JPH08232331A - 排水システムにおける鉄砲水検知装置、鉄砲水到達時間の予測方法、及びその予測方法を用いてなる排水システム - Google Patents
排水システムにおける鉄砲水検知装置、鉄砲水到達時間の予測方法、及びその予測方法を用いてなる排水システムInfo
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- JPH08232331A JPH08232331A JP7307485A JP30748595A JPH08232331A JP H08232331 A JPH08232331 A JP H08232331A JP 7307485 A JP7307485 A JP 7307485A JP 30748595 A JP30748595 A JP 30748595A JP H08232331 A JPH08232331 A JP H08232331A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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- Y02A20/20—Controlling water pollution; Waste water treatment
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- Sewage (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】排水システムにおける鉄砲水の発生を検出し、
排水ポンプ設置点に到達する時間を予測し、これに基づ
いて排水ポンプの対応運転を行う。 【解決手段】上流地点aの水位等の検出値又はその増加
率Δha(t)が設定値k以上のときに鉄砲水の発生を検知
する(ステップ31,32)。その鉄砲水が地点aから
排水ポンプ12地点へ達する到達時間Tadを水理計算に
よって予測する(ステップ33〜37,44)。その
際、上・下流地点aとbの2か所以上にて鉄砲水の発生
を検知し(ステップ32,39)、地点aから地点bへ
の到達時間の予測値T'abと実測値Tabの比を補正係数
αとして求め(ステップ38〜43)、前記補正係数に
より水理計算で得られる排水ポンプ地点への予測到達時
間を補正する(ステップ44)。得られた予測到達時間
T'bdに基づいて排水ポンプの先行待機などの運転方策
を決定する(ステップ45)。
排水ポンプ設置点に到達する時間を予測し、これに基づ
いて排水ポンプの対応運転を行う。 【解決手段】上流地点aの水位等の検出値又はその増加
率Δha(t)が設定値k以上のときに鉄砲水の発生を検知
する(ステップ31,32)。その鉄砲水が地点aから
排水ポンプ12地点へ達する到達時間Tadを水理計算に
よって予測する(ステップ33〜37,44)。その
際、上・下流地点aとbの2か所以上にて鉄砲水の発生
を検知し(ステップ32,39)、地点aから地点bへ
の到達時間の予測値T'abと実測値Tabの比を補正係数
αとして求め(ステップ38〜43)、前記補正係数に
より水理計算で得られる排水ポンプ地点への予測到達時
間を補正する(ステップ44)。得られた予測到達時間
T'bdに基づいて排水ポンプの先行待機などの運転方策
を決定する(ステップ45)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小河川を含む水路
により雨水等の排水を幹線水路に集め、この排水を排水
ポンプ機場に導き、この排水ポンプ機場から河川等に放
流する排水システムに係り、特に都市及び都市近郊の広
域排水システムに生ずる鉄砲水対策を考慮した排水シス
テムに関する。
により雨水等の排水を幹線水路に集め、この排水を排水
ポンプ機場に導き、この排水ポンプ機場から河川等に放
流する排水システムに係り、特に都市及び都市近郊の広
域排水システムに生ずる鉄砲水対策を考慮した排水シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる排水システムにおいては、
排水ポンプ機場のポンプ井の水位(以下、内水位とい
う。)を基準に、この内水位を一定の範囲に保持するよ
うに排水ポンプを自動運転して、ポンプ井への流入水を
排水することが一般的に行われている。
排水ポンプ機場のポンプ井の水位(以下、内水位とい
う。)を基準に、この内水位を一定の範囲に保持するよ
うに排水ポンプを自動運転して、ポンプ井への流入水を
排水することが一般的に行われている。
【0003】ところが、近年、排水区域の市街化が進
み、地面に染み込む雨水の割合が減ってきたために雨水
流出量が増加し、排水ポンプ機場へ大量の雨水が急激に
流入するようになっている。そのため、上記従来の内水
位を基準とする自動制御では、ポンプ運転の開始が遅れ
る場合があり、急激な流入量の増加に追従できないとい
う問題がある。そのため、従来、降雨予測に基づいて排
水ポンプ機場への流入量を予測し、これに従って排水ポ
ンプの運転を制御しようとする試みがなされている。こ
の種の公知例としては、特開平2−115584号公
報、特開昭56−156342号公報等がある。
み、地面に染み込む雨水の割合が減ってきたために雨水
流出量が増加し、排水ポンプ機場へ大量の雨水が急激に
流入するようになっている。そのため、上記従来の内水
位を基準とする自動制御では、ポンプ運転の開始が遅れ
る場合があり、急激な流入量の増加に追従できないとい
う問題がある。そのため、従来、降雨予測に基づいて排
水ポンプ機場への流入量を予測し、これに従って排水ポ
ンプの運転を制御しようとする試みがなされている。こ
の種の公知例としては、特開平2−115584号公
報、特開昭56−156342号公報等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の流入量
予測技術では、降雨の初期や集中豪雨に見られる、いわ
ゆる鉄砲水のような急激な流入量増加については配慮し
ていないことから、排水ポンプの対応運転(特に運転開
始)が間にあわず、ポンプ井や排水路が冠水する恐れが
ある。
予測技術では、降雨の初期や集中豪雨に見られる、いわ
ゆる鉄砲水のような急激な流入量増加については配慮し
ていないことから、排水ポンプの対応運転(特に運転開
始)が間にあわず、ポンプ井や排水路が冠水する恐れが
ある。
【0005】本発明の第1の目的は、鉄砲水の発生を検
出し、速やかな排水ポンプの鉄砲水対応運転を可能とす
る排水システムの鉄砲水検出装置を提供することにあ
る。
出し、速やかな排水ポンプの鉄砲水対応運転を可能とす
る排水システムの鉄砲水検出装置を提供することにあ
る。
【0006】本発明の第2の目的は、鉄砲水が排水ポン
プ設置点に到達する時間を予測し、余裕を持って排水ポ
ンプの鉄砲水対応運転を可能とする鉄砲水到達時間の予
測方法を提供することにある。
プ設置点に到達する時間を予測し、余裕を持って排水ポ
ンプの鉄砲水対応運転を可能とする鉄砲水到達時間の予
測方法を提供することにある。
【0007】本発明の第3の目的は、鉄砲水に対応させ
て排水ポンプの運転を行うようにした排水システムを提
供することにある。
て排水ポンプの運転を行うようにした排水システムを提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明の排水システムの鉄砲水検出装置は、排
水路の上流地点に該地点の流量に相関する物理量を検出
する検出器を設け、この検出器の検出値を入力とし、そ
の検出値又はその増加率の少なくとも一方が設定値以上
のときに鉄砲水検知信号を出力する演算手段を設けて構
成する。なお、前記物理量は、流量又は水位のいずれで
もよい。
るため、本発明の排水システムの鉄砲水検出装置は、排
水路の上流地点に該地点の流量に相関する物理量を検出
する検出器を設け、この検出器の検出値を入力とし、そ
の検出値又はその増加率の少なくとも一方が設定値以上
のときに鉄砲水検知信号を出力する演算手段を設けて構
成する。なお、前記物理量は、流量又は水位のいずれで
もよい。
【0009】上記第2の目的を達成するため、本発明の
排水システムの鉄砲水到達時間の予測方法は、排水路の
上流地点の流量に相関する物理量を検出し、その検出値
又はその増加率の少なくとも一方が設定値以上のときに
鉄砲水の発生を検知し、該鉄砲水が当該地点から排水ポ
ンプ地点に到達する到達時間を水理計算によって予測す
るようにしたのである。この場合において、前記検出値
の増加率の大きさによって前記到達時間を補正すること
が好ましい。
排水システムの鉄砲水到達時間の予測方法は、排水路の
上流地点の流量に相関する物理量を検出し、その検出値
又はその増加率の少なくとも一方が設定値以上のときに
鉄砲水の発生を検知し、該鉄砲水が当該地点から排水ポ
ンプ地点に到達する到達時間を水理計算によって予測す
るようにしたのである。この場合において、前記検出値
の増加率の大きさによって前記到達時間を補正すること
が好ましい。
【0010】また、排水路の上流地点と該地点の下流地
点の2か所以上にて各地点の流量に相関する物理量を検
出し、該各地点の検出値又はその増加率の少なくとも一
方が設定値以上のときに鉄砲水の発生を検知し、該検知
された鉄砲水が前記上流地点から前記下流地点の1つに
到達する第1の到達時間を水理計算によって予測すると
ともに、その第1の到達時間を実測し、その予測値を実
測値に一致させる補正係数を求め、前記鉄砲水が前記排
水ポンプ地点に到達する第2の到達時間を水理計算によ
って予測し、該予測時間を前記補正係数により補正して
鉄砲水到達時間の予測の精度を高めることができる。
点の2か所以上にて各地点の流量に相関する物理量を検
出し、該各地点の検出値又はその増加率の少なくとも一
方が設定値以上のときに鉄砲水の発生を検知し、該検知
された鉄砲水が前記上流地点から前記下流地点の1つに
到達する第1の到達時間を水理計算によって予測すると
ともに、その第1の到達時間を実測し、その予測値を実
測値に一致させる補正係数を求め、前記鉄砲水が前記排
水ポンプ地点に到達する第2の到達時間を水理計算によ
って予測し、該予測時間を前記補正係数により補正して
鉄砲水到達時間の予測の精度を高めることができる。
【0011】上記第3の目的を達成する本発明の排水シ
ステムは、前記いずれかの鉄砲水検知装置又は鉄砲水の
到達時間予測方法を適用し、その予測到達時間に合わせ
て排水ポンプの運転を制御するポンプ制御手段を設けて
構成する。この場合において、ポンプ制御手段は、前記
鉄砲水の到達時間予測に基づいて排水ポンプの先行待機
運転の開始タイミングと運転台数とを制御することが望
ましい。また、排水路の系統を表示したグラフィックパ
ネルを設け、前記予測した到達時間に基づいて、グラフ
ィックパネルに鉄砲水の流下位置を表示することが好ま
しい。
ステムは、前記いずれかの鉄砲水検知装置又は鉄砲水の
到達時間予測方法を適用し、その予測到達時間に合わせ
て排水ポンプの運転を制御するポンプ制御手段を設けて
構成する。この場合において、ポンプ制御手段は、前記
鉄砲水の到達時間予測に基づいて排水ポンプの先行待機
運転の開始タイミングと運転台数とを制御することが望
ましい。また、排水路の系統を表示したグラフィックパ
ネルを設け、前記予測した到達時間に基づいて、グラフ
ィックパネルに鉄砲水の流下位置を表示することが好ま
しい。
【0012】このように構成されることから、本発明に
よれば、次の作用により上記各目的が達成される。
よれば、次の作用により上記各目的が達成される。
【0013】いわゆる鉄砲水は、集中豪雨等により発生
し、鉄砲水の流下にあわせ排水路の水位又は流量が急激
に増加する現象を呈する。また、鉄砲水に至らない程度
の通常の雨量であれば、排水路水位等の変化は緩やかで
ある。
し、鉄砲水の流下にあわせ排水路の水位又は流量が急激
に増加する現象を呈する。また、鉄砲水に至らない程度
の通常の雨量であれば、排水路水位等の変化は緩やかで
ある。
【0014】したがって、本発明の鉄砲水検知装置のよ
うに、排水路の上流地点にて排水路の水位又は流量を検
出し、その増加率が急激であるか否かを判断することに
より、鉄砲水が発生流下しているか否かを検知できる。
うに、排水路の上流地点にて排水路の水位又は流量を検
出し、その増加率が急激であるか否かを判断することに
より、鉄砲水が発生流下しているか否かを検知できる。
【0015】また、排水路を流下する鉄砲水の速度は、
鉄砲水の水位又はその増加率等の強さに相当する条件
と、排水路の諸条件とを与え、周知の理論により例えば
段波として扱うことにより求めることができる。
鉄砲水の水位又はその増加率等の強さに相当する条件
と、排水路の諸条件とを与え、周知の理論により例えば
段波として扱うことにより求めることができる。
【0016】したがって、上記により鉄砲水を検知でき
れば、本発明の鉄砲水到達時間の予測方法のように、鉄
砲水の程度(水位又は増加率)と、鉄砲水の検知地点か
ら排水ポンプ地点までの距離と、排水路条件等に基づ
き、水理理論に従って排水ポンプ地点までの鉄砲水到達
時間を予測演算できる。そして、その予測結果に基づい
て排水ポンプを先行して運転開始することにより、鉄砲
水の到来に容易に対応できる。
れば、本発明の鉄砲水到達時間の予測方法のように、鉄
砲水の程度(水位又は増加率)と、鉄砲水の検知地点か
ら排水ポンプ地点までの距離と、排水路条件等に基づ
き、水理理論に従って排水ポンプ地点までの鉄砲水到達
時間を予測演算できる。そして、その予測結果に基づい
て排水ポンプを先行して運転開始することにより、鉄砲
水の到来に容易に対応できる。
【0017】通常、排水ポンプは複数台設けられている
から、鉄砲水の強さに応じて運転する台数をきめる。ま
た、排水ポンプを先行待機運転できる時間は、ポンプ軸
受の冷却システム等により制限を受けるが、上記予測に
より先行待機運転時間を最適化でき、ポンプ軸受の損傷
を防止できる。また、幹線水路に貯留池等の貯留部があ
り、その貯留部に水が貯留されている場合には、その貯
留水を予め排水することができる。これにより、一定の
鉄砲水を吸収緩和できる。
から、鉄砲水の強さに応じて運転する台数をきめる。ま
た、排水ポンプを先行待機運転できる時間は、ポンプ軸
受の冷却システム等により制限を受けるが、上記予測に
より先行待機運転時間を最適化でき、ポンプ軸受の損傷
を防止できる。また、幹線水路に貯留池等の貯留部があ
り、その貯留部に水が貯留されている場合には、その貯
留水を予め排水することができる。これにより、一定の
鉄砲水を吸収緩和できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1に、本発明にかかる排水シス
テムの鉄砲水検知と到達時間の予測の手順の一例をフロ
ーチャートにして示し、図2に本例にかかる排水システ
ムの全体構成図を示す。第2図に示すように、本例の排
水システムは、放流先河川の近傍に排水ポンプ機場2を
配置し、排水対象地域に配設された小河川を含む排水路
4によって雨水等の排水を集め、この排水を排水ポンプ
機場2に導き、ここから河川に放流するようにしてい
る。排水路4は、幹線管路6と複数の枝管路8−i(図
ではi=1〜4)から形成されている。排水ポンプ機場
2は、図示のように、幹線水路4から流入される排水を
貯留するポンプ井10と、そのポンプ井10の排水を汲
み上げて放流先の河川等に放流する排水ポンプ12と、
この排水ポンプ12の運転を制御するポンプ制御装置1
4を含んで構成されている。
を参照して説明する。図1に、本発明にかかる排水シス
テムの鉄砲水検知と到達時間の予測の手順の一例をフロ
ーチャートにして示し、図2に本例にかかる排水システ
ムの全体構成図を示す。第2図に示すように、本例の排
水システムは、放流先河川の近傍に排水ポンプ機場2を
配置し、排水対象地域に配設された小河川を含む排水路
4によって雨水等の排水を集め、この排水を排水ポンプ
機場2に導き、ここから河川に放流するようにしてい
る。排水路4は、幹線管路6と複数の枝管路8−i(図
ではi=1〜4)から形成されている。排水ポンプ機場
2は、図示のように、幹線水路4から流入される排水を
貯留するポンプ井10と、そのポンプ井10の排水を汲
み上げて放流先の河川等に放流する排水ポンプ12と、
この排水ポンプ12の運転を制御するポンプ制御装置1
4を含んで構成されている。
【0019】枝管路8−1の上流地点aとその地点より
も下流の地点bに、それぞれ水位検出器16(a,b)
が、また枝管路8−2の上流地点eとその下流地点f
に、それぞれ水位検出器16(e,f)が設置されてい
る。これらの水位検出器16は、枝管路内の水位を検出
するものであり、静電容量式や超音波式等の周知の構成
のものが適用できる。水位検出器16により検出された
各地点の水位検出値は、図示していない通信設備により
前記ポンプ制御装置14に伝送されるようになってい
る。なお、他の枝管路8−3,8−4には水位検出器を
設けていないが、必要に応じて設けてもよい。すなわ
ち、流量の大きい鉄砲水で、かつ最も早く排水ポンプ機
場2に到達する鉄砲水を検知し、その到達時間を予測で
きればよいことから、本例は排水系の全体構成や地形等
を考慮し、排水ポンプ機場2に近く、大きな排水対象地
域をカバーする枝管路を対象とし、その枝管路にて鉄砲
水を検知するようにしたのである。
も下流の地点bに、それぞれ水位検出器16(a,b)
が、また枝管路8−2の上流地点eとその下流地点f
に、それぞれ水位検出器16(e,f)が設置されてい
る。これらの水位検出器16は、枝管路内の水位を検出
するものであり、静電容量式や超音波式等の周知の構成
のものが適用できる。水位検出器16により検出された
各地点の水位検出値は、図示していない通信設備により
前記ポンプ制御装置14に伝送されるようになってい
る。なお、他の枝管路8−3,8−4には水位検出器を
設けていないが、必要に応じて設けてもよい。すなわ
ち、流量の大きい鉄砲水で、かつ最も早く排水ポンプ機
場2に到達する鉄砲水を検知し、その到達時間を予測で
きればよいことから、本例は排水系の全体構成や地形等
を考慮し、排水ポンプ機場2に近く、大きな排水対象地
域をカバーする枝管路を対象とし、その枝管路にて鉄砲
水を検知するようにしたのである。
【0020】このように構成される排水システムにおい
て、通常は、ポンプ制御装置14の働きにより、排水ポ
ンプ機場2の内水位を基準に、排水ポンプP1,P2,P
3の運転台数と回転数などの排水能力を自動的に制御し
て排水量を調整する。また、周知の流入量予測に基づい
て自動制御するようにする。
て、通常は、ポンプ制御装置14の働きにより、排水ポ
ンプ機場2の内水位を基準に、排水ポンプP1,P2,P
3の運転台数と回転数などの排水能力を自動的に制御し
て排水量を調整する。また、周知の流入量予測に基づい
て自動制御するようにする。
【0021】ここで、図1を用い、本発明の特徴にかか
る鉄砲水の検知と、鉄砲水のポンプ地点への到達時間の
予測に係る詳細構成について、動作とともに説明する。
基本的に、鉄砲水の検知と到達時間の予測は、水位検出
器16aとb,16eとfにより検出された水位データ
に基づき、ポンプ制御装置14にて実行される。ポンプ
制御装置14はコンピュータを含んで構成され、水位検
出器16a〜fから伝送される水位データを所定のサン
プリング周期ごとに取り込み、通常の入力信号処理を施
した後、メモリのデータテーブルに格納し、この格納さ
れた水位データを適宜読み出して、図1に示すような処
理を実行するようになっている。
る鉄砲水の検知と、鉄砲水のポンプ地点への到達時間の
予測に係る詳細構成について、動作とともに説明する。
基本的に、鉄砲水の検知と到達時間の予測は、水位検出
器16aとb,16eとfにより検出された水位データ
に基づき、ポンプ制御装置14にて実行される。ポンプ
制御装置14はコンピュータを含んで構成され、水位検
出器16a〜fから伝送される水位データを所定のサン
プリング周期ごとに取り込み、通常の入力信号処理を施
した後、メモリのデータテーブルに格納し、この格納さ
れた水位データを適宜読み出して、図1に示すような処
理を実行するようになっている。
【0022】図1に、枝管路8−1に発生した鉄砲水に
かかる処理を示す。なお、枝管路8−2についても同様
の処理になるので、ここでは枝管路8−1についてのみ
説明する。鉄砲水の発生(流下)はステップ31と32
の処理で検出する。鉄砲水の場合の水位の変化パターン
は、図3に示すように、急激に増大するパターンであ
る。そこで、本例では、上流地点aの水位検出値ha(t)
をサンプリングし、数式1により1周期前の水位検出値
ha(t+1)との差を演算して、水位の増加率Δha(t)を求
める(ステップ31)。
かかる処理を示す。なお、枝管路8−2についても同様
の処理になるので、ここでは枝管路8−1についてのみ
説明する。鉄砲水の発生(流下)はステップ31と32
の処理で検出する。鉄砲水の場合の水位の変化パターン
は、図3に示すように、急激に増大するパターンであ
る。そこで、本例では、上流地点aの水位検出値ha(t)
をサンプリングし、数式1により1周期前の水位検出値
ha(t+1)との差を演算して、水位の増加率Δha(t)を求
める(ステップ31)。
【0023】
【数1】Δha(t)=ha(t)−ha(t+1) 次に、増加率Δha(t)が予め定めた鉄砲水判定基準の設
定値k以上か否かにより鉄砲水の発生を検知する(ステ
ップ32)。この判定が否定のときはステップ31に戻
って次のデータに対して同一の処理を繰り返す。肯定の
ときは、ステップ33にて、鉄砲水の最高水位hmを検
出する。この検出は、前記データテーブルの水位検出値
ha(t)の変化を監視し、極大値を示した検出値を最高水
位として特定することにより行う。最高水位を検出した
ときタイミングにタイマをセットして、その鉄砲水が下
流の地点bに到達する時間の実測を開始する(ステップ
34)。なお、鉄砲水を検知したとき、その検知信号に
より警報などを発したり、グラフィックパネル等の表示
装置にその旨と発生地点とを表示するようにしてもよ
い。また、鉄砲水の検知は、上記の水位増加率のほか、
水位そのものが所定の設定値を超えたこと、又は排水の
濁度が異常に高くなったことを条件として検出できる。
次のステップ35からステップ43までは、水理計算
による鉄砲水の到達時間の予測の精度を上げるための補
正係数αを求めるステップである。到達時間の予測に用
いる原理として、周知の水理モデルから種々の方法が考
えられるが、本例では予測の処理時間を考慮して簡便な
段波モデルによる方法を適用した。この段波モデルによ
る鉄砲水の伝播速度(流下速度)ωは数式2によって表
される。なお、このモデルは、長方形管路の場合である
が、円形管路の場合はそれに合わせて変数を変形して適
用すればよい。
定値k以上か否かにより鉄砲水の発生を検知する(ステ
ップ32)。この判定が否定のときはステップ31に戻
って次のデータに対して同一の処理を繰り返す。肯定の
ときは、ステップ33にて、鉄砲水の最高水位hmを検
出する。この検出は、前記データテーブルの水位検出値
ha(t)の変化を監視し、極大値を示した検出値を最高水
位として特定することにより行う。最高水位を検出した
ときタイミングにタイマをセットして、その鉄砲水が下
流の地点bに到達する時間の実測を開始する(ステップ
34)。なお、鉄砲水を検知したとき、その検知信号に
より警報などを発したり、グラフィックパネル等の表示
装置にその旨と発生地点とを表示するようにしてもよ
い。また、鉄砲水の検知は、上記の水位増加率のほか、
水位そのものが所定の設定値を超えたこと、又は排水の
濁度が異常に高くなったことを条件として検出できる。
次のステップ35からステップ43までは、水理計算
による鉄砲水の到達時間の予測の精度を上げるための補
正係数αを求めるステップである。到達時間の予測に用
いる原理として、周知の水理モデルから種々の方法が考
えられるが、本例では予測の処理時間を考慮して簡便な
段波モデルによる方法を適用した。この段波モデルによ
る鉄砲水の伝播速度(流下速度)ωは数式2によって表
される。なお、このモデルは、長方形管路の場合である
が、円形管路の場合はそれに合わせて変数を変形して適
用すればよい。
【0024】
【数2】
【0025】ここで、hoは図3に示すように鉄砲水前
面の初期水位であり、Vは初期水位hoのときの初期流
速で、数式3により求める。また、gは重力加速度であ
る。
面の初期水位であり、Vは初期水位hoのときの初期流
速で、数式3により求める。また、gは重力加速度であ
る。
【0026】
【数3】
【0027】ここで、nは管路の粗度係数であり、Iは
管路の勾配である。したがって、流下速度ωを求めれ
ば、同一排水管の下流地点に到達する到達時間は、そこ
までの距離をωで割算すれば求められる。
管路の勾配である。したがって、流下速度ωを求めれ
ば、同一排水管の下流地点に到達する到達時間は、そこ
までの距離をωで割算すれば求められる。
【0028】上記の水理理論に従い、ステップ35で地
点aにおける初期流速Vaを数式3により求める。次
に、ステップ36で数式2により流下速度ωaを求め
る。そして、ステップ37において、数式4により、距
離Labだけ離れた下流の地点bまでの到達時間の予測値
T'abを演算する。
点aにおける初期流速Vaを数式3により求める。次
に、ステップ36で数式2により流下速度ωaを求め
る。そして、ステップ37において、数式4により、距
離Labだけ離れた下流の地点bまでの到達時間の予測値
T'abを演算する。
【0029】
【数4】T'ab=Lab/ωa 次のステップ38から40においては、地点bにおける
鉄砲水検知と、最高水位hmを検出する。この処理内容
は前記ステップ31から33と同一であるから説明を省
略する。ステップ40で地点bに鉄砲水の最高水位が到
達したことを検知したタイミングで、前記タイマを停止
させ(ステップ41)、地点aからbまでの到達時間の実
測値Tabを求める(ステップ42)。そして、ステップ4
3にて、次式5により、予測時間の補正係数αを演算す
る。
鉄砲水検知と、最高水位hmを検出する。この処理内容
は前記ステップ31から33と同一であるから説明を省
略する。ステップ40で地点bに鉄砲水の最高水位が到
達したことを検知したタイミングで、前記タイマを停止
させ(ステップ41)、地点aからbまでの到達時間の実
測値Tabを求める(ステップ42)。そして、ステップ4
3にて、次式5により、予測時間の補正係数αを演算す
る。
【0030】
【数5】α=T'ab/Tab 通常、理論による予測値よりも実測値の方が大きいか
ら、α≦1.0である。
ら、α≦1.0である。
【0031】次に、地点bからポンプ地点dに鉄砲水が
到達する予測時間T'bdを、数式6により演算する。
到達する予測時間T'bdを、数式6により演算する。
【0032】
【数6】T'bd=α(T'bc+T'cd) この式におけるT'bcとT'cdの予測は、それぞれ基本的
に数式2,3,4を用いる。但し、幹線管路6は枝管路
8−1と管径などの管路条件が異なるので、初期水位h
oと最高水位hmは、地点aの検出値に基づき、比例計
算により推定する。この場合、初期水位hoには、他の
枝管路8−2,8−3,8−4等から合流点cに流入し
ている排水量をも考慮する必要がある。したがって、合
流点cに水位検出器を設置して、初期水位hoを検出す
るのが好ましい。しかし、枝管路8−1の鉄砲水が最も
早く合流点cに到達する場合は、他の枝管路から合流点
cに流入する量は、通常時の流量であるから、過去の各
枝管路の流量割合の実績データ等に基づく相関係数を設
定しておき、地点aの初期水位にその相関係数を乗じ
て、合流点cの初期水位を推定することができる。本例
はこの方法によっている。なお、本発明は基本的に最も
早く排水ポンプ地点に到達する鉄砲水についての到達時
間を予測すればよいから、枝管路8−1よりも枝管路8
−2に発生した鉄砲水が最も早く合流点cに到達する場
合は、枝管路8−2の鉄砲水について到達時間T'fdを
予測する。
に数式2,3,4を用いる。但し、幹線管路6は枝管路
8−1と管径などの管路条件が異なるので、初期水位h
oと最高水位hmは、地点aの検出値に基づき、比例計
算により推定する。この場合、初期水位hoには、他の
枝管路8−2,8−3,8−4等から合流点cに流入し
ている排水量をも考慮する必要がある。したがって、合
流点cに水位検出器を設置して、初期水位hoを検出す
るのが好ましい。しかし、枝管路8−1の鉄砲水が最も
早く合流点cに到達する場合は、他の枝管路から合流点
cに流入する量は、通常時の流量であるから、過去の各
枝管路の流量割合の実績データ等に基づく相関係数を設
定しておき、地点aの初期水位にその相関係数を乗じ
て、合流点cの初期水位を推定することができる。本例
はこの方法によっている。なお、本発明は基本的に最も
早く排水ポンプ地点に到達する鉄砲水についての到達時
間を予測すればよいから、枝管路8−1よりも枝管路8
−2に発生した鉄砲水が最も早く合流点cに到達する場
合は、枝管路8−2の鉄砲水について到達時間T'fdを
予測する。
【0033】このようにして予測した到達時間T'bdに
基づいて、ステップ45において、排水ポンプの運転台
数とその運転開始タイミングについて決定するととも
に、その決定にしたがって鉄砲水に対する先行待機運転
の制御を行う。通常、排水ポンプは複数台設けられてい
るから、鉄砲水の強さに応じて運転する台数をきめる。
基づいて、ステップ45において、排水ポンプの運転台
数とその運転開始タイミングについて決定するととも
に、その決定にしたがって鉄砲水に対する先行待機運転
の制御を行う。通常、排水ポンプは複数台設けられてい
るから、鉄砲水の強さに応じて運転する台数をきめる。
【0034】上述したように、本例によれば、排水路の
上流地点aにて排水路の水位を検出し、その増加率が急
激であるか否かを判断していることから、鉄砲水が発生
を素早く検知できる。これにより、排水ポンプの対応運
転を余裕を持って行うことができる。
上流地点aにて排水路の水位を検出し、その増加率が急
激であるか否かを判断していることから、鉄砲水が発生
を素早く検知できる。これにより、排水ポンプの対応運
転を余裕を持って行うことができる。
【0035】また、鉄砲水の程度(水位又は増加率)
と、鉄砲水の検知地点から排水ポンプ地点までの距離
と、排水路条件とに基づき、水理理論に従って排水ポン
プ地点までの鉄砲水の到達時間を予測演算していること
から、更に余裕を持って排水ポンプの対応運転を行うこ
とができる。
と、鉄砲水の検知地点から排水ポンプ地点までの距離
と、排水路条件とに基づき、水理理論に従って排水ポン
プ地点までの鉄砲水の到達時間を予測演算していること
から、更に余裕を持って排水ポンプの対応運転を行うこ
とができる。
【0036】そして、その予測結果に基づいて排水ポン
プを先行して運転する台数や運転開始タイミングを決定
していることから、鉄砲水の到来に容易に対応できる。
プを先行して運転する台数や運転開始タイミングを決定
していることから、鉄砲水の到来に容易に対応できる。
【0037】また、排水ポンプを先行待機運転できる時
間は、ポンプ軸受の冷却システム等により制限を受ける
が、上記予測により先行待機運転時間を最適化でき、ポ
ンプ軸受の損傷を防止できる。
間は、ポンプ軸受の冷却システム等により制限を受ける
が、上記予測により先行待機運転時間を最適化でき、ポ
ンプ軸受の損傷を防止できる。
【0038】なお、図2に示すように、幹線水路に貯留
池等の貯留部18があり、その貯留部に水が貯留されて
いる場合には、その貯留水を予め排水することができ、
これにより、一定の鉄砲水を吸収緩和できるから、鉄砲
水の量に対して排水ポンプの排水能力が低い場合にも、
冠水などを防止するのに効果がある。
池等の貯留部18があり、その貯留部に水が貯留されて
いる場合には、その貯留水を予め排水することができ、
これにより、一定の鉄砲水を吸収緩和できるから、鉄砲
水の量に対して排水ポンプの排水能力が低い場合にも、
冠水などを防止するのに効果がある。
【0039】また、上記例では、補正係数αで到達予測
時間を補正するようにしたが、この補正を省略してもよ
く、これによれば水位検出器の数を半分に低減できる。
また、その補正をしない場合は、到達予測時間が短くな
る方向であるから、早めに鉄砲水の対応運転をすること
になる。
時間を補正するようにしたが、この補正を省略してもよ
く、これによれば水位検出器の数を半分に低減できる。
また、その補正をしない場合は、到達予測時間が短くな
る方向であるから、早めに鉄砲水の対応運転をすること
になる。
【0040】また、補正係数αに代えて、鉄砲水の強さ
の度合に応じて到達予測時間を補正するようにしてもよ
い。この例について、図4に示した処理手順フローチャ
ートを参照して説明する。図において、ステップ51か
ら53までは、図1のステップ31から33に同じであ
り、地点aの水位変化に基づいて鉄砲水の発生を検知す
る。次に、ステップ54で、水位検出値Δha(t)の変化
率の度合、又は図3に示した鉄砲水の前面の平均角度θ
に応じて、補正係数βを求める。この平均角度θと補正
係数βとの設定関係の一例を図5に示す。次のステップ
55〜57において、前記図1の例と同様に、地点aに
おける初期流速Va、流下速度ωaを求めた後、合流点
cまでの到達時間の予測値T'acを算出する。そして、
ステップ58において、前述したと同様に合流点cにお
ける初期水位hoを推定し、これに基づいて数式3によ
り初期流速Vcを求め、さらに数式2により流下速度ω
cを求める。次のステップ59にて、数式7により地点
aからポンプ地点dに至る鉄砲水の到達時間の予測値
T'adを算出する。
の度合に応じて到達予測時間を補正するようにしてもよ
い。この例について、図4に示した処理手順フローチャ
ートを参照して説明する。図において、ステップ51か
ら53までは、図1のステップ31から33に同じであ
り、地点aの水位変化に基づいて鉄砲水の発生を検知す
る。次に、ステップ54で、水位検出値Δha(t)の変化
率の度合、又は図3に示した鉄砲水の前面の平均角度θ
に応じて、補正係数βを求める。この平均角度θと補正
係数βとの設定関係の一例を図5に示す。次のステップ
55〜57において、前記図1の例と同様に、地点aに
おける初期流速Va、流下速度ωaを求めた後、合流点
cまでの到達時間の予測値T'acを算出する。そして、
ステップ58において、前述したと同様に合流点cにお
ける初期水位hoを推定し、これに基づいて数式3によ
り初期流速Vcを求め、さらに数式2により流下速度ω
cを求める。次のステップ59にて、数式7により地点
aからポンプ地点dに至る鉄砲水の到達時間の予測値
T'adを算出する。
【0041】
【数7】T'ad=β(T'ac+T'cd) ここで、T'ac=Lac/ωa T'cd=Lcd/ωc このようにして予測した到達時間T'adに基づいて、ス
テップ60において、排水ポンプの運転台数とその運転
開始タイミングについて決定するとともに、その決定に
したがって鉄砲水に対する先行待機運転の制御を行う。
通常、排水ポンプは複数台設けられているから、鉄砲水
の強さに応じて運転する台数をきめる。
テップ60において、排水ポンプの運転台数とその運転
開始タイミングについて決定するとともに、その決定に
したがって鉄砲水に対する先行待機運転の制御を行う。
通常、排水ポンプは複数台設けられているから、鉄砲水
の強さに応じて運転する台数をきめる。
【0042】本例によれば、図1の例に比べて到達時間
の予測精度は落ちるが、水位検出器の数を低減でき、ま
た処理が簡単化できるという効果がある。
の予測精度は落ちるが、水位検出器の数を低減でき、ま
た処理が簡単化できるという効果がある。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
排水路の上流地点にて排水路の排水流量に相関する物理
量を検出し、その増加率が急激であるか否かを判断して
鉄砲水の発生を検知していることから、簡単にかつ速や
かに鉄砲水の発生を検知できる。これにより、排水ポン
プの対応運転を余裕を持って行うことができる。
排水路の上流地点にて排水路の排水流量に相関する物理
量を検出し、その増加率が急激であるか否かを判断して
鉄砲水の発生を検知していることから、簡単にかつ速や
かに鉄砲水の発生を検知できる。これにより、排水ポン
プの対応運転を余裕を持って行うことができる。
【0044】また、鉄砲水の程度(水位又は増加率)
と、鉄砲水の検知地点から排水ポンプ地点までの距離
と、排水路条件とに基づき、水理理論に従って排水ポン
プ地点までの鉄砲水の到達時間を予測演算していること
から、更に余裕を持って排水ポンプの対応運転を行うこ
とができる。
と、鉄砲水の検知地点から排水ポンプ地点までの距離
と、排水路条件とに基づき、水理理論に従って排水ポン
プ地点までの鉄砲水の到達時間を予測演算していること
から、更に余裕を持って排水ポンプの対応運転を行うこ
とができる。
【0045】また、その予測結果に基づいて排水ポンプ
を先行して運転する台数や運転開始タイミングを決定し
ていることから、鉄砲水の到来に容易に対応できる。な
お、排水ポンプを先行待機運転できる時間は、ポンプ軸
受の冷却システム等により制限を受けるが、上記予測に
より先行待機運転時間を最適化でき、ポンプ軸受の損傷
を防止できるという、副次効果がある。
を先行して運転する台数や運転開始タイミングを決定し
ていることから、鉄砲水の到来に容易に対応できる。な
お、排水ポンプを先行待機運転できる時間は、ポンプ軸
受の冷却システム等により制限を受けるが、上記予測に
より先行待機運転時間を最適化でき、ポンプ軸受の損傷
を防止できるという、副次効果がある。
【0046】また、本発明の排水システムによれば、排
水路に貯留池等が設けられそれに水が貯留されている場
合には、その貯留水を鉄砲水検知と同時に予め排水する
ことができ、これにより、一定の鉄砲水を吸収緩和でき
るから、鉄砲水の量に対して排水ポンプの排水能力が低
い場合にも、冠水などを防止するのに効果がある。
水路に貯留池等が設けられそれに水が貯留されている場
合には、その貯留水を鉄砲水検知と同時に予め排水する
ことができ、これにより、一定の鉄砲水を吸収緩和でき
るから、鉄砲水の量に対して排水ポンプの排水能力が低
い場合にも、冠水などを防止するのに効果がある。
【図1】本発明に係る鉄砲水検知と到達時間予測に係る
処理手順を示すフローチャートである。
処理手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係る排水システムの全体構成図であ
る。
る。
【図3】鉄砲水による水位変化の一例を示す線図であ
る。
る。
【図4】本発明の他の鉄砲水検知と到達時間予測に係る
処理手順を示すフローチャートである。
処理手順を示すフローチャートである。
【図5】鉄砲水の強さの度合に対する補正係数の設定関
係の一例を示す線図である。
係の一例を示す線図である。
2 排水ポンプ機場 4 排水路 6 幹線管路 8 枝管路 10 ポンプ井 12 排水ポンプ 14 ポンプ制御装置 16 水位検出器 18 貯留池
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 排水システムにおける鉄砲水検知装
置、鉄砲水到達時間の予測方法、及びその予測方法を用
いてなる排水システム
置、鉄砲水到達時間の予測方法、及びその予測方法を用
いてなる排水システム
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小河川を含む水路
により雨水等の排水を幹線水路に集め、この排水を排水
ポンプ機場に導き、この排水ポンプ機場から河川等に放
流する排水システムに係り、特に都市及び都市近郊の広
域排水システムに生ずる鉄砲水対策を考慮した排水シス
テムに関する。
により雨水等の排水を幹線水路に集め、この排水を排水
ポンプ機場に導き、この排水ポンプ機場から河川等に放
流する排水システムに係り、特に都市及び都市近郊の広
域排水システムに生ずる鉄砲水対策を考慮した排水シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる排水システムにおいては、
排水ポンプ機場のポンプ井の水位(以下、内水位とい
う。)を基準に、この内水位を一定の範囲に保持するよ
うに排水ポンプを自動運転して、ポンプ井への流入水を
排水することが一般的に行われている。
排水ポンプ機場のポンプ井の水位(以下、内水位とい
う。)を基準に、この内水位を一定の範囲に保持するよ
うに排水ポンプを自動運転して、ポンプ井への流入水を
排水することが一般的に行われている。
【0003】ところが、近年、排水区域の市街化が進
み、地面に染み込む雨水の割合が減ってきたために雨水
流出量が増加し、排水ポンプ機場へ大量の雨水が急激に
流入するようになっている。そのため、上記従来の内水
位を基準とする自動制御では、ポンプ運転の開始が遅れ
る場合があり、急激な流入量の増加に追従できないとい
う問題がある。そのため、従来、降雨予測に基づいて排
水ポンプ機場への流入量を予測し、これに従って排水ポ
ンプの運転を制御しようとする試みがなされている。こ
の種の公知例としては、特開平2−115584号公
報、特開昭56−156342号公報、特開昭55−5
8412号公報等がある。
み、地面に染み込む雨水の割合が減ってきたために雨水
流出量が増加し、排水ポンプ機場へ大量の雨水が急激に
流入するようになっている。そのため、上記従来の内水
位を基準とする自動制御では、ポンプ運転の開始が遅れ
る場合があり、急激な流入量の増加に追従できないとい
う問題がある。そのため、従来、降雨予測に基づいて排
水ポンプ機場への流入量を予測し、これに従って排水ポ
ンプの運転を制御しようとする試みがなされている。こ
の種の公知例としては、特開平2−115584号公
報、特開昭56−156342号公報、特開昭55−5
8412号公報等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の流入量
予測技術では、降雨の初期や集中豪雨に見られる、いわ
ゆる鉄砲水のような急激な流入量増加については配慮し
ていないことから、排水ポンプの対応運転(特に先行待
機運転)が間にあわず、ポンプ井や排水路が冠水する恐
れがある。
予測技術では、降雨の初期や集中豪雨に見られる、いわ
ゆる鉄砲水のような急激な流入量増加については配慮し
ていないことから、排水ポンプの対応運転(特に先行待
機運転)が間にあわず、ポンプ井や排水路が冠水する恐
れがある。
【0005】本発明の第1の目的は、鉄砲水の発生を検
出し、速やかな排水ポンプの先行待機運転を可能とする
排水システムの鉄砲水検出装置を提供することにある。
出し、速やかな排水ポンプの先行待機運転を可能とする
排水システムの鉄砲水検出装置を提供することにある。
【0006】本発明の第2の目的は、鉄砲水が排水ポン
プ設置点に到達する時間を予測し、余裕を持って排水ポ
ンプの鉄砲水対応運転を可能とする鉄砲水到達時間の予
測方法を提供することにある。
プ設置点に到達する時間を予測し、余裕を持って排水ポ
ンプの鉄砲水対応運転を可能とする鉄砲水到達時間の予
測方法を提供することにある。
【0007】本発明の第3の目的は、鉄砲水に対応させ
て排水ポンプの先行待機運転を行うようにした排水シス
テムを提供することにある。
て排水ポンプの先行待機運転を行うようにした排水シス
テムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明の排水システムの鉄砲水検出装置は、排
水路の上流地点に該地点の流量に相関する物理量を検出
する検出器を設け、該検出器の検出値を入力として該検
出値の増加率を求め、該増加率が予め設定された鉄砲水
判定の設定値以上のときに鉄砲水の発生を検知する演算
手段を設けて構成する。なお、前記物理量は、流量、水
位又は濁度のいずれでもよい。
るため、本発明の排水システムの鉄砲水検出装置は、排
水路の上流地点に該地点の流量に相関する物理量を検出
する検出器を設け、該検出器の検出値を入力として該検
出値の増加率を求め、該増加率が予め設定された鉄砲水
判定の設定値以上のときに鉄砲水の発生を検知する演算
手段を設けて構成する。なお、前記物理量は、流量、水
位又は濁度のいずれでもよい。
【0009】上記第2の目的を達成するため、本発明の
排水システムの鉄砲水到達時間の予測方法は、排水路の
上流地点の流量に相関する物理量を検出し、該検出器の
検出値を入力として該検出値の増加率を求め、該増加率
が予め設定された鉄砲水判定の設定値以上のときに鉄砲
水の発生を検知し、該鉄砲水が当該地点から前記排水ポ
ンプ地点に到達する到達時間を水理計算によって予測す
るようにしたのである。
排水システムの鉄砲水到達時間の予測方法は、排水路の
上流地点の流量に相関する物理量を検出し、該検出器の
検出値を入力として該検出値の増加率を求め、該増加率
が予め設定された鉄砲水判定の設定値以上のときに鉄砲
水の発生を検知し、該鉄砲水が当該地点から前記排水ポ
ンプ地点に到達する到達時間を水理計算によって予測す
るようにしたのである。
【0010】上記第3の目的を達成する本発明の排水シ
ステムは、前記いずれかの鉄砲水検知装置又は鉄砲水の
到達時間予測方法を適用し、その予測到達時間に合わせ
て排水ポンプの運転を制御するポンプ制御手段を設けて
構成する。この場合において、ポンプ制御手段は、前記
鉄砲水の到達時間予測に基づいて排水ポンプの先行待機
運転を制御すること、例えば先行待機運転の開始タイミ
ングと運転台数とを制御することが望ましい。この場合
において、鉄砲水の到達時間の予測を、過去の実績デー
タを考慮して行うことができる。
ステムは、前記いずれかの鉄砲水検知装置又は鉄砲水の
到達時間予測方法を適用し、その予測到達時間に合わせ
て排水ポンプの運転を制御するポンプ制御手段を設けて
構成する。この場合において、ポンプ制御手段は、前記
鉄砲水の到達時間予測に基づいて排水ポンプの先行待機
運転を制御すること、例えば先行待機運転の開始タイミ
ングと運転台数とを制御することが望ましい。この場合
において、鉄砲水の到達時間の予測を、過去の実績デー
タを考慮して行うことができる。
【0011】このように構成されることから、本発明に
よれば、次の作用により上記各目的が達成される。
よれば、次の作用により上記各目的が達成される。
【0012】いわゆる鉄砲水は、集中豪雨等により発生
し、鉄砲水の流下にあわせ排水路の水位又は流量が急激
に増加する現象を呈する。また、鉄砲水に至らない程度
の通常の雨量であれば、排水路水位等の変化は緩やかで
ある。
し、鉄砲水の流下にあわせ排水路の水位又は流量が急激
に増加する現象を呈する。また、鉄砲水に至らない程度
の通常の雨量であれば、排水路水位等の変化は緩やかで
ある。
【0013】したがって、本発明の鉄砲水検知装置のよ
うに、排水路の上流地点にて排水路の水位又は流量を検
出し、その増加率が急激であるか否かを判断することに
より、鉄砲水が発生流下しているか否かを検知できる。
その結果、排水ポンプの先行待機運転を適切に行わせる
ことができるようになる。
うに、排水路の上流地点にて排水路の水位又は流量を検
出し、その増加率が急激であるか否かを判断することに
より、鉄砲水が発生流下しているか否かを検知できる。
その結果、排水ポンプの先行待機運転を適切に行わせる
ことができるようになる。
【0014】また、排水路を流下する鉄砲水の速度は、
鉄砲水の水位の増加率等の強さに相当する条件と、排水
路の諸条件とを与え、周知の理論により例えば段波とし
て扱うことにより求めることができる。
鉄砲水の水位の増加率等の強さに相当する条件と、排水
路の諸条件とを与え、周知の理論により例えば段波とし
て扱うことにより求めることができる。
【0015】したがって、上記により鉄砲水を検知でき
れば、本発明の鉄砲水到達時間の予測方法のように、鉄
砲水の程度(水位の増加率)と、鉄砲水の検知地点から
排水ポンプ地点までの距離と、排水路条件等に基づき、
水理理論に従って排水ポンプ地点までの鉄砲水到達時間
を予測演算できる。そして、その予測結果に基づいて排
水ポンプを先行して運転開始することにより、鉄砲水の
到来に容易に対応できる。
れば、本発明の鉄砲水到達時間の予測方法のように、鉄
砲水の程度(水位の増加率)と、鉄砲水の検知地点から
排水ポンプ地点までの距離と、排水路条件等に基づき、
水理理論に従って排水ポンプ地点までの鉄砲水到達時間
を予測演算できる。そして、その予測結果に基づいて排
水ポンプを先行して運転開始することにより、鉄砲水の
到来に容易に対応できる。
【0016】通常、排水ポンプは複数台設けられている
から、鉄砲水の強さに応じて運転する台数をきめる。ま
た、排水ポンプを先行待機運転できる時間は、ポンプ軸
受の冷却システム等により制限を受けるが、上記予測に
より先行待機運転時間を最適化でき、ポンプ軸受の損傷
を防止できる。
から、鉄砲水の強さに応じて運転する台数をきめる。ま
た、排水ポンプを先行待機運転できる時間は、ポンプ軸
受の冷却システム等により制限を受けるが、上記予測に
より先行待機運転時間を最適化でき、ポンプ軸受の損傷
を防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1に、本発明にかかる排水シス
テムの鉄砲水検知と到達時間の予測の手順の一例をフロ
ーチャートにして示し、図2に本例にかかる排水システ
ムの全体構成図を示す。第2図に示すように、本例の排
水システムは、放流先河川の近傍に排水ポンプ機場2を
配置し、排水対象地域に配設された小河川を含む排水路
4によって雨水等の排水を集め、この排水を排水ポンプ
機場2に導き、ここから河川に放流するようにしてい
る。排水路4は、幹線管路6と複数の枝管路8−i(図
ではi=1〜4)から形成されている。排水ポンプ機場
2は、図示のように、幹線水路4から流入される排水を
貯留するポンプ井10と、そのポンプ井10の排水を汲
み上げて放流先の河川等に放流する排水ポンプ12と、
この排水ポンプ12の運転を制御するポンプ制御装置1
4を含んで構成されている。
を参照して説明する。図1に、本発明にかかる排水シス
テムの鉄砲水検知と到達時間の予測の手順の一例をフロ
ーチャートにして示し、図2に本例にかかる排水システ
ムの全体構成図を示す。第2図に示すように、本例の排
水システムは、放流先河川の近傍に排水ポンプ機場2を
配置し、排水対象地域に配設された小河川を含む排水路
4によって雨水等の排水を集め、この排水を排水ポンプ
機場2に導き、ここから河川に放流するようにしてい
る。排水路4は、幹線管路6と複数の枝管路8−i(図
ではi=1〜4)から形成されている。排水ポンプ機場
2は、図示のように、幹線水路4から流入される排水を
貯留するポンプ井10と、そのポンプ井10の排水を汲
み上げて放流先の河川等に放流する排水ポンプ12と、
この排水ポンプ12の運転を制御するポンプ制御装置1
4を含んで構成されている。
【0018】枝管路8−1の上流地点aとその地点より
も下流の地点bに、それぞれ水位検出器16(a,b)
が、また枝管路8−2の上流地点eとその下流地点f
に、それぞれ水位検出器16(e,f)が設置されてい
る。これらの水位検出器16は、枝管路内の水位を検出
するものであり、静電容量式や超音波式等の周知の構成
のものが適用できる。水位検出器16により検出された
各地点の水位検出値は、図示していない通信設備により
前記ポンプ制御装置14に伝送されるようになってい
る。なお、他の枝管路8−3,8−4には水位検出器を
設けていないが、必要に応じて設けてもよい。すなわ
ち、流量の大きい鉄砲水で、かつ最も早く排水ポンプ機
場2に到達する鉄砲水を検知し、その到達時間を予測で
きればよいことから、本例は排水系の全体構成や地形等
を考慮し、排水ポンプ機場2に近く、大きな排水対象地
域をカバーする枝管路を対象とし、その枝管路にて鉄砲
水を検知するようにしたのである。
も下流の地点bに、それぞれ水位検出器16(a,b)
が、また枝管路8−2の上流地点eとその下流地点f
に、それぞれ水位検出器16(e,f)が設置されてい
る。これらの水位検出器16は、枝管路内の水位を検出
するものであり、静電容量式や超音波式等の周知の構成
のものが適用できる。水位検出器16により検出された
各地点の水位検出値は、図示していない通信設備により
前記ポンプ制御装置14に伝送されるようになってい
る。なお、他の枝管路8−3,8−4には水位検出器を
設けていないが、必要に応じて設けてもよい。すなわ
ち、流量の大きい鉄砲水で、かつ最も早く排水ポンプ機
場2に到達する鉄砲水を検知し、その到達時間を予測で
きればよいことから、本例は排水系の全体構成や地形等
を考慮し、排水ポンプ機場2に近く、大きな排水対象地
域をカバーする枝管路を対象とし、その枝管路にて鉄砲
水を検知するようにしたのである。
【0019】このように構成される排水システムにおい
て、通常は、ポンプ制御装置14の働きにより、排水ポ
ンプ機場2の内水位を基準に、排水ポンプP1,P2,P
3の運転台数と回転数などの排水能力を自動的に制御し
て排水量を調整する。また、周知の流入量予測に基づい
て自動制御するようにする。
て、通常は、ポンプ制御装置14の働きにより、排水ポ
ンプ機場2の内水位を基準に、排水ポンプP1,P2,P
3の運転台数と回転数などの排水能力を自動的に制御し
て排水量を調整する。また、周知の流入量予測に基づい
て自動制御するようにする。
【0020】ここで、図1を用い、本発明の特徴にかか
る鉄砲水の検知と、鉄砲水のポンプ地点への到達時間の
予測に係る詳細構成について、動作とともに説明する。
基本的に、鉄砲水の検知と到達時間の予測は、水位検出
器16aとb,16eとfにより検出された水位データ
に基づき、ポンプ制御装置14にて実行される。ポンプ
制御装置14はコンピュータを含んで構成され、水位検
出器16a〜fから伝送される水位データを所定のサン
プリング周期ごとに取り込み、通常の入力信号処理を施
した後、メモリのデータテーブルに格納し、この格納さ
れた水位データを適宜読み出して、図1に示すような処
理を実行するようになっている。
る鉄砲水の検知と、鉄砲水のポンプ地点への到達時間の
予測に係る詳細構成について、動作とともに説明する。
基本的に、鉄砲水の検知と到達時間の予測は、水位検出
器16aとb,16eとfにより検出された水位データ
に基づき、ポンプ制御装置14にて実行される。ポンプ
制御装置14はコンピュータを含んで構成され、水位検
出器16a〜fから伝送される水位データを所定のサン
プリング周期ごとに取り込み、通常の入力信号処理を施
した後、メモリのデータテーブルに格納し、この格納さ
れた水位データを適宜読み出して、図1に示すような処
理を実行するようになっている。
【0021】図1に、枝管路8−1に発生した鉄砲水に
かかる処理を示す。なお、枝管路8−2についても同様
の処理になるので、ここでは枝管路8−1についてのみ
説明する。鉄砲水の発生(流下)はステップ31と32
の処理で検出する。鉄砲水の場合の水位の変化パターン
は、図3に示すように、急激に増大するパターンであ
る。そこで、本例では、上流地点aの水位検出値ha(t)
をサンプリングし、数式1により1周期前の水位検出値
ha(t+1)との差を演算して、水位の増加率Δha(t)を求
める(ステップ31)。
かかる処理を示す。なお、枝管路8−2についても同様
の処理になるので、ここでは枝管路8−1についてのみ
説明する。鉄砲水の発生(流下)はステップ31と32
の処理で検出する。鉄砲水の場合の水位の変化パターン
は、図3に示すように、急激に増大するパターンであ
る。そこで、本例では、上流地点aの水位検出値ha(t)
をサンプリングし、数式1により1周期前の水位検出値
ha(t+1)との差を演算して、水位の増加率Δha(t)を求
める(ステップ31)。
【0022】
【数1】Δha(t)=ha(t)−ha(t+1) 次に、増加率Δha(t)が予め定めた鉄砲水判定基準の設
定値k以上か否かにより鉄砲水の発生を検知する(ステ
ップ32)。この判定が否定のときはステップ31に戻
って次のデータに対して同一の処理を繰り返す。肯定の
ときは、ステップ33にて、鉄砲水の最高水位hmを検
出する。この検出は、前記データテーブルの水位検出値
ha(t)の変化を監視し、極大値を示した検出値を最高水
位として特定することにより行う。最高水位を検出した
ときタイミングにタイマをセットして、その鉄砲水が下
流の地点bに到達する時間の実測を開始する(ステップ
34)。なお、鉄砲水を検知したとき、その検知信号に
より警報などを発したり、グラフィックパネル等の表示
装置にその旨と発生地点とを表示するようにしてもよ
い。また、鉄砲水の検知は、上記の水位増加率のほか、
水位そのものが所定の設定値を超えたこと、又は排水の
濁度が異常に高くなったことを条件として検出できる。
次のステップ35からステップ43までは、水理計算
による鉄砲水の到達時間の予測の精度を上げるための補
正係数αを求めるステップである。到達時間の予測に用
いる原理として、周知の水理モデルから種々の方法が考
えられるが、本例では予測の処理時間を考慮して簡便な
段波モデルによる方法を適用した。この段波モデルによ
る鉄砲水の伝播速度(流下速度)ωは数式2によって表
される。なお、このモデルは、長方形管路の場合である
が、円形管路の場合はそれに合わせて変数を変形して適
用すればよい。
定値k以上か否かにより鉄砲水の発生を検知する(ステ
ップ32)。この判定が否定のときはステップ31に戻
って次のデータに対して同一の処理を繰り返す。肯定の
ときは、ステップ33にて、鉄砲水の最高水位hmを検
出する。この検出は、前記データテーブルの水位検出値
ha(t)の変化を監視し、極大値を示した検出値を最高水
位として特定することにより行う。最高水位を検出した
ときタイミングにタイマをセットして、その鉄砲水が下
流の地点bに到達する時間の実測を開始する(ステップ
34)。なお、鉄砲水を検知したとき、その検知信号に
より警報などを発したり、グラフィックパネル等の表示
装置にその旨と発生地点とを表示するようにしてもよ
い。また、鉄砲水の検知は、上記の水位増加率のほか、
水位そのものが所定の設定値を超えたこと、又は排水の
濁度が異常に高くなったことを条件として検出できる。
次のステップ35からステップ43までは、水理計算
による鉄砲水の到達時間の予測の精度を上げるための補
正係数αを求めるステップである。到達時間の予測に用
いる原理として、周知の水理モデルから種々の方法が考
えられるが、本例では予測の処理時間を考慮して簡便な
段波モデルによる方法を適用した。この段波モデルによ
る鉄砲水の伝播速度(流下速度)ωは数式2によって表
される。なお、このモデルは、長方形管路の場合である
が、円形管路の場合はそれに合わせて変数を変形して適
用すればよい。
【0023】
【数2】
【0024】ここで、hoは図3に示すように鉄砲水前
面の初期水位であり、Vは初期水位hoのときの初期流
速で、数式3により求める。また、gは重力加速度であ
る。
面の初期水位であり、Vは初期水位hoのときの初期流
速で、数式3により求める。また、gは重力加速度であ
る。
【0025】
【数3】
【0026】ここで、nは管路の粗度係数であり、Iは
管路の勾配である。したがって、流下速度ωを求めれ
ば、同一排水管の下流地点に到達する到達時間は、そこ
までの距離をωで割算すれば求められる。
管路の勾配である。したがって、流下速度ωを求めれ
ば、同一排水管の下流地点に到達する到達時間は、そこ
までの距離をωで割算すれば求められる。
【0027】上記の水理理論に従い、ステップ35で地
点aにおける初期流速Vaを数式3により求める。次
に、ステップ36で数式2により流下速度ωaを求め
る。そして、ステップ37において、数式4により、距
離Labだけ離れた下流の地点bまでの到達時間の予測値
T'abを演算する。
点aにおける初期流速Vaを数式3により求める。次
に、ステップ36で数式2により流下速度ωaを求め
る。そして、ステップ37において、数式4により、距
離Labだけ離れた下流の地点bまでの到達時間の予測値
T'abを演算する。
【0028】
【数4】T'ab=Lab/ωa 次のステップ38から40においては、地点bにおける
鉄砲水検知と、最高水位hmを検出する。この処理内容
は前記ステップ31から33と同一であるから説明を省
略する。ステップ40で地点bに鉄砲水の最高水位が到
達したことを検知したタイミングで、前記タイマを停止
させ(ステップ41)、地点aからbまでの到達時間の実
測値Tabを求める(ステップ42)。そして、ステップ4
3にて、次式5により、予測時間の補正係数αを演算す
る。
鉄砲水検知と、最高水位hmを検出する。この処理内容
は前記ステップ31から33と同一であるから説明を省
略する。ステップ40で地点bに鉄砲水の最高水位が到
達したことを検知したタイミングで、前記タイマを停止
させ(ステップ41)、地点aからbまでの到達時間の実
測値Tabを求める(ステップ42)。そして、ステップ4
3にて、次式5により、予測時間の補正係数αを演算す
る。
【0029】
【数5】α=T'ab/Tab 通常、理論による予測値よりも実測値の方が大きいか
ら、α≦1.0である。
ら、α≦1.0である。
【0030】次に、地点bからポンプ地点dに鉄砲水が
到達する予測時間T'bdを、数式6により演算する。
到達する予測時間T'bdを、数式6により演算する。
【0031】
【数6】T'bd=α(T'bc+T'cd) この式におけるT'bcとT'cdの予測は、それぞれ基本的
に数式2,3,4を用いる。但し、幹線管路6は枝管路
8−1と管径などの管路条件が異なるので、初期水位h
oと最高水位hmは、地点aの検出値に基づき、比例計
算により推定する。この場合、初期水位hoには、他の
枝管路8−2,8−3,8−4等から合流点cに流入し
ている排水量をも考慮する必要がある。したがって、合
流点cに水位検出器を設置して、初期水位hoを検出す
るのが好ましい。しかし、枝管路8−1の鉄砲水が最も
早く合流点cに到達する場合は、他の枝管路から合流点
cに流入する量は、通常時の流量であるから、過去の各
枝管路の流量割合の実績データ等に基づく相関係数を設
定しておき、地点aの初期水位にその相関係数を乗じ
て、合流点cの初期水位を推定することができる。本例
はこの方法によっている。なお、本発明は基本的に最も
早く排水ポンプ地点に到達する鉄砲水についての到達時
間を予測すればよいから、枝管路8−1よりも枝管路8
−2に発生した鉄砲水が最も早く合流点cに到達する場
合は、枝管路8−2の鉄砲水について到達時間T'fdを
予測する。
に数式2,3,4を用いる。但し、幹線管路6は枝管路
8−1と管径などの管路条件が異なるので、初期水位h
oと最高水位hmは、地点aの検出値に基づき、比例計
算により推定する。この場合、初期水位hoには、他の
枝管路8−2,8−3,8−4等から合流点cに流入し
ている排水量をも考慮する必要がある。したがって、合
流点cに水位検出器を設置して、初期水位hoを検出す
るのが好ましい。しかし、枝管路8−1の鉄砲水が最も
早く合流点cに到達する場合は、他の枝管路から合流点
cに流入する量は、通常時の流量であるから、過去の各
枝管路の流量割合の実績データ等に基づく相関係数を設
定しておき、地点aの初期水位にその相関係数を乗じ
て、合流点cの初期水位を推定することができる。本例
はこの方法によっている。なお、本発明は基本的に最も
早く排水ポンプ地点に到達する鉄砲水についての到達時
間を予測すればよいから、枝管路8−1よりも枝管路8
−2に発生した鉄砲水が最も早く合流点cに到達する場
合は、枝管路8−2の鉄砲水について到達時間T'fdを
予測する。
【0032】このようにして予測した到達時間T'bdに
基づいて、ステップ45において、排水ポンプの運転台
数とその運転開始タイミングについて決定するととも
に、その決定にしたがって鉄砲水に対する先行待機運転
の制御を行う。通常、排水ポンプは複数台設けられてい
るから、鉄砲水の強さに応じて運転する台数をきめる。
基づいて、ステップ45において、排水ポンプの運転台
数とその運転開始タイミングについて決定するととも
に、その決定にしたがって鉄砲水に対する先行待機運転
の制御を行う。通常、排水ポンプは複数台設けられてい
るから、鉄砲水の強さに応じて運転する台数をきめる。
【0033】上述したように、本例によれば、排水路の
上流地点aにて排水路の水位を検出し、その増加率が急
激であるか否かを判断していることから、鉄砲水が発生
を素早く検知できる。これにより、排水ポンプの対応運
転を余裕を持って行うことができる。
上流地点aにて排水路の水位を検出し、その増加率が急
激であるか否かを判断していることから、鉄砲水が発生
を素早く検知できる。これにより、排水ポンプの対応運
転を余裕を持って行うことができる。
【0034】また、鉄砲水の程度(水位又は増加率)
と、鉄砲水の検知地点から排水ポンプ地点までの距離
と、排水路条件とに基づき、水理理論に従って排水ポン
プ地点までの鉄砲水の到達時間を予測演算していること
から、更に余裕を持って排水ポンプの対応運転を行うこ
とができる。
と、鉄砲水の検知地点から排水ポンプ地点までの距離
と、排水路条件とに基づき、水理理論に従って排水ポン
プ地点までの鉄砲水の到達時間を予測演算していること
から、更に余裕を持って排水ポンプの対応運転を行うこ
とができる。
【0035】そして、その予測結果に基づいて排水ポン
プを先行して運転する台数や運転開始タイミングを決定
していることから、鉄砲水の到来に容易に対応できる。
プを先行して運転する台数や運転開始タイミングを決定
していることから、鉄砲水の到来に容易に対応できる。
【0036】また、排水ポンプを先行待機運転できる時
間は、ポンプ軸受の冷却システム等により制限を受ける
が、上記予測により先行待機運転時間を最適化でき、ポ
ンプ軸受の損傷を防止できる。
間は、ポンプ軸受の冷却システム等により制限を受ける
が、上記予測により先行待機運転時間を最適化でき、ポ
ンプ軸受の損傷を防止できる。
【0037】なお、図2に示すように、幹線水路に貯留
池等の貯留部18があり、その貯留部に水が貯留されて
いる場合には、その貯留水を予め排水することができ、
これにより、一定の鉄砲水を吸収緩和できるから、鉄砲
水の量に対して排水ポンプの排水能力が低い場合にも、
冠水などを防止するのに効果がある。
池等の貯留部18があり、その貯留部に水が貯留されて
いる場合には、その貯留水を予め排水することができ、
これにより、一定の鉄砲水を吸収緩和できるから、鉄砲
水の量に対して排水ポンプの排水能力が低い場合にも、
冠水などを防止するのに効果がある。
【0038】また、上記例では、補正係数αで到達予測
時間を補正するようにしたが、この補正を省略してもよ
く、これによれば水位検出器の数を半分に低減できる。
また、その補正をしない場合は、到達予測時間が短くな
る方向であるから、早めに鉄砲水の対応運転をすること
になる。
時間を補正するようにしたが、この補正を省略してもよ
く、これによれば水位検出器の数を半分に低減できる。
また、その補正をしない場合は、到達予測時間が短くな
る方向であるから、早めに鉄砲水の対応運転をすること
になる。
【0039】また、補正係数αに代えて、鉄砲水の強さ
の度合に応じて到達予測時間を補正するようにしてもよ
い。この例について、図4に示した処理手順フローチャ
ートを参照して説明する。図において、ステップ51か
ら53までは、図1のステップ31から33に同じであ
り、地点aの水位変化に基づいて鉄砲水の発生を検知す
る。次に、ステップ54で、水位検出値Δha(t)の変化
率の度合、又は図3に示した鉄砲水の前面の平均角度θ
に応じて、補正係数βを求める。この平均角度θと補正
係数βとの設定関係の一例を図5に示す。次のステップ
55〜57において、前記図1の例と同様に、地点aに
おける初期流速Va、流下速度ωaを求めた後、合流点
cまでの到達時間の予測値T'acを算出する。そして、
ステップ58において、前述したと同様に合流点cにお
ける初期水位hoを推定し、これに基づいて数式3によ
り初期流速Vcを求め、さらに数式2により流下速度ω
cを求める。次のステップ59にて、数式7により地点
aからポンプ地点dに至る鉄砲水の到達時間の予測値
T'adを算出する。
の度合に応じて到達予測時間を補正するようにしてもよ
い。この例について、図4に示した処理手順フローチャ
ートを参照して説明する。図において、ステップ51か
ら53までは、図1のステップ31から33に同じであ
り、地点aの水位変化に基づいて鉄砲水の発生を検知す
る。次に、ステップ54で、水位検出値Δha(t)の変化
率の度合、又は図3に示した鉄砲水の前面の平均角度θ
に応じて、補正係数βを求める。この平均角度θと補正
係数βとの設定関係の一例を図5に示す。次のステップ
55〜57において、前記図1の例と同様に、地点aに
おける初期流速Va、流下速度ωaを求めた後、合流点
cまでの到達時間の予測値T'acを算出する。そして、
ステップ58において、前述したと同様に合流点cにお
ける初期水位hoを推定し、これに基づいて数式3によ
り初期流速Vcを求め、さらに数式2により流下速度ω
cを求める。次のステップ59にて、数式7により地点
aからポンプ地点dに至る鉄砲水の到達時間の予測値
T'adを算出する。
【0040】
【数7】T'ad=β(T'ac+T'cd) ここで、T'ac=Lac/ωa T'cd=Lcd/ωc このようにして予測した到達時間T'adに基づいて、ス
テップ60において、排水ポンプの運転台数とその運転
開始タイミングについて決定するとともに、その決定に
したがって鉄砲水に対する先行待機運転の制御を行う。
通常、排水ポンプは複数台設けられているから、鉄砲水
の強さに応じて運転する台数をきめる。
テップ60において、排水ポンプの運転台数とその運転
開始タイミングについて決定するとともに、その決定に
したがって鉄砲水に対する先行待機運転の制御を行う。
通常、排水ポンプは複数台設けられているから、鉄砲水
の強さに応じて運転する台数をきめる。
【0041】本例によれば、図1の例に比べて到達時間
の予測精度は落ちるが、水位検出器の数を低減でき、ま
た処理が簡単化できるという効果がある。
の予測精度は落ちるが、水位検出器の数を低減でき、ま
た処理が簡単化できるという効果がある。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
排水路の上流地点にて排水路の排水流量に相関する物理
量を検出し、その増加率が急激であるか否かを判断して
鉄砲水の発生を検知していることから、簡単にかつ速や
かに鉄砲水の発生を検知できる。これにより、排水ポン
プの先行待機運転を余裕を持って適切に行うことができ
る。
排水路の上流地点にて排水路の排水流量に相関する物理
量を検出し、その増加率が急激であるか否かを判断して
鉄砲水の発生を検知していることから、簡単にかつ速や
かに鉄砲水の発生を検知できる。これにより、排水ポン
プの先行待機運転を余裕を持って適切に行うことができ
る。
【0043】また、鉄砲水の程度(水位の増加率)と、
鉄砲水の検知地点から排水ポンプ地点までの距離と、排
水路条件とに基づき、水理理論に従って排水ポンプ地点
までの鉄砲水の到達時間を予測演算していることから、
更に余裕を持って排水ポンプの先行待機運転を適切に行
うことができる。
鉄砲水の検知地点から排水ポンプ地点までの距離と、排
水路条件とに基づき、水理理論に従って排水ポンプ地点
までの鉄砲水の到達時間を予測演算していることから、
更に余裕を持って排水ポンプの先行待機運転を適切に行
うことができる。
【0044】また、その予測結果に基づいて排水ポンプ
を先行して運転する台数や運転開始タイミングを決定し
ていることから、鉄砲水の到来に容易に対応できる。な
お、排水ポンプを先行待機運転できる時間は、ポンプ軸
受の冷却システム等により制限を受けるが、上記予測に
より先行待機運転時間を最適化でき、ポンプ軸受の損傷
を防止できるという、副次効果がある。
を先行して運転する台数や運転開始タイミングを決定し
ていることから、鉄砲水の到来に容易に対応できる。な
お、排水ポンプを先行待機運転できる時間は、ポンプ軸
受の冷却システム等により制限を受けるが、上記予測に
より先行待機運転時間を最適化でき、ポンプ軸受の損傷
を防止できるという、副次効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄砲水検知と到達時間予測に係る
処理手順を示すフローチャートである。
処理手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係る排水システムの全体構成図であ
る。
る。
【図3】鉄砲水による水位変化の一例を示す線図であ
る。
る。
【図4】本発明の他の鉄砲水検知と到達時間予測に係る
処理手順を示すフローチャートである。
処理手順を示すフローチャートである。
【図5】鉄砲水の強さの度合に対する補正係数の設定関
係の一例を示す線図である。
係の一例を示す線図である。
【符号の説明】 2 排水ポンプ機場 4 排水路 6 幹線管路 8 枝管路 10 ポンプ井 12 排水ポンプ 14 ポンプ制御装置 16 水位検出器 18 貯留池
Claims (12)
- 【請求項1】 小河川を含む排水路から集められた排水
を、排水ポンプにより放流先の河川等に排出する排水シ
ステムにおいて、前記排水路の上流地点に該地点の流量
に相関する物理量を検出する検出器を設け、該検出器の
検出値を入力とし、該検出値又はその増加率に基づいて
鉄砲水の発生を検知する鉄砲水検知手段とを設けてなる
排水システムの鉄砲水検知装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記流量に相関する
物理量が流量と水位と濁度のいずれか一つであり、前記
鉄砲水検知手段は前記検出値又はその増加率の少なくと
も一方が設定値以上のときに鉄砲水発生を検知すること
を特徴とする排水システムの鉄砲水検知装置。 - 【請求項3】 小河川を含む排水路から集められた排水
を、排水ポンプにより放流先の河川等に排出する排水シ
ステムにおいて、前記排水路の上流地点に該地点の流量
に相関する物理量を検出する検出器を設け、該検出器の
検出値を入力とし、該検出値又はその増加率の少なくと
も一方が設定値以上のときに鉄砲水検知信号を出力する
とともに、該鉄砲水が前記地点から前記排水ポンプ地点
に到達する到達時間を水理計算によって予測する演算手
段を設けてなる排水システムの鉄砲水検知装置。 - 【請求項4】 小河川を含む排水路から集められた排水
を、排水ポンプにより放流先の河川等に排出する排水シ
ステムにおいて、前記排水路の上流地点の流量に相関す
る物理量を検出し、該検出値又はその増加率の少なくと
も一方が設定値以上のときに鉄砲水の発生を検知し、該
鉄砲水が当該地点から前記排水ポンプ地点に到達する到
達時間を水理計算によって予測する排水システムにおけ
る鉄砲水到達時間の予測方法。 - 【請求項5】 請求項4において、前記検出値の増加率
の大きさによって前記到達時間を補正することを特徴と
する排水システムにおける鉄砲水到達時間の予測方法。 - 【請求項6】 小河川を含む排水路から集められた排水
を、排水ポンプにより放水先の河川等に放流する排水シ
ステムにおいて、 前記排水路の上流地点と該地点の下流地点の2か所以上
にて各地点の流量に相関する物理量を検出し、 該各地点の検出値又はその増加率の少なくとも一方が設
定値以上のときに鉄砲水の発生を検知し、 該検知された鉄砲水が前記上流地点から前記下流地点の
1つに到達する第1の到達時間を水理計算によって予測
するとともに、該第1の到達時間を実測し、その予測値
を実測値に一致させる補正係数を求め、 前記鉄砲水が前記排水ポンプ地点に到達する第2の到達
時間を水理計算によって予測し、該予測時間を前記補正
係数により補正することを含んでなる排水システムにお
ける鉄砲水到達時間の予測方法。 - 【請求項7】 小河川を含む排水路から集められた排水
を、排水ポンプにより放流先の河川等に排出する排水シ
ステムにおいて、前記排水路の上流地点に該地点の流量
に相関する物理量を検出する検出器を設け、該検出器の
検出値を入力とし、該検出値又はその増加率の少なくと
も一方が設定値以上のときに鉄砲水の発生を検知すると
ともに、該鉄砲水が前記地点から前記排水ポンプ地点に
到達する到達時間を水理計算によって予測する演算手段
と、該演算手段の予測到達時間に合わせて排水ポンプの
運転を制御するポンプ制御手段とを設けてなる排水シス
テム。 - 【請求項8】 請求項7において、前記検出値の増加率
の大きさによって前記到達時間を補正することを特徴と
する排水システム。 - 【請求項9】 小河川を含む排水路から集められた排水
を、排水ポンプにより放水先の河川等に放流する排水シ
ステムにおいて、 前記排水路の上流地点と該地点の下流地点の2か所以上
に各地点の流量に相関する物理量を検出する検出器をそ
れぞれ設置し、 該各検出器の検出値を入力とし、前記排水路を流下する
鉄砲水を検知するとともに、該鉄砲水が前記排水ポンプ
の設置点に達する到達時間を予測する予測手段と、 該予測手段の予測到達時間に基づいて排水ポンプの運転
を制御するポンプ制御手段とを設けてなり、 前記予測手段が、 前記各地点の検出値又はその増加率の少なくとも一方が
設定値以上のときに鉄砲水検知信号を出力する鉄砲水検
知手段と、 該検知信号に応動して鉄砲水が前記上流地点から前記下
流地点の1つに到達する第1の到達時間を水理計算によ
って予測する第1の予測手段と、 前記第1の到達時間を実測する実測手段と、 前記第1の到達時間の予測値を実測値に一致させる補正
係数を求める手段と、 前記鉄砲水が前記排水ポンプ地点に到達する到達時間を
水理計算によって予測するとともに、該予測時間を前記
補正係数により補正してポンプ地点までの第2の到達時
間の予測値を求めて、前記ポンプ制御手段に出力する第
2の予測手段とを含んでなる排水システム。 - 【請求項10】 請求項9において、前記ポンプ制御手
段は、前記第2の到達時間の予測値と前記検出器の検出
値を入力し、前記排水ポンプの先行待機運転の開始タイ
ミングと運転台数とを制御することを特徴とする排水シ
ステム。 - 【請求項11】 請求項9において、前記排水路の系統
を表示したグラフィックパネルを設け、前記予測した到
達時間に基づいて、前記グラフィックパネルに鉄砲水の
流下位置を表示することを特徴とする排水システム。 - 【請求項12】 排水路の上流の水位に相当する物理量
の検出値を取り込み、その検出値に基づいて鉄砲水の発
生を検知するとともに、その鉄砲水のポンプ場への到達
時間を予測する演算手段を有するポンプ制御装置により
起動される排水ポンプを具備してなる排水システム。
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