JPH04297639A - 排水システムにおける鉄砲水到達時間の予測方法、及びその予測方法を用いてなる排水システム - Google Patents

排水システムにおける鉄砲水到達時間の予測方法、及びその予測方法を用いてなる排水システム

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JPH04297639A
JPH04297639A JP6335791A JP6335791A JPH04297639A JP H04297639 A JPH04297639 A JP H04297639A JP 6335791 A JP6335791 A JP 6335791A JP 6335791 A JP6335791 A JP 6335791A JP H04297639 A JPH04297639 A JP H04297639A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小河川を含む水路によ
り雨水等の排水を幹線水路に集め、この排水を排水ポン
プ機場に導き、この排水ポンプ機場から河川等に放流す
る排水システムに係り、特に都市及び都市近郊の広域排
水システムに生ずる鉄砲水対策を考慮した排水システム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる排水システムにおいては、
排水ポンプ機場のポンプ井の水位(以下、内水位という
。)を基準に、この内水位を一定の範囲に保持するよう
に排水ポンプを自動運転して、ポンプ井への流入水を排
水することが一般的に行われている。
【0003】ところが、近年、排水区域の市街化が進み
、地面に染み込む雨水の割合が減ってきたために雨水流
出量が増加し、排水ポンプ機場へ大量の雨水が急激に流
入するようになっている。そのため、上記従来の内水位
を基準とする自動制御では、ポンプ運転の開始が遅れる
場合があり、急激な流入量の増加に追従できないという
問題がある。そのため、従来、降雨予測に基づいて排水
ポンプ機場への流入量を予測し、これに従って排水ポン
プの運転を制御しようとする試みがなされている。この
種の公知例としては、特開平2−115584号公報、
特開昭56−156342号公報等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の流入量
予測技術では、降雨の初期や集中豪雨に見られる、いわ
ゆる鉄砲水のような急激な流入量増加については配慮し
ていないことから、排水ポンプの対応運転(特に運転開
始)が間にあわず、ポンプ井や排水路が冠水する恐れが
ある。
【0005】本発明の第1の目的は、鉄砲水の発生を検
出し、速やかな排水ポンプの鉄砲水対応運転を可能とす
る排水システムの鉄砲水検出装置を提供することにある
【0006】本発明の第2の目的は、鉄砲水が排水ポン
プ設置点に到達する時間を予測し、余裕を持って排水ポ
ンプの鉄砲水対応運転を可能とする鉄砲水到達時間の予
測方法を提供することにある。
【0007】本発明の第3の目的は、鉄砲水に対応させ
て排水ポンプの運転を行うようにした排水システムを提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明の排水システムの鉄砲水検出装置は、排
水路の上流地点に該地点の流量に相関する物理量を検出
する検出器を設け、この検出器の検出値を入力とし、そ
の検出値又はその増加率の少なくとも一方が設定値以上
のときに鉄砲水検知信号を出力する演算手段を設けて構
成する。なお、前記物理量は、流量又は水位のいずれで
もよい。
【0009】上記第2の目的を達成するため、本発明の
排水システムの鉄砲水到達時間の予測方法は、排水路の
上流地点の流量に相関する物理量を検出し、その検出値
又はその増加率の少なくとも一方が設定値以上のときに
鉄砲水の発生を検知し、該鉄砲水が当該地点から排水ポ
ンプ地点に到達する到達時間を水理計算によって予測す
るようにしたのである。この場合において、前記検出値
の増加率の大きさによって前記到達時間を補正すること
が好ましい。
【0010】また、排水路の上流地点と該地点の下流地
点の2か所以上にて各地点の流量に相関する物理量を検
出し、該各地点の検出値又はその増加率の少なくとも一
方が設定値以上のときに鉄砲水の発生を検知し、該検知
された鉄砲水が前記上流地点から前記下流地点の1つに
到達する第1の到達時間を水理計算によって予測すると
ともに、その第1の到達時間を実測し、その予測値を実
測値に一致させる補正係数を求め、前記鉄砲水が前記排
水ポンプ地点に到達する第2の到達時間を水理計算によ
って予測し、該予測時間を前記補正係数により補正して
鉄砲水到達時間の予測の精度を高めることができる。
【0011】上記第3の目的を達成する本発明の排水シ
ステムは、前記いずれかの鉄砲水検知装置又は鉄砲水の
到達時間予測方法を適用し、その予測到達時間に合わせ
て排水ポンプの運転を制御するポンプ制御手段を設けて
構成する。この場合において、ポンプ制御手段は、前記
鉄砲水の到達時間予測に基づいて排水ポンプの先行待機
運転の開始タイミングと運転台数とを制御することが望
ましい。また、排水路の系統を表示したグラフィックパ
ネルを設け、前記予測した到達時間に基づいて、グラフ
ィックパネルに鉄砲水の流下位置を表示することが好ま
しい。
【0012】
【作用】このように構成されることから、本発明によれ
ば、次の作用により上記各目的が達成される。
【0013】いわゆる鉄砲水は、集中豪雨等により発生
し、鉄砲水の流下にあわせ排水路の水位又は流量が急激
に増加する現象を呈する。また、鉄砲水に至らない程度
の通常の雨量であれば、排水路水位等の変化は緩やかで
ある。
【0014】したがって、本発明の鉄砲水検知装置のよ
うに、排水路の上流地点にて排水路の水位又は流量を検
出し、その増加率が急激であるか否かを判断することに
より、鉄砲水が発生流下しているか否かを検知できる。
【0015】また、排水路を流下する鉄砲水の速度は、
鉄砲水の水位又はその増加率等の強さに相当する条件と
、排水路の諸条件とを与え、周知の理論により例えば段
波として扱うことにより求めることができる。
【0016】したがって、上記により鉄砲水を検知でき
れば、本発明の鉄砲水到達時間の予測方法のように、鉄
砲水の程度(水位又は増加率)と、鉄砲水の検知地点か
ら排水ポンプ地点までの距離と、排水路条件等に基づき
、水理理論に従って排水ポンプ地点までの鉄砲水到達時
間を予測演算できる。そして、その予測結果に基づいて
排水ポンプを先行して運転開始することにより、鉄砲水
の到来に容易に対応できる。
【0017】通常、排水ポンプは複数台設けられている
から、鉄砲水の強さに応じて運転する台数をきめる。ま
た、排水ポンプを先行待機運転できる時間は、ポンプ軸
受の冷却システム等により制限を受けるが、上記予測に
より先行待機運転時間を最適化でき、ポンプ軸受の損傷
を防止できる。また、幹線水路に貯留池等の貯留部があ
り、その貯留部に水が貯留されている場合には、その貯
留水を予め排水することができる。これにより、一定の
鉄砲水を吸収緩和できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1に、本発明にかかる一実施例の排水システム
の鉄砲水検知と到達時間の予測の手順をフローチャート
にして示し、図2に本実施例にかかる排水システムの全
体構成図を示す。第2図に示すように、本実施例の排水
システムは、放流先河川の近傍に排水ポンプ機場2を配
置し、排水対象地域に配設された小河川を含む排水路4
によって雨水等の排水を集め、この排水を排水ポンプ機
場2に導き、ここから河川に放流するようにしている。 排水路4は、幹線管路6と複数の枝管路8−i(図では
i=1〜4)から形成されている。排水ポンプ機場2は
、図示のように、幹線水路4から流入される排水を貯留
するポンプ井10と、そのポンプ井10の排水を汲み上
げて放流先の河川等に放流する排水ポンプ12と、この
排水ポンプ12の運転を制御するポンプ制御装置14を
含んで構成されている。
【0019】枝管路8−1の上流地点aとその地点より
も下流の地点bに、それぞれ水位検出器16(a,b)
が、また枝管路8−2の上流地点eとその下流地点fに
、それぞれ水位検出器16(e,f)が設置されている
。これらの水位検出器16は、枝管路内の水位を検出す
るものであり、静電容量式や超音波式等の周知の構成の
ものが適用できる。水位検出器16により検出された各
地点の水位検出値は、図示していない通信設備により前
記ポンプ制御装置14に伝送されるようになっている。 なお、他の枝管路8−3,8−4には水位検出器を設け
ていないが、必要に応じて設けてもよい。すなわち、流
量の大きい鉄砲水で、かつ最も早く排水ポンプ機場2に
到達する鉄砲水を検知し、その到達時間を予測できれば
よいことから、本実施例は排水系の全体構成や地形等を
考慮し、排水ポンプ機場2に近く、大きな排水対象地域
をカバーする枝管路を対象とし、その枝管路にて鉄砲水
を検知するようにしたのである。
【0020】このように構成される排水システムにおい
て、通常は、ポンプ制御装置14の働きにより、排水ポ
ンプ機場2の内水位を基準に、排水ポンプP1,P2,
P3の運転台数と回転数などの排水能力を自動的に制御
して排水量を調整する。また、周知の流入量予測に基づ
いて自動制御するようにする。
【0021】ここで、図1を用い、本発明の特徴にかか
る鉄砲水の検知と、鉄砲水のポンプ地点への到達時間の
予測に係る詳細構成について、動作とともに説明する。 基本的に、鉄砲水の検知と到達時間の予測は、水位検出
器16aとb,16eとfにより検出された水位データ
に基づき、ポンプ制御装置14にて実行される。ポンプ
制御装置14はコンピュータを含んで構成され、水位検
出器16a〜fから伝送される水位データを所定のサン
プリング周期ごとに取り込み、通常の入力信号処理を施
した後、メモリのデータテーブルに格納し、この格納さ
れた水位データを適宜読み出して、図1に示すような処
理を実行するようになっている。
【0022】図1に、枝管路8−1に発生した鉄砲水に
かかる処理を示す。なお、枝管路8−2についても同様
の処理になるので、ここでは枝管路8−1についてのみ
説明する。鉄砲水の発生(流下)はステップ31と32
の処理で検出する。鉄砲水の場合の水位の変化パターン
は、図3に示すように、急激に増大するパターンである
。そこで、本実施例では、上流地点aの水位検出値ha
(t)をサンプリングし、数式1により1周期前の水位
検出値ha(t+1)との差を演算して、水位の増加率
Δha(t)を求める(ステップ31)。
【0023】
【数1】Δha(t)=ha(t)−ha(t+1)次
に、増加率Δha(t)が予め定めた鉄砲水判定基準の
設定値k以上か否かにより鉄砲水の発生を検知する(ス
テップ32)。この判定が否定のときはステップ31に
戻って次のデータに対して同一の処理を繰り返す。 肯定のときは、ステップ33にて、鉄砲水の最高水位h
mを検出する。この検出は、前記データテーブルの水位
検出値ha(t)の変化を監視し、極大値を示した検出
値を最高水位として特定することにより行う。最高水位
を検出したときタイミングにタイマをセットして、その
鉄砲水が下流の地点bに到達する時間の実測を開始する
(ステップ34)。なお、鉄砲水を検知したとき、その
検知信号により警報などを発したり、グラフィックパネ
ル等の表示装置にその旨と発生地点とを表示するように
してもよい。また、鉄砲水の検知は、上記の水位増加率
のほか、水位そのものが所定の設定値を超えたこと、又
は排水の濁度が異常に高くなったことを条件として検出
できる。  次のステップ35からステップ43までは
、水理計算による鉄砲水の到達時間の予測の精度を上げ
るための補正係数αを求めるステップである。到達時間
の予測に用いる原理として、周知の水理モデルから種々
の方法が考えられるが、本実施例では予測の処理時間を
考慮して簡便な段波モデルによる方法を適用した。この
段波モデルによる鉄砲水の伝播速度(流下速度)ωは数
式2によって表される。なお、このモデルは、長方形管
路の場合であるが、円形管路の場合はそれに合わせて変
数を変形して適用すればよい。
【0024】
【数2】
【0025】ここで、hoは図3に示すように鉄砲水前
面の初期水位であり、Vは初期水位hoのときの初期流
速で、数式3により求める。また、gは重力加速度であ
る。
【0026】
【数3】
【0027】ここで、nは管路の粗度係数であり、Iは
管路の勾配である。したがって、流下速度ωを求めれば
、同一排水管の下流地点に到達する到達時間は、そこま
での距離をωで割算すれば求められる。
【0028】上記の水理理論に従い、ステップ35で地
点aにおける初期流速Vaを数式3により求める。次に
、ステップ36で数式2により流下速度ωaを求める。 そして、ステップ37において、数式4により、距離L
abだけ離れた下流の地点bまでの到達時間の予測値T
’abを演算する。
【0029】
【数4】T’ab=Lab/ωa 次のステップ38から40においては、地点bにおける
鉄砲水検知と、最高水位hmを検出する。この処理内容
は前記ステップ31から33と同一であるから説明を省
略する。ステップ40で地点bに鉄砲水の最高水位が到
達したことを検知したタイミングで、前記タイマを停止
させ(ステップ41)、地点aからbまでの到達時間の
実測値Tabを求める(ステップ42)。そして、ステ
ップ43にて、次式5により、予測時間の補正係数αを
演算する。
【0030】
【数5】α=T’ab/Tab 通常、理論による予測値よりも実測値の方が大きいから
、α≦1.0である。
【0031】次に、地点bからポンプ地点dに鉄砲水が
到達する予測時間T’bdを、数式6により演算する。
【0032】
【数6】T’bd=α(T’bc+T’cd)この式に
おけるT’bcとT’cdの予測は、それぞれ基本的に
数式2,3,4を用いる。但し、幹線管路6は枝管路8
−1と管径などの管路条件が異なるので、初期水位ho
と最高水位hmは、地点aの検出値に基づき、比例計算
により推定する。この場合、初期水位hoには、他の枝
管路8−2,8−3,8−4等から合流点cに流入して
いる排水量をも考慮する必要がある。したがって、合流
点cに水位検出器を設置して、初期水位hoを検出する
のが好ましい。しかし、枝管路8−1の鉄砲水が最も早
く合流点cに到達する場合は、他の枝管路から合流点c
に流入する量は、通常時の流量であるから、過去の各枝
管路の流量割合の実績データ等に基づく相関係数を設定
しておき、地点aの初期水位にその相関係数を乗じて、
合流点cの初期水位を推定することができる。本実施例
はこの方法によっている。なお、本発明は基本的に最も
早く排水ポンプ地点に到達する鉄砲水についての到達時
間を予測すればよいから、枝管路8−1よりも枝管路8
−2に発生した鉄砲水が最も早く合流点cに到達する場
合は、枝管路8−2の鉄砲水について到達時間T’fd
を予測する。
【0033】このようにして予測した到達時間T’bd
に基づいて、ステップ45において、排水ポンプの運転
台数とその運転開始タイミングについて決定するととも
に、その決定にしたがって鉄砲水に対する先行待機運転
の制御を行う。通常、排水ポンプは複数台設けられてい
るから、鉄砲水の強さに応じて運転する台数をきめる。
【0034】上述したように、本実施例によれば、排水
路の上流地点aにて排水路の水位を検出し、その増加率
が急激であるか否かを判断していることから、鉄砲水が
発生を素早く検知できる。これにより、排水ポンプの対
応運転を余裕を持って行うことができる。
【0035】また、鉄砲水の程度(水位又は増加率)と
、鉄砲水の検知地点から排水ポンプ地点までの距離と、
排水路条件とに基づき、水理理論に従って排水ポンプ地
点までの鉄砲水の到達時間を予測演算していることから
、更に余裕を持って排水ポンプの対応運転を行うことが
できる。
【0036】そして、その予測結果に基づいて排水ポン
プを先行して運転する台数や運転開始タイミングを決定
していることから、鉄砲水の到来に容易に対応できる。
【0037】また、排水ポンプを先行待機運転できる時
間は、ポンプ軸受の冷却システム等により制限を受ける
が、上記予測により先行待機運転時間を最適化でき、ポ
ンプ軸受の損傷を防止できる。
【0038】なお、図2に示すように、幹線水路に貯留
池等の貯留部18があり、その貯留部に水が貯留されて
いる場合には、その貯留水を予め排水することができ、
これにより、一定の鉄砲水を吸収緩和できるから、鉄砲
水の量に対して排水ポンプの排水能力が低い場合にも、
冠水などを防止するのに効果がある。
【0039】また、上記実施例では、補正係数αで到達
予測時間を補正するようにしたが、この補正を省略して
もよく、これによれば水位検出器の数を半分に低減でき
る。また、その補正をしない場合は、到達予測時間が短
くなる方向であるから、早めに鉄砲水の対応運転をする
ことになる。
【0040】また、補正係数αに代えて、鉄砲水の強さ
の度合に応じて到達予測時間を補正するようにしてもよ
い。この実施例について、図4に示した処理手順フロー
チャートを参照して説明する。図において、ステップ5
1から53までは、図1のステップ31から33に同じ
であり、地点aの水位変化に基づいて鉄砲水の発生を検
知する。次に、ステップ54で、水位検出値Δha(t
)の変化率の度合、又は図3に示した鉄砲水の前面の平
均角度θに応じて、補正係数βを求める。この平均角度
θと補正係数βとの設定関係の一例を図5に示す。次の
ステップ55〜57において、前記図1の実施例と同様
に、地点aにおける初期流速Va、流下速度ωaを求め
た後、合流点cまでの到達時間の予測値T’acを算出
する。そして、ステップ58において、前述したと同様
に合流点cにおける初期水位hoを推定し、これに基づ
いて数式3により初期流速Vcを求め、さらに数式2に
より流下速度ωcを求める。次のステップ59にて、数
式7により地点aからポンプ地点dに至る鉄砲水の到達
時間の予測値T’adを算出する。
【0041】
【数7】T’ad=β(T’ac+T’cd)ここで、
T’ac=Lac/ωa T’cd=Lcd/ωc このようにして予測した到達時間T’adに基づいて、
ステップ60において、排水ポンプの運転台数とその運
転開始タイミングについて決定するとともに、その決定
にしたがって鉄砲水に対する先行待機運転の制御を行う
。 通常、排水ポンプは複数台設けられているから、鉄砲水
の強さに応じて運転する台数をきめる。
【0042】本実施例によれば、図1実施例に比べて到
達時間の予測精度は落ちるが、水位検出器の数を低減で
き、また処理が簡単化できるという効果がある。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
排水路の上流地点にて排水路の排水流量に相関する物理
量を検出し、その増加率が急激であるか否かを判断して
鉄砲水の発生を検知していることから、簡単にかつ速や
かに鉄砲水の発生を検知できる。これにより、排水ポン
プの対応運転を余裕を持って行うことができる。
【0044】また、鉄砲水の程度(水位又は増加率)と
、鉄砲水の検知地点から排水ポンプ地点までの距離と、
排水路条件とに基づき、水理理論に従って排水ポンプ地
点までの鉄砲水の到達時間を予測演算していることから
、更に余裕を持って排水ポンプの対応運転を行うことが
できる。
【0045】また、その予測結果に基づいて排水ポンプ
を先行して運転する台数や運転開始タイミングを決定し
ていることから、鉄砲水の到来に容易に対応できる。な
お、排水ポンプを先行待機運転できる時間は、ポンプ軸
受の冷却システム等により制限を受けるが、上記予測に
より先行待機運転時間を最適化でき、ポンプ軸受の損傷
を防止できるという、副次効果がある。
【0046】また、本発明の排水システムによれば、排
水路に貯留池等が設けられそれに水が貯留されている場
合には、その貯留水を鉄砲水検知と同時に予め排水する
ことができ、これにより、一定の鉄砲水を吸収緩和でき
るから、鉄砲水の量に対して排水ポンプの排水能力が低
い場合にも、冠水などを防止するのに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の鉄砲水検知と到達時間予測
に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例の排水システムの全体構成図
である。
【図3】鉄砲水による水位変化の一例を示す線図である
【図4】本発明の他の実施例の鉄砲水検知と到達時間予
測に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図5】鉄砲水の強さの度合に対する補正係数の設定関
係の一例を示す線図である。
【符号の説明】
2  排水ポンプ機場 4  排水路 6  幹線管路 8  枝管路 10  ポンプ井 12  排水ポンプ 14  ポンプ制御装置 16  水位検出器 18  貯留池

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  小河川を含む排水路から集められた排
    水を、排水ポンプにより放流先の河川等に排出する排水
    システムにおいて、前記排水路の上流地点に該地点の流
    量に相関する物理量を検出する検出器を設け、該検出器
    の検出値を入力とし、該検出値又はその増加率に基づい
    て鉄砲水の発生を検知する鉄砲水検知手段とを設けてな
    る排水システムの鉄砲水検知装置。
  2. 【請求項2】  請求項1において、前記流量に相関す
    る物理量が流量と水位と濁度のいずれか一つであり、前
    記鉄砲水検知手段は前記検出値又はその増加率の少なく
    とも一方が設定値以上のときに鉄砲水発生を検知するこ
    とを特徴とする排水システムの鉄砲水検知装置。
  3. 【請求項3】  小河川を含む排水路から集められた排
    水を、排水ポンプにより放流先の河川等に排出する排水
    システムにおいて、前記排水路の上流地点に該地点の流
    量に相関する物理量を検出する検出器を設け、該検出器
    の検出値を入力とし、該検出値又はその増加率の少なく
    とも一方が設定値以上のときに鉄砲水検知信号を出力す
    るとともに、該鉄砲水が前記地点から前記排水ポンプ地
    点に到達する到達時間を水理計算によって予測する演算
    手段を設けてなる排水システムの鉄砲水検知装置。
  4. 【請求項4】  小河川を含む排水路から集められた排
    水を、排水ポンプにより放流先の河川等に排出する排水
    システムにおいて、前記排水路の上流地点の流量に相関
    する物理量を検出し、該検出値又はその増加率の少なく
    とも一方が設定値以上のときに鉄砲水の発生を検知し、
    該鉄砲水が当該地点から前記排水ポンプ地点に到達する
    到達時間を水理計算によって予測する排水システムにお
    ける鉄砲水到達時間の予測方法。
  5. 【請求項5】  請求項4において、前記検出値の増加
    率の大きさによって前記到達時間を補正することを特徴
    とする排水システムにおける鉄砲水到達時間の予測方法
  6. 【請求項6】  小河川を含む排水路から集められた排
    水を、排水ポンプにより放水先の河川等に放流する排水
    システムにおいて、前記排水路の上流地点と該地点の下
    流地点の2か所以上にて各地点の流量に相関する物理量
    を検出し、該各地点の検出値又はその増加率の少なくと
    も一方が設定値以上のときに鉄砲水の発生を検知し、該
    検知された鉄砲水が前記上流地点から前記下流地点の1
    つに到達する第1の到達時間を水理計算によって予測す
    るとともに、該第1の到達時間を実測し、その予測値を
    実測値に一致させる補正係数を求め、前記鉄砲水が前記
    排水ポンプ地点に到達する第2の到達時間を水理計算に
    よって予測し、該予測時間を前記補正係数により補正す
    ることを含んでなる排水システムにおける鉄砲水到達時
    間の予測方法。
  7. 【請求項7】  小河川を含む排水路から集められた排
    水を、排水ポンプにより放流先の河川等に排出する排水
    システムにおいて、前記排水路の上流地点に該地点の流
    量に相関する物理量を検出する検出器を設け、該検出器
    の検出値を入力とし、該検出値又はその増加率の少なく
    とも一方が設定値以上のときに鉄砲水の発生を検知する
    とともに、該鉄砲水が前記地点から前記排水ポンプ地点
    に到達する到達時間を水理計算によって予測する演算手
    段と、該演算手段の予測到達時間に合わせて排水ポンプ
    の運転を制御するポンプ制御手段とを設けてなる排水シ
    ステム。
  8. 【請求項8】  請求項7において、前記検出値の増加
    率の大きさによって前記到達時間を補正することを特徴
    とする排水システム。
  9. 【請求項9】  小河川を含む排水路から集められた排
    水を、排水ポンプにより放水先の河川等に放流する排水
    システムにおいて、前記排水路の上流地点と該地点の下
    流地点の2か所以上に各地点の流量に相関する物理量を
    検出する検出器をそれぞれ設置し、該各検出器の検出値
    を入力とし、前記排水路を流下する鉄砲水を検知すると
    ともに、該鉄砲水が前記排水ポンプの設置点に達する到
    達時間を予測する予測手段と、該予測手段の予測到達時
    間に基づいて排水ポンプの運転を制御するポンプ制御手
    段とを設けてなり、前記予測手段が、前記各地点の検出
    値又はその増加率の少なくとも一方が設定値以上のとき
    に鉄砲水検知信号を出力する鉄砲水検知手段と、該検知
    信号に応動して鉄砲水が前記上流地点から前記下流地点
    の1つに到達する第1の到達時間を水理計算によって予
    測する第1の予測手段と、前記第1の到達時間を実測す
    る実測手段と、前記第1の到達時間の予測値を実測値に
    一致させる補正係数を求める手段と、前記鉄砲水が前記
    排水ポンプ地点に到達する到達時間を水理計算によって
    予測するとともに、該予測時間を前記補正係数により補
    正してポンプ地点までの第2の到達時間の予測値を求め
    て、前記ポンプ制御手段に出力する第2の予測手段とを
    含んでなる排水システム。
  10. 【請求項10】  請求項9において、前記ポンプ制御
    手段は、前記第2の到達時間の予測値と前記検出器の検
    出値を入力し、前記排水ポンプの先行待機運転の開始タ
    イミングと運転台数とを制御することを特徴とする排水
    システム。
  11. 【請求項11】  請求項9において、前記排水路の系
    統を表示したグラフィックパネルを設け、前記予測した
    到達時間に基づいて、前記グラフィックパネルに鉄砲水
    の流下位置を表示することを特徴とする排水システム。
  12. 【請求項12】  排水路の上流の水位に相当する物理
    量の検出値を取り込み、その検出値に基づいて鉄砲水の
    発生を検知するとともに、その鉄砲水のポンプ場への到
    達時間を予測する演算手段を有するポンプ制御装置によ
    り起動される排水ポンプを具備してなる排水システム。
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