JP3279703B2 - 流入水量予測方法および流入水量予測装置 - Google Patents
流入水量予測方法および流入水量予測装置Info
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Description
ける、流入水量の予測方法に関する。また、流入水量の
予測を実行する流入水量予測装置にも関する。
を処理場へ送水し、降雨時には、雨水を排出することに
よって、排水区域の浸水を未然に防ぐ役割を担ってい
る。近年、排水区域の市街地化が進み、降雨が浸透によ
って大地に吸収される割合が激減しているため、降雨時
にポンプ所へ押し寄せる流入水量は、大量となる上、降
雨開始から流入水量がピークに達するまでの立ち上がり
時間が短縮され、急峻な変化を伴う傾向が強まってい
る。このため、降雨時のポンプ運転は、非常に困難にな
り、熟練運転員の高度な技術と豊富な経験に頼らざるを
得ないのが現状であり、流入水量をより正確に把握し、
安全なポンプ運転に役立てたいという要求がある。
デルが提案されているが、決定論モデル、パラメトリッ
クモデル、確率モデルの3つに大別することができる。
決定論モデルは、物理構造に基づいた理論構造を持って
いる数理モデルで、初期条件、境界条件、入力が物理的
に厳密に定義されている。パラメトリックモデルは、入
力と出力を結び付けるパラメータがあり、それらの物理
的意義付けはあるものの必ずしも、観測、測定可能な実
在する定義付けである必要はない。確率モデルは、現象
が確率過程であるとして組み立てられたモデルである。
決定論モデルは、設定すべき条件や、パラメータの数が
多いため、都市部における下水幹線のような観測条件の
良くない場合は、構築困難である。また、通常は計算量
が非常に多くなるため、リアルタイムの計算には適さな
い場合が多い。確率モデルは、目的とする物理量の過去
の値の線形和で現在値を予測することを基本とするもの
が大部分であるが、流入水量予測の場合は、過去におい
ても流入水量は不確実性が高いため、このモデルを適用
することは困難な場合が多い。
水量予測手法の代表的なものに、RRL法がある。この
方法では、まず排水区域を、浸透域と不浸透域に分類
し、浸透域の降雨量を無視することによって、降雨量の
うち実際に下水管に流出する有効降雨量を決定する。次
に、管網構造より、排水区域内各地点から幹線との接続
点までの到達時間を算出し、排水区域を等到達時間域に
分割する。有効降雨量と等到達時間から、複数地点での
幹線への流入水量を算出する。一方、幹線への流入水量
の総量と、幹線からポンプ所への流入水量、および幹線
内の貯留量との間の収支式である連続式、ポンプ所への
流入水量と貯留量の関係を表す連動式を求めておき、最
後に、幹線への流入水量の総量から、ポンプ所への流入
水量を算出する。この手法に関する詳細な説明は、例え
ば、岡本芳美著「技術水文学」(日刊工業新聞社)p2
17〜p222に記されている。
には、対象となる排水区域について、予めいくつかの物
理的特性を評価しておく必要がある。まず、地面の浸透
性の有無で排水区域を分類し、それぞれの地域の面積率
を評価する必要がある。これについては、航空写真を利
用する方法がある。等到達時間別の面積については、排
水施設平面図を用いて求めた、各マンホール間の満管時
の流速から評価する方法等がある。これらは、いずれも
簡便な方法とは言い難く、他の排水区域へ適用する際の
労力は決して少なくはない。
留量との関係式、すなわち連動式が必要となる。これに
ついては、やはり排水施設平面図を利用し、幹線の位
置、形状、内径または内のり寸法、勾配、管長等土木的
データと、水位−流量の関係式を用いて導き出す。この
時、排水区域内の全域で水深の管径に対する比率が等し
いとする等水深比の仮定を用いている。しかし、幹線内
の下水の水理挙動は、ポンプ所のポンプ運転にも大きく
影響を受け、降雨量によっても時々刻々変化する。従っ
て、下水の水理挙動の動的変化は、この手法においては
反映しにくい。RRL法では、主に幹線や貯留池の設計
のための基礎資料を提供するために用いられてきた。よ
って、大雨時のピーク値を予測することが重要であり、
このような目的の場合は幹線内の下水の水理挙動につい
ても、静的なもので十分であった。しかし、ポンプ運転
にとっては、ピーク値はもとより、そのピークがいつや
って来るかということが重要である。そのためには、下
水の動的変化の影響を考慮する必要がある。
要となる下水の動的予測をおこなう方法を提供すること
にある。
め、次のような手段により、上記課題を解決する。本願
発明の対象とする雨水排水ポンプシステムは、一定の区
域の雨水を集約する枝管と枝管から集まる雨水を排水ポ
ンプ場へ導く幹線とから構成される下水道管網、幹線の
適当な複数箇所に設けられた水位計、排水区域全域の降
雨分布が測定可能なレーダ雨量計、排水区域内の適当な
箇所に設けられた複数の雨量計、から成る。
へ流入する水量を次のような処理によって予測する。
管を、枝管と幹線との接続点と水位計の設置点との距離
に応じて分類する。
管の流域を複数の矩形領域に分割する。
量と流出係数の積を計算し、 (4)各矩形領域について、複数時刻の有効降雨量の計
算結果を時系列として一時的に記憶しておく。
内で雨水が貯留状態から流下状態に変化する点を流入点
と定義し、これを判別する。
下時間を、次のように水位計によって場合に分けて計算
する。流入点より上流の水位計の計測データに影響する
矩形領域から流入点までの流下時間は、水位計設置点と
流入点との間の流下時間と各矩形領域から水位計設置点
までの流下時間の和とする。一方、流入点より下流の水
位計の計測データに影響する矩形領域からの流下時間
は、各矩形領域から水位計設置点までの流下時間とす
る。このように、流入点を基準とした流下時間を求め
る。
過去の有効降雨量の和として、ポンプ場への流入水量を
求める。
へ順に、隣接する水位計の水位差を求めていき、最初の
水位差が許容範囲を超えた地点とみなす事によって判別
する。この許容範囲については、下水幹線の平面図と各
水位計測点における水位データを表示し、流入点を幹線
平面図上に示したり、あるいは下水幹線の断面図と各水
位計測点における水位データを表示し、流入点を幹線断
面図上に示したりして下水の水理挙動を把握して調整を
行なう。
である流出係数、下水管表面を水が流れるときの抵抗を
表す粗度係数、地表から下水幹線へ流入するまでの下水
の平均移動速度、流入点判別のための水位差許容範囲、
のうち少なくとも1つ以上をパラメータとして表示し、
そのパラメータ値での予測評価値として、流入水量の実
績値と予測値との相関係数、平均誤差、ピーク比率、ピ
ーク時間差、のうち少なくとも1つ以上を表示する。こ
の表示機能を利用して、パラメータのチューニングをす
る。
て、浸透率を評価することとし、適用に際しての調査の
負荷を軽減した。また、下水幹線への流入水量から、ポ
ンプ所への流入水量を算出する際に、従来法では、ポン
プ所の直前を流入点として定義し、幹線内の貯留量とポ
ンプ所への流入水量の関係を利用している。しかし、実
際には、幹線内の下水の水理挙動がポンプ運転の影響を
大きく受けるため、この関係より算出される流入水量
は、ポンプ吐出量にほぼ等しくなってしまう。従って、
ポンプの安全運転のために必要な情報とは成り得ない。
ポンプ所付近では、幹線内の雨水は、ほぼ貯留状態とな
っており、ポンプ運転の影響を直接受ける。本発明にお
いては、流下状態と貯留状態の境界を定義して、これを
流入点とみなすことにした。つねに、流入点を判別する
ことによって、ポンプ運転に影響されることなく、ま
た、幹線内の下水の水理挙動に応じた流入水量の予測が
可能となった。
ては、各矩形領域から幹線への到達時間を、各矩形領域
の重心から、帰属水位計までの直線距離に比例して評価
する。従来法では、排水施設平面図を用いて、各マンホ
ール間の満管時の流速から評価することによって到達時
間を評価する方法が取られていたが、管網を構成する各
管について満流流速を計算するのは、非常に煩雑な作業
である。重心からの直線距離によって評価する方法で
は、水位計の座標と平均流速から容易に到達時間を評価
することが可能である。
が、これには、ポンプ所の水位計から上流方向へ順に、
隣接する水位計の水位差を求めていき、最初に水位差が
許容範囲を超えた地点とみなす事によって判別する。こ
の許容範囲を決定するとき、および実際に流入水量を予
測するときに、下水幹線の平面図と各水位計測点におけ
る水位データを表示し、流入点を幹線平面図上に示す。
あるいは、下水幹線の断面図と各水位計測点における水
位データを表示し、流入点を幹線断面図上に示す。この
様な表示方法をすることによって、許容範囲を変化させ
た場合の流入点の移動状況を観察することが可能とな
り、下水の水理挙動を的確に捕らえた判断をすることが
できる。また、降雨量のうち下水道に流入する水量の比
率である流出係数、下水管表面を水が流れるときの抵抗
を表す粗度係数、地表から下水幹線へ流入するまでの下
水の平均移動速度、流入点判別のための水位差許容範囲
は、予測のパラメータであり、このうち少なくとも1つ
以上を表示し、そのパラメータ値での予測評価値とし
て、流入水量の実績値と予測値との相関係数、平均誤
差、ピーク比率、ピーク時間差、のうち少なくとも1つ
以上を表示することによって、チューニングを行う際の
判断基準とする。これによって、実際の水位データを利
用して予測精度を向上させていくことができる。
ポンプ所と、その排水区域を示す。雨水排水ポンプ所1
は、その排水区域2より排水され、下水幹線3を経て集
められる汚水や雨水をポンプで送水する。晴天時には、
汚水を汚水送水路4より汚水処理場へ送水する。雨天時
には、雨水を雨水排水路5より放流する。とくに雨天時
には、大量の雨水がポンプ所に流入するため、ポンプ運
転を誤ると、放流が間にあわず排水区域の浸水を招く恐
れがある。ポンプ運転を安全に行うためには、流入水量
が重要な情報となる。このため、下水幹線内に、水位計
6−1〜3を設置し、下水の水理挙動の情報を得ると共
に、レーダ雨量計7より排水区域内の雨量分布データを
収集している。また、地上雨量計8−1〜3を設置する
ことにより、レーダ雨量計によるデータの補正あるいは
レーダ雨量データの欠損時のバックアップ等を行なう。
本発明を適用することにより、これらリアルタイムに収
集される水位データ及び降雨データを用いて、雨水流入
水量を精度良く予測することが可能となる。
ャートを示す。下水管網は、下水幹線とその枝管より構
成される。各枝管について、その管を流れる下水が、幹
線内に設置されたどの水位計の計測データに影響を及ぼ
すかを考慮し、枝管を分類する(9)。次に、分類され
た各々グループの枝管の流域(以下、これを各水位計の
支配領域と記す)を、十分小さな矩形領域に分割する
(10)。各矩形領域の有効降雨量、即ち降雨量と流出
係数の積を求める(11)。各矩形領域について、有効
降雨量の時系列を複数時刻分一時的に記憶しておく(1
2)。次に、幹線内の下水の水理挙動に応じて、貯留状
態と流下状態の境界である流入点を判別する(13)。
これを基にして、各水位計から、流入点までの動的な流
入時間を算出する(14)。流下時間分過去の領域別流
入水量の和を求め、これをポンプ所流入水量とする(1
5)。最後に、予測した計算結果や、計測データ、パラ
メータ等を表示する(16)。
器構成例を示したものである。各点の水位や降雨量の計
測信号110は入出力装置104を介して工学値に変換
される。これらの工学値は、計算装置105に入力され
たり、データ記憶装置101に記憶されたり、あるいは
表示装置103で表示される。表示装置103には、計
測データのほかに、データ記憶装置101に記憶されて
いるパラメータ値および計算装置105の出力であるポ
ンプ所流入水量の値も表示される。この表示結果を判断
材料として、エンジニアあるいはユーザーである入力者
102がパラメータの変更を行なう。計算装置105内
では、有効降雨量計算処理11、流入点判別処理13、
動的流下時間計算処理14、ポンプ所流入水量計算処理
15、が行なわれる。また、主記憶上に、有効降雨量記
憶部12を有する。流入点判別処理13では、管渠水位
データとデータ記憶装置に予め記憶されている管渠土木
データより、流入点をリアルタイムに判別し、その位置
情報を動的流下時間計算処理14へ送る。動的流下時間
計算処理14では、流下点位置情報と管渠水位データお
よび管渠土木データより、各領域からポンプ所までの流
入時間を計算し、ポンプ所流入水量計算処理15へ送
る。一方、有効降雨量計算処理11では、センサから入
出装置104を介して入力される降雨量データと、デー
タ記憶装置101あるいはユーザー102からの入力で
ある流出係数から、各矩形領域の有効降雨量を計算し、
有効降雨量記憶部12へ送る。有効降雨量記憶部12
は、各矩形領域毎に、有効雨量を複数時刻分の時系列と
して記憶しておき、必要に応じてポンプ所流入水量計算
処理15で利用する。ポンプ所流入水量計算処理15で
は、矩形領域ごとの有効降雨量と各矩形領域からポンプ
所までの流下時間からポンプ所流入水量を計算し、計算
装置105の出力とする。
細な説明をする。
配領域に分割するため、管を流れる下水が幹線上のどの
水位計に最も近い場所に流入するかによって、枝管を分
割する。図4を用いてこれを示す。図1と同様に、下水
幹線3を通じて、ポンプ所1の排水区域2から排出され
る汚水と雨水が、ポンプ所へ集められる。下水幹線内に
は水位計6−1〜3が設置されている。下水幹線と幹線
以外の下水管網即ち枝管との接続点は、21−1〜8の
8か所あるとする。21−1〜3は、水位計6−1に近
い。従って、21−1〜3から流入する枝管の流域は、
水位計21−1の支配領域であり、17−1で示される
領域である。同様にして、領域17−2は、流入点21
−4〜6から流入する枝管の流域、領域17−3は、流
入点21−7〜8から流入する枝管の流域である。こう
して、枝管を分類することによって、排水区域は、水位
計毎の支配領域に分割される。なお、水位計の設置数が
極端に少ない場合には、仮想水位計を考慮して領域分割
を行ってもよい。この時、仮想水位計の水位データは、
隣接水位計のデータより線形補間したものとする。以上
が、図2のフローチャートにおける枝管の分類(9)の
処理である。
領域に分割する。図5は、ある1つの水位計の支配域領
を示したものである。支配領域を、図のように充分小さ
い矩形領域26の集合として扱う。支配領域の境界にお
いて、矩形領域内に入る領域が半分以下の場合は無視す
る。これらの矩形領域には、一連番号を付いておく。
め行なっておく準備的な手続きである。
イムに行なわれる処理である。まず、降雨開始後から、
各矩形領域の有効降雨量を求める。有効降雨量とは、降
雨量のうち、下水道管網に流入する量のことで、降雨量
と流入係数の積で求められる。これが、図2のフローチ
ャートにおける有効降雨量計算(11)である。本願発
明においては、流出係数は、パラメータとして扱う。排
水区域全域を一様としても良いし、豊富な実績データが
得られている場合には、支配領域毎に可変、さらには動
的に可変なものとしても良い。
には、時間遅れを伴うため、この流下時間分保持してか
ら、和をとることになる。従って、各矩形領域の有効降
雨量を、一時的に複数時間分記憶しておく。以上の理由
から有効降雨量の記憶(12)が必要となる。
る。流下時間は、各矩形領域から流入点に到達するまで
の時間である。まず流入点の定義について図6を用いて
説明する。
る。下水は流入幹線3から、ポンプ所1へと流入し、ポ
ンプ所内では、阻水扉31を通過して、ポンプ32によ
って、排水される。従来法では、流入水量はポンプ所直
前の点、即ち図の33で示される点におけるものとして
計算している。しかしながら、水位が高い場合は、ポン
プ所における下水の貯留断面は、下水幹線の上流にまで
達する。従って、流入点33においては、ポンプ運転の
影響を直接受け、流入量とポンプによる吐出量がほぼ等
しい状態となる。そこで、ポンプ運転の影響を直接受け
る貯留域を35、影響を受けない流下領域を34とし
て、その境界36を流入点とみなす。貯留断水は水位に
よって変化するため、この定義による流入点もまた、動
的に移動する。
流入点は、貯留領域と流下領域の境界とする。両方の領
域の定義は、以下に述べるように、隣接する水位計設置
点間の水位差Δhに基づく。いま、下流側の水位計を6
−i、上流側の水位計を6−i+1とし、下流側の水位
計設置点では、貯留状態であるとする。図7は、下流側
と上流側の水位差Δhが、許容量εを越えない場合で、
この時は、上流側の水位計設置点においても、貯留状態
であるとみなす。図8は、水位差Δhが、許容量εを越
えた場合で、この時は、上流側と下流側の水位から、そ
の間の水位を内挿し、水位差が、下流側に比べて、εと
なった地点を流入点とする。ポンプ所から上流側へ順に
隣接する水位計の水位差を調べていき、最初に水位差が
許容範囲を越えた点を流入点とする。
(14)について説明する。流入点は、動的に変化する
ため、水位計設置点から流入点までの流下時間もそれに
応じて変化する。いま、i番目の矩形領域から下水幹線
までの流下時間をti、n番目の水位計から、流入点ま
での時刻tにおける流下時間をTnとする。流入時間は
両者の和として与えられる。幹線までの流下時間t
iは、矩形領域から帰属水位計までの直接距離diおよび
平均流速vを用いて、
属水位計の座標を(x0,y0)とすると、直接距離di
は、
は、例えば、平坦な都市部では一定値として、やはりパ
ラメータとして扱うことができる。また、標高差がある
場合には、マニング公式より、
Dは、その排水区域内で最も多く使用されている代表的
な管の直径、ΔHi は、矩形領域の重心と帰属水位計設
置点の標高差である。幹線内の流下時間Tn は、下水幹
線の土木構造と流速を用いて、
置点から流入点までの下水幹線を構成する管の管長、v
kはその管内の流速である。流速vkは、例えばマニング
の流速公式を用いて、
と動水勾配の大きな方とする。なお、水位計設置点が貯
留領域内にある場合は、流下時間は0とする。
5)について述べる。ポンプ所流水入量は、各矩形領域
の有効降雨量の時系列の中で、流下時間過去の和を求め
る。しかし、流下時間の扱いは、水位計が流入点の上流
にあるか下流にあるかで扱いが異なるため、まず支配領
域毎の流入量を求める。いま、i番目の矩形領域26の
時刻tにおける、降雨量をrt(t)、下水幹線までの
流下時間をtiとする。水位計、即ち支配領域の番号を
nとすると、この支配領域から下水幹線への時刻tにお
ける流入水量fn(t)は、
り、パラメータである。水位計支配領域ごとの流入量と
動的流下時Tnより、時刻tにおけるポンプ所への流入
水量fp(t)を次のように計算する。
た流入量が、各矩形領域における流下時間だけ過去の有
効降雨量の和であることを示している。
明する。
決定をするとき、および実績に流入水量予測を行うとき
に必要となる表示の、画面レイアウト例を示す。
で表示されている画面である。6−1〜3は水位計設置
点である。41−1〜3は各点での水位データ表示、4
2は、雨水放流先の河川水位データの表示、43は、ポ
ンプ所における流入渠の水位データ表示である。これら
のデータに基づいて判別された流入点36が、下水幹線
3上に示される。
1−1〜3、流渠水位43の表示例である。幹線断面図
46は、横軸にポンプ所から距離、縦軸に高さとして表
示し、横軸上には水位計設置点を示す。幹線断面図の横
軸の方向は、実際の地理的な方向に対応させる。47−
50の折線はそれぞれ、地表面(47)、管渠上部(4
8)、貯留水面(49)、管底(50)を表す。貯留水
面は、水位計測データによって表される点を直線で結ぶ
ことによって得る。
測値に基づいてポンプ運転をしている際に、下水挙動を
把握するために役立つ他、オフラインで流入点の判別基
準となる許容範囲εをチューニングする際に利用する。
εは、下水幹線の形状に影響を受けるため、対象によっ
てそれぞれ異なる値を取りうる。そこでまず、流入点の
移動状態が、水位の上昇に応じて、上流に移動していく
現象が不自然でないようにという定性的な判断により、
εの範囲を限定する。このため、下水挙動を把握できる
上記表示画面が必要となる。εをその範囲内で何種類か
変化させて、最も予測精度が良いものを選択する。
要となる画面を示す。画面はパラメータ一覧51および
予測結果評価56で構成される。パラメータには、降雨
量のうち下水道に流入する水量の比率である流出係数5
2、下水管表面を水が流れるときの抵抗を表す粗度係数
53、地表から下水幹線へ流入するまでの下水の平均移
動速度54、流入点判別のための水位差許容範囲55が
ある。一方、評価基準には、流入水量の実績値と予測値
との相関係数57、平均誤差58、ピーク比率59、ピ
ーク時間差60、がある。ピーク比率59は、流入水量
の極大値の実績値と予測値の比である。ピーク時間差6
0は、流入水量が極大値を取る時刻の実績と予測のずれ
である。図9や図10の表示画面によって、εの大体の
目安を決め最適なεを決定する。チューニング用の画面
は水位差許容範囲εのほか、他のパラメータのチューニ
ングにも利用し、予測精度の向上に役立てる。
いて、幹線内の下水の水理挙動を十分考慮にいれた動的
な流入水量予測を行うことができ、予測精度が向上す
る。また、これによって、より優れたポンプ運転支援を
行うことが可能となり、安全性が良くなる。
図。
図。
の水理挙動を示す図。
る画面レイアウト例を示す図。
する画面レイアウト例を示す図。
測評価値を表示する画面レイアウト例を示す図。
4…汚水送水路、5…雨水排水路、6…水位計、7…レ
ーダ雨量計、17…水位計毎支配領域、21…枝管と下
水幹線との接続点 26.矩形領域 31.阻水扉 3
2.ポンプ 33…流入点(従来法)、34…貯留領
域、35…流下領域、36…動的流入点。
Claims (9)
- 【請求項1】一定の区域の雨水を集約する枝管と、枝管
から集まる雨水を排水ポンプ場へ導く幹線とから成る管
網と、幹線の適当な複数箇所に設けられた水位計と、排
水区域全域の降雨分布が測定可能なレーダ雨量計と、排
水区域内の適当な箇所に設けられた複数の雨量計と、を
有する雨水排水システムにおいて、(1)各水位計の計
測データに影響する枝管を、枝管と幹線との接続点と水
位計の設置点との距離に応じて分類し、(2)各水位計
の計測データに影響する枝管の流域を複数の矩形領域に
分割し、(3)各矩形領域の有効降雨量の時間変化を計
算し、(4)複数時刻の有効降雨量の計算結果を記憶し
ておき、(5)幹線の各水位計の計測データから、幹線
内で雨水が貯留状態から流下状態に変化する流入点を判
別し、(6)流入点より上流の水位計の計測データに影
響する矩形領域から流入点までの流下時間は、水位計設
置点と流入点との間の流下時間と各矩形領域から水位計
設置点までの流下時間の和とし、流入点より下流の水位
計の計測データに影響する矩形領域からの流下時間は、
各矩形領域の重心から水位計設置点までの直線距離に基
づいて求めることによって、前記各矩形領域から前記水
位計設置点までの流下時間とすることによって、流入点
を基準とした流下時間を求め、(7)各矩形領域におけ
る、流下時間だけ過去の有効降雨量の和として、ポンプ
場への流入水量を求め、(8)上記計測データと流入水
量のすくなくとも一方を表示する、ことを特徴とする流
入水量予測方法。 - 【請求項2】上記流入点を判別する処理は、ポンプ場の
水位計から上流方向へ順に、隣接する水位計の水位差を
求めていき、最初に水位差が許容範囲を超えた地点とみ
なす事によって行う請求項1の流入水量予測方法。 - 【請求項3】上記表示する処理は、下水幹線の平面図と
各水位計測点における水位データを表示し、流入点を幹
線平面図上に示す請求項1の流入水量予測方法。 - 【請求項4】上記表示する処理は、下水幹線の断面図と
各水位計測点における水位データを 表示し、流入点を幹
線断面図上に示す請求項1の流入水量予測方法。 - 【請求項5】上記表示する処理は、降雨量のうち下水道
に流入する水量の比率である流出係数、下水管表面を水
が流れるときの抵抗を表す粗度係数、地表から下水幹線
へ流入するまでの下水の平均移動速度、流入点判別のた
めの水位差許容範囲、のうち少なくとも1つ以上をパラ
メータとして表示し、そのパラメータ値での予測評価値
として、流入水量の実績値と予測値との相関係数、平均
誤差、ピーク比率、ピーク時間差、のうち少なくとも1
つ以上を表示する請求項1の流水入量予測方法。 - 【請求項6】水が流入する流入水路から雨水排水ポンプ
場への流入水量を予測する流入水量予測装置において、 前記流入水路での水位変化に基づき、前記流入水路中に
おける前記水の流下状態と貯留状態の境界を流入点とし
て判別する判別手段と、 前記流入点の上流と下流で区別して前記ポンプ場への流
入水量を予測するための情報を計算して、前記計算され
た情報を用いて前記ポンプ場への流入水量を予測する予
測手段と を有することを特徴とする流入水量予測装置。 - 【請求項7】請求項6に記載の流入水量予測装置におい
て、 前記判別手段は 、 前記流入水路に設けられた複数の水位
計で計測された水位から隣接する水位計間の水位差を求
め 、 前記水位差に基づいて前記流入点を判別することを特徴
とする流入水量予測装置。 - 【請求項8】請求項7に記載の流入水量予測装置におい
て、 前記判別手段は、隣接する水位計間の水位差が所定値よ
り大きくなるもののうち、前記ポンプ場に最も近い水位
計間に前記流入点が存在すると判別することを特徴とす
る流入水量予測装置。 - 【請求項9】請求項6乃至8のいずれかに記載の流入水
量予測装置において、 前記予測手段で計算される情報は、流下時間であり、前
記流入点より上流では所定地域から前記流入点までの流
下時間であり、前記流入点より下流では所定地域から前
記水位計設置地点までの流下時間であることを特徴とす
る流入予測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05166593A JP3279703B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 流入水量予測方法および流入水量予測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05166593A JP3279703B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 流入水量予測方法および流入水量予測装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06264495A JPH06264495A (ja) | 1994-09-20 |
JP3279703B2 true JP3279703B2 (ja) | 2002-04-30 |
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ID=12893183
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05166593A Expired - Fee Related JP3279703B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 流入水量予測方法および流入水量予測装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3279703B2 (ja) |
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JP5925585B2 (ja) * | 2012-04-28 | 2016-05-25 | 水ing株式会社 | 幹線マンホール緊急時シミュレーションシステム、方法及びプログラム |
JP6189093B2 (ja) * | 2013-06-04 | 2017-08-30 | 株式会社東芝 | 流量予測装置、流量予測方法、流量予測プログラム、および流量予測システム |
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-
1993
- 1993-03-12 JP JP05166593A patent/JP3279703B2/ja not_active Expired - Fee Related
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