JP2932062B2 - 大深度地下排水施設 - Google Patents

大深度地下排水施設

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JP2932062B2
JP2932062B2 JP9201472A JP20147297A JP2932062B2 JP 2932062 B2 JP2932062 B2 JP 2932062B2 JP 9201472 A JP9201472 A JP 9201472A JP 20147297 A JP20147297 A JP 20147297A JP 2932062 B2 JP2932062 B2 JP 2932062B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
    • Y02A20/20Controlling water pollution; Waste water treatment

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  • Sewage (AREA)
  • Control Of Non-Positive-Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、小河川を含む水路
に流入する雨水等の流入水を地下に設けられた流入水路
に集め、この集めた流入水をポンプ機場に導いて放流先
の河川等に放流する大深度地下排水施設の技術に属す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、地表や地表近くの放水路から排水
を流下させる各立坑から、その排水を集めてポンプ機場
に導く大深度地下に配設された地下水路に空間を保持し
ながら運用する開水路運用と、地下水路を満管にして運
用する閉水路運用の両方の運用方法がある。
【0003】図30は従来の開水路運用の構成を説明す
る説明図である。
【0004】開水路運用は地下水路1への急激な流入に
より立坑2から地上へ溢流するリスクを最小にする為、
地下水路1の径を例えば12.5mと大容量化をはかり
かつ出来るだけ水位を低く保持する。
【0005】また、本図に示すように地下水路1の終端
に設置するポンプ7の羽根車設置レベルは、地下水路1
が常に空になるように運転するため地下水路1の排水運
転の最低水位以下とする必要があり、通常最低水位L.
W.Lは地下水路1の底近傍レベルに設定する。そし
て、ポンプ7は角形ポンプ場に配置され、ポンプ7の起
動・停止は予め規定されたポンプ井6の水位にて行なっ
ている。
【0006】一方、閉水路運用は少なくとも地下水路1
を満水状態にし、更に図30の立坑2まで水位が上昇し
た状態でポンプを運転し、ポンプの排水能力を越えた流
入量がある時にそのような状態になる。
【0007】更に、ポンプ機場への流入量は降雨情報に
より降雨量を算出し、この降雨量と降った雨が河川に流
れる割合を表す係数である流出係数から立坑への流入量
を算出し、それぞれの立坑への流入量を集計して求めて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の開水路運用を行
うポンプ機場のポンプはその設定位置を地下水路の底近
傍レベルとしているため、図30における吐出水槽8の
水位と最低水位L.W.L間の揚程Haが大きく、その
ためポンプ7の全揚程が大きくなりポンプ7及び駆動機
を含むポンプ機場設備費が高くなる。また、地下水路1
の水位を低く保持するので貯留効果が小さく、すぐ水位
が低下してポンプを停止し、短時間で水位が回復するの
で再起動しハンチングを起こすことが多い。
【0009】そして、数Kmの長さになる地下水路1の
径が大きいので大深度地下排水施設の建設費の殆どを占
める地下水路掘削工事費が高くなる。そしてポンプ7の
設置位置が地下大深度なのでポンプ機場の掘削工事費も
高くなる。
【0010】一方、閉水路運用では開水路運用に比較し
て地下水路の水位が高いのでポンプ7の全揚程が小さく
なりポンプ7及び駆動機を含むポンプ機場設備費が少な
くなるが立坑から地上へ溢流するリスクが大きい。
【0011】次に、従来の流出係数は流入量の予測演算
時に、降雨間隔が短いと雨が地中に浸透することなく排
水施設へ流入し、流入量が多くなることに配慮が無く、
降雨パターン間隔が変化することに対しての立坑への流
入量の推定精度が低くなり適切なポンプ機場の運転が行
われず立坑から溢流する恐れがある。
【0012】本発明は、大深度地下排水施設の建設コス
トの低減を図ることを解決課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題は、大深度地下
に配設された地下水路と、この地下水路の下流端に連通
された吸水槽と、この吸水槽の水を揚水して放流先の河
川等に放流する排水ポンプとを備え、前記吸水槽の底面
レベルを前記地下水路の下流端の上端と地表との間に位
置させてなる大深度地下排水施設とすることにより解決
できる。
【0014】すなわち、吸水槽の底面レベルを地下水路
の下流端の上端と地表との間に位置させたことから、排
水ポンプを地下水路下流端の上端位置よりも地下の浅い
位置に設けることができるので、吸水槽の掘削工事費は
もとより、排水ポンプ機場の掘削工事費や建設費を低減
できる。
【0015】しかも、吸水槽の底面レベルが浅くなった
ことから、排水ポンプの最高揚程を下げることができ、
排水ポンプのコストを低減できる。なお、本発明に係る
地下水路は、少なくとも所定の排水時には、地下水路の
下流端の内部が水で満たされた状態で運用される、いわ
ゆる閉水路運用となる。
【0016】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図により説
明する。先ず、大深度地下排水施設の基本的な構成を説
明する。図1は本発明の大深度地下排水施設の基本的な
構成を示す斜視図である。大深度地下排水施設は、図示
のように地下の深いところに地下水路1が埋設され、こ
れに立坑2を介して放水路、管渠等から雨水等が流入す
る。地下水路1の下流端はポンプ機場に連通し、ポンプ
機場に流入する流入水を、ポンプ7により放流先の河川
に排水するように構成している。
【0017】次に、開水路・閉水路共存運用を行う大深
度地下排水施設の特徴部構成について説明する。図2は
本発明の開水路・閉水路共存運用を行う大深度地下排水
施設の構成を説明する説明図である。図示のように、地
下の深いところに地下水路1が埋設され、これに立坑2
を介して放水路3、管渠4、河川5等から雨水等が流入
する。地下水路1の下流端はポンプ機場のポンプ井6に
連通し、ポンプ井6に流入する流入水を、ポンプ7によ
り放流先の吐出水槽8に排水する。従来の開水路運用に
おけるポンプ設置レベルは地下水路1の底部としている
が、図2の例の開水路運用ではポンプ7を地下水路1の
中心部に設置し、排水可能な最低水位L.W.Lが地下
水路1の中心部となる。開水路・閉水路共存運用のうち
の開水路運用では地下水路1の水位を最低水位L.W.
Lに保持し、地下水路1はその中心部から天井迄に空間
を有する開水路となる。一方閉水路運用では地下水路1
を満管にして閉水路とし、立坑2迄水位を上昇させるこ
とを許容する。
【0018】次に、開水路・閉水路共存運用の場合のポ
ンプ全揚程Hについて説明する。図3は、図2の例にお
いて、開水路・閉水路共存運用を行う場合のポンプ起動
水位を説明する説明図である。図4は、この場合と従来
技術とのポンプ特性を説明する図である。一般的にポン
プ全揚程Hは、ポンプ実揚程Haに吐出管路損失を加え
た値であり、次の式で表すことが出来る。 H=吐出水槽水位−ポンプ起動時の水位W.L+吐出管
路損失 例えば図4の実線で示すようにポンプ実揚程Haが57
m、吐出管路損失が3.5mとすれば全揚程Hは 60.5m=57m+3.5m となる。図4の点線で示すように従来の開水路運用では
この最低水位L.W.Lから揚水する全揚程Hで定格流
量が得られるように計画されている。しかし開水路・閉
水路共存運用の場合には地下水路1が満管になり立坑2
迄水位が上昇した閉水路の場合に定格流量での排水が要
求される。図3(a)に示すように閉水路の最高水位
H.W.Lからのポンプ実揚程Haを35.5mとすれ
ば吐出管路損失の3.5mは同じであるから全揚程Hは 39.0m=35.5m+3.5m となり、39.0/60.5=0.644で64.4%に
低減できる。
【0019】図3(b)に示す如く開水路・閉水路共存
運用の開水路の場合にポンプ起動時の水位W.Lは最低
水位L.W.Lとなりポンプ実揚程Haは大きくなる
が、水位が低くリスクが小さいから定格流量は必要が無
くその時の全揚程Hで得られる流量でポンプを運転すれ
ば良い。
【0020】そして、最低水位L.W.Lは地下水路1
の管径10m、ポンプ7の起動時の水位W.Lを管径の
30%〜90%とした場合、ポンプ設置位置を従来の3
mないし9m上方に設置でき掘削工事費が低減される。
【0021】このようにして、図4で説明したように、
定格流量でポンプを起動する時の水位W.Lが従来の最
低水位L.W.Lから最高水位H.W.Lになったこと
により、ポンプの能力を低減でき、ポンプを駆動するデ
ィゼルエンジンの出力も低減でき燃料消費も少なくな
る。
【0022】地下水路1は長大な距離により大容量の一
時貯留効果を有し、例えば管径10m、路長10kmで
約40万m3の容積を持ち、能力200m3/Secのポ
ンプで約30分間の貯留時間を有し、この時間の余裕が
ポンプ7を上方に設置可能とし、地下水路1の管径を水
位上昇のリスクが小さくなるから従来の12.5mから
10mに縮小することができる。地下水路1の管径の縮
小により大深度地下排水施設の建設費の殆どを占める地
下水路1の掘削工事費を低減できる。また、貯留効果に
よりポンプ7の頻繁な発停が発生するハンチングを防止
できる。
【0023】次に開水路・閉水路共存運用に適したポン
プについて説明する。図5を用いて、開水路・閉水路共
存運用に適したポンプ特性を説明する。本図の実線で示
す曲線のように開水路・閉水路共存運用に適したポンプ
は、閉水路運用の場合100%の定格流量で最高水位
H.W.Lからの揚水が可能な全揚程Aと、例えば40
%の最少流量で開水路水位からの揚水が可能な全揚程B
となる全揚程H−吐出量Q特性を具備したことにより、
低い全揚程で定格流量の揚水が要求される閉水路水位時
と、高い全揚程で最少流量の揚水で十分な開水路水位時
の双方を同じポンプで運用でき、ポンプ設置台数の増加
を抑制することが可能となる。
【0024】また、本図の点線で示す曲線のように従来
の開水路運用をおこな行うポンプは定格流量で最低水位
L.W.Lからの揚水が可能な全揚程Cが得られる場合
に最高効率となるように計画されているが、ポンプの効
率を閉水路時と開水路時との中間の吐出流量例えば80
%で最高となるように定めことにより開水路・閉水路
中間運用を行うポンプ及び駆動機の設備費を低減でき
る。
【0025】そして、上記ポンプに定格流量で閉水路水
位からの揚水が可能な全揚程と、最少流量で開水路水位
からの揚水が可能な全揚程とを翼のピッチを可変する型
を用いることにより、閉水路水位時と開水路水位時の双
方を同じポンプで運用でき、ポンプ設置台数の増加を抑
制することが可能となる。
【0026】更に、上記ポンプに定格流量で閉水路水位
からの揚水が可能な全揚程と、最少流量で開水路水位か
らの揚水が可能な全揚程のそれぞれに対応した翼を備え
た2段翼型を用いることにより、閉水路水位時と開水路
水位時の双方を同じポンプで運用でき、ポンプ設置台数
の増加を抑制することが可能となる。
【0027】このようにして地下水路が閉水路の時にポ
ンプを定格流量で運転し、地下水路が開水路の時ポンプ
を最少流量で運転する閉水路・開水路共存運転を行うこ
とにより、地下水路の状態に拘らず大深度地下排水施設
の安定運用が可能となる。
【0028】次に、本発明の特徴に係る閉水路運用を行
う大深度地下排水施設の実施の形態について説明する。
図6は本発明の閉水路運用を行う大深度地下排水施設
構成を説明する説明図である。本図に示すように閉水路
運用を行う大深度地下排水施設のポンプ井6とポンプの
7間に大容量吸水槽61を設けたことにより、その貯留
効果から地下水路1より地上へ溢流するリスクが低減さ
れ、地下水路1の径を縮小できる。また、大容量吸水槽
61の貯留効果により閉水路運用における大深度地下排
水施設の安定運用が可能となる。
【0029】ポンプ機場の建設にあたり敷地取得が困難
な場合は大容量吸水槽61を必要としない開水路・閉水
路共存型を選択し、大容量吸水槽61設置のための敷地
取得が容易な場合はポンプ揚程が小さい閉水路型を選択
することにより、最少建設費の大深度地下排水施設を選
択できる。
【0030】次にポンプ機場への流入量を正確に予測及
び制御する技術について説明する。上述した地下水路の
一時貯留効果もポンプ機場への流入量を正確に予測及び
制御を行い、ポンプ機場への流入量に見合った安定運用
を行なうことが前提であり、その前提が成立しないと立
坑及びポンプ井から溢流が発生する。
【0031】図7に、本発明のポンプ機場への流入量を
正確に予測及び制御する場合の構成を説明する説明図
示す。本図に示すように雨量レーダ71からのデータに
より降雨量を予測し、各ポイントに配置した雨量計から
降雨量データを収集し、降雨量予測値と降雨量データか
ら地中に浸透せず立坑2に流入する流出量解析を行って
流出量を算出する。各立坑2に流入する流量を集計し地
下水路1管内の流れ解析を行い地下水路1の流量と水位
を算出する。地下水路1の流量からポンプ井流入量解析
を行いポンプ井6への流入量と水位を算出する。ポンプ
井6への流入量と水位からポンプの運転シミュレーショ
を行いポンプの運転台数、吐出量、発停のタイミング
を決めポンプを制御すると共に地下水路1管内の流れ解
析ステップへフィードバックする。 次にポンプ機場へ
の流入量を正確に予測する方法のうち、降雨情報すなわ
ち降雨量の時間変化に対し、立坑への流入量を正確に予
測する場合について説明する。
【0032】図8は降雨からポンプ排水決定に到る手順
のフローチャートを示す。図9は時間と降雨量、時間と
流入量の関係を示す図表である。排水の対象となる地域
に降雨が有った場合、ステップ1で降雨情報例えば1時
間当り何mmといった値から時間の変化に対する降雨量
を求め、降雨と降雨の時間間隔ΔTにより土中への水の
浸透度が大幅に異なるため立坑への流入量が変化するか
ら流出係数を降雨パターンにより変更する。例えば、図
9のΔTにより流出係数を0.3〜0.9に変化させる。
ステップ2でこの流出係数と降雨量から立坑への流入量
を求め、ステップ3でこの立坑への流入量からポンプ機
場への流入量予測手段によりポンプ機場への流入量求
め、ステップ4でこのポンプ機場への流入量とポンプ運
転方案とによりポンプ排水量、即ち運転するポンプ台数
と吐出量を決める。図9に示すようにそれぞれの時間の
変化に対する流入量の変化パターンは遅れて行くからそ
の予測も同じに行う。
【0033】一般に降雨パターンは降雨量が時間の経過
と共に増加しピークを経て下降しゼロとなり、次の降り
始め迄の時間間隔により土中への浸透度が異なり、例え
ば時間間隔が短いと土中へ浸透せず立坑への流入量が多
くなる。この降雨パタンと降雨パタンの時間間隔で流出
係数を変えて降雨量と演算して立坑への流入量を求め、
ポンプ機場への流入量を精度良く予測することにより、
適切なポンプ機場の運転管理を行い大深度地下排水施設
の安定運用が可能となる。
【0034】そしてポンプ場への流入量の予測手段とし
て次の手段が挙げられる。 1.物理的シミュレーションによる。 2.上流側立坑の水位変化による。 3.上流において鉄砲水を検知する。 4.学習機能を有するニューロにより予測する。
【0035】このうち上流において鉄砲水を検知する手
段について詳細に説明する。図10は排水システムの鉄
砲水検知と到達時間の予測の手順の一例を示すフローチ
ャートである。図11は本例に係る排水システムの全体
構成図を示す。図11に示すように、本例の排水システ
ムは、放流先河川の近傍に排水ポンプ機場2を配置し、
排水対象地域に配設された小河川を含む排水路4によっ
て雨水等の排水を集め、この排水を排水ポンプ機場2に
導き、ここから河川に放流するようにしている。排水路
4は、幹線管路6と複数の枝管路8−i(図ではi=1
〜4)から形成されている。排水ポンプ機場2は、図示
のように、幹線水路4から流入される排水を貯留する図
示せざるポンプ井6と、そのポンプ井6の排水を汲み上
げて放流先の河川等に放流する排水ポンプ12と、この
排水ポンプ12の運転を制御するポンプ制御装置14を
含んで構成されている。
【0036】枝管路8−1の上流地点aとその地点より
も下流の地点bに、それぞれ水位検出器16(a,b)
が、また枝管路8−2の上流地点eとその下流地点f
に、それぞれ水位検出器16(e,f)が設置されてい
る。これらの水位検出器16は、枝管路内の水位を検出
するものであり、静電容量式や超音波式等の周知の構成
のものが適用できる。水位検出器16により検出された
各地点の水位検出値は、図示していない通信設備により
前記ポンプ制御装置14に伝送されるようになってい
る。なお、他の枝管路8−3,8−4には水位検出器を
設けていないが、必要に応じて設けてもよい。すなわ
ち、流量の大きい鉄砲水で、かつ最も早く排水ポンプ機
場2に到達する鉄砲水を検知し、その到達時間を予測で
きればよいことから、本例では排水系の全体構成や地形
等を考慮し、排水ポンプ機場2に近く、大きな排水対象
地域をカバーする枝管路を対象とし、その枝管路にて鉄
砲水を検知するようにしたのである。
【0037】このように構成される排水システムにおい
て、通常は、ポンプ制御装置14の働きにより、排水ポ
ンプ機場2の内水位を基準に、排水ポンプP1,P2,P
3の運転台数と回転数などの排水能力を自動的に制御し
て排水量を調整する。また、周知の流入量予測に基づい
て自動制御するようにする。
【0038】ここで、図10を用いて、鉄砲水の検知
と、鉄砲水のポンプ地点への到達時間の予測に係る詳細
構成について、動作と共に説明する。基本的に、鉄砲水
の検知と到達時間の予測は、水位検出器16aとb,1
6eとfにより検出された水位データに基づき、ポンプ
制御装置14にて実行される。ポンプ制御装置14はコ
ンピュータを含んで構成され、水位検出器16a〜fか
ら伝送される水位データを所定のサンプリング周期ごと
に取り込み、通常の入力信号処理を施した後、メモリの
データテーブルに格納し、この格納された水位データを
適宜読み出して、図10に示すような処理を実行するよ
うになっている。
【0039】図10に、枝管路8−1に発生した鉄砲水
にかかる処理を示す。なお、枝管路8−2についても同
様の処理になるので、ここでは枝管路8−1についての
み説明する。鉄砲水の発生(流下)はステップ31と3
2の処理で検出する。鉄砲水の場合の水位の変化パター
ンは、急激に増大するパターンである。そこで、本例
は、上流地点aの水位検出値ha(t)をサンプリングし、
数式1により1周期前の水位検出値ha(t+1)との差を演
算して、水位の増加率Δha(t)を求める(ステップ3
1)。
【0040】
【数1】 Δha(t)=ha(t)−ha(t+1) 次に、増加率Δha(t)が予め定めた鉄砲水判定基準の設
定値k以上か否かにより鉄砲水の発生を検知する(ステ
ップ32)。この判定が否定のときはステップ31に戻
って次のデータに対して同一の処理を繰り返す。肯定の
ときは、ステップ33にて、鉄砲水の最高水位hmを検
出する。この検出は、前記データテーブルの水位検出値
ha(t)の変化を監視し、極大値を示した検出値を最高水
位として特定することにより行う。最高水位を検出した
ときタイミングにタイマをセットして、その鉄砲水が下
流の地点bに到達する時間の実測を開始する(ステップ
34)。なお、鉄砲水を検知したとき、その検知信号に
より警報などを発したり、グラフィックパネル等の表示
装置にその旨と発生地点とを表示するようにしてもよ
い。また、鉄砲水の検知は、上記の水位増加率のほか、
水位そのものが所定の設定値を超えたこと、又は排水の
濁度が異常に高くなったことを条件として検出できる。
【0041】次のステップ35からステップ43まで
は、水理計算による鉄砲水の到達時間の予測の精度を上
げるための補正係数αを求めるステップである。到達時
間の予測に用いる原理として、周知の水理モデルから種
々の方法が考えられるが、ここでは予測の処理時間を考
慮して簡便な段波モデルによる方法を適用した。この段
波モデルによる鉄砲水の伝播速度(流下速度)ωは数式
2によって表される。なお、このモデルは、長方形管路
の場合であるが、円形管路の場合はそれに合わせて変数
を変形して適用すればよい。
【0042】
【数2】
【0043】ここで、hoは鉄砲水前面の初期水位であ
り、Vは初期水位hoのときの初期流速で、数式3によ
り求める。また、gは重力加速度である。
【0044】
【数3】
【0045】ここで、nは管路の粗度係数であり、Iは
管路の勾配である。従って、流下速度ωを求めれば、同
一排水管の下流地点に到達する到達時間は、そこまでの
距離をωで割算すれば求められる。
【0046】上記の水理理論に従い、ステップ35で地
点aにおける初期流速Vaを数式3により求める。次
に、ステップ36で数式2により流下速度ωaを求め
る。そして、ステップ37において、数式4により、距
離Labだけ離れた下流の地点bまでの到達時間の予測値
T'abを演算する。
【0047】
【数4】 T'ab=Lab/ωa 次のステップ38から40においては、地点bにおける
鉄砲水検知と、最高水位hmを検出する。この処理内容
は前記ステップ31から33と同一であるから説明を省
略する。ステップ40で地点bに鉄砲水の最高水位が到
達したことを検知したタイミングで、前記タイマを停止
させ(ステップ41)、地点aからbまでの到達時間の実
測値Tabを求める(ステップ42)。そして、ステップ4
3にて、次式5により、予測時間の補正係数αを演算す
る。
【0048】
【数5】 α=T'ab/Tab 通常、理論による予測値よりも実測値の方が大きいか
ら、α≦1.0である。
【0049】次に、地点bからポンプ地点dに鉄砲水が
到達する予測時間T'bdを、数式6により演算する。
【0050】
【数6】 T'bd=α(T'bc+T'cd) の式におけるT'bcとT'cdの予測は、それぞれ基本的に
数式2,3,4を用いる。但し、幹線管路6は枝管路8
−1と管径などの管路条件が異なるので、初期水位ho
と最高水位hmは、地点aの検出値に基づき、比例計算
により推定する。この場合、初期水位hoには、他の枝
管路8−2,8−3,8−4等から合流点cに流入して
いる排水量をも考慮する必要がある。したがって、合流
点cに水位検出器を設置して、初期水位hoを検出する
のが好ましい。しかし、枝管路8−1の鉄砲水が最も早
く合流点cに到達する場合は、他の枝管路から合流点c
に流入する量は、通常時の流量であるから、過去の各枝
管路の流量割合の実績データ等に基づく相関係数を設定
しておき、地点aの初期水位にその相関係数を乗じて、
合流点cの初期水位を推定することができる。上記例で
は、この方法によっている。なお、本例では、基本的に
最も早く排水ポンプ地点に到達する鉄砲水についての到
達時間を予測すればよいから、枝管路8−1よりも枝管
路8−2に発生した鉄砲水が最も早く合流点cに到達す
る場合は、枝管路8−2の鉄砲水について到達時間T'f
dを予測する。
【0051】このようにして予測した到達時間T'bdに
基づいて、ステップ45において、排水ポンプの運転台
数とその運転開始タイミングについて決定すると共に、
その決定にしたがって鉄砲水に対する先行待機運転の制
御を行う。通常、排水ポンプは複数台設けられているか
ら、鉄砲水の強さに応じて運転する台数を決める。
【0052】上述したように、本例によれば、排水路の
上流地点aにて排水路の水位を検出し、その増加率が急
激であるか否かを判断していることから、鉄砲水が発生
を素早く検知できる。これにより、排水ポンプの対応運
転を余裕を持って行うことができる。
【0053】また、鉄砲水の程度(水位又は増加率)
と、鉄砲水の検知地点から排水ポンプ地点までの距離
と、排水路条件とに基づき、水理理論に従って排水ポン
プ地点までの鉄砲水の到達時間を予測演算していること
から、更に余裕を持って排水ポンプの対応運転を行うこ
とができる。そして、その予測結果に基づいて排水ポン
プを先行して運転する台数や運転開始タイミングを決定
していることから、鉄砲水の到来に容易に対応できる。
【0054】また、排水ポンプを先行待機運転できる時
間は、ポンプ軸受の冷却システム等により制限を受ける
が、上記予測により先行待機運転時間を最適化でき、ポ
ンプ軸受の損傷を防止できる。立坑及びポンプ機場への
流入量制御手段として下記の手段が挙げられる。 1)複数排水路から立坑への流入量制御 2)可動堰によるポンプ機場への流入量制御 3)開水路、閉水路の排水 4)複数機場の統合管理 5)ポンプ吐出側の越流堰による流量制御。
【0055】先ず、1)複数排水路から立坑への流入量
制御手段について詳細に説明する。図12に示す地下排
水システムのように、河川や排水路から流入立坑1,
2,3への導水路に可動の流入量調整装置8を設けた。
これにより、各河川や排水路から地下放水路4への流入
量を調整し、各河川や排水路の水位や流入量に応じて各
河川や排水路から流入立坑1,2,3への流入量を別々
に調節することができる。
【0056】次に2)可動堰によるポンプ機場への流
入量制御について説明する。図13は、図12における
可動の流入量調整装置8を可動堰9で構成したものであ
る。可動堰9としては、図13に示すように上下に堰高
さを調節しうるものや、スウィング式のものが考えられ
るが、大規模なシステムでは、制御動力を小さくでき、
しかも異物のひっかかりにくい図13のほうが良い。図
14は、河川や排水路から流入立坑1,2,3への導水
路を管路とし、図12における流量調整装置8をバルブ
としたものである。この場合バルブとしては、流量調節
可能であり、比較的大形のものも製作可能なバタフライ
バルブが適している。
【0057】次に、上記のように構成された地下排水シ
ステムの運用方法について説明する。すなわち、ポンプ
7の運転状態、地下放水路4の水位、全体の流入量、あ
るいはその予測結果と各河川や排水路の水位から、当該
河川や排水路からの最適な流入量を決定し、流量調整装
置8により最適値に調整する。例えば、気象条件などに
より、ある特定の河川や排水路への流入が多く冠水の恐
れが生じた場合には、ポンプ7の運転状態、地下放水路
4の水位及び全体の流入量の許す限り、優先的に当該河
川や排水路から排水することにより、冠水被害を防止す
ることができ、排水システムとして最大限の能力を発揮
させることができる。
【0058】図15に、排水システムにおいて、河川や
排水路からの最適な流入量を決定し、最適値に調整する
流量調整装置のブロック図を示す同図に示すように、
地下排水施設によって複数の河川A、排水路B及び管渠
Cを制御している状態を想定する。制御装置12は、河
川A、排水路B及び管渠Cの水位、流入立坑1,2,3
への流入量Q、地下放水路4の水位、排水ポンプの排水
量ΣQなどが常時監視できるものとする。
【0059】いま、河川Aの流域の降雨量が大きく、水
位が上昇している場合には、地下放水路4の水位、排水
ポンプ7の排水量などからポンプの運転状態を把握し、
ポンプの容量に余裕がある場合には、河川Aの流量調節
装置8に制御信号を送り、河川Aからの流入量Qaを増
加させる。この時、仮に排水ポンプ7の容量に余裕がな
い場合でも、河川Aの水位上昇速度が大きく、冠水の恐
れがある場合には、他の排水路B,管渠Cの水位に余裕
がある場合には、それらの流量制御装置8に制御信号を
送り流入量Qb,Qcを減少させ、しかる後に河川Aか
らの流入量Qaを増加させるように制御装置12を構成
しておけば、当該排水システムの機能を最大限に発揮さ
せ、排水システムとしての信頼性を向上させることがで
きる。
【0060】また、河川や排水路からの雨水の流入量或
いは、その予測結果をもとに、急激な流入が予想される
河川、排水路から予め優先的に地下放水路4に導き、ポ
ンプの運転可能最低水位まで水位を上昇させ、しかる後
にポンプを起動し、排水運転を行い、当該河川や排水路
の水位を最低水位付近まで下げておけば、河川や排水路
自体の貯留効果を利用し、急激な流入に備えてポンプの
待機運転を行うことができる。
【0061】また、この際、ポンプ7を可動翼ポンプ或
いは回転数制御可能なポンプで構成し、低流量排水運転
とすれば、当該河川や排水路の自然流下による排水能力
を最大限に利用でき、効率的な待機運転が可能となる。
【0062】図16は、ポンプ機場上流側の地下放水路
4に可動の堰11を設けたものである。このように構成
することにより、流入初期における初期汚水がポンプ井
6に流入するのも防止でき、ポンプ7の信頼性をさらに
向上することができる。
【0063】また、この排水システムが開水路の状態で
運用される場合には、地下放水路4の勾配θにもよる
が、例えばポンプ7の不具合などでポンプ7の立上りが
遅れた場合には、可動堰11を閉じて地下放水路4の貯
留効果を最大限に利用できる。
【0064】さらに、このような構成とすれば、河川や
排水路からの流入量或いは、その予測結果に応じて可動
堰11の高さを調節することにより、ポンプ井6の水位
を安定化させ、従ってポンプ7の運転を安定化させるこ
とができるので、特に大規模ポンプシステム場合には、
ポンプ7の信頼性を高めることができる。
【0065】次に3)地下放水路が開水路、閉水路の
状態に有る時の排水について説明する。流入水路が閉水
路の状態で計画水量を排水可能とし、開水路においても
締切運転にならないポンプをポンプ井に配置する。この
ポンプは可動翼ポンプとし、翼角最小付近で排水待機運
転し、ポンプ井の水位上昇又はその水位上昇速度に応じ
てポンプの翼角を調整し、排水量調整を行なう。また、
このポンプを回転数制御型とし、低速回転で排水待機運
転し、ポンプ井の水位上昇又はその水位上昇速度に応じ
て回転数を調整し、排水量調整を行なっても良い。ま
た、ポンプ井に、地下流入水路が開水路の状態で計画水
量を排水可能でありかつ排水待機運転される小容量高揚
程ポンプと、閉水路の状態で計画水量を排水可能な大容
量低揚程ポンプとを組合せても良い。ポンプ吐出側にバ
ルブを設置せず越流堰又はサイホンを形成して流量制御
を行うこともできる。
【0066】次に大深度地下排水施設(ポンプ機場)の
安定運用について下記の手段が挙げられる。 (1)ポンプ翼角・回転数制御による排水待機運転 (2)ポンプの先行待機運転 (3)小容量・高揚程、大容量・低揚程ポンプの組合せ (4)排水優先運転アルゴリズムの適用 (5)ポンプ井水位の上昇・下降速度によるポンプのオ
ン、オフ水位補正 (6)一時貯留・事前放流の為のポンプ近傍に設けたサ
ージ防止用貯水池。
【0067】ここで、(1)ポンプ翼角・回転数制御に
よる排水待機運転の詳細は上述のとおりであるが、ポン
プ機場の安定運用にも有効である。また、(2)ポンプ
の先行待機運転とは吸水槽への流入水の流入予測に従っ
て流入水が吸水槽に到達する前に放流路の弁を開き、ポ
ンプの運転を始める操作を指す。
【0068】図17に、排水施設の他の構成を縦断面図
で示す。同図に示すように貯水池10から流入主管路1
に連通させた放流路13に弁14が挿入されている。流
入主管路1の終端に吸水槽5が設けられ、吸水槽5内に
ポンプ4が浸漬されている。ポンプ4の吐出管6の吐出
弁7よりも上流側から分岐して貯水池10に連通させた
還流路15が設けられ、この還流路15に弁16が挿入
されている。降雨があると吸水槽5への流入予測が行わ
れ、流入水が吸水槽5に到達する前に放流路13の弁1
4を開き吸水槽5へ貯水池10の貯留水を供給する。一
定時間遅れて放流水が吸水槽5へ到着し吸水槽5の水位
がポンプ4の運転可能な値に上昇した時ポンプ4の運転
を開始する。このようにして放流水が流入し始めた段階
で本格的な放流水の流入に先行して待機運転を行うこと
ができる。
【0069】次に、(3)小容量・高揚程、大容量・低
揚程ポンプの組合せについて説明する。図18は、この
場合の排水施設の構成を示す縦断面図である。一般に、
地下水路1の埋設深さが深くなると、ポンプ井7の低水
位LWLと高水位HWLの差が大きくなる。また、地下
排水施設ではポンプ井7の水位が低い場合は排水量は少
なくてよく、水位が高くなるにつれて排水利用を増大す
ればよい。そこで、図18に示すように、必要排水量を
賄う排水ポンプを分割して階層状に設置し、下の階層に
高揚程ポンプ8aを、上の階層に低揚程ポンプ8bを設
置することが望ましい。この場合、低揚程ポンプ8bは
少なくとも地下貯留池10の底面よりも下のレベルに設
ける。
【0070】このように構成することにより、上層階の
排水ポンプ8bは設置レベルが高い分だけ放流先河川9
の水位Hoとの差が小さくなるから、その分だけ必要揚
程が小さくなるので、排水動力を節減できることにな
る。特に、上階層の排水ポンプ8bの定格を低揚程・大
容量のものにし、水位の上昇に応じて運転を開始するよ
うにすれば、低揚程大容量のポンプは広い範囲にわたっ
てポンプ効率が高いので、排水動力の節減効果が著し
い。また、ポンプ井7の水位が低いときはそれほど速や
かに排水する必要はないから、低い階層の排水ポンプ8
aは高揚程ではあるが、小容量でよい。
【0071】また、複数の排水ポンプを少なくとも2階
の階層状に設置したことから、必要な地下ポンプ建家の
建築面積を小さくすることができる。これにより、地下
掘削作業を含む作業量を低減でき、建設費の増大を抑え
ることができる。
【0072】次に(5)ポンプ井水位の上昇・下降速度
によるポンプのオン、オフ水位補正について説明する。
図19は、この場合のポンプ井水位上昇速度を示したも
のである。実線は水位上昇速度大、点線は通常の速度、
一点鎖線は水位上昇速度小の場合を示す。また、図20
ポンプ井水位上昇速度が大きい場合の起動パタンを
示したものである。起動水位は従来に比較し低い水位B
で起動する。また、全台(今回の例は3台)起動する
迄の水位差はA2であり従来(A1)に対し小さくな
る。すなわち、水位上昇速度が大きい場合、低い水位で
1台目が立ち上がり、かつ全台立ち上がる水位も低く急
激な水位上昇に対し早く対応が出来る。
【0073】図21は、ポンプ井水位上昇速度が遅い場
合の起動パタンを示したものである。1台目起動の水位
はB3だけ高く、停止時も低水位で停止するようにす
る。すなわち、起動と停止の水位差を従来(C1)に比
較し、大きく(C3)出来るのでハンチング防止に効果
がある。
【0074】次に(6)一時貯留・事前放流の為のポン
プ近傍に設けたサージ防止用貯水池について説明する。
図22は、この場合の地下排水施設の概念構成を示す縦
断面図である。図示のように、地下水路1の比較的下流
側に、地表と地下水路1の中間に位置させて、一定の容
積を有する地下貯留池10が埋設されている。この地下
貯留池10は連通立坑11を介して地下水路1に連結さ
れている。この連通立坑11の地下貯留池10との連通
部のレベル(入口レベル)は、貯留池底面よりも高いレ
ベルの側面部に位置されている。地下貯留池10の底部
は貯留水の放流管路12を介して連通立坑11に連結さ
れている。この放流管路12には管路を開閉する開閉弁
又はゲート弁(以下、開閉弁と総称する)13が設けら
れている。ここで、放流管路12は地下水路1に直接連
結することも可能である。また、地下貯留池10の底部
に連通させて揚水ポンプ15が設けられ、貯留水を地上
に汲み揚げ可能になっており、これにより必要に応じて
その貯留水を消防用水、道路や公園の散水用等に有効利
用できるようにしている。一方、地下貯留池10の上部
は空気孔14を介して大気に開口され、地下貯留池10
に対応する地表面には公園17や運動場等の公共施設
が、更に地表と地下貯留池10との間のスペースを利用
して地下駐車場16などの施設が設けられている。
【0075】また、地下貯留池10の容量は、流入量予
測と排水ポンプの排水能力等の排水システムの条件から
要求される貯留能力から、地下水路1の貯留能力を差し
引いた量以上に設定する。
【0076】上記のように構成される地下排水施設の動
作及び運転方法を次に説明する。雨が降って河川3等の
水位が上昇すると地下水路1に流入する水量が増加し、
雨量の程度に応じて地下水路1の水位が上昇する。集中
豪雨などのような流入水の急激な増大が生ずると、地下
水路1が満水状態になり、地下貯留池10の連通立坑1
1の水位が急激に上昇し、図22に示した動水勾配20
に従って、水位が地下貯留池10の入口レベルに達す
る。水位がこのレベルに達すると、地下貯留池10の貯
留効果が発揮されるため、それ以降の急激な水位の上昇
が緩和される。したがって、流下水がポンプ井7に到達
してから、排水ポンプ8の運転を開始するまでの時間を
十分にとることができる。つまり、地下貯留池10の入
口レベルに水位が到達してから排水ポンプ8を運転開始
しても、上流側水路の河川3、管渠4、放水路5又は空
気孔6から流入水が逆流して生ずる冠水を防止できる。
【0077】なお、排水ポンプ8の総排水能力は、流入
量予測に基づいて定められるが、通常は、単位時間当た
りの流入量に応じた総排水能力に設定される。従って、
地下貯留池10に水位が達してから排水ポンプ8を運転
開始すれば、水位の上昇を抑えられるのである。
【0078】本発明はポンプの全揚程を低減してポンプ
そのものの小型化、原動機の小型化により、ポンプ機場
の省スペース化を図っているが他に下記のような手段
が挙げられる。 イ.ポンプ機場の階層化 ロ.円形に配置したポンプ機場 ハ.鉛直方向に配置したポンプ機場。
【0079】まず、イのポンプ機場を階層化し、かつ円
形に配置した例について説明する。図23に、この場合
排水ポンプ機場の概念構成を縦断面図で示す。図24
は図23の部分詳細図である。排水対象区域に配設され
た地下水路1により集められた雨水などの流入水はポン
プ井2に流入される、ポンプ井2内の流入水は排水ポン
プ群3によって汲み揚げられ、集合吐出管路4と排水路
5を介して放流先の河川6に排出されるようになってい
る。排水ポンプ群3は設置レベルを異ならせて2階層状
に配置された複数の排水ポンプPL1〜n(nは自然
数)とPH1〜nから構成されている。ここで、排水ポ
ンプPHには低揚程・大容量のポンプが適用され、排水
ポンプPLには高揚程・小容量のポンプが適用されてい
る。これらの排水ポンプPH,PLは階層別にそれぞれ
円形状に設置されている。各排水ポンプPH,PLの吸
込管路7,8は環状の集合吸込管路9,10を介してそ
れぞれポンプ井2に連通されている。集合吸込管路7、
8は排水ポンプの円形配置に合わせてそれぞれ環状に形
成されている。各ポンプの吸込管路7,8にはそれぞれ
吸込仕切り弁11,12が設けられている。集合吐出管
路4は排水ポンプ群3の中心に縦型に設けられ、各排水
ポンプPH,PLの吐出管路13,14が連結されてい
る。集合吐出管路4の上部は排水路5によって河川6に
連通されている。また、集合吐出管路4の管径は階層ご
との排水ポンプの排水量に合わせ、下層に行くほど細く
形成されている。上記の排水ポンプ群3が設置される地
下ポンプ建家20の外形は、上方に広がる円錐台状に形
成されている。このような形状にしたのは、下層の階に
設置される高揚程・小容量の排水ポンプPLは、上層の
階に設置される低揚程・大容量の排水ポンプPHに比べ
て設置面積が小さくて済むからである。なお、地下ポン
プ建家20は図24のように下層部のみ円錐台状にし、
上層部は円柱状にしてもよい。また、地下ポンプ建家2
0内には排水ポンプPH,PLおよび電動機15,16
などを保守するための保守エリア17,18が設けられ
ている。なお、図に示すように、集合吐出管路4の上端
を地上に露出させ、その部分に例えば噴水又は滝21を
設けたり、地下ポンプ建家20の地上部分を公園22等
として利用できるようにしてもよい。
【0080】このように構成されることから、図23、
24の排水ポンプ機場によれば、上層階の排水ポンプP
Hは設置レベルが高い分だけ放流先河川6の水位Hoと
の差が小さくなるから、その分だけ必要揚程が小さくな
るので、排水動力を節減できることになる。特に、高い
階層の排水ポンプPHの定格を低揚程・大容量のものに
すれば、低揚程大容量のポンプは広い範囲にわたってポ
ンプ効率が高いので、排水動力の節減効果が著しい。
【0081】また、排水システムではポンプ井2の水位
が低い場合は排水量は少なくてよく、ポンプ井の水位が
高くなるにつれて排水量を増大させればよいから、例え
ば図23に示すようにLWL(例えば、Ho−60m)
とHWL(例えば、Ho−15m)の中間に運転台数制
御用の中間水位MWL1,2(例えば、Ho−45m,
Ho−30m)を設定し、水位が上昇するにつれて順次
高い階層の排水ポンプを運転するようにすれば、排水動
力を効果的に節減できる。
【0082】また、複数の排水ポンプを少なくとも2階
の階層状に設置したことから、必要な地下ポンプ建家の
建築面積を小さくすることができる。これにより、地下
掘削作業を含む作業量を低減でき、建設費の増大を抑え
ることができる。特に、排水ポンプを円形に配置したの
で地下ポンプ建家20の外形も円形にすることができ、
建設費低減の効果が著しい。
【0083】また、ポンプ井2の水位が低いときはそれ
ほど速やかに排水する必要はないから、低い階層の排水
ポンプPLは高揚程ではあるが、小容量でよい。従っ
て、地下建家の各階層の面積は下層になるほど小面積で
よく、少なくとも下部外形が上に広がる円錐台状に形成
すれば、特に深いところにおける掘削量を低減できるの
で、建設費等の低減効果が著しい。
【0084】次に、ハの鉛直方向に配置したポンプ機場
について説明する。図25に、立軸駆動多重ポンプを配
置したポンプ機場を縦断面図で示す。本図に示すよう
に、1はポンプ羽根車(図示せず)の駆動源となる駆動
機であり、その主軸17は鉛直方向にある。2は大容量
で低揚程のポンプであり、3は小容量で高揚程のポンプ
で、鉛直方向に配設されている。4は、回転トルクの伝
達・不伝達が可能な継手であり、前記駆動機1の主軸1
7は、継手4によって鉛直方向に配設した2台のポンプ
2,3の各主軸18と連結している。すなわち、駆動機
1は、鉛直方向に配設した2台のポンプ2,3の間に位
置し、詳細は図示しないが、両掛駆動構成となってい
る。9は地下導水路、10は、地下導水路9に接続して
設けられた取水縦坑、13は、吐出流路に係る吐出管で
ある。前記取水縦坑10と吐出管13との間に、鉛直方
向に配設された2台以上(図25では2台)のポンプか
らなる立軸駆動多重ポンプが配置されている。上方側の
ポンプ2の吸込管7−1は仕切弁8−1を介して取水縦
坑10の上部に接続し、下方側のポンプ3の吸込管7−
2は仕切弁8−2を介して取水縦坑10の下部に接続し
ている。また、前記ポンプ2,3の吐出側は仕切弁6−
1,6−2を介して吐出管13に接続している。
【0085】地下導水路9から取水縦坑10に流入し溜
った水は、仕切弁8(8−1,8−2の総称)が開のと
き吸込管7(7−1,7−2の総称)に流入し、ポンプ
によって吐出管13に吐出される。吐出管13は大容量
で低揚程のポンプ2の吐出流が合流する位置から断面積
が拡大している。吐出側の仕切弁6(6−1,6−2の
総称)はポンプ停止時には閉となり、吐出流の逆流を防
止する。また、14,15は水流方向であり、11,1
2は水位を示す。
【0086】以上のように、図25に示した排水ポンプ
機場によれば、地下の排水ポンプ機場の平面スペース
を、従来のポンプの水平方向配置の場合よりも必要とし
ない。また、駆動機1の主軸17とポンプ2,3の主軸
18とは回転トルクの伝達・不伝達が可能な継手4によ
って連結されているので、必要なポンプ羽根車のみを回
転させることができ、エネルギーの浪費を防止できる。
【0087】さらに、鉛直方向に配設される2台のポン
プ2,3は、上方側が大容量で低揚程のポンプ2、下方
側が小容量で高揚程のポンプ3という構成にしたので、
取水縦坑10の水位が低い水位11のときには高揚程の
ポンプ3を運転し、取水縦坑10の水位が高い水位12
のときには低揚程のポンプ2を運転することができる。
また、それらの同時運転もできる。
【0088】また、駆動機1は、両ポンプ駆動として構
成を簡単化した。また、流路断面積が下流方向に増加す
る吐出管を配備しているので、効率の良い運転を可能と
している。さらに、複数台のポンプに対して1本の吐出
管13の併用が可能なのでポンプ装置の構成が簡単とな
るという効果もある。
【0089】また、図25の排水ポンプ機場によれば、
大容量で低揚程のポンプ2を運転しないとき、ポンプ2
の前後の仕切弁6−1,8−1を閉にして抜水し、ポン
プ2をフライホィールとして作動させることができ、省
エネルギーと水撃防止の効果もある。
【0090】26は、他の構成の立軸駆動多重ポンプ
を配置したポンプ機場を示す縦断面図である。図中、図
25と同一符号のものは、同等部であるから、その説明
を省略する。図示のように、鉛直方向に配設された3台
のポンプ20の羽根車回転軸は水平方向にあり、さら
に、3台のポンプ20は同一構造のものである。図にお
いて、1Aは、ポンプ(或いはポンプ羽根車)の駆動源
となる駆動機、17Aは、駆動機1の主軸、20は、鉛
直方向に配設された2台以上(図26の例では3台)の
軸流ポンプ、17Bは、これら軸流ポンプ20を鉛直方
向に連結する連結軸、21は、駆動機1の主軸17Aと
前記軸流ポンプ20の各連結軸17Bとを連結する軸継
手である。軸流ポンプ20は、軸流形の羽根車19と案
内羽根22,23を備えている。18Aは、羽根車19
の回転軸で水平方向にある。24は、連結軸17Bのト
ルクを上記各羽根車の回転軸18Aに伝達する直交伝達
機構に係る傘歯車、25は、軸流ポンプのケーシングに
設けた軸貫通用開口部である。各羽根車の回転軸18A
と傘歯車24とは、回転トルクの伝達・不伝達が可能な
継手4によって連結されている。地下導水路9に接続し
た取水縦坑10と吐出管13との間に、ポンプ室があ
り、鉛直方向に配設された2台以上(図26では3台)
の軸流ポンプ20からなる立軸駆動多重軸流ポンプが配
置されている。各軸流ポンプ20の上流側は仕切弁8を
介して取水縦坑10に、下流側は仕切弁6を介して吐出
管13に通じている。
【0091】以上のように構成された図26のポンプ機
場によれば、図25に示したものと同様、経済的なポン
プ機場構成およびポンプの効率的運転を可能とするほ
か、各ポンプの羽根車19の回転軸18Aを水平に配置
しているので、ポンプ羽根車として軸流形羽根車に限ら
ず、斜流形羽根車を組み込むことも可能である。
【0092】また、吐出管13出口の排水口の高さは一
定であり、さらに、取水縦坑10の水は押し込みとして
作用するので、水位がどの高さにあっても上下方向の各
軸流ポンプ20に要求される揚程は同じであり、ポンプ
を同一構造とすることができる。また、各ポンプが同一
構造であるので、パッケージ式という考え方ができ、ポ
ンプの増設を容易にし、さらに、製品コストの低減が可
能という特有の効果がある。
【0093】一般に、ポンプ機場に配置されるポンプは
容量が大きいことから大型になり、振動が大きいとポン
プ本体、配管系の疲労破壊の原因となり、振動は騒音の
発生原因でもあるから作業環境にも影響を与える。従っ
て振動を低減するために脈動を低減したポンプについて
説明する。図27〜図29に脈動を低減した片吸込遠心
型のディフューザポンプを示す。図27は、ポンプ回転
軸と直交する方向の断面図である。図28は図27のII
−IIから見た断面図である。図29は図27のIII−III
から見た断面図である。それぞれの図に示すように、片
吸込遠心型の羽根車1の外側にディフューザ3が設けら
れ、さらにその外側にボリュートケーシング10が設け
られている。このボリュートケーシング10にはポンプ
吐出口11が一体に形成されている。また、このボリュ
ートケーシング10に接続して、ポンプ吸込口15を有
する吸込ケーシング16が設けられ、これらによりディ
フューザポンプの流水部が構成されている。ディフュー
ザ3の側壁4A,4Bの中間に隔壁5が設けられてい
る。そして、隔壁5によりディフューザ3内の流路は、
軸方向に独立した2つの流路6A,6Bに分割されてい
る。この2つの流路6A,6Bにそれぞれディフューザ
羽根7A,7Bが配設されている。これらの羽根7A,
7Bは互いに回転角方向の位置をずらして配置されてい
る。また、一方の流路のディフューザ羽根の入口端の中
間に、他方の流路のディフューザ羽根の入口端が位置す
るように位置をずらしてある。図27の例では、羽根7
Bの入口端7B’は羽根7Aの入口7A’に対し、羽根
車の回転方向に角度ζ°だけずらしている。
【0094】このように構成される図27のディフュー
ザポンプの動作について次に説明する。ポンプ吸込口1
5から流入した流れは、羽根車1の回転により流速が高
まり、ディフューザ3へ吐出される。ここで流れは減速
し、静圧を回復した流れはさらにボリュートケーシング
10を通り、ポンプ吐出口11から吐出される。羽根車
1の出口部の流れは、前述したように、羽根の厚み、羽
根車1内の羽根面に沿う流れの境界層の発達等の影響を
受けて、羽根車1の羽根間隔を1ピッチとする不均一な
流速分布になっている。そして、この不均一な流れがデ
ィフューザ羽根7A,7Bの入口を通過する際に、この
1ピッチの回転に要する時間を基本周期とする圧力脈動
が生ずる。発生した圧力脈動はボリュート出口に伝達さ
れ、それらの合成された圧力脈動波が吐出配管に伝達す
ることになる。また、一部は羽根車内を通って吸込配管
へ伝達することになる。
【0095】しかし、このディフューザポンプによれ
ば、ディフューザ流路を隔壁5により独立した流路6
A,6Bに分割し、かつそれらの流路のディフューザ羽
根入口端7A’,7B’の位置を、羽根車の回転方向に
対し、互いにずれた位置にしている。従って、羽根車流
路から流出する流体は、そのずれ量に応じた回転角の位
相角度ζ°がずれた関係で、2つのディフューザ流路6
A,6Bに流入して、流出することになる。従って、2
つのディフューザ流路6A,6Bの入り口部で発生した
圧力脈動は、その位相ずれに応じて出口部で互いに打消
され、ディフューザ流路出口部における圧力脈動が低減
される。
【0096】特に、各ディフューザ流路6A,6Bの羽
根の入口端7A’,7B’を、ほぼ羽根車の羽根ピッチ
の半分の角度だけずらせた場合は、各ディフューザ流路
6A,6Bで交互に発生する圧力脈動の位相が、互いに
1/2波長ずれるので、両流路の圧力脈動が打消しあっ
て圧力脈動を大幅に減少することになる。即ち、羽根車
の羽根枚数をZi、ディフューザの羽根枚数をZdと
し、前記角度ζ°について、下記の関係に設定した場
合、 ζ°=1/2×360°/Zi あるいは 360°/Zd−ζ°=1/2×360°/Ziとなり、 両流路6A,6Bから交互に発生する脈動は、
互いに位相が1/2波長ずれるため、両流路を伝わる圧
力脈動が干渉し、圧力脈動は著しく減少する。
【0097】なお、両流路6A,6Bの羽根入口端7
A’,7B’の位置をずらせたことにより、これらの位
置とポンプ吐出口までの距離が異なってくる。しかし、
この距離の違いは、一般に圧力脈動の波長にくらべ著し
く小さいので、前記位相のずれに与える影響は無視でき
る。従って、上記式を満足するζ°だけずらせればよ
い。 上述したように、図27のディフューザポンプに
よれば、ディフューザ部の形状の工夫により脈動低減を
図ったのである。そして、隔壁5は円板状となり、ディ
フューザの羽根も通常2次元形状になる。これに対し、
羽根車内の流路を隔壁により仕切り、この隔壁の両側の
羽根をずらして圧力脈動を減少させる従来技術によれ
ば、片吸込遠心型羽根車の場合の隔壁は流線に沿った曲
面形状となり、かつ羽根車の羽根は通常3次元曲面に形
成することが多い。従って、従来技術にくらべポンプ
の製作が容易となる。また、羽根車入口部に隔壁を設け
ていないので、キャビテーション性能の悪化を生じな
い。また、羽根車内の中央流線に沿った隔壁がないた
め、ポンプを小流量で運転するとき、羽根車内の遠心流
れおよび逆流の発生が抑制されず、ポンプ揚程曲線の不
安定化等の特性悪化を生ずることがない。
【0098】今迄に述べた開水路・閉水路共存運用を行
う大深度地下排水施設には下記のような効果がある。 A.ポンプ全揚程の低減が顕著で、ポンプ及び駆動機を
含むポンプ機場の設備備費が小さくなる B.地下水路の掘削工事費が低減される C.長大な地下水路の貯留効果により地上へ溢流するリ
スクが小さくなる D.上記の貯留効果により大容量吸水槽を必要としない
から土地の取得が困難な都心にポンプ機場の建設ができ
る 以上大深度地下排水施設に関し、種々のを説明した
、上記の各例の技術を適宜組み合わせて実施すること
ができる
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、大深度地下排水施設の
建設費を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の大深度地下排水施設の基本的な構成を
示す斜視図である。
【図2】本発明の開水路・閉水路共存運用を行う大深度
地下排水施設の構成の一例を説明する説明図である。
【図3】図2の例の開水路・閉水路共存運用を行う場合
のポンプ起動水位を説明する説明図である。
【図4】ンプ特性の一例を説明する図である。
【図5】開水路・閉水路共存運用に適したポンプ特性を
説明する図である。
【図6】水路運用を行う大深度地下排水施設の構成の
一例を説明する説明図である。
【図7】ンプ機場への流入量を正確に予測及び制御す
場合の構成を説明する説明図である。
【図8】雨からポンプ排水決定に到る手順の一例の
ローチャートを示す。
【図9】間と降雨量、時間と流入量の関係を示す図で
ある。
【図10】水システムの鉄砲水検知と到達時間の予測
の手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】鉄砲水検知を適用した排水システムの一例の
全体構成図を示す。
【図12】下排水施設の他の例の構成を示す縦断面図
である。
【図13】図12における可動の流入量調整装置を可動
堰で構成した縦断面図である。
【図14】図12における可動の流入量調整装置をバル
ブで構成した縦断面図である。
【図15】川や排水路からの最適な流入量を決定し、
最適値に調整する流量調整装置の一例のブロック図であ
る。
【図16】ンプ機場上流側の地下放水路に可動の堰を
設けた一例の縦断面図である。
【図17】地下排水施設の他の例の構成を示す縦断面図
である。
【図18】地下水施設の更に他の例の構成を示す縦断面
図である。
【図19】ンプ井水位上昇速度の一例を示した図で
る。
【図20】ンプ井水位上昇速度が大きい場合の起動パ
タンを示した図である。
【図21】ンプ井水位上昇速度が遅い場合の起動パタ
ンを示した図である。
【図22】本発明の実施の形態の地下排水施設の概念構
成を示す縦断面図である。
【図23】水ポンプ機場の更に他の概念構成を示す縦
断面図である。
【図24】図23の部分詳細図である。
【図25】軸駆動多重ポンプを配置したポンプ機場
一例を示す縦断面図である。
【図26】軸駆動多重ポンプを配置したポンプ機場
他の一例を示す縦断面図である。
【図27】吸込遠心型のディフューザポンプの一例
を、回転軸と直交する方向の断面図で示した図である。
【図28】図27のII−IIから見た断面図である。
【図29】図27のIII−IIIから見た断面図である。
【図30】従来の開水路運用の地下排水施設の構成を説
明する説明図である。
【符号の説明】
1 地下水路 2 立坑 3 放水路 4 管渠 5 河川 6 ポンプ井 7 ポンプ 8 吐出水槽 61 大容量吸水槽 71 雨量レーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E03F 1/00 E03F 5/22 F04D 15/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大深度地下に配設された地下水路と、こ
    の地下水路の下流端に連通された吸水槽と、この吸水槽
    の水を揚水して放流先の河川等に放流する排水ポンプと
    を備え、前記吸水槽の底面レベルを前記地下水路の下流
    端の上端と地表との間に位置させてなる大深度地下排水
    施設。
  2. 【請求項2】 大深度地下に配設された地下水路と、こ
    の地下水路の下流端に連通された吸水槽と、この吸水槽
    の水を揚水して放流先の河川等に放流する排水ポンプと
    を備え、前記吸水槽の底面レベルを前記地下水路の最深
    部の上端と地表との間に位置させてなる大深度地下排水
    施設。
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