、電動機トル
ク、油圧装置圧力で測定できる成分が小さくなるため、
誤差の影響が大きくなり、張力演算精度が悪くなり、α
及びβがゼロに近付くと、実際に発生している張力の如
何に拘らず、演算される全張力の値は無限大となってし
まう。
【0016】このように誤差が非常に大きいことによ
り、異常な張力を演算した場合、この張力値を使用して
制御すると、不安定な制御となる。すなわち実際の圧延
材の張力は適正であったとしても、張力の制御装置は過
大な張力が発生したものとみなして、圧延材の張力を小
さくする方向に操作する。そうすると圧延スタンド間に
ループが発生することとなり、圧延材が折れて3枚咬み
などの事故が起こり、操業を中断せざるを得なくなる。
なおルーパ角度を小さくして圧延することの必要性は、
以下の点にある。ルーパ角度が小さいとルーパ電動機な
どのトルクが小さくて済み、省エネルギーの効果があ
り、また設備としても容量の小さい電動機ですみ、投資
額が抑えられる。油圧装置においても同様である。さら
にタンデム圧延機の入側で圧延材と圧延材を接合して連
続的に圧延する場合、タンデム圧延機内では接合部分の
破断防止のため折れ曲げ力を加えられない場合があり、
ルーパ角度を小さく設定する必要がある。
【0017】この発明の目的は、上記の張力演算の問題
点を解決するためになされたもので、タンデム圧延機の
圧延材のスタンド間張力の演算精度を高めることのでき
るタンデム圧延機の張力演算方法及び制御装置を提供す
るにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のタンデ
ム圧延機の張力演算方法は、ルーパ電動機によって駆動
されるルーパが圧延スタンド間に配置されたタンデム圧
延機の圧延材張力を演算するに当たり、ルーパの角度、
ルーパに加わる荷重又はルーパ電動機のトルクを検出
し、検出されたルーパの角度が所定値よりも小さい領域
で、ルーパに加わる荷重又はルーパ電動機のトルクの各
検出信号に対して、ルーパの角度が小さくなるほど高周
波成分を強く除去するフィルタ処理を実行し、検出信号
に対してフィルタ処理が実行されたルーパに加わる荷重
又はルーパ電動機のトルクに基づいて当該スタンド間の
圧延材張力を演算する。
【0019】請求項2に記載のタンデム圧延機の張力演
算方法は、ルーパ油圧装置によって駆動されるルーパが
圧延スタンド間に配置されたタンデム圧延機の圧延材張
力を演算するに当たり、ルーパの角度、ルーパに加わる
荷重又はルーパ油圧装置に加わる圧力を検出し、検出さ
れたルーパの角度が所定値よりも小さい領域で、ルーパ
に加わる荷重又はルーパ油圧装置に加わる圧力の各検出
信号に対して、ルーパの角度が小さくなるほど高周波成
分を強く除去するフィルタ処理を実行し、検出信号に対
してフィルタ処理が実行されたルーパに加わる荷重又は
ルーパ駆動装置に加わる圧力に基づいて当該スタンド間
の圧延材張力を演算する。
【0020】請求項3に記載のタンデム圧延機の張力演
算方法は、ルーパ電動機によって駆動されるルーパが圧
延スタンド間に配置されたタンデム圧延機の圧延材張力
を演算するに当たり、ルーパの角度、ルーパに加わる荷
重又はルーパ電動機のトルク、ルーパから見て、上流側
スタンドの圧延荷重及び圧延トルクを検出し、検出され
たルーパの角度及びルーパに加わる荷重又はルーパ電動
機のトルクに基づいて当該スタンド間の圧延材張力を演
算して第1の演算張力とし、演算された圧延材張力及び
当該スタンドより一つ上流のスタンド間の張力目標値と
に基づいて上流側スタンドの無張力時の圧延荷重及び圧
延トルクを推定し、推定された圧延荷重及び圧延トルク
と実測した圧延荷重及び圧延トルクとにより当該スタン
ド間の圧延材張力を演算して第2の演算張力とし、演算
された二つの張力にそれぞれ重み係数を乗じると共に、
検出されたルーパの角度が大きい場合は、第1の演算値
力に対する重み係数を第2の演算張力に対する重み係数
より大きくして二つの張力を合成し、検出されたルーパ
角度が小さい場合は、第1の演算張力に対する重み係数
を第2の演算張力に対する重み係数より小さくして二つ
の張力を合成し、合成された圧延材張力を当該スタンド
間の実際の圧延材張力とする。
【0021】請求項4に記載のタンデム圧延機の張力演
算方法は、ルーパ油圧装置によって駆動されるルーパが
圧延スタンド間に配置されたタンデム圧延機の圧延材張
力を演算する方法であって、ルーパの角度、ルーパに加
わる荷重又はルーパ油圧装置に加わる圧力、ルーパから
見て、上流側スタンドの圧延荷重及び圧延トルクを検出
し、検出されたルーパの角度及びルーパに加わる荷重又
はルーパ油圧装置に加わる圧力に基づいて当該スタンド
間の圧延材張力を演算して第1の演算張力とし、演算さ
れた圧延材張力及び当該スタンドより一つ上流のスタン
ド間の張力目標値とに基づいて上流側スタンドの無張力
時の圧延荷重及び圧延トルクを推定し、推定された圧延
荷重及び圧延トルクと実測した圧延荷重及び圧延トルク
とにより当該スタンド間の圧延材張力を演算して第2の
演算張力とし、演算された二つの張力にそれぞれ重み係
数を乗じると共に、検出されたルーパの角度が大きい場
合は、第1の演算値力に対する重み係数を第2の演算張
力に対する重み係数より大きくして二つの張力を合成
し、検出されたルーパ角度が小さい場合は、第1の演算
張力に対する重み係数を第2の演算張力に対する重み係
数より小さくして二つの張力を合成し、合成された圧延
材張力を当該スタンド間の実際の圧延材張力とする。
【0022】請求項5に記載のタンデム圧延機の制御装
置は、ルーパ電動機によって駆動されるルーパが圧延ス
タンド間に配置されたタンデム圧延機を制御する装置で
あって、ルーパの角度を検出する角度検出手段と、ルー
パに加わる荷重又はルーパ電動機のトルクを検出する荷
重又はトルク検出手段と、検出されたルーパの角度及び
ルーパに加わる荷重又はルーパ電動機のトルクに基づい
て当該スタンド間の圧延材張力を演算する張力演算手段
と、張力の演算に供する荷重又はトルクの検出信号経路
に設けられ、時定数が可変で、かつ、ルーパの角度が小
さくなるほど時定数が大きくなるようにルーパの角度に
応じて時定数を変更してノイズを除去するフィルタとを
備え、張力演算手段によって演算された圧延材張力を用
いて、上流側スタンドの圧延機駆動電動機の速度指令値
及びルーパ電動機の速度指令値を求めるように構成した
ものである。
【0023】請求項6に記載のタンデム圧延機の制御装
置は、ルーパ油圧装置によって駆動されるルーパが圧延
スタンド間に配置されたタンデム圧延機を制御する装置
であって、ルーパの角度を検出する角度検出手段と、ル
ーパに加わる荷重又はルーパ油圧装置に加わる圧力を検
出する荷重又は圧力検出手段と、検出されたルーパの角
度及びルーパに加わる荷重又はルーパ油圧装置の圧力に
基づいて当該スタンド間の圧延材張力を演算する張力演
算手段と、張力の演算に供する荷重又は圧力の検出信号
経路に設けられ、時定数が可変で、かつ、ルーパの角度
が小さくなるほど時定数が大きくなるようにルーパの角
度に応じて時定数を変更してノイズを除去するフィルタ
とを備え、張力演算手段によって演算された圧延材張力
を用いて、上流側スタンドの圧延機駆動電動機の速度指
令値及びルーパ油圧装置の圧力指令値を求めるように構
成したものである。
【0024】請求項7に記載のタンデム圧延機の制御装
置は、ルーパ電動機によって駆動されるルーパが圧延ス
タンド間に配置されたタンデム圧延機を制御する装置で
あって、ルーパの角度を検出する角度検出手段と、ルー
パに加わる荷重又はルーパ電動機のトルクを検出する荷
重又はトルク検出手段と、検出されたルーパの角度及び
ルーパに加わる荷重又はルーパ電動機のトルクに基づい
て当該スタンド間の圧延材張力を演算する第1の張力演
算手段と、ルーパから見て、上流側スタンドの圧延荷重
を検出する荷重検出手段と、上流側スタンドの圧延トル
クを検出する圧延トルク検出手段と、第1の張力演算手
段によって演算された張力及び当該スタンドより一つ上
流のスタンド間の張力目標値とに基づいて上流側スタン
ドの無張力時の圧延荷重及び圧延トルクを推定し、推定
された圧延荷重及び圧延トルクと実測した圧延荷重及び
圧延トルクとにより当該スタンド間の圧延材張力を演算
する第2の張力演算手段と、第1及び第2の張力演算手
段によって演算された張力にそれぞれ重み係数を乗じる
と共に、検出されたルーパの角度が大きい場合は、第1
の張力演算手段の張力に対する重み係数を第2の張力演
算手段の張力に対する重み係数より大きくして二つの張
力を合成し、検出されたルーパ角度が小さい場合は、第
1の張力演算手段の張力に対する重み係数を第2の張力
演算手段の張力に対する重み係数より小さくして、二つ
の張力を合成する張力合成手段とを備え、合成された圧
延材張力を用いて、上流側スタンドの圧延機駆動電動機
の速度指令値及びルーパ電動機の速度指令値を求めるよ
うに構成したものである。
【0025】請求項8に記載のタンデム圧延機の制御装
置は、ルーパ油圧装置によって駆動されるルーパが圧延
スタンド間に配置されたタンデム圧延機を制御する装置
であって、ルーパの角度を検出する角度検出手段と、ル
ーパに加わる荷重又はルーパ油圧装置に加わる圧力を検
出する荷重又は圧力検出手段と、検出されたルーパの角
度及びルーパに加わる荷重又はルーパ油圧装置に加わる
圧力に基づいて当該スタンド間の圧延材張力を演算する
第1の張力演算手段と、ルーパから見て、上流側スタン
ドの圧延荷重を検出する荷重検出手段と、上流側スタン
ドの圧延トルクを検出する圧延トルク検出手段と、第1
の張力演算手段によって演算された張力及び当該スタン
ドより一つ上流のスタンド間の張力目標値とに基づいて
上流側スタンドの無張力時の圧延荷重及び圧延トルクを
推定し、推定された圧延荷重及び圧延トルクと実測した
圧延荷重及び圧延トルクとにより当該スタンド間の圧延
材張力を演算する第2の張力演算手段と、第1及び第2
の張力演算手段によって演算された張力にそれぞれ重み
係数を乗じると共に、検出されたルーパの角度が大きい
場合は、第1の張力演算手段の張力に対する重み係数を
第2の張力演算手段の張力に対する重み係数より大きく
して二つの張力を合成し、検出されたルーパ角度が小さ
い場合は、第1の張力演算手段の張力に対する重み係数
を第2の張力演算手段の張力に対する重み係数より小さ
くして、二つの張力を合成する張力合成手段とを備え、
合成された圧延材張力を用いて、上流側スタンドの圧延
機駆動電動機の速度指令値及びルーパ電動機の速度指令
値を求めるように構成したものである。
【0026】
【作用】請求項1に記載のタンデム圧延機の張力演算方
法においては、ルーパの角度が所定値よりも小さい領域
で、ルーパに加わる荷重又はルーパ電動機のトルクの各
検出信号に対して、ルーパの角度が小さくなるほど高周
波成分を強く除去するフィルタ処理を実行するので、ル
ーパ角度が小さい場合でも測定誤差の影響を小さくする
ことができる。
【0027】請求項2に記載のタンデム圧延機の張力演
算方法においては、ルーパの角度が所定値よりも小さい
領域で、ルーパに加わる荷重又はルーパ油圧装置に加わ
る圧力の各検出信号に対して、ルーパの角度が小さくな
るほど高周波成分を強く除去するフィルタ処理を実行す
るので、ルーパ角度が小さい場合でも測定誤差の影響を
小さくすることができる。
【0028】請求項3に記載のタンデム圧延機の張力演
算方法においては、検出されたルーパの角度及びルーパ
に加わる荷重又はルーパ電動機のトルクに基づいて当該
スタンド間の圧延材張力を演算したものを第1の演算張
力とし、演算された圧延材張力及び当該スタンドより一
つ上流のスタンド間の張力目標値とに基づいて当該スタ
ンド間の圧延材張力を演算したものを第2の演算張力と
し、検出されたルーパ角度が小さい場合は、第1の演算
張力に対する重み係数を相対的に小さくして二つの張力
を合成して当該スタンド間の実際の圧延材張力としたた
め、ルーパの角度が小さくなった時に精度が低下する第
1の演算張力を、ルーパの角度に影響を受けない第2の
演算張力で補完することになり、これによって、ルーパ
角度が小さい場合でも測定誤差の影響を小さくすること
ができる。
【0029】請求項4に記載のタンデム圧延機の張力演
算方法においては、検出されたルーパの角度及びルーパ
に加わる荷重又はルーパ油圧装置に加わる圧力に基づい
て当該スタンド間の圧延材張力を演算したものを第1の
演算張力とし、演算された圧延材張力及び当該スタンド
より一つ上流のスタンド間の張力目標値とに基づいて当
該スタンド間の圧延材張力を演算したものを第2の演算
張力とし、検出されたルーパ角度が小さい場合は、第1
の演算張力に対する重み係数を相対的に小さくして二つ
の張力を合成して当該スタンド間の実際の圧延材張力と
したため、ルーパの角度が小さくなった時に精度が低下
する第1の演算張力を、ルーパの角度に影響を受けない
第2の演算張力で補完することになり、これによって、
ルーパ角度が小さい場合でも測定誤差の影響を小さくす
ることができる。
【0030】請求項5に記載のタンデム圧延機の制御装
置においては、ルーパがルーパ電動機によって駆動され
る場合、圧延材の張力をルーパに設置された荷重検出手
段で荷重を検出して張力を演算するか、又は、ルーパ電
動機のトルクを検出して張力を演算するものとし、荷重
検出手段の荷重またはルーパ電動機のトルクの検出信号
のノイズを除去するフィルタとして、ルーパ角度が小さ
い場合にフィルタを強くかけるように、すなわち、時定
数を大きくするようにフィルタ内のパラメータを変更す
る。これによってルーパ角度が小さい場合でも測定誤差
の影響を小さくすることができる。
【0031】請求項6に記載のタンデム圧延機の制御装
置においては、ルーパがルーパ油圧装置によって駆動さ
れる場合、圧延材の張力をルーパに設置された荷重検出
手段で荷重を検出して張力を演算するか、又は、ルーパ
油圧装置の圧力を検出して張力を演算するものとし、荷
重検出手段の荷重またはルーパ油圧装置の圧力の検出信
号を除去するフィルタとして、ルーパ角度が小さい場合
にフィルタを強くかけるように、すなわち、時定数を大
きくするようにフィルタ内のパラメータを変更する。こ
れによりルーパ角度が小さい場合でも測定誤差の影響を
小さくすることができる。
【0032】請求項7に記載のタンデム圧延機の制御装
置においては、iスタンドとi+1スタンドとの間にあ
るルーパが、ルーパ電動機によって駆動される場合、圧
延材の張力をルーパに設置された荷重検出手段で検出し
て演算するか、又は、ルーパ電動機のトルクを検出して
演算するものとし、これを第1の張力演算手段とする。
一方iスタンド圧延機の圧延荷重と圧延主機の圧延トル
クを検出して、第1の張力演算手段によるiスタンドと
i+1スタンド間の張力演算値と、i−1スタンドとi
スタンド間の張力目標値とによって、無張力時のiスタ
ンドの圧延荷重と圧延トルクを推定し、推定されたiス
タンドの無張力時の圧延荷重と圧延トルクと実測したi
スタンドの圧延荷重と圧延トルクとにより張力を演算す
るものを第2の張力演算手段とする。圧延材の張力値と
しては、第1と第2の張力演算手段の各張力に重み係数
を乗じて合成するが、ルーパ角度が大きい場合は、第1
の張力演算手段による張力に対する重み係数を第2の張
力演算手段による張力値に対する重み係数より大きく
し、ルーパ角度が小さい場合は、第1の張力演算手段に
よる張力に対する重み係数を第2の張力演算手段による
張力に対する重み係数より小さくして、二つの張力値を
合成する。これによりルーパ角度が小さくなっても高精
度の張力演算精度を保つことができる。
【0033】請求項8に記載のタンデム圧延機の制御装
置においては、iスタンドとi+1スタンドとの間にあ
るルーパが、ルーパ油圧装置によって駆動される場合、
圧延材の張力をルーパに設置された荷重検出手段で検出
して演算するか、又は、ルーパ油圧装置に加わる圧力を
検出して演算するものとし、これを第1の張力演算手段
とする。一方iスタンド圧延機の圧延荷重と圧延主機の
圧延トルクを検出して、第1の張力演算手段によるiス
タンドとi+1スタンド間の張力演算値と、i−1スタ
ンドとiスタンド間の張力目標値とによって、無張力時
のiスタンドの圧延荷重と圧延トルクを推定し、推定さ
れたiスタンドの無張力時の圧延荷重と圧延トルクと実
測したiスタンドの圧延荷重と圧延トルクとにより張力
を演算するものを第2の張力演算手段とする。圧延材の
張力値としては、第1と第2の張力演算手段の各張力に
重み係数を乗じて合成するが、ルーパ角度が大きい場合
は、第1の張力演算手段による張力に対する重み係数を
第2の張力演算手段による張力値に対する重み係数より
大きくし、ルーパ角度が小さい場合は、第1の張力演算
手段による張力に対する重み係数を第2の張力演算手段
による張力に対する重み係数より小さくして、二つの張
力値を合成する。これによりルーパ角度が小さくなって
も高精度の張力演算精度を保つことができる。
【0034】
【実施例】以下、図示した実施例に基づいて、本発明を
詳細に説明する。図1は本発明に係るタンデム圧延機の
制御装置の第1実施例の構成を示すブロック図である。
図1において、圧延材1は第iスタンド圧延機2a及び
第i+1スタンド圧延機2bの順で圧延される。ここ
で、タンデム圧延機の全スタンド数をnとすると、n=
5〜7が一般的である。以下に示すルーパ等の装置は各
スタンド間に設置されるが、i〜i+1の2スタンド間
の状態を考察すれば容易に他のスタンドへも拡張できる
ので、ここでは2スタンド間のみを考える。なおiは1
≦i≦n−1の範囲である。
【0035】この第iスタンド圧延機2a及び第i+1
スタンド圧延機2bには、それぞれロードセル3a,3
bが設けられ、それぞれ圧延時の荷重を測定するように
なっている。第iスタンド圧延機2a及び第i+1スタ
ンド圧延機2b間にルーパ4が設けられており、このル
ーパ4はルーパ電動機7で駆動され、さらに、ルーパ電
動機7の速度はルーパ速度検出器10によって検出され
る。ルーパ電動機7を所望の速度にするべくルーパ速度
制御装置(SC)9が検出速度と速度指令値との差に応
じたルーパトルク指令値をルーパトルク制御装置(C
C)8に加え、ルーパトルク制御装置8は、ルーパ電動
機7のトルクTL を制御する。なおトルク制御装置8は
電流制御装置であっても等価であり、トルク定数φを介
してトルクと電流を次式で相互に変換することができ
る。 (トルク)=(トルク定数φ)×(電流) (27) ルーパ電動機がある速度で回転することによりルーパが
上昇、下降し、ルーパ角度θとなって、ルーパ角度検出
器6で検出される。またルーパに取り付けられたロード
セル5により、ルーパに印加される荷重FL が検出され
る。
【0036】一方iスタンドのロールは、圧延機駆動電
動機(以下、主機という)11により駆動され、主機1
1の速度は主機速度検出器14により検出される。主機
11を所望の速度にするべく主機速度制御装置(SC)
13が検出速度と速度指令値との差に応じた主機トルク
指令値を主機トルク制御装置(CC)12に加え、主機
トルク制御装置12は、主機11のトルクG(圧延トル
ク)を所望の値に制御する。なおトルク制御装置12は
電流制御装置であっても等価であることはルーパ電動機
の場合と同様である。一般にルーパ制御では、ルーパ制
御手段15に対して演算された張力tf 及び検出された
ルーパ角度θを入力すると、ルーパ制御手段15は設定
手段16により設定される張力目標値及びルーパ角度目
標値になるように、主機速度指令値を主機速度制御装置
13に加え、ルーパ速度指令値をルーパ速度制御装置9
に加える。張力演算手段17はそのための張力tf を演
算してルーパ制御手段15に加える。なお、張力演算手
段17以外の各構成要素については既に提案されて公知
であるのでこれらの説明を省略し、張力演算手段17に
ついて、その詳細な構成を示す図2を用いて説明する。
周知の如く、ルーパを設置する環境は水、熱水、蒸気等
が存在し、測定装置を設置する観点からすれば極めて悪
環境である。従って、ルーパに加わる荷重を検出するロ
ードセルを設置し難い場合がある。そのため、圧延材張
力を演算する装置としてルーパに加わる荷重に基づいて
張力を演算する機能だけてなく、ルーパ電動機のトルク
又はルーパ油圧装置の圧力に基づいて張力を演算する機
能をも備えるとが多く、既設の装置構成に応じていずれ
か一方、又は両方を選択使用するのが実情であった。こ
こでは、これら二つの機能を備えたものについて説明す
る。
【0037】図2において、ルーパに取付けられたロー
ドセル5による荷重検出信号の経路にノイズ除去用のフ
ィルタ21が設けられ、このフィルタ21の出力信号が
張力演算手段A22に加えられる。これらのフィルタ2
1及び張力演算手段A22には、それぞれルーパ角度検
出器6で検出されたルーパ角度信号も加えられる。そし
て、張力演算手段A22は、前述した(1) 式から(12)式
までの各式を用いてユニット張力tf を演算する。ま
た、ルーパ電動機のトルク検出信号の経路にノイズ除去
用のフィルタ23が設けられ、このフィルタ23の出力
信号が張力演算手段B24に加えられる。これらのフィ
ルタ23及び張力演算手段B24には、それぞれルーパ
角度検出器6で検出されたルーパ角度信号も加えられ
る。そして、張力演算手段B24は、前述した(13)式か
ら(19)式までの各式を用いてユニット張力tf を演算す
る。また、張力演算手段A22の出力信号経路にその大
きさを制限するリミッタ25が設けられ、同様に、張力
演算手段B24の出力信号経路にその大きさを制限する
リミッタ26が設けられている。
【0038】フィルタ21及び23として、下式で表現
される一次遅れフィルタを使用することができる。 xF (k)=f・xF (k−1)+(1−f)xA (k) (28) ここで、 k:ディジタル演算における第k番目の演算であること
を示す変数 xF :フィルタを通過した後の値 xA :実績値(ルーパロードセル荷重、トルク、又は圧
力) f :フィルタ定数で、次式で表される。
【0039】
【数5】 S :演算周期(s) TF :フィルタの一次遅れ時定数(s) フィルタの一次遅れ時定数TF を大きくすることによっ
てフィルタが強くかかり、ノイズなどを除去する効果が
大きくなるが、反面実績値との位相差が大きくなる。
【0040】図3にルーパ角度と一次遅れ時定数TF
の選び方の例を示す。図3(a)は直線関数状に変化す
るものを示し、図3(b)は階段状に変化するものを示
している。ともにルーパ角度が推奨値θREF よりも一定
値以上小さいときはフィルタの一次遅れ時定数を大きく
してノイズなどの誤差要因を取り除くものとしている。
ただし前述のように、パスラインと圧延材とのなす角度
α,βが0になると演算される張力が無限大になること
は避けられないので、張力演算手段A22、張力演算手
段B24の出力段にそれぞれリミッタ25,26を設置
している。これらのリミッタの制限値としては、下限が
0、上限が張力目標値の2〜4倍程度に設ければ、操業
上の問題はない。前述したとおり、使用者は張力演算手
段A22によるユニット張力tf と、張力演算手段B2
4によるユニット張力tf とを選択して使用することに
なる。
【0041】かくして、本実施例によれば、時定数が可
変のフイルタを、張力演算に供するルーパ荷重又はルー
パ電動機トルクの検出信号経路に設け、ルーパ角度の小
さい場合にその時定数を大きくしたので、ルーパ角度が
小さい場合においても張力演算の精度を高めることがで
きる。
【0042】なお、上記実施例では、ルーパ角度に応じ
て時定数が直線関数状、又は、階段状に変化するものに
ついて説明したが、推奨値θREF から予め定められた一
定値以上小さくなった時に、時定数が一段階だけ大きく
なるものであってもよく、例えば、推奨値θREF から予
め定められた一定値以上小さくなった時に高周波を阻止
するフィルタを挿入するようにしても、相当の効果が得
られる。
【0043】図4は本発明に係るタンデム圧延機の制御
装置の第2実施例の構成を示すブロック図である。図4
において、参照符号1〜6を付した要素、及び参照符号
11〜16を付した要素はそれぞれ図1に示したものと
同一であるのでその説明を省略する。この実施例はルー
パ4を油圧シリンダ18で駆動する、いわゆる、油圧ル
ーパを第iスタンド圧延機2a及び第i+1スタンド圧
延機2b間に配置したものであり、油圧シリンダ18の
圧力を弁制御装置19によって制御するようになってい
る。弁制御装置19としては一般に応答の速いサーボ弁
が使用される。そして、その弁開度は所望の圧力になる
ように圧力制御装置20により、弁開度指令値を演算
し、弁制御装置19に加える。ルーパ制御手段15にお
いては、演算された張力tf 及び検出されたルーパ角度
θを入力し、設定手段16により設定される張力目標値
とルーパ角度目標値になるように、主機速度指令値を演
算して主機速度制御装置13に加え、圧力指令値を演算
して圧力制御装置20に加える。張力演算手段17は、
図2及び図3を用いて説明した張力演算手段17に加え
たルーパ電動機トルクTL の検出信号に代えて、油圧シ
リンダ18の圧力PL の検出信号を加えるようにしたも
ので、これ以外の構成は図2及び図3を用いて説明した
ものと同一であるため、詳しい説明を省略する。ただ
し、張力演算手段B24は前述した(20)式から(26)式ま
での各式を用いてユニット張力tf を演算する。
【0044】かくして、本実施例によれば、時定数が可
変のフイルタを、張力演算に供するルーパ荷重又はルー
パ油圧装置の圧力の検出信号経路に設け、ルーパ角度の
小さい場合にその時定数を大きくしたので、ルーパ角度
が小さい場合においても張力演算の精度を高めることが
できる。
【0045】図5は本発明に係るタンデム圧延機の制御
装置の第3実施例の構成を示すブロック図である。図5
中、第1実施例を示した図1と同一の要素には同一の符
号を付してその説明を省略する。ここでは、第iスタン
ド圧延機2aのロードセル3aによる圧延荷重Pの検出
信号と、主機11の圧延トルクGの検出信号とを張力演
算手段17aに加えるようにした点が図1と構成を異に
している。張力演算手段17aの詳細な構成を図6に示
す。図6において、ブロック21から24までは、図1
と同様の構成のものを用いているが、フィルタ21,2
3は必ずしも必要ではない。そこで、フィルタを使用し
ないときは、(29)式の一次遅れ時定数を0とすること
で、フィルタなしと等価になる。
【0046】ブロック27は本発明の第2の張力演算手
段に対応する張力演算手段Cであり、その張力演算方法
を以下に説明する。圧延機の圧延荷重P、圧延トルク
G、張力、トルクアームとの関係式は(30),(31),(32)
式で表される。 Pi =Pi0−αi i −βi i-1 (30) Gi =Gi0−γi i −δi i-1 (31) Gi0=Ai0・Pi0 (32) ここで、iはスタンド番号、添字0は無張力時の値、t
i はiスタンドの前方張力、ti-1 はiスタンドの後方
張力、Aはトルクアーム、αi ,βi は張力の圧延荷重
に及ぼす影響係数、γi ,δi は張力の圧延トルクに及
ぼす影響係数を表す。
【0047】影響係数αi ,βi は実測値による解析な
どから求めるものとするが、γi ,δi は次式で計算で
きる。 γi =−Ai ・Ri (33) δi =−Ai-1 ・Ri (34) ここで、Aは材料断面積、Rはワークロール半径であ
る。張力演算手段C27の演算開始タイミングは、ルー
パ角度θが一定値θ0 より小さくなった時点(時刻t0
とする)とし、θがθ0 より大きくなったときは張力演
算手段C27の演算処理を終了する。
【0048】このタイミングt0 で圧延荷重Pi 、圧延
トルクGi 、前方張力ti をロックオン(記憶)する
が、ロックオンは時刻t0 から制御ピッチTS をn回遡
った時点からのn個のデータの平均値を用いる。従って
常にn個の圧延荷重Pi 、圧延トルクGi 、前方張力t
i のデータを蓄えておく必要がある。これらのデータ
は、切替スイッチ29により、張力演算手段A22又は
張力演算手段B24のいずれか一方のものが選択され
る。なお本実施例では、後方張力ti-1 は、設定手段1
6により与えられる(i−1)スタンドとiスタンドと
の間の張力目標値を用いることとする。この代わりに、
実績値を用いてもよいことは言うまでもない。
【0049】これらのロックオン値Pi ,Gi を用い
て、無張力時の圧延荷重Pi0、圧延トルクGi0を次式に
よって計算する。 Pi0=Pi +αi i +βi i-1 (35) Gi0=Gi +γi i +δi i-1 (36) 圧延状態の変化に応じて、無張力時の圧延荷重Pi0と圧
延トルクGi0は変化するので、次式によって補正する。 Gi0 M =Gio+Yi ΔXi (37) Pi0 M =Pi0+Zi ΔXi (38) ここで、Xi は圧延状態を表す量のベクトルで、(39)式
で表され、Δはロックオン値からの偏差を示し、(40)式
と書ける。
【0050】
【数6】 i0,hi0,ki0はロックオン値であり、ロックオンの
方法は、前述のごとく時刻t0 から制御ピッチTS をn
回遡った時点からのn個のデータの平均値を用いる。Y
i とZi は影響係数のベクトルで、それぞれ(41),(42)
式で表される。
【0051】
【数7】 変形抵抗Ki はたとえば以下の式で計算することができ
る。
【0052】
【数8】 ここで、Ri ′は偏平ロール半径(mm)、QP は圧下
力関数である。(37),(38)式からトルクアーム係数Ai0
M を計算する。 Ai0 M =Gi0 M /Pi0 M (44) 第3の張力演算手段C27による張力tfi2 の計算は次
式を用いる。
【0053】
【数9】 また、張力演算手段17aは、張力演算手段A22又は
張力演算手段B24及び張力演算手段C27でそれぞれ
演算された張力と、ルーパ角度θとを用いてユニット張
力tf を求める張力合成手段28を備える。この張力合
成手段28は次のように実現する。張力演算手段A22
及び張力演算手段B24によって演算された張力のう
ち、いずれか一方の張力をtf1とし、張力演算手段C2
7による張力をtf2とする。張力合成手段28では、C
及び(1−C)を重み係数として、次式を用いてこれら
の張力を合成すると共に、ルーパ角度θが小さいときは
f1よりtf2の比重を大きくし、ルーパ角度が大きいと
きは、tf1よりtf2の比重を小さくする。 tf =(1−C)・tf1+C・tf2 (46) C=(θ0 −θ)/(θ0 −θMIN ) (47) 但しθ≧θ0 では、C=0 ここで、θMIN はルーパ角度の最小値である。(47)式で
はCを直線で連続的に変更するようにしたが、階段状な
ど他の形態で変化させてもよい。
【0054】これらの張力演算のタイミングをまとめる
と図7のように例示することができる。図中、(a)は
ルーパ角度θの変動例、(b)は(a)に対応する張力
検出手段A又はBによる張力の変動例、(c)は(a)
に対応する張力演算手段Cによる張力の変動例、(d)
は張力合成手段28により合成された張力の変動例であ
る。上述した張力演算手段A又はBによる張力は、ルー
パ角度が大きい場合は、精度良く張力を演算できるが、
ルーパ角度が小さいときは精度が悪くなる。一方張力演
算手段Cによる張力は、水平方向の向きを持つ張力を、
水平方向の荷重、トルクによって計算しようとする方法
であるため、張力演算手段A又はBのような問題はない
が、従来から無張力時の圧延荷重、圧延トルクの推定の
精度が上がらないと言う問題点があった。しかし上記の
ようにルーパ角度が小さくなる場合のみ演算することに
より、しきい値θ0 より小さくなる直前までの張力を利
用できるため、無張力時の圧延荷重、圧延トルクの推定
の精度が向上する。このようにそれぞれの短所を補完し
てよりよい張力演算精度を保つことができる。
【0055】図8は本発明に係るタンデム圧延機の制御
装置の第4実施例の構成を示すブロック図である。図8
中、第3実施例を示した図5と同一の要素には同一の符
号を付してその説明を省略する。この実施例はルーパ4
を油圧シリンダ18で駆動するタンデム圧延機に適用す
るもので、図5に示したルーパ電動機トルクTL の検出
信号に代えて、油圧シリンダ18の圧力PL の検出信号
を張力演算手段17aに加えるようにしたものである。
ルーパ電動機トルクTL の代わりに油圧シリンダ18の
圧力PL を用いた張力演算方法は、図4に示す第2の実
施例において説明したとおりであり、張力演算手段17
aはこの演算方法に従って張力演算を実行すると共に、
図5,6,7を用いて説明したと同様の張力合成を行っ
てユニット張力tf を演算する。
【0056】かくして、本実施例においても、無張力時
の圧延荷重、圧延トルクの推定の精度を向上させること
ができる。
【0057】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明によれば、張力の演算に供するルーパの荷重、ルー
パ電動機のトルク又はルーパ油圧装置の各検出信号経路
に、時定数が可変のフィルタを設けると共に、ルーパ角
度が小さくなるほど時定数を大きくすることにより、ル
ーパ角度が小さくなった場合でも測定誤差の影響を受け
難くすることができ、張力の演算精度を高めることがで
きる。
【0058】また、ルーパに設置したロードセルによる
荷重及びルーパ電動機トルク又はルーパ油圧装置の圧力
から得られる第1の演算張力と、圧延荷重と圧延トルク
から得られる2の演算張力とにそれぞれ重み係数を乗じ
て合成すると共に、ルーパ角度が大きいときは精度の良
い第1の演算張力に対する重み係数を大きくし、ルーパ
角度が一定値以下になった場合、ルーパ角度が小さくな
るほど第2の張力演算手段の張力に対する重み係数を大
きくして二つを合成しているので、ルーパ角度が小さい
場合の張力演算精度の劣化を防ぐことができる。この結
果張力演算において、演算した張力が過大な値を示すこ
とがなくなり、安定した張力制御及び圧延操業を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の全体構成を示すブロ
ック図。
【図2】図1に示した実施例の主要素の詳細な構成を示
すブロック図。
【図3】図1に示した実施例を構成するフィルタの時定
数の変更状態を示した線図。
【図4】本発明に係る第2実施例の全体構成を示すブロ
ック図。
【図5】本発明に係る第3実施例の全体構成を示すブロ
ック図。
【図6】図5に示した実施例の主要素の詳細な構成を示
すブロック図。
【図7】図5に示した実施例の動作を説明するために時
間と張力との関係を示した線図。
【図8】本発明に係る第4実施例の全体構成を示すブロ
ック図。
【図9】圧延材張力の演算方法を説明するために、ルー
パ、圧延材及び圧延機間の幾何学的関係を示した図。
【図10】圧延材張力の演算方法を説明するために、油
圧ルーパの構成を示した図。
【符号の説明】
1 圧延材 2a 第iスタンド圧延機 2b 第i+1スタンド圧延機 3a,3b 圧延機のロードセル 4 ルーパ 5 ルーパロードセル 6 ルーパ角度検出器 7 ルーパ電動機 8 ルーパトルク制御装置 9 ルーパ速度制御装置 10 ルーパ速度検出器 11 圧延機駆動電動機(主機) 12 主機トルク制御装置 13 主機速度制御装置 14 主機速度検出器 15 ルーパ制御手段 16 設定手段 17,17a 張力演算手段 18 油圧シリンダ 19 弁制御装置 20 圧力制御装置 21,23 フィルタ 22 張力演算手段A 24 張力演算手段B 27 張力演算手段C 28 張力合成手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ルーパ電動機によって駆動されるルーパが
    圧延スタンド間に配置されたタンデム圧延機の圧延材張
    力を演算する方法であって、前記ルーパの角度、前記ル
    ーパに加わる荷重又は前記ルーパ電動機のトルクを検出
    し、検出された前記ルーパの角度が所定値よりも小さい
    領域で、前記ルーパに加わる荷重又は前記ルーパ電動機
    のトルクの各検出信号に対して、前記ルーパの角度が小
    さくなるほど高周波成分を強く除去するフィルタ処理を
    実行し、検出信号に対してフィルタ処理が実行された前
    記ルーパに加わる荷重又は前記ルーパ電動機のトルクに
    基づいて当該スタンド間の圧延材張力を演算するタンデ
    ム圧延機の張力演算方法。
  2. 【請求項2】ルーパ油圧装置によって駆動されるルーパ
    が圧延スタンド間に配置されたタンデム圧延機の圧延材
    張力を演算する方法であって、前記ルーパの角度、前記
    ルーパに加わる荷重又は前記ルーパ油圧装置に加わる圧
    力を検出し、検出された前記ルーパの角度が所定値より
    も小さい領域で、前記ルーパに加わる荷重又は前記ルー
    パ油圧装置に加わる圧力の各検出信号に対して、前記ル
    ーパの角度が小さくなるほど高周波成分を強く除去する
    フィルタ処理を実行し、検出信号に対してフィルタ処理
    が実行された前記ルーパに加わる荷重又は前記ルーパ駆
    動装置に加わる圧力に基づいて当該スタンド間の圧延材
    張力を演算するタンデム圧延機の張力演算方法。
  3. 【請求項3】ルーパ電動機によって駆動されるルーパが
    圧延スタンド間に配置されたタンデム圧延機の圧延材張
    力を演算する方法であって、前記ルーパの角度、前記ル
    ーパに加わる荷重又は前記ルーパ電動機のトルク、前記
    ルーパから見て、上流側スタンドの圧延荷重及び圧延ト
    ルクを検出し、検出された前記ルーパの角度及び前記ル
    ーパに加わる荷重又は前記ルーパ電動機のトルクに基づ
    いて当該スタンド間の圧延材張力を演算して第1の演算
    張力とし、演算された圧延材張力及び当該スタンドより
    一つ上流のスタンド間の張力目標値とに基づいて前記上
    流側スタンドの無張力時の圧延荷重及び圧延トルクを推
    定し、推定された圧延荷重及び圧延トルクと実測した前
    記圧延荷重及び圧延トルクとにより当該スタンド間の圧
    延材張力を演算して第2の演算張力とし、演算された二
    つの張力にそれぞれ重み係数を乗じると共に、検出され
    たルーパの角度が大きい場合は、前記第1の演算値力に
    対する重み係数を前記第2の演算張力に対する重み係数
    より大きくして二つの張力を合成し、検出されたルーパ
    角度が小さい場合は、前記第1の演算張力に対する重み
    係数を前記第2の演算張力に対する重み係数より小さく
    して二つの張力を合成し、合成された圧延材張力を当該
    スタンド間の実際の圧延材張力とするタンデム圧延機の
    張力演算方法。
  4. 【請求項4】ルーパ油圧装置によって駆動されるルーパ
    が圧延スタンド間に配置されたタンデム圧延機の圧延材
    張力を演算する方法であって、前記ルーパの角度、前記
    ルーパに加わる荷重又は前記ルーパ油圧装置に加わる圧
    力、前記ルーパから見て、上流側スタンドの圧延荷重及
    び圧延トルクを検出し、検出された前記ルーパの角度及
    び前記ルーパに加わる荷重又は前記ルーパ油圧装置に加
    わる圧力に基づいて当該スタンド間の圧延材張力を演算
    して第1の演算張力とし、演算された圧延材張力及び当
    該スタンドより一つ上流のスタンド間の張力目標値とに
    基づいて前記上流側スタンドの無張力時の圧延荷重及び
    圧延トルクを推定し、推定された圧延荷重及び圧延トル
    クと実測した前記圧延荷重及び圧延トルクとにより当該
    スタンド間の圧延材張力を演算して第2の演算張力と
    し、演算された二つの張力にそれぞれ重み係数を乗じる
    と共に、検出されたルーパの角度が大きい場合は、前記
    第1の演算値力に対する重み係数を前記第2の演算張力
    に対する重み係数より大きくして二つの張力を合成し、
    検出されたルーパ角度が小さい場合は、前記第1の演算
    張力に対する重み係数を前記第2の演算張力に対する重
    み係数より小さくして二つの張力を合成し、合成された
    圧延材張力を当該スタンド間の実際の圧延材張力とする
    タンデム圧延機の張力演算方法。
  5. 【請求項5】ルーパ電動機によって駆動されるルーパが
    圧延スタンド間に配置されたタンデム圧延機を制御する
    装置であって、前記ルーパの角度を検出する角度検出手
    段と、前記ルーパに加わる荷重又は前記ルーパ電動機の
    トルクを検出する荷重又はトルク検出手段と、検出され
    た前記ルーパの角度及び前記ルーパに加わる荷重又は前
    記ルーパ電動機のトルクに基づいて当該スタンド間の圧
    延材張力を演算する張力演算手段と、張力の演算に供す
    る前記荷重又は前記トルクの検出信号経路に設けられ、
    時定数が可変で、かつ、前記ルーパの角度が小さくなる
    ほど時定数が大きくなるように前記ルーパの角度に応じ
    て時定数を変更してノイズを除去するフィルタとを備
    え、前記張力演算手段によって演算された圧延材張力を
    用いて、上流側スタンドの圧延機駆動電動機の速度指令
    値及び前記ルーパ電動機の速度指令値を求めるタンデム
    圧延機の制御装置。
  6. 【請求項6】ルーパ油圧装置によって駆動されるルーパ
    が圧延スタンド間に配置されたタンデム圧延機を制御す
    る装置であって、前記ルーパの角度を検出する角度検出
    手段と、前記ルーパに加わる荷重又は前記ルーパ油圧装
    置に加わる圧力を検出する荷重又は圧力検出手段と、検
    出された前記ルーパの角度及び前記ルーパに加わる荷重
    又は前記ルーパ油圧装置の圧力に基づいて当該スタンド
    間の圧延材張力を演算する張力演算手段と、張力の演算
    に供する前記荷重又は前記圧力の検出信号経路に設けら
    れ、時定数が可変で、かつ、前記ルーパの角度が小さく
    なるほど時定数が大きくなるように前記ルーパの角度に
    応じて時定数を変更してノイズを除去するフィルタとを
    備え、前記張力演算手段によって演算された圧延材張力
    を用いて、上流側スタンドの圧延機駆動電動機の速度指
    令値及び前記ルーパ油圧装置の圧力指令値を求めるタン
    デム圧延機の制御装置。
  7. 【請求項7】ルーパ電動機によって駆動されるルーパが
    圧延スタンド間に配置されたタンデム圧延機を制御する
    装置であって、前記ルーパの角度を検出する角度検出手
    段と、前記ルーパに加わる荷重又は前記ルーパ電動機の
    トルクを検出する荷重又はトルク検出手段と、検出され
    た前記ルーパの角度及び前記ルーパに加わる荷重又は前
    記ルーパ電動機のトルクに基づいて当該スタンド間の圧
    延材張力を演算する第1の張力演算手段と、前記ルーパ
    から見て、上流側スタンドの圧延荷重を検出する荷重検
    出手段と、前記上流側スタンドの圧延トルクを検出する
    圧延トルク検出手段と、前記第1の張力演算手段によっ
    て演算された張力及び当該スタンドより一つ上流のスタ
    ンド間の張力目標値とに基づいて前記上流側スタンドの
    無張力時の圧延荷重及び圧延トルクを推定し、推定され
    た圧延荷重及び圧延トルクと実測した前記圧延荷重及び
    圧延トルクとにより当該スタンド間の圧延材張力を演算
    する第2の張力演算手段と、前記第1及び前記第2の張
    力演算手段によって演算された張力にそれぞれ重み係数
    を乗じると共に、検出されたルーパの角度が大きい場合
    は、前記第1の張力演算手段の張力に対する重み係数を
    前記第2の張力演算手段の張力に対する重み係数より大
    きくして二つの張力を合成し、検出されたルーパ角度が
    小さい場合は、前記第1の張力演算手段の張力に対する
    重み係数を前記第2の張力演算手段の張力に対する重み
    係数より小さくして、二つの張力を合成する張力合成手
    段とを備え、合成された圧延材張力を用いて、上流側ス
    タンドの圧延機駆動電動機の速度指令値及び前記ルーパ
    電動機の速度指令値を求めるタンデム圧延機の制御装
    置。
  8. 【請求項8】ルーパ油圧装置によって駆動されるルーパ
    が圧延スタンド間に配置されたタンデム圧延機を制御す
    る装置であって、前記ルーパの角度を検出する角度検出
    手段と、前記ルーパに加わる荷重又は前記ルーパ油圧装
    置に加わる圧力を検出する荷重又は圧力検出手段と、検
    出された前記ルーパの角度及び前記ルーパに加わる荷重
    又は前記ルーパ油圧装置に加わる圧力に基づいて当該ス
    タンド間の圧延材張力を演算する第1の張力演算手段
    と、前記ルーパから見て、上流側スタンドの圧延荷重を
    検出する荷重検出手段と、前記上流側スタンドの圧延ト
    ルクを検出する圧延トルク検出手段と、前記第1の張力
    演算手段によって演算された張力及び当該スタンドより
    一つ上流のスタンド間の張力目標値とに基づいて前記上
    流側スタンドの無張力時の圧延荷重及び圧延トルクを推
    定し、推定された圧延荷重及び圧延トルクと実測した前
    記圧延荷重及び圧延トルクとにより当該スタンド間の圧
    延材張力を演算する第2の張力演算手段と、前記第1及
    び前記第2の張力演算手段によって演算された張力にそ
    れぞれ重み係数を乗じると共に、検出されたルーパの角
    度が大きい場合は、前記第1の張力演算手段の張力に対
    する重み係数を前記第2の張力演算手段の張力に対する
    重み係数より大きくして二つの張力を合成し、検出され
    たルーパ角度が小さい場合は、前記第1の張力演算手段
    の張力に対する重み係数を前記第2の張力演算手段の張
    力に対する重み係数より小さくして、二つの張力を合成
    する張力合成手段とを備え、合成された圧延材張力を用
    いて、上流側スタンドの圧延機駆動電動機の速度指令値
    及び前記ルーパ電動機の速度指令値を求めるタンデム圧
    延機の制御装置。
JP7044297A 1995-03-03 1995-03-03 タンデム圧延機の張力演算方法及び制御装置 Pending JPH08238513A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7044297A JPH08238513A (ja) 1995-03-03 1995-03-03 タンデム圧延機の張力演算方法及び制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7044297A JPH08238513A (ja) 1995-03-03 1995-03-03 タンデム圧延機の張力演算方法及び制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08238513A true JPH08238513A (ja) 1996-09-17

Family

ID=12687578

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7044297A Pending JPH08238513A (ja) 1995-03-03 1995-03-03 タンデム圧延機の張力演算方法及び制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08238513A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010061655A (ko) * 1999-12-28 2001-07-07 이구택 열간 사상 압연 루퍼의 응답제어장치 및 그 제어방법
CN109351784A (zh) * 2018-11-02 2019-02-19 马鞍山钢铁股份有限公司 一种涉及热轧带钢头部的活套控制方法
CN114453432A (zh) * 2022-01-06 2022-05-10 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 一种带钢精轧设备的控制方法及装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010061655A (ko) * 1999-12-28 2001-07-07 이구택 열간 사상 압연 루퍼의 응답제어장치 및 그 제어방법
CN109351784A (zh) * 2018-11-02 2019-02-19 马鞍山钢铁股份有限公司 一种涉及热轧带钢头部的活套控制方法
CN114453432A (zh) * 2022-01-06 2022-05-10 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 一种带钢精轧设备的控制方法及装置
CN114453432B (zh) * 2022-01-06 2023-12-01 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 一种带钢精轧设备的控制方法及装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08238513A (ja) タンデム圧延機の張力演算方法及び制御装置
US4907434A (en) Method and device for controlling strip thickness in rolling mills
SE505470C2 (sv) Metod för reglering av reverseringsvalsning vid korsvalsningsstolar
JP4210481B2 (ja) タンデム圧延機の張力制御装置
JP3589226B2 (ja) 被圧延材の蛇行制御方法
JP3826762B2 (ja) 板厚制御方法
JP3942356B2 (ja) リバース式圧延機における板厚制御装置
JP2510506B2 (ja) 熱間帯鋼連続仕上圧延機のスタンド間張力制御方法及び装置
JP3348540B2 (ja) タンデムミルの制御方法
JP3389903B2 (ja) 金属帯の圧延制御方法
JPH1058024A (ja) 熱間連続圧延における圧延材張力測定・制御方法
JP2960011B2 (ja) 圧延における加減速時の板厚制御方法および制御装置
JP2518746B2 (ja) 熱間圧延制御方法
JP2697723B2 (ja) 熱間連続圧延方法
JPS60199513A (ja) 圧延時における板の蛇行修正制御方法
JPS58122111A (ja) 圧延機の制御方法および装置
JP3085858B2 (ja) 圧延機制御装置
JP2763490B2 (ja) 圧延機のスタンド間張力制御方法
JP3495846B2 (ja) 連続圧延機の制御装置
JPS59144507A (ja) 圧延の加減速時における鋼板形状制御方法
JPH05146811A (ja) 熱間連続仕上圧延機のルーパレス圧延方法
JPH07106376B2 (ja) 多段クラスタ圧延機における板形状制御方法
JPH0231602B2 (ja)
JP2004009083A (ja) 板幅制御方法、冷延金属板製造方法、及び、冷間圧延装置
JPH0815611B2 (ja) 圧延機の張力制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040213

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees