JPH0823835A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

魚釣用スピニングリール

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JPH0823835A
JPH0823835A JP17585694A JP17585694A JPH0823835A JP H0823835 A JPH0823835 A JP H0823835A JP 17585694 A JP17585694 A JP 17585694A JP 17585694 A JP17585694 A JP 17585694A JP H0823835 A JPH0823835 A JP H0823835A
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line
fishing
fishing line
roller
spinning reel
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Kyoichi Kaneko
京市 金子
Eiji Shinohara
英二 篠原
Masatoshi Katayama
真敏 片山
Wataru Tsutsumi
わたる 堤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、魚釣用スピニングリールに関し、
釣糸の糸巻径の影響を受けることなく糸縒れの蓄積をな
くして釣糸の糸絡みを防止し、魚釣操作性の向上を図っ
た魚釣用スピニングリールを提供することを目的とす
る。 【構成】 請求項1に係る発明は、リール本体に回転可
能に装着されたロータと、リール本体にスプール軸を介
して支持され、手動ハンドルによるロータの回転で釣糸
が巻回されるスプールと、ロータに支持部材を介して取
り付き、巻取り操作時に釣糸をスプールに案内するライ
ンローラを備えた魚釣用スピニングリールに於て、上記
支持部材に、ラインローラの中心方向へ突出し、釣糸の
巻取り操作時に釣糸が接触可能なガイド部を設けると共
に、ラインローラの釣糸案内部を、支持部材側からロー
タの釣糸巻取り回転方向へ順次大径に形成したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、釣糸の糸縒れに起因す
る魚釣操作時の糸絡み等を防止した魚釣用スピニングリ
ールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多くの魚釣用スピニングリール
は、図32に示すようにロータ1に設けた一対のベール
支持アーム3の先端部に、半環状のベール5が、ライン
ローラ7を有するベールアーム9とベールホルダー(図
示せず)を介して釣糸巻取位置側(図中、A側)と釣糸
放出位置側(図中、B側)へ、夫々、反転自在に取り付
けられている。
【0003】そして、ベール5を釣糸巻取位置側へ倒し
て、リール本体11に装着した手動ハンドル13の操作
でロータ1を釣糸巻取り回転方向(図中、矢印C方向)
へ回転させると、ロータ1の回転に連動して前後方向へ
トラバース運動するスプール15に釣糸が巻回され、
又、ベール5を釣糸放出位置側へ倒して仕掛けを投擲す
ると、スプール15に巻回された釣糸がスパイラル状に
繰り出されるようになっている。尚、図中、17はリー
ル本体11に一体成形された取付脚である。
【0004】ところで、従来、スプール15への釣糸の
巻取りに伴い、釣糸に糸縒れが生じることが知られてい
る。即ち、図33に示すように、従来、多くのラインロ
ーラ7は釣糸案内部7aが鼓状に形成されており、通
常、静止状態に於て釣糸19はラインローラ7の中心m
に位置している。
【0005】ところが、手動ハンドル13の操作で釣糸
19をスプール15に巻き取ると、ラインローラ7の中
心mにあった釣糸19は二点鎖線で示すようにロータ1
の釣糸巻取り回転方向と反対側、即ち、矢印D方向へ移
動する。そして、ラインローラ7の曲面と釣糸19との
摩擦はラインローラ7の大径側の方が強いため、釣糸1
9に矢印E方向への糸縒れが生じる。そして、スプール
15から釣糸19を繰り出す際にも、同方向への糸縒れ
が釣糸19に発生することが知られている。
【0006】そのため、釣糸19の巻取りや繰出しによ
って同方向の糸縒れが釣糸19に蓄積されてしまい、斯
様に釣糸19に糸縒れが蓄積されると魚釣操作中に糸絡
みが発生し、又、長期に亘る使用によって釣糸19が切
れてしまう虞があった。
【0007】そこで、斯かる不具合を解決するため、昨
今では、図34及び図35に示すようにベールアーム2
1の先端部21aをコ字状に成形して、当該先端部21
aに、ラインローラ23の中心nよりスプール25側に
釣糸27を寄らせる制御部材29を装着したスピニング
リール31が実公平3−17661号公報に開示されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、図36に示
すようにスプール25に巻回される釣糸27の糸巻径
は、釣糸27の繰出し量や巻取り量によって変化する。
【0009】そして、上記スピニングリール31にあっ
ても、ロータ33の回転でスプール25に巻回された釣
糸27の糸巻径が大きくなると、図37に示すようにラ
インローラ23の中心に当接していた釣糸27が矢印D
方向へ移動するため、図33で示したように釣糸27の
繰出し時に生ずる糸縒れと同方向(矢印E方向)の糸縒
れが釣糸27に作り出されてしまうこととなる。
【0010】このように、実公平3−17661号公報
に開示された魚釣用スピニングリールにあっては、スプ
ール25に巻回される釣糸27の糸巻径の影響を受け、
必ずしも所期の目的を達成することができないといった
欠点が指摘されている。
【0011】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、釣糸の糸巻径の影響を受けることなく糸縒れの蓄積
をなくして釣糸の糸絡みを防止し、魚釣操作性の向上を
図った魚釣用スピニングリールを提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、リール本体に回転可能に装
着されたロータと、リール本体にスプール軸を介して支
持され、手動ハンドルによるロータの回転で釣糸が巻回
されるスプールと、上記ロータに支持部材を介して取り
付き、釣糸の巻取り操作時に当該釣糸をスプールに案内
するラインローラを備えた魚釣用スピニングリールに於
て、上記支持部材に、ラインローラの中心方向へ突出
し、釣糸の巻取り操作時に釣糸が接触可能なガイド部を
設けると共に、ラインローラの釣糸案内部を、支持部材
側からロータの釣糸巻取り回転方向へ順次大径に形成し
たことを特徴とする。
【0013】そして、請求項2に係る発明は、請求項1
記載の魚釣用スピニングリールに於て、ガイド部をライ
ンローラの軸線を中心に環状に形成したものである。
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載
の魚釣用スピニングリールに於て、ガイド部が支持部材
に固着されていることを特徴とし、請求項4に係る発明
は、請求項2記載の魚釣用スピニングリールに於て、ガ
イド部が支持部材に回転可能に取り付けられていること
を特徴とする。
【0014】
【作用】各請求項に記載の魚釣用スピニングリールによ
れば、手動ハンドルの操作でロータを釣糸巻取り方向へ
回転させると、トラバース運動するスプールに釣糸が巻
回され、このとき、ラインローラに案内される釣糸はロ
ータの釣糸巻取り回転方向と反対側へ移動しようとする
が、ガイド部が釣糸に接触してその移動を規制する。
【0015】そして、ラインローラはロータの釣糸巻取
り回転方向へその釣糸案内部が順次大径に形成されてい
るため、ラインローラと釣糸との摩擦はラインローラの
大径側に於て強く、その結果、投擲時に生じる糸縒れと
反対方向の糸縒れが釣糸に発生してスプールに巻回され
ることとなる。そして、斯様に生じた釣糸の糸縒れは、
仕掛けの投擲時に相殺されて解消されることとなる。
【0016】又、釣糸の巻取りに伴い糸巻径が大きくな
ると、ラインローラに当接している釣糸はロータの釣糸
巻取り回転方向と反対側へ順次移動するが、同様にガイ
ド部がラインローラに案内される釣糸に接触してその移
動を規制し、釣糸を常にラインローラの中心方向へ保持
する。
【0017】そして、請求項4に係る魚釣用スピニング
リールにあっては、ラインローラとは別に、ガイド部へ
の釣糸の接触による回転でガイド部がラインローラと同
方向へ同期しない状態で回転することとなる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1乃至図4は請求項1及び請求項3に係る
魚釣用スピニングリールの第一実施例を示し、図1に於
て、35はリール本体37に回転可能に装着されたロー
タで、当該ロータ35には一対のベール支持アーム39
が一体成形されている。そして、図2に示すようにベー
ル支持アーム39の先端に、半環状のベール41が、ラ
インローラ43を有するベールアーム(支持部材)45
とベールホルダー47を介して釣糸巻取位置側と釣糸放
出位置側へ反転自在に取り付けられている。
【0019】又、49はロータ35と同軸上に装着され
たスプールで、当該スプール49はリール本体37にト
ラバース運動可能に取り付くスプール軸(図示せず)に
支持されており、従来と同様、ベール41を釣糸巻取位
置側へ倒して手動ハンドル51の操作でロータ35を釣
糸巻取り回転方向(図1中、矢印C方向)へ回転させる
と、これに連動して前後方向へトラバース運動するスプ
ール49に釣糸53が巻回されるようになっている。
【0020】而して、本実施例に係るスピニングリール
55は、上述の如き従来と同様の構成に加え、以下の如
き特徴を有する。図3に示すようにベールアーム45に
は、ラインスライダー57がラインカバー59を介して
一体的に成形されている。そして、ベールアーム45と
ラインスライダー57との間にボルト61とラインワッ
シャ63を介してラインローラ43が固着されている
が、ラインローラ43は、両端部を除くその釣糸案内部
43aがベールアーム45側からラインスライダー57
側、即ち、ロータ35の釣糸巻取り回転方向へ順次大径
なテーパ状に形成されている。
【0021】又、図3及び図4に示すようにラインスラ
イダー57と対向するベールアーム45の先端は、ライ
ンローラ43の中心方向へ断面三角形状に突設されてい
る。そして、その頂部に、硬質なセラミックスからなる
丸棒状のガイド部65が固着されて当該ガイド部65が
ラインローラ43の中心方向へ突出した構造となってお
り、釣糸53の巻取り時に、ラインローラ43に案内さ
れる釣糸53に当該ガイド部65が接触してその移動を
規制し、釣糸53をラインローラ43の中心方向へ保持
するようになっている。
【0022】尚、上述したように、本実施例に於けるラ
インローラ43はロータ35の釣糸巻取り回転方向へ向
け順次大径なテーパ状に成形されているが、ラインロー
ラ43のテーパ角度として1°〜10°の範囲が考えら
れる。
【0023】然し、このテーパ角度の設定はリールのサ
イズにより設計段階で適宜設定されるものであり、何ら
斯かる数値に限定されるものではない。又、一般にライ
ンローラの材質としては種々のセラミックスや銅合金に
硬質メッキ処理を施した硬質材が多く使用されるが、上
記ラインローラ43もこのような硬質材で成形されてい
る。そして、上記ガイド部65はセラミックスの他、銅
合金に硬質メッキ処理を施したもの、或いはアルミ材に
硬質アルマイト処理や硬質メッキ処理を施したもの、更
にはステンレス材をイオンプレーティング処理したもの
等、種々の硬質材が選択使用される。但し、これらの材
料に限定されるものではない。
【0024】本実施例はこのように構成されているか
ら、従来と同様、ベール41を釣糸放出位置側へ倒して
仕掛けを投擲すると、スプール49に巻回された釣糸5
3がスパイラル状に繰り出され、そして、釣糸53は静
止状態に於て図5の如くラインローラ43の略中心に位
置する。
【0025】而して、斯かる状態で手動ハンドル51を
操作して釣糸53を巻き上げると、これに連動してトラ
バース運動するスプール49に釣糸53が巻回され、こ
のとき、ラインローラ43の略中心にあった釣糸53は
図5に示すように矢印D方向へ移動するが、ラインロー
ラ43に案内される釣糸53に上記ガイド部65が接触
してその移動を規制する。
【0026】そして、ラインローラ43は、その釣糸案
内部43aがロータ35の釣糸巻取り回転方向へ順次大
径となるテーパ状に形成されているため、ラインローラ
43と釣糸53との摩擦はラインローラ43の大径側に
於て強く、その結果、釣糸53には、図5に示すように
投擲時に生じる糸縒れと反対方向(矢印F方向)の糸縒
れが発生する。
【0027】又、図6に示すように釣糸53の巻取りに
伴って糸巻径が大きくなると、ラインローラ43の釣糸
案内部43aに当接している釣糸53は図5の矢印D方
向へ更に移動するが、この場合も、釣糸53には投擲時
に生じる糸縒れと反対方向の矢印F方向の糸縒れが発生
する。そして、斯様に生じた釣糸53の糸縒れは、投擲
時に発生する糸縒れと相殺されて解消されることとな
る。
【0028】更に、糸巻径の変化に伴い、ラインローラ
43の釣糸案内部43aに当接している釣糸53が矢印
D方向へ移動しても、上述したようにガイド部65がラ
インローラ43に案内される釣糸53に接触してその移
動を規制し、ラインローラ43とラインワッシャ63と
の間に釣糸53が絡まることを防止する。
【0029】このように、本実施例は、図32乃至図3
7で述べた従来の魚釣用スピニングリールの欠点を解消
して、釣糸53の巻取り時に、投擲時に生じる糸縒れと
反対方向の縒れを糸巻径の影響を受けることなく生じさ
せることができるので、釣糸53に糸縒れが蓄積されて
しまうことがない。
【0030】従って、本実施例によれば、釣糸53の糸
縒れに起因する糸絡みがなくなり、又、長期に亘る使用
によって釣糸53が切れてしまう虞もなくなり、魚釣用
スピニングリールの実用性が一段と向上することとなっ
た。
【0031】図7は請求項1及び請求項3に係る魚釣用
スピニングリールの第二実施例を示し、本実施例は、ボ
ルト61とラインワッシャ63を介してV字状のライン
ローラ66をベールアーム451とラインスライダー5
7の間に固着すると共に、ラインスライダー57と対向
するベールアーム451の先端部をラインローラ66の
略中心まで断面三角形状に突設して、その頂部にガイド
部65を固着したもので、ラインローラ66は、その中
心よりややベールアーム451側に谷部66aが形成さ
れている。
【0032】従って、釣糸53の巻取り時に、ラインロ
ーラ66に案内される釣糸53にガイド部65が接触し
て釣糸53の矢印D方向への移動を規制するが、ガイド
部65によって釣糸53は常時ラインローラ66の略中
心からラインスライダー57側に保持され、ラインロー
ラ66は、その略中心からラインスライダー57側のみ
が釣糸案内部として機能する。
【0033】そこで、本実施例では、ラインローラ66
を、その中心よりややベールアーム451側に谷部66
aが配置されたV字状として、当該谷部66aからライ
ンスライダー57側の釣糸案内部66bを、ロータ35
の釣糸巻取り回転方向(図中、矢印C方向)へ順次大径
なテーパ状に形成したものである。
【0034】尚、その他の構成は上記第一実施例と同様
であるので、同一のものには同一符号を付してそれらの
説明は省略する。本実施例はこのように構成されている
から、手動ハンドル51の操作でロータ35を釣糸巻取
り回転方向(矢印C方向)へ回転させると、ラインロー
ラ66に案内される釣糸53にガイド部65が接触して
釣糸53の矢印D方向への移動を規制するので、釣糸5
3はテーパ状に成形されたラインローラ66の釣糸案内
部66bに常時当接する。
【0035】そのため、上記第一実施例と同様、釣糸5
3には投擲時に生じる糸縒れと反対方向の糸縒れが発生
してスプール49に巻回される。又、スプール49に巻
回される釣糸53の糸巻径が大きくなると、釣糸案内部
66bに当接している釣糸53は矢印D方向へ順次移動
するが、ラインローラ66に案内される釣糸53にガイ
ド部65が接触してその移動を規制し、釣糸53をテー
パ状の釣糸案内部66bに保持することとなる。
【0036】このように、本実施例も、釣糸53の巻取
り操作時に、ラインローラ66に案内される釣糸53に
ガイド部65が接触して釣糸53を常にテーパ状の釣糸
案内部66bに保持するので、上記第一実施例と同様、
釣糸53の巻取り時に、釣糸53の糸巻径の影響を受け
ることなく、投擲時に生じる糸縒れと反対方向の縒れを
釣糸53に生じさせることが可能である。
【0037】図8乃至図10は請求項1及び請求項3に
係る魚釣用スピニングリールの第三実施例を示す。尚、
本実施例に於ても、発明部分を除く構成については上記
第一実施例と同様の構成とされているため、ここでは専
ら発明部分について説明し、同一のものには同一符号を
付してそれらの説明は省略する。
【0038】図8に於て、67は上記ベールアーム45
と同様、ベール支持アーム39の先端に取り付けられた
ベールアーム、69は図9に示すようにベールアーム6
7と別体に成形された断面略T字状のラインスライダー
で、その軸部69aがベールアーム67にボルト締めさ
れている。そして、当該軸部69aに、ベールアーム6
7方向へ順次縮径するように向きを設定してラインロー
ラ43が回転可能に取り付けられている。
【0039】又、図9中、71は上記ラインスライダー
69と共にベールアーム67にボルト締めされたセラミ
ックス製のガイド部で、その裏面に設けた突部73がベ
ールアーム67側の凹部75に係合して回止めが図られ
ている。
【0040】そして、図10に示すようにラインスライ
ダー69と対向するベールアーム67の先端部は円形形
状に形成され、又、ガイド部71もこれと同一径の円形
形状に形成されてベールアーム67に取り付けられてい
る。そして、ガイド部71の周縁部には、ラインローラ
43の中心方向へ突出する一片の円弧状のガイド突片7
1aが一体的に成形されており、釣糸53の巻取り操作
時に、ラインローラ43へ案内される釣糸53に当該ガ
イド突片71aが接触して釣糸53の移動を規制し、ラ
インローラ43の中心方向へ釣糸53を寄せるようにな
っている。
【0041】本実施例はこのように構成されており、本
実施例によっても、上記第一実施例と同様、所期の目的
を達成することが可能である。尚、上述した図1乃至図
4に示す実施例や図8乃至図10の実施例の如く、テー
パ形状のラインローラ43を用いた場合、ガイド部6
5,71のラインローラ43の中心方向への突出量は、
釣糸53の巻取り操作時に釣糸53に接触して糸絡みを
防止し、ラインローラ43の釣糸案内部へ釣糸53を案
内する機能を奏する程度の突出量であればよく、ガイド
部の突出量は上記各実施例のものに限定されない。
【0042】図11及び図12は請求項1及び請求項3
に係る魚釣用スピニングリールの第四実施例を示し、図
中、711は上記ガイド部71と同様、ラインスライダ
ー69と共にベールアーム67にボルト締めされたセラ
ミックス製のガイド部で、その裏面に設けた突部731
がベールアーム67側の凹部75に係合して回止めが図
られている。
【0043】そして、図12に示すようにガイド部71
1の周縁部には、ラインローラ43の中心方向へ突出す
る二片の円弧状のガイド突片711a,711bがライ
ンローラ43を挟んで一体的に成形されており、釣糸5
3の巻取り操作時に、一方のガイド突片711aがライ
ンローラ43に案内される釣糸53に接触して釣糸53
の矢印D方向への振れを規制し、又、他方のガイド突片
711bがラインローラ43からスプール49へ案内さ
れる釣糸53に接触して釣糸53の矢印D方向への振れ
を規制し、釣糸53を常時ラインローラ43の略中心位
置に保持するようになっている。
【0044】而して、本実施例によっても、手動ハンド
ル51の操作でロータ35を釣糸巻取り回転方向(矢印
C方向)へ回転させると、ラインローラ43に案内され
る釣糸53は釣糸巻取り回転方向と反対側の矢印D方向
へ移動しようとするが、上記ガイド突片711aがライ
ンローラ43に案内される釣糸53に接触してその移動
を規制し、釣糸53を常時ラインローラ43の略中心位
置に保持する。
【0045】又、釣糸53の巻取りに伴いスプール49
の糸巻径は変化するが、糸巻径が大きくなってラインロ
ーラ43に当接している釣糸53が矢印D方向へ移動し
ようとしても、ガイド突片711bがラインローラ43
からスプール49に案内される釣糸53に接触してその
移動を規制することとなる。
【0046】然も、ラインローラ43は釣糸巻取り回転
方向へ向け順次大径となるテーパ状に形成されているた
め、釣糸53の巻取りに伴い投擲時に生じる糸縒れと反
対方向の糸縒れが釣糸53に発生してスプール49に巻
回され、斯様に生じた釣糸53の糸縒れは、投擲時に発
生する糸縒れと相殺されて解消されることとなる。
【0047】このように、本実施例によっても、上記各
実施例と同様、釣糸53の巻取り時に、糸巻径の影響を
受けることなく投擲時に生じる糸縒れと反対方向の縒れ
を釣糸53に生じさせることができ、又、本実施例によ
れば、スプール49に巻回される釣糸53の糸巻径が変
化しても、ガイド突片711bがラインローラ43から
スプール49に案内される釣糸53に接触してその移動
を規制するため、上記各実施例に比し釣糸53がライン
ローラ43上で振れることがなくなる利点を有する。
【0048】図13乃至図17は請求項1乃至請求項3
に係る魚釣用スピニングリールの第一実施例を示す。
尚、上記各実施例と同一のものは同一符号を付してそれ
らの説明は省略する。
【0049】図13及び図14に於て、77はベール支
持アーム39の先端に取り付けられたベールアームで、
図8に示す実施例と同様、ベールアーム77に断面略T
字状のラインスライダー69の軸部69aがボルト締め
されている。そして、当該軸部69aに、ベールアーム
77方向へ順次縮径するように向きが設定されてライン
ローラ43が回転可能に取り付けられている。
【0050】又、図15乃至図17に示すように、ライ
ンローラ43を支持するベールアーム77の先端部は円
形形状に形成されているが、その周縁部はラインローラ
43のベールアーム77側端部を覆うようにラインロー
ラ43の軸線を中心にその中心方向へ環状に突設されて
いる。そして、その頂部に、硬質なセラミックスからな
る環状のガイド部79が固着されて当該ガイド部79が
ラインローラ43の中心方向へ突出しており、釣糸53
の巻取り操作時に、当該ガイド部79が釣糸53に接触
してその移動を規制し、釣糸53を常にラインローラ4
3の略中心位置に保持するようになっている。
【0051】本実施例はこのように構成されているか
ら、上記各実施例と同様、手動ハンドル51の操作でロ
ータ35を釣糸巻取り回転方向(矢印C方向)へ回転さ
せると、釣糸53には投擲時に生じる糸縒れと反対方向
の糸縒れが発生してスプール49に巻回され、このとき
釣糸53は矢印D方向へ移動しようとするが、ラインロ
ーラ43に案内される釣糸53に上記ガイド部79が接
触してその移動を規制する。
【0052】又、スプール49に巻回される釣糸53の
糸巻径が大きくなって、ラインローラ43の釣糸案内部
43aに当接している釣糸53は矢印D方向へ移動しよ
うとするが、上記ガイド部79が、ラインローラ43に
案内される釣糸53やラインローラ43からスプール4
9に案内される釣糸53に接触してその移動を規制し、
釣糸53を常時ラインローラ43の略中心位置に保持す
る。
【0053】このように、本実施例によっても、釣糸5
3の巻取り時に、糸巻径の影響を受けることなく投擲時
に生じる糸縒れと反対方向の縒れを釣糸53に生じさせ
ることができ、又、本実施例によれば、スプール49に
巻回される釣糸53の糸巻径の変化に拘らず、環状のガ
イド部79が釣糸53を常にラインローラ43の略中心
位置に保持するので、図11に示す実施例と同様、所期
の目的を達成することが可能となる。
【0054】図18及び図19は請求項1乃至請求項3
に係る魚釣用スピニングリールの第二実施例を示し、図
中、81はベールアーム、83はその軸部83aがベー
ルアーム81にボルト締めされた断面略T字状のライン
スライダーで、当該軸部83aにラインローラ85が回
転可能に支持されている。そして、当該ラインローラ8
5も、上記ラインローラ43と同様、両端部を除くその
釣糸案内部85aがベールアーム81側からラインスラ
イダー83側、即ち、ロータ35の釣糸巻取り回転方向
(矢印C方向)へ向け順次大径となるテーパ状に形成さ
れている。
【0055】又、ラインローラ85を支持するベールア
ーム81の先端部とラインスライダー83は円形形状に
成形されているが、ベールアーム81の先端部とライン
スライダー83の周縁部は、夫々、対向するようにライ
ンローラ43の軸線を中心にその中心方向へ環状に突設
されている。そして、それらの頂部に、硬質なセラミッ
クスからなる環状のガイド部87,89が固着されて両
ガイド部87,89がラインローラ85の中心方向へ突
出しており、釣糸53の巻取り操作時に、両ガイド部8
7,89が常時釣糸53に接触してその移動を規制し、
釣糸53を常にラインローラ85の中心位置に保持する
ようになっている。
【0056】尚、その他の構成は図1に示す実施例と同
様であるので、それらの説明は省略する。本実施例はこ
のように構成されているから、手動ハンドル51の操作
で釣糸53を巻き上げると、釣糸53には投擲時に生じ
る糸縒れと反対方向の糸縒れが発生してスプール49に
巻回されることとなる。又、釣糸53の糸巻径が大きく
なっても、両ガイド部87,89が釣糸53を常にライ
ンローラ85の中心位置に保持する。
【0057】従って、本実施例によっても、上記各実施
例と同様、釣糸53の巻取り時に、糸巻径の影響を受け
ることなく投擲時に生じる糸縒れと反対方向の縒れを釣
糸53に生じさせることができ、然も、本実施例によれ
ば、環状の両ガイド部87,89が釣糸53を常にライ
ンローラ85の中心位置に保持するので、図16に示す
実施例に比しラインローラ85上での釣糸53の振れを
より確実に防止できる利点を有する。
【0058】図20は請求項1乃至請求項3に係る魚釣
用スピニングリールの第三実施例を示す。尚、本実施例
に於ても、上記各実施例と同一のものは同一符号を付し
てそれらの説明は省略する。
【0059】図中、91はベールアームで、当該ベール
アーム91にラインスライダー69の軸部69aがボル
ト締めされている。そして、軸部69aに、ベールアー
ム91側へ順次縮径するように向きが設定されてライン
ローラ43が回転可能に支持されている。
【0060】又、図中、93は上記ラインスライダー6
9と共にベールアーム91にボルト締めされた環状のセ
ラミックス製のガイド部で、当該ガイド部93の周縁部
にはラインローラ43の中心方向へ突出するガイド突片
93aが一体的に成形されており、釣糸53の巻取り操
作時に、当該ガイド突片93aが釣糸53に接触してそ
の移動を規制し、釣糸53をラインローラ43の略中心
位置に保持するようになっている。
【0061】本実施例はこのように構成されているか
ら、手動ハンドル51の操作でロータ35を釣糸巻取り
回転方向(矢印C方向)へ回転させると、上記各実施例
と同様、釣糸53には投擲時に生じる糸縒れと反対方向
の糸縒れが発生してスプール49に巻回され、又、この
とき釣糸53は矢印D方向へ移動しようとするが、ライ
ンローラ43に案内される釣糸53やラインローラ43
を経てスプール49に案内される釣糸53にガイド突片
93aが接触してその移動を規制し、釣糸53を常時ラ
インローラ43の中心位置に保持することとなる。
【0062】従って、本実施例によっても、図18に示
す実施例と同様、釣糸53の巻取り時に、糸巻径の影響
を受けることなく、投擲時に生じる糸縒れと反対方向の
縒れを釣糸53に生じさせることができ、又、釣糸53
の糸巻径が変化しても環状のガイド部93が釣糸53を
常にラインローラ43の中心位置に保持するので、図1
の実施例に比し釣糸53がラインローラ43上で振れる
ことがない利点を有する。
【0063】図21及び図22は請求項1,請求項2及
び請求項4に係る魚釣用スピニングリールの第一実施例
を示し、図20に示す実施例では、ガイド部93をライ
ンスライダー69と共にベールアーム91に固定した
が、本実施例は、ガイド部をベールアームに回転可能に
取り付けたものである。
【0064】即ち、図中、95はベールアーム、97は
上記ガイド部93と同様、ラインローラ43の中心方向
へ突出するガイド突片97aが周縁部に一体成形された
環状のガイド部で、当該ガイド部97は、ラインスライ
ダー69の軸部69aと同一径を以ってベールアーム9
5に突設された円柱状の支持突部99に回転可能に支持
されている。そして、ガイド部97とラインスライダー
69との間に、上記軸部69aを介してラインローラ4
3が回転可能に取り付けられている。
【0065】又、図23は請求項1,請求項2及び請求
項4に係る魚釣用スピニングリールの第二実施例を示
し、本実施例は上記支持突部99に代え、ラインスライ
ダー69の軸部69aをガイド部97の肉厚分だけ延長
して、当該軸部69aをベールアーム101にボルト締
めすると共に、軸部69aの先端にガイド部97を回転
可能に取り付けたものである。
【0066】そして、上記ガイド部93,95も、図1
のガイド部65と同様、セラミックスの他、銅合金に硬
質メッキ処理を施したもの、或いはアルミ材に硬質アル
マイト処理や硬質メッキ処理を施したもの、更にはステ
ンレス材をイオンプレーティング処理したもの等、種々
の硬質材が選択使用されるが、これらの材料に限定され
るものではない。
【0067】而して、これらの各実施例によっても、図
20に示す実施例と同様、所期の目的を達成することが
可能であるが、ガイド部97が回転可能に支持されてい
るので、ラインローラ43とは別に、巻取り案内時に釣
糸53がガイド部97へ接触して当該ガイド部97がラ
インローラ43と同方向へ同期しない状態で回転するた
め、釣糸53に無理な抵抗を与えずにスプール49へ案
内することが可能となり、糸縒れ防止対策の上で都合が
よい。
【0068】図24は請求項1,請求項2及び請求項4
に係る発明の第三実施例を示し、本実施例は図21のラ
インローラ43に代えてV字形状のラインローラ102
を用いたもので、ラインローラ102の中心よりもやや
ベールアーム95側に谷部102aが形成されている。
そして、当該谷部102aからラインスライダー69側
のラインローラ102が釣糸案内部として機能するた
め、当該釣糸案内部が102bが、ロータ35の釣糸巻
取り回転方向(図中、矢印C方向)へ順次大径なテーパ
状に形成されており、ガイド部97のガイド突片97a
が、釣糸53を常時当該釣糸案内部102bに保持する
ようになっている。
【0069】而して、本実施例によっても、図21に示
す実施例と同様、所期の目的を達成することが可能であ
る。尚、ラインローラの形状は上述した各実施例の形状
に限定されるものではなく、その他、例えば図25に示
す請求項1及び請求項3の発明の第五実施例のように、
ラインローラ103をベールアーム105側からロータ
35の釣糸巻取り回転方向(矢印C方向)へ順次大径と
なるラッパ状に成形し、そして、ベールアーム105を
ラインローラ103の中心方向へ突設してその先端に、
釣糸53が接触可能なガイド部107を設けてもよい。
【0070】而して、斯かる構造によっても、図1に示
す実施例と同様、所期の目的を達成することが可能であ
る。図26は請求項1乃至請求項3に係る魚釣用スピニ
ングリールの第四実施例を示すが、本実施例を始めとし
て図30までの各実施例は、ボールベアリングを介して
ラインローラを回転可能に支持したものである。
【0071】以下、これらの各実施例を図面に基づき詳
細に説明するが、上記各実施例と同一のものは同一符号
を付してそれらの説明は省略する。先ず、図26に於
て、109はベールアーム、111はラインスライダー
で、ラインスライダー111は、当該ラインスライダー
111に嵌合された金属製の支軸113を介してベール
アーム109にボルト締めされている。そして、ベール
アーム109とラインスライダー111間の支軸113
に、ボールベアリング115を介してラインローラ11
7が回転可能に取り付けられている。
【0072】ラインローラ117は、ロータ35の釣糸
巻取り回転方向(矢印C方向)へ向け順次大径となるテ
ーパ状に成形されている。そして、そのラインスライダ
ー111側周縁部には、円盤状のガイド部119が一体
的に成形されており、釣糸53の巻取り操作時に釣糸5
3を若干繰り出しても、釣糸53の矢印C方向への移動
をこのガイド部119が規制して、ラインスライダー1
11とラインローラ117との間に釣糸53が絡むのを
防止するようになっている。
【0073】又、121はラインローラ117のライン
スライダー111側内周に挿着された筒状の係止カラー
で、その挿入側端部121aがボールベアリング115
の外レース115aに当接して、巻取り操作時のライン
ローラ117の矢印D方向への移動を規制している。
【0074】そして、ベールアーム109には、ライン
ローラ117の軸線を中心にその中心方向へガイド突片
123aが突出する環状のガイド部123が支軸113
と共にボルト締めされており、その中央に設けた取付用
筒状部123bに支軸113のベールアーム109側端
部が挿着されている。そして、当該取付用筒状部123
bの端部が、ボールベアリング115の内レース115
bに当接した構造となっている。
【0075】本実施例はこのように構成されているか
ら、手動ハンドル51の操作でロータ35を釣糸巻取り
回転方向(矢印C方向)へ回転させると、釣糸53には
投擲時に生じる糸縒れと反対方向の糸縒れが発生してス
プール49に巻回され、このとき釣糸53は矢印D方向
へ移動しようとするが、ラインローラ117に案内され
る釣糸53に上記ガイド部123のガイド突片123a
が接触してその移動を規制する。
【0076】又、スプール49に巻回される釣糸53の
糸巻径が大きくなって、ラインローラ117に当接して
いる釣糸53は矢印D方向へ移動しようとするが、上記
ガイド部123がラインローラ117に案内される釣糸
53やラインローラ117からスプール49に案内され
る釣糸53に接触してその移動を規制し、釣糸53を常
時ラインローラ117の略中心位置に保持する。
【0077】更に又、係止カラー121の挿入側端部1
21aがボールベアリング115の外レース115aに
当接して、巻取り操作時のラインローラ117の矢印D
方向への移動を規制し、ラインローラ117のベールア
ーム109への接触を防止する。
【0078】このように、本実施例も、ラインローラ1
17を矢印C方向へ順次大径となるテーパ状に成形し
て、ガイド部123のガイド突片123aが釣糸53に
接触してD方向への移動を規制するので、釣糸53の巻
取り時に、糸巻径の影響を受けることなく投擲時に生じ
る糸縒れと反対方向の縒れを釣糸53に生じさせること
ができ、又、本実施例によれば、スプール49に巻回さ
れる釣糸53の糸巻径の変化に拘らず、環状のガイド部
123が釣糸53を常にラインローラ117の略中心位
置に保持するので、図11に示す実施例と同様、所期の
目的を達成することが可能となって、魚釣用スピニング
リールの実用性が一段と向上することとなった。
【0079】然も、本実施例はボールベアリング115
を介してラインローラ117を支軸113に装着してい
るため、上述した各実施例に比しラインローラ117の
巻取り操作を軽快に行える利点を有する。
【0080】図27は請求項1乃至請求項3に係る魚釣
用スピニングリールの第五実施例を示し、本実施例は、
上記ラインローラ117に代え、ロータ35の釣糸巻取
り回転方向(矢印C方向)へ釣糸案内部125aが順次
大径となるラッパ状に成形したラインローラ125を、
ボールベアリング115を介して支軸113に回転可能
に取り付けたもので、ラインローラ125のベールアー
ム109側周縁部には環状のフランジ部127が一体成
形されている。
【0081】又、図中、129は支軸113に取り付け
た筒状部材で、当該筒状部材129とガイド部123の
取付用筒状部123bで、ボールベアリング115の内
レース115bを挾持した構造となっている。
【0082】尚、本実施例にあっては、図26の実施例
の如き係止カラー121がラインローラ125に挿着さ
れていないため、釣糸53の巻取り操作時にラインロー
ラ125は矢印C,D方向へ移動可能となっている。
【0083】又、図28は請求項1乃至請求項3に係る
魚釣用スピニングリールの第六実施例を示し、本実施例
は、図26のラインローラ117に代え、ベールアーム
109側寄りに谷部131aを有するV字状のラインロ
ーラ131をボールベアリング115を介して支軸11
3に回転可能に支持すると共に、ガイド部123のガイ
ド突片123aをラインローラ131の中心まで延長し
たもので、その他の構成は図26及び図27に示す実施
例と同様であるので、同一のものには同一符号を付して
それらの説明は省略する。
【0084】而して、これら図27及び図28の実施例
によっても、図26に示す実施例と同様、所期の目的を
達成することが可能となって、魚釣用スピニングリール
の実用性が一段と向上することとなった。
【0085】図29は請求項1,請求項2及び請求項4
に係る魚釣用スピニングリールの第四実施例を示す。以
下、図面に基づき本実施例を説明すると、図29に於
て、133は支軸113と共にベールアーム109にボ
ルト締めされた筒状部材で、その取付用筒状部133a
に支軸113のベールアーム109側端部が挿着されて
おり、当該取付用筒状部133aの端部が、ボールベア
リング115の内レース115bに当接している。
【0086】そして、上記取付用筒状部133aの外周
に、ラインローラ117の中心方向へガイド突片135
aが突出する環状のガイド部135がラインローラ11
7と筒状部材133のフランジ部133b間に回転可能
に支持されており、釣糸53の巻取り操作時に、当該ガ
イド部135が釣糸53に接触してその移動を規制し、
釣糸53を常にラインローラ117の中心方向へ保持す
るようになっている。
【0087】本実施例はこのように構成されているか
ら、上記各実施例と同様、手動ハンドル51の操作でロ
ータ35を釣糸巻取り回転方向(矢印C方向)へ回転さ
せると、釣糸53には投擲時に生じる糸縒れと反対方向
の糸縒れが発生してスプール49に巻回され、このとき
釣糸53は矢印D方向へ移動しようとするが、ラインロ
ーラ117に案内される釣糸53に上記ガイド部135
が接触してその移動を規制する。
【0088】又、スプール49に巻回される釣糸53の
糸巻径が大きくなって、ラインローラ117に当接して
いる釣糸53は矢印D方向へ移動しようとしても、上記
ガイド部135のガイド突片135aが、ラインローラ
117に案内される釣糸53やラインローラ117から
スプール49に案内される釣糸53に接触してその移動
を規制し、釣糸53を常時ラインローラ117の中心方
向へ保持する。
【0089】このように、本実施例によっても、釣糸5
3の巻取り時に、糸巻径の影響を受けることなく投擲時
に生じる糸縒れと反対方向の縒れを釣糸53に生じさせ
ることができ、又、本実施例によれば、スプール49に
巻回される釣糸53の糸巻径の変化に拘らず、環状のガ
イド部135が釣糸53を常にラインローラ117の中
心方向へ保持することができるので、図26に示す実施
例と同様、所期の目的を達成することが可能である。
【0090】更に、本実施例では、ガイド部135が筒
状部材133を介してベールアーム109に回転可能に
支持されているので、図21で述べた実施例と同様、ラ
インローラ117とは別に、巻取り案内時に釣糸53が
ガイド部135へ接触して当該ガイド部135がライン
ローラ117と同方向へ同期しない状態で回転するた
め、釣糸53に無理な抵抗を与えずにスプール49へ案
内することが可能となり、糸縒れ防止対策の上で都合が
よい。図30は請求項1,請求項2及び請求項4に係る
魚釣用スピニングリールの第五実施例を示し、図中、1
37はボールベアリング115を介して支軸113に回
転可能に支持されたラインローラで、当該ラインローラ
137もロータ35の釣糸巻取り回転方向(図中、矢印
C方向)へ向け順次大径となるテーパ状に成形されてお
り、ラインスライダー111側周縁部には、上記ガイド
部119と同一形状のガイド部139が一体的に成形さ
れている。そして、ラインローラ137のベールアーム
109側周縁部には環状のフランジ部141が一体成形
されている。
【0091】又、143は支軸113と共にベールアー
ム109にボルト締めされた筒状部材で、その取付用筒
状部143aに支軸113のベールアーム109側端部
が挿着されており、当該取付用筒状部143aの端部が
ボールベアリング115の内レース115bに当接して
いる。
【0092】そして、ベールアーム109の内周に当接
する筒状部材143のフランジ部143bに、ラインロ
ーラ137の軸線を中心としてその中心方向へガイド突
片145aが突出する環状のガイド部145が回転可能
に支持されており、釣糸53の巻取り操作時に、当該ガ
イド突片145aが釣糸53に接触してその移動を規制
し、釣糸53を常にラインローラ137の中心方向へ保
持するようになっている。
【0093】又、図27に示す実施例と同様、本実施例
には図26の実施例の如き係止カラー121がラインロ
ーラ137に挿着されていないため、釣糸53の巻取り
操作時にラインローラ137は矢印D方向へ移動可能で
ある。そこで、ベールアーム109とガイド部145と
の間に、ラインローラ137の回転時の摩擦抵抗を軽減
させるためにリング状の樹脂ワッシャ147が装着され
ている。
【0094】本実施例はこのように構成されており、本
実施例によっても、上記各実施例と同様、所期の目的を
達成することが可能であるが、樹脂ワッシャ147を装
着してラインローラ137の回転時の摩擦抵抗を軽減さ
せたことにより、図27に示す実施例に比しラインロー
ラ137の回転がよりスムーズとなる利点を有する。
【0095】図31は請求項1乃至請求項3に係る魚釣
用スピニングリールの第七実施例を示し、本実施例は、
図28に示すV字状のラインローラ131に代え、鼓状
のラインローラ149をボールベアリング115を介し
て支軸113に回転可能に支持すると共に、ガイド部1
23のガイド突片123aをラインローラ149の中心
まで延長したもので、その他の構成は図26及び図27
に示す実施例と同様であるので、同一のものには同一符
号を付してそれらの説明は省略する。
【0096】而して、本実施例によっても、ガイド突片
123aによって釣糸53がラインローラ149の中心
よりラインスライダー111側に位置決めされるので、
釣糸53の巻取り時に、糸巻径の影響を受けることなく
投擲時に生じる糸縒れと反対方向の縒れを釣糸53に生
じさせることができ、又、スプール49に巻回される釣
糸53の糸巻径の変化に拘らず、環状のガイド部123
が釣糸53を常にラインローラ149の中心からライン
スライダー111側に保持する。
【0097】従って、上記各実施例と同様、所期の目的
を達成することが可能となって、魚釣用スピニングリー
ルの実用性が一段と向上することとなった。尚、上述し
た各実施例の如くベールを装着したこの種の魚釣用スピ
ニングリールにあっては、ラインローラの支持部材とし
てベールアームが使用されるが、従来、ベールを装着し
ない魚釣用スピニングリールも多く存在する。
【0098】そして、このような魚釣用スピニングリー
ルでは、上記ベールアームに相当する支持部材がロータ
に設けられ、当該支持部材にラインローラが支持されて
いるが、本発明はこのような構造の魚釣用スピニングリ
ールにも適用できるものである。
【0099】
【発明の効果】以上述べたように、各請求項に係る魚釣
用スピニングリールによれば、釣糸の巻取り時に、釣糸
の糸巻径の影響を受けることなく、投擲時に生じる糸縒
れと反対方向の縒れを釣糸に常時生じさせることができ
るので、釣糸に糸縒れが蓄積されてしまうことがない。
【0100】従って、釣糸の糸縒れに起因する巻取り操
作や繰出し操作時の糸絡みがなくなり、又、長期に亘る
使用により釣糸が切断される虞もなくなって、魚釣用ス
ピニングリールの実用性が一段と向上することとなっ
た。
【0101】又、ガイド部を環状に成形した請求項2に
係る魚釣用スピニングリールによれば、スプールに巻回
される釣糸の糸巻径の変化に拘らずガイド部が釣糸を常
にラインローラの一定位置に保持するので、釣糸がライ
ンローラ上で振れることがなくなり、更に又、請求項4
に係る魚釣用スピニングリールの如くガイド部を支持部
材に対して回転可能な構造とすれば、ラインローラとは
別にガイド部への釣糸の接触による回転でガイド部がラ
インローラと同方向へ同期しない状態で回転するため、
釣糸に無理な抵抗を与えずにスプールへ案内でき、糸縒
れ防止対策の上で都合がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項3に係る魚釣用スピニング
リールの第一実施例の正面図である。
【図2】図1に示す魚釣用スピニングリールの側面図で
ある。
【図3】図1に示す魚釣用スピニングリールの要部断面
図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】糸巻径の変化に伴う釣糸の移動状態とその糸縒
れの方向を示す説明図である。
【図6】糸巻径の変化を示す説明図である。
【図7】請求項1及び請求項3に係る魚釣用スピニング
リールの第二実施例の要部断面図である。
【図8】請求項1及び請求項3に係る魚釣用スピニング
リールの第三実施例の要部平面図である。
【図9】請求項1及び請求項3に係る魚釣用スピニング
リールの第三実施例の要部断面図である。
【図10】図8のX−X線断面図である。
【図11】請求項1及び請求項3に係る魚釣用スピニン
グリールの第四実施例の要部断面図である。
【図12】図11のXII − XII線断面図である。
【図13】請求項1乃至請求項3に係る魚釣用スピニン
グリールの第一実施例の正面図である。
【図14】図13に示す魚釣用スピニングリールの側面
図である。
【図15】図13に示す魚釣用スピニングリールの要部
平面図である。
【図16】図13に示す魚釣用スピニングリールの要部
断面図である。
【図17】図15のXVII−XVII線断面図である。
【図18】請求項1乃至請求項3に係る魚釣用スピニン
グリールの第二実施例の要部平面図である。
【図19】請求項1乃至請求項3に係る魚釣用スピニン
グリールの第二実施例の要部断面図である。
【図20】請求項1乃至請求項3に係る魚釣用スピニン
グリールの第三実施例の要部断面図である。
【図21】請求項1,請求項2及び請求項4に係る魚釣
用スピニングリールの第一実施例の要部断面図である。
【図22】図21のXXII−XXII線断面図である。
【図23】請求項1,請求項2及び請求項4に係る魚釣
用スピニングリールの第二実施例の要部断面図である。
【図24】請求項1,請求項2及び請求項4に係る魚釣
用スピニングリールの第三実施例の要部断面図である。
【図25】請求項1及び請求項3に係る魚釣用スピニン
グリールの第五実施例に於けるラインローラの拡大正面
図である。
【図26】請求項1乃至請求項3に係る魚釣用スピニン
グリールの第四実施例の要部断面図である。
【図27】請求項1乃至請求項3に係る魚釣用スピニン
グリールの第五実施例の要部断面図である。
【図28】請求項1乃至請求項3に係る魚釣用スピニン
グリールの第六実施例の要部断面図である。
【図29】請求項1,請求項2及び請求項4に係る魚釣
用スピニングリールの第四実施例の要部断面図である。
【図30】請求項1,請求項2及び請求項4に係る魚釣
用スピニングリールの第五実施例の要部断面図である。
【図31】請求項1乃至請求項3に係る魚釣用スピニン
グリールの第七実施例の要部断面図である。
【図32】従来の魚釣用スピニングリールの正面図であ
る。
【図33】釣糸の巻取り時に於ける釣糸の移動状態とそ
の糸縒れの方向を示す説明図である。
【図34】従来の他の魚釣用スピニングリールの正面図
である。
【図35】図34に示す魚釣用スピニングリールの要部
拡大図である。
【図36】糸巻径の変化を示す説明図である。
【図37】糸巻径の変化に伴う釣糸の移動状態とその糸
縒れの方向を示す説明図である。
【符号の説明】
35 ロータ 37 リール本体 39 ベール支持アーム 41 ベール 43,66,85,102,103,117,125,
131,137,149 ラインローラ 45,67,77,81,91,95,105,10
9,451 ベールアーム 47 ベールホルダー 49 スプール 53 釣糸 55 スピニングリール 57,111 ラインスライダー 65,71,79,87,89,93,97,107,
119,123,135,139,145,711 ガ
イド部 113 支軸 115 ボールベアリング 121 係止カラー 133,143 筒状部材 147 樹脂ワッシャ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 わたる 東京都東久留米市前沢3丁目14番16号 ダ イワ精工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リール本体に回転可能に装着されたロー
    タと、リール本体にスプール軸を介して支持され、手動
    ハンドルによるロータの回転で釣糸が巻回されるスプー
    ルと、上記ロータに支持部材を介して取り付き、釣糸の
    巻取り操作時に当該釣糸をスプールに案内するラインロ
    ーラを備えた魚釣用スピニングリールに於て、上記支持
    部材に、ラインローラの中心方向へ突出し、釣糸の巻取
    り操作時に釣糸が接触可能なガイド部を設けると共に、
    ラインローラの釣糸案内部を、支持部材側からロータの
    釣糸巻取り回転方向へ順次大径に形成したことを特徴と
    する魚釣用スピニングリール。
  2. 【請求項2】 ガイド部は、ラインローラの軸線を中心
    に環状に形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の魚釣用スピニングリール。
  3. 【請求項3】 ガイド部は、支持部材に固着されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の魚釣用ス
    ピニングリール。
  4. 【請求項4】 ガイド部は、支持部材に回転可能に取り
    付けられていることを特徴とする請求項2記載の魚釣用
    スピニングリール。
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