JPH08231814A - ゴム変性共重合樹脂組成物及びその製法 - Google Patents

ゴム変性共重合樹脂組成物及びその製法

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JPH08231814A
JPH08231814A JP34051395A JP34051395A JPH08231814A JP H08231814 A JPH08231814 A JP H08231814A JP 34051395 A JP34051395 A JP 34051395A JP 34051395 A JP34051395 A JP 34051395A JP H08231814 A JPH08231814 A JP H08231814A
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copolymer
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dicarboxylic acid
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毅 森田
Ryoichi Yoneda
量一 米田
Toshiharu Ebara
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スチレン−ブタジエン共重合体に、スチレン
と、(メタ)アクリル酸メチルをグラフト重合して得ら
れる共重合体(A)と、アジピン酸とブタンジオールと
からなるポリエステルに代表される脂肪族ジカルボン酸
のアルキルエステル(B)とを含有する。 【効果】 成形品の透明性、耐衝撃性および表面外観良
好。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良されたゴム変性共重
合樹脂組成物およびその製造方法に関し、さらに詳細に
はスチレン−ブタジエン共重合ゴムの存在下で、スチレ
ン系モノマーと、(メタ)アクリル酸メチルと、その他
のアクリル酸アルキルエステルとをグラフト共重合して
得られる透明性ならびに実用強度、とりわけシ−トや押
出成形品にした場合の透明性、特に成形品の表面外観に
優れ、かつ耐衝撃性や引っ張り伸びに優れたゴム変性共
重合樹脂組成物及びその製造方法。
【0002】
【従来の技術】ゴム変性スチレン系樹脂は、耐衝撃性に
優れた熱可塑性樹脂として現在広く用いられているが、
ゴム質が含まれる為にそのポリスチレンの有する透明性
は全く失われ、その用途が制限されるものであった。そ
のため従来より耐衝撃性と透明性とを合わせ持つ熱可塑
性樹脂として、スチレン−ブタジエン−スチレンのブロ
ック共重合体(SBS樹脂)とポリスチレン樹脂やスチ
レン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体とのブレン
ド物が透明ハイインパクト樹脂として広く使用されてき
た。
【0003】ところが、これらの樹脂も射出成形品やシ
ート成形品にした場合、ゴム強化された透明ABS樹脂
や塩化ビニル樹脂と比較すると透明性や強度の点で充分
ではなく、その性能的な改良や新たな透明・耐衝撃性ス
チレン系樹脂の開発が強く望まれていた。そこで、従来
のSBS樹脂を主体としたブレンド物の欠点を解消する
ために、スチレン−ブタジエン共重合ゴムの存在下、ス
チレン系モノマーと(メタ)アクリル酸アルキルとをグ
ラフト重合させて得られるゴム変性共重合樹脂組成物と
その連続塊状重合法に関する技術が特開平4−1809
07号公報、特開平6−16744号公報に開示されて
いる。
【0004】また、通常、スチレン系樹脂は溶融押出に
よりシートや成形品を製造する際には、成形加工性を高
める手段として、スチレン系重合体に鉱油(ミネラルオ
イル)等の可塑剤を添加する方法が知られており、特に
前記したゴム変性共重合樹脂は、通常のスチレン系樹脂
に比べ、溶融粘度が高く流動性が悪いため、可塑剤の使
用は不可欠な手段となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した鉱油
(ミネラルオイル)を用いた場合、長時間に亘って、押
出成形を続けると、成形品の透明性が低下し外観上の不
良が発生して実用価値を著しく損なうという課題を有し
ていた。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、従来に
なく透明性と耐衝撃性とに優れ、特に押出成形品とした
場合の表面外観に優れるゴム変性共重合樹脂組成物を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、この様な
状況に鑑み鋭意研究した結果、脂肪族ジカルボン酸のア
ルキルエステル類を可塑剤として、スチレン系モノマー
とジエン系モノマーとスチレン系モノマーと(メタ)ア
クリル酸アルキルとのグラフト共重合体と併用すること
により、上記課題を解決できることを見いだし本発明を
完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、スチレン系モノマーとジ
エン系モノマーとの共重合ゴム(a)とスチレン系モノ
マー(b)と(メタ)アクリル酸アルキル(c)とのグ
ラフト共重合体(A)と、脂肪族ジカルボン酸のアルキ
ルエステル類(B)とを必須成分とすることを特徴とす
るゴム変性共重合樹脂組成物、及び、スチレン系モノマ
ーとジエン系モノマーとの共重合ゴム(a)と、スチレ
ン系モノマー(b)と、(メタ)アクリル酸アルキル
(c)とを含有する混合溶液を、攪拌式反応器とそれに
続き可動部分のない複数のミキシングエレメントが内部
に固定されている管状反応器を組み込んでなる連続塊状
重合ライン内でグラフト共重合する際に、(1)重合ライ
ン途中で前記脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類
(B)を混合しつつ前記重合を行なうか、(2)前記混合
溶液中に、脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類
(B)を溶解させ、次いで前記グラフト共重合を行なう
か、或いは、(3)前記グラフト共重合を行ってグラフト
共重合体(A)を得た後、脂肪族ジカルボン酸のアルキ
ルエステル類(B)と溶融混練することを特徴とするゴ
ム変性共重合樹脂組成物の製造方法に関する。
【0009】本発明で用いるグラクト共重合体(A)と
は、スチレン系モノマーとジエン系モノマーとの共重合
ゴム(a)の存在下に、スチレン系モノマー(b)と
(メタ)アクリル酸アルキル(c)とをグラフト共重合
して得られるゴム変性されたグラフト共重合体であり、
ここで用いるスチレン系モノマーとジエン系モノマーと
の共重合ゴム(A)を構成するスチレン系モノマーとし
ては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、ターシャリ
ーブチルスチレン、o−ブロムスチレン、m−ブロムス
チレン、p−ブロムスチレン、o−クロロスチレン、m
−クロロスチレン、p−クロロスチレン等が挙げられ
る。
【0010】一方、当該共重合ゴムを構成するジエン系
モノマーとしては、ブタジエン、クロロプレン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。 共重合
ゴム(A)はこれらのモノマーを組み合わせ反応させて
得られるものが種々挙げられるが、それらの中でもとく
に、上記2成分のお互いの反応性に優れる点からスチレ
ン−ブタジエン共重合ゴムが好ましい。
【0011】上記共重合ゴム(a)は、ジエン系モノマ
ーに基づく不飽和結合のうちの1,2−ビニル結合の割
合が7〜35%のもの、なかでも10〜25%のものが
好ましい。この場合、1,2−ビニル結合の残りはシス
およびトランス結合を形成している。
【0012】ここで、1,2−ビニル結合の割合が7%
以上の共重合ゴムを用いた場合には、ゴム変性共重合樹
脂中のトルエン不溶分含有率が上昇し、耐衝撃性が向上
する。一方、該1,2−ビニル結合の割合が25%以下
の場合には、製造時の高温下での架橋の進行を抑制でき
る一方グラフト化率を高められ、ゴム弾性が向上し、や
はり耐衝撃性が向上する。更に、10〜25%の範囲に
入る場合は、樹脂(A)のグラフト化率と架橋の程度と
のバランスが著しく良好となり、ゴム弾性が著しく向上
する。
【0013】また、共重合ゴム(a)中のスチレン系モ
ノマーとジエン系モノマーとの結合様式としては、ラン
ダム結合とブロック結合とが挙げられ、いずれも使用で
きるが、なかでもブロック結合のものが好ましい。
【0014】また、共重合ゴム(a)中のスチレン骨格
含有率は、25〜55重量%であることが好ましい。ス
チレン骨格含有率が25重量%以上の場合には、ゴム変
性共重合樹脂組成物の透明性が向上する。また、55重
量%以下の場合は、該組成物のゴム弾性顕著になり、耐
衝撃性が向上する。更に、スチレン骨格含有率が30〜
45重量%であることが、透明性と耐衝撃性とが共に著
しく向上する点から好ましい。
【0015】更に、本発明で用いる共重合ゴム(a)
は、5重量%スチレン溶液粘度が5〜40センチポイズ
のものが耐衝撃強度の向上効果が大きく、かつ製造に際
してゴム粒子径のコントロールが容易な点で好ましく、
特に25℃での5重量%スチレン溶液粘度が9〜30セ
ンチポイズで、かつ100℃でのLローター使用による
ムーニー粘度が20〜80のものが好ましい。
【0016】本発明で用いるスチレン系モノマー(b)
としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、ターシャ
リーブチルスチレン、o−ブロムスチレン、m−ブロム
スチレン、p−ブロムスチレン、o−クロロスチレン、
m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等が挙げら
れ、なかでも透明性に優れる点からスチレンが好まし
い。
【0017】本発明で用いる(メタ)アクリル酸アルキ
ル(c)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル等
のアルキルエステル類が挙げられるが、本発明のゴム変
性共重合樹脂組成物に透明性と強度を付与する必須成分
であるが、なかでもメタアクリル酸メチルが好ましい。
【0018】また、(メタ)アクリル酸アルキル(c)
としてメタアクリル酸メチルと、その他のアクリル酸ア
ルキルエステルとを併用しても良く、併用するアクリル
酸アルキルとしては、例えば、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げ
られ、なかでもアクリル酸−n−ブチルが好ましい。
【0019】上記共重合ゴム(a)とスチレン系モノマ
ー(b)と(メタ)アクリル酸アルキル(C)の使用割
合は、特に限定されるものではないが、通常(a)/
[(b)+(c)]の重量比が3/97〜16/84
で、かつ、(b)と(c)との合計に対する(b)の含
有率が30〜60重量%、(c)の含有率が40〜70
重量%となる範囲が透明性と耐衝撃強度に優れたものが
得られる点で好ましい。(a)/[(b)+(c)]の
重量比は、更に5/95〜12/88となることが透明
性と耐衝撃強度が一層向上する点から好ましい。上記
(メタ)アクリル酸アルキルが、メタアクリル酸メチル
と、その他の(メタ)アクリル酸アルキルとを併用して
もよく、その場合には、後者のその他の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルが全(メタ)アクリル酸アルキル
エステル中の2〜20重量%となる範囲で用いることが
好ましい。
【0020】本発明のゴム変性共重合樹脂(A)を製造
するには、上記共重合ゴム(a)の存在下に、スチレン
系モノマー(b)と(メタ)アクリル酸アルキル(c)
を必須成分として用い、更に必要に応じてその他の共重
合可能なモノマーと共に塊状−懸濁重合、溶液重合又は
塊状重合によりグラフト共重合させればよいが、なかで
も塊状重合が生産性とコスト面から好ましい。
【0021】一方、本発明で用いる脂肪族ジカルボン酸
のアルキルエステル類(B)は、特にその構造が特定さ
れるものではなく、直鎖状脂肪族ジカルボン酸と一価ア
ルコールとのジアルキルエステル、直鎖状脂肪族ジカル
ボン酸と多価アルコールとのポリエステル、脂環式ジカ
ルボン酸のジアルキルエステル、又は、脂環式ジカルボ
ン酸と多価アルコールとのポリエステル等が挙げられる
が、なかでも直鎖状脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエ
ステル、若しくは、直鎖状脂肪族ジカルボン酸と多価ア
ルコールとのポリエステルが好ましい。
【0022】ここで用いられる直鎖状脂肪族ジカルボン
酸としては、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の
二塩基酸が挙げられるが、本発明の効果が顕著である点
からアジピン酸が好ましい。
【0023】また、この脂肪族ジカルボン酸に反応させ
る一価アルコールとしては、特に限定されないが、炭素
原子数6以上のものが好ましく、具体的には、ブタノー
ル、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オク
タノール、ノニルアルコール、デカノール等が挙げれ
る。
【0024】上記の脂肪族ジカルボン酸と一価アルコー
ルとから構成されるジアルキルエステルとしては、上記
の何れの組み合わせであってもよいが、特にアジピン酸
ジオクチル、アジピン酸ジイソノリル等が押出成形品と
した場合の表面外観が特に良好となる点から好ましい。
【0025】また、多価アルコールとしては、特に限定
されるものではないが、エチレングリコール、1,2−
プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げ
られ、なかでも本発明の効果が顕著である点から、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオールが好ましい。
【0026】また、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコー
ルとの組み合わせとしては、上記例示化合物の何れを組
み合わせてもよいが、具体的には、アジピン酸と1,3
−プロパンジオールとから構成されるポリエステル、ア
ジピン酸と1,4−ブタンジオールとから構成されるポ
リエステル、アジピン酸と1,5−ペンタンジオールと
から構成されるポリエステルが、押出成形品とした場合
の表面外観が特に良好となる点から好ましい。
【0027】この脂肪族ジカルボン酸と多価アルコール
との反応によって得られるポリエステルは、その分子末
端が水酸基である場合には、停止剤として更に該水酸基
に酢酸或いは脂肪酸等の一価有機酸を使用して反応で
き、また、分子末端がカルボキシル基の場合には、一価
アルコールを停止剤として使用して反応させてもよい。
【0028】ここで、停止剤として使用し得る一価有機
酸としては、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、リノール酸等の炭素原子数10〜20の長鎖
脂肪酸、或いは、酢酸等の重合性有機酸が挙げられる。
一方、一価のアルコールとしては、例えばメタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノー
ル、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、イソヘ
キサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2
−エチルヘキサノール、イソオクタノール、n−ノナノ
ール、イソノナノール、n−デカノール、イソデカノー
ル、イソウンデカノール、ラウリルアルコール、セチル
アルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族アルコー
ルが挙げられる。
【0029】停止剤として使用する、一価有機酸または
一価アルコールの使用量は特に制限されるものではな
く、脂肪族ジカルボン酸、多価アルコールを含む単量体
成分の合計に対して60重量%以下で使用することが好
ましい。
【0030】ポリエステルの具体的な製造方法としては
特に制限されるものではなく、脂肪族ジカルボン酸と、
多価アルコールと、一価有機酸または一価アルコールと
を触媒の存在下に反応させる所謂一段法であってもよい
し、或いは、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールとを
触媒の存在下に反応させ、次いで、一価有機酸または一
価アルコールを反応させる二段法であってもよい。
【0031】触媒として、従来公知のエステル化触媒、
例えば、硫酸、塩酸、トルエンスルホン酸、燐酸等の酸
触媒、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチ
タネート等のチタネート触媒、モノまたはジメチル錫オ
キサイド、モノまたはジブチル錫オキサイド、モノまた
はジオクチル錫オキサイド、モノまたはジメチル錫クロ
ライド、モノまたはジブチル錫クロライド等の有機錫触
媒等が使用できるが、有機錫触媒を用いることが成形品
の透明性の点から好ましい。
【0032】これらの脂肪族ジカルボン酸のアルキルエ
ステル(B)は、特に分子量等については制限されるも
のではないが、通常、BM型粘度計による粘度が10〜
10,000cps(25℃)であることが好ましく、
なかでも10〜5,000cpsの範囲が樹脂(A)と
混合する時の混合分散性、或いは、(a)〜(c)の各
成分との相溶性に優れ、更に透明性、成形品の表面外観
の点からも好ましい。
【0033】これらの脂肪族ジカルボン酸のアルキルエ
ステル(B)は、それぞれ単独で使用してもよいし、ま
た、複数種併用してもよい。
【0034】これらの脂肪族ジカルボン酸のアルキルエ
ステル(B)を、グラフト共重合体(A)と混合する方
法としては、特に制限されず、例えば、グラフト共重合
体(A)を重合する前に、グラフト共重合体(A)の原
料単量体成分に脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル
(B)を溶解し、次いで該単量体成分を重合する方法、
グラフト共重合体(A)の重合途中に脂肪族ジカルボン
酸のアルキルエステル(B)を添加する方法、および、
グラフト共重合体(A)を重合後、脂肪族ジカルボン酸
のアルキルエステル(B)と溶融混練する方法等が挙げ
られる。
【0035】上記の混合方法は、グラフト共重合体
(A)の重合方法に係わらず、例えば、塊状−懸濁重
合、溶液重合および塊状重合の何れの重合方法において
も適用し得るが、塊状−懸濁重合の場合は、重合後にア
ルキルエステル(B)を溶融混練する方法が好ましく、
溶液重合の場合は、予め、単量体成分にアルキルエステ
ル(B)を添加する方法が好ましく、また、塊状重合法
の場合は、重合途中で添加する方法が、生産性および作
業性が良好である点から好ましい。
【0036】特に、塊状重合によって、グラフト共重合
体(A)を製造する場合には、以下に詳述する本発明の
製造方法によって、グラフト共重合体(A)と脂肪族ジ
カルボン酸のアルキルエステル(B)との混合物である
ゴム変性共重合樹脂組成物を製造することが、成形品の
表面外観が著しく良好となり好ましい。
【0037】即ち、スチレン系モノマーとジエン系モノ
マーとの共重合ゴム(a)と、スチレン系モノマー
(b)と、(メタ)アクリル酸アルキル(c)とを含有
する混合溶液を、攪拌式反応器とそれに続き可動部分の
ない複数のミキシングエレメントが内部に固定されてい
る管状反応器を組み込んでなる連続塊状重合ライン内で
グラフト共重合する際に、(1)重合ライン途中で、前記
脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類(B)を混合
しつつ前記重合を行なう方法(以下、この方法を「方法
(1)」と略記する)、(2)前記混合溶液中に、脂肪族ジカ
ルボン酸のアルキルエステル類(B)を溶解させ、次い
でグラフト共重合を行なう方法(以下、この方法を「方
法(2)」と略記する)、或いは、(3)グラフト共重合を行
ってグラフト共重合体(A)を得た後、脂肪族ジカルボ
ン酸のアルキルエステル類(B)と溶融混練する方法
(以下、この方法を「方法(3)」と略記する)、以上の
(1)〜(3)の方法によって、脂肪族ジカルボン酸のアルキ
ルエステル類(B)を混合することにより、得られるグ
ラフト共重合体(A)中のゴム粒子径を小さく、かつ、
ポリマー組成を均一にコントロールでき、更に、アルキ
ルエステル類(B)をより均一に分散できることから、
透明性と耐衝撃性とに優れるゴム変性共重合樹脂組成物
を効率的に製造でき好ましい。
【0038】また、上記の攪拌式反応器とそれに続き可
動部分のない複数のミキシングエレメントが内部に固定
されている管状反応器を組み込んでなる連続塊状重合ラ
インによるグラフト共重合体(A)の重合方法として
は、具体的には、スチレン系モノマーとジエン系モノマ
ーとの共重合ゴム(a)と、スチレン系モノマー(b)
と、(メタ)アクリル酸アルキル(c)とを含有する混
合溶液を、 a.攪拌式反応器と、 b.攪拌式反応器から続き可動部分の全くない複数のミキ
シングエレメントが内部に固定されている1個以上の管
状反応器からなる初期重合ラインと、 c.初期重合ラインから続き可動部分の全くない複数のミ
キシングエレメントが内部に固定されている1個以上の
管状反応器からなる主重合ラインと、 d.初期重合ラインと主重合ラインとの間で分枝して初期
重合ライン内に戻る還流ラインとによって構成される重
合ラインを用い、初期重合ラインから出る初期重合液流
の一部を還流ラインを経て還流させ、一方、還流されな
かった初期重合液流を主重合ラインにおいて重合するこ
とが、ゴム粒子径の点、ポリマー組成の均一性の点から
好ましい。
【0039】上記a.〜d.によって構成される重合ライン
を用いてグラフト共重合体(A)を製造する場合には、
脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類(B)の添加
方法として、上記方法(1)の場合は、a.〜d.における少
なくとも1箇所から、脂肪族ジカルボン酸のアルキルエ
ステル類(B)を添加する方法が挙げられる。特に生産
効率の点から、c,の主重合ラインにおいて加えることが
好ましい。
【0040】また、方法(2)によって脂肪族ジカルボン
酸のアルキルエステル類(B)を添加する場合には、共
重合ゴム(a)とスチレン系モノマー(b)と(メタ)
アクリル酸アルキルとを必須成分とする混合溶液に、予
め脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類(B)を溶
解させた後に、攪拌式反応器a.に導入することが好まし
い。
【0041】方法(3)によって混合する場合には、当該
重合ラインにおいて、グラフト共重合体(A)を製造し
た後、これと脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類
(B)とを押出機等で溶融混練する方法が挙げられる。
【0042】以下に、a.〜d.で構成させる攪拌式反応器
とそれに続き可動部分のない複数のミキシングエレメン
トが内部に固定されている管状反応器(以下、「静的ミ
キシングエレメントを有する管状反応器」と略す)を組
み込んだ連続塊状重合ラインでグラフト共重合体(A)
を重合する方法を図1により、更に具体的に説明する。
【0043】第1図は、静的ミキシングエレメントを有
する管状反応器を組み込んだ連続塊状重合ラインの一例
を示す工程図である。プランジャーポンプ(1)によっ
て供給される前記(a)、(b)、(c)を必須成分と
して含む混合溶液(方法(2)の場合には、更に脂肪族ジ
カルボン酸のアルキルエステル類(B)は、まず撹拌式
反応器(2)(攪拌式混合器a.)へ送られ、撹拌下で初
期グラフト重合させた後、ギアポンプ(3)により、静
的ミキシングエレメントを有する管状反応器(4)、
(5)および(6)から構成される初期重合ライン(初
期重合ラインb.)に送られる。
【0044】ここで、初期重合ラインの出口は二手に分
技しており、一方はギヤポンプ(7)によって前記初期
重合ライン入り口に戻る還流ライン(還流ラインd.)
を形成しており、他方は、連続的に静的ミキシングエレ
メントを有する管状反応器(8)、(9)および(1
0)が直列に組み込まれた非循環重合ライン(II)(主
重合ラインc.)へと続いている。尚、ここで初期重合
ラインと還流ラインとで形成される循環式の重合ライン
を「循環重合ライン(I)」と略記する。
【0045】初期重合ラインで初期重合された重合液の
大部分は、還流ラインを経由して初期重合ライン入り口
に戻され、再度初期重合に供される(循環重合ライン
(I)内での重合)。一方、初期重合ラインで初期重合
された重合液の一部は、前記非循環重合ライン(II)に
送られ主重合が行われる。
【0046】上記の重合装置においては、撹拌式反応器
(2)と初期重合ライン(I)と組み合わせることで、
ゴム粒子に余分な剪断が加わらずゴム粒子のより効率的
な微細化が可能となり、重合工程でのポリマー組成を均
一化出来る。この攪拌式反応器(2)内での予備グラフ
ト重合は、スチレン系モノマー(b)と(メタ)アクリ
ル酸アルキル(c)の合計の重合転化率が、該反応器
(2)の出口において10〜28重量%、好ましくは1
4〜24重量%となる様に実施されることが好ましい。
【0047】また、撹拌式反応器(2)としては、例え
ば撹拌式槽型反応器、撹拌式塔型反応器等が挙げられ、
撹拌翼としては、例えばアンカー型、タービン型、スク
リュー型、ダブルヘリカル型等の撹拌翼が挙げられる。
【0048】本発明では、反応器での上記混合溶液の粘
性を低下させる為に溶剤を使用してもよく、その使用量
は原料モノマーの合計100重量部に対して5〜20重
量部である。溶剤の種類としては、通常、塊状重合法で
使用されているトルエン、エチルベンゼン、キシレン等
が適している。
【0049】また、本発明では、上記混合溶液中にゴム
変性共重合樹脂(A)の分子量調節のためにαーメチル
スチレンダイマーやアルキルメルカプタン等の連鎖移動
剤を添加すると好ましい。該連鎖移動剤の添加量は、通
常原料モノマーの合計に100重量部に対して0.05
〜0.5重量部の範囲であることが好ましい。
【0050】引き続き行われる循環重合ライン(I)で
の初期重合における、該循環重合ライン(I)内での混
合溶液中のゴム粒子は、該循環重合ライン(I)内を循
環しながら静的に混合されて安定化し、粒子径も固定化
してくる。この場合、該循環重合ライン(I)での混合
溶液の還流比(R)と(b)及び(c)の合計の重合転
化率が重要な因子となる。
【0051】還流比Rは、非循環重合ライン(II)に流
出せずに循環重合ライン(I)内を還流する混合溶液の
流量をF1 (リットル /時間)とし、循環重合ライン
(I)から非循環重合ライン(II)に流出する混合溶液
の流量F2 (リットル/時間)とした場合、通常R=F
1 /F2 が3〜15の範囲であることが好ましく、なか
でも管状反応器での圧力損失が小さく、生成するゴム質
重合体粒子が安定で、粒径を小さくすることができ、か
つゴム変性共重合樹脂中のスチレン系モノマー(b)と
(メタ)アクリル酸アルキル(c)の含有比率を一定に
保つことができる点でR=5〜10の範囲が特に好まし
い。
【0052】また、循環重合ライン(I)内でのグラフ
ト重合は、該循環重合ライン(I)出口での(b)と
(c)の合計の重合転化率が、通常35〜55重量%、
好ましくは40〜50重量%になる様に重合させる。重
合温度としては120〜135℃が好ましい。
【0053】循環重合ライン(I)でグラフト重合され
た混合溶液は、次いで非循環重合ライン(II)に供給さ
れ、通常140〜160℃の重合温度でスチレン系モノ
マー(b)と(メタ)アクリル酸アルキル(c)の合計
の転化率が60〜80重量%となるまで連続的に主重合
される。
【0054】ここで、方法(2)によって脂肪族ジカルボ
ン酸のアルキルエステル類(B)を添加する場合には、
この非循環重合ライン(II)の1箇所以上から、該アル
キルエステル類(B)を連続的乃至断続的に添加するこ
とが好ましい。
【0055】次ぎに、非循環重合ライン(II)で主重合
された重合液はギアポンプ(11)により予熱器、次い
で脱揮発槽に送られ、減圧下にて未反応単量体および溶
剤を除去した後、ペレット化することにより目的とする
ゴム変性共重合樹脂が得られる。この際、予熱器および
脱揮発槽内での転化率の上昇が7重量%以下になる条件
で予熱および脱揮発を行うと好ましい。
【0056】本発明で用いる静的ミキシングエレメント
を有する管状反応器の内部に固定されている複数のミキ
シングエレメントとしては、例えば管内に流入した重合
液の流れの分割と流れ方向を変え、分割と合流を繰り返
すことにより重合液を混合するものが挙げられる。この
ような管状反応器としては、例えば、SMX型、SMR
型のスルザー式の管状ミキサー、ケニックス式のスタテ
ィックミキサー、東レ式の管状ミキサー等が好ましい。
【0057】循環重合ライン(I)や非循環重合ライン
(II)に組み込まれるこれらの管状反応器の数は、上記
の如き管状反応器の場合、その長さやミキシングエレメ
ントの構造等による異なるので特に限定されないが、ミ
キシングエレメントを4個以上有する該管状反応器を4
〜15個、好ましくは6〜10個組み合せて用いる。こ
のうち循環重合ライン(I)内に組み込む該管状反応器
の数は、通常1〜10個、好ましくは2〜6個である。
【0058】ここで用いるその他の共重合可能なモノマ
ーとしては、例えば(メタ)アクリロニトリル等のビニ
ル・シアン化合物類;イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、桂皮酸等の重合性不飽和脂肪酸;N−
メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチル
マレイミド、N−オクチルマレイミド、N−イソプロピ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−p−ブロ
モフェニルマレイミド、N−o−クロルフェニルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド
類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸等に代表される不飽和カルボン酸無水物類;アリルア
ミン、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アク
リル酸−アミノプロピル等のアミノ基含有不飽和化合物
類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等アク
リルアミド系化合物があげられる。
【0059】本発明で原料として用いる混合溶液には、
必要に応じて重合開始剤として分解した際にフリーラジ
カルを放出する有機過酸化物を添加すると、比較的低い
温度でのグラフト化と反応の促進が行えるので好まし
い。その添加量は原料モノマーの合計100重量部に対
して0.005〜0.04重量部の範囲である。
【0060】ここで用いる有機過酸化物としては、半減
期が10時間になる温度が75〜170℃のものが好ま
しく、その具体例としては 1,1−ジ−t−ブチパーオキ
シシクロヘキサン、1,1-ジ−t−ブチルパーオキシ−3,
3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ジ−t−ブチルパ
ーオキシオクタン、n−ブチル−4,4-ジ−t−ブチルパ
ーオキシバレレート、2,2-ジ−t−ブチルパーオキシブ
タン等のパーオキシケタール類;t−ブチルパーオキシ
アセテート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5-トリメチル
ヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t
−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジパ
ーオキシイソフタレート、2,5-ジメチル−2,5-ジベンゾ
イルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイ
ン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジークミルパーオ
キサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメン
ハイドロパーオキサイド等のパーオキシエステル類等が
挙げられ、単独あるいは2種以上組み合せて用いられ
る。
【0061】さらに、本発明で用いる混合溶液には、必
要に応じて、ミネラルオイル等の可塑剤、酸化防止剤、
連鎖移動剤、長鎖脂肪酸、そのエステルもしくはその金
属塩等の離型剤、シリコンオイルなどの如き公知の添加
剤を併用しても良い。
【0062】この様にして得られるグラフト共重合体
(A)は、25℃でのトルエン不溶分含有率が4〜22
重量%、トルエンによる膨潤指数が11〜19で、かつ
トルエン不溶分含有率/膨潤指数が0.20〜1.20
重量%であることが好ましい。この数値範囲にある場
合、該共重合体内において該共重合ゴムのグラフト化率
と架橋の程度のバランスが良好となり、透明性及び耐衝
撃性が著しく向上する。
【0063】また、グラフト共重合体(A)の中の平均
ゴム粒子径は0.05〜0.80μmであることが好ま
しく、特に成形品の透明性と耐衝撃性とに優れる点から
0.10〜0.50μmのものが好ましい。
【0064】また、グラフト共重合体(A)中のマトリ
ックス相である(b)及び(c)との共重合体の重量平
均分子量(Mw)が10万〜18万で、かつ重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが
1.8〜2.5のものが好ましく、なかでも重量平均分
子量(Mw)が12〜15万のもの耐衝撃性及び樹脂の
流動性が向上し透明性に優れる点から特に好ましい。
【0065】また、前記方法(3)として、上記方法によ
ってグラフト共重合体(A)を製造した後に、脂肪族ジ
カルボン酸のアルキルエステル類(B)を混合する場
合、上記のグラフト重合を行った後、重合溶液から揮発
性を取り除いた後に、特に制限されず、攪拌式混合機、
二軸押出機、ニーダー、熱ロール、バンバリーミキサー
等を用い、通常、180〜260℃、好ましくは200
〜220℃で溶融混練する方法が挙げられる。
【0066】溶融混練方法としては、特に成型品の透明
性が良好となり、組成物の均一分散性が良好となる点か
ら二軸押出機が好ましく、L/Dの20以上のものか、
二軸機押出機が混練効果が高くなり好ましい。
【0067】脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類
(B)の配合量は、特に制限を受けるものではないが、
グラフト共重合体(A)、または、その原料成分である
(a)〜(c)成分の合計重量と、脂肪族ジカルボン酸
のアルキルエステル類(B)の重量との比率で、通常、
前者/後者=99.9/0.1〜80/20であること
が好ましいが、なかでも前者/後者=99.9/0.1
〜95/5であることが、透明性および成形品の表面外
観に優れる点から好ましい。
【0068】本発明のゴム変性共重合樹脂組成物は、上
記グラフト共重合体(A)及び脂肪族ジカルボン酸のア
ルキルエステル類(B)に、更にスチレン系モノマーと
ジエン系モノマーとのブロック共重合体(C)を含有す
ることが、成形品の耐衝撃性、とりわけシートにした場
合の伸びが良好となる点から好ましい。
【0069】このブロック共重合体(C)としては、芳
香族ビニル系モノマーの重合体ブロックの1個以上と共
役ジエン系モノマーの重合体ブロックの1個以上とを必
須成分としてなる熱可塑性エラストマ−であることが好
ましく、特に、スチレン骨格含有率が20〜50重量%
であることが好ましい。ここで、スチレン骨格含有率と
は、芳香族ビニル系モノマーの重合体ブロックの含有率
をいい、20重量%以上においては透明性が良好であ
り、一方、50重量%以下においては、耐衝撃強度の向
上効果が顕著になる。即ち、当該数値範囲においては、
透明性と損なうことなく、耐衝撃強度を著しく向上させ
ることができる。
【0070】ブロック共重合体(C)の分子構造として
は、直線状、分岐状、放射状あるいはこれらの組み合わ
せのものでも良く、ブロックの構造としては、完全ブロ
ック構造でも良いし、あるいは、芳香族ビニル化合物の
重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックと
の遷移部にランダム共重合体部分を含有した所謂テ−パ
−ブロック構造のものでも良い。
【0071】ブロック共重合体(C)の製造に用いられ
る芳香族ビニル系モノマーとしては、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ジメチルスチレン、p−タ−シャリ−ブチル
スチレン等の中から1種または2種以上が選択でき、な
かでも透明性に優れる点からスチレンが好ましい。ま
た、共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イ
ソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等の中から
1種または2種以上が選択でき、なかでも耐衝撃強度向
上効果に優れる点からブタジエンが好ましい。
【0072】また、本発明で用いるブロック共重合体
(C)は、上記芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合
物を必須成分とするブロック共重合体に更に、本発明の
効果を妨げない範囲で不飽和カルボン酸を付加させて、
酸変性ブロック共重合体として用いても良い。
【0073】このような不飽和カルボン酸としては、例
えばマレイン酸、ハロゲン化マレイン酸、イタコン酸、
フマル酸、シトラコン酸、シス−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸等を代表とする不飽和ジカルボン
酸およびこれらの無水物;アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸等を代表とす
る不飽和モノカルボン酸等が挙げられ、これらは1種ま
たは2種以上併用して使用することができる。
【0074】これらのブロック共重合体(C)を製造す
る方法としては、例えば炭化水素溶剤中で有機リチウム
化合物等のアニオン重合開始剤を用い、芳香族ビニル化
合物と共役ジエン化合物とをブロック共重合させる方法
等が挙げられ、酸変性ブロック共重合樹脂を製造する方
法としては、例えば溶融状態または溶液状態において、
上記ブロック共重合樹脂に不飽和カルボン酸をグラフト
反応させる方法等が挙げられ、いずれも公知の種々の方
法が適用できるが、この種の市販の樹脂をそのまま用い
ることができるのは無論である。
【0075】本発明のゴム変性共重合樹脂組成物におい
て、グラフト共重合体(A)と脂肪族ジカルボン酸のア
ルキルエステル類(B)とブロック共重合体(C)とを
含有する場合において、その配合比率は得られる組成物
の使用目的に応じて調製することができ、特に限定され
るものではないが、グラフト共重合体(A)と脂肪族ジ
カルボン酸のアルキルエステル類(B)との合計97〜
80重量%であり、ブロック共重合体(C)3〜20重
量%であることが好ましい。ブロック共重合体(C)を
3重量%以上用いた場合は、シート成形品にした場合の
耐衝撃強度及び引張破断伸びに著しく優れ、また、20
重量%以下で用いた場合は成形品の表面光沢に優れる。
【0076】ブロック共重合体(C)を、本発明のゴム
変性共重合樹脂組成物へ添加する時期は、任意であって
よいが、グラフト共重合体(A)と脂肪族ジカルボン酸
のアルキルエステル類(B)とが混合物、好ましくは
(A)と(B)との溶融混練物とブロック共重合体
(C)とを押出機内で溶融混合する方法が好ましい。
【0077】更に具体的には、前記方法(2)によって脂
肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類(B)をグラフ
ト共重合体(A)に混合した混合物と、ブロック共重合
体(C)とを押出機内で溶融混合することが組成物の均
一性の点から好ましい。
【0078】(A)成分と(B)成分との混合物と、
(C)成分との混合方法としては特に制限されず、公知
の方法で行なうことができるが、既述の通り、押出機で
の混合が好ましく、具体的にはL/D=30以上の押出
機で、180〜220℃の温度条件にて溶融混合するこ
とが好ましい。
【0079】このようにして得られる本発明のゴム変性
共重合樹脂組成物は、さらに通常用いられる酸化防止
剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、帯電防止
剤、発泡剤、補強材等を配合することが出来る。
【0080】これらの中でも好ましいものとしては、有
機ポリシロキサン、高級脂肪酸及びその金属塩、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤、ガラス繊維等が挙げら
れ、それぞれ単独又は併用して用いることが出来る。
【0081】また、その用途は、特に限定されるもので
はないが、シート押出成形、或いは、IC用のキャリア
マガジンレール等の異形押出成形において特に有用であ
る。即ち、シート押出成形の場合には、これまでロール
上で樹脂と可塑剤が分離して油状物がブリードし、シー
トの汚れを引き起こすという問題が改善される。
【0082】シートの製造法は特に限定されず、上述し
た各成分を混合し、ドライブレンド又はプレミキシング
等の方法により予め混合したものを溶融押出して、Tダ
イ、サーキュラーダイ等から連続的に押出し、そのホッ
トパリソンより押出しをそのまま或いは冷却し延伸に適
当な温度に調整して高延伸倍率、例えば2〜5倍で1軸
若しくは2軸で面積延伸比に延伸する方法等が挙げられ
る。また、ブロック共重合体(C)を併用する場合に
は、シート成膜時の溶融混練時において、該(C)成分
を混合することが好ましい。また、溶融押出した原反を
1度冷却し、次いで再度再加熱により面積比で3〜15
倍に延伸してもよい。シートの厚みは特に限定されるも
のではなく、通常、0.01〜10.0mmであるが、
衝撃強度向上効果が顕著に発現する好ましい範囲は、グ
ラフト共重合体(A)中のグラフトされた共重合ゴム
(a)の粒子径により異なが、グラフトされた共重合ゴ
ム(a)の粒子径が0.05〜0.80μmの場合には
シートの厚みは0.02〜5.0mmであることが好ま
しい。
【0083】一方、異形押出成形の例ではIC用のキャ
リアマガジンレールを製造する際に、サイジング部で可
塑剤がブリードして成形品の表面に斑点マークが発生し
て透明性が低下することが問題になっており、例えば、
まとまった個数のICをマガジンレールに収納して保
管、搬送する際に、ICの種類を示す表示や形状を外部
から一見して読みとることの障害になっていたが、この
問題も改善された。
【0084】また、本発明のゴム変性共重合樹脂組成物
は、上記のシ−ト成形品や異形押出品に限定されるもの
では無く、さらに、射出成形、単軸押出成形、二軸延伸
押出成形、インフレ−ション押出成形、異形押出成形、
真空成形、圧空成形、吹込成形などの成形方法により各
種成形品にして使用することが出来る。
【0085】その用途は広範なものに及び、例えばラジ
オカセット、オーディオプレーヤー、ビデオテープレコ
ーダなどの家庭電気・器具類の部品;複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ、パソコンなどのOA機器の各種部
品;ICキャリア−マガジン;トレー、カップ、蓋等の
食品容器;医療器具類の部品;ブリスターパッケージ;
未延伸フィルムやシュリンクフィルムなどの包装用フィ
ルム等として用いられる。
【0086】更に本発明のゴム変性共重合樹脂には、必
要に応じて石油樹脂、ポリスチレン樹脂、ゴム変性ポリ
スチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、ス
チレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂、(メタ)アク
リル樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、スチ
レン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、ポリカ−ボネ−
ト樹脂、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂を適宜添加す
ることもできる。
【0087】これらのなかでも特に石油樹脂が耐熱性を
低下させることなく、成形加工性を著しく改善できる点
から好ましい。ここで、石油樹脂とは例えば、ナフサ等
の熱分解により副生する多数の不飽和炭化水素を含む分
解油留分を重合させたものが挙げられ、具体的には、C
5留分から得られるC5系石油樹脂、C9留分から得ら
れるC9系石油樹脂、C5留分とC9留分との共重合体
であるC5C9共重合系石油樹脂等が挙げられる。
【0088】C5系石油樹脂は、イソプレン、ペンタジ
エン、ピペリレン、ペンテン、メチルブテン等のC5留
分の重合体が挙げられる。また、通常テルペン樹脂とし
て用いられているものも使用し得る。これらのC5系石
油樹脂は、水添されているものが変色防止等の熱安定性
に優れる点から好ましい。
【0089】C9系石油樹脂は、スチレン、ビニルトル
エン、α,β−メチルスチレン、インデン等の単独重合
体若しくは共重合体が挙げられる。また、C9系石油樹
脂は透明性及び熱安定性の点から水添されているものが
好ましい。
【0090】また、C5C9共重合系石油樹脂として
は、イソプレン、ペンタジエン、ピペリレン、ペンテ
ン、メチルブテン等のC5留分と、スチレン、ビニルト
ルエン、α,β−メチルスチレン、インデン等のC9留
分との共重合体が挙げられる。また、これも熱安定性に
優れる点から水添したものが好ましい。
【0091】上記各種の石油樹脂の中でも特に成形加工
性に加え、耐候性と透明性とが著しく良好である点から
C9系石油樹脂、特にC9系石油樹脂の水添物が好まし
い。また、C9系石油樹脂の水添物のなかでも特に屈折
率が1.530〜1.550のものが、透明性がより良
好なものとなり好ましい。この様なC9系石油樹脂の水
添物としては例えば「アルコンM−90」「アルコンM
−100」「アルコンM−115」(以上荒川化学工業
株式会社製)等が挙げられる。
【0092】尚、前記グラフト共重合体(A)中の平均
ゴム粒子径、トルエン不溶分含有率とトルエンによる膨
潤指数の測定方法を以下に記す。 1.グラフト共重合体(A)中のグラフトされた共重合
ゴムの平均粒子径 樹脂の超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真をとり、
写真中の粒子1000個の粒子径を測定して次式により平均
粒子径を求めた。
【0093】
【式1】 (ただし、ni は粒径Di を有するゴム粒子の個数であ
る。) 2.トルエン不溶分含有率およびトルエンによる膨潤指
数 グラフト共重合体(A)1gを精秤し、トルエン100
ml に25℃で24時間かけて溶解させた後、溶解液を
遠心管に移し、10℃以下、8500rpm で15分間遠心分
離を行ない、上澄液をデカンテーションにより除いた
後、トルエンで膨潤した不溶分の重さを測定する。次に
60℃の真空乾燥器で24時間乾燥させ、得られたトル
エン不溶分の重さを測定し、以下の式によりトルエン不
溶分含有率を算出する。
【0094】
【式2】 また、膨潤指数は次式により算出する。
【0095】
【式3】
【0096】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を更に具体的に
説明する。ただし、例中の部はすべて重量部を、また%
は全光線透過率と1,2-ビニル結合の割合を除きすべて重
量%を示す。
【0097】尚、例中の物性値は以下の様に測定した。 1) シートの透明性、曇価 ASTMD-1003に準拠してその値を求めた。 2) シートの伸び 引張破断伸びJIS K-7113 に準拠し、試験速度を毎分50
mmとして値を求めた。
【0098】但し、試験片はJIS K-6732記載の引張試験
片を用いた。 3) シート及びロールの油汚れ 10時間連続成形して、シートとロールに油汚れが全く
発生しなかったものを○で表し、成形開始してから10
〜20分後、油汚れが発生して外観不良が認められたも
のを×で表した。 4) 異形押出成形品の油汚れ 10時間連続成形して、得られたIC用キャリアマガジ
ンに油汚れによる不透明な斑点が発生しなかったものを
○で表し、成形30分後から不透明な斑点が発生したも
のを×で表した。 5) 共重合ゴム中の1,2−不飽和結合の割合の測定法 赤外分光分析(モレロ法)によって測定した。
【0099】尚、以下に詳述する参考例、実施例及び比
較例においては、第1図に示すように配列された装置を
用いた。スチレン、メタクリル酸メチル、ゴム質重合体
および溶媒を含む混合溶液を、プランジャーポンプ
(1)によって20リットルの撹拌式反応器(2)へ送
り、撹拌翼による動的混合下に初期グラフト重合した。
次いでこの混合溶液をギアポンプ(3)によって循環重
合ライン(I)に送る。循環重合ライン(I)は入口か
ら順に内径2.5インチ管状反応器(スイス国ゲブリュー
ダー・ズルツァー社製SMX型スタティックミキサー・
静的ミキシングエレメント30個内蔵)(4)、(5)
および(6)と混合溶液を循環させるためのギアポンプ
(7)から構成されている。管状反応器(6)とギアポ
ンプ(7)の間には非循環重合ライン(II)に続く出口
が設けられている。非循環重合ライン(II)には入口か
ら順に上記と同様の管状反応器(8)、(9)および
(10)とギアポンプ(11)が直列に連結されてい
る。
【0100】参考例1 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔25℃におけ
る5%スチレン溶液粘度(以下、5%SVと略す):1
0センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:18%、スチ
レン/ブタジエン重量比:35/65 〕10部、スチレン4
6部、メタクリル酸メチル54部およびエチルベンゼン
10部から成る混合溶液を調製し、さらに、連鎖移動剤
として単量体混合物100部に対して0.1部のn−ドデ
シルメルカプタンおよび有機過酸化物として単量体混合
物100部に対して0.02部のt−ブチルパーオキシ
ベンゾエートを加え、上記装置を用いて以下の条件下で
連続的に塊状重合させた。
【0101】 混合溶液の連続的な供給量:10リットル/時間 撹拌式反応器(2)での反応温度:120℃ 循環重合ライン(I)での反応温度:135℃ 非循環重合ライン(II)での反応温度:140〜160
℃ 重合させて得られた混合溶液を熱交換器で225 ℃まで加
熱し、50mmHgの減圧下で揮発性成分を除去した後、ペ
レット化してグラフト共重合体(A−1)を得た。この
グラフト共重合体(A−1)の平均ゴム粒子径は0.5
1μm、膨潤指数は14.2、トルエン不溶分含有率1
3.9%、トルエン不溶分/膨潤指数0.98であっ
た。
【0102】参考例2 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔5%SV:
10センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:22%、ス
チレン/ブタジエン重量比:38/62 〕10部、スチレン
48部、メタクリル酸メチル47部、アクリル酸ブチル
5部およびエチルベンゼン10部から成る混合溶液を用
いた以外は参考例1と同様にしてグラフト共重合体(A
−2)を参考例2を得た。このグラフト共重合体(A−
2)の平均ゴム粒子径は0.43μm、トルエン不溶分
含有率12.7%、膨潤指数は15.9、トルエン不溶
分/膨潤指数0.79であった。
【0103】参考例3 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔5%SV:
10センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:22%、ス
チレン/ブタジエン重量比:38/62 〕10部、スチレン
48部、メタクリル酸メチル42部、アクリル酸ブチル
10部およびエチルベンゼン10部から成る混合溶液を
用いた以外は参考例1と同様にしてグラフト共重合体
(A−3)を得た。このグラフト共重合体(A−3)の
平均ゴム粒子径は0.50μm、トルエン不溶分含有率
12.7%、膨潤指数は14.1、トルエン不溶分/膨
潤指数0.90であった。
【0104】実施例1 管状反応器(8)の直前において、脂肪族ジカルボン酸
のアルキルエステル類(B−1)として分子末端をオク
チルアルコールで封止したアジピン酸とブタンジオール
とのポリエステル(粘度200cps)を連続的に系内に
添加する他は、参考例2と同様にしてグラフト共重合体
(A−2)の重合を行い、目的とするゴム変性共重合樹
脂組成物を得た。
【0105】このようにして得られたゴム変性共重合樹
脂組成物を押出成形して厚さ0.3mmのシートを作成
して、シートの表面外観を観察した。尚、シート成形条
件は次の通りである。
【0106】シート成形機 :ユニオンプラスチック
(株)製UEV型30mm押出機 シリンダー温度:210℃ Tダイ設定温度:210℃ タッチロール設定温度:70℃ 引取速度 :1.4m/分 リップ開度 :0.45mm
【0107】実施例2 参考例2で得られたグラフト共重合体(A−2)100
部当たりに、脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類
(B−2)として分子末端をオクチルアルコールで封止
したアジピン酸とブタンジオールとのポリエステル(粘
度4000CPS)を第1表に示す割合で混合し、二軸押
出機を用いてペレット化して本発明のゴム変性樹脂組成
物を得た。
【0108】このようにして得られたゴム変性共重合樹
脂組成物を押出成形して厚さ0.3mmのシートを作成
して、シートの表面外観を観察した。
【0109】実施例3 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔5%SV:
10センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:22%、ス
チレン/ブタジエン重量比:38/62 〕10部、スチレン
48部、メタクリル酸メチル47部、アクリル酸ブチル
5部およびエチルベンゼン10部から成る混合溶液に、
脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類(B−3)と
してアジピン酸ジオクチル(粘度14CPS)を表1に示
す割合になるように原料溶液に加えて参考例1と同様に
グラフト共重合体(A−1)の重合を行い目的とするゴ
ム変性樹脂組成物を得た。
【0110】このようにして得られたゴム変性樹脂組成
物を50mmの異形押出機を用いシリンダー温度180
〜210℃、ダイス温度210℃の条件でICキャリア
ーマガジンを得た。 このようにして得られた成形品は
内部の透視性に優れ、収納した部品の表示や個数を容易
に読みとることが出来た。
【0111】実施例4 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔25℃におけ
る5%スチレン溶液粘度(以下、5%SVと略す):1
0センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:18%、スチ
レン/ブタジエン重量比:35/65 〕10部、スチレン4
6部、メタクリル酸メチル54部およびエチルベンゼン
10部から成る混合溶液に、脂肪族ジカルボン酸のアル
キルエステル類(B−3)を第1表に示す割合になるよ
うに原料溶液に加えて参考例1と同様にグラフト共重合
体(A−1)の重合を行い目的とするゴム変性樹脂組成
物を得た。
【0112】このようにして得られたゴム変性樹脂組成
物を実施例3と同様にして成形評価した。
【0113】実施例5 管状反応器(8)の直前において、脂肪族ジカルボン酸
のアルキルエステル類(B-1)を連続的に系内に添加
する他は、参考例3と同様にしてグラフト共重合体(A
−3)の重合を行い、目的とするゴム変性共重合樹脂組
成物を得た。
【0114】このようにして得られたゴム変性共重合樹
脂組成物の90%と日本合成ゴム(株)製のスチレンー
ブタジエンブロック共重合樹脂TR−2000(スチレ
ン含有率40%)の10部とをタンブラーで混合して、
シート押出成形して厚さ0.35mmのシートを作成し
て、シートの各種物性を測定した。測定結果を第1表に
示す。
【0115】尚、シート成形条件は次の通りである。 シート成形機 :ユニオンプラスチック(株)製UEV
型30mm押出機 シリンダー温度:210℃ Tダイ設定温度:210℃ タッチロール設定温度:60℃ 引取速度 :1.4m/分 リップ開度 :0.45mm
【0116】比較例1 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔5%SV:
10センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:22%、ス
チレン/ブタジエン重量比:38/62 〕10部、スチレン
48部、メタクリル酸メチル47部、アクリル酸ブチル
5部およびエチルベンゼン10部から成る混合溶液に、
芳香族ジカルボン酸のアルキルエステル類として、ポリ
サイザーW−20(フタル酸系ポリエステル、粘度10
00CPS、大日本インキ化学工業(株)製)を第1表に
示す割合になるように原料溶液に加えて重合させる以外
は参考例2と同様にしてゴム変性樹脂組成物を得た。
【0117】このようにして得られたゴム変性樹脂組成
物を実施例1と同様にして成形評価した。結果を第1表
に示す。
【0118】比較例2 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔25℃におけ
る5%スチレン溶液粘度(以下、5%SVと略す):1
0センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:18%、スチ
レン/ブタジエン重量比:35/65 〕10部、スチレン4
6部、メタクリル酸メチル54部およびエチルベンゼン
10部から成る混合溶液に、芳香族ジカルボン酸のアル
キルエステル類として、フタル酸ジブチル(粘度19CP
S)を第1表に示す割合になるように原料溶液に加えて
重合させる以外は参考例1と同様にして重合を行いゴム
変性樹脂組成物を得た。
【0119】このようにして得られたゴム変性樹脂組成
物を実施例3と同様にして成形評価した。結果を第1表
に示す。
【0120】比較例3 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔25℃におけ
る5%スチレン溶液粘度(以下、5%SVと略す):1
0センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:18%、スチ
レン/ブタジエン重量比:35/65 〕10部、スチレン4
6部、メタクリル酸メチル54部およびエチルベンゼン
10部から成る混合溶液に、流動パラフィン「S−25
0」(Witco Chemical社製)を第2表に示す割合になる
ように原料溶液に加えて重合させる以外は参考例1と同
様にして重合を行いゴム変性樹脂組成物を得た。
【0121】このようにして得られたゴム変性樹脂組成
物を実施例3と同様にして成形評価した。結果を第2表
に示す。
【0122】比較例4 管状反応器の直前において、フタル酸ジブチル(粘度1
9CPS)を第1表に示す割合になるように連続的に系内
に添加する他は、参考例3と同様にしてグラフト共重合
を行い、ゴム変性樹脂組成物を得た。
【0123】このようにして得られたゴム変性樹脂組成
物の90%と日本合成ゴム(株)製のスチレンーブタジ
エンブロック共重合樹脂TR−2000(スチレン含有
率40%)の10部とをタンブラーで混合して、実施例
5と同様にシート押出成形して厚さ0.35mmのシー
トを作成して、シートの各種物性を測定した。結果を第
2表に示す。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】
【発明の効果】本発明によれば、透明性と耐衝撃性とに
優れ、特に成形品における表面外観、とりわけ透明性に
優れたゴム変性共重合樹脂組成物を提供できる。
【0127】本発明によって得られるゴム変性共重合樹
脂組成物はゴム各種成形品に好適に使用できるが、特に
押出成形品とした場合にはその透明性と耐衝撃性が著し
く優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、静的ミキシングエレメントを有する管状反応
器を組み込んだ連続塊状重合ラインの1例を示す工程図
である。
【図1】 (1):プラジャーポンプ (2):攪拌式反応器 (3):ギヤポンプ (4):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (5):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (6):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (7):ギヤポンプ (8):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (9):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (10):静的ミキシングエレメントを有する管状反応
器 (I):循環重合ライン (II):非循環重合ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 53/02 LLW C08L 53/02 LLW LLY LLY

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系モノマーとジエン系モノマー
    との共重合ゴム(a)とスチレン系モノマー(b)と
    (メタ)アクリル酸アルキル(c)とのグラフト共重合
    体(A)と、脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類
    (B)とを必須成分とすることを特徴とするゴム変性共
    重合樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル
    類(B)が、BM型粘度計による粘度が10〜10,0
    00cps(25℃)の脂肪族エステル若しくはポリエ
    ステルである請求項1記載のゴム変性共重合樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル
    類(B)をグラフト共重合体(A)に対して0.1〜2
    0重量%となる割合で含有する請求項1及び2記載のゴ
    ム変性共重合樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 グラフト共重合体(A)を構成するスチ
    レン系モノマーとジエン系モノマーとの共重合ゴム
    (a)が、スチレン骨格含有率が25〜55重量%のも
    のである請求項1〜3記載のゴム変性共重合樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 グラフト共重合体(A)を構成するスチ
    レン系モノマーとジエン系モノマーとの共重合ゴム
    (a)が、ブタジエンに基づく1,2−不飽和結合の割
    合が7〜35重量%含有することを特徴とする請求項1
    〜4記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (メタ)アクリル酸アルキル(b)とし
    て、メタアクリル酸メチルと、その他のアクリル酸アル
    キルエステルとを併用することを特徴とする請求項1〜
    5記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 グラフト共重合体(A)及び脂肪酸ジカ
    ルボン酸のアルキルエステル類(B)に加えて、スチレ
    ン系モノマーとジエン系モノマーとのブロック共重合体
    (C)を含有する請求項1〜6の何れか1つに記載のゴ
    ム変性共重合樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 ブロック共重合体(C)が、スチレン骨
    格含有率20〜50重量%のものである請求項7記載の
    ゴム変性共重合樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 グラフト共重合体(A)が、スチレン系
    モノマーとジエン系モノマーとの共重合ゴム(a)とス
    チレン系モノマ−(b)と(メタ)アクリル酸アルキル
    (b)とを、(a)/[(b)+(c)]の重量比が1
    /99〜20/80で、(b)/(c)の重量比が15
    /85〜70/30となる範囲で用いる請求項1〜8記
    載の樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 グラフト共重合体(A)が、25℃で
    のトルエン不溶分含有率が4〜22重量%、トルエンに
    よる膨潤指数が11〜19で、かつトルエン不溶分含有
    率/膨潤指数が0.20〜1.20重量%のものである
    請求項1〜7の何れか1つに記載の樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 グラフト共重合体(A)が、スチレン
    系モノマーとジエン系モノマーとの共重合ゴム(a)
    と、スチレン系モノマー(b)と、(メタ)アクリル酸
    アルキル(c)とを含有する混合溶液を、攪拌式反応器
    とそれに続き可動部分のない複数のミキシングエレメン
    トが内部に固定されている管状反応器を組み込んでなる
    連続塊状重合ライン内でグラフト共重合して得られるも
    のである請求項1〜10の何れか1つに記載の樹脂組成
    物。
  12. 【請求項12】 スチレン系モノマーとジエン系モノマ
    ーとの共重合ゴム(a)と、スチレン系モノマー(b)
    と、(メタ)アクリル酸アルキル(c)とを含有する混
    合溶液を、攪拌式反応器とそれに続き可動部分のない複
    数のミキシングエレメントが内部に固定されている管状
    反応器を組み込んでなる連続塊状重合ライン内でグラフ
    ト共重合する際に、 (1)重合ライン途中で前記脂肪族ジカルボン酸のアルキ
    ルエステル類(B)を混合しつつ前記重合を行なうか、 (2)前記混合溶液中に、脂肪族ジカルボン酸のアルキル
    エステル類(B)を溶解させ、次いで前記グラフト共重
    合を行なうか、或いは、 (3)前記グラフト共重合を行ってグラフト共重合体
    (A)を得た後、脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステ
    ル類(B)と溶融混練することを特徴とするゴム変性共
    重合樹脂組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】 スチレン系モノマーとジエン系モノマ
    ーとの共重合ゴム(a)と、スチレン系モノマー(b)
    と、(メタ)アクリル酸アルキル(c)とを含有する混
    合溶液を、 a.攪拌式反応器と、 b.攪拌式反応器から続き可動部分の全くない複数のミキ
    シングエレメントが内部に固定されている1個以上の管
    状反応器からなる初期重合ラインと、 c.初期重合ラインから続き可動部分の全くない複数のミ
    キシングエレメントが内部に固定されている1個以上の
    管状反応器からなる主重合ラインと、 d.初期重合ラインと主重合ラインとの間で分枝して初期
    重合ライン内に戻る還流ラインとによって構成される重
    合ラインを用い、初期重合ラインから出る初期重合液流
    の一部を還流ラインを経て還流させ、一方、還流されな
    かった初期重合液流を主重合ラインにおいて重合する際
    に、(1)脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類
    (B)を重合ライン中で重合溶液に混合しながら前記重
    合を行なうか、(2)前記混合溶液中に、脂肪族ジカルボ
    ン酸のアルキルエステル類(B)を溶解させ、次いで前
    記グラフト共重合を行なうか、或いは、(3)前記グラフ
    ト共重合を行ってグラフト共重合体(A)を得た後、脂
    肪族ジカルボン酸のアルキルエステル類(B)と溶融混
    練する請求項12記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 スチレン系モノマーとジエン系モノマ
    ーとの共重合ゴム(a)と、スチレン系モノマー(b)
    と、(メタ)アクリル酸アルキル(c)とを含有する混
    合溶液を、 a.攪拌式反応器と、 b.攪拌式反応器から続き可動部分の全くない複数のミキ
    シングエレメントが内部に固定されている1個以上の管
    状反応器からなる初期重合ラインと、 c.初期重合ラインから続き可動部分の全くない複数のミ
    キシングエレメントが内部に固定されている1個以上の
    管状反応器からなる主重合ラインと、 d.初期重合ラインと主重合ラインとの間で分枝して初期
    重合ライン内に戻る還流ラインとによって構成される重
    合ラインを用い、初期重合ラインから出る初期重合液流
    の一部を還流ラインを経て還流させ、一方、還流されな
    かった初期重合液流を主重合ラインに導入し、かつ、主
    重合ラインの途中から脂肪族ジカルボン酸のアルキルエ
    ステル類(B)を加えながら重合する請求項12記載の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 グラフト共重合体(A)と、脂肪酸ジ
    カルボン酸のアルキルエステル類(B)との混合物を得
    た後、該混合物とスチレン系モノマーとジエン系モノマ
    ーとのブロック共重合体(C)とを溶融混練する請求項
    12〜14記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 脂肪族ジカルボン酸のアルキルエステ
    ル類(B)が、BM型粘度計による粘度が10〜500
    0cps(25℃)の脂肪族エステル若しくはポリエス
    テルである請求項12〜15の何れか1つに記載の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 スチレン系モノマーとジエン系モノマ
    ーとの共重合ゴム(a)が、スチレン骨格含有率が25
    〜55重量%のものである請求項12〜16記載の製造
    方法。
  18. 【請求項18】 (メタ)アクリル酸アルキル(b)と
    して、メタアクリル酸メチルと、その他のアクリル酸ア
    ルキルエステルとを併用することを特徴とする請求項1
    7記載の製造方法。
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JP2011202092A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Tokai Rubber Ind Ltd 型成形品用エラストマー組成物およびそれを用いた型成形品、並びにその型成形品の製法

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