JP2000276235A - 広域雨水排水システム支援装置 - Google Patents

広域雨水排水システム支援装置

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JP2000276235A
JP2000276235A JP11083940A JP8394099A JP2000276235A JP 2000276235 A JP2000276235 A JP 2000276235A JP 11083940 A JP11083940 A JP 11083940A JP 8394099 A JP8394099 A JP 8394099A JP 2000276235 A JP2000276235 A JP 2000276235A
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river
water level
rainfall
drainage system
predicting
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JP11083940A
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English (en)
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Kanemi Nakajima
かねみ 中島
Masashirou Nakada
雅司郎 仲田
Masaki Kunimi
正樹 國見
Norihisa Uenishi
範久 上西
Akihiro Nagaiwa
明弘 長岩
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/40Controlling or monitoring, e.g. of flood or hurricane; Forecasting, e.g. risk assessment or mapping

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  • Barrages (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Control Of Non-Electrical Variables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 海に接する河川対象流域の浸水災害を防
除することにある。 【解決手段】 海に接する水門を有する第1河川、海に
接する第2河川およびこれら2つの河川を連絡する第3
河川を有し、浸水災害を回避する支援装置において、レ
ーダ・地上雨量計のデータから降雨量を予測する降雨量
予測演算部23と、降雨量予測値をもとに、河川対象流
域の流出量を、RRL法、タンクモデルを用いて予測す
る流出量予測演算部26と、この流出量予測値と第3河
川の排水機場のポンプ運転情報を用いて、第2河川への
流出量を算出し、この流出量から第3河川の流下量を予
測する流下量予測演算部27と、第3河川から第2河川
への流出量と第3河川の流下量を用いて水位を予測する
河川水位予測演算部28と、気象情報・水位計データか
ら潮位を予測する潮位予測演算部29と、この予測潮位
と予測水位とからポンプ台数を予測する支援装置30と
からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、台風や集中豪雨な
どの大雨強風時での浸水災害防除のために利用される広
域雨水排水システム支援装置に係り、特に河川近くの排
水機場のポンプ運転および水門操作を支援する広域雨水
排水システム支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、海に接する河川などに防潮水門が
設置されている場合、台風,集中豪雨などの大雨強風時
に排水機場の運転員が河川の水位を確認し、例えば2.
0mの規定閉門水位に達したとき、海(湾)の水が河川
に逆流しないように防潮水門を閉じる操作を行ってい
る。そして、防潮水門を閉じた後、河川の水が周辺流域
に氾濫しないように、例えば2.5mの規定運転水位に
なったとき、ポンプ運転を行って他の河川に排水するな
どの処置をとっている。
【0003】ところで、以上のような河川水排水技術に
比較的に類似する技術として、支流河川から本流河川に
流れ込む場所に排水ポンプ場、水門等の設備を設け、各
河川および各河川近傍に設置される水位計および雨量計
の計測データから各河川の水位予測を行い、この水位予
測のもとに水門を開けて支流河川から本流河川に排水
し、また逆水位の場合には水門を閉じる操作を行う排水
機場の運転支援システムが提案されている(特開平8−
286729号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ようなシステムでは、各河川間の水流通に関する技術で
あって、台風,集中豪雨などの大雨強風時での海に接す
る河川の河川周辺流域の浸水災害防除を目的としたもの
でなく、また台風,集中豪雨などの大雨強風時での潮流
水位に基づく河川対象流域の洪水対策といったものでも
ない。
【0005】本発明は上記事情にかんがみてなされたも
ので、台風,集中豪雨などの大雨強風時での海に接する
河川対象流域の浸水災害防除や潮流水位に基づく河川対
象流域の洪水を未然に防止する広域雨水排水システム支
援装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、海に接する防潮水門を有する第1の河
川、防潮水門なしで海に接する防潮水門なしの第2の河
川および前記第1の河川と前記第2の河川とを連絡する
第3の河川を有し、かつ、前記第1および第3の河川に
関わる対象流域の降雨による災害を回避する広域雨水排
水システム支援装置において、雨量計データおよび気象
情報から降雨量を予測する降雨量予測手段と、この降雨
量予測値をもとに、前記対象流域からの流出量を、RR
L法、修正RRL法、河川タンクモデルの何れか1つを
用いて予測する流出量予測手段と、この流出量予測手段
による流出量予測値と前記第3の河川下流側に設置され
る排水機場のポンプ運転情報を用いて、前記第3の河川
から第2の河川に排水する流出量を算出し、この流出量
から前記第3の河川の流下量を予測する河川流下量予測
手段と、前記第3の河川から第2の河川への流出量と前
記第3の河川の流下量を用いて水位を予測する河川水位
予測演算手段と、現在の気象情報および現在の水位計デ
ータに基づき、類似する過去の気象情報および水位計デ
ータから得られる潮位パターンから潮位を予測する潮位
予測演算手段と、この予測潮位と前記河川水位予測演算
手段の予測水位とからポンプ稼動台数を予測する運転支
援装置とを設けたものである。
【0007】本発明は、以上のような手段を講じたこと
により、レーダ・地上雨量計の雨量計データおよび気象
情報に基づいて、予め蓄積される過去の類似する気象情
報および雨量計データから作成された雨量パターンから
降雨量を予測し、この降雨量予測値をもとに、流出量予
測手段は、河川対象流域からの流出量を、RRL法、修
正RRL法、河川タンクモデルの何れか1つを用いて予
測する。
【0008】しかる後、河川流下量予測手段は、流出量
予測値と水位計データと第3の河川下流側に設置される
排水機場のポンプ運転情報と水門情報とを用いて、前記
第3の河川から第2の河川に排水する流出量を算出し、
この流出量から前記第3の河川の流下量を予測する。さ
らに、第3の河川から第2の河川への流出量と前記第3
の河川の流下量を用いて水位を予測し、また潮位予測演
算手段にて現在の気象情報および現在の水位計データに
基づき、類似する過去の気象情報および水位計データか
ら得られる潮位パターンから潮位を予測する。この予測
潮位および予測水位を用いて、運転支援装置は、ポンプ
稼動台数を予測する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明装置の実施の形態に
ついて図1および図2を参照して説明する。
【0010】図1はポンプ設備を備えた排水機場および
水門等,プラント設備の配置例を示す図、図2は本発明
に係る広域雨水排水システム支援装置の一実施の形態を
示すブロック構成図である。
【0011】各種プラント設備の配置例について述べる
と、比較的河幅の大きな河川1およびこの河川1よりも
河幅の小さな複数の河川2,3が海に接するように形成
されており、さらに河川1−2間、河川2−3間がそれ
ぞれ河川4,5により連絡されている。そのうち、河川
2,3の最下流にはそれぞれ防潮水門6,7が設けられ
ている。また、河川1と河川2とを連絡する河川4の最
下流にポンプ設備を備えた排水機場8が設けられてい
る。
【0012】さらに、これら河川1〜5のうち、河川1
の排水機場付近、河川4の上・下流部分および河川2,
3の下流側にそれぞれ水位計9〜13が設置され、また
河川2と河川4との接続点を中心として3ヶ所に流量計
14,15,16が設置されている。これら流量計14
〜16は河川2の上流側から流れてくる水が河川2と河
川4とにいかなる配分で流れるかの水量配分データを収
集する機能をもっている。一点鎖線で囲った領域は対象
領域17である。
【0013】このような対象領域17では、河川2の上
流側から流れてきた水は、河川2と河川4とに別れて流
下する。通常時、河川2,3に流れる水は防潮水門6,
7を通って海に流れるが、台風,集中豪雨などの大雨強
風時において潮位が高くなったとき、防潮水門6,7を
閉じ、河川2,3の水は河川4の排水機場8に設置され
るポンプを用いて河川1に排水される。
【0014】図2は本発明に係る広域雨水排水システム
支援装置の一構成例であって、例えば排水機場8等に設
置される。
【0015】このシステム支援装置は、気象情報用デー
タベース21に格納される気象情報データとレーダ,地
上雨量計(図示せず)で測定される雨量計データ22と
を用いて、対象流域の降雨量を予測する降雨量予測演算
部23、この予測演算部23により予測された降雨量予
測値をもとに管渠データ24および流域データ25を用
いて、対象流域からの降雨流出量を予測する流出量予測
演算部26の他、河川流下量予測演算部27、河川水位
予測演算部28、潮位予測演算部29および運転支援装
置30が設けられている。
【0016】前記気象情報用データベース21には、過
去の気象情報{降雨量、台風(有・無)、前線(種類,
位置,速度)、風速、風向、気圧、高波、潮位など}と
レーダ雨量計,地上雨量計の雨量計データから作成され
る過去の雨量パターンデータとの組み合わせた気象情報
データが格納されている。これらの組み合わせは任意で
あり、例えば台風および集中豪雨に対する対策の場合、
予めその対策目的に合った過去の組み合わせデータを登
録しておく。
【0017】前記流出量予測演算部26は、対象流域の
流域特性に応じ、RRL法、修正RRL法、河川タンク
モデルの何れかを用いて、対象流域等から流れ出る降雨
の流出量を予測する機能をもっている。
【0018】前記河川流下量予測演算部27は、流出量
予測演算部26にて予測される流出量と排水機場のポン
プ運転情報31と水門情報32と水位計9〜13などの
水位計データ33とを用いて、河川4から河川1に排水
された水の量を予測するものであり、結果として対象流
域からの流出量と河川4から河川1への排水量とから河
川4の下流側の水量減少状態である流下量を予測可能と
なる。
【0019】前記河川水位予測演算部28は、河川流下
量、ポンプ運転情報31および水門情報32を用いて河
川の水位を予測し、潮位予測演算部29は気象情報デー
タ21と水位計データ33とから潮位を予測する。
【0020】前記運転支援装置30は、予め保存管理さ
れるプラント設備モデル34を読み出して表示部35に
表示する一方、河川水位予測演算部28で予測される河
川水位予測値、潮位予測演算部29で予測される潮位予
測値およびこれら予測値から得られるポンプ稼動台数そ
の他必要な情報を、表示部35に表示されるプラント設
備モデルフローの必要な部分に表示する機能をもってい
る。
【0021】図3は図1に示す点線円形領域をより詳細
に示す拡大図である。
【0022】通常、対象流域からの流出量は例えばRR
L法または修正RRL法を用いて予測するが、そのため
には河川4周辺を小流域に分割し、各小流域から管渠お
よび地表から直接流出する管渠データ24および流域デ
ータ25を用いて降雨流出量を予測する。
【0023】ここで、RRL法とは、各小流域から懸案
地点までの等到達時間域の算出、不浸透および浸透の有
無に基づいて有効降雨量の算出、懸案地点までの流下に
伴う低減を考慮した流入ハイドロ・グラフ算出および流
出ハイドロ・グラフ算出などの算出手続のもとに流出量
を算出する方法であり、修正RRL法はRRL法の各算
出法に改良を加えたものである。なお、図示矢印は河川
の流れを示している。
【0024】この図3から明らかなように、対象流域の
管渠41,42,43,44を調べ、主要幹線または公
共管の配置状態から複数の小流域45,46,47,4
8に分割する。なお、主要幹線は県などの管轄に属し、
公共管は区,市町村の管轄に属する。
【0025】ところで、流出量予測演算部26では、各
小流域の最下流点49,50,51,52に流出してく
る降雨流出量を算出する。この降雨流出量は河川流下量
予測演算部27にて流下量を予測する際の河川4への横
流入量として用いられる。つまり、河川流下量予測演算
部27は、流下量を予測する際、各小流域の最下流点4
9〜52を河川4への横流入点とし、これら最下流点4
9〜52が流下量予測時の計算点とするものである。
【0026】図4は防潮水門6,7閉時における河川タ
ンクモデル50の詳細図である。ここで、河川タンクモ
デル50とは、水門6,7を閉じた時、上流から流入す
る雨水が水門閉によりタンクのごとき貯留状態となるこ
とを想定し、モデル化したものである。
【0027】今、2つの防潮水門6,7を閉じた場合、
河川2,3の上流から流れてくる雨水と河川2,河川3
の周辺流域の地表から流出する雨水とが河川2,3下流
に溜まってくる。この溜まった雨水は河川4を通って排
水機場8に設置されるポンプを用いて河川1に排水され
る。
【0028】なお、河川2,3の上流から流れてくる水
の量は、図5に示すように小流域51〜54に分割し、
各流域の最下流点55〜58の流出量を使用する。この
流域分割方法は図3と同様である。地表から河川へ流れ
込む雨水についてはRRL法または修正RRL法を用い
て算出する。
【0029】つまり、河川2の上流流域についてもRR
L法または修正RRL法を用いて、流出量および河川流
下量を予測する。すなわち、流出量予測演算部26で
は、小流域の最下流点55〜58への降雨流出量を算出
する。この算出された流出量は、河川流下量予測演算部
27にて流下量を演算する際の河川4の最上流点流入量
として使用する。
【0030】図6は海の水位と河川タンクモデル50の
タンク水位との関係を説明する図である。
【0031】この図は河川4の河川水を河川1に排水す
る目安を説明するものであって、河川タンクモデル50
のタンク水位が上昇し、タンク上流点が河川4に交じり
合ったとき、河川4の河川水を河川1に排水することに
なる。
【0032】次に、以上のような装置の動作について図
7および図8を参照して説明する。
【0033】図7に示すように、計算時間=0を設定し
た後(S1)、予め設定された計算時間間隔Δtごとに
降雨量予測を演算し(S2)、その後、降雨量予測値を
用いて、河川流出量および河川流下量を求める(S
3)。なお、ステップS2,S3に関する処理は図8を
用いて詳細に説明する。
【0034】さらに、河川流下量の予測値を算出する
際、水位計データ33を補正用として用いるか否かを判
断し(S4)、水位計10,11の水位計データ33を
補正用とする場合、水位計データから流量を算出し、水
位計10,11の設置されている計算点の流量を補正す
る(S5)。
【0035】以上のような一連の処理は予め定める予測
終了時間まで繰り返し実行する(S6)。
【0036】さらに、本発明装置の処理動作について詳
細に説明する。
【0037】先ず、降雨量予測演算部3にて降雨量を予
測する。この降雨量の予測は、レーダ雨量計、地上雨量
計による雨量計データ22だけでなく、気象情報データ
を用いて降雨量を予測する。
【0038】本発明装置においては、予め過去のレーダ
雨量計と過去の地上雨量計との雨量計データ22から雨
量強度を含む雨量パターンを作成し、これら雨量パター
ン、過去の気象情報(台風の有・無、潮位)、前線(種
類,位置,速度)、風速、風向、気圧、潮位などを組み
合わせて、データベース21に格納されている。
【0039】従って、降雨量予測演算部3としては、現
在の気象情報データに基づいてデータベース21を検索
し、条件の比較的近い雨量パターンを幾つか選択し、そ
の中から現在のレーダ雨量計および地上雨量計の雨量計
データ22をもとに、降雨量の最大値と平均値とを予測
する。なお、降雨量の最大値はポンプの稼動台数を決定
するときに用いられる。
【0040】このようにして得られた降雨量予測値は流
出量予測演算部26に送出される。この流出量予測演算
部26は、図3,図5に示すRRL法、修正RRL法、
図4に示す河川タンクモデル50の何れかを用いて流出
量を予測し、河川流下量予測演算部27に送出する。流
域分割は、幹線がある場合と無い場合とで分けられ、幹
線がある場合には幹線を主体として分割し、幹線が無い
場合には公共管の流域区分図による分割或いは管渠を流
れる水の向きから分割する。
【0041】これら流出量および河川流下量の算出は、
図8に示す動作フローに従って処理する。
【0042】先ず、河川4の最上流点から排水機場8ま
での最下流点の間に計算点を設定する(S11)。この
ステップS11は計算点の最上流点から最下流点までの
ループを表わしている。この計算点は、上流側から1、
2、3、…、k、k+1、…、n−1、nとし、横流入
点49,50,51,52は必ず計算点と一致するよう
に設定する。
【0043】以上のようにして計算点を設定した後、最
上流点からの流入量を算出する(S12)。さらに、横
流入点からの流入量を算出する(S13)。河川を除く
対象流域部分では、流出分と浸透分とに分かれるので、
流出解析手法を用い、河川の上空部分に降った雨が河川
に直接流入するので、河川の面積から流入量を算出す
る。なお、この流出解析手法にはRRL法または修正R
RL法を用いる。
【0044】しかる後、防潮水門6,7が閉じているか
否かを判断し(S14)、防潮水門6,7が開いている
場合にはステップS17に移行し、計算点の流量を算出
する。防潮水門6,7が閉じている場合、ステップS1
5に移行し、河川タンクモデル50の最上流水位位置
(タンク上流点)を算出し、この最上流水位位置が河川
4の予め定める交点位置よりも下か上かを判断する。こ
こで、最上流水位位置が河川4および河川2の交点より
も下の場合にはステップS17に移行し、計算点の流量
を算出する。一方、防潮水門6,7が閉じており、か
つ、河川タンクモデル50の最上流水位位置が河川4お
よび河川2の交点位置よりも上の場合、河川タンクモデ
ル50の予め定める貯留量を超える分の流入量を算出す
る(S16)。
【0045】そして、以上のようにして計算点および水
門閉時の河川タンクモデル容量を超える流入量を算出し
た後、最下流点まで繰り返し流入量を求めていく(S1
8)。従って、ステップS18では、最上流点から最下
流点までの計算点の流量トータル値を得ることができ
る。
【0046】一方、河川流下量予測では、排水機場8の
ポンプ運転情報31、水門情報32、水位計データ33
を取り込んで河川4に排出される水量を算出するが、こ
れには河川流下モデルと河川タンクモデルとを使用す
る。
【0047】河川流下モデルとは、河川4の上流から下
流までの移流を算出するモデルである。最上流点からの
流入量は、河川2の上流域からの流出量予測結果を用い
て算出する。河川2の上流域からの河川4および河川2
への配分量は、河川2と河川4との接続点付近に設置し
た流量計14〜16の流量計データを集計した結果から
求める。河川4への横流入してくる水の量は、流域特性
や地面への浸透状態によって時間と共に誤差のでる可能
性があるので、河川4の上流と下流に水位計10,11
を設置し、それら水位計データ33から流量を算出し、
河川流下量予測値に補正により反映させることができ
る。
【0048】ところで、河川4と河川2との交差する地
点よりも下流側の河川流域では、河川タンクモデル50
を使用する。
【0049】この河川タンクモデル50とは、河川の最
下流部分にある防潮水門を閉じた場合、下流から水が貯
留していく部分の流量を演算するモデルである。河川
2,3下流の貯留部分の水面位置をタンク水位と呼ぶ。
防潮水門を閉じた時、河川2,3の周辺の流域から流出
してくる水量と河川2,3の上流から流入してくる水量
と河川上空から直接河川に流入する雨量とを算出する。
【0050】河川2のタンク水位は、河川2と河川4と
の交点に達したとき、河川2,3の周辺の流域から流出
してくる水と河川2,3の上流から流入してくる水と河
川上空から直接流入する雨量とを加算した流量が河川4
の最上流点への流入量として河川流下量の予測として使
用する。
【0051】そして、河川流下量予測演算部27では、
河川4下流の排水機場8から河川1に排出される流量と
河川4に入ってくる流量とを比較し、河川1に排出され
る流量≦河川4に入ってくる流量との関係にある時、河
川1に排出する流下量を求める。この流下量はポンプ運
転台数の決定に用いられる。
【0052】一方、河川水位予測演算部28では、河川
流出量予測値、河川流下量予測値、ポンプ運転情報31
および水門情報32を用いて、各計算点の水位を演算す
る。各計算点の流量と水位との関係はマニングの式を用
いる。
【0053】さらに、潮位予測演算部29は、水位計デ
ータと気象情報データとに基づいて潮位予測を行う。デ
ータベース21には過去の水位データ、過去の気象情報
のうち台風(有無)、前線(種類,位置,速度)、風
速、風向、気圧、潮位等が格納されているので、現在の
水位計データおよび気象情報からデータベース21を検
索し、条件の比較的近い潮位パターンを幾つか選択し、
その中から現在の水位計データをもとに潮位の最大値と
平均値を予測する。
【0054】そして、運転支援装置30は、河川1への
流下量、河川水位および潮位予測値等を用いて、ポンプ
稼動台数を決定し、ポンプを稼動するとともに、表示画
面上のプラント設備モデルの稼動ポンプを色替え表示す
る。
【0055】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、防潮水門を設置する河川上流の対象流域の流出量か
ら河川1への流下量を予測し、ポンプ運転支援を行うよ
うにしたので、防潮水門閉時であっても対象流域の洪水
を確実に防止できる。しかも、対象流域を小流域に分割
して流出量を算出するので、対象流域を1つにまとめて
流出量を算出する場合と比較し、詳細に流量を算出でき
る。
【0056】また、降雨量を算出するに際し、過去の気
象情報(台風の強さや風力、風向など)と雨量パターン
とを組み合わせて格納しているので、過去の降雨量だけ
で予測降雨量を算出するよりも、台風時の特殊な雨量パ
ターンにおける降雨量を算出することができる。
【0057】さらに、潮位を算出するに際し、気象情報
(台風の強さ,風力,風向、気圧など)と降雨量とを組
み合わせたときの潮位パターンを格納することにより、
過去の潮位データだけで潮位を算出するよりも、台風の
強さに合わせた潮位を算出することができる。
【0058】さらに、河川の水位を算出する場合、水位
計の水位計データを取り込み、河川に流入してくる流量
を補正するので、河川流下量をより精度よく算出するこ
とができる。
【0059】その他、本発明はその要旨を逸脱しない範
囲で種々変形して実施できる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、台
風,集中豪雨などの大雨強風時での海に接する河川対象
流域の浸水災害を防除でき、また潮流水位に基づく河川
対象流域の洪水を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る広域雨水排水システム支援装置
を適用する河川およびプラント設備の配置例図。
【図2】 本発明に係る広域雨水排水システム支援装置
の一実施の形態を示すブロック構成図。
【図3】 河川の対象流域からの流出量および河川流下
量を予測する手段として、RRL法、修正RRL法を用
いる場合の流域分割を説明する図。
【図4】 河川タンクモデルを説明する図。
【図5】 河川の対象流域からの流出量および河川流下
量を予測する手段として、RRL法、修正RRL法を用
いる場合の流域分割を説明する図。
【図6】 防潮水門閉時に貯留される水量と排水との関
係を説明するず。
【図7】 本発明に係る広域雨水排水システム支援装置
の動作を概略的に説明する動作フロー図。
【図8】 本発明に係る広域雨水排水システム支援装置
の動作のうち、河川流出量および河川流下量の予測の動
作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1〜5…河川 6,7…防潮水門 8…排水機場 9〜13…水位計 14〜16…流量計 21…気象情報用データベース 23…降雨量予測演算部 26…流出量予測演算部 27…河川流下量予測演算部 28…河川水位予測演算部 29…潮位予測演算部 30…運転支援装置 45〜48、51〜54…小流域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 國見 正樹 大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番30号 株式会社東芝関西支社内 (72)発明者 上西 範久 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 長岩 明弘 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 2D019 AA46 3H045 AA16 AA23 BA00 BA26 CA00 CA06 CA17 DA31 EA38 5H309 AA06 BB18 CC09 DD08 DD27 DD40 EE04 EE05 FF09 HH12 JJ10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海に接する防潮水門を有する第1の河
    川、海に接する防潮水門なしの第2の河川および前記第
    1の河川と前記第2の河川とを連絡する第3の河川を有
    し、かつ、前記第1および第3の河川に関わる対象流域
    の降雨による災害を回避する広域雨水排水システム支援
    装置において、 前記第3の河川の下流側に複数のポンプを設けた排水機
    場を設けるとともに、前記防潮水門閉時に前記第1の河
    川に貯留される水の上流水位位置が第3の河川に交わっ
    たとき、前記ポンプを稼動し、前記第3の河川の水を前
    記第2の河川に排水することを特徴とする広域雨水排水
    システム支援装置。
  2. 【請求項2】 海に接する防潮水門を有する第1の河
    川、防潮水門なしで海に接する防潮水門なしの第2の河
    川および前記第1の河川と前記第2の河川とを連絡する
    第3の河川を有し、かつ、前記第1および第3の河川に
    関わる対象流域の降雨による災害を回避する広域雨水排
    水システム支援装置において、 雨量計データおよび気象情報から降雨量を予測する降雨
    量予測手段と、 この降雨量予測値をもとに、前記対象流域からの流出量
    を、RRL法、修正RRL法、河川タンクモデルの何れ
    か1つを用いて予測する流出量予測手段と、 この流出量予測手段による流出量予測値と前記第3の河
    川下流側に設置される排水機場のポンプ運転情報を用い
    て、前記第3の河川から第2の河川に排水する流出量を
    算出し、この流出量から前記第3の河川の流下量を予測
    する河川流下量予測手段と、 前記第3の河川から第2の河川への流出量と前記第3の
    河川の流下量を用いて水位を予測する河川水位予測演算
    手段と、 現在の気象情報および現在の水位計データに基づき、類
    似する過去の気象情報および水位計データから得られる
    潮位パターンから潮位を予測する潮位予測演算手段と、 この予測潮位と前記河川水位予測演算手段の予測水位と
    からポンプ稼動台数を予測する運転支援装置と、 を備えたことを特徴とする広域雨水排水システム支援装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の広域雨水排水システム
    支援装置において、 前記流出量予測手段は、前記第3の河川周辺の対象流域
    を小流域に分割し、RRL法、修正RRL法を用いて、
    前記対象流域から前記第3の河川への流出量を求めるこ
    とを特徴とする広域雨水排水システム支援装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の広域雨水排水システム
    支援装置において、 前記流出量予測手段は、前記第1の河川の上流水が前記
    第3の河川に流れ込むように接続されている場合、前記
    第1の河川から前記第3の河川への流入量を算出する
    際、前記第1の河川周辺の対象流域を小流域に分割し、
    RRL法または修正RRL法を用いて、前記対象流域か
    ら前記第3の河川への流出量を求めることを特徴とする
    広域雨水排水システム支援装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の広域雨水排水システム
    支援装置において、 前記流出量予測手段は、前記第1の河川の水が前記第3
    の河川に流れ込むように接続されている場合、前記第3
    の河川と前記第1の河川が接続される地点から当該第1
    の河川の下流河川区域に河川タンクモデルを設定し、前
    記防潮水門閉時に当該河川タンクモデルを用いて、前記
    第1の河川から前記第3の河川への流入量を算出するこ
    とを特徴とする広域雨水排水システム支援装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の広域雨水排水システム
    支援装置において、 前記河川流下量予測手段は、前記第3の河川の上下流側
    に水位計を設置し、前記第3の河川から第2の河川に排
    水する流出量から得られる第3の河川の流下量を、前記
    水位計データから得られる河川流下量を用いて補正する
    ことを特徴とする広域雨水排水システム支援装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の広域雨水排水システム
    支援装置において、 前記河川水位予測演算手段は、前記第3の河川から第2
    の河川への流出量と前記第3の河川の流下量と排水機場
    設置のポンプ運転情報と水門情報とを用いて、を用い
    て、前記第3の河川の水位を算出することを特徴とする
    広域雨水排水システム支援装置。
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