JP2015094122A - 水位予測装置及び水位予測方法並びに水位予測システム - Google Patents

水位予測装置及び水位予測方法並びに水位予測システム Download PDF

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Abstract

【課題】水門の開閉を考慮して、河川の水位を精度よく予測することが可能な、新規かつ改良された水位予測装置及び水位予測方法並びに水位予測システムを提供する。
【解決手段】本川及び前記本川に合流する支川を含む河川であって、前記支川における前記本川との合流地点に水門が設けられた河川の水位を予測する水位予測装置において、演算により前記本川及び前記支川の水位を事前に予測する水位予測部を備え、前記水位予測部は、予測された前記本川の水位に基づき得られる前記本川の水面標高が予測された前記支川の水位に基づき得られる前記支川の水面標高よりも高い場合に前記水門が閉鎖される一方、前記本川の水面標高が前記支川の水面標高よりも低い場合に前記水門が開放されるものとして、前記水位の予測を行う。
【選択図】図12

Description

本発明は、水位予測装置及び水位予測方法並びに水位予測システムに関する。
従来、大雨等による、河川の氾濫や洪水をはじめとする災害を防止するために、所定時間後の時点の河川の水位を予測することが行われている。河川の水位を予測するためのパラメータの一つとして、例えば、河川の流量が挙げられる。一般的に、河川は、一つ又は複数の支川が本川に合流する形で形成されているために、それぞれの本川又は支川の水位を正確に予測するためには、本川の流量及び支川の流量をそれぞれ予測することが必要となる。
例えば、特許文献1には、各支川の近傍に設けられた雨量計及び当該支川に設けられた流量計により計測される流量及び雨量の情報から各支川の流量に関する予測式を求め、当該予測式を用いて所定時間後の各支川の流量を予測する方法が開示されている。さらに、上記特許文献1には、予測式を用いて予測された各支川の予測流量及び本川に設けられた流量計から本川の流量に関する予測式を求め、当該予測式を用いて所定時間後の本川の流量を予測する方法が開示されている。
特開2005−284325号公報(段落0010〜0032等)
しかしながら、支川における本川との合流地点には水門が設置されている場合がある。特許文献1に記載の河川の流量を予測する方法では、水門を閉鎖した場合が考慮されておらず、水門を閉鎖した場合の本川及び支川の流量の予測値と実際の流量との誤差が大きくなる恐れがある。その結果、当該予測した本川又は支川の流量を用いて本川又は支川の水位を予測した場合には、得られる水位の予測値についても実際の水位との誤差が大きくなるおそれがあった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、水門の開閉を考慮して、河川の水位を精度よく予測することが可能な、新規かつ改良された水位予測装置及び水位予測方法並びに水位予測システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本川及び前記本川に合流する支川を含む河川であって、前記支川における前記本川との合流地点に水門が設けられた河川の水位を予測する水位予測装置において、演算により前記本川及び前記支川の水位を事前に予測する水位予測部を備え、前記水位予測部は、予測された前記本川の水位に基づき得られる前記本川の水面標高が予測された前記支川の水位に基づき得られる前記支川の水面標高よりも高い場合に前記水門が閉鎖される一方、前記本川の水面標高が前記支川の水面標高よりも低い場合に前記水門が開放されるものとして、前記水位の予測を行うことを特徴とする、水位予測装置が提供される。
前記水位予測部は、予測時点までの前記河川全体の流域の雨量に基づいて前記合流地点より下流の前記本川の水位を予測してもよい。
前記水位予測部は、前記水門が閉鎖される場合においては、さらに予測時点までの前記支川の流域の雨量に基づいて、前記合流地点より下流の前記本川の水位を予測してもよい。
前記水位予測部は、前記水門が閉鎖される場合においては、予測時点までの前記支川の流域の雨量に基づいて前記合流地点より上流の前記支川の水位を予測してもよい。
前記水位予測部は、前記支川に、前記支川から前記本川に対して排水を行う排水ポンプが設けられている場合においては、前記排水ポンプの稼働状態をさらに考慮して前記水位を予測してもよい。
前記水位予測部は、前記水門が閉鎖される場合においては、前記排水ポンプの稼働開始時期及び稼働停止時期の条件を複数設定して、前記水位を複数予測してもよい。
前記水位予測部は、前記河川全体又は前記支川の流域の雨量に基づきタンクモデルを用いて得られる前記河川全体又は前記支川の河川流出量に基づいて前記本川又は前記支川の水位を予測してもよい。
前記水位予測部は、前記水門が閉鎖される場合においては、前記河川全体の河川流出量から前記支川の河川流出量を減算した値に基づいて前記本川の水位を予測してもよい。
前記水位予測部は、前記排水ポンプの稼働時においては前記排水ポンプによる排水量を加算して前記本川の水位を予測してもよい。
前記水位予測部は、前記水門が閉鎖される場合においては、前記支川の河川流出量を加算した値に基づいて前記支川の水位を予測してもよい。
前記水位予測部は、前記排水ポンプの稼働時においては前記排水ポンプによる排水量を減算して前記支川の水位を予測してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、本川及び前記本川に合流する支川を含む河川であって、前記支川における前記本川との合流地点に水門が設けられた河川の水位を予測する水位予測方法において、演算により前記本川及び支川の水位を事前に予測するにあたり、予測された前記本川の水位に基づき得られる前記本川の水面標高が予測された前記支川の水位に基づき得られる前記支川の水面標高よりも高い場合に前記水門が閉鎖される一方、予測された前記本川の水位が前記支川の水位よりも低い場合に前記水門が開放されるものとして、前記水位の予測を行うことを特徴とする、水位予測方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、本川及び前記本川に合流する支川を含む河川全体の流域の雨量を検知するための第1の雨量検出部と、前記支川の流域の雨量を検知するための第2の雨量検出部と、前記河川全体及び前記支川の流域の雨量予測情報を取得する雨量予測情報取得部と、前記支川における前記本川との合流地点に設けられた水門の開閉状態を検知するための水門検出部と、上述したいずれかの水位予測装置と、を備えた水位予測システムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、水門の開閉を考慮して、河川の水位を精度よく予測することができる。
本発明の実施形態による水位予測システムの基本構成を示した説明図である。 同実施形態による水位予測装置の構成の一例を示した説明図である。 同実施形態による水位予測システムが設置される河川の一例を示した説明図である。 零点高標高、水位及び水面標高について示した説明図である。 タンクモデルによる河川流出量の求め方を概念的に示した説明図である。 タンクモデルの各パラメータを例示した説明図である。 河川の水位と流量との関係を示した説明図である。 同実施形態による水位予測装置のデータ受信処理及びサービス呼出処理起動動作を示したフローチャートである。 同実施形態による水位予測装置のデータ受信処理の動作を示したフローチャートである。 同実施形態による水位予測装置のサービス呼出処理の動作を示したフローチャートである。 タンクモデルを用いた水位予測処理の動作を示したフローチャートである。 同実施形態による水位予測装置の流出量補正処理の動作を示したフローチャートである。 同実施形態による水位予測装置の表示処理によるディスプレイ表示の一例を示した説明図である。 同実施形態による水位予測装置のシミュレーション処理の動作を示したフローチャートである。 同実施形態による水位予測装置のシミュレーション処理の条件設定の一例を示した説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<水位予測システムの基本構成>
まず、本実施形態の水位予測システムの基本構成について図1〜図3を参照して説明する。水位予測システムは、図1に示すように、第1の雨量検出部10A、第2の雨量検出部10B、第1の水位検出部20A、第2の水位検出部20B、水門検出部30、ポンプ検出部40、水位予測装置60を含む。各検出部10A,10B,20A,20B,30,40は、優先又は無線の通信ネットワーク50を介して水位予測装置60に計測データを伝達可能になっている。また、水位予測システムは、通信ネットワーク50を介して、外部サービスである雨量予測サービス80にも接続されている。
本実施形態の水位予測システムは、一例として図3に示す河川の水位を予測するシステムとして構築されたものである。図3に例示した河川は、本川Rm及び本川Rmに合流する二本の支川Ra,Rbを含む。支川Ra,Rbのうちの支川Raは、支川Rbよりも下流側で本川Rmに合流している。ここで、理解を容易にするために、本実施形態では、支川Raにおける、本川Rmとの合流地点に水門90及び排水ポンプ95が設置されている一方、支川Rbにおける本川Rmとの合流地点には、水門及び排水ポンプが設置されていないものとする。
なお、以下の説明に用いられる各用語の単位は以下のとおりである。
雨量r:mm
水位L:m
零点高標高(基準高)H0:m
水面標高H:m
流出口の高さh:m
流量Q0:m/s
流出量Q:m/s
排出量Qp:m/s
貯留高S:mm
流域面積A:km
<雨量検出部>
第1の雨量検出部10A及び第2の雨量検出部10Bは、設置点の雨量を検知し、通信ネットワーク50を介して水位予測装置60に送信するための装置である。第1の雨量検出部10Aは、河川全体の流域の中央の領域に設置されている。また、第2の雨量検出部10Bは、支川Raの流域の中央の領域に設置されている。第1及び第2の雨量検出部10A,10Bは、それぞれ雨量センサ11及び通信ユニット12を含む構成とすることができる。
雨量センサ11は、常時雨量を計測し、計測した雨量データを内部に記憶する。通信ユニット12は、既定の時間間隔で雨量センサ11により計測された雨量データを取得し、通信ネットワーク50を介して水位予測装置60に雨量データを送信する。雨量データは、例えば、既定時間内に降った雨量を示すデータである。雨量データを送信する時間間隔は適宜設定可能であるが、本実施形態では、通信ユニット12による雨量データの送信が10分間隔で行われるように設定されている。雨量センサ11及び通信ユニット12は、既知の雨量センサ及び通信ユニットを用いて構成することができる。
<水位検出部>
第1の水位検出部20A及び第2の水位検出部20Bは、設置点の水位を検知し、通信ネットワーク50を介して水位予測装置60に送信するための装置である。第1の水位検出部20Aは、本川Rmにおける本川Rmと支川Raとの合流地点の下流側に設置されている。また、第2の水位検出部20Bは、支川Raにおける、水門90の上流側(以下「内水側」と称する場合がある。)に設置されている。第1及び第2の水位検出部20A,20Bは、それぞれ水位センサ21及び通信ユニット22を含む構成とすることができる。
水位センサ21は、常時水位を計測し、計測した水位データを内部に記憶する。通信ユニット22は、既定の時間間隔で水位センサ21により計測された水位データを取得し、通信ネットワーク50を介して水位予測装置60に水位データを送信する。例えば、通信ユニット22は、既定時間間隔置きに、当該期間内に計測した水位を平均化処理した水位データを送信する。既定時間間隔置きに、その時点の水位のデータを送信してもよい。水位データを送信する時間間隔は適宜設定可能であるが、本実施形態では、通信ユニット22による水位データの送信が10分間隔で行われるように設定されている。水位センサ21及び通信ユニット22は、既知の水位センサ及び通信ユニットを用いて構成することができる。
<水門検出部>
水門検出部30は、支川Raの水門90の開閉状態を検知し、通信ネットワーク50を介して水位予測装置60に送信するための装置である。水門検出部30は、水門センサ31及び通信ユニット32を含む構成とすることができる。水門センサ31は、水門90の開閉状態を検知できるものであればよいが、水門90の開度まで検知できるものであってもよい。
本実施形態では、水門センサ31は、水門90が閉鎖されたときに通電する構造を有している。また、通信ユニット32は、水門90が開放された状態、すなわち、非通電状態では、既定の比較的長い時間間隔で、水門90の開放状態を示す情報「OPEN」を、通信ネットワーク50を介して水位予測装置60に送信する。一方、通信ユニット32は、水門90が閉鎖された状態、すなわち、通電状態では、既定の比較的短い時間間隔で、水門90の閉鎖状態を示す情報「CLOSE」を、通信ネットワーク50を介して水位予測装置60に送信する。水門90の情報(以下「水門データ」という。)を送信する時間間隔は適宜設定可能であるが、本実施形態では、通信ユニット32による水門データの送信が、非通電状態では1時間間隔で、通電状態では10分間隔で行われるように設定されている。水門センサ21及び通信ユニット32は、既知のセンサ及び通信ユニットを用いて構成することができる。
<ポンプ検出部>
ポンプ検出部40は、排水ポンプ95の稼働状態を検知し、通信ネットワーク50を介して水位予測装置60に送信するための装置である。ポンプ検出部40は、ポンプセンサ41及び通信ユニット42を含む構成とすることができる。ポンプセンサ41は、排水ポンプ95の稼働状態を検知できるものであればよいが、ポンプ出力まで検知できるものであってもよい。
本実施形態では、ポンプセンサ41は、排水ポンプ95が稼働したときに通電する構造を有している。また、通信ユニット42は、排水ポンプ95が停止した状態、すなわち、非通電状態では、既定の比較的長い時間間隔で、排水ポンプ95の停止状態を示す情報「OFF」を、通信ネットワーク50を介して水位予測装置60に送信する。一方、通信ユニット42は、排水ポンプ95が稼働した状態、すなわち、通電状態では、既定の比較的短い時間間隔で、排水ポンプ95の稼働状態を示す情報「ON」を、通信ネットワークを介して水位予測装置60に送信する。排水ポンプ95の情報(以下「ポンプデータ」という。)を送信する時間間隔は適宜設定可能であるが、本実施形態では、通信ユニット42によるポンプデータの送信が、非通電状態では1時間間隔で、通電状態では10分間隔で行われるように設定されている。ポンプセンサ41及び通信ユニット42は、既知のセンサ及び通信ユニットを用いて構成することができる。
<水位予測装置>
水位予測装置60は、本川Rmの水位Lm及び支川Raの水位Laを事前に予測するための装置である。水位予測装置60は、予測された本川Rmの水位に基づき得られる本川Rmの水面標高Hmが、予測された支川Raの水位Laに基づき得られる支川Raの水面標高Haよりも高い場合に、支川Raの水門90が閉鎖されるものとして水位の予測を行うことが可能である。一方、水位予測装置60は、予測された本川Rmの水位に基づき得られる本川Rmの水面標高Hmが、予測された支川Raの水位Laに基づき得られる支川Raの水面標高Haよりも低い場合に、支川Raの水門90が開放されるものとして水位の予測を行うことが可能である。
なお、図4に示すように、本川Rm及び支川Raの「水面標高Hm,Ha」とは、本川Rm又は支川RAの水位観測点における、基準となる海面(例えば、東京湾の平均海面)からの絶対高さを意味する。また、本川Rm及び支川Raの「水位Lm,La」とは、各本川Rm又は支川Raの水位観測点の零点高標高Hm0,Ha0と水面標高Hm,Haとの差分を意味する。本実施形態では、水位Lm,Laが求められることにより、水位Lm,Laに零点高標高Hm0,Ha0を加算して、水面標高Hm,Haが求められる。
(1)水位予測装置の基本構成
水位予測装置60は、例えば図2に示したような基本構成を有する。図2では、水位予測装置60の構成が機能的なブロックに分けて示されている。水位予測装置60は、河川モデル記憶部62、データ受信処理部64、サービス呼出処理部66、予測水位演算部68、補正処理部70、シミュレーション処理部72、表示処理部74、通信ユニット76、及びデータベース78を備える。データ受信処理部64、サービス呼出処理部66、予測水位演算部68、補正処理部70、シミュレーション処理部72、及び表示処理部74は、具体的には、コンピュータによるプログラムの実行により実現される。このうち、予測水位演算部68、補正処理部70、及びシミュレーション処理部72が、本発明における「水位予測部」の構成要素となっている。
(1−1)データ受信処理部
データ受信処理部64は、通信ユニット76及び通信ネットワーク50を介して、各検出部10A,10B,20A,20B,30,40から送信されるデータを受信し、RaM等により構成されるデータベース78に登録するデータ受信処理を行う。
(1−2.サービス呼出処理部)
サービス呼出処理部66は、通信ユニット76及び通信ネットワーク50を介して、雨量予測サービス80に対して雨量予測を定期的に依頼し、受信した結果をデータベース78に登録するサービス呼出処理を行う。通信ユニット76は、既知の通信ユニット76を用いて構成することができる。
雨量予測サービス80は、一定時間後の本川Rm及び支川Ra,Rbを含む河川全体の流域の雨量及び支川Raの流域の雨量を予測し、当該雨量予測情報を提供するサービスである。雨量予測サービス80は、例えば、気象庁の降水短時間予報やレーダー・ナウキャストのような外部のサービスとすることができるが、特に限定されるものではない。雨量を予測する時間は適宜設定可能であるが、例えば、10分後、20分後、30分後、・・・、60分後、12分後、180分後のように設定することができる。
(1−3)予測水位演算部
予測水位演算部68は、データベース78に登録された各種データ及び雨量予測情報に基づいて、本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laを事前に予測する演算を行う。予測水位演算部68は、本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laを予測するにあたり、予測された本川Rmの水位Lmに基づき得られる本川Rmの水面標高Hmが、予測された支川Raの水位Laに基づき得られる支川Laの水面標高Haよりも高い場合に、水門90が閉鎖されるものとして演算を行う。また、予測水位演算部68は、予測された本川Rmの水位Lmに基づき得られる本川Rmの水面標高Hmが、予測された支川Raの水位Laに基づき得られる支川Laの水面標高Haよりも低い場合に、水門90が開放されるものとして演算を行う。
本実施形態では、予測水位演算部68は、第1の雨量検出部10Aによって計測された雨量又は第2の雨量検出部10Bによって計測された雨量のいずれかが、あらかじめ設定された閾値を超えた場合に、水位の予測を開始するように構成されている。また、予測水位演算部68は、雨量予測サービス80から呼び出された、本川Rm又は支川Raを含む河川全体の流域の予測雨量又は支川Raの流域の予測雨量が、あらかじめ設定された閾値を超えた場合においても、水位の予測を開始するように構成されている。ただし、常時、水位の予測が行われるようになっていてもよい。
予測水位演算部68は、一例として、既知のタンクモデルを用いて河川全体及び支川Raの河川流出量Qm,Qaを算出し、さらに、河川全体及び支川Raの河川流出量Qm,Qaを用いて本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laを求めるものとすることができる。本実施形態では、予測水位演算部68は、図5に示される三段のタンクモデルを用いて本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laを求めるように構成されている。得られた各水位Lm,Laは、データベース78に登録される。
ただし、本川Rm,Raの水位Lm,Laの演算方法は三段のタンクモデルを用いる方法に限定されるものではなく、その他の既知の方法を採用してもよい。例えば、合理式や単位図法、貯留関数法等の既知の流出モデルにより河川流出量を求めて、河川の水位を求めるように構成することもできる。
(1−4)補正処理部
補正処理部70は、水門90が閉鎖されていると仮定される場合において、水位予測の演算に用いる河川全体及び支川Raの河川流出量Qm,Qaの補正処理を行う。本実施形態では、本川Rmの水位Lm支川Raの水位La以上になると予測された予測対象の時間には水門90が閉鎖されるものと仮定して、河川全体及び支川Raの河川流出量Qm,Qaの補正処理を行う。すなわち、本川Rmの水位Lmが支川Raの水位La以上の状態では、本川Rmから支川Raに逆流が生じ、支川Raの氾濫等が生じるおそれがあるために、水門90が閉鎖されるものと仮定する。これにより、支川Raから本川Rmへの流入が無くなることから、補正処理部70は、本川Rmについては支川Raの河川流出量Qaを減算し、また、支川Raについては支川Raの河川流出量Qaを加算する補正処理を行う。
また、本実施形態では、補正処理部70は、水門90が閉鎖されると仮定される場合において、排水ポンプ95の稼働状態も考慮して、河川全体及び支川Raの河川流出量Qm,Qaの補正処理を行う。排水ポンプ95が稼働している状態では、支川Raから本川Rmへの排水があることから、補正処理部70は、本川Rmについては排水ポンプ95の排水量Qpを加算し、支川Raについては排水ポンプ95の排水量Qpを減算する補正処理を行う。
(1−5)シミュレーション処理部
シミュレーション処理部72は、現在から、あらかじめ設定した時間後まで、あらかじめ設定した時間間隔で、予測された各時点の本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laにそれぞれの零点高標高Hm0,Ha0を加えて得られる水面標高Hm,Haを比較する。また、シミュレーション処理部72は、比較の結果本川Rmの水面標高Hmが支川Raの水面標高Haを超える場合、排水ポンプ95の稼働開始時期及び稼働停止時期を複数設定して、本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laを予測水位演算部68に複数予測させるシミュレーションを実行する。得られたシミュレーション結果は、データベース78に登録される。
(1−6)河川モデル記憶部
河川モデル記憶部62は、本川Rm及びすべての支川Ra,Rbを含む河川の流域全体の河川モデル及び支川Raの河川モデルを記憶する。記憶される河川モデルは、水位を算出する際に用いる種々のパラメータを含む。それぞれの河川全体及び支川Raの河川モデルは、過去の河川全体及び各支川Ra,Rbの流域の雨量データに基づいて求めることができる。河川モデル記憶部62は、例えば、ROM等により構成することができる。
本実施形態では、三段のタンクモデルを用いて河川全体及び支川Raの河川流出量Qm,Qaを求め、当該河川全体及び支川Raの河川流出量Qm,Qaに基づいて本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laが求められる。したがって、本川Rm及び支川Raそれぞれの河川モデルを表すパラメータとして、流域面積αm,αa、一段目タンクの河川流出係数km11,ka11、一段目タンクの河川流出口の高さhm1,ha1、一段目タンクの二段目タンク流出係数km12,ka12、二段目タンクの河川流出係数km21,ka21、二段目タンクの河川流出口の高さhm2,ha2、二段目タンクの三段目タンク流出係数km22,ka22、三段目タンクの河川流出係数km31,ka31、三段目タンクの地中浸透係数km32,ka32、水位観測点の零点高標高Hm0,Ha0、河川の水位と流量との関係を示す係数αm,αa、河川の水位と流量との関係の補正係数βm,βaが、河川モデル記憶部62に記憶されている。
本実施形態の水位予測システムにおいて使用する河川全体及び支川Raそれぞれの河川モデルのパラメータの一例を図6に一覧で示す。本川Rm及び支川Raの水位観測点の零点高標高Hm0,Ha0は、それぞれ第1及び第2の水位検出部20A,20Bの水位センサ21の設置点の基準高である。
また、河川の水位と流量との関係を示す係数aは、河川毎に、図7に例示した河川の水位Lと流量Qとの関係から求められる値である。図7に示した例では、河川の水位Lが高くなるにしたがって河川の流量Qは上昇し、また、河川の流量Qの上昇率も水位Lが高いほど大きくなるなっている。河川の水位と流量との関係は、各河川ごとにあらかじめ求めておくことができる。
(1−7)表示処理部
表示処理部74は、あらかじめ設定した時間範囲について、あらかじめ設定した時間間隔で、第1及び第2の雨量検出部10A,10Bにより計測された雨量データの実測値、雨量予測サービス80から呼び出した雨量予測情報、第1及び第2の水位検出部20A,20Bにより計測された水位データの実測値、予測水位演算部68により算出された予測水位Lm,La、現在の水門90の状態及び現在の排水ポンプ95の状態を、データベース78から取得し、図示しないディスプレイ等に表示する。表示処理部74は、定期的にデータベース78に登録された情報を取得してもよく、あるいは、データベース78の情報が変更された場合に、変更された情報又はすべての情報を取得してもよい。
(1−8)通信ユニット
通信ユニット76は、通信ネットワーク50を介して、各検出部10A,10B,20A,20B,30,40によって検出される各種データを受信したり、雨量予測サービス80に対して雨量予測を依頼し、雨量予測情報を受信したりする。通信ユニット76は、既知の通信ユニットを用いて構成することができる。
(1−9)データベース
データベース78には、種々のデータが登録される。データベース78は、既知のものを使用することができる。
(2)動作
以上、本実施形態による水位予測装置60の構成について説明した。次に、本実施形態による水位予測装置60の動作について説明する。図8〜図15は、本実施形態による水位予測装置60の動作を示したフローチャートである。
(2−1)データ受信処理及びサービス呼出処理の起動
予測水位の演算処理を実行するにあたり、水位予測装置60は、各検出部10A,10B,20A,20B,30,40から各種データを受信するデータ受信処理及び雨量予測サービスから雨量予測情報を呼び出すサービス呼出処理をあらかじめ開始する。
図8は、データ受信処理及びサービス呼出処理を起動する動作を示したフローチャートである。水位予測装置60は、まず、データ受信処理を起動する(S102)。これにより、後述するデータ受信処理(S200)の実行が開始される。次いで、水位予測装置60は、サービス呼出処理を起動する(S104)。これにより、後述するサービス呼出処理(S300)の実行が開始される。
その後、水位予測装置60は、待ち状態(S106)と致命的なエラーの有無の判別(S108)とを繰り返し、致命的なエラーが発生した場合(S108:Yes)には、データ受信処理及びサービス呼出処理を終了する。
(2−2)データ呼出処理
図9は、データ受信処理(S200)の動作を示したフローチャートである。図9に示したように、データ受信処理部64は、まず、各検出部10A,10B,20A,20B,30,40からの各種データの待ち状態となる(S202)。本実施形態では、各種データは10分毎に送信されるように構成されており、次回、データが送信されてくるまでの期間、データ受信処理部64は待ち状態となる。
次いで、データ受信処理部64は、通信ユニット76及び通信ネットワーク50を介して、各検出部10A,10B,20A,20B,30,40から各種データを受信すると、受信したデータをデータベース78に登録する(S204R,S204W,S204G,S204P)。水位データ、水門データ、ポンプデータに関しては、データベース78に登録した後(S201W,S201G,S201P)、次回、各データが送信されるまで、データ受信処理部64は待ち状態となる(S202に戻る)。
一方、雨量データをデータベース78に登録した後(S204R)、データ受信処理部64は、受信した雨量データの対象日時があらかじめ設定した条件に合致する場合、データベース78に登録されている雨量データから、あらかじめ設定した時間間隔の雨量(以下「単位時間雨量」と称する。)rYを算出する(S206)。本実施形態では、受信する雨量データは10分間雨量rXのデータとなっており、データ受信処理部64は、受信した雨量データが毎正時を含む期間のデータである場合に、データベース78に登録されている前回の正時の雨量データとの差分を「1時間雨量rY」として算出する。
次いで、データ受信処理部64は、データベース78に登録した、受信された雨量データの雨量rX又は算出した単位時間雨量rYを累積加算し、降り始めからの累加雨量rZを算出する(S208)。累加雨量rZは、例えば、国道交通省の川の防災情報においてテレメータ雨量として提供される、毎正時の累加雨量及び10分毎の累加雨量を参考にして、算出することができる。
次いで、データ受信処理部64は、算出した単位時間雨量rY及び累加雨量rZをデータベース78に登録する(S210)。
次いで、データ受信処理部64は、第1の雨量検出部10Aからの雨量データ、第2の雨量検出部10Bからの雨量データ又は算出した単位時間雨量rYのデータ又は累加雨量rZのデータが所定の閾値以上か否かを判別する(S212)。例えば、データ受信処理部64は、第1及び第2の雨量検出部10A,10Bから送信される10分間雨量rXのいずれかが5mm以上であるか否か、算出した1時間雨量rYが20mm以上であるか否か、又は算出した累加雨量rZが50mm以上であるか否かを判別する。
いずれかの雨量データが閾値以上となっていた場合(S212:Yes)、データ受信処理部64は、水位予測処理を起動する(S214)。これにより、水位予測処理(S400)が開始される。一方、すべての雨量データが閾値未満となっていた場合(S212:No)、次回の各種データが送信されるまで、データ受信処理部64は待ち状態となる(S202に戻る)。
なお、致命的なエラーが発生した場合には、データ受信処理部64はデータ受信処理を終了する(S216:Yes)。
(2−3)サービス呼出処理
図10は、サービス呼出処理の動作を示したフローチャートである。図10に示したように、サービス呼出処理部66は、あらかじめ設定した時間間隔で、通信ユニット76及び通信ネットワーク50を介して、雨量予測サービス80に対して雨量予測の依頼を送信し、雨量予測情報を受信する(S302〜S306)。本実施形態では、サービス呼出処理部66は、10分間隔で雨量予測サービス80に対して、河川全体及び支川Raの流域の雨量予測を依頼し、受信する。
雨量予測サービス80は、水位予測装置60からの雨量予測の依頼を受信し、水位予測装置60に対して雨量予測情報を送信する。
例えば、水位予測装置60は、ある日の12:30に雨量予測を依頼した場合に、「10分間雨量予測値reX;12:40=4mm、12:50=2mm、…、1時間雨量値reY予測;13:00=10mm、14:00=20mm、15:00=5mm」という内容の情報を受信する。
次いで、サービス呼出処理部66は、受信した河川全体及び支川Raの流域の雨量予測情報を雨量予測データとしてデータベース78に登録する(S308)。
次いで、サービス呼出処理部66は、河川全体及び支川Raの流域に関する雨量予測データに、あらかじめ設定した閾値以上の降雨予測値があるか否かを判別する(S310)。例えば、サービス呼出処理部66は、雨量予測データに含まれる10分間雨量予測値reXのいずれかが5mm以上であるか否か、1時間雨量予測値reYのいずれかが20mm以上であるか否か、又は累加雨量予測値reZが50mm以上であるか否かを判別する。
いずれかの雨量予測値reが閾値以上となっていた場合(S310:Yes)、サービス呼出処理部66は、水位予測処理を起動する(S312)。これにより、水位予測処理(S400)が開始される。一方、すべての雨量予測データが閾値未満となっていた場合(S310:No)、次回、雨量予測情報を呼び出すまで、サービス呼出処理部66は待ち状態となる(S302に戻る)。
なお、図示していないが、サービス呼出処理についても、致命的なエラーが発生した場合には、予測水位演算部68は処理を終了する。
(2−4)水位予測処理
図11は、図4に示したタンクモデルを用いた水位予測処理の動作を示すフローチャートである。以下の説明において、雨の降り始めの時間をt=TS、以降のデータ登録時間を順にt=TS+1,TS+2,・・・、現在の時間、具体的には、最新のデータ登録時間をt=T0、以降のデータ登録時間を順にt=T1,T2,・・・と表記する。また、時間に依存する変数は、例えば、水位L(T0),L(TS),流出量Q(T0),Q(TS)のように表記する。
図11に示したように、まず、予測水位演算部68は、連続した降雨が発生している場合において、データベース78から、あらかじめ設定した時間間隔(本実施形態の例では10分)で登録された各種データのうち、連続した降雨の降り始めの時間(TS)の一回前の時間(TS−1)から現在(T0)までに登録された雨量データ、水位データ、水門データ、ポンプデータを取得する(S402)。「連続した降雨」とは、例えば、あらかじめ設定した期間中、継続してに1mm以上の降雨が観測され、それが継続している場合の降雨とすることができる。この場合の期間は、例えば、300分とすることができる。
また、予測水位演算部68は、データベース78から、現在(T0)からあらかじめ設定した時間後の時点の雨量予測データを取得する(S402)。
次いで、予測水位演算部68は、本川Rm及び支川Ra,Rbを含む河川全体と支川Raとについて、河川モデル記憶部62に記憶されたパラメータを取得し、タンクモデルの変数を算出する(S404)。
次いで、予測水位演算部68は、降り始めの時間(TS)の一回前の時間(TS−1)について、1段目タンク及び2段目タンクの貯留高S1,S2を0とし、時間t=TS−1の水位データから、以下の手順に沿って3段目タンクの貯留高S3の算出を行う(S406〜S412)。この3段目タンクの貯留高S3の算出は、河川全体及び支川Raそれぞれについて行われる。
具体的に、3段目タンクの貯留高S3の算出は以下のように行われる。まず、予測水位演算部68は、時間tを降り始めの一回前の時間TS−1にセットする(S406)。次いで、予測水位演算部68は、1段目タンクの貯留高S1を0にし(S408)、さらに2段目タンクの貯留高S2を0にする(S410)。
次いで、予測水位演算部68は、水位L(TS−1)、水位と流量との関係を示す係数a、補正係数bから、流量Q0(TS−1)を算出する。次いで、流量Q0(TS−1)と、3段目ダンクの河川流出係数k31に基づいて、3段目タンクの貯留高S3(TS−1)を算出する(S412)。
例えば、雨の降り始め時間(TS)をある日の12:00とし、本川Rmに設置された第1の水位検出部20Aにより11:50に検出された水位Lm(TS−1)を0.15mとすると、河川全体のタンクモデルの3段目タンクの貯留高Sm3(TS−1)は既知の計算式により以下のように求められる。
流量Qm0(TS−1)
=a×(Lm(TS−1)+b)
=80×(0.15+0.00)
=1.80(m/s)
貯留高Sm3(TS−1)
=Qm(TS−1)/αm×3.6/km31
=1.8/27×3.6/0.005
=48.0(mm)
次いで、予測水位演算部68は、降り始めの時間(TS)から現在まで、及び、あらかじめ設定した時間後まで、あらかじめ設定した時間間隔(本実施形態の例では10分)で、順次、以下の手順に沿って1段目タンクの流出量Q1と貯留量V1、2段目タンクの流出量Q2と貯留量V2、3段目タンクの流出量Q3と貯留量V3、河川流出量Qをそれぞれ算出する(S414〜S420)。これらの各タンクの流出量、貯留量及び河川流出量の算出は、河川全体及び支川Raそれぞれについて行われる。
具体的に、ある時間(t)での各タンクの流出量、貯留量及び河川流出量の算出は、以下のように行われる。まず、予測水位演算部68は、時間tを降り始めの時間TSにセットする(S414)。
次いで、予測水位演算部68は、10分間雨量予測値reX(t)と、1段目タンクの一回前の時間(t−1)の貯留高S1(t−1)、河川流出係数k11、河川流出口の高さh1、2段目タンクへの流出係数k12とに基づいて、1段目タンクからの河川流出量Q1(t)、2段目タンクへの流出量Q12(t)、1段目タンクの貯留高S1(t)を算出する(S416)。
次いで、予測水位演算部68は、1段目タンクから2段目タンクへの流出量Q12(t)と、2段目タンクの一回前の時間の貯留高S2(t−1)、河川流出係数k21、河川流出口の高さh2、3段目タンクへの流出係数k22とに基づいて、2段目タンクからの河川流出量Q2(t)及び2段目タンクの貯留高S2(t)を算出する(S418)。
次いで、予測水位演算部68は、2段目タンクの3段目タンクへの流出量Q22(t)と、3段目タンクの一回前の時間の貯留高S3(t−1)、河川流出係数k31、地中浸透係数k32とに基づいて、3段目タンクからの河川流出量Q3(t)及び3段目タンクの貯留高S3(t)を算出する(S420)。
次いで、予測水位演算部68は、1段目タンク、2段目タンク、3段目タンクからの河川流出量Q1(t),Q2(t),Q3(t)を加算し、河川流出量Q(t)を算出する(S422)。
例えば、ある日の降り始めの12:00(t=TS)の河川全体のタンクモデルにおける1段目タンクの流出量Qm1(TS)と貯留高Sm1(TS)、2段目タンクの流出量Qm2(TS)と貯留高Sm2(TS)、3段目タンクの流出量Qm3(TS)と貯留高Sm3(TS)、河川流出量Qm(TS)は、既知の計算式を用いて、以下のように求められる。
第1の雨量検出部10Aにより検出された12:00の雨量rmX(TS)を4mmとすると、河川全体のタンクモデルの1段目タンクの貯留高Sm1(TS)は以下のように求められる。
1段目タンクの貯留高Sm1(TS)
=(算出対象時間の1回前の時間の貯留高+算出対象時間の雨量)/(1+1段目タンクの流出係数/6)
=(Sm1(TS−1)+rmX(TS))/(1+km12/6)
=(0+4)/(1+0.3/6)
=3.81(mm)
求められた1段目タンクの貯留高Sm1(TS)=3.81mmは、1段目タンクの河川流出口の高さhm1=5.00よりも小さいことから、1段目タンクからの河川流出量Qm1(TS)=0(m/s)となる。
また、このときの河川全体のタンクモデルの1段目タンクから2段目タンクへの流出量Qm12(TS)は以下のように求められる。
流出量Qm12(TS)
=km12×Sm1(TS)×α/3.6
=0.3×3.81×27/3.6
=8.57(m/s)
2段目タンク及び3段目タンクについても同様の手順で計算すると、以下の結果が求められる。このとき、算出対象時間の雨量rmX(TS)は、算出対象時間の上段タンクからの流入量に置き換えられる。
2段目タンクの貯留高Sm2(TS)=0.19(mm)
2段目タンクからの河川流出量Qm2(TS)=0(m/s)
2段目タンクから3段目タンクへの流出量Qm22(TS)=0.21(m/s)
3段目タンクの貯留高Sm3(TS)=47.93(mm)
3段目タンクからの河川流出量Qm3(TS)=1.8(m/s)
その結果、求められた各タンクからの河川流出量を加算することで、以下のように、降り始めの時間TSの河川全体の河川流出量Qm(TS)が求められる。
河川流出量Qm(TS)
=Qm1(TS)+Qm2(TS)+Qm3(TS)
=0+0+1.8
=1.8(mm/s)
次いで、補正処理部70は、水門90及び排水ポンプ95の状態に応じた流出量補正処理を行う(S500)。流出量補正処理の動作は後述する。
流出量補正処置が行われた後、予測水位演算部68は、流出量補正処理の結果に基づき、河川の水位L(t)を算出する(S424)。この河川の水位L(t)の予測は、本川Rmの水位Lm(t)及び支川Raの水位La(t)それぞれについて行われる。
例えば、上述した例において、水門90が開放されており、排水ポンプ95が停止している場合、ある日の降り始めの12:00の本川Rmの水位Lm(TS)は、既知の計算式を用いて以下のように予測される。
Figure 2015094122
この後、本実施形態では、予測水位演算部68は、算出された本川Rm及び支川Raの水位Lm(t),La(t)が降り始めから現在までの値である場合には、算出された水位Lm(t),La(t)を、第1又は第2の水位検出部20A,20Bにより計測された水位データと比較する。予測水位演算部68は、誤差が所定値又は所定範囲以上になっているときには、誤差が当該所定値又は所定範囲内となるようにパラメータを補正する(S426)。誤差は適宜設定することができるが、例えば、5%あるいは0.05mmとすることができる。
次いで、予測水位演算部68は、算出された本川Rm及び支川Raの水位Lm(t),La(t)をデータベース78に登録する(S428)。
次いで、予測水位演算部68は、時間(t)を一回後の時間(t+1)にセットし(S414)、あらかじめ設定した時間後まで、各時点の水位予測の演算が終了したか否かを判別する(S432)。あらかじめ設定した時間後まで演算が完了していない場合には(S432:No)、予測水位演算部68は、あらかじめ設定した時間の水位予測が完了するまで、時間(t+1)についての水位予測を繰り返す(S407〜S432)。一方、あらかじめ設定した時間後まで水位予測の演算が終了した場合には(S432:Yes)、水位予測処理の動作を終了する。
(2−5)流出量補正処理
図12は、流出量補正処理の動作を示すフローチャートである。この流出量補正処理は、水門90が閉鎖されている場合においては支川Raから本川Rmに対しての流入がなくなることを考慮して、水門90が閉鎖していると仮定される場合に河川流出量Qm,Qaを補正するために実行される。また、この流出量補正処理は、水門90が閉鎖していると仮定される場合に河川流出量Qm,Qaを補正するにあたり、排水ポンプ95による支川Raから本川Rmへの排出量をも考慮するようになっている。
まず、補正処理部70は、今回水位Lm、Laを予測する予測対象の時間以前に予測された本川Rmの水位Lmが支川Rmの水位Laを下回っているか否かを判別する(S502)。例えば、一回前の演算によって予測された本川Rmの水位Lmが支川Raの水位Laを下回っているか否かが判別される。予測された本川Rmの水位Lmが支川Rmの水位Laを下回っているか否かは、水門90が開放されているか否かと同義である。したがって、後述するシミュレーション処理の実行時においては、補正処理部70は、予測された本川Rmの水位Lmが支川Rmの水位Laを下回っているか否かの代わりに、水門90が開放と仮定されているかを判別することになる。
予測された本川Rmの水位Lmが支川Raの水位Laを下回っている場合、すなわち、水門90が開放されていると仮定される場合には(S502:Yes)、算出された河川流出量Qm,Qaを補正する必要がないため、補正処理部70は流出量補正処理を終了する。なお、水門90の開放時には、排水ポンプ95は停止した状態である。
一方、予測された本川Rmの水位Lmが支川Raの水位La以上である場合、すなわち、水門90が閉鎖されていると仮定される場合には(S502:No)、補正処理部70は、排水ポンプ95が停止していると仮定されているか否かを判別する(S504)。排水ポンプ95が停止していると仮定される場合には(S504:Yes)、補正処理部70は、水位を求める対象が支川Raの水位La(t)か否かを判別する(S506)。
水位を求める対象が本川Rmの水位Lm(t)である場合(S506:No)、補正処理部70は、河川全体の河川流出量Qm(t)から支川Raの河川流出量Qa(t)を減算することにより河川流出量Qm(t)を補正する(S508)。
例えば、河川全体の河川流出量Qm(t)が1.8m/s、支川Raの河川流出量Qa(t)が0.5m/sの場合、本川Rmの水位Lm(t)は以下のように求められる。
Figure 2015094122
一方、水位を求める対象が支川Raの水位La(t)である場合(S506:Yes)、補正処理部70は、一回前の時間(t−1)の支川Raの河川流出量Qa(t−1)に現在の河川流出量Qa(t)を加算して河川流出量Qa(t)を補正する(S510)。
例えば、一回前の時間の支川Raの河川流出量Qa(t−1)が0.50m/s、現在の河川流出量Qa(t)が0.55m/sの場合、支川Raの水位La(t)は以下のように求められる。
Figure 2015094122
一方、排水ポンプ95が稼働している場合(S504:No)、補正処理部70は、水位を求める対象が支川Raの水位La(t)か否かを判別する(S512)。
水位を求める対象が本川Rmの水位Lm(t)である場合(S512:No)、補正処理部70は、河川全体の河川流出量Qm(t)から支川Raの河川流出量Qa(t)を減算し、さらに、排水ポンプ95の排出量Qp(t)を加算して、河川流出量Qm(t)を補正する(S514)。
例えば、S508で例示した場合と同じ条件下で、さらに排水ポンプ95が稼働しており、排水ポンプ95の排出量Qp(t)が0.75m/sの場合、本川Rmの水位Lm(t)は以下のように求められる。
Figure 2015094122
一方、水位を求める対象が支川Raの水位La(t)である場合(S512:Yes)、補正処理部70は、一回前の時間の支川Raの河川流出量Qa(t−1)に現在の支川Raの河川流出量Qa(t)を加算し、さらに、排水ポンプ95の排出量Qp(t)を減算して、河川流出量Qa(t)を補正する。
例えば、S510で例示した場合と同じ条件下で、さらに排水ポンプ95が稼働しており、排水ポンプ95の排出量Qp(t)が0.75m/sの場合、支川Raの水位La(t)は以下のように求められる。
Figure 2015094122
流出量補正を伴って、あるいは、伴わずに、予測された水位Lm,Laは、各検出部10A,10B,20A,20B,30,40による計測データや、外部サービスからの予測雨量データ等とともに、定期的に又は任意の時期に、あるいはデータベース78のデータが変更された場合に、表示処理部74によってディスプレイ等に表示される。
図13は、ディスプレイ表示の一例を示している。図13に示したように、ディスプレイ表示画面は、雨量データ及び水位データのグラフ表示部601、水門90の開閉状態及び排水ポンプ95の稼働状態の表示部602、GIS(Geographic Information System)上に予測水位Lm,Laや水門90、排水ポンプ95の状態を示した表示部603、注意報や警報等の表示部604、及び河川のカメラ映像の表示部605を含む構成とすることができる。
(2−6)シミュレーション処理
図14は、シミュレーション処理の動作を示すフローチャートである。このシミュレーション処理は、本川Rmの水面標高Hmが支川Raの水面標高Haを超え、水門90が閉鎖される場合において、排水ポンプ95の稼働開始時期及び稼働停止時期を複数設定して、本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laを予測水位演算部68に複数予測させるシミュレーションを実行する
まず、シミュレーション処理部72は、予測された本川Rmの水位Lm(t)に本川Rmの零点高標高Hm0を加えた本川Rmの水面標高Hm(t)が、予測された支川Raの水位La(t)に支川Raの零点高標高Ha0を加えた支川Raの水面標高Ha(t)よりも高いか否かを判別する(S602)。
本川Rmの水面標高Hm(t)が支川Raの水面標高Ha(t)以下の場合(S602:No)、シミュレーション処理部72は、そのままシミュレーション処理を終了する。
一方、本川Rmの水面標高Hm(t)が支川Raの水面標高Ha(t)よりも高い場合(S602:Yes)、シミュレーション処理部72は、本川Rmの水面標高Hm(t)が支川Raの水面標高Ha(t)を最初に超えた時間(t=TG)に水門90が閉鎖されると仮定する(S604)。
次いで、シミュレーション処理部72は、排水ポンプ95の稼働開始を意味する時間TPを、水門90が閉鎖された時間TGにセットし(S606)、時間TPに排水ポンプ95の稼働が開始したと仮定する(S608)。なお、シミュレーション処理において、排水ポンプ95の稼働開始の時間TPは、あらかじめ設定された時間間隔おきに順次設定される(例えば、TP=TG,TG+1,TG+2,…)。ただし、設定される時間TPのうちのある時間においては排水ポンプ95が稼働されない、という設定も可能である。
次いで、シミュレーション処理部72は、排水ポンプ95が停止を意味する時間TPNを、排水ポンプ95を稼働開始させたと仮定した時間TP以降、あらかじめ設定された時間間隔(本実施形態では10分)で最初に訪れる時間(TP+1)にセットし(S610)、時間TPNに排水ポンプ95が停止したと仮定する(S612)。なお、シミュレーション処理において、排水ポンプ95の停止時間TPNは、あらかじめ設定された時間間隔おきに順次設定される(例えば、TPN=TP+1,TP+2,TP+3,…)。ただし、設定される時間TPNのうちのある時間においては排水ポンプ95が停止されない、という設定も可能である。
次いで、シミュレーション処理部72は、時間TPに排水ポンプ95が稼働開始し、時間TP+1に排水ポンプ95が停止したと仮定して、予測水位演算部68及び補正処理部70により、あらかじめ設定した時間間隔おきの時間の本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laの予測を実行させる(S614)。本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laの予測は、上述した水位予測処理及び流出量補正処理に従って行われ、算出された予測水位Lm,Laはデータベース78に登録される。
次いで、シミュレーション処理部72は、排水ポンプ95を停止したと仮定する時間TPNを一回後の時間(TPN+1)にセットする(S616)。
次いで、シミュレーション処理部72は、新たにセットされた時間(TPN+1)が、あらかじめ設定された予測時間範囲を超えているか否かを判別する(S618)。新たにセットされた時間(TPN+1)が設定された予測範囲を超えていない場合(S618:No)、シミュレーション処理部72は、セットされる時間TPNが予測時間範囲を超えるまで、予測水位演算部68及び補正処理部70により、新たにセットされた時間(TPN+1)で排水ポンプ95が停止したと仮定して本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laの予測を繰り返し実行させる(S612〜S618)。
あらかじめ設定された予測時間範囲の本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laの予測が終了した場合(S618:Yes)、今度は、シミュレーション処理部72は、排水ポンプ95の稼働が開始したと仮定する時間TPを一回後の時間(TP+1)にセットする(S620)。
次いで、シミュレーション処理部72は、新たにセットされた時間(TP+1)が、あらかじめ設定された設定範囲を超えているか否かを判別する(S622)。新たにセットされた時間(TP+1)が設定範囲を超えていない場合(S622:No)、シミュレーション処理部72は、セットされる時間TPが設定範囲を超えるまで、新たにセットされた時間(TP+1)で排水ポンプ95が稼働開始したと仮定して、本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laの予測を、予測水位演算部68及び補正処理部70により、繰り返し実行させる(S608〜S622)。
このようにして、シミュレーション処理部72は、排水ポンプ95の稼働及び停止のすべての組み合わせについて、予測水位演算部68及び補正処理部70により、水門90を閉鎖したと仮定した時間TP以降の本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laの予測を、予測水位演算部68及び補正処理部70により実行させる。予測された本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laは、データベース78に登録される。
例えば、本実施形態の河川の例において、ある日の12:30に、13:30の本川Rmの水位Lmが1.4m、支川Raの水位Laが1.25mと予測された場合、各水位Lm,Laに本川Rm又は支川Raの零点高標高Hm0,Ha0を加算すると、本川Rmの水面標高Hmは301.4、支川Raの水面標高Raは301.35となる。この本川Rmの水面標高Hmは支川Raの水面標高Haよりも高いため、シミュレーション処理部72はシミュレーション処理を開始する。
例えば、シミュレーション実行時の排水ポンプ95の稼働開始時間TP及び停止時間TPNの組み合わせは、図15に示されるように設定される。図15に示したシミュレーションは、支川Raの水門90が13:30に閉鎖したと仮定し、排水ポンプ95が0分後,10分後,20分後,…、すなわち、13:30,13:40,13:50,…に稼働開始したと仮定し、さらに、排水ポンプ95のそれぞれの稼働開始時刻の10分後,20分後,30分後,…に排水ポンプ95が停止したと仮定して、水位予測処理を実行させる。
シミュレーション結果は、例えば、現在から、あらかじめ設定した時間後(例えば、3時間後)までの、予測された本川Rm及び支川Raの水位Lm,Raの最大値をそれぞれの組み合わせについて選択し、昇順にソートしたときの最上位の一つ、又は既定した水位以下となる組み合わせについて、上述した表示処理と同様に、ディスプレイ等に表示される。シミュレーション結果を表示する場合には、仮定した水門90の閉鎖時間TGや、排水ポンプ95の稼働時間TP、排水ポンプ95の停止時間TPN、水門90の開放時間も表示されるようにするとよい。
<本実施形態による効果>
以上説明したように、本実施形態による水位予測装置60は、予測された本川Rmの水位に基づき得られる本川Rmの水面標高Hmが、予測された支川Raの水位Laに基づき得られる支川Raの水面標高Haよりも高い場合に、支川Raの水門90が閉鎖されるものとして本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laの予測を行う。一方、水位予測装置60は、予測された本川Rmの水位に基づき得られる本川Rmの水面標高Hmが、予測された支川Raの水位Laに基づき得られる支川Raの水面標高Haよりも低い場合に、支川Raの水門90が開放されるものとして本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laの予測を行う。したがって、水門90の開閉状態を考慮して、本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laを精度よく算出することができる。
また、本実施形態による水位予測装置60は、水門90が閉鎖している場合において、排水ポンプ95の稼働状態をさらに考慮して本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laの予測を行う。したがって、排水ポンプ95の稼働状態をもさらに考慮して、本川Rm及び支川Raの水位Lm,Laを精度よく算出することができる。
<変形例>
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記の説明では、河川が二つの支川Ra,Rbを含み、支川Raのみに水門90及び排水ポンプ95が設けられた例を説明したが、支川の数がさらに多い場合、又は少ない場合にも本発明を適用可能である。さらには、複数の支川に水門、又は、水門及び排水ポンプが設けられている場合であっても本発明を適用可能である。
10A 第1の雨量検出部
10B 第2の雨量検出部
20A 第1の水位検出部
20B 第2の水位検出部
30 水門検出部
40 ポンプ検出部
50 通信ネットワーク
60 水位予測装置
62 河川モデル記憶部
64 データ受信処理部
66 サービス呼出処理部
68 予測水位演算部
70 補正処理部
72 シミュレーション処理部
74 表示処理部
76 通信ユニット
78 データベース
80 雨量予測サービス
90 水門
95 排水ポンプ
Rm 本川
Ra,Rb 支川

Claims (13)

  1. 本川及び前記本川に合流する支川を含む河川であって、前記支川における前記本川との合流地点に水門が設けられた河川の水位を予測する水位予測装置において、
    演算により前記本川及び前記支川の水位を事前に予測する水位予測部を備え、
    前記水位予測部は、予測された前記本川の水位に基づき得られる前記本川の水面標高が予測された前記支川の水位に基づき得られる前記支川の水面標高よりも高い場合に前記水門が閉鎖される一方、前記本川の水面標高が前記支川の水面標高よりも低い場合に前記水門が開放されるものとして、前記水位の予測を行うことを特徴とする、水位予測装置。
  2. 前記水位予測部は、予測時点までの前記河川全体の流域の雨量に基づいて前記合流地点より下流の前記本川の水位を予測することを特徴とする、請求項1に記載の水位予測装置。
  3. 前記水位予測部は、前記水門が閉鎖される場合においては、さらに予測時点までの前記支川の流域の雨量に基づいて、前記合流地点より下流の前記本川の水位を予測することを特徴とする、請求項1又は2に記載の水位予測装置。
  4. 前記水位予測部は、前記水門が閉鎖される場合においては、予測時点までの前記支川の流域の雨量に基づいて前記合流地点より上流の前記支川の水位を予測することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水位予測装置。
  5. 前記水位予測部は、前記支川に、前記支川から前記本川に対して排水を行う排水ポンプが設けられている場合においては、前記排水ポンプの稼働状態をさらに考慮して前記水位を予測することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水位予測装置。
  6. 前記水位予測部は、前記水門が閉鎖される場合においては、前記排水ポンプの稼働開始時期及び稼働停止時期の条件を複数設定して、前記水位を複数予測することを特徴とする、請求項5に記載の水位予測装置。
  7. 前記水位予測部は、前記河川全体又は前記支川の流域の雨量に基づきタンクモデルを用いて得られる前記河川全体又は前記支川の河川流出量に基づいて前記本川又は前記支川の水位を予測することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の水位予測装置。
  8. 前記水位予測部は、前記水門が閉鎖される場合においては、前記河川全体の河川流出量から前記支川の河川流出量を減算した値に基づいて前記本川の水位を予測することを特徴とする、請求項7に記載の水位予測装置。
  9. 前記水位予測部は、前記排水ポンプの稼働時においては前記排水ポンプによる排水量を加算して前記本川の水位を予測することを特徴とする、請求項8に記載の水位予測装置。
  10. 前記水位予測部は、前記水門が閉鎖される場合においては、前記支川の河川流出量を加算した値に基づいて前記支川の水位を予測することを特徴とする、請求項7又は8に記載の水位予測装置。
  11. 前記水位予測部は、前記排水ポンプの稼働時においては前記排水ポンプによる排水量を減算して前記支川の水位を予測することを特徴とする、請求項10に記載の水位予測装置。
  12. 本川及び前記本川に合流する支川を含む河川であって、前記支川における前記本川との合流地点に水門が設けられた河川の水位を予測する水位予測方法において、
    演算により前記本川及び支川の水位を事前に予測するにあたり、
    予測された前記本川の水位に基づき得られる前記本川の水面標高が予測された前記支川の水位に基づき得られる前記支川の水面標高よりも高い場合に前記水門が閉鎖される一方、予測された前記本川の水位が前記支川の水位よりも低い場合に前記水門が開放されるものとして、前記水位の予測を行うことを特徴とする、水位予測方法。
  13. 本川及び前記本川に合流する支川を含む河川全体の流域の雨量を検知するための第1の雨量検出部と、
    前記支川の流域の雨量を検知するための第2の雨量検出部と、
    前記河川全体及び前記支川の流域の雨量予測情報を取得する雨量予測情報取得部と、
    前記支川における前記本川との合流地点に設けられた水門の開閉状態を検知するための水門検出部と、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の水位予測装置と、
    を備えた水位予測システム。
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