JPH082369B2 - 外用部材 - Google Patents

外用部材

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JPH082369B2
JPH082369B2 JP62258073A JP25807387A JPH082369B2 JP H082369 B2 JPH082369 B2 JP H082369B2 JP 62258073 A JP62258073 A JP 62258073A JP 25807387 A JP25807387 A JP 25807387A JP H082369 B2 JPH082369 B2 JP H082369B2
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文昭 松崎
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、貼付試験(パッチテスト)、身体の疾患部
の止血、消毒、保護、および局所または循環系への薬物
投与などの目的で皮膚上に直接貼付する外用部材(すな
わち、医療用または医療補助用のいわゆる絆創膏、鎮痛
消炎等を目的とする硬膏剤、パップ剤等)に関するもの
である。
[従来の技術] 従来、このような外用部材は紙、不織布、熱可塑性樹
脂などの支持体上に常温で感圧接着性を有する高分子物
質層を積層したものが知られているが、皮膚に直接長時
間にわたり貼付されるため接着力や刺激性の関係などか
ら適用皮膚面での皮膚炎、いわゆる絆創膏かぶれを起こ
すことがよく知られている。
この絆創膏かぶれを改良するために接着剤成分の樹脂
や生ゴムに対する研究、あるいは皮膚生理作用を阻害し
ない通気性のある支持体の研究や支持体への塗布方法の
検討などが試みられている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、このような試みも効果は少なく、依然
として絆創膏かぶれが接触性皮膚炎の中でも良く知られ
た皮膚炎の一つになっている。
本発明者等はこうした事情に鑑み、皮膚刺激を抑制し
た外用部材を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定のシ
リコン化合物すなわちポリオキシアルキレン変性オルガ
ノポリシロキサンを、常温で感圧接着性を有する高分子
物質層に配合することにより、皮膚刺激性を低減させ、
絆創膏かぶれを著しく低減できることを見出したが、残
念なことにこの外用部材は皮膚への接着性においてやや
劣る場合があった。この点を改良すべくさらに研究を重
ねた結果、上記ポリオキシアルキレン変性オルガノポリ
シロキサンと水溶性高分子であるカルボキシビニルポリ
マーを併用することにより、上記欠点が改良され、かつ
外用部材の皮膚刺激性を低減させ、絆創膏かぶれを著し
く低減できることを見出し、これらの知見にもとずいて
本発明を完成するに至った。
[問題点を解決するための手段] すなわち本発明は、シートまたはテープ状支持体上に
常温で感圧接着性を有する高分子物質層を積層してなる
外用部材において、該高分子物質層にポリオキシアルキ
レン変性オルガノポリシロキサンと、カルボキシビニル
ポリマーとを配合してなる外用部材である。
以下、本発明の構成について詳細に述べる。
本発明において使用される支持体としては、和紙、ク
ラフト紙等の紙類、綿布、スフ、不織布等の布類、塩化
ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステ
ル、ポリカーボネイト、及びこれらの共重合体、セロハ
ン等のプラスチックフィルム、金属箔、及びこれら各種
支持体の積層体などが挙げられる。
本発明において使用される常温で感圧接着性を有する
高分子物質としては、アクリル系高分子物質、例えば
(メタ)アクリル酸−n−ブチルエステル、(メタ)ア
クリル酸−n−ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸
−2−エチルブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソ
オクチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘ
キシルエステル、(メタ)アクリル酸−n−デシルエス
テル、(メタ)アクリル酸−n−ドデシルエステル、
(メタ)アクリル酸トリデシルエステルなどの(メタ)
アクリル酸アルキルエステル及び/又は上記エステル類
と共重合可能な(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸−2−ヒ
ドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−ヒ
ドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アク
リル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリ
ル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル
酸−2−メトキシエチルアステルの如き官能基を有する
単量体及び/又はアクリロニトリル、ビニルアセテー
ト、ビニルプロピオネートの如きビニル系単量体との共
重合物等、 ゴム系高分子物質、例えばポリイソプレンゴム、ポリイ
ソブチレンゴム、ポリブテンゴム、ブチルゴム、スチレ
ン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン
共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合
体ゴム、シリコーンゴム、天然ゴム等、 ビニル系高分子物質、例えばポリビニルアルコール、ポ
リビニルエーテル、ポリビニルアセテート等が挙げられ
る。本発明においてはこれらの高分子物質を、密着性、
相溶性等を考慮しながら単独で又は組合せて使用する。
本発明に用いるポリオキシアルキレン変性オルガノポ
リシロキサンは下記一般式[A]乃至[D]で表される
化合物である。
(式中、Rは炭素数1乃至3のアルキル基、又はフェニ
ル基、R′は水素、又は炭素数1乃至12のアルキル基、
pは1乃至5の整数、qは2又は3、mは5乃至100、
nおよびxは1乃至50の整数である。) 本発明に用いられるポリオキシアルキレン変性オルガ
ノポリシロキサンの平均分子量は3000以上を有するもの
が好ましく、更に好ましくは5000以上である。また、ポ
リオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン分子中
にポリオキシアルキレン基を2〜80重量%含有するもの
が好ましく、効果発現の面から更に好ましくは、11〜50
重量%である。
ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの
配合量は前記高分子物質層中の0.1〜90重量%、好まし
くは0.1〜50重量%である。多量に配合すると、外用部
材の皮膚上への接着性を損なう傾向にあり好ましくな
い。
本発明に用いられるカルボキシビニルポリマーは、分
子中にカルボキシル基を持った水溶性のビニルポリマー
で、平均分子量100万〜300万程度のアクリル酸を主とす
る重合体である。市販品ではカーボポール(グッドリッ
チ社:B.F.GoodrichChemical Co.)、ハイビスワコー
(和光純薬工業社)等があげられる。これらのものは中
和することにより増粘ゲル化することから広く液剤の増
粘剤として用いられているが、本発明の外用部材におい
ては、中和せずに前記高分子物質相に添加分散して用い
る。前記高分子物質相への分散性を良好ならしむる為に
はあらかじめ適当量の水又はアルコールに溶解させて用
いることが好ましい。用いる水又はアルコールの量は該
カルボキシビニルポリマーを均一分散するに必要な最低
量で良い。
カルボキシビニルポリマーの配合量は、該高分子相全
量中0.5乃至5%が好適である。0.5%未満では接着性の
向上は見られず、5%を越えて配合しても更なる向上は
見られない。
本発明においては上記した必須構成成分に加えて各種
の添加剤、例えば薬剤、溶解・拡散改善剤、保水剤、角
質軟化剤、経皮吸収促進剤等が高分子物質層中に配合可
能である。
これらのものを具体的に例示すれば、薬剤としては、 a.鎮痛消炎剤:例えばサリチル酸、サリチル酸メチル、
サリチル酸グルコール、1−メントール、カンファー、
ノニル酸ワニリルアミド、トコフェロール、ハッカ油、
チモール、トウガラシエキス、トウガラシ末、酢酸トコ
フェロール、dl−カンフル、アセトアミノフェン、メフ
ェナム酸、フルフェナム酸、インドメタシン、ジクロフ
ェナツク、アルクロエナツク、オキシフェンブタゾン、
フェニルブタゾン、イブプロフェン、フルルブプロフェ
ンなど b.抗菌性物質:例えばニトロフラゾン、ナイスタチン、
アセトスルファミン、クロトリマゾール、ペンタマイシ
ン、アムホテリシンB、ピロールニトリン、など c.抗生物質:例えばβ−ラクタン系抗生物質(ペニシリ
ン類、セファロスポリン類)、オキシテトラサイクリ
ン、硫酸フラジオマイシン、エリスロマイシン、クロラ
ムフェニコールなど d.ビタミン剤:例えばビタミンA、エルゴカルシフェロ
ール、コレカルシフェロール、オクトチアミン、リボフ
ラビン酪酸エステルなど e.冠血管拡張剤:例えばニトログリセリン、ニフェミピ
ン、ジピリダモール、イソソルバイドジナイトレート、
エリスリトーステトラニトレイト、ペンタエリトーステ
トラニトレイトなど f.抗ヒスタミン剤:例えば塩酸ジフェンヒドラミン、ク
ロルフェニラミン、ジフェニルイミダゾールなど g.コルチコステロイド類:例えばハイドロコーチゾン、
プレゾニゾロン、パラメタゾン、ベクロメタゾンプロピ
オナート、フルメタゾン、ベータメタゾン、プロピオン
酸ベクロメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロ
ン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロン、フ
ルオシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニドア
セテート、プロピオン酸クロベクゾールなど h.催眠鎮痛剤:例えばフェノバルビタール、アモバルビ
タール、シクロバルビタールなどのバルビタール類 i.精神安定剤:例えばフルフェナジン、チオリダジン、
ベンゾジアゼピン類(例えばジアゼパム、ロラゼバン、
フルニトラゼバン)、クロルプロマジンなど j.抗高血圧剤:例えばクロニジン、カリクレインなど k.降圧利尿剤:例えばハイドロサイアザイド、ベンドロ
フルメサイアザイドなど l.麻酔剤:例えばリドカイン、ベンゾカイン、アミノ安
息香酸エチルなど m.抗てんかん剤:例えばニトラゼパム、メプロバメート
などがあげられる。
経皮吸収促進剤としてはジメチルスルホキサイド、ド
デシルスルホキサイド、メチルオクチルスルホキサイ
ド、ジメチルデシルホスホキサイド、モノ又はジエチル
アセタミド、N−ヒドロキシエチルラクタミド、ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルドデカミド、ジメチル
ホルムアミド、トルイル酸ジエチルアミド、テトラヒド
ロフルフリルアルコール、テトラヒドロフラン、ソルビ
トール、ドデシルピロリドン、メチルピロリドン、尿
素、アジピン酸ジエチル、スクアレン、スクアラン、ア
セチル化ラノリン、セチルラクテート、ジオクチルセバ
ケート、エトキシ化ステアリルアルコール、ラノリン酸
ラノリンアルコール、高級脂肪酸アルコール、サリチル
酸、スチルイソオクタノエート、流動パラフィン、スク
ワラン、ワセリン、アミノ酸、蛋白分解酵素、ニコチン
酸エチル、1−メントール、サンプルール、高級脂肪酸
トリグリセリド、ポリオキシアルキレングリコール、脂
肪酸モノ(又はジ)エタノールアミド、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキ
ルエーテル、ポリグリセリンアルキルエステル、高級ア
ルキルスルホンなどがあげられる。
また、溶解剤、保水剤としてはラノリン、オリーブ
油、グリセリン、プロピレングリコール、ベンジルアル
コール、ブチルベンゾエート、シリスチン酸イソプロピ
ル、オクタノール、1,3−ブチレングルコール、(ポ
リ)エチレングリコールなどがあげられる。
その他の任意成分としては、高分子物質層の保型性を
保つための充填剤、接着助剤、軟化剤、ゲル化剤等があ
げられる。
充填剤としては、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、カオリン、雲母、亜鉛華、水酸化アルミニウム、硫
酸バリウム、澱粉、タルク、クレーなどが挙げられる。
接着助剤としては酢酸エチル、酢酸ブチル、クエン酸
トリエチル、ブチルアルコール等、軟化剤としては各種
可塑剤、ポリブテン、ポリイソブチレン低重合物、ゲル
化剤としてはアラビアゴム、ゼラチンなどを挙げること
ができる。
本発明に係る外用部材を製造するには、感圧接着シー
ト又はテープを製造するに用いる公知の方法ならいずれ
でも用いることができる。例えば溶媒に溶解された高分
子物質溶液、又は高分子物質を水性媒体に分散させたエ
マルジョンに、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリ
シロキサンとカルボキシビニルポリマーを添加して分散
させ、その後シートまたはテープ状の支持体上に該溶液
又はエマルジョンを塗布し、乾燥して外用部材とする方
法、上記と同様の方法でポリオキシアルキレン変性オル
ガノポリシロキサンを添加することなくシートまたはテ
ープ状の支持体上に高分子物質層を形成させ、しかる
後、該ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサ
ンを塗布、又は噴霧等の方法で配合する方法等があげら
れる。
シートまたはテープ状の支持体上に高分子物質層(感
圧接着剤層)を形成するには、前記高分子物質溶液又は
エマルジョンを、スプレイコート法、ロールコート法、
グラビアコート法、リバースコート法、ディップコート
法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法等の公知の塗布
手段を用いることができる。
塗布膜の乾燥は、水性媒体の液体成分、高分子溶液中
の溶媒等を飛散させるような条件を採用すれば良い。こ
の目的のためには、熱風乾燥法、赤外線照射による乾燥
法、遠赤外線照射による乾燥法等によって、約90〜180
℃で1〜10分程度加熱すればよい。感圧接着性を有する
高分子物質層の厚みは、外用部材の種類によって異なる
が、一般には乾燥後の厚みが絆創膏類では0.5mm以下、
硬膏剤、パップ剤等では0.5mm以上が好ましい。
[実施例] 以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが本発
明はこれらに限定されるものではなく本発明の技術思想
を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。なお実施
例中部とあるのは全て重量部を表す。なお、皮膚刺激
性、保持力および糊残りは次の方法にて測定した。
皮膚刺激性 各外用部材から幅4cm、長さ7cmの試験片を作成し、こ
れを絆創膏に比較的かぶれ易い被験者の前腕部に48時間
貼付した後剥離し、試験片剥離後2時間、5時間、24時
間の皮膚刺激性値を評価した。刺激性の評価は下記の基
準にて行なった。
紅斑等の反応を認めない ……− かすなか紅斑を認める ……± 紅斑を認める ……+ 強い紅斑を認める …… 強い紅斑と浮腫を認める …… 保持力 各外用部材から幅4cm、長さ7cmの試験片を作成し、こ
れを被験者の前腕部に48時間貼付して、試験片が皮膚か
らはがれるか否かを判定した。
糊残り 各外用部材について、使用時に剥離シートを感圧接着
剤層からはがす際に剥離シート上に接着剤が残存するか
否かを判定した。またヒト前腕部に外用部材を貼付して
48時間経過してから剥がす際に適用皮膚面に糊残りが生
じているか否かを判定した。
実施例1、比較例1 市販のアクリル酸エステルを主成分とするアクリル系
接着剤(サイビノールAT-301,サイデン化学社製)80部
に、一般式(A)の構造を有し、ポリオキシエチレン基
を20重量%含有し、平均分子量が6000であるポリオキシ
エチレン変性オルガノポリシロキサン4部を混合し、次
いで、あらかじめ調製しておいたハイビスワコー104の3
0%水溶液10部を添加混合した後、酢酸エチルを主溶剤
とする硬化剤(サイビノールDT)20部を混合して接着剤
組成物をえた。この接着剤組成物をポリオレフィン系不
織布に塗布し、常温で乾燥させて外用部材を得、これを
実施例1とした。また同様の方法でポリオキシエチレン
変性オルガノポリシロキサンとハイビスワコー水溶液と
を配合しない外用部材を得、これを比較例1とした。
実施例1および比較例1の皮膚刺激性評価結果を表1
に示す。
表1から明らかなように、比較例に皮膚刺激性が認めら
れるのに対し、本発明品はいずれの被験者においても皮
膚刺激性が少ないことが判り、またわずかな刺激性値を
示した被験者でも短時間に刺激性がなくなっていること
がわかる。
また、比較例1には、剥離シート上および貼付皮膚面上
での糊残りの現象が見られたのに対して実施例1ではこ
れが見られず、皮膚への保持力も比較例1と同程度に良
好であった。
実施例2 実施例1中のポリオキシエチレン変性オルガノポリシ
ロキサン4部を、一般式(B)の構造を有し、ポリオキ
シエチレン基を75重量%含有し、平均分子量が30000で
あるポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン45
部に、30%カルボキシビニルポリマー水溶液10部を30%
カーボポール水溶液20部に変更した以外は実施例1と同
一処方、同様の方法で外用部材を得た。
実施例3 実施例1中のポリオキシエチレン変性オルガノポリシ
ロキサン4部を、一般式(C)の構造を有しポリオキシ
エチレン基を27重量%含有し、平均分子量が3000である
ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン0.5部
に、30%カルボキシビニルポリマー水溶液の配合量を5
部に変更した以外は重量%1と同様にして外用部材を得
た。
実施例4 実施例1中のポリオキシエチレン変性オルガノポリシ
ロキサン4部を、一般式(A)の構造を有しポリオキシ
エチレン基を50重量%含有し、平均分子量が20000であ
るポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン20部
に、30%カルボキシビニルポリマー水溶液10部を30%カ
ーボポール水溶液20部に置換した以外は実施例1と同様
にして外用部材を得た。
実施例2乃至4についての剥離後2時間後の皮膚刺激
性評価結果を表2に示した。表2から明らかなように、
実施例2乃至4の外用部材の皮膚刺激性は少なく、安全
性に優れていることがわかる。尚、実施例2乃至4の外
用部材は保持力が良好であり、糊残りの現象は見られな
かった。
実施例5 市販のポリビニルアルコールを主成分とするビニル系
接着剤100部に実施例1で用いたのと同じポリオキシエ
チレン変性オルガノポリシロキサンを6部、30%カルボ
キシビニルポリマーのアルコール溶液10部を混合し、し
かる後ポリエチレンフィルム上に均一に塗布し、乾燥さ
せ外用部材を得た。
比較例2 実施例5と同様にしてポリオキシエチレン変性オルガ
ノポリシロキサンおよびカルボキシビニルポリマーのア
ルコール溶液を抜去した外用部材を得た。
実施例5および比較例2の剥離2時間後の皮膚刺激性
評価結果を表3に示す。表3から明らかなように比較例
2に皮膚刺激性が認められるのに対し、実施例5は皮膚
刺激性が少なく、安全性に優れていることがわかる。ま
た、比較例2には、剥離シート上および貼付皮膚面上で
の糊残りの現象が見られたのに対して実施例5ではこれ
が見られず、かつ皮膚への保持力も良好であった。
次に、薬剤を含有する外用部材について実施例をあげて
詳細に説明する。なお、薬物放出性、薬物溶解性の測定
には、次の方法を用いた。
薬物放出性 各外用部材から4cm×7cmの試験片を作成し、これを健
康人の皮膚に所定時間貼付して剥離後のテープ中に残存
する薬物を定量することによって接着剤からの薬物の放
出性を決定した。
薬物溶解性 各外用部材を1ヶ月常温に保存した後、高分子物質層
を顕微鏡にて観察し、薬物の結晶の析出の有無を調べ
た。
実施例6 実施例1で用いたものと同一の接着剤80部と硬化剤20
部に、l−メントール6.9部、サリチル酸グリコール4.9
部、ノニル酸ワニリルアミド0.018部、および一般式
(A)の構造を有し、ポリオキシエチレン基を20重量%
含有し、平均分子量が6000であるポリオキシエチレン変
性オルガノポリシロキサン5部とカルボキシビニルポリ
マーの30%水溶液10部を加えて混合した後、ポリオレフ
ィン系不織布に均一に塗布、乾燥させ、外用部材を得
た。
比較例3 ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサンとカ
ルボキシビニルポリマー水溶液を抜去した以外は実施例
6と同一処方、同様の方法で外用部材を得た。
得られた外用部材の皮膚刺激性は表4の結果で示すよ
うに、比較例3に皮膚刺激性が認められるのに対し、本
発明品である実施例6はいづれの被験者においても皮膚
刺激性が少ないことがわかり、またわずかな刺激性値を
示した被験者でも短時間後に刺激性がなくなっているこ
とがわかる。また得られた外用部材の皮膚への保持力は
良好であり、剥離シート上及び貼付皮膚面上での糊残り
現象は見られなかった。さらに薬物の放出性は良好であ
り、薬物溶解性も良好で結晶の析出は見られなかった。
実施例7 実施例6で用いたものと同じ接着剤80部と硬化剤20部
にl−メントール9.5部、サリチル酸グリコール6.8部、
ノニル酸ワニリルアミド0.024部、および一般式(B)
の構造を有し、ポリオキシエチレン基を75重量%含有
し、平均分子量が30000であるポリオキシエチレン変性
オルガノポリシロキサン45部、カルボキシビニルポリマ
ーの30%水溶液25部を加えて混合した後、実施例6と同
様の方法で外用部材を得た。
実施例8 実施例7で用いたものと同じ接着剤80部と硬化剤20部
にl−メントール6.6部、サリチル酸グリコール4.7部、
ノニル酸ワニリルアミド0.017部、および一般式(C)
の構造を有し、ポリオキシエチレン基を11重量%含有
し、平均分子量が3000であるポリオキシエチレン変性オ
ルガノポリシロキサン0.5部、カルボキシビニルポリマ
ーの30%水溶液5部を加えて混合した後、実施例7と同
様の方法で外用部材を得た。
実施例9 実施例7で用いたものと同じ接着剤80部と硬化剤20部
にl−メントール13.1部、サリチル酸グリコール9.3
部、ノニル酸ワニリルアミド0.033部、および一般式
(A)の構造を有し、ポリオキシエチレン基を50重量%
含有し、平均分子量が20000であるポリオキシエチレン
変性オルガノポリシロキサン100部を加えて混合した
後、、カルボキシビニルポリマーの30%水溶液45部を実
施例7と同様の方法で外用部材を得た。
実施例7乃至9の外用部材の皮膚刺激性の結果(剥離
2時間後)を表7に示した。表7から明らかなように、
いずれの外用部材にも皮膚刺激性は少なく、安全性に優
れていることがわかる。また、いずれの外用部材も保持
力は良好で、糊残りの現象は見られず、薬物放出性、薬
物溶解性も良好であった。
実施例10 ゼラチン10部、カオリン10部、ポリビニルアルコール
5部、グリセリン5部、プロピレングリコール15部、ポ
リアクリル酸2部、精製水が30部、l−メントール4
部、サリチル酸メチル4部、dl−カンフル1部、チモー
ル0.5部、酢酸トリフェロール0.5部および実施例5で用
いたのと同じポリオキシエチレン変性オルガノポリシロ
キサン3部とカルボキシビニルポリマーの30%水溶液10
部を加えて混合した後、ポリオレフィン系不織布に均一
に塗布し、乾燥させて外用部材を得た。
比較例4 ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサンとカ
ルボキシビニルポリマー水溶液を抜去した以外は実施例
10と同様にして外用部材を得、これを比較例4とした。
得られた外用部材の皮膚刺激性(剥離2時間後)は表
8の結果で示すように、比較例4に皮膚刺激性が認めら
れるのに対し、本発明品である実施例10の皮膚刺激性は
少なかった。また実施例10の外用部材は、保持力は良好
で、薬物の放出性、薬物溶解性も良好で結晶の析出は見
られなかった。
[発明の効果] 本発明の外用部材は皮膚刺激性が少なく、人体安全性
が極めて高く、かつ接着性、糊残り、薬物溶解性、薬物
放出性にも優れたものである。
フロントページの続き (72)発明者 小林 敏明 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂研究所内 審査官 佐野 整博

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート又はテープ状支持体上に常温で感圧
    接着性を有する高分子物質層を積層してなる外用部材に
    おいて、該高分子物質層にポリオキシアルキレン変性オ
    ルガノポリシロキサンと、カルボキシビニルポリマーと
    を配合することを特徴とする外用部材。
  2. 【請求項2】ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシ
    ロキサンが、下記一般式[A]乃至[D]で表される化
    合物より選ばれたものである特許請求の範囲第1項記載
    の外用部材。
  3. 【請求項3】ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシ
    ロキサンの平均分子量が3000以上である特許請求の範囲
    第1項または第2項のいずれかに記載の外用部材。
  4. 【請求項4】ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシ
    ロキサンのアルキレンオキシド含有量が11〜50重量%で
    ある特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載
    の外用部材。
  5. 【請求項5】カルボキシビニルポリマーの平均分子量が
    100万〜300万である特許請求の範囲第1項または第4項
    のいずれかに記載の外用部材。 (式中、Rは炭素数1乃至3のアルキル基、又はフェニ
    ル基、R′は水素、又は炭素数1乃至12のアルキル基、
    pは1乃至5の整数、qは2又は3、mは5乃至100、
    nおよびxは1乃至50の整数である。)
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