JPH08236095A - 電池に用いられるセパレータ - Google Patents

電池に用いられるセパレータ

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JPH08236095A
JPH08236095A JP7037232A JP3723295A JPH08236095A JP H08236095 A JPH08236095 A JP H08236095A JP 7037232 A JP7037232 A JP 7037232A JP 3723295 A JP3723295 A JP 3723295A JP H08236095 A JPH08236095 A JP H08236095A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 粘度平均分子量5万以上のポリエチレン20
〜95wt%とポリフッ化ビニリデン5〜80wt%を
含有するセパレータ。 【効果】 含浸性の良い膜を得ることができ、特に非水
電解液系電池のセパレータとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】リチウム電池、リチウムイオン電
池などの電池用セパレータに関する。さらに詳細に述べ
れば、非水系電解液電池用のセパレータに関する。
【0002】
【従来技術】特開平6−163023号公報に開示され
ているように、ポリオレフィンとラバーの混合物からな
る微多孔膜が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に疎水性である
ポリエチレン製の微多孔膜の電解液含浸性は良くない。
電解液含浸性の良否は、電池組立時の生産性に大きく関
わる。電解液の含浸工程は、電極とセパレータを捲回後
電池缶に該捲回物を挿入した後、真空含浸するのが一般
的である。セパレータの電解液含浸性が良好な程、この
含浸工程の生産性は高くなる。
【0004】さらに、電解液含浸性の良好なセパレータ
は、電池のサイクル特性に優れると言われている。ま
た、電解液含浸後の交流電気抵抗が低いほど、電池の充
放電特性は良好である。そこで、本発明者は、ポリエチ
レンとエチレン・プロピレンラバーの混合物からなるセ
パレータを開示しているが、十分ではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】ポリエチレンにポリフッ
化ビニリデンを混合する事により、所期の課題の解決が
できる事を見出し、本発明を完成した。すなわち、粘度
平均分子量5万以上のポリエチレンが20〜95wt
%、およびポリフッ化ビニリデンを5〜80wt%を含
有することを特徴とする電池に用いられるセパレータ、
及び該セパレータへの電解液の含浸方法である。
【0006】本発明において、セパレータとは、該電池
の正極と負極間に介在し、正極と負極が直接接触しない
ようにする微多孔膜を言う。本発明に用いられるポリフ
ッ化ビニリデンとしては、フッ化ビニリデンホモポリマ
ー及びフッ化ビニリデン共重合体が挙げられる。フッ化
ビニリデンの共重合体としては、フッ化ビニリデンと三
フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン、六フッ化プロ
ピレン、または、エチレンから選ばれた1種以上との共
重合体であるものが用いられるが、好ましくはフッ化ビ
ニリデンホモポリマーが用いられる。
【0007】本発明に用いられるポリフッ化ビニリデン
は、重量平均分子量が5万以上であり、200万である
ことが好ましい。さらに好ましくは、10万から100
万である。重量平均分子量が、5万未満のポリフッ化ビ
ニリデンを用いた場合、溶融時の粘度が低すぎ、ポリエ
チレンとの均一混合が不十分で実用に供することができ
ない。また、重量平均分子量が200万を越えると、溶
融時の流動性が小さいため、Tダイ等の押し出し成形に
よる薄膜成形性が悪くなる。セパレータに含有されるポ
リフッ化ビニリデンの量は、80wt%から5wt%で
ある。好ましくは、50wt%から10wt%である。
含有量が80wt%を越えると、Tダイ等の出口におい
て、ドローダウンが大きく、成形加工性が悪く、実用に
供しえない。また、含有量が5wt%未満では、電解液
の含浸性が十分ではない。
【0008】本発明に用いられるポリエチレンとして
は、高密度、中密度、低密度のいずれでも良く、これら
の混合物でも構わないが、高密度ポリエチレンが成形加
工性の点で優れる。また、高密度ポリエチレンとして
は、エチレンを重合した結晶性の単独重合体が望まし
く、エチレンと10モル%以下のプロピレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等との共
重合体でも良い。本発明に用いられるポリエチレンの粘
度平均分子量は5万以上である。粘度平均分子量が5万
未満では、溶融時、ポリフッ化ビニリデンとの均一混合
が不十分であり、実用に供することができない。粘度平
均分子量の上限は特に規定できないが、粘度平均分子量
が300万を越えると、溶融時の流動性が小さいため、
Tダイ等の押し出し成形による薄膜成形性が悪くなる。
セパレータに含有されるポリエチレンの量は、20wt
%から95wt%である。含有量が20wt%未満で
は、Tダイ等の出口において、ドローダウンが大きく、
成形加工性が悪く、実用に供しえない。含有量が95w
t%を越えると、電解液の含浸性が不十分となる。
【0009】以下、本発明の電池に用いられるセパレー
タのうち好ましい特徴を述べる。気孔率は、10%から
80%が好ましく、さらに好ましくは35%から65%
である。気孔率が10%未満では、電解液の含浸量が少
なく、電池用のセパレータとして実用に供さない。気孔
率が80%を越えると、機械的強度が低下し、電池組立
時に不具合が生ずる。バブルポイントは、1kg/cm
2以上が好ましい。より好ましくは2kg/cm2以上、
さらに好ましくは3kg/cm2以上である。バブルポ
イントが1kg/cm2未満では、セパレータとしての
孔径が大きすぎ電極間の短絡発生率が高まると言われて
いる。電池の構造として種々のものがあるが、渦巻き状
に電極と共に捲回される電池のセパレータとして用いら
れる場合には、機械方向の弾性率は3000kg/cm
2以上あることが望ましい。上記の性質は、原料成分比
等を調整することにより得られる。特に、気孔率につい
てはポリマー分率により、孔径についてはポリマー分
率、可塑剤の種類、無機粉体や可塑剤の量比により調整
することができる。
【0010】セパレータの厚さは、5μmから200μ
mであることが望ましい。5μm未満では、電極間の短
絡発生率が高まると言われている。厚さが200μmを
越えると、交流電気抵抗が高くなりすぎて、実用に供し
えない。本発明の製造方法の一例を詳細に説明する。本
発明の電池に用いられるセパレータは、例えば、ポリマ
ーと可塑剤、あるいはポリマーと無機微粉体及び可塑剤
を混練・加熱溶融しながらシート状に成形した後、可塑
剤あるいは、無機微粉体と可塑剤をそれぞれ抽出除去及
び乾燥し、一軸方向のみまたは二軸方向に延伸して得ら
れる。
【0011】可塑剤としては、DBP、DOP、DN
P、DBS、TBP、流動パラフィン等が挙げられ、ポ
リオレフィンとの相溶性の観点から、DOP、流動パラ
フィン、DOPと流動パラフィンの混合物が望ましい。
可塑剤の溶剤としては、ポリエチレン及びポリフッ化ビ
ニリデンを溶解しないものであって、メタノール、エタ
ノール等のアルコール類、アセトン、MEK等のケトン
類、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン等の
塩素系炭化水素等の一般的有機溶剤が用いられる。
【0012】無機微粉体としては、微粉珪酸、珪酸カル
シウム、炭酸カルシウム、微粉タルク等が挙げられ、特
にセパレータの孔径制御の観点から、粒子径の小さな微
粉珪酸が好ましい。ポリマーと可塑剤あるいは、ポリマ
ーと無機微粉体及び可塑剤を所定の混合量で、押し出し
機等の溶融混練装置によりTダイ等を用いて、50μm
から500μmの厚さのシート状に成形する。押し出し
機等の溶融混練装置にポリマー等を投入する前に、ヘン
シェルミキサー等の通常の混合機で混合しても構わず、
均一混合の観点から望ましい。また、該シート状成形物
は30℃から170℃の範囲で圧延ロールによって、シ
ート厚さ25μmから450μmに圧延しても構わず、
平面性の向上の観点から望ましい。
【0013】シート状成形物から、溶剤を用いて可塑剤
を抽出除去した後乾燥、あるいは溶剤を用いて可塑剤を
抽出除去した後乾燥し、続いて無機微粉体の抽出溶剤に
て無機微粉体を抽出して乾燥した後、一軸方向にのみ、
あるいは二軸方向に加熱延伸して、所定厚みのセパレー
タを得る方法が挙げられる。ポリマー等の混合量は、概
ね下記の混合比率が好ましい。以下、「混合比率」と
は、全重量(ポリマーと可塑剤、あるいはポリマーと可
塑剤及び無機微粉体)に対する各成分の重量比率であ
る。まず、ポリエチレンのポリマー混合比率について説
明する。ポリマーの混合比率は使用されるポリマーの粘
度平均分子量によって異なる。例えば、粘度平均分子量
が高い場合は、混合比率を低く設定するのが望ましい。
これは、成形加工性に大きく影響を与える為で、成形加
工性の観点から、ポリマーの混合比率は選定することが
望ましい。
【0014】また、粘度平均分子量が40万未満だと混
合比率50wt%以上でも成形加工性は良好であり、混
合比率の選択範囲は広がる。粘度平均分子量は、ポリマ
ーを混合することによっても調整でき、高密度ポリエチ
レンと直鎖状の低密度ポリエチレンや低密度ポリエチレ
ンとの混合が望ましい。このそれぞれのポリマーの粘度
平均分子量が、40万未満である必要はないが、混練性
等の観点から300万未満、好ましくは100万未満、
さらに好ましくは、60万未満である。最も好ましく
は、50万未満である。
【0015】さらには、該ポリオレフィン混合物の粘度
平均分子量が、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン等をブレンドして、40
万未満となるよう調整するのが望ましい。以下、ポリフ
ッ化ビニリデンのポリマーの添加量について説明する。
ポリフッ化ビニリデンの含有量により、電解液の含浸性
は異なるが、本発明中のセパレータに含有される量とし
て、原料の5wt%以上含有すれば、顕著な効果が認め
られ、より好ましくは10wt%以上である。ポリマー
と可塑剤からなるセパレータの製造法においては、ポリ
マーを除いた量が可塑剤となり、ポリマーと無機微粉体
及び可塑剤からなる製造法においては、ポリマーを除い
た量が、無機微粉体と可塑剤の混合量となる。無機微粉
体と可塑剤の混合比率は、無機微粉体1に対して可塑剤
が1.5以上であることが望ましい。この比率が1.5
未満であると、成形加工時の流動性が低下し好ましくな
い。
【0016】次に、本発明のセパレータに電解液の含浸
処理する方法について説明する。電解液には、プロピレ
ンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカー
ボネートなどの炭酸エステルやγ−ブチルラクトン、ス
ルホラン、ジメチルスルフォキシドなどが用いられ、主
には、プロピレンカーボネートが用いられている。上記
のような電解液に、LiPF6、LiBF4、LiClO
4などの電解質塩が含有されていても構わない。
【0017】含浸処理には温度処理工程を要する。温度
処理は、予め電解液を一定温度に調整してからセパレー
タへの含浸を行ってもよいし、セパレータに電解液を含
浸させてしまってから、これらに加温処理をしてもよ
い。電池組立時等に含浸する場合などの観点からは、電
解液含浸工程で該温度処理をするのが望ましい。電解液
の温度は、45℃から130℃であることが必要である
が、この範囲内の温度の選定は、使用する電解液あるい
は、電解液と電解質塩が分解、劣化しない温度となるよ
うに、容易に実験的に決めることができ、その例は実施
例の中に挙げる。好ましくは45℃から100℃、さら
に好ましくは60℃から90℃である。
【0018】セパレータを保持する時間は、電解液の粘
度等の性質にもよるが、30秒以上、好ましくは60秒
以上、さらに好ましくは2分以上であり、電解液等の分
解、劣化等がなければ、さらに十分な時間保持しても構
わない。この含浸工程は、電池組立時の電池缶内で含浸
処理されるか、電池組立前に前もってセパレータに電解
液の含浸処理を付しても構わない。本発明者は、実施例
で説明するように、この含浸処理により、交流電気抵抗
が未含浸処理のセパレータに比べて、低下することを見
出した。交流電気抵抗は1.2Ω・cm2以下が、電池
の充放電特性の観点から好ましく、さらに好ましくは、
1.0Ω・cm2以下である。以上説明したセパレータ
は、公知の方法で2枚以上積層しても構わないし、その
他の公知のセパレータと積層して用いても構わない。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お測定方法についても下記に示す。 (1)ポリエチレンの粘度平均分子量 デカリンを用い、測定温度135℃でウベローゼ型粘度
計により粘度を測定し、Chiangの式により粘度平
均分子量を求めた。 (2)ポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量 GPCによるポリスチレン換算分子量で、 (a)GPC測定装置:東洋ソーダ製 LS−8000 (b)カラム:GMHXL (c)溶媒:DMF (d)カラム温度:40℃ で測定した。
【0020】(3)気孔率 10cm×10cmのサンプルを切り出し、サンプルの
含水時の重量、絶乾時の重量及び膜厚を測定し、下式か
ら求めた。 気孔率=(空孔容積/セパレータ容積)×100(%) 空孔容積=(含水重量(g)−絶乾重量(g))/水の
密度(g/cm3) セパレータ容積=100×膜厚(cm) (4)バブルポイント ASTM E−128−61に準拠し、エタノール中の
バブルポイントを測定した。 (5)弾性率 島津社製の型式オートグラフAG−A型を用いて、試験
片の大きさが幅10mm×長さ100mmでチャック間
距離50mm、引張速度200mm/minにおいて引
張試験を行い、弾性率を測定した。試験片は、セパレー
タの機械方向が試験片の長手方向となるよう切り出し
た。
【0021】(6)交流電気抵抗 安藤電気製AG−4311型LCRメータにて測定し
た。 (a)電解液:プロピレンカーボネート 50体積% ジメトキシエタン 50体積% 過塩素酸リチウム 1mol/dm3 (b)条件 :白金電極 極板間距離 3mm 極板面積 0.785cm2 交流 1kHz (c)組立 :図2に記載した (7)セパレータの厚さ 最小目盛り1μmのダイヤルゲージにて測定した。 (8)プロピレンカーボネート含浸時間 セパレータを30mm×30mmに切り出し、25mm
×20mmの厚さ3mmのガラス板に図2に示すように
挟む。この該挟持固定物をプロピレンカーボネート中に
含浸する。30mm×30mmのセパレータ全面にプロ
ピレンカーボネートが含浸されるまでの時間をプロピレ
ンカーボネート含浸時間とした。セパレータ全面にプロ
ピレンカーボネートが含浸されたか否かの判定は、透明
性により目視で十分に判断できた(プロピレンカーボネ
ートが含浸されると透明性が顕著に向上し、含浸されて
いない部位と明確な差がでる)。
【0022】
【実施例1】粘度平均分子量50万の高密度ポリエチレ
ンが10wt%、粘度平均分子量28万の高密度ポリエ
チレン25wt%、重量平均分子量24万のポリフッ化
ビニリデンが5wt%、微粉珪酸18wt%、流動パラ
フィン42wt%をヘンシェルミキサーで混合し、該混
合物をφ30mmの二軸押し出し機に450mm幅のT
ダイを取り付けたシート製造装置とφ300mmの圧延
ロールを用いて、厚さ140μmのシート状成形物を得
た。なお、ポリエチレン組成物の粘度平均分子量は、4
0万未満であった。
【0023】Tダイを出たシートの厚さは、500μ
m、押し出し温度は180℃、圧延ロールの温度は12
0℃であった。成形されたシートは、1,1,1−トリ
クロロエタン中に10分間浸漬し、流動パラフィンを抽
出した後乾燥した。ポリエチレン及びポリフッ化ビニリ
デンは抽出されていなかった。さらに60℃の25%苛
性ソーダ中に60分間浸漬して、微粉珪酸を抽出した。
ポリエチレン及びポリフッ化ビニリデンは抽出されてい
なかった。さらに、水洗して乾燥して微多孔膜とした。
さらに、微多孔膜を125℃の雰囲気下、ストレッチャ
ーで、幅方向に4倍、機械方向方向に2倍延伸して、セ
パレータを得た。得られたセパレータの特性を表1に示
した。
【0024】
【実施例2】粘度平均分子量50万の高密度ポリエチレ
ン8wt%、粘度平均分子量28万の高密度ポリエチレ
ン24wt%、重量平均分子量46万のポリフッ化ビニ
リデン8wt、微粉珪酸18wt%、流動パラフィン4
2wt%を使用した以外は、実施例1と同様に実施し
た。なお、ポリエチレン組成物の粘度平均分子量は、4
0万未満であった。また、可塑剤抽出及び微粉珪酸抽出
時に、ポリエチレン及びポリフッ化ビニリデンは抽出さ
れていなかった。得られたセパレータの特性を表1に示
した。
【0025】
【実施例3】粘度平均分子量50万の高密度ポリエチレ
ン8wt%、粘度平均分子量28万の高密度ポリエチレ
ン18wt%、粘度平均分子量が12万の直鎖状低密度
ポリエチレン6wt%、重量平均分子量24万のポリフ
ッ化ビニリデン8wt%、微粉珪酸18wt%、流動パ
ラフィン42wt%を使用した以外は、実施例1同様に
実施した。なお、ポリエチレン組成物の粘度平均分子量
は、40万未満であった。また、可塑剤抽出及び微粉珪
酸抽出時に、ポリエチレン及びポリフッ化ビニリデンは
抽出されていなかった。得られたセパレータの特性を表
1に示した。
【0026】
【実施例4】粘度平均分子量50万の高密度ポリエチレ
ン8wt%、粘度平均分子量28万の高密度ポリエチレ
ン18wt%、重量平均分子量24万のポリフッ化ビニ
リデン12wt%、微粉珪酸18wt%、流動パラフィ
ン42wt%を使用した以外は、実施例1と同様に実施
した。なお、ポリエチレン組成物の粘度平均分子量は、
40万未満であった。また、可塑剤抽出及び微粉珪酸抽
出時に、ポリエチレン及びポリフッ化ビニリデンは抽出
されていなかった。得られたセパレータの特性を表1に
示した。
【0027】
【実施例5】粘度平均分子量50万の高密度ポリエチレ
ン10wt%、粘度平均分子量28万の高密度ポリエチ
レン22wt%、粘度平均分子量が12万の直鎖状低密
度ポリエチレン10wt%、重量平均分子量24万のポ
リフッ化ビニリデン8wt%、微粉珪酸13wt%、流
動パラフィン37wt%を使用した以外は、実施例1同
様に実施した。なお、ポリエチレン組成物の粘度平均分
子量は、40万未満であった。また、可塑剤抽出及び微
粉珪酸抽出時に、ポリエチレン及びポリフッ化ビニリデ
ンは抽出されていなかった。得られたセパレータの特性
を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【比較例1】粘度平均分子量300万の高密度ポリエチ
レン11wt%、粘度平均分子量48万の高密度ポリエ
チレン8.8wt%、重量平均分子量20万のエチレン
−プロピレンラバー(日本合成ゴム(株)社製のEPO
1P)2.2wt%、微粉珪酸21wt%、DOP57
wt%をヘンシェルミキサーで混合し、該混合物をφ3
0mmの二軸押し出し機に450mm幅のTダイを取り
付けたシート製造装置で厚さ150μmのシート状に成
形した。
【0030】成形されたシートは、1,1,1−トリク
ロロエタン中に10分間浸漬し、DOPを抽出した後乾
燥し、さらに60℃の25%苛性ソーダ中に60分間浸
漬して、微粉珪酸を抽出した後、水洗して乾燥し、微多
孔膜とした。さらに、該微多孔膜を125℃に加熱され
た一軸ロール延伸機により膜厚が25μmになるよう延
伸し、115℃の雰囲気下で5秒間熱処理を行い、セパ
レータとした。得られたセパレータの特性を表1に示
す。
【0031】
【実施例6】実施例1のセパレータを、80mm×80
mmの大きさに切り出し、厚さ3mmの50mm×50
mmテフロン板に四隅固定し、表2に示す条件で、電解
液(プロピレンカーボネート 50体積%、ジメトキシ
エタン 50体積%、過塩素酸 1mol/dm3)中
に浸漬させた後、取り出し25℃下で交流電気抵抗を測
定した。測定結果を、表2に示す。また、電解液を含浸
させたセパレータの温度は電解液の温度と同じであっ
た。
【0032】
【比較例2】比較例2のセパレータを実施例6と同様に
電解液含浸処理を実施した。得られた結果は、表2に示
した。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明のセパレータは、ポリエチレンに
ポリフッ化ビニリデンを所定量混合することにより、電
解液の含浸性に優れ、また電解液を含浸後のセパレータ
は交流電気抵抗が低いという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセパレータの交流電気抵抗測定におけ
る組立の概略図。
【図2】本発明のセパレータのプロピレンカーボネート
含浸時間測定における概念図。
【符号の説明】 1 電極 2 テフロンパッキン 3 セパレータ 4 外径2cm、内径1cm、厚さ1mmのテフロンパ
ッキン 5 電極 6 ガラス板 7 セパレータ 8 ガラス容器 9 プロピレンカーボネート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度平均分子量5万以上のポリエチレン
    が20〜95wt%、およびポリフッ化ビニリデンを5
    〜80wt%を含有することを特徴とする電池に用いら
    れるセパレータ。
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